JPH11202352A - 透明電極 - Google Patents

透明電極

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JPH11202352A
JPH11202352A JP281898A JP281898A JPH11202352A JP H11202352 A JPH11202352 A JP H11202352A JP 281898 A JP281898 A JP 281898A JP 281898 A JP281898 A JP 281898A JP H11202352 A JPH11202352 A JP H11202352A
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oxide thin
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス基板と液晶に挟まれた構成においても、
優れた透過率と低い面積抵抗値を併せ持つ透明電極を提
供する。 【解決手段】酸化物薄膜と銀系薄膜とを積層した多層膜
よりなる透明電極において、前記多層膜が、下側酸化
物薄膜と、銀系薄膜と、中間酸化物薄膜と、銀系薄膜
と、上側酸化物薄膜とを順次積層した5層構成の多層膜
であり、前記酸化物薄膜が、各々、2種以上の金属酸
化物よりなる混合酸化物であり、前記銀系薄膜が、各
々、3at%(原子パーセント)以下の金、銅を含有す
る銀合金であり、前記中間酸化物薄膜の膜厚を、前記
上側酸化物薄膜の膜厚より厚くした、以上、、お
よびの要件を満たすことを特徴とする透明電極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置もし
くはEL(エレクトロルミネッセンス)等に用いられる
表示装置用電極、太陽電池用電極、電磁波シールド膜、
もしくは、熱線反射膜等に応用可能な、透明電極に係わ
り、特に、屈折率1.5前後のガラス等の基板や液晶等
の有機材料等に接触する、あるいは、これらの基板や材
料に挟持された構成に用いられる透明電極に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス基板上、プラスチック基板上また
は、半導体素子を形成した基板上に形成した透明電極
は、従来よりITO(酸化インジウムと酸化錫の混合酸
化物)を典型として広く使用されている。また、太陽電
池用電極としては、水素プラズマ等への耐久性等の観点
から、酸化亜鉛系の透明電極が一般的に採用されてい
る。
【0003】また、透明電極としてはその他に、本発明
者らが特開平8−262466号公報にて提案した技術
に代表される、〔酸化物薄膜/銀合金薄膜/酸化物薄
膜〕とした3層構成の透明電極等があげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置では、デ
ィスプレイ(画像表示装置)の大型化、高精細化、低消
費電力化等への技術的課題により、透明電極の低抵抗化
が要求されてきている。例えば、STN等の単純マトリ
クス型LCD(液晶表示装置)では、シャドーイングや
クロストークを低減するため、透明電極には3Ω/□以
下の面積抵抗値が求められている。さらに、TFT(薄
膜トランジスタ)型LCDにおいても、消費電力を減ら
すため、5Ω/□以下の面積抵抗値が要求されつつあ
る。しかし、従来より透明電極に用いられてきたITO
では、その膜厚を例え300nm程度と厚くしても、高
々5Ω/□前後の面積抵抗値が得られるにすぎず、量産
レベルにて要求される低抵抗値を得るには限度があり、
まして、3Ω/□以下の低抵抗の透明電極を得ること
は、ITOでは困難であった。
【0005】一方、太陽電池用電極では、電池特性を出
すために、5Ω/□以下の低抵抗の透明電極を必要とし
ている。前述したように、従来の太陽電池用電極では、
酸化亜鉛系や酸化錫系の透明電極が用いられており、要
求される低抵抗を得るため、酸化亜鉛系の導電膜を10
00nm前後と極めて厚く形成している。
【0006】上述したように、従来のITOや酸化亜鉛
系の透明電極では、かなり厚めに電極を形成しても、面
積抵抗値は5Ω/□前後が限度であり、世の中の要求に
応えきれていなかった。
【0007】この点、本発明者らが提案した、〔酸化物
薄膜/銀合金薄膜/酸化物薄膜〕の3層構成の透明電極
は、銀合金の膜厚を20nm程度に設定することによ
り、2Ω/□に近い低面積抵抗が実現できる。しかし、
酸化物薄膜をITOにて形成し、また、銀合金薄膜の膜
厚を20nm程度とすると、図4中の曲線Kに示すよう
に、エアー媒質(空気中での測定)で約80%程度の透
過率(波長550nmにて)しか得られない。さらに図
4中の曲線Lに示すように、屈折率1.5の媒質(例え
ば、ガラス基板上に3層膜を形成し、3層膜上に液晶が
接する構成)では、約67%程度の透過率(波長550
nmにて)と、さらに10%以上も透過率が低下してし
まい、実用性があるとは言えなかった。
【0008】すなわち、たとえ3層構成の透明電極の面
積抵抗値が低くても、ITOより大きく透過率が劣るも
のであれば、実用上使用に耐えないといえる。
【0009】本発明は、以上の問題点に鑑みなされたも
ので、ガラス基板と液晶に挟まれた構成においても、優
れた透過率と低い面積抵抗値を併せ持つ透明電極を提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行ったものである。その結果、
本発明者らは、銀系薄膜を2層に分け、この間に、上側
および下側の酸化物薄膜のおよそ2倍の膜厚の酸化物薄
膜を挿入することにより、この透明電極がガラス基板と
液晶に挟まれる構成であっても、高透過率かつ低反射率
の透明電極となりうることを見いだした。なお、以下の
記述で、2層に分けた銀系薄膜の間に挿入される酸化物
薄膜を中間酸化物薄膜と記し、また、基板上に本発明の
透明電極を形成する際に、基板と対向する面側の酸化物
薄膜を下側酸化物薄膜と記し、最上層となる酸化物薄膜
を上側酸化物薄膜と記している。
【0011】すなわち、請求項1に係わる発明は、酸化
物薄膜と銀系薄膜とを積層した多層膜よりなる透明電極
において、 前記多層膜が、下側酸化物薄膜と、銀系薄膜と、中間
酸化物薄膜と、銀系薄膜と、上側酸化物薄膜とを順次積
層した、5層構成の多層膜であり、 前記酸化物薄膜が、各々、2種以上の金属酸化物より
なる混合酸化物であり、 前記銀系薄膜が、各々、3at%(原子パーセント)
以下の金、銅を含有する銀合金であり、 前記中間酸化物薄膜の膜厚を、前記上側酸化物薄膜の
膜厚より厚くした、 以上、、およびの要件を満たすことを特徴とす
る透明電極としたものである。
【0012】従来の、銀系薄膜を酸化物で挟持する3層
構成の透明電極では、動きやすい銀を安定化させるた
め、3at%(原子パーセント)を超える合金元素を銀に
添加することが多かった。しかし、上述した本発明の透
明電極の構成とすることで、銀への、金、銅の添加量を
3at%(原子パーセント)以下としても、フォトリソグ
ラフィー等の製造プロセスでも安定して基板を流すこと
ができる。このため、合金元素の銀への添加量を最小限
に抑えることができるといえ、透明電極の性能をより高
いものにすることが可能となる。
【0013】上述した5層構成とした本発明の透明電極
において、酸化物(上側、中間、下側とも同じ酸化物と
した)の屈折率を2.1とし、中間酸化物薄膜の膜厚を
60nmから100nmまで10nmおきに変化させた
際の、各透明電極の分光透過率および分光反射率を示す
グラフ図が、図2である。なお、図2中、曲線Aは、中
間酸化物薄膜の膜厚が60nmの場合の透明電極の分光
透過率を、また、曲線A’は、中間酸化物薄膜の膜厚が
60nmの場合の透明電極の分光反射率を示しており、
以下同様に、曲線Bは、膜厚70nm時の分光透過率、
曲線B’は、膜厚70nm時の分光反射率、曲線Cは、
膜厚80nm時の分光透過率、曲線C’は、膜厚80n
m時の分光反射率、曲線Dは、膜厚90nm時の分光透
過率、曲線D’は、膜厚90nm時の分光反射率、曲線
Eは、膜厚100nm時の分光透過率、曲線E’は、膜
厚100nm時の分光反射率を示している。
【0014】表示装置用透明電極としては、R(赤色、
例えば610nmの波長)、G(緑色、例えば550n
mの波長)、B(青色、例えば435nmの波長)の主
波長にて、少なくとも80%以上の透過率を保持するこ
とが実用上必要といえる。図2の測定に使用した透明電
極では、上側および下側の酸化物薄膜の膜厚を40nm
としたが、このとき、中間酸化物薄膜の膜厚が80nm
マイナス20nm、80nmプラス10nm、(つま
り、中間酸化物薄膜の膜厚が60nm〜90nm)の範
囲で、80%以上の透過率を確保できていることが示さ
れている。
【0015】従って、請求項2に係わる発明は、中間酸
化物薄膜の膜厚をX、上側酸化物薄膜あるいは、下側酸
化物薄膜の膜厚をYとしたとき、中間酸化物薄膜の膜厚
Xが、〔(2Y−20nm)≦X≦(2Y+10n
m)〕の範囲とすることを特徴とする透明電極としたも
のである。
【0016】次いで、本発明による透明電極は、酸化物
薄膜の屈折率の高いほうが、高い透過率を確保できると
いえる。本発明者らは、酸化物薄膜の屈折率を変えた場
合における、5層構成とした透明電極の透過率の変化を
調べたものであり、図3は、酸化物薄膜の屈折率を変え
た場合の、各透明電極の透過率の変化のシミュレーショ
ン結果を示すグラフ図である。
【0017】なお、図3中、曲線Fは、酸化物薄膜の屈
折率が1.8であるときの透明電極の分光透過率を、ま
た、曲線F’は、酸化物薄膜の屈折率が1.8であると
きの透明電極の分光反射率を示しており、以下同様に、
曲線Gは、酸化物薄膜の屈折率が1.9であるときの透
明電極の分光透過率、曲線G’は、酸化物薄膜の屈折率
が1.9のときの分光反射率、曲線Hは、酸化物薄膜の
屈折率が2.0のときの分光透過率、曲線H’は、酸化
物薄膜の屈折率が2.0のときの分光反射率、曲線I
は、酸化物薄膜の屈折率が2.1のときの分光透過率、
曲線I’は、酸化物薄膜の屈折率が2.1のときの分光
反射率、曲線Jは、酸化物薄膜の屈折率が2.2のとき
の分光透過率、曲線J’は、酸化物薄膜の屈折率が2.
2のときの分光反射率を示している。
【0018】図3より、酸化物薄膜の屈折率が1.9よ
り高く(大きく)なると、R(赤)、G(緑)、B
(青)の主波長で、80%以上の透過率を確保できるこ
とが分かり、本発明者らは、これを提案するものであ
る。
【0019】すなわち、請求項3に係わる発明は、酸化
物薄膜の屈折率を、1.9より高くすることを特徴とす
る透明電極としたものである。なお、酸化物薄膜として
は、R(赤)、G(緑)、B(青)の主波長で90%以
上の透過率を確保できる、屈折率2より大きい酸化物を
採用することが、より好ましいといえる。また、必要に
応じて、上側酸化物薄膜、中間酸化物薄膜、および下側
酸化物薄膜の各々の屈折率を変えるとであっても構わ
ず、さらに、各酸化物薄膜の厚み方向の屈折率を変える
ことであっても構わない。
【0020】次いで、中間酸化物薄膜は、これと接する
2つの銀系薄膜と互いに電気的接続を持たせるため、導
電性を有することが望ましい。さらに、上側酸化物薄膜
においても、液晶等の駆動電極として外部回路との導通
をその表面からとる必要があるため、導電性を有するこ
とが望ましい。また、これら酸化物薄膜は、粒界拡散を
起こしやすい銀の移動を抑制させるため、少なくとも結
晶粒が極めて小さく緻密な微結晶の酸化物薄膜であるこ
とが必要であり、さらには、粒界の無いアモルファス
(非晶質)であることが望ましい。本発明者らは、非晶
質と微結晶を合わせた意味で、これをアモルファスライ
クと定義したものである。
【0021】すなわち、請求項4に係わる発明は、酸化
物薄膜の基材が、酸化インジウムを含有するアモルファ
スライクな混合酸化物の薄膜であることを特徴とする透
明電極としたものである。
【0022】ここで、本発明の5層構成の透明電極にお
いて、酸化物薄膜と銀系薄膜との腐蝕電位に大きな差が
あると、本発明の透明電極を所定の形状とするパターニ
ングの際、酸化物薄膜と銀系薄膜のどちら一方が選択的
にエッチングされることになり、形状良くパターン加工
できなくなるものである。この点につき本発明者らは、
さらに検討を行ったものである。その結果、一般的に銀
系薄膜は酸化物薄膜より腐蝕電位が低いため、パターニ
ングの際、銀系薄膜が先にエッチングされる傾向にある
ことを見いだした。次いで、酸に溶けやすい酸化物を、
エッチング形状が改善できる程度の量まで酸化インジウ
ムに添加することは、形状良くパターン加工するうえで
大きな効果があるといえる。しかし、多くの酸化物は、
酸化インジウムへの添加量を増やしていくと、酸化イン
ジウムを基材とする混合酸化物の導電性を低下せしめる
傾向にあり、適当といえない。
【0023】このため本発明者らは、酸に溶けやすく、
かつ、酸化インジウムの導電性を低下させにくい酸化物
として、酸化亜鉛が適当であることを見いだし、これを
提案するものである。すなわち、請求項5に係わる発明
は、酸化物薄膜が、酸化インジウムの基材に、酸に易可
溶性の酸化物もしくは酸化亜鉛を加えた混合酸化物の薄
膜であることを特徴とする透明電極としたものである。
【0024】酸に易可溶性の酸化物として、酸化マグネ
シウム、酸化カルシウム、および酸化亜鉛等があげられ
るが、導電性を確保するためには、酸化亜鉛が適切とい
える。酸化亜鉛の酸化インジウムへの添加量は、透明電
極の目的とする用途に応じて調節することが望ましい。
ちなみに、混合酸化物に1〜3at%(原子パーセン
ト、酸素元素をカウントせず、金属元素のみのカウン
ト)という少量の酸化亜鉛を添加してもエッチング性の
向上が見られ、40at%(原子パーセント、酸素元素
をカウントせず、金属元素のみのカウント)前後の添加
を行っても構わない。しかし、酸化亜鉛の添加量が40
at%(原子パーセント)を超えると、アルカリ液や超
音波等を使用した水系洗浄にて、酸化物薄膜の膜減りが
著しくなることから、酸化亜鉛の酸化インジウムへの過
剰な添加は好ましいとはいえない。
【0025】図3に示したように、酸化物薄膜の屈折率
が高い方が、可視域の広い範囲で、高い透過率を得るこ
とできるといえる。ここで、酸化インジウムを基材とす
る混合酸化物の屈折率を上げるための添加材料として、
酸化チタン、酸化セリウム、酸化タンタル、および酸化
ジルコニウム等、原子量の大きい金属の酸化物があげら
れる。本発明者らは検討を行った結果、この中で、酸化
インジウムを基材とする混合酸化物の屈折率を上げる材
料として、適度なエッチング性と高い屈折率を併せ持
つ、酸化セリウムが最も好ましいことを見いだした。
【0026】すなわち、請求項6に係わる発明は、混合
酸化物が、酸化インジウムの基材に、酸化セリウムを加
えた混合酸化物の薄膜であることを特徴とする透明電極
としたものである。
【0027】バルク状態での酸化セリウムの屈折率はお
よそ2.5であり、また、混合酸化物の基材となる酸化
インジウムの屈折率は1.9をやや超える程度であり、
混合酸化物への酸化セリウムの添加量に応じて混合酸化
物の屈折率は向上する。ここで、酸化セリウムの添加量
は、透明電極の使用目的に応じて調整すれば良いといえ
る。しかし、酸化インジウムに、数at%(原子パーセ
ント、酸素をカウントせず、金属元素のみのカウント)
という少量の酸化セリウムを添加してスパッタリングタ
ーゲットとすると、スパッタリングターゲットを用いた
スパッタリング等にて混合酸化物薄膜を成膜する際、導
入酸素の量に依存することなく安定したスパッタリング
レートが確保できる副次的効果が生じるため、例えば、
1〜40at%(原子パーセント、酸素をカウントせ
ず、金属元素のみのカウント)の範囲で酸化セリウムの
添加量を調節すれば良いといえる。なお、酸化インジウ
ムやITOの場合、導入酸素量が多くなるに従い、スパ
ッタリングレートが低下する傾向にあるため、導入酸素
量を変えるたびにスパッタリングレートをチェックし
て、成膜する膜厚の設定を行う必要がある。
【0028】次いで、本発明の透明電極の形成が可能な
基板は、ガラス基板、プラスチック材料よりなる基板、
TFTや光半導体素子の形成された基板、シリコンウェ
ファー、太陽電池、およびカラーフィルタ基板等いずれ
であっても構わない。さらに、液晶表示装置用の基板に
本発明の透明電極を形成する場合には、偏光素子、回折
格子、ホログラム、光散乱膜、λ/4波長板、位相差フ
ィルム、またはマイクロレンズ等を形成した基板であっ
ても構わない。
【0029】また、本発明の透明電極は低面積抵抗であ
るため、TFTやMIM(ダイオード素子)等の素子の
信号線やバスラインに使用することが可能であり、また
同時に、画素電極として使用することも可能である。さ
らには、本発明の透明電極を、熱線反射膜として用いる
場合には、透明電極の片面側が樹脂製の接着剤と触れ合
う構成であっても良い。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一
例につき、図面に基づいて説明する。 <実施例>図1に示すように、本実施例に係わる透明電
極16は、厚さ 0.7mmのガラス基板10(コーニング社製、
1737材)上に順次積層成膜した、膜厚42nmの下側酸
化物薄膜11、膜厚11nmの銀系薄膜12、膜厚80nmの中間酸
化物薄膜13、膜厚11nmの銀系薄膜14、および膜厚42nmの
上側酸化物薄膜15の5層の構成からなっている。本実施
例では、銀系薄膜12および銀系薄膜14を合わせた銀系薄
膜の膜厚は22nmとしたものである。
【0031】いずれの酸化物薄膜(下側酸化物薄膜11、
中間酸化物薄膜13、および上側酸化物薄膜15)も、酸化
インジウム、酸化セリウム、および酸化亜鉛からなる混
合酸化物のスパッタリングターゲットを用いて成膜した
ものであり、スパッタリングターゲットの組成は、金属
元素換算の原子パーセント(酸素元素はノーカウントと
する)にて、インジウム84at%(原子パーセント)、セ
リウム 8at%(原子パーセント)、亜鉛 8at%(原子パ
ーセント)とした。また、銀系薄膜12および銀系薄膜14
の成膜に用いた合金ターゲットの組成は、銀98.5at%
(原子パーセント)、金 1at%(原子パーセント)、銅
0.5at%(原子パーセント)とした。
【0032】次いで、本実施例に係わる透明電極16は、
以下の製造プロセスにて製造したものである。まず、洗
浄したガラス基板10を、真空槽(スパッタリング装置)
内に収納し、槽内を真空引きした。次いで、スパッタリ
ングの手法で、下側酸化物薄膜11、銀系薄膜12、中間酸
化物薄膜13、銀系薄膜14、および上側酸化物薄膜15を連
続して積層成膜した。
【0033】次いで、基板10を真空槽から取り出し、透
明電極16を所定のパターン形状とした。すなわち、フォ
トリソグラフィーの手法を用いたものであり、上側酸化
物薄膜15上に、所定の形状にて上側酸化物薄膜15表面を
露出させたフォトレジスト層を形成した後、フォトレジ
スト層より露出した部位を5層一括してエッチング(溶
解除去)し、透明電極16のパターン形成を行ったもので
ある。なお、エッチングには、硝酸および硝酸鉄を合わ
せて1重量%含む硫酸系エッチャントを用いた。
【0034】次いで、フォトレジスト膜の剥膜、基板10
の洗浄を行った後、基板10に温度 200℃で1時間加熱処
理を行い、本発明の透明電極16とした。
【0035】本実施例に係わる透明電極16の光透過率
は、 550nmの光波長にて約95%と高透過率であった。
また、透明電極16の面積抵抗値は、 2.6Ω/□と極めて
低いものであった。なお、本発明者らは、銀系薄膜12お
よび銀系薄膜14の膜厚を各々15nm(すなわち、銀系薄膜
の合計の膜厚を30nm)とすれば、面積抵抗値が2Ω/□
以下と、さらに低い面積抵抗値の透明電極が可能なこと
を確認している。
【0036】
【発明の効果】上述したように、本発明により、ガラス
基板や液晶(あるいは、樹脂等の高分子)等に挟持され
る構成においても、高透過率で、かつ、極めて面積抵抗
値の低い透明電極を従来より薄い膜厚で提供することが
可能となる。
【0037】すなわち、本発明の透明電極を採用するこ
とにより、液晶表示装置においては、シャドウイングの
無いSTNディスプレイ(画像表示装置)や、低消費電
力、かつ、構成が簡単で低コストのTFTディスプレイ
(画像表示装置)の提供が可能となる。また、本発明の
透明電極を太陽電池に採用した場合においても、本発明
の透明電極の膜厚は、従来の透明電極の膜厚の1/5程
度としているため、低コストのデバイスの提供を可能と
している。さらに、本発明の透明電極を熱線反射膜に採
用した場合においても、極めて高透過率の熱線反射膜が
実現できる等、本発明は実用上優れているといえる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電極の一実施例の要部を示す断面
説明図。
【図2】本発明の透明電極を構成する中間酸化物薄膜の
膜厚を変えた場合の透明電極の分光透過率および分光反
射率の変化の一例を示すグラフ図。
【図3】本発明の透明電極を構成する酸化物薄膜の屈折
率を変えた場合の透明電極の分光透過率および分光反射
率の変化の一例を示すグラフ図。
【図4】従来の3層構成の透明電極に接触する媒質を変
えた場合の透明電極の分光透過率および分光反射率の変
化の一例を示すグラフ図。
【符号の説明】
10 基板 11 下側酸化物薄膜 12 銀系薄膜 13 中間酸化物薄膜 14 銀系薄膜 15 上側酸化物薄膜 16 透明電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物薄膜と銀系薄膜とを積層した多層膜
    よりなる透明電極において、 前記多層膜が、下側酸化物薄膜と、銀系薄膜と、中間
    酸化物薄膜と、銀系薄膜と、上側酸化物薄膜とを順次積
    層した、5層構成の多層膜であり、 前記酸化物薄膜が、各々、2種以上の金属酸化物より
    なる混合酸化物であり、 前記銀系薄膜が、各々、3at%(原子パーセント)
    以下の金、銅を含有する銀合金であり、 前記中間酸化物薄膜の膜厚を、前記上側酸化物薄膜の
    膜厚より厚くした、 以上、、およびの要件を満たすことを特徴とす
    る透明電極。
  2. 【請求項2】前記中間酸化物薄膜の膜厚をX、上側酸化
    物薄膜あるいは、下側酸化物薄膜の膜厚をYとしたと
    き、中間酸化物薄膜の膜厚Xが、〔(2Y−20nm)
    ≦X≦(2Y+10nm)〕の範囲であることを特徴と
    する請求項1に記載の透明電極。
  3. 【請求項3】前記各酸化物薄膜の屈折率が、1.9より
    高いことを特徴とする請求項1または2に記載の透明電
    極。
  4. 【請求項4】前記各酸化物薄膜の基材が、酸化インジウ
    ムを含有するアモルファスライクな混合酸化物の薄膜で
    あることを特徴とする請求項1、2または3に記載の透
    明電極。
  5. 【請求項5】前記各酸化物薄膜が、酸化インジウムの基
    材に、酸に易可溶性の酸化物もしくは酸化亜鉛を加えた
    混合酸化物の薄膜であることを特徴とする請求項1、
    2、3または4に記載の透明電極。
  6. 【請求項6】前記各混合酸化物が、酸化インジウムの基
    材に、酸化セリウムを加えた混合酸化物の薄膜であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の
    透明電極。
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