JPH11200245A - 抗菌シート及び衛生用品 - Google Patents

抗菌シート及び衛生用品

Info

Publication number
JPH11200245A
JPH11200245A JP10002334A JP233498A JPH11200245A JP H11200245 A JPH11200245 A JP H11200245A JP 10002334 A JP10002334 A JP 10002334A JP 233498 A JP233498 A JP 233498A JP H11200245 A JPH11200245 A JP H11200245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
antibacterial
rosin
plant
antimicrobial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10002334A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3252192B2 (ja
Inventor
Makiko Harada
真紀子 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Kobayashi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP00233498A priority Critical patent/JP3252192B2/ja
Publication of JPH11200245A publication Critical patent/JPH11200245A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3252192B2 publication Critical patent/JP3252192B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Orthopedics, Nursing, And Contraception (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 抗菌剤の繊維層への歩留りがよく多湿条件下でも持続的
に抗菌性を発揮し、しかも皮膚への刺激性が少ない抗菌
シートの提供。該抗菌シートを少なくとも体液接触面な
いし着用面に有する衛生用品の提供。 【解決手段】ロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽
出物を抗菌剤として有することを特徴とする抗菌シー
ト。ロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽出物がグ
ラビア印刷により繊維シートに塗布されてなる抗菌シー
ト。該抗菌シートを少なくとも身体接触面側表面に有す
る、例えばおしめシート、パンティシート、生理用ナプ
キン、マスク、汗とりパット、母乳パット、おねしょシ
ート、失禁パット、医療用シーツ又はオムツ等の衛生用
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性に優れたシ
ート及びそれを表面に有する衛生用品、特に汗とりパッ
ト、生理用ナプキン、パンティシート等の体液吸収材に
関する。より詳細には、本発明はアビエチン酸若しくは
ピマール酸のアミン塩で代表されるロジンアミン化物を
含有する植物に由来する水溶性抽出物を含有する抗菌シ
ート、及びそれを有する衛生用品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、おりもの、経血、汗あるいは
尿その他の体液を吸収するために用いられる衛生用品に
関して、吸水性、漏れ防止、蒸れ防止及び着用感等の向
上を目指して種々研究がなされている。
【0003】一方、このような衛生用品は、店頭に陳列
して販売されるため高温多湿条件下に長期間曝される機
会も多く、またそれらは経済的な観点等から遮蔽効果の
ない包材等で包装されるのが一般的であるため、衛生用
品そのもの自身が長期に亘って抗菌性を維持発揮するも
のであることが好ましい。また、衛生用品は使用時に体
液を吸収して細菌繁殖に好適な条件下に置かれるため、
体液が腐敗して悪臭を発生したり、種々の感染症をもた
らす原因となり得る。
【0004】しかしながら、一般に抗菌剤は皮膚に対す
る刺激性が強いため、皮膚に直接しかも長時間接触させ
ることによって皮膚のかぶれが問題となる。
【0005】かかる観点から、皮膚へのかぶれ等、人体
への安全性の高い抗菌剤として各種の植物抽出物を用い
る提案がなされており、その一種として松脂の抽出物で
あるロジンが注目されている。
【0006】しかし、このような植物性抗菌剤は全般的
に経時安定性が悪く、高温或いは多湿下では抗菌活性が
落ちるため、前述するような店頭等の高温多湿条件下で
放置され得、かつ一般に隠蔽効果のない包材で包装され
る製品への適用は困難であった。また、ロジンは水不溶
性であるため、例えば特開平5−15467号公報に記
載されているウエットワイパー類等のように50%以上
ものエタノールを含有する溶液状態で紙等の基布に含浸
させることはできても、これらの繊維層に乾燥状態で経
時安定的に担持・保持させることは困難であり、そのた
め従来ロジンを利用して安定した抗菌性能をもつ布若し
くは紙製品、特に吸湿・吸水を目的とする製品を調製す
ることは不可能であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗菌剤の繊
維層への歩留りがよく高温多湿条件下でも持続的に抗菌
性を発揮し、しかも皮膚への刺激性が少ない抗菌シート
を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる
抗菌シートを少なくとも体液接触面ないし着用面に有す
る、例えば汗とりパット、生理用ナプキン、パンティシ
ート等の衛生用品を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、本質的に
優れた抗菌性を有するにもかかわらず繊維に含有させる
ことが難しい植物抽出物、すなわちロジンの歩留りを向
上させる方法について検討を重ねていたところ、ロジン
をアミン化して水溶性物質とし、該水溶性物質を繊維シ
ートに加工することによって当該目的が達成でき、これ
によりロジンアミン化物の抗菌性が種々の温度、湿度条
件下で長期にわたり有意に維持されることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づくものである。
【0009】すなわち、本発明は、下記のいずれかの態
様からなる抗菌シートである。
【0010】(1)ロジンアミン化物を含む植物由来水
溶性抽出物を抗菌剤として有する抗菌シート。
【0011】(2)ロジンアミン化物が、デヒドロアビ
エチルアミン、アビエチン酸アミン及びピマール酸アミ
ンからなる群から選択されるいずれか少なくとも一方で
ある(1)記載の抗菌シート。
【0012】(3)植物由来水溶性抽出物がロジンアミ
ン化物を5〜20重量%の範囲で含有することを特徴と
する(1)または(2)記載の抗菌シート。
【0013】(4)ロジンアミン化物を含む植物由来水
溶性抽出物がグラビア印刷により繊維シートに塗布され
てなる(1)乃至(3)のいずれかに記載の抗菌シー
ト。
【0014】(5)ロジンアミン化物を含む植物由来水
溶性抽出物を版深10〜60ミクロンで含有する請求項
4記載の抗菌シート。
【0015】(6)40℃、湿度75%の条件下で少な
くとも5週間、抗菌性を維持することを特徴とする
(1)乃至(5)のいずれかに記載の抗菌シート。
【0016】(7)少なくとも大腸菌、スタフィロコッ
カス属及びカンジダ属に属する細菌に対して抗菌性を有
するものである(1)乃至(6)のいずれかに記載の抗
菌シート。
【0017】また、本発明は上記(1)乃至(7)のい
ずれかに記載の抗菌シートを少なくとも身体接触面側表
面に有することを特徴とする衛生用品である。かかる衛
生用品としては、おしめシート、パンティシート、生理
用ナプキン、マスク、汗とりパットー、失禁パット、お
ねしょシート、母乳パット、医療用シーツ及びオムツか
らなる群から選択される使い捨て衛生用品を挙げること
ができる。
【0018】なお、本発明において抗菌性とは微生物の
発育を阻止する作用、すなわち静菌作用をも含む概念で
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌シートは、抗菌剤と
してロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽出物を含
むことを特徴とする。
【0020】本発明で用いられるロジンアミン化物を含
む植物由来水溶性抽出物は、マツの根から得られる松脂
成分を蒸留してテレピン油成分を除去して得られるロジ
ンを、更に化学処理して部分的にアミン塩化し、生成さ
れたロジンアミン化物を含む固形物を更に水で抽出して
水溶性成分を取得することによって調製される。
【0021】ロジンをアミン塩にする方法は、特に制限
されず、当業界で一般に用いられる方法を採用すること
ができる。アミン塩としても特に制限されず、モノアミ
ンの他、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン
塩、トリエタノールアミン塩などの有機アミン塩等を広
く挙げることができる。
【0022】水抽出する方法も特に制限されないが、よ
り好適には、温度約40℃程度の温水で1〜2昼夜撹拌
抽出する方法が例示できる。
【0023】なお、出発原料として用いられるロジンと
しては、松に含まれる樹脂酸を精製したものを広く用い
ることができ、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジンの別を問わないが、好ましくは、伐採後10数年経
過した松の根株をチップ状にして溶剤抽出して、さらに
蒸留してテレピン油を除去して得られるウッドロジンで
ある。
【0024】ロジンアミン化物としては、具体的にはデ
ヒドロアビエチルアミン、アビエチン酸アミン、ピマー
ル酸アミン等が挙げられる。これらは単独で用いられて
も2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0025】本発明で用いられる植物由来水溶性抽出物
に含まれる上記ロジン化合物の割合は、特に制限されな
いが、通常0.5〜90重量%、好ましくは1〜50重
量%、より好ましくは5〜20重量%である。なお、か
かる水溶性抽出物は全体として水溶性を呈するものであ
れば、アビエチン酸、ピマール酸等のそれ自身水不溶性
を示すものを一部含有していてもよい。
【0026】本発明の抗菌シートは、上記のロジンアミ
ン化物を含有する植物由来水溶性抽出物を抗菌剤として
繊維シートに含有させたものである。
【0027】本発明で用いられる繊維シートは、特に制
限はないが、織物、編物、不織布(非収束状のフィラメ
ント群や短繊維群から構成される不織布を含む。)又は
紙等のパルプ製品等から構成される、フィルム状もしく
はシート状成形物が含まれる。
【0028】かかる繊維シートを構成する繊維として
は、特に制限はなく任意の繊維を用いることができる
が、具体的には例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン/
ポリエステル複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン
複合繊維等の合成繊維、綿、羊毛、麻などの天然繊維、
或いはレーヨン繊維、アセテート繊維等の半合成繊維、
及び各種繊維の混紡品、混繊品を挙げることができる。
好ましくは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニ
ル等の合成繊維若しくはそれらの複合繊維が例示され、
具体的には、ポリエチレン/ポリエステル(ポリエチレ
ンテレフタレートを包含する。)複合繊維、ポリエチレ
ン/ポリプロピレン複合繊維、エチレン酢酸ビニル/ポ
リプロピレン複合繊維等である。
【0029】尚、これらの合成繊維は、その断面構造等
によって特に制限されず、異形断面繊維、多孔性繊維、
多孔吸水繊維等で代表されるような各種構造を有するも
のであってもよい。
【0030】本発明で用いられる繊維シートは、上記各
種構成成分から構成される単層シート乃至フィルムであ
っても、各々任意の異なる成分からなるシート乃至フィ
ルムの複層体であってもよい。
【0031】また、シート状もしくはフィルム状であれ
ば、その形状に特に制限はなく、例えばメッシュ状、浮
きだし模様(エンボス模様)等の形状を呈していても良
い。
【0032】抗菌剤は、繊維シートに少なくとも付着し
ていればよく、従って、この目的を達成できる方法であ
れば抗菌剤の付着加工方法は特に限定されず、従来公知
の印刷法、含浸法、スプレー法、パッド法、コーティン
グ法等の各種方法が広く採用される。より具体的には、
繊維シートをロジンアミン化物を含む水溶性抽出溶液で
浸漬、噴霧、パッティング又はコーティング等のいずれ
かの方法で処理した後、必要に応じて脱液し、次いで乾
燥する方法が挙げられる。
【0033】好適にはグラビア印刷法が挙げられる。
【0034】グラビア印刷法は、特に制限はされない
が、基本的には、例えば図1に示すように、ロジンアミ
ン化物を含む植物由来水溶性抽出物を含有する溶液5中
に浸かっているロール2によって、該植物由来水溶性抽
出物をローラー表面に付着させ、これをロール3にかみ
合わせることによって矢印方向に進行する繊維シート1
上にロール4とロール3を圧着させて水溶性抽出物を塗
布する方法である。
【0035】グラビア印刷の条件は特に制限されず、印
刷する繊維シートの材質や適用用途などに応じて適宜選
択することができるが、好適には、抗菌性の強さ及びそ
の持続性の観点から、前述するロジンアミン化物を含む
植物由来水溶性抽出物が、繊維シートに版深10〜60
ミクロン、好ましくは12〜52ミクロン、より好まし
くは版深20〜30ミクロンで含有される条件で行われ
ることが好ましい。
【0036】かかる版深で植物由来水溶性抽出物を含有
する抗菌シートによれば、少なくとも大腸菌、黄色ブド
ウ球菌及びカンジダ菌の3菌種に対して、40℃、40
℃で湿度75%、50℃、50℃で湿度60℃といった
種々の条件下で放置された場合でも、少なくとも5週
間、抗菌性を維持することができる。
【0037】本発明の抗菌シートに含まれる植物由来水
溶性抽出物の量は、抗菌シートの使用目的、使用箇所等
によって種々異なるが、ロジンアミン化物の量として、
通常0.1〜5重量%、好ましくは0.7〜3重量%、よ
り好ましくは1〜2重量%である。
【0038】植物由来水溶性抽出物をかかる範囲で含有
する限度において、植物由来水溶性抽出物の塗布態様は
特に限定されず、繊維シート全体に塗布されていてもよ
いし、また点状、波線状、かすり状等、断続的に塗布さ
れていてもよい。これは、グラビア印刷法において、表
面に点状、波線状等の模様に応じた凹凸を有するロール
3を採用することによって達成できる(図1)。
【0039】なお、本発明の抗菌シートには、本発明の
効果を損なわないことを限度に、前述する水溶性抽出物
のほかに、既存の殺菌剤、消臭剤等を併用して含めるこ
ともできる。
【0040】本発明の抗菌シートによれば、後述する実
施例からも明らかなように、例えば40℃、75%湿度
といった夏場の高温多湿下にあっても、少なくとも5週
間にわたり抗菌性を維持することができる。このこと
は、本発明の抗菌シート及び該シートを含有する製品
は、高温及び/又は多湿条件下で保存・放置される場合
でも、安定した抗菌性を長期に亘って持続的に保持する
ことを示す。
【0041】本発明の抗菌シートは、少なくとも大腸菌
などのグラム陰性通性嫌気性桿菌、スタフィロコッカス
属に属する菌、特にスタフィロコッカス・アウレウス
(Staphylococcus aureus)などのグラム陽性球菌通性
嫌気性菌、カンジダ属菌に属する菌、特にカンジダ・ア
ルビカンス(Candida Albicans)等の病原性真菌に対し
て優れた抗菌性を有する。
【0042】また、本発明の抗菌シートは、生理用品等
の肌に当たる側に使用することによって腐敗菌、細菌、
化膿菌の増殖を抑制するので、経血等の体液の腐敗を抑
制して悪臭の発生を防止し、また細菌による感染及び化
膿を防止することができる。
【0043】更に、後述する実験例で示すように、ロジ
ンアミン化物を含有する本発明の抗菌シートは、皮膚に
対する刺激性も低く人体への安全性が高いものである。
【0044】かかる特性を有する本発明の抗菌シート
は、高温高湿下で流通保存される可能性があり、また細
菌増殖に適した環境において抗菌性並びに抗刺激性等を
要求される衛生用品、例えばおしめシート、パンティシ
ート、生理用ナプキン、マスク、汗とりパット(わき当
てシート)、絆創膏、おねしょシート、母乳パット、失
禁パット、絆創膏、医療用シーツ(例えば、疾患者用デ
ィスポーザブルシート)またはおむつ等の衛生用品、特
に使い捨ての衛生用品の表面シートとして有用である。
【0045】かかる観点から、本発明は前述する抗菌シ
ートを有する衛生用品を提供するものである。
【0046】本発明の衛生用品は、上記の抗菌シートを
少なくとも体液接触面、言い換えれば身体接触面側表面
に有していればよい。
【0047】衛生用品としては、前述するような、おり
もの、経血、血、汗、尿等を吸収する各種の衛生用品が
挙げられるが、好ましくは使い捨ての衛生用品であり、
具体的にはおしめ、パンティシート、生理用ナプキン、
失禁パット、医療用シーツ等の使い捨ての体液吸収材で
ある。
【0048】かかる体液吸収材等の衛生用品は、少なく
とも身体への着用面側に上記抗菌シートを配してなるも
のであればよく、他の部分は従来公知の構造を採用する
ことができる。簡便な構造の一例として、表面シートと
して本発明の抗菌シート、裏面シートとして不透水性合
成樹脂シート及び表面シートと裏面シートの間に吸収体
を介在させて含有する衛生用品を挙げることができる。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例及び実験例によって更
に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0050】実施例1 ロジンアミン化物としてデヒドロアビエチルアミンを含
有する植物由来水溶性抽出物14重量%(ロジンアミン
化物が1.1重量%となるように)を、目付35g/m2
のコットン不織布に、印刷スピード50m/分で、版深
20ミクロンの版を用いてグラビア印刷を行った。得ら
れたシートを50℃で約8秒間乾燥させて、本発明の抗
菌シートを調製した。
【0051】得られた抗菌シートの抗菌性を、繊維製品
衛生加工協議会の抗菌防臭加工評価試験マニュアルの
「菌数測定法」に従って評価した。同協議会の認定マー
クであるSEKマークの取得基準は、菌数増減値差>
1.6とされている。
【0052】具体的には次の通りである。
【0053】 [試験細菌株] 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO 12732) 大腸菌(Echerichia coli KPB 33) カンジダ菌(Candida Albicans KPB 767) [培養液] 前培養液 :SCD寒天培地 (黄色ブドウ球菌/大腸菌) Sabouroued Dextrose agar培地(カンジダ菌) 振盪培養及び本培養 :Brucellaブロス (黄色ブドウ球菌/大腸菌) Sabouroued liquid ブロス(カンジダ菌) [試験布] 試験布:上記で調製した抗菌シート0.2g 対照布:無加工の不織布0.2g [試験法]滅菌した前培養液に上記3種類の菌株をそれ
ぞれ1白金耳接種し、37℃で24時間培養した。次い
で得られたコロニーから1コロニーを、振盪培養用培地
に移植し、37℃で6時間振盪培養した。得られた培養
ブロスを100倍に希釈して、黄色ブドウ球菌と大腸菌
については1〜5×105細胞/ml、カンジダ菌につ
いては1〜10×103細胞/mlとなるように調整し
て、菌液とした。次いで、約10〜20ml容量のバイ
ヤル瓶に試験布を入れ、菌液0.2mlを接種し、これ
を37℃で18時間培養した。バイヤル瓶に滅菌生理食
塩水20mlを入れ、上下に30回程度振り、菌液を生
理食塩水中に溶出させた。生理食塩水中に溶出させた菌
数を測定し、下記の計算式により菌数の増減比、増減値
及び増減値差を算出した。
【0054】
【化1】
【0055】なお、コントロールとして、無加工布を使
用して同様に試験を行った。
【0056】各種細菌の培養0時間後及び18時間後の
生菌数並びに菌数増減値差を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1から、本発明の抗菌シートは、黄色ブ
ドウ球菌、大腸菌、カンジダ菌のいずれに対しても菌数
増減値差>1.6であり、更に菌の増殖が抑制されてい
ることから、優れた抗菌性を示すことが分かった。
【0059】実験例1 実施例1に記載の方法に従って抗菌シートを作成し、そ
れぞれ40℃/湿度75%、40℃/湿度0%、50℃
/湿度60%、50℃/湿度0%の条件下に5週間放置
して、その後実施例1記載の「菌数測定法」に従って、
これらの抗菌シートの抗菌性を評価した。
【0060】40℃/湿度75%条件下で5週間放置し
た抗菌シートの抗菌性を表3に示す。
【0061】
【表2】
【0062】40℃/湿度0%条件下で5週間放置した
抗菌シートの抗菌性を表4に示す。
【0063】
【表3】
【0064】50℃/湿度60%条件下で5週間放置し
た抗菌シートの抗菌性を表5に示す。
【0065】
【表4】
【0066】50℃/湿度0%条件下で5週間放置した
抗菌シートの抗菌性を表6に示す。
【0067】
【表5】
【0068】これらの結果から、本発明の抗菌シート
は、少なくとも黄色ブドウ球菌、大腸菌及びカンジダ菌
の3種類の細菌の発育・増殖を抑制し、優れた抗菌性を
発揮することが分かった。また、本発明の抗菌シートの
当該抗菌作用は、種々の温度、湿度条件下で放置した場
合であっても、少なくとも5週間は維持されることが分
かった。このことは、本発明の抗菌シートを有する製品
は、流通経路等において高温及び/又は多湿条件下に放
置された場合であっても、経時的に安定した抗菌性を保
持することを意味する。
【0069】実験例2 実施例1に記載の方法に従って抗菌シートを作成し、こ
れを窓に貼付して日光に当てた。日光曝露4週間後、実
施例1記載の「菌数測定法」に従って、大腸菌及び黄色
ブドウ球菌について該抗菌シートの抗菌性を評価した。
【0070】結果を表7に示す。
【0071】
【表6】
【0072】表7に示されるように、本発明の抗菌シー
トは日光曝露下でも安定した抗菌性を示した。このこと
から該抗菌シートを有する製品は、日光曝露下に放置し
た場合であっても、経時的に安定した抗菌性を保持する
ことが分かる実験例3 皮膚一次刺激性試験 実施例1に記載の方法に従って抗菌シートを作成し、該
抗菌シートの皮膚に対する安全性を下記に示す24時間
クローズドパッチテスト(n=21)を用いて評価し
た。なお、本発明において皮膚刺激性試験及びその判定
方法は、試験サンプルの皮膚への貼付時間を除いて、
「衣料による皮膚刺激障害」(「生活衛生」29-1,p2
〜15,須貝哲朗,1985)の文献を参考にして、それに準
じて行った。
【0073】<試験方法> (1) 直径7mmの抗菌シートを皮膚感作テスト用上を用
いて上腕に貼付する。
【0074】(2) 上記テープを貼付24時間後に剥離す
る。
【0075】(3) 剥離60分後および24時間後に皮膚
反応を判定する。
【0076】<皮膚刺激性の評価法>抗菌シートテープ
を剥離してから60分後、24時間後の判定のうち、反
応程度の高い方を被験者の皮膚反応程度として、その程
度に対して表8記載の判定基準に従って評点を与える。
この評点の総和を被験者数で除した商を百分率で表現
し、これを皮膚刺激指数とする。
【0077】
【表7】
【0078】なお、衣料における皮膚刺激指数の閾値
は、上記文献によると、 10.0未満 安全品 10.0〜30.0 許容品 30.0〜60.0 要改良品 60.0以上 皮膚障害発生の大きい危険品 と定められている。
【0079】前記の評価基準によって評価したところ、
本発明の抗菌シートの皮膚刺激指数は2.4であり、皮
膚に対して刺激が少なく安全であると認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】植物由来水溶性抽出物を含有する溶液を繊維シ
ートに塗布する態様を示す図である。
【符号の説明】
1 繊維シート 2 ロール 3 ロール 4 ロール 5 ロジンアミン化物含有植物由来水溶性抽出物を含む
溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 35/78 ADB A41B 13/02 B ADZ A61F 13/18 381 D21H 19/10 D21H 1/34 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽
    出物を抗菌剤として有することを特徴とする抗菌シー
    ト。
  2. 【請求項2】ロジンアミン化物が、デヒドロアビエチル
    アミン、アビエチン酸アミン及びピマール酸アミンから
    なる群から選択されるいずれか少なくとも一方である請
    求項1記載の抗菌シート。
  3. 【請求項3】植物由来水溶性抽出物がロジンアミン化物
    を5〜20重量%の範囲で含有することを特徴とする請
    求項1または2記載の抗菌シート。
  4. 【請求項4】ロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽
    出物がグラビア印刷により繊維シートに塗布されてなる
    請求項1乃至3のいずれかに記載の抗菌シート。
  5. 【請求項5】ロジンアミン化物を含む植物由来水溶性抽
    出物を版深10〜60ミクロンで含有する請求項4記載
    の抗菌シート。
  6. 【請求項6】40℃、湿度75%の条件下で少なくとも
    5週間、抗菌性を維持することを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれかに記載の抗菌シート。
  7. 【請求項7】少なくとも大腸菌、スタフィロコッカス属
    及びカンジダ属に属する菌に対して抗菌性を有するもの
    である請求項1乃至6のいずれかに記載の抗菌シート。
  8. 【請求項8】請求項1乃至7のいずれかに記載の抗菌シ
    ートを少なくとも身体接触面側表面に有することを特徴
    とする衛生用品。
  9. 【請求項9】おしめシート、パンティシート、生理用ナ
    プキン、マスク、汗とりパット、母乳パット、おねしょ
    シート、失禁パット、医療用シーツ及びオムツからなる
    群から選択される使い捨て衛生用品である請求項8記載
    の衛生用品。
JP00233498A 1998-01-08 1998-01-08 抗菌シート及び衛生用品 Expired - Lifetime JP3252192B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00233498A JP3252192B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 抗菌シート及び衛生用品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00233498A JP3252192B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 抗菌シート及び衛生用品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11200245A true JPH11200245A (ja) 1999-07-27
JP3252192B2 JP3252192B2 (ja) 2002-01-28

Family

ID=11526421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00233498A Expired - Lifetime JP3252192B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 抗菌シート及び衛生用品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3252192B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6891079B2 (en) 2001-12-20 2005-05-10 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe
US7154018B2 (en) 2001-12-20 2006-12-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent article
WO2007132719A1 (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Uni-Charm Corporation 吸汗性シートおよび使い捨ておむつ
US7485110B2 (en) 2001-12-20 2009-02-03 Kimberly Clark Worldwide, Inc. Wipe comprising a pathogen selective antimicrobial
WO2009019962A1 (ja) * 2007-08-03 2009-02-12 Unicharm Corporation 使い捨ておむつ
KR20160004782A (ko) * 2014-07-04 2016-01-13 한국건설 주식회사 바이러스성 급성전염병 전파방지용 피복의 항균 코팅막을 갖는 외피 소재 제조방법
CN114775103A (zh) * 2022-04-26 2022-07-22 周泊罕 一种具有抗hpv病毒功能的复合纤维材料及其应用

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7468101B2 (ja) 2020-04-14 2024-04-16 三菱電機株式会社 コントロールユニット

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6891079B2 (en) 2001-12-20 2005-05-10 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Wipe
US7154018B2 (en) 2001-12-20 2006-12-26 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent article
US7485110B2 (en) 2001-12-20 2009-02-03 Kimberly Clark Worldwide, Inc. Wipe comprising a pathogen selective antimicrobial
WO2007132719A1 (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Uni-Charm Corporation 吸汗性シートおよび使い捨ておむつ
JP2007325915A (ja) * 2006-05-12 2007-12-20 Uni Charm Corp 吸汗性シートおよび使い捨ておむつ
US8093447B2 (en) 2006-05-12 2012-01-10 Uni-Charm Corporation Sweat-absorbent sheet and disposable diaper having the same
WO2009019962A1 (ja) * 2007-08-03 2009-02-12 Unicharm Corporation 使い捨ておむつ
KR20160004782A (ko) * 2014-07-04 2016-01-13 한국건설 주식회사 바이러스성 급성전염병 전파방지용 피복의 항균 코팅막을 갖는 외피 소재 제조방법
CN114775103A (zh) * 2022-04-26 2022-07-22 周泊罕 一种具有抗hpv病毒功能的复合纤维材料及其应用
CN114775103B (zh) * 2022-04-26 2024-01-09 周泊罕 一种具有抗hpv病毒功能的复合纤维材料及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3252192B2 (ja) 2002-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1168975A (en) Germicidal absorbent body
CN104906620B (zh) 一种水凝胶抗菌纱布敷料及其制备方法
US8476483B2 (en) Antibacterial sheet and absorbent article
US12042358B2 (en) Wound dressing materials and methods of making thereof
JP2003526390A (ja) 皮膚の健康を維持または改善する吸収性物品
US20100136210A1 (en) Sanitary article comprising lactobacilli in a hydrophilic carrier
BRPI0618779B1 (pt) artigos absorventes compreendendo um superabsorvente ácido e um sal orgânico de zinco
JP2009505707A (ja) 濃縮タンニンを含む吸収性製品
US20040241151A1 (en) Polymer matrix with lactic acid producing bacteria
AU2004243133B2 (en) New product
JP6290184B2 (ja) 創傷ドレッシング
JP3252192B2 (ja) 抗菌シート及び衛生用品
CN101534764A (zh) 含有过氧化合物和有机锌盐的吸收性制品
JP2002113041A (ja) 皮膚常在菌をコントロールする吸収性物品
EP1622652A1 (en) New product
KR102160854B1 (ko) 생체적합성 흡수 부재 및 이를 포함하는 생리대
RU2344837C2 (ru) Абсорбирующее изделие, содержащее агент для ухода за кожей
JPH0568694A (ja) 吸収性物品
KR19980082895A (ko) 생리대
WO2010126414A1 (en) A method for retaining the activity of probiotic bacteria in personal care articles and a personal care article comprising the probiotic bacteria
JP2004159742A (ja) 清浄綿
WO2024026399A1 (en) Methods and compositions related to prebiotic formulations useful in promoting urogenital health
JP2005261622A (ja) 抗菌性吸収物品
TWM265024U (en) Hygiene absorbent pads with silver nano-particles
MX2008006189A (es) Articulos absorbentes que comprenden superabsorbente acidico y una sal de zinc organica

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081122

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131122

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term