JPH1120125A - ドクター圧設定装置およびドクター装置 - Google Patents
ドクター圧設定装置およびドクター装置Info
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- JPH1120125A JPH1120125A JP19340797A JP19340797A JPH1120125A JP H1120125 A JPH1120125 A JP H1120125A JP 19340797 A JP19340797 A JP 19340797A JP 19340797 A JP19340797 A JP 19340797A JP H1120125 A JPH1120125 A JP H1120125A
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Landscapes
- Rotary Presses (AREA)
- Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】ドクターブレードの過剰な磨耗を防止するた
め、必要以上にドクター圧を高めることがないように、
ドクター圧を適正値に設定するドクター圧設定装置とそ
れを具備するドクター装置を提供する。 【解決手段】ドクターブレードとドクタリング対象との
動摩擦係数に対応する量を検出し検出値を出力する検出
手段と、前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演
算する演算手段と、前記設定値に基づいてドクター圧を
発生するドクター圧発生手段と、を有するドクター圧設
定装置、および、それを具備するドクター装置。
め、必要以上にドクター圧を高めることがないように、
ドクター圧を適正値に設定するドクター圧設定装置とそ
れを具備するドクター装置を提供する。 【解決手段】ドクターブレードとドクタリング対象との
動摩擦係数に対応する量を検出し検出値を出力する検出
手段と、前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演
算する演算手段と、前記設定値に基づいてドクター圧を
発生するドクター圧発生手段と、を有するドクター圧設
定装置、および、それを具備するドクター装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷または塗工の技
術分野に属する。特に、印刷または塗工においてドクタ
リング対象から余分なインキまたは塗工液をドクターブ
レードによって掻き取る場合に、適正なドクター圧を設
定するためのドクター圧設定装置およびそれを具備する
ドクター装置に関する。
術分野に属する。特に、印刷または塗工においてドクタ
リング対象から余分なインキまたは塗工液をドクターブ
レードによって掻き取る場合に、適正なドクター圧を設
定するためのドクター圧設定装置およびそれを具備する
ドクター装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ドクターブレードを使用する印刷または
塗工においては、ドクターブレードがドクタリング対象
を押圧するときのドクター圧が、印刷物または塗工物の
品質に大きな影響を与えることが知られている。たとえ
ば、グラビア印刷においては、印刷物の非画線部が地汚
れするカブリ不良が発生する。その原因は、グラビア版
シリンダーの非画線部に供給された余分なインキをドク
ターブレードによって十分に掻き取ることができないこ
とにある。このカブリ不良はドクター圧が適正値よりも
低い場合に発生し、ドクター圧を高めて適正化すると消
滅する。
塗工においては、ドクターブレードがドクタリング対象
を押圧するときのドクター圧が、印刷物または塗工物の
品質に大きな影響を与えることが知られている。たとえ
ば、グラビア印刷においては、印刷物の非画線部が地汚
れするカブリ不良が発生する。その原因は、グラビア版
シリンダーの非画線部に供給された余分なインキをドク
ターブレードによって十分に掻き取ることができないこ
とにある。このカブリ不良はドクター圧が適正値よりも
低い場合に発生し、ドクター圧を高めて適正化すると消
滅する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そのため、ドクター圧
は一般に高めに設定される傾向がある。しかし、カブリ
不良を発生させないように、必要以上にドクター圧を高
めることが行われると、ドクターブレードの磨耗を促進
することとなる。ドクターブレードの過剰な磨耗が起こ
ると、ドクター交換頻度が高まり生産を阻害するだけで
なく、図3にドクター磨耗量とカブリ量の関係の一例を
示すように、運転時間の経過とともに印刷品質も悪化さ
せることとなる。そこで本発明の目的は、ドクターブレ
ードの過剰な磨耗を防止するため、必要以上にドクター
圧を高めることがないように、ドクター圧を適正値に設
定するドクター圧設定装置とそれを具備するドクター装
置を提供することにある。
は一般に高めに設定される傾向がある。しかし、カブリ
不良を発生させないように、必要以上にドクター圧を高
めることが行われると、ドクターブレードの磨耗を促進
することとなる。ドクターブレードの過剰な磨耗が起こ
ると、ドクター交換頻度が高まり生産を阻害するだけで
なく、図3にドクター磨耗量とカブリ量の関係の一例を
示すように、運転時間の経過とともに印刷品質も悪化さ
せることとなる。そこで本発明の目的は、ドクターブレ
ードの過剰な磨耗を防止するため、必要以上にドクター
圧を高めることがないように、ドクター圧を適正値に設
定するドクター圧設定装置とそれを具備するドクター装
置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的は下記の本発
明によって達成される。すなわち、本発明は「ドクター
ブレードとドクタリング対象との動摩擦係数に対応する
量を検出し検出値を出力する検出手段と、前記検出値に
基づいてドクター圧の設定値を演算する演算手段と、前
記設定値に基づいてドクター圧を発生するドクター圧発
生手段と、を有するドクター圧設定装置」である。本発
明によれば、検出手段によりドクターブレードとドクタ
リング対象との動摩擦係数に対応する量が検出され検出
値が出力され、演算手段により前記検出値に基づいてド
クター圧の設定値が演算され、ドクター圧発生手段によ
り前記設定値に基づいてドクター圧が発生される。一般
に、インキまたは塗工液はドクターブレードとドクタリ
ング対象とが接触する部分を潤滑する作用を有する。本
発明においては動摩擦係数に対応する量からドクター圧
を発生するから、ドクターの磨耗速度に影響の大きいイ
ンキまたは塗工液の潤滑作用が考慮に入れられることと
なる。したがって、ドクターブレードの過剰な磨耗を防
止するため、必要以上にドクター圧を高めることがない
ように、ドクター圧を適正値に設定することができる。
明によって達成される。すなわち、本発明は「ドクター
ブレードとドクタリング対象との動摩擦係数に対応する
量を検出し検出値を出力する検出手段と、前記検出値に
基づいてドクター圧の設定値を演算する演算手段と、前
記設定値に基づいてドクター圧を発生するドクター圧発
生手段と、を有するドクター圧設定装置」である。本発
明によれば、検出手段によりドクターブレードとドクタ
リング対象との動摩擦係数に対応する量が検出され検出
値が出力され、演算手段により前記検出値に基づいてド
クター圧の設定値が演算され、ドクター圧発生手段によ
り前記設定値に基づいてドクター圧が発生される。一般
に、インキまたは塗工液はドクターブレードとドクタリ
ング対象とが接触する部分を潤滑する作用を有する。本
発明においては動摩擦係数に対応する量からドクター圧
を発生するから、ドクターの磨耗速度に影響の大きいイ
ンキまたは塗工液の潤滑作用が考慮に入れられることと
なる。したがって、ドクターブレードの過剰な磨耗を防
止するため、必要以上にドクター圧を高めることがない
ように、ドクター圧を適正値に設定することができる。
【0005】また本発明は「前記ドクタリング対象はグ
ラビア版シリンダーであって、前記検出手段は、そのグ
ラビア版シリンダを回転駆動する軸に設けられたトルク
センサであるドクター圧設定装置」である。本発明によ
れば、ドクタリング対象であるグラビア版シリンダを回
転駆動する軸に設けられたトルクセンサにより動摩擦係
数に対応する量が検出される。したがって、容易、か
つ、正確に動摩擦係数に対応する量を検出することがで
きるから、ドクター圧を適正値に、かつ、正確に設定す
ることができる。また本発明は「前記演算手段は前記検
出値から動摩擦係数を演算し、その動摩擦係数と動摩擦
係数の基準値との差異を演算し、その差異に基づいてド
クター圧の変更量を演算し、その変更量とドクター圧の
基準の設定値とを加算することによりドクター圧の設定
値を演算するドクター圧設定装置」である。本発明によ
れば、動摩擦係数の基準値とドクター圧の基準の設定値
とが演算に用いられ、動摩擦係数と動摩擦係数の基準値
との差異から得られる変更量とドクター圧の基準の設定
値とを加算してドクター圧の設定値が演算される。この
ように、差異と差異から得られる変更量により演算が行
われ、基準値と基準の設定値とが固定されているため演
算の信頼性が高い。したがってドクター圧の設定に対す
る信頼性が高い。
ラビア版シリンダーであって、前記検出手段は、そのグ
ラビア版シリンダを回転駆動する軸に設けられたトルク
センサであるドクター圧設定装置」である。本発明によ
れば、ドクタリング対象であるグラビア版シリンダを回
転駆動する軸に設けられたトルクセンサにより動摩擦係
数に対応する量が検出される。したがって、容易、か
つ、正確に動摩擦係数に対応する量を検出することがで
きるから、ドクター圧を適正値に、かつ、正確に設定す
ることができる。また本発明は「前記演算手段は前記検
出値から動摩擦係数を演算し、その動摩擦係数と動摩擦
係数の基準値との差異を演算し、その差異に基づいてド
クター圧の変更量を演算し、その変更量とドクター圧の
基準の設定値とを加算することによりドクター圧の設定
値を演算するドクター圧設定装置」である。本発明によ
れば、動摩擦係数の基準値とドクター圧の基準の設定値
とが演算に用いられ、動摩擦係数と動摩擦係数の基準値
との差異から得られる変更量とドクター圧の基準の設定
値とを加算してドクター圧の設定値が演算される。この
ように、差異と差異から得られる変更量により演算が行
われ、基準値と基準の設定値とが固定されているため演
算の信頼性が高い。したがってドクター圧の設定に対す
る信頼性が高い。
【0006】また本発明は「ドクター圧設定装置を具備
するドクター装置であって、前記ドクター圧設定装置
は、ドクターブレードとドクタリング対象との動摩擦係
数に対応する量を検出し検出値を出力する検出手段と、
前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演算する演
算手段と、前記設定値に基づいてドクター圧を発生する
ドクター圧発生手段と、を有するドクター装置」であ
る。本発明によれば、本発明のドクター装置はドクター
圧設定装置を具備する。そして、そのドクター圧設定装
置によれば、検出手段によりドクターブレードとドクタ
リング対象との動摩擦係数に対応する量が検出され検出
値が出力され、演算手段により前記検出値に基づいてド
クター圧の設定値が演算され、ドクター圧発生手段によ
り前記設定値に基づいてドクター圧が発生される。一般
に、インキまたは塗工液はドクターブレードとドクタリ
ング対象とが接触する部分を潤滑する作用を有する。本
発明においては動摩擦係数に対応する量からドクター圧
を発生するから、ドクターの磨耗速度に影響の大きいイ
ンキまたは塗工液の潤滑作用が考慮に入れられることと
なる。したがって、ドクターブレードの過剰な磨耗を防
止するため、必要以上にドクター圧を高めることがない
ように、ドクター圧を適正値に設定することができる。
するドクター装置であって、前記ドクター圧設定装置
は、ドクターブレードとドクタリング対象との動摩擦係
数に対応する量を検出し検出値を出力する検出手段と、
前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演算する演
算手段と、前記設定値に基づいてドクター圧を発生する
ドクター圧発生手段と、を有するドクター装置」であ
る。本発明によれば、本発明のドクター装置はドクター
圧設定装置を具備する。そして、そのドクター圧設定装
置によれば、検出手段によりドクターブレードとドクタ
リング対象との動摩擦係数に対応する量が検出され検出
値が出力され、演算手段により前記検出値に基づいてド
クター圧の設定値が演算され、ドクター圧発生手段によ
り前記設定値に基づいてドクター圧が発生される。一般
に、インキまたは塗工液はドクターブレードとドクタリ
ング対象とが接触する部分を潤滑する作用を有する。本
発明においては動摩擦係数に対応する量からドクター圧
を発生するから、ドクターの磨耗速度に影響の大きいイ
ンキまたは塗工液の潤滑作用が考慮に入れられることと
なる。したがって、ドクターブレードの過剰な磨耗を防
止するため、必要以上にドクター圧を高めることがない
ように、ドクター圧を適正値に設定することができる。
【0007】
【発明の実施の態様】次に、実施の態様により本発明に
ついて説明する。図1は本発明のドクター圧設定装置と
ドクター装置の主要構成を示す図である。図1におい
て、1は印刷または塗工ユニットにセットされたグラビ
ア版シリンダー、2はグラビア版シリンダー1の回転軸
に設けられたトルクセンサ、3はグラビア版シリンダー
1を回転駆動する駆動系、4はドクター装置のドクター
ホルダー、5はドクターホルダー4に装着されたドクタ
ーブレード、6はドクターホルダー4の支持・加圧機構
部、7は支持・加圧機構部6のエアーシリンダー、8は
トルクセンサ2の検出値に基づいてドクター圧の設定値
を演算する演算器、9はドクター圧の設定値に基づいて
高圧空気の圧を調節して調圧空気に変換する電空変換器
である。
ついて説明する。図1は本発明のドクター圧設定装置と
ドクター装置の主要構成を示す図である。図1におい
て、1は印刷または塗工ユニットにセットされたグラビ
ア版シリンダー、2はグラビア版シリンダー1の回転軸
に設けられたトルクセンサ、3はグラビア版シリンダー
1を回転駆動する駆動系、4はドクター装置のドクター
ホルダー、5はドクターホルダー4に装着されたドクタ
ーブレード、6はドクターホルダー4の支持・加圧機構
部、7は支持・加圧機構部6のエアーシリンダー、8は
トルクセンサ2の検出値に基づいてドクター圧の設定値
を演算する演算器、9はドクター圧の設定値に基づいて
高圧空気の圧を調節して調圧空気に変換する電空変換器
である。
【0008】なお、印刷または塗工ユニットのフレーム
やグラビア版シリンダーの支持機構、その他の支持機
構、インキまたは塗工液の供給機構、加圧力や駆動力の
伝達機構の細部、圧胴とその支持機構、被加工材料(用
紙、フィルム等)およびその移送機構、等は、存在する
のであるが、図1において図としては省略してある。そ
れらは、本発明においては、周知の構造のものを用いる
ことができる。
やグラビア版シリンダーの支持機構、その他の支持機
構、インキまたは塗工液の供給機構、加圧力や駆動力の
伝達機構の細部、圧胴とその支持機構、被加工材料(用
紙、フィルム等)およびその移送機構、等は、存在する
のであるが、図1において図としては省略してある。そ
れらは、本発明においては、周知の構造のものを用いる
ことができる。
【0009】図1に示すように、支持・加圧機構部6に
おいて、調圧空気により圧を発生する空気シリンダ7に
よって台座の軸回りにその台座を回転させるモーメント
が発生する。ドクターホルダー4はその台座に設置され
ており、ドクターホルダー4に装着されたドクターブレ
ード5は、そのドクターブレード5の刃先をグラビア版
シリンダー1の周面に接触させるとともにその周面を押
圧する。そのように周面に接触し押圧することにより、
グラビア版シリンダー1を回転させると、ドクターブレ
ード5の刃先とグラビア版シリンダー1の周面との間で
動摩擦力が発生する。
おいて、調圧空気により圧を発生する空気シリンダ7に
よって台座の軸回りにその台座を回転させるモーメント
が発生する。ドクターホルダー4はその台座に設置され
ており、ドクターホルダー4に装着されたドクターブレ
ード5は、そのドクターブレード5の刃先をグラビア版
シリンダー1の周面に接触させるとともにその周面を押
圧する。そのように周面に接触し押圧することにより、
グラビア版シリンダー1を回転させると、ドクターブレ
ード5の刃先とグラビア版シリンダー1の周面との間で
動摩擦力が発生する。
【0010】グラビア版シリンダー1にはインキまたは
塗工液が供給される。グラビア版シリンダー1はAと付
した矢印→の方向に回転する。周面に付着したインキま
たは塗工液は、ドクターブレード5によって余分な量の
インキまたは塗工液が掻き取られる。そして、周面に設
けられた凹部(グラビアセル)には印刷または塗工に必
要なだけのインキが残り、印刷または塗工が行われる。
本発明において動摩擦力に対応する量(たとえばトル
ク)を検出する場合には、印刷または塗工において用い
るインキまたは塗工液をグラビア版シリンダー1に供給
した状態、かつ、グラビア版シリンダー1から圧胴を離
脱させた状態において行われる。たとえば、生産を開始
する前に印刷または塗工装置の運転条件を設定するプリ
セット段階において行われる。
塗工液が供給される。グラビア版シリンダー1はAと付
した矢印→の方向に回転する。周面に付着したインキま
たは塗工液は、ドクターブレード5によって余分な量の
インキまたは塗工液が掻き取られる。そして、周面に設
けられた凹部(グラビアセル)には印刷または塗工に必
要なだけのインキが残り、印刷または塗工が行われる。
本発明において動摩擦力に対応する量(たとえばトル
ク)を検出する場合には、印刷または塗工において用い
るインキまたは塗工液をグラビア版シリンダー1に供給
した状態、かつ、グラビア版シリンダー1から圧胴を離
脱させた状態において行われる。たとえば、生産を開始
する前に印刷または塗工装置の運転条件を設定するプリ
セット段階において行われる。
【0011】トルクセンサ2はグラビア版シリンダー1
と駆動系3とを結ぶ伝達軸に設けられる。トルクセンサ
2の方式は、たとえば、トルクによって伝達軸に生じる
応力をストレンゲージ等によって検出するトルクセンサ
を用いることができる。また、駆動系3は、通常、印刷
または塗工装置の各ユニットに回転駆動力を伝達する原
動軸からギアを介して回転駆動力が伝達され、その回転
駆動力をグラビア版シリンダー1に伝達する。しかし、
各ユニットに直接回転駆動力を発生するモータを設けて
グラビア版シリンダー1に伝達する方式であってもよ
い。本発明は、トルクセンサ2の方式や駆動系3の方式
はいかなるものでもよく、それによって限定されるもの
ではない。
と駆動系3とを結ぶ伝達軸に設けられる。トルクセンサ
2の方式は、たとえば、トルクによって伝達軸に生じる
応力をストレンゲージ等によって検出するトルクセンサ
を用いることができる。また、駆動系3は、通常、印刷
または塗工装置の各ユニットに回転駆動力を伝達する原
動軸からギアを介して回転駆動力が伝達され、その回転
駆動力をグラビア版シリンダー1に伝達する。しかし、
各ユニットに直接回転駆動力を発生するモータを設けて
グラビア版シリンダー1に伝達する方式であってもよ
い。本発明は、トルクセンサ2の方式や駆動系3の方式
はいかなるものでもよく、それによって限定されるもの
ではない。
【0012】このトルクセンサ2が出力する検出値は、
インキまたは塗工液をグラビア版シリンダー1に供給
し、ドクターブレード5の刃先をグラビア版シリンダー
1の周面に接触させるとともにその周面を押圧し、グラ
ビア版シリンダー1から圧胴を離脱させ、グラビア版シ
リンダー1を駆動系3によって回転駆動した状態におい
ては、動摩擦力に対応する量である。トルクセンサ2が
出力する検出値、すなわちトルク値Tと動摩擦力Fmと
の間には、下記の数1に示す数式の関係がある。
インキまたは塗工液をグラビア版シリンダー1に供給
し、ドクターブレード5の刃先をグラビア版シリンダー
1の周面に接触させるとともにその周面を押圧し、グラ
ビア版シリンダー1から圧胴を離脱させ、グラビア版シ
リンダー1を駆動系3によって回転駆動した状態におい
ては、動摩擦力に対応する量である。トルクセンサ2が
出力する検出値、すなわちトルク値Tと動摩擦力Fmと
の間には、下記の数1に示す数式の関係がある。
【数1】Fm = a × T ただし、Fm : 動摩擦力 a : 係数(定数) T : トルク値
【0013】演算器8はマイクロコンピュータ、パーソ
ナルコンピュータ、プログラマブルシーケンサ等のデー
タ処理機能を有する装置によって構成することができ
る。演算器8はトルクセンサ2が出力する検出値を入力
する。その検出値から演算器8は動摩擦係数を演算す
る。動摩擦係数は下記の数2に示す数式により演算する
ことができる。
ナルコンピュータ、プログラマブルシーケンサ等のデー
タ処理機能を有する装置によって構成することができ
る。演算器8はトルクセンサ2が出力する検出値を入力
する。その検出値から演算器8は動摩擦係数を演算す
る。動摩擦係数は下記の数2に示す数式により演算する
ことができる。
【数2】 M = Fm / Fr = a × T / Fr ただし、Fr : グラビア版シリンダーからドクター
ブレードに作用する垂直抗力
ブレードに作用する垂直抗力
【0014】ここで、垂直抗力Frはドクターブレード
5がグラビア版シリンダー1を押圧する押圧力の反作用
として生じ、グラビア版シリンダー1の周面に対して垂
直方向の力である。したがって、エアーシリンダ7を作
動させる調圧空気の圧力Pの関数である。また、その関
数は、支持・加圧機構部6の機構によって、一意的に決
定することができる。したがって、垂直抗力Frは下記
の数3に示す数式により演算することができる。
5がグラビア版シリンダー1を押圧する押圧力の反作用
として生じ、グラビア版シリンダー1の周面に対して垂
直方向の力である。したがって、エアーシリンダ7を作
動させる調圧空気の圧力Pの関数である。また、その関
数は、支持・加圧機構部6の機構によって、一意的に決
定することができる。したがって、垂直抗力Frは下記
の数3に示す数式により演算することができる。
【数3】Fr = G(P) ただし、 G() : 支持・加圧機構部の機構によっ
て決まる関数 P : エアーシリンダ7を作動させる調圧空気の圧力
て決まる関数 P : エアーシリンダ7を作動させる調圧空気の圧力
【0015】すなわち、動摩擦係数は、下記の数4に示
す数式により、演算器8によって演算することができ
る。
す数式により、演算器8によって演算することができ
る。
【数4】M = a × T / G(P)
【0016】一方、演算器8は、動摩擦係数の基準値と
ドクター圧の基準の設定値とを入力する。たとえば、動
摩擦係数の基準値は、ドクター圧の基準の設定値その印
刷機または塗工装置における通常の値、または平均的な
値として過去の生産における実績値が用いられる。ま
た、その印刷または塗工を行う品目が以前に行ったこと
のある品目であり、そのときに使用したのと同一のグラ
ビア版シリンダーを用いる場合には、そのときの値が動
摩擦係数の基準値およびドクター圧の基準の設定値とし
て用いられる。
ドクター圧の基準の設定値とを入力する。たとえば、動
摩擦係数の基準値は、ドクター圧の基準の設定値その印
刷機または塗工装置における通常の値、または平均的な
値として過去の生産における実績値が用いられる。ま
た、その印刷または塗工を行う品目が以前に行ったこと
のある品目であり、そのときに使用したのと同一のグラ
ビア版シリンダーを用いる場合には、そのときの値が動
摩擦係数の基準値およびドクター圧の基準の設定値とし
て用いられる。
【0017】演算器8は前述のように検出値から動摩擦
係数Mを演算し、その動摩擦係数Mと動摩擦係数の基準
値Moとの差異ΔMを演算する。そして、その差異ΔM
に基づいてドクター圧の変更量を演算し、その変更量と
ドクター圧の基準の設定値とを加算することによりドク
ター圧の設定値を演算する。ただし図1に示す一例にお
いては、ドクター圧の設定値を決定するのは調圧空気の
圧力であるから、演算器8は調圧空気の圧力の基準の設
定値Poを用い電空変換器9の設定値を演算することに
より間接的にドクター圧の設定値を演算する。
係数Mを演算し、その動摩擦係数Mと動摩擦係数の基準
値Moとの差異ΔMを演算する。そして、その差異ΔM
に基づいてドクター圧の変更量を演算し、その変更量と
ドクター圧の基準の設定値とを加算することによりドク
ター圧の設定値を演算する。ただし図1に示す一例にお
いては、ドクター圧の設定値を決定するのは調圧空気の
圧力であるから、演算器8は調圧空気の圧力の基準の設
定値Poを用い電空変換器9の設定値を演算することに
より間接的にドクター圧の設定値を演算する。
【0018】すなわち、下記の数5に示す数式により、
演算器8によって調圧空気の圧力の設定値Psを演算す
る。
演算器8によって調圧空気の圧力の設定値Psを演算す
る。
【数5】Ps = Po + g(ΔM) = Po + g(M−Mo) ただし、Ps : 調圧空気の圧力の設定値 Po : 調圧空気の圧力の基準の設定値 g(ΔM) : 調圧空気の圧力の変更量
【0019】ここに、調圧空気の圧力の変更量関数
g()は実験等により適正な関数を決定する。この関数
は、一般的には、制御システムにおける目標値からの誤
差に対して操作量を導出する関数と役割が類似する。し
かし、多くの場合、動摩擦係数Mとその基準値Moとの
差異ΔMは基準値Moに対して小さい。その場合には、
g(ΔM)はΔMに比例すると考えてよい。したがっ
て、下記の数6に示す数式を用いることができる。
g()は実験等により適正な関数を決定する。この関数
は、一般的には、制御システムにおける目標値からの誤
差に対して操作量を導出する関数と役割が類似する。し
かし、多くの場合、動摩擦係数Mとその基準値Moとの
差異ΔMは基準値Moに対して小さい。その場合には、
g(ΔM)はΔMに比例すると考えてよい。したがっ
て、下記の数6に示す数式を用いることができる。
【数5】g(ΔM) = b × ΔM ただし b : 係数(定数)
【0020】また、実績に基づいてΔMとg(ΔM)の
対応関係を記述するテーブルを作成し、そのテーブルを
参照することでΔMからg(ΔM)を導出するようにし
てもよい。テーブルを作成することにより、より実績に
則した設定を行うことができる。たとえば、ΔMが一
定の値の範囲内である場合には許容範囲と考えて設定の
変更は行わない、複数の閾値を設けΔMが特定の閾値
を越えた場合には特定の設定値により変更を行うが最大
の閾値をいくら越えたとしてもそれ以上は設定値を変更
しない、ΔMが負の値の場合には設定の変更は行わな
い、等のように実績に則した設定を行うことができる。
なお、動摩擦係数がその基準より大である場合には、そ
れだけ、ドクターブレードの磨耗が促進されるのである
から、ドクター圧を下げる方向に設定を行う。すなわ
ち、数5における係数bは負の値を有し、また、テーブ
ルも同様に作成する。
対応関係を記述するテーブルを作成し、そのテーブルを
参照することでΔMからg(ΔM)を導出するようにし
てもよい。テーブルを作成することにより、より実績に
則した設定を行うことができる。たとえば、ΔMが一
定の値の範囲内である場合には許容範囲と考えて設定の
変更は行わない、複数の閾値を設けΔMが特定の閾値
を越えた場合には特定の設定値により変更を行うが最大
の閾値をいくら越えたとしてもそれ以上は設定値を変更
しない、ΔMが負の値の場合には設定の変更は行わな
い、等のように実績に則した設定を行うことができる。
なお、動摩擦係数がその基準より大である場合には、そ
れだけ、ドクターブレードの磨耗が促進されるのである
から、ドクター圧を下げる方向に設定を行う。すなわ
ち、数5における係数bは負の値を有し、また、テーブ
ルも同様に作成する。
【0021】次に、動摩擦係数からドクター圧を設定す
る演算に関連して、ドクターの磨耗量とカブリ不良の関
係を説明する。図2は動摩擦係数とドクター磨耗量の関
係の一例をグラフとして示す図である。図2において横
軸は動摩擦係数の値を表し、縦軸はドクター磨耗量(μ
m)の値を表す。ドクター磨耗量はグラビア版シリンダ
ーを所定の回数だけ回転した場合の磨耗量、または、ド
クターブレードの刃先とグラビア版シリンダーの周面を
所定の距離だけ相対的に移動した場合の磨耗量である。
図2に示すように、動摩擦係数が約0.14以下におい
てはドクター磨耗量はゼロとなり、ドクターが磨耗しな
いことを示している。また、動摩擦係数が約0.14以
上となると動摩擦係数とドクター磨耗量とは比例関係を
有し、動摩擦係数が増加するとドクター磨耗量も増加す
る。
る演算に関連して、ドクターの磨耗量とカブリ不良の関
係を説明する。図2は動摩擦係数とドクター磨耗量の関
係の一例をグラフとして示す図である。図2において横
軸は動摩擦係数の値を表し、縦軸はドクター磨耗量(μ
m)の値を表す。ドクター磨耗量はグラビア版シリンダ
ーを所定の回数だけ回転した場合の磨耗量、または、ド
クターブレードの刃先とグラビア版シリンダーの周面を
所定の距離だけ相対的に移動した場合の磨耗量である。
図2に示すように、動摩擦係数が約0.14以下におい
てはドクター磨耗量はゼロとなり、ドクターが磨耗しな
いことを示している。また、動摩擦係数が約0.14以
上となると動摩擦係数とドクター磨耗量とは比例関係を
有し、動摩擦係数が増加するとドクター磨耗量も増加す
る。
【0022】図3はドクター磨耗量とカブリ量の関係の
一例をグラフとして示す図である。図3において横軸は
ドクター磨耗量の値を表し、縦軸はカブリ量の判定値を
表す。印刷においては、カブリ不良は印刷物の非画線部
における地汚れ(本来はインキが付着しないはずの部分
に全体的にインキが薄く付着する)として現れる。した
がって、印刷においては、カブリ量は地汚れの濃度値と
して濃度計を用いて測定することにより数値化すること
ができる。図3においては、カブリ量は濃度計を用いて
測定することにより、または、いくつかの、地汚れのサ
ンプルとの比較判定により求められる。塗工の場合は、
通常は塗工液は無色透明であることが多いため、塗工液
を着色しない限り、濃度計を用いて測定することは困難
であるが、グラビア塗工はグラビア印刷とドクター機構
が同等であるから印刷の場合と同様の現象が起きるとみ
なすことができる。
一例をグラフとして示す図である。図3において横軸は
ドクター磨耗量の値を表し、縦軸はカブリ量の判定値を
表す。印刷においては、カブリ不良は印刷物の非画線部
における地汚れ(本来はインキが付着しないはずの部分
に全体的にインキが薄く付着する)として現れる。した
がって、印刷においては、カブリ量は地汚れの濃度値と
して濃度計を用いて測定することにより数値化すること
ができる。図3においては、カブリ量は濃度計を用いて
測定することにより、または、いくつかの、地汚れのサ
ンプルとの比較判定により求められる。塗工の場合は、
通常は塗工液は無色透明であることが多いため、塗工液
を着色しない限り、濃度計を用いて測定することは困難
であるが、グラビア塗工はグラビア印刷とドクター機構
が同等であるから印刷の場合と同様の現象が起きるとみ
なすことができる。
【0023】図3に示すように、ドクター磨耗量が大き
くなるとカブリ量も大きくなる。また、ドクター磨耗量
がゼロ、すなわちドクターが磨耗してない場合において
もカブリ量はゼロとはならず正の値を有することから、
完全にカブリを無くすことはできないことが判る。ドク
ター磨耗量は印刷または塗工の時間が経過するにしたが
って増加するから、カブリ量も時間が経過するにしたが
って増加する。そして、カブリ量が許容値を越えるとカ
ブリ不良が発生することとなる。カブリ不良が発生する
までに要する時間は図2に示すドクター磨耗量が関係
し、ドクター磨耗量が大きい場合には短時間の経過でカ
ブリ不良が発生し、ドクター磨耗量が小さい場合には長
時間を経過してもカブリ不良が発生しないこととなる。
くなるとカブリ量も大きくなる。また、ドクター磨耗量
がゼロ、すなわちドクターが磨耗してない場合において
もカブリ量はゼロとはならず正の値を有することから、
完全にカブリを無くすことはできないことが判る。ドク
ター磨耗量は印刷または塗工の時間が経過するにしたが
って増加するから、カブリ量も時間が経過するにしたが
って増加する。そして、カブリ量が許容値を越えるとカ
ブリ不良が発生することとなる。カブリ不良が発生する
までに要する時間は図2に示すドクター磨耗量が関係
し、ドクター磨耗量が大きい場合には短時間の経過でカ
ブリ不良が発生し、ドクター磨耗量が小さい場合には長
時間を経過してもカブリ不良が発生しないこととなる。
【0024】ところで、ドクター磨耗量は、図2に示す
ように、動摩擦係数によって決定されるが、動摩擦係数
によってだけ決定されるものではなく、ドクター圧によ
っても決定される。ドクター圧が大きい(高い)ほどド
クター磨耗量は大きく、ドクター圧が小さい(低い)ほ
どドクター磨耗量は小さい。そこで、前述したように、
動摩擦係数からドクター圧を設定する演算において、動
摩擦係数が大きい場合にはドクター圧を低く設定するこ
とが行われる。
ように、動摩擦係数によって決定されるが、動摩擦係数
によってだけ決定されるものではなく、ドクター圧によ
っても決定される。ドクター圧が大きい(高い)ほどド
クター磨耗量は大きく、ドクター圧が小さい(低い)ほ
どドクター磨耗量は小さい。そこで、前述したように、
動摩擦係数からドクター圧を設定する演算において、動
摩擦係数が大きい場合にはドクター圧を低く設定するこ
とが行われる。
【0025】前述した動摩擦係数の基準値としては、た
とえば図2に示す一例において、動摩擦係数0.2を基
準値とする。そして、動摩擦係数が0.2を越えている
場合には、ドクター圧の基準の設定値に対してドクター
圧を下げるようにし、動摩擦係数が0.2以下の場合に
は、ドクター圧の基準の設定値に対してドクター圧を操
作しないようにする。これにより、印刷または塗工にお
いて、長時間を経過してもカブリ不良が発生しないよう
にすることができる。
とえば図2に示す一例において、動摩擦係数0.2を基
準値とする。そして、動摩擦係数が0.2を越えている
場合には、ドクター圧の基準の設定値に対してドクター
圧を下げるようにし、動摩擦係数が0.2以下の場合に
は、ドクター圧の基準の設定値に対してドクター圧を操
作しないようにする。これにより、印刷または塗工にお
いて、長時間を経過してもカブリ不良が発生しないよう
にすることができる。
【0026】なお、ドクター圧はドクターがグラビア版
シリンダーの周面に接する長さ(ドクター長)によって
異なるが、単位長さ(cm当たり)のドクター圧は、通
常は、0.3〜1.0Kg/cmである。そこで、ドク
ター圧の基準の設定値は、たとえば、0.6Kg/cm
のように中間の値が用いられる。
シリンダーの周面に接する長さ(ドクター長)によって
異なるが、単位長さ(cm当たり)のドクター圧は、通
常は、0.3〜1.0Kg/cmである。そこで、ドク
ター圧の基準の設定値は、たとえば、0.6Kg/cm
のように中間の値が用いられる。
【0027】以上、本発明について実施の形態により説
明を行ったが、本発明はこの実施の形態にのみ限定され
るものではなく、本発明の技術思想において様々な形態
で実施することができ、それらも本発明に含まれること
はいうまでもないことである。たとえば、ドクタリング
対象としてグラビア版シリンダーを一例として説明した
がドクタリング対象はそれに限定されるものではない。
ブレード塗工のように、紙、ウェブ、シート、フィル
ム、等の塗工対象に直接ドクターブレードの刃先を当て
て塗工液を塗工対象に塗布するような場合には、その塗
工対象はドクタリング対象である。その場合にも本発明
を適用することにより好適な塗工を行うことができる。
また、たとえば、ドクター圧の調整に電気信号を空気圧
信号に変換する電空変換器を用い、エアーシリンダーに
よりドクター圧を発生させる一例を示したが、空気圧に
限らず、バネ機構、静荷重機構、油圧機構、ドクターブ
レードの弾性を利用する機構、等によりドクター圧を発
生させることができる。また、たとえば、トルクセンサ
により動摩擦力の検出を行ったが、ドクターブレードを
押圧した場合と押圧しない場合の駆動系の負荷変動(電
力値)により検出を行うことができる。
明を行ったが、本発明はこの実施の形態にのみ限定され
るものではなく、本発明の技術思想において様々な形態
で実施することができ、それらも本発明に含まれること
はいうまでもないことである。たとえば、ドクタリング
対象としてグラビア版シリンダーを一例として説明した
がドクタリング対象はそれに限定されるものではない。
ブレード塗工のように、紙、ウェブ、シート、フィル
ム、等の塗工対象に直接ドクターブレードの刃先を当て
て塗工液を塗工対象に塗布するような場合には、その塗
工対象はドクタリング対象である。その場合にも本発明
を適用することにより好適な塗工を行うことができる。
また、たとえば、ドクター圧の調整に電気信号を空気圧
信号に変換する電空変換器を用い、エアーシリンダーに
よりドクター圧を発生させる一例を示したが、空気圧に
限らず、バネ機構、静荷重機構、油圧機構、ドクターブ
レードの弾性を利用する機構、等によりドクター圧を発
生させることができる。また、たとえば、トルクセンサ
により動摩擦力の検出を行ったが、ドクターブレードを
押圧した場合と押圧しない場合の駆動系の負荷変動(電
力値)により検出を行うことができる。
【0028】
【発明の効果】以上のとおりであるから本発明によれ
ば、ドクターブレードの過剰な磨耗を防止するため、必
要以上にドクター圧を高めることがないように、ドクタ
ー圧を適正値に設定するドクター圧設定装置とそれを具
備するドクター装置を提供することができる。またドク
タリング対象はグラビア版シリンダーであって、検出手
段は、そのグラビア版シリンダを回転駆動する軸に設け
られたトルクセンサである本発明によれば、容易、か
つ、正確に動摩擦係数に対応する量を検出することがで
きるから、ドクター圧を適正値に、かつ、正確に設定す
ることができる。また演算手段は前記検出値から動摩擦
係数を演算し、その動摩擦係数と動摩擦係数の基準値と
の差異を演算し、その差異に基づいてドクター圧の変更
量を演算し、その変更量とドクター圧の基準の設定値と
を加算することによりドクター圧の設定値を演算する本
発明によれば、ドクター圧の設定に対する信頼性が高
い。
ば、ドクターブレードの過剰な磨耗を防止するため、必
要以上にドクター圧を高めることがないように、ドクタ
ー圧を適正値に設定するドクター圧設定装置とそれを具
備するドクター装置を提供することができる。またドク
タリング対象はグラビア版シリンダーであって、検出手
段は、そのグラビア版シリンダを回転駆動する軸に設け
られたトルクセンサである本発明によれば、容易、か
つ、正確に動摩擦係数に対応する量を検出することがで
きるから、ドクター圧を適正値に、かつ、正確に設定す
ることができる。また演算手段は前記検出値から動摩擦
係数を演算し、その動摩擦係数と動摩擦係数の基準値と
の差異を演算し、その差異に基づいてドクター圧の変更
量を演算し、その変更量とドクター圧の基準の設定値と
を加算することによりドクター圧の設定値を演算する本
発明によれば、ドクター圧の設定に対する信頼性が高
い。
【図1】本発明のドクター圧設定装置とドクター装置の
主要構成を示す図である。
主要構成を示す図である。
【図2】動摩擦係数とドクター磨耗量の関係の一例をグ
ラフとして示す図である。
ラフとして示す図である。
【図3】ドクター磨耗量とカブリ量の関係の一例をグラ
フとして示す図である。
フとして示す図である。
1 グラビア版シリンダー 2 トルクセンサ 3 駆動系 4 ドクターホルダー 5 ドクターブレード 6 支持・加圧機構部 7 エアーシリンダー 8 演算器 9 電空変換器
Claims (4)
- 【請求項1】ドクターブレードとドクタリング対象との
動摩擦係数に対応する量を検出し検出値を出力する検出
手段と、 前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演算する演
算手段と、 前記設定値に基づいてドクター圧を発生するドクター圧
発生手段と、 を有することを特徴とするドクター圧設定装置。 - 【請求項2】前記ドクタリング対象はグラビア版シリン
ダーであって、前記検出手段は、そのグラビア版シリン
ダを回転駆動する軸に設けられたトルクセンサであるこ
とを特徴とする請求項1記載のドクター圧設定装置。 - 【請求項3】前記演算手段は前記検出値から動摩擦係数
を演算し、その動摩擦係数と動摩擦係数の基準値との差
異を演算し、その差異に基づいてドクター圧の変更量を
演算し、その変更量とドクター圧の基準の設定値とを加
算することによりドクター圧の設定値を演算することを
特徴とする請求項1または2記載のドクター圧設定装
置。 - 【請求項4】ドクター圧設定装置を具備するドクター装
置であって、前記ドクター圧設定装置は、 ドクターブレードとドクタリング対象との動摩擦係数に
対応する量を検出し検出値を出力する検出手段と、 前記検出値に基づいてドクター圧の設定値を演算する演
算手段と、 前記設定値に基づいてドクター圧を発生するドクター圧
発生手段と、 を有することを特徴とするドクター装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19340797A JPH1120125A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | ドクター圧設定装置およびドクター装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19340797A JPH1120125A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | ドクター圧設定装置およびドクター装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1120125A true JPH1120125A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16307453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19340797A Pending JPH1120125A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | ドクター圧設定装置およびドクター装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1120125A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229882A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | National Printing Bureau | ワイピングローラ用のドクターブレード自動調整装置 |
JP2015100772A (ja) * | 2013-11-27 | 2015-06-04 | 大日本印刷株式会社 | 接触圧管理システム、接触圧管理方法、塗工機 |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP19340797A patent/JPH1120125A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229882A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | National Printing Bureau | ワイピングローラ用のドクターブレード自動調整装置 |
JP2015100772A (ja) * | 2013-11-27 | 2015-06-04 | 大日本印刷株式会社 | 接触圧管理システム、接触圧管理方法、塗工機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040521 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050906 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050913 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060125 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |