JPH11202417A - ホログラムスクリーン - Google Patents

ホログラムスクリーン

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Publication number
JPH11202417A
JPH11202417A JP10256302A JP25630298A JPH11202417A JP H11202417 A JPH11202417 A JP H11202417A JP 10256302 A JP10256302 A JP 10256302A JP 25630298 A JP25630298 A JP 25630298A JP H11202417 A JPH11202417 A JP H11202417A
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JP
Japan
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light
hologram
hologram screen
screen
projection
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Application number
JP10256302A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidekazu Hattori
秀和 服部
Kenichiro Takada
健一朗 高田
Toru Matsumoto
徹 松本
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
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  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 色再現性に優れたホログラムスクリーンを提
供すること。 【解決手段】 投影装置2より投影された投影光21を
散乱回折させる機能を備えたホログラム素子11と散乱
度が5°以上である光散乱素子12とを組合わせてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,ホログラム素子をスクリーンと
して利用する透過型のホログラムスクリーンに関するも
のである。
【0002】
【従来技術】ショーウィンドウ等に貼り付け,動画また
は静止画による広告等を映すディスプレイとして使用す
る透明なホログラムスクリーンを図17に示す。上記ホ
ログラムスクリーン9は,図17に示すように観察者6
に対してホログラム素子11の背後の下方(または上
方)に設けた投影装置2(例えばプロジェクター等)か
らホログラム素子11上に投影光21を投射し,映像を
結像させ,ホログラム素子11によってこの投影光21
を前方に回折・散乱させることにより観察者6に映像を
認識させるものであった。
【0003】このような透過型のホログラムスクリーン
9に用いるホログラム素子11は,図18に示すごとき
露光光学系8により拡散体88を感光部材85に記録す
ることにより作製されていた。
【0004】ここにレーザー発振器80(例えばArレ
ーザー)より発せられたレーザー光800(例えば波長
514.5nm)は半透明鏡890において二方向に分
割される。一方の光は2枚の反射鏡891を経て対物レ
ンズ831により発散光となした後,感光部材85に投
射される。なお,この光が参照光86である。また,他
方の光も2枚の反射鏡892を経て対物レンズ832に
より発散光となした後,放物面鏡89に導入される。該
放物面鏡89で反射された光は拡散体88を透過して拡
散光となした後,感光部材85に投射される。なお,こ
の拡散体88からの光が物体光87となる。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,このように作
製されたホログラム素子11を用いたホログラムスクリ
ーン9では,投影装置2から投影された映像が緑系の色
調を帯びる等,投影された映像の色が充分再現されない
という問題が生じていた。
【0006】ところで,上記ホログラム素子11の分光
特性を図19に示すごとき方法にて測定する。この測定
方法において,白色光901を図18に示す露光光学系
8の参照光86の感光部材85への入射角θrに等しい
角度でホログラム素子11に入射させ,該ホログラム素
子11からの回折光の中で,特に0°方向に出射された
回折光902の波長と効率(=100×0°方向への回
折光の強度/白色光の強度[%])とを測定する。な
お,上記0°方向とはホログラム素子11の表面に対し
て垂直となる方向である。
【0007】この測定結果より図20にかかる線図のよ
うな分布を持った分光特性が得られた。同図によるとこ
の特性は青〜緑の波長域にピークを持ち,赤領域の波長
が弱くなっていることが判明した。つまり,ホログラム
素子11は波長により効率が大きく異なる分布を持った
分光特性を有することから,映像の色再現性が悪くなっ
ていると考えられる。
【0008】本発明は,かかる問題点に鑑み,色再現性
に優れたホログラムスクリーンを提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,投影装置より投
影された投影光を回折させる機能を備えたホログラム素
子と散乱度が5°以上である光散乱素子とを組合わせて
なることを特徴とするホログラムスクリーンにある。
【0010】散乱度が5°以上である光散乱素子を使用
することにより,後述の実施形態例2の図14より知れ
るごとく,本発明の効果を確実に得ることができる。散
乱度が5°未満である場合は本発明の効果を得ることが
困難となるおそれがある。また,上記散乱度の上限は後
述する請求項6により定めることが好ましい。これより
散乱度が大きい場合には,投影成分が散乱されすぎて映
像が暗くなったり,ホログラムスクリーンの透明性が損
なわれるおそれがある。なお,散乱度の定義は後述の実
施形態例2に記載した。
【0011】本発明の作用につき,以下に説明する。本
発明にかかるホログラムスクリーンはホログラム素子に
対し光散乱素子を組合わせたものである。ここで光散乱
素子の効果について説明するが,該光散乱素子の効果を
明確にするために,まず透過型のホログラムスクリーン
の原理について説明する。
【0012】前述した図18に示すごとき露光光学系8
にかかる拡散体88を記録したホログラム素子には,様
々の傾きを持った干渉縞が記録されることとなる。即
ち,ホログラム素子のどの部分においても,1ヶ所に1
種類の傾きの干渉縞が記録されているのではなく,1ヶ
所に多種類の傾きの干渉縞が多重に記録されている。
【0013】このようなホログラム素子の状態を図8に
模式的に記載した。ただし,図8は分かりやすくするた
めに3種類の傾きの干渉縞について各3本の干渉縞を記
載し,該干渉縞の中の1本を特に太線にて記載した。実
際のホログラム素子においてはもっと多くの干渉縞が記
録されている。
【0014】上記干渉縞の傾きは,図9に示すごとく,
露光光学系8において感光部材85上の任意の点850
において,参照光860と干渉する物体光870が拡散
板88上のどの位置から入射してくるかによって決定さ
れる。例えば,図8の干渉縞aは図9の物体光8−aと
参照光860とが干渉して形成されたものであり,図8
の干渉縞bあるいはcは図9の物体光8−bあるいは8
−cと参照光860とが干渉して形成されたものであ
る。
【0015】このような干渉縞aあるいはbに白色光2
9が露光光学系8にかかる参照光86と同じ角度θrで
入射したときの回折光290の状態を図10に示す。図
10(a)は干渉縞aに白色光29が入射した場合につ
いて記載し,図10(b)は干渉縞bに白色光29が入
射した場合について記載した。
【0016】干渉縞aに白色光29が入射した場合,矢
線yの方向に記録波長と同じ波長の光が回折される。こ
の矢線yの方向は図9に示した物体光8−aと同じ方向
である。上記白色光29より得られる回折光290はこ
の矢線方向yに回折された回折光以外の成分として,記
録波長より長波長の光で矢線xの方向に回折された成
分,短波長の光で矢線zの方向に回折された成分よりな
る。
【0017】つまり,白色光29は図10(a)に示す
楕円状の範囲に色分離された回折光290となってホロ
グラム素子より前方に回折・散乱される。そして,上記
回折光290の中で,特に0°方向である矢線vの方向
に回折された回折光の成分のみが前述した分光特性の測
定において検出される。
【0018】また,図10(b)には干渉縞bに対し白
色光29が入射した場合について記載した。この場合に
は,上記白色光29は同図に示した楕円状の範囲に色分
離されつつ回折・散乱され,回折光の中でも記録波長と
同じ波長の光は矢線yの方向に回折される。そしてこの
場合,矢線yの方向が0°方向と等しくなるため,分光
特性の測定において検出されるのは矢線y方向に回折さ
れた光である。このように干渉縞の傾きに応じて0°方
向に回折される光の波長が異なる。
【0019】以上より,ホログラム素子の任意の部分に
対し記録された全ての干渉縞によって様々な波長と向き
を持った回折光が形成される。そして,全ての干渉縞に
よって形成された0°方向の回折光の総和が分光特性に
おいて検出され,前述した図20に示すごとき青及び緑
の領域にピークを持った分光特性の線図を形成するので
ある。そして,この分光特性はスクリーン正面に居る観
察者の目に入るホログラムスクリーンからの光の状態を
反映する(つまり,観察者においてもホログラムスクリ
ーンからの回折光が青あるいは緑の色調を帯びていると
観測される)。
【0020】ここに,図11を用いて,図10(b)に
示す干渉縞bに対し白色光28を露光光学系8にかかる
参照光86の入射角θrより大きな角度gで入射させた
場合の回折光290の状態について説明する。
【0021】Braggの回折公式からも分かるよう
に,このようなケースでは記録波長と同じ波長の光は矢
線z方向に回折され,記録波長より長波長の光が矢線x
の方向,即ち0°方向に回折されることとなる。逆に,
白色光を入射角θrより小さな角度で入射させた場合に
は,記録波長より短波長の光が0°方向に回折されるこ
ととなる。
【0022】従って,ある傾きを持った干渉縞に対し,
入射角にある程度の範囲を持った白色光が入射した場
合,この干渉縞により0°方向に回折される回折光はよ
り広い波長分布を持つこととなる。よって,回折光の分
光特性を波長による効率差の少ないブロードなものとす
ることができる。つまり,ホログラム素子に対する投影
光の入射角にある程度の幅を持たせることで,ホログラ
ム素子からの回折光はより光源色に近い白色に近い状態
となる。
【0023】本発明は,以上の考察に基づき考案された
ものであって,ホログラム素子に対する投影装置からの
投影光(上述の説明にかかる白色光に相当する)の入射
角にある程度の幅を持たせる手段として,光散乱素子を
ホログラム素子に組合わせるものである。これにより,
投影光の色再現性を高めることができる。
【0024】なお,以上の考察は主としてホログラム素
子に入射する投影光について述べた。反対にホログラム
素子からの出射する回折光を散乱させることによって
も,上記と同様の作用を得ることができる。この場合,
白色光を入射させることにより得られたホログラム素子
からの回折光は上述したごとく青または緑の波長領域に
ピークを持っているが,適当な光散乱体を透過させるこ
とにより,回折光をより光源色に近い白色な状態とする
ことができる。これにより,投影光の色再現性を高める
ことができる。
【0025】以上のように,本発明によれば,色再現性
に優れたホログラムスクリーンを提供することができ
る。
【0026】また,上記光散乱素子はホログラム素子に
対してある程度の距離をおいて配置することができる。
つまり,光散乱素子が投影光を散乱することによってホ
ログラム素子の上に映像が映るようなものである場合に
は,ホログラム素子に投影される映像と重なって2重に
見えたりすることがないように,ある程度の距離を空け
る必要がある。
【0027】また,光散乱素子とホログラム素子との間
の距離が離れた場合には,ホログラム素子に入射できな
いほどの角度に散乱された投影光の成分が多くなるた
め,投影光の利用効率が悪化し,映像が暗くなるおそれ
がある(投影光の入射する側に光散乱素子を設けた場
合)。このため,光散乱素子とホログラム素子とはでき
る限り近接させるよう配置することが好ましい。
【0028】次に,請求項2の発明のように,上記光散
乱素子は投影装置側に配置することができる,あるいは
請求項3の発明のように,上記光散乱素子は投影装置側
と反対側に配置することができる。いずれについても上
述したごとく本発明にかかる効果を得ることができる。
また,0次光による眩しさの改善効果を得ることができ
る。
【0029】次に,請求項4の発明のように,上記光散
乱素子は,特定の入射角の範囲内において入射した投影
光を散乱させる機能を備えていることが好ましい。これ
により,ホログラムスクリーンの背景光は透過し,投影
装置からの投影光のみを散乱することができる。よっ
て,ホログラムスクリーンの透明性を損なうことなく色
再現性を高めることができる。
【0030】なお,上記特定の入射角の範囲とは,ホロ
グラムスクリーンの大きさと投影装置との位置関係等に
より決定されるため,一概には規定することができな
い。即ち,後述する図5に示すように,ホログラムスク
リーンでは中心への入射角はm°となるが,ホログラム
スクリーンの端部においてはlまたはn°となる。この
場合,l〜nの範囲にて入射する光を散乱可能な光散乱
素子が好ましい。
【0031】しかし,投影装置からの投影光がホログラ
ムスクリーンの中央部に入射する場合の角度としては一
般には35°前後であるケースが多い。このような場合
には,およそ25〜60°という入射角の範囲の光を散
乱することができる光散乱素子を使用することが多い。
【0032】次に,請求項5の発明のように,上記光散
乱素子の垂直透過率は30〜100%の範囲内にあるこ
とが好ましい。これにより,光散乱素子はホログラムス
クリーンの背景光を透過させることができる。従って,
観察者からはホログラムスクリーンを通してその背後に
ある物体を観察することができ,ホログラムスクリーン
の応用範囲を広げることができる(ショーウィンドウ等
に貼り付け,動画または静止画による広告等を映すディ
スプレイとして使用する)。
【0033】次に,請求項6の発明のように,上記光散
乱素子は入射光を少なくとも sin-1{sinθi−λ1/λ0・(sinθo −s
inθr)} ≦θ≦sin-1{sinθi−λ2/λ0・(sinθ
o −sinθr)} (ただし,λ0:ホログラム記録波長,λ1=380n
m,λ2=780nm[可視光領域が380〜780n
m],θr:参照光入射角,θo:物体光入射角,θ
i:回折光出射角)にかかる数式によって決まる角度θ
の範囲内に散乱させることが好ましい。
【0034】これにより,ほぼ完全に投影装置からの投
影光の色を再現することができる。θが上述した範囲の
下限未満である場合には,色再現性が悪いと感じるおそ
れがある。一方,θが上述した範囲を越えた場合には,
映像が暗くなり過ぎたり,ホログラムスクリーンの透明
性が損なわれるおそれがある。
【0035】なお,上記数式でのλ0はホログラム素子
を作製する際の記録波長である。つまり,図18にかか
る露光光学系8でのレーザー光800がArレーザーで
ある場合にはλ0=514.5nmとなる。また,上記
λ1,λ2は可視光領域の両端の波長であるためそれぞ
れ380nmと780nmとなる。θrは図7(a)に
示すごとく,露光光学系8における感光部材85上の点
85への参照光86の入射角であり,θoは物体光87
の入射角であり,θiは,図7(b)に示すごとく,ホ
ログラム素子11にて回折・散乱された回折光211の
出射角がθiとなる。
【0036】なお,実質的な問題として,物体光87の
入射角θo=0°,回折光211の出射角θi=0°と
して求めた角度に入射光を散乱可能な性能を光散乱素子
が持っていれば,目視による投影光の観察には全く問題
のない程度の充分な色再現性を得ることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるホログラムスクリーンにつ
き,図1〜図7を用いて説明する。図1に示すごとく,
本例のホログラムスクリーン1は,投影装置2より投影
された投影光21を回折させる機能を備えたホログラム
素子11と光散乱素子12とを組合わせてなり,上記光
散乱素子12は粘着層13を介して投影装置2側に配置
されている。
【0038】なお,上記光散乱素子12は, sin-1{sinθi−λ1/λ0・(sinθo −s
inθr)} ≦θ≦sin-1{sinθi−λ2/λ0・(sinθ
o −sinθr)} (ただし,λ0:ホログラム記録波長,λ1=380n
m,λ2=780nm[可視光領域が380〜780n
m],θr:参照光入射角,θo:物体光入射角,θ
i:回折光出射角)にかかる数式によって決まる角度θ
の範囲内に入射光を散乱させる機能を有している。
【0039】以下,詳細について説明する。本例にかか
るホログラム素子11は前述した図18にかかる露光光
学系8により作製したものである。該露光光学系8にお
いて,図7(a)に示したごとく,物体光の入射角θo
が−20〜10°となるように拡散板88が配置されて
いる。また,図7(a)に示したごとく参照光86の入
射角θrは35°である。
【0040】また,図5,図6に示すごとく,投影光2
1は光散乱素子12で散乱され散乱投影光210となっ
てホログラム素子11に入射する。図7(b)に示すご
とく,上記散乱投影光210はホログラム素子11にて
回折・散乱され回折光211となる。この回折光の出射
角θiであるが,観察者はホログラムスクリーンの前方
にてスクリーンを観察することから,0°とみなすこと
ができる。
【0041】従って,上述の数式において,θr=35
°,θo=0°,θi=0°を代入したところ,θの範
囲は25〜60°であった。このような散乱特性を持つ
光散乱素子として,本例では粘着層13を有する指向性
光散乱フィルム(住友化学製,ルミスティ−MFY−2
555)を使用した。
【0042】上記指向性光散乱フィルムの散乱特性を図
2に示した。この散乱特性は,図3に示すごとき測定系
において指向性光散乱フィルムに対し角度35°で白色
光αを入射させ,出射する散乱光βの強度をθ毎に測定
したものである。図2に示すごとく,本例において使用
した指向性光散乱フィルムは略20°以下の角度にて入
射した光は透化させてしまうが,20°を越えた当たり
からの光は散乱することができる。但し,現実的な散乱
能が得られるのは25〜60°の範囲である。
【0043】このため,この指向性散乱フィルムを光散
乱素子12としてホログラムスクリーン1に使用するこ
とにより,ホログラムスクリーン1の背景光はスクリー
ンを透過して観察者6に届く。観察者6は背景光を観察
することができ,ホログラムスクリーン1が透明である
と感じる。なお,上記粘着層13は透明度の高い材料よ
り構成されており,ホログラムスクリーンの透明度を損
なわない。
【0044】次に,図4に前述した従来技術において述
べた分光特性を本例にかかるホログラムスクリーン1に
ついて測定した結果を記載した。比較のためにホログラ
ム素子11単体での分光特性についても記載した。
【0045】同図より知れるごとく,ホログラムスクリ
ーン1の分光特性は波長による効率差の非常に少ないブ
ロードなものとなり,また,肉眼による観察を通じても
ホログラム素子11単体では映像が緑系の色調を帯びて
いたものが,ほぼ完全に投影装置の映像の色を再現でき
たことが確認できた。
【0046】次に,本例における作用効果につき説明す
る。図5に光散乱素子12とホログラム素子11とを組
合わせた本例にかかるホログラムスクリーン1を示す。
投影装置2からの投影光21は光散乱素子12において
散乱投影光210となり,ホログラム素子11に入射す
る。図6に示すごとく,ホログラム素子11上の点Aか
ら見れば,光散乱素子12上の別々の位置で散乱された
散乱投影光210が3a,3b,3cのように異なる角
度から入射してくる。
【0047】このように光散乱素子12を設けることに
よって,ホログラム素子11への投影光21の入射角は
ある程度の範囲を持つこととなる。従って,ホログラム
素子11の分光特性をよりブロードにすることができ,
ホログラムスクリーン1の色再現性を高めることができ
る。
【0048】なお,上記指向性光散乱フィルムはホログ
ラムスクリーンが完全に透明である必要がない場合は
(例えば色付きのスクリーン等),半透明のようなもの
であってもよい。粘着層13についても同様である。ま
た,光散乱素子として,光散乱作用を有するホログラム
素子を用いることもできる。例えば本例において使用し
たものと同じホログラム素子を1枚もしくは複数枚重ね
て貼り付けることにより,光散乱素子と同様の効果を得
ることができる。また,本例においては投影装置2側に
光散乱素子12を設けたが,反対に観察者側に光散乱素
子を設けることもできる。
【0049】実施形態例2 本例は光散乱素子の散乱度にかかる性能試験について図
12〜図14を用いて説明する。ここでは,本発明に使
用される光散乱素子の最適な散乱度合を求めた。以下に
その実験結果を示す。実験に当たっては,半透明フィル
ムを1枚〜5枚積層して積層体を構成した。得られた各
積層体52に対し,図12に示すごとく,波長514.
5nmのレーザー光よりなる入射光51を角度35°に
て入射させた。各積層体52を透過して出てきた出射光
53の輝度を輝度計5を角度θ方向に移動させつつ,測
定した。
【0050】得られた各θにかかる輝度をKとし,θ=
0°における輝度をK0として,(K/K0)×100
[%]なる受光率を算出した。得られた受光率を縦軸
に,θを横軸にとって図13にかかる線図を得た。同図
において,受光率が50%以上となる場合のθの範囲を
散乱度と定義した。つまり,例えば1枚の半透明フィル
ムにおいては,受光率が50%以上となる範囲は34〜
36°である。この場合の散乱度は2°となる。他も同
様である。
【0051】以上に示した各積層体52を用いて,実施
形態例1にかかる構造のホログラムスクリーンを作製し
た。また,比較用に同様の構造で積層体を設けていない
従来のホログラムスクリーンも作製した。更に,ホログ
ラム素子を使用しない,通常の不透明な白色スクリーン
も準備した。
【0052】そして,各ホログラムスクリーン,従来の
ホログラムスクリーン,不透明な白色スクリーンに対し
同じ投影器から同じ投影光を投射して,それぞれのスク
リーンに映し出された映像の色合いを複数の観察者が観
察した。この観察結果について図14に記載した。な
お,同図において『変化なし』とは従来のホログラムス
クリーンと変わらない状態にあることを示している。
『良くなった』とは従来のホログラムスクリーンと比較
して色合いが改善された状態にあることを示している。
『とても良くなった』とは不透明な白色スクリーンに映
る映像と近い状態になったことを示している。
【0053】同図より知れるごとく,散乱度が5°以上
の光散乱素子でもって作製したホログラムスクリーンに
映る映像は殆どの観察者が色の再現性が良くなったと感
じたことが分かった。また,光散乱素子は単独で用いる
こともありえるが,複数枚を積層して使用することも可
能であることが分かった。
【0054】実施形態例3 本例は図15,図16に示すごとくウィンドガラスに貼
着して使用するホログラムスクリーンについて説明する
ものである。本例にかかるホログラムスクリーン1は,
図15に示すごとく,ホログラム素子11を粘着剤13
を介してカバーフィルム85にて挟み,更に光散乱素子
12を粘着剤13にて貼り付けて構成され,かつ該光散
乱素子12は投影装置2側と反対側に配置されている。
このようなホログラムスクリーン1が粘着剤13を介し
てウィンドガラス70に貼着されている。その他は実施
形態例1と同様である。
【0055】ところで,図16に上記と同様の構成で光
散乱素子12を持たないホログラムスクリーン7を記載
した。このホログラムスクリーン7に対し,投影装置2
より投影光21を投射した場合,投影光21はホログラ
ム素子11において回折・散乱され,出射光215とな
ってウィンドガラス70側より出射する。この出射光2
15により観察者6が観察可能な映像が形成される。な
お,出射光215は上述したごとくホログラム素子11
に形成された干渉縞によって広がりを持った状態となる
が,本例の図面においては広がりの中心方向のみを記載
した。
【0056】ところで,上記投影光21はその全てが回
折・散乱されるわけではなく,一部はホログラム素子1
1を素通りする。これが0次光219である。上記0次
光219の射線上に観察者6がきた場合,観察者6の目
には0次光219が直接入射することとなり,眩しさを
感じることとなる。
【0057】このような眩しさの問題について,従来は
ホログラム素子11における観察者6の側にルーバーフ
ィルタ等を配置して0次光219を遮断することにより
対処していた。
【0058】しかしながら,ルーバーフィルタは0次光
219と共にたまたま0次光219と同方向に回折・散
乱された出射光も遮断してしまう。このため,0次光2
19と同方向からホログラムスクリーン7を観察した場
合,出射光が届かないことから映像が見えなくなるとい
う問題が発生していた。
【0059】しかしながら,本例のホログラムスクリー
ン1は,図15に示すごとく,投影装置2と反対側に光
散乱素子12が配置されている。このため,ホログラム
素子11を素通りした0次光219は光散乱素子12に
より散乱され,広がりを持った状態となって観察者6の
側に拡散する拡散光218となる。
【0060】このため,0次光219と同方向にいる観
察者6が眩しさを感じることを防止することができる。
更に,0次光219と同方向から届く出射光も拡散され
ることとなるが,遮断されることはない。よって,映像
が見えなくなることもない。なお,本例においても実施
形態例1と同様の作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1にかかる,ホログラムスクリーン
の使用説明図。
【図2】実施形態例1にかかる,光散乱素子の散乱特性
を示す線図。
【図3】実施形態例1にかかる,光散乱素子の散乱特性
の測定系についての説明図。
【図4】実施形態例1にかかる,本例のホログラムスク
リーン及びホログラム素子単体での分光特性を示す線
図。
【図5】実施形態例1にかかる,本例のホログラムスク
リーンの構造を示す説明図。
【図6】実施形態例1にかかる,本例のホログラムスク
リーンにおける光散乱素子の効果を示す説明図。
【図7】実施形態例1にかかる,(a)ホログラム素子
作製用の露光光学系における要部説明図,(b)ホログ
ラム素子からの回折光についての説明図。
【図8】ホログラム素子中の干渉縞についての説明図。
【図9】ホログラム素子作製用の露光光学系における要
部説明図。
【図10】ホログラム素子中のある干渉縞と該干渉縞に
て干渉された白色光の状態に関する説明図。
【図11】ホログラム素子中のある干渉縞に白色光を露
光光学系にかかる参照光の入射角θrより大きな角度g
で入射させた状態についての説明図。
【図12】実施形態例2にかかる,受光率の測定方法を
示す説明図。
【図13】実施形態例2にかかる,積層体とθにおける
受光率との関係を示す説明図。
【図14】実施形態例2にかかる,散乱度と色の再現性
の状態との関係を示す分布図。
【図15】実施形態例3にかかる,投影装置と反対側に
光散乱素子を設けたホログラムスクリーンの断面説明
図。
【図16】従来例にかかる,光散乱素子のないホログラ
ムスクリーンの断面説明図。
【図17】従来例にかかる,ホログラムスクリーンの使
用説明図。
【図18】ホログラム素子作製用の露光光学系の説明
図。
【図19】ホログラム素子の分光特性の測定系について
の説明図。
【図20】ホログラム素子の分光特性を示す線図。
【符号の説明】
1...ホログラムスクリーン, 11...ホログラム素子, 12...光散乱素子, 2...投影装置, 21...投影光,

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投影装置より投影された投影光を回折さ
    せる機能を備えたホログラム素子と散乱度が5°以上で
    ある光散乱素子とを組合わせてなることを特徴とするホ
    ログラムスクリーン。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記光散乱素子は投
    影装置側に配置されていることを特徴とするホログラム
    スクリーン。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記光散乱素子は投
    影装置側と反対側に配置されていることを特徴とするホ
    ログラムスクリーン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記光散乱素子は,特定の入射角の範囲内において入射
    した投影光を散乱させる機能を備えていることを特徴と
    するホログラムスクリーン。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記光散乱素子の垂直透過率は30〜100%の範囲内
    にあることを特徴とするホログラムスクリーン。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記光散乱素子は入射光を少なくとも sin-1{sinθi−λ1/λ0・(sinθo −s
    inθr)} ≦θ≦sin-1{sinθi−λ2/λ0・(sinθ
    o −sinθr)} (ただし,λ0:ホログラム記録波長,λ1=380n
    m,λ2=780nm[可視光領域が380〜780n
    m],θr:参照光入射角,θo:物体光入射角,θ
    i:回折光出射角)にかかる数式によって決まる角度θ
    の範囲内に散乱させることを特徴とするホログラムスク
    リーン。
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