JPH11202508A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH11202508A
JPH11202508A JP437798A JP437798A JPH11202508A JP H11202508 A JPH11202508 A JP H11202508A JP 437798 A JP437798 A JP 437798A JP 437798 A JP437798 A JP 437798A JP H11202508 A JPH11202508 A JP H11202508A
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coating
cylindrical substrate
substrate
temperature
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JP437798A
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Takahiro Suzuki
貴弘 鈴木
Tetsuya Esumi
鉄也 江角
Mamoru Fujita
護 藤田
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布液に速乾性の溶媒を用いても、塗布の上
端面に形成される厚膜層のダレを防止し、塗布操作中の
基体の温度変化を少なくして塗布ムラのない均一な膜厚
を容易に形成できる電子写真感光体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 円筒状基体の内側に挿入され、保持部材
を円筒状基体の内壁に圧接して円筒状基体を保持する保
持装置と、塗布液を満たした塗布装置からなる浸漬塗布
装置を用いて塗布層を形成する電子写真感光体の製造方
法において、円筒状基体を塗布液に浸漬する際に、円筒
状基体と接触している保持部材の下端面と円筒状基体の
上端面との長さを、40mm以下にして浸漬塗布を行う
ものである。また、その塗布直前における円筒状基体の
表面温度T2 と塗布液温度T1 との温度差は、2℃≦T
1 −T2 ≦8℃の範囲で浸漬塗布することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基体の表面に浸漬
塗布法により塗膜を形成する電子写真感光体の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真感光体は、円筒状の導
電性基体(以下、単に「基体」ともいう。)の周面に感
光体材料を塗布し、乾燥させて製造される。その感光体
材料を塗布する方法としては、通常、塗布液を入れた塗
布槽に、基体の長手方向を垂直に保持させて、その基体
を塗布液の所定の深さにまで浸漬させた後、基体を引き
上げて塗膜を形成させる方法が採用されている。
【0003】その際、基体に塗布される上端から基体の
上下方向に均一な塗膜が形成できるように、塗布液に
は、通常、揮発性の高い速乾性の溶媒が用いられてい
る。ところが、この速乾性の溶媒を用いる浸漬塗布法で
は、その塗布液中の溶媒が急速に蒸発するために、その
蒸発時に基体から熱が奪われて塗布過程において基体温
度が変化する結果、基体表面に塗布ムラが発生して均一
な塗膜を形成できない場合がある。
【0004】上記した問題の回避策として、基体保持装
置を加熱したり保温するために、保持装置内にヒーター
等を組み込む方法(特開昭63−305964号公報、
特公平5−55034号公報参照)等が提案されてい
る。しかし、これらの方法は、塗布装置が複雑になると
ともに、設備費及び操作経費等の上昇を伴うから、あま
り得策な方法とは言えない。また、特開平8−9526
5号公報等には、塗布液と塗工槽の周囲温度をコントロ
ールすることにより、塗膜の白化を防止して成膜性を改
善する方法が提案されているが、この方法は、基体表面
に形成される膜厚が不均一になるという問題を十分に改
善することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
体の浸漬塗布液に速乾性の溶媒を用いても、塗布の上端
面に形成される厚膜層のダレを防止し、塗布操作中の基
体の温度変化を少なくして塗布ムラのない均一な膜厚を
容易に形成できる電子写真感光体の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真感光体
の製造方法は、円筒状基体の内側に挿入され、保持部材
を円筒状基体の内壁に圧接して円筒状基体を保持する保
持装置(パイプチャック)と、塗布液を満たした塗布装
置からなる浸漬塗布装置を用いて塗布層を形成する際
に、円筒状基体を塗布液に浸漬する際に、円筒状基体と
接触している保持部材(チャック)の下端面と円筒状基
体の上端面との長さを、40mm以下にして浸漬塗布を
行うことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。電子写真感光体を浸漬塗布により作製するには、
上下に移動する保持装置により内面で保持された円筒状
基体を塗布液中に浸漬させ、これを引き上げて乾燥する
ことにより行われるが、その際、保持部材(チャック)
の接触部位を基体の奥深い位置(図3、チャックタイプ
参照)にするか、保持部材と基体内面との接触面を多
くするために上下方向の幅が長いチャック(図3、チャ
ックタイプ参照)にするか、又はこれらを組み合せる
(図3、チャックタイプ参照)ことによって、基体を
安定的に保持する方法が採用されている。しかし、これ
らの方法では、基体上端の厚膜層のダレが大きくなり膜
厚の均一な塗膜を形成させることができない。この問題
について本発明者等が検討した結果、基体と保持部材
(チャック)との接触時の温度が厚膜層のダレと密接な
関係を有することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明においては、円筒状基体
の保持装置について、上記のとおり、保持部材(チャッ
ク)の上下方向の幅を40mm以下に短かくして基体と
チャックとの接触面を少なくするとともに、保持部材の
基体保持位置を基体の上端面より40mm以下の範囲に
することにより、溶媒が急速に蒸発して塗布中の基体に
温度変化が起っても、基体のチャック接触部と非接触部
分との間の温度ムラを小さくできることから、厚膜層の
ダレを防止し、均一な塗膜の形成が可能になる。これ
は、本発明の方法を採ることにより、塗布中において温
度変化する位置が基体の上端部に移動するために、基体
全体の温度変化に及ぼす影響が少なくなることによるも
のと考えられる。
【0009】また、本発明において、円筒状基体の浸漬
塗布により電子写真感光体を製造する際に、塗布直前に
おける円筒状基体の表面温度T2 と塗布液温度T1 との
温度差を、2℃≦T1 −T2 ≦8℃の範囲で行うことが
好ましい。塗布液の温度を基体の温度より高く設定する
ことにより、溶剤の蒸発による基体の温度降下を抑制で
きるとともに、塗布操作中における基体塗布部の温度変
化を少なくできるから、膜厚ムラの少ない感光体を得る
ことができる。しかし、塗布液と基体との温度差が大き
くなりすぎると、逆に膜厚ムラが発生するようになる。
そこで、本発明においては、上記に示した温度差(T1
−T2 =2〜8℃)を採ることにより、膜厚ムラを極め
て小さくできて、均一な膜厚を有する感光体を容易に生
産できるようにしたものである。
【0010】以下、本発明を図面を用いて説明する。図
1は、本発明に用いられる保持装置が円筒状基体を保持
している状態を示す概略構成図である。図1中、1は保
持装置の支持部材であり、2はそのチャック(保持部
材)である。また、3は円筒状基体であり、9は円筒状
基体の上端面である。図2は、本発明において、円筒状
基体を塗布槽に入れて浸漬塗布している状態を示す構成
の概略断面図である。塗布槽4中の塗布液5は、収容タ
ンク6からポンプ7及びフィルター8を通して導入さ
れ、その塗布槽4の上部から溢流した塗布液は、常に恒
温ジャケット10で温度調節された収容タンク6に戻さ
れて再循環するように構成されている。円筒状基体3
は、その上部内面が保持装置のチャックに保持されて塗
布液中に浸漬されている。図3は、保持装置の保持部材
(チャック)が、基体内壁を保持している状態を示す概
略断面図である。そのチャックタイプは、本発明にお
けるチャックの上下方向の幅及びチャックと基体との接
触状態を説明するためのものである。また、チャックタ
イプ〜は、従来のチャックの上下方向の幅及びチャ
ックと基体との接触状態を説明するためのものであり、
比較例に用いているものである。
【0011】次に、本発明の電子写真感光体の製造方法
について説明する。本発明においては、前記した長さの
円筒状基体の保持装置(パイプチャック)の保持部材
(チャック)の接触部を用いることにより、塗布時にお
いて基体表面の温度ムラを防止できるため、パイプチャ
ックの熱容量の影響を受け難くすることができる。本発
明の保持装置において、保持部材の材質は、その強度等
により制約されるものであるが、一般に、保持装置の支
持部材としては、SUSステンレス鋼やアルミニウム等
の金属が用いられ、また、保持部材としては、シリコー
ン系ゴム等の弾性を有する樹脂材料が用いられるが、こ
れらに限定されるものではない。また、保持部材の径
は、塗布される基体の直径に適合できるものであること
が必要であるが、その上下方向の厚さ(長さ)は、基体
を保持し得る限り薄い(短かい)ことが好ましい。本発
明に用いる保持部材の長さは40mm以下であるが、浸
漬塗布時における基体の保持安定性を考慮すると20〜
40mmの範囲が望ましい。
【0012】さらに、浸漬塗布中の塗布液の温度と基体
の温度とは、前記したとおり、塗布直前の塗布液温度T
1 と保持部材が内側で接触している基体表面の温度T2
との温度差(T1 −T2 )を2〜8℃の範囲に保持する
ことが望ましい。この温度範囲に制御する方法として、
塗布液については、循環機のタンク等に恒温ジャケット
を用いる方法等があり、また、基体温度については、塗
布時の雰囲気(ブース)の温度を制御する方法や基体熱
風乾燥後の塗布までの冷却時間を調整すること等により
実施することができる。これらの温度制御法は、いずれ
も本発明に適用でき、また本発明は、これらに限定され
るものではない。また、その他の塗布条件は、従来の浸
漬塗布法において電子写真感光体の製造に用いられてい
る方法を採用することができる。
【0013】そして、電子写真感光体には、その塗膜の
層構成により、特に感光層が、電荷発生物質及び電荷輸
送物質を単一の塗膜中に含まれる単層型感光体と、電荷
発生層及び電荷輸送層が別個の塗膜に含まれる積層型感
光体とに大別されるが、本発明における浸漬塗布法は、
そのいずれの層構成からなる電子写真感光体の製造に
も、好適に使用することができる。また、本発明は、そ
の他の層を有する電子写真感光体の製造にも使用するこ
とができ、例えば、電荷の注入を防止するために基体と
電荷発生層の間に設けられる下引き層や干渉防止層、或
いは感光体の損傷を防止するために設けられる表面保護
層を有する電子写真感光体の製造にも適用することがで
きる。
【0014】次に、本発明により製造される電子写真感
光体の各層について説明する。導電性基体としては、ア
ルミニウム、ステンレス、ニッケル等の金属により形成
されたものが用いられ、その形状としては円筒形のもの
であり、通常、その直径(φ)は10〜200mm、長
さ(L)は200〜500mm、肉厚は0.5〜2mm
の範囲のものである。
【0015】下引き層は、少なくとも樹脂を含む塗布液
を用いて形成される。下引き層に用いる主な材料として
は、アクリル系、メタクリル系、塩化ビニル系、酢酸ビ
ニル系、エポキシ系、ポリウレタン系、フェノール系、
ポリエステル系、アルキッド系、ポリカーボネイト系、
シリコーン系、メラミン系等の各種樹脂類又はジルコニ
ウム化合物、チタニウム化合物等を含む上記樹脂類が挙
げられる。
【0016】電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質及
び結着樹脂を含む塗布液を用いて形成される。その電荷
発生物質としては、アゾ顔料、ジスアゾ顔料、キノン顔
料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、
ビスベンゾイミダゾール顔料、フタロシアニン顔料、キ
ナクリドン顔料、ピリリウム塩、アズレニウム塩、三方
晶セレン等の従来公知の電荷発生性材料が用いられる。
【0017】電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質及
び結着樹脂を含む塗布液を用いて形成される。その電荷
輸送物質としては、アントラセン、ピレン、フェナント
レン、コロネン等の多環芳香族化合物又はそれらの誘導
体、インドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオ
キサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、
オキサジアゾール、ピラゾリン、ヒアジアゾール、トリ
アゾール等の含チッ素複素環式化合物又はそれらの誘導
体、その他にヒドラゾン化合物等の正孔輸送物質等の従
来公知の電荷輸送性材料が用いられる。
【0018】上記のような各層の塗膜形成に用いる結着
樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリエステル、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、ポリサルホン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒ
ドロキシメチルセルロース、セルロースエステル類等が
挙げられる。
【0019】また、塗布液の溶剤(溶媒)としては、揮
発性の高い速乾性の溶剤が好適に用いられ、例えば、n
−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、
イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,
N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン、ベンゼン、4−メトキシ−4
−メチルペンタノン、ジメトキシメタン、ジメトキシエ
タン、2,4−ペンタジオン、アニソール、3−オキソ
ブタン酸メチル、モノクロロベンゼン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロ
ロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、
酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチ
ルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブア
セテート等が挙げられる。これらの中で、本発明におい
ては、特に電荷輸送物質や結着樹脂の溶解力が高く、蒸
発速度の大きいジクロロメタン、テトラヒドロフラン等
を用いると大きな効果を発揮する。
【0020】単層型電子写真感光体を製造する際の塗布
液としては、前記の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着
剤樹脂及び溶剤を混合(分散)して調合される。また、
積層型電子写真感光体を製造する際の塗布液としては、
前記の電荷発生物質、結着剤樹脂および溶剤を混合(分
散)して調合される電荷発生層の塗布液と、前記の電荷
輸送物質、結着剤樹脂および溶剤を混合して調合される
電荷輸送層の塗布液とが別々に調合される。また、感光
体に、必要に応じて設けられる下引き層は、前記の下引
き層物質と溶剤を混合して調合した塗布液が使用され
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお、以下の各例
に用いた化合物及び塗布液の組成は、次のとおりであ
る。 [塗布液の組成] 塗布液A(下引き層用塗布液) 下記構造式(1)のジルコニウム化合物 20重量部 (オルガチックスZC540、松本製薬社製) 下記構造式(2)のシランカップリング剤 2重量部 (A−1110、日本ユニカー社製) 下記構造式(3)のポリビニルブチラール樹脂 2重量部 (エスレツクBM−S、積水化学社製) 1−ブタノール 70重量部
【化1】
【0022】 塗布液B(電荷発生層用塗布液) クロルガリウムフタロシアン 5重量部 下記構造式(4)の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 5重量部 酢酸n−ブチル 200重量部 上記組成の混合物を、1mmφのガラスビーズを入れた
サンドミルにより2時間分散させて得られた分散液。
【化2】
【0023】 塗布液C−1(電荷輸送層1用塗布液) 下記構造式(5)の電荷輸送物質 1重量部 下記構造式(6)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂 (ユーピロンZ300、三菱瓦斯化学社製) 1重量部 モノクロルベンゼン 2重量部 テトラヒドロフラン 4重量部
【化3】
【0024】 塗布液C−2(電荷輸送層2用塗布液) 上記構造式(5)の電荷輸送物質 1重量部 上記構造式(6)の繰り返し構造単位を有するポリカーボネイト樹脂 (ユーピロンZ300、三菱瓦斯化学社製) 1重量部 モノクロルベンゼン 6重量部 ジクロロメタン 2重量部
【0025】実施例1 湿式ホーニング処理により表面粗度Raを0.18とし
た円筒状アルミニウム基体(84mmφ×340mm
L)に、従来の浸漬塗布装置を用いて、塗布液Aを乾燥
膜厚が1.0μmになるような引き上げ速度で塗布した
後、2分間自然乾燥し、次いで乾燥温度150℃におい
て10分間乾燥させて下引き層を形成した。次に、従来
の浸漬塗布装置に用いて、下引き層の上に塗布液Bを乾
燥膜厚が0.2μmになるような引き上げ速度で塗布し
た後、1分間自然乾燥し、次いで乾燥温度を100℃に
して10分間乾燥させて電荷発生層を形成した。
【0026】次に、塗布液C−1(電荷輸送層1用塗布
液)の温度は27℃であり、塗布直前の保持部材と接触
している基体温度は24℃になるようにコントロール
し、図3のチャックタイプに示すように、電荷発生層
を設けた基体を保持部材(厚さ30mm)を用いて浸漬
し、乾燥膜厚が25μmになるような引き上げ速度で塗
布した後、2分間自然乾燥し、次いで乾燥温度135℃
で40分間乾燥させて電荷輸送層1を形成することによ
り電子写真感光体を作製した。得られた感光体の膜厚の
測定結果を、図4に示す。
【0027】比較例1 実施例1の電荷輸送層を形成する際、塗布液温度は27
℃であり、塗布直前の保持部材と接触している基体温度
は24℃になるようにコントロールし、図3のチャック
タイプに示すように、電荷発生層を設けた基体を保持
部材(厚さ30mm)を用いて浸漬塗布して電荷輸送層
1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。得られた感光体の膜厚の測定結果
を、図5に示す。
【0028】比較例2 実施例1の電荷輸送層を形成する際、塗布液温度は28
℃であり、塗布直前の保持部材と接触している基体温度
は25℃になるようにコントロールし、図3のチャック
タイプに示すように、電荷発生層を設けた基体を保持
部材(厚さ60mm)を用いて浸漬塗布して電荷輸送層
1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。得られた感光体の膜厚の測定結果
を、図6に示す。
【0029】比較例3 実施例1の電荷輸送層を形成する際、塗布液温度は26
℃であり、塗布直前の保持部材と接触している基体温度
は25℃になるようにコントロールし、図3のチャック
タイプに示すように、電荷発生層を設けた基体を保持
部材(厚さ60mm)を用いて浸漬塗布して電荷輸送層
1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製した。得られた感光体の膜厚の測定結果
を、図7に示す。
【0030】実施例2 湿式ホーニング処理により表面粗度Raを0.20とし
た円筒状アルミニウム基体(30mmφ×360mm
L)に、従来の浸漬塗布装置を用いて塗布液Aを乾燥膜
厚が1.0μmになるような引き上げ速度で塗布した
後、2分間自然乾燥し、次いで乾燥温度150℃で10
分間乾燥させて下引き層を形成した。次に、従来の浸漬
塗布装置に用いて、下引き層の上に塗布液Bを、乾燥膜
厚が0.2μmになるような引き上げ速度で塗布した
後、1分間自然乾燥し、次いで乾燥温度100℃にして
10分間乾燥させて電荷発生層を形成した。次に、塗布
液C−2(電荷輸送層2用塗布液)の温度は26℃であ
り、塗布直前の保持部材と接触している基体温度は24
℃になるようにコントロールし、図3のチャックタイプ
に示すように、電荷発生層を設けた基体を保持部材
(厚さ30mm)を用いて浸漬し、乾燥膜厚が24μm
になるような引き上げ速度で塗布した後、2分間自然乾
燥し、次いで乾燥温度115℃で40分間乾燥させて電
荷輸送層2を形成することにより電子写真感光体を作製
した。
【0031】比較例4 実施例2において、電荷輸送層2を形成する塗布条件と
して、塗布液の温度は26℃であり、塗布直前の保持部
材と接触している基体温度は24℃になるようにコント
ロールし、図3のチャックタイプに示すように、電荷
発生層を設けた基体を保持部材(厚さ30mm)を用い
て浸漬塗布したこと以外は、実施例2と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0032】比較例5 実施例2において、電荷輸送層2を形成する塗布条件と
して、塗布液の温度は26℃であり、塗布直前の保持部
材と接触している基体温度は25℃になるようにコント
ロールし、図3のチャックタイプに示すように、電荷
発生層を設けた基体を保持部材(厚さ30mm)を用い
て浸漬塗布したこと以外は、実施例2と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0033】実施例3 実施例1において、電荷輸送層1を形成する塗布条件と
して、塗布液の温度は28℃、塗布直前の保持部材と接
触している基体温度は21℃になるようにコントロール
し、図3のチャックタイプに示すようにして浸漬塗布
したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製した。
【0034】上記実施例1〜3及び比較例1〜5で得ら
れた結果を、表1に示す。
【表1】 表中、「膜厚スロープ」は、感光体端部から軸方向に5
0〜300mmの範囲の膜厚を測定し、その最大値と最
小値の差である。また、「膜厚上部のダレ」は、感光体
端部から軸方向に50〜300mmの範囲の平均膜厚と
端部から30mmの膜厚との差である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、塗布液に速乾性の溶媒を用い
ても、浸漬塗布法において基体の上端部に発生する厚膜
層のダレを抑制できると共に、基体の上下方向に厚さの
均一化された塗膜を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられる保持装置が円筒状基体を
保持している状態を示す概略構成図である。
【図2】 本発明において円筒状基体を塗布槽に入れて
浸漬塗布している状態を示す構成の概略断面図である。
【図3】 保持装置の保持部材(チャック)が、円筒状
基体の内壁を保持している状態を示す概略断面図であ
る。
【図4】 実施例1により作製された電子写真感光体上
の膜厚の測定結果を示すグラフである。
【図5】 比較例1により作製された電子写真感光体上
の膜厚の測定結果を示すグラフである。
【図6】 比較例2により作製された電子写真感光体上
の膜厚の測定結果を示すグラフである。
【図7】 比較例3により作製された電子写真感光体上
の膜厚の測定結果を示すグラフである。
【図8】 実施例3により作製された電子写真感光体上
の膜厚の測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…支持部材、2…チャック(保持部材)、3…円筒状
基体、4…塗布槽、5…塗布液、6…収容タンク、7…
ポンプ、8…フィルター、9…円筒状基体の上端面、1
0…恒温ジャケット。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状基体の内側に挿入され、保持部材
    を円筒状基体の内壁に圧接して円筒状基体を保持する保
    持装置と、塗布液を満たした塗布装置からなる浸漬塗布
    装置を用いて塗布層を形成する電子写真感光体の製造方
    法において、円筒状基体を塗布液に浸漬する際に、円筒
    状基体と接触している保持部材の下端面と円筒状基体の
    上端面との長さを、40mm以下にして浸漬塗布を行う
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 塗布直前における円筒状基体の表面温度
    2 と塗布液温度T1 との温度差が、2℃≦T1 −T2
    ≦8℃の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の
    電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法により
    得られた電子写真感光体。
JP437798A 1998-01-13 1998-01-13 電子写真感光体の製造方法 Pending JPH11202508A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007225867A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の塗膜形成装置及び塗膜形成方法、電子写真感光体、それを用いた画像形成方法と画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2012030185A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Ito Kogaku Kogyo Kk 浸漬塗装方法
JP2019056749A (ja) * 2017-09-20 2019-04-11 富士ゼロックス株式会社 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置

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