JPH11199614A - 芳香族ビニル化合物/オレフィンランダム共重合体の製造方法 - Google Patents

芳香族ビニル化合物/オレフィンランダム共重合体の製造方法

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JPH11199614A
JPH11199614A JP679398A JP679398A JPH11199614A JP H11199614 A JPH11199614 A JP H11199614A JP 679398 A JP679398 A JP 679398A JP 679398 A JP679398 A JP 679398A JP H11199614 A JPH11199614 A JP H11199614A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
aromatic vinyl
vinyl compound
compound
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JP679398A
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English (en)
Inventor
Kenji Michigami
憲司 道上
Tadahiro Sunaga
忠弘 須永
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】芳香族ビニル化合物含量の高い芳香族ビニル化
合物/オレフィンランダム共重合体を収率よく製造する
方法を提供する。 【解決手段】一般式[1]で表される有機遷移金属化合
物、周期律表第13族の元素を含むルイス酸性化合物お
よび有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、
芳香族ビニル化合物とオレフィンを芳香族ビニル化合物
の含有量が48.0〜99.9モル%となるように共重
合させる。 【化1】 R1 2 GA1 2 MX1 2 [1](式
中、A1 、A2 は非置換または置換シクロペンタジエニ
ル基、フルオレニル基等、R1 、R2 はC1〜10のア
ルキル基、C6〜20のアリール基等、GはA1 及びA
2 を連結する炭素、C2〜10の炭化水素基等、X1
2 はハロゲン原子等、Mはチタン、ジルコニウム、ハ
フニウム)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な芳香族ビニ
ル含有率の高い芳香族ビニル化合物/オレフィンランダ
ム共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりスチレン/エチレン共重合体の
製造としては、特開平6−049132号、特開平3−
163088号、特開平7−53618号等に開示され
ているように、不均一系のチーグラーナッタ系触媒を用
いてなされてきた。しかしながら、これらの方法は重合
活性が低いだけでなく得られる共重合体のスチレン含量
が低かった。
【0003】特開平3−250007号、特開平4−1
30114号、特開平7−70223号、特開平8−2
69138号、特開平9−40709号等には特定の遷
移金属化合物とアルミノキサンからなる触媒を用いてス
チレン/オレフィン共重合体を製造する方法が記載され
ている。
【0004】上述のように特定の触媒を用いることによ
りスチレン/オレフィン共重合体が容易に製造できるよ
うになった。しかしながら、特開平4−130114号
では重合活性が低く、また特開平3−250007号、
特開平7−70223号、特開平8−269138号、
特開平9−40709号等の方法では重合活性が低いだ
けでなく、共重合体中のスチレン含量が十分でない等の
問題があった。さらにこれらの方法は重合条件を変えス
チレン含量の高い共重合体を得た場合ほど著しい重合活
性の低下を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題は特開
平8−269134号等にも示されているように、特定
の構造をもつ触媒においては、スチレンの単独重合活性
を示さず、オレフィンが共存する場合にのみ、ポリマー
中にスチレンを取り込んでいくというような特異な重合
能を示すために生じるということが知られている。この
ような場合、共重合体中にはスチレン連鎖はほとんど存
在せずほとんどが交互共重合体であり、また存在したと
してもテイル−テイル結合の連鎖がわずかに存在するの
みである。そのため共重合体中のスチレン含量は最大で
も50モル%までしか達成できなかった。
【0006】また、スチレン/エチレン共重合体はポリ
(フェニルブタジエン)の水添反応によって得られるこ
とも知られているが、実用的にはスチレンとエチレンを
直接共重合するような触媒の開発が望まれる。
【0007】このため特に50℃以上の温度域でのガラ
ス転移温度が求められるトナーバインダー用途や、ポリ
スチレン/ポリオレフィンブレンドにおける相溶化剤
等、スチレンとオレフィンそれぞれがもつ特徴を広範囲
にわたってコントロールすることが不可能であり、また
耐熱性や機械的強度の点で十分でないという問題があっ
た。
【0008】そこで本発明の目的は芳香族ビニル化合物
含量の高い芳香族ビニル化合物/オレフィンランダム共
重合体を収率よく製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のような従来の技術
は、いずれも触媒として有機遷移金属化合物とアルミノ
キサンを用いた方法によるものであり、有機遷移金属化
合物とルイス酸性化合物、有機アルミニウム化合物を用
いた場合の検討結果については示されていなかった。
【0010】そこで本発明者らは前記問題点を解決する
ため鋭意検討した結果、特定の触媒成分の組み合わせに
おいてのみ芳香族ビニル化合物の重合活性が著しく増大
し、芳香族ビニル化合物とオレフィンの共重合時に芳香
族ビニル化合物含量の高い共重合体を極めて大きな重合
活性で得られることを見出し、本発明を完成した。
【0011】更に詳しくは、助触媒として従来から使用
されているアルミノキサンを使用せず、特定の有機遷移
金属化合物、ルイス酸性化合物と有機アルミニウム化合
物の組み合わせからなる触媒成分を用いることによって
本発明の効果が得られる。
【0012】すなわち本発明は、一般式[1]で表され
る有機遷移金属化合物、周期律表第13族の元素を含む
ルイス酸性化合物および有機アルミニウム化合物からな
る触媒の存在下に、芳香族ビニル化合物とオレフィンを
芳香族ビニル化合物の含有量が48.0〜99.9モル
%となるように共重合させることを特徴とする芳香族ビ
ニル化合物/オレフィンランダム共重合体の製造方法で
ある。
【0013】
【化2】 R1 2 GA1 2 MX1 2 [1] (式中、A1 及びA2 は非置換または置換シクロペンタ
ジエニル基、インデニル基またはフルオレニル基であ
り、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
アルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキ
ル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、または
酸素、窒素、硫黄および珪素から選ばれたヘテロ原子を
含む炭素数1〜20の炭化水素基であり、GはA1 及び
2 を連結する炭素数2〜10の炭化水素基、または珪
素、ゲルマニウムもしくは錫を含む炭素数1〜10の炭
化水素基、または炭素、ケイ素、ゲルマニウムもしくは
錫原子であり、またR1 及びR 2 は互いに連結していて
1 、R2 及びGの間で環構造を形成していてもよい。
1 及びX2 はハロゲン原子、水素原子、珪素含有アル
キル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基ま
たは炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、Mは
チタン、ジルコニウム又はハフニウムである。)
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における一般式[1]にお
いて、A1 及びA2 は非置換又は置換シクロペンタジエ
ニル基、インデニル基又はフルオレニル基である。具体
的にはシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジ
エニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、テトラメ
チルシクロペンタジエニル基、インデニル基、3−メチ
ルインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレ
ニル基、メチルフルオレニル基、2,7−ジ−tert
−ブチルフルオレニル基、等をあげることができる。
【0015】一般式[1]において、R1 及びR2 は水
素原子、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭
素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜
20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のハロゲン
化アリール基又は酸素、窒素、硫黄および珪素から選ば
れたヘテロ原子を含む炭素数1〜20の炭化水素基であ
る。R1 及びR2 の具体例としては、水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、トルイル基、トリメチルフェニル基、
ベンジル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、
ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェ
ニル基、メトキシベンジル基等を挙げることができる。
【0016】GはA1 、A2 を連結する炭素数2〜10
の炭化水素基、または珪素、ゲルマニウムもしくは錫を
含む炭素数1〜10の炭化水素基、または炭素、珪素、
ゲルマニウムもしくは錫原子であり、好ましくは炭素数
2〜10の炭化水素基、炭素原子、珪素原子である。
【0017】また、R1 、R2 は互いに連結していてR
1 、R2 及びGの間で環構造を形成していてもよく、そ
のような場合に、R1 、R2 及びGがなす基としてはシ
クロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、テトラヒ
ドロピラン−4−インデン基等を挙げることができる。
【0018】X1 、X2 はハロゲン原子、水素原子、メ
チル基、エチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、珪
素含有アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素
数7〜20のアルキルアリール基、炭素数7〜20のア
リールアルキル基を示す。X 1 、X2 の好ましい具体例
としては、塩素原子、メチル基、フェニル基、トリメチ
ルシリルメチル基等を挙げることができる。
【0019】本発明における一般式[1]で表される有
機遷移金属化合物は架橋型配位子を有している。そのよ
うな有機遷移金属化合物の具体例として、エチレンビス
(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン
ビス(テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムジ
クロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピ
リデン(シクロペンタジエニル)(2,7−tert−
ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチル
フェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド、シクロペンチリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シク
ロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−t
ert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド
等を挙げることができる。
【0020】本発明において有機遷移金属化合物と組み
合わせて用いられるルイス酸性化合物としては、例えば
トリフェニルボロン、トリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロン、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレイト、トリフェニルアルミニウム、トリス
(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、トリチルテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム等の
周期律表第13族の元素を含む化合物が好適に用いられ
る。
【0021】本発明における前記有機遷移金属化合物に
対するルイス酸性化合物の使用割合としては0.01〜
1000モル倍であり、好ましくは、0.1〜100モ
ル倍である。
【0022】またルイス酸性化合物と共に有機遷移金属
化合物と組み合わせて用いられる有機アルミニウム化合
物としては、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド等の化合物単独また
はこれらの混合物が使用できる。その中でも、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウムが好適に用いられる。
【0023】前記ルイス酸性化合物に対する有機アルミ
ニウム化合物の使用割合としては0.01〜1000モ
ル倍であり、好ましくは、0.1〜100モル倍であ
る。
【0024】本発明の方法で行われる重合方法および重
合条件については特に制限はなく、通常オレフィンの重
合で行われる公知の方法が用いられ、不活性炭化水素媒
体を用いる溶媒重合法、または実質的に不活性炭化水素
媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき、
重合温度としては−100〜200℃、好ましくは−5
0〜100℃、重合圧力としては常圧〜10MPa、好
ましくは常圧〜5MPaで行うのが一般的である。本発
明において重合に際し使用される炭化水素媒体としては
例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロヘキサン
等の飽和炭化水素の他に、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、などの芳香族炭化水素も使用することができる。
【0025】本発明においてモノマーとして使用される
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−
メチルスチレン、o,m,p−メチルスチレン、o,p
−ジメチルスチレン、エチルスチレン類、イソプロピル
スチレン類、ブチルスチレン類のビニル置換又は核置換
のアルキルスチレン類、α,o,m,p−ブロモスチレ
ン、クロロスチレン類等のビニル置換又は核置換のハロ
ゲン化スチレン類、ハロゲン化アルキルスチレン類等の
一種以上が用いられる。これらの中では、特にスチレン
及びパラメチルスチレン、α−メチルスチレンが好まし
い。
【0026】また、コモノマーとして用いるオレフィン
としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜25のオ
レフィンを挙げることができ、特にエチレンが好まし
い。
【0027】本発明においては、芳香族ビニル化合物と
オレフィンを芳香族ビニル化合物の含有量が48.0〜
99.9モル%となるように共重合させる。共重合に際
しての芳香族ビニル化合物とオレフィンの量比として
は、使用する触媒によって、同じ組成であっても得られ
るポリマー中の組成が異なるので明確には示せないが、
液相で重合する場合の両成分の量比としては液中の芳香
族ビニル化合物とオレフィンの比率として、50〜9
9.9/50〜0.1(mol/mol )とするのが一般的で
あり、好ましくは60〜99.9/40〜0.1(mol/
mol )であり、予め液中の両成分の量比とポリマー中の
組成の関係を定めて目標組成のものを得るようにするの
が好ましい。
【0028】さらに、ポリマーの改質を目的とするジエ
ンとの共重合に際しても本発明の方法で用いる触媒を同
様に適用することができる。その際使用されるジエン化
合物としては、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−
1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン等を挙げることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例1〜4、比較例1〜7により本
発明を具体的に説明するが本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。 ポリマー中のスチレン含有量は13C−NMRスペク
トルの測定により、クロロホルム−d溶液中、25℃で
行った。スペクトルの帰属はMakromol.Che
m.,Macromol.Symp.66,203−2
14、特開平3−250007、特開平4−13011
4等を参考にして行った。 ポリマーのガラス転移点(Tg)の測定はDSCを
用い、窒素雰囲気下10℃/分の昇温速度で求めた。 ポリマーの分子量の測定はGPC法により25℃に
おいて、クロロホルムを測定溶媒とし、UV/RIデュ
アルディテクターにより検出して行った。
【0030】実施例1 充分窒素置換した100mlのオートクレーブにスチレ
ン40mlを挿入し温度を40℃とした後、エチレンを
重合時の8割の圧力で仕込みスチレンに溶解させた。続
いてJ.Amer.Chem.Soc.,1988,110,6255に記載されている
方法に従って合成したジフェニルメチレン(シクロペン
タジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド2.3μmol、トリエチルアルミニウム23μm
ol、およびJ.Amer.Chem.Soc.,1991,113,8570に従って
合成したトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレイト2.3μmolをトルエン16mlに溶解
して得られた触媒溶液を、エチレン圧により上記オート
クレーブ中に除々に圧入した。エチレン圧を1気圧に保
ちながら撹拌を続け、1時間重合を行った後、大量のメ
タノール/塩酸中に投入することによってポリマーを析
出させた。得られたポリマーを洗浄、乾燥することによ
って16.52gの粉状ポリマーを得た。
【0031】このポリマーのDSC測定の結果Tg=5
9.6℃であった。13C−NMRの測定によりこのポリ
マーを解析した結果、42〜44ppmにピークが観察
されたことから、このポリマー中にはスチレン−スチレ
ン連鎖が存在し、スチレン含量が92モル%のスチレン
−エチレンランダムコポリマーであることがわかった。
このポリマーの13C−NMRスペクトルを図1に示す。
GPC測定の結果、分子量はMw=3.3×104 であ
った。また、UVとRIのピーク形状が同じことから、
スチレンとエチレンの共重合体であることが確認できた
(図2)。
【0032】その結果を以下の実施例、比較例と共に表
1にまとめる。
【0033】実施例2 トリエチルアルミニウム92μmol、エチレン圧を3
気圧に保って重合を行ったこと以外、実施例1と同様の
重合方法により19.00gの粉状ポリマーを得た。こ
のポリマーを実施例1と同様にして分析した結果、Tg
=78.9℃であり、スチレン含量は98.0モル%で
あった。GPC測定の結果、分子量はMw=3.1×1
4 であった。また、UVとRIのピーク形状が同じこ
とから、スチレンとエチレンの共重合体であることが確
認できた。
【0034】実施例3 仕込みスチレン20ml、トルエン26ml、トリエチ
ルアルミニウム184μmolにし、エチレン圧を8気
圧に保って重合を行ったこと以外、実施例1と同様の方
法により重合を行い、3.39gの粉状ポリマーを得
た。このポリマーを実施例1と同様にして分析した結
果、Tg=22.8℃であり、スチレン含量は53モル
%であった。またGPC測定の結果、分子量はMw=
5.5×104であった。
【0035】実施例4 コモノマーとしてプロピレンを用い、トリエチルアルミ
ニウム92μmol、プロピレン圧を3気圧に保って重
合を行ったこと以外、実施例1と同様の重合方法により
5.79gの粉状ポリマーを得た。このポリマーを実施
例1と同様にして分析した結果、Tg=64.7℃であ
り、スチレン−スチレン連鎖が存在するスチレン含量が
98モル%のスチレン−プロピレンランダムコポリマー
であることがわかった。GPC測定の結果、分子量はM
w=4.5×104 であった。また、UVとRIのピー
ク形状が同じことから、スチレンとプロピレンの共重合
体であることが確認できた。
【0036】比較例1 充分窒素置換した100mlのオートクレーブにスチレ
ン40ml、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド23
μmol、メチルアルミノキサンをAl原子基準で2
7.4mmol順次挿入し温度を40℃とした後、エチ
レンのフィードを開始し、エチレン圧を0.1気圧に保
ちながら撹拌を続け、1時間重合を行った。大量のメタ
ノール/塩酸中に投入することによってポリマーを析出
させた。得られたポリマーを洗浄、乾燥することによっ
て4.47gの粉状ポリマーを得た。
【0037】このポリマーのDSC測定の結果Tg=1
8.6℃であった。13C−NMRの測定によりこのポリ
マーを解析した結果、42〜44ppmにピークが観察
されなかったことから、このポリマー中にはスチレン−
スチレン連鎖が存在しない、スチレン含量が38モル%
のスチレン−エチレンランダムコポリマーであることが
わかった。このポリマーの13C−NMRスペクトルを図
3に示す。GPC測定の結果、分子量はMw=7.6×
104 であった。また、UVとRIのピーク形状が同じ
ことから、スチレンとエチレンの共重合体であることが
確認できた。
【0038】以上のように、実施例1より仕込みスチレ
ン/エチレン比が大きいにもかかわらず、実施例1の時
よりスチレン含量の低い共重合体が得られた。
【0039】比較例2 エチレン圧を5気圧に保って重合を行ったこと以外、比
較例1と同様の方法により重合を行い、5.34gの粉
状ポリマーを得た。このポリマーを実施例1と同様にし
て分析した結果、UVとRIのピーク形状が同じGPC
スペクトルとなり、分子量はMw=25.8×104
あった。スチレン含量は28モル%と低く、そのためT
g=−19.3℃とゴム状の共重合体が得られた。
【0040】比較例3 触媒にイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9
−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド28μmol
を用いて重合を行ったこと以外、比較例1と同様の方法
により重合を行い、6.84gの粉状ポリマーを得た。
このポリマーを実施例1と同様にして分析した結果、ス
チレン含量は42モル%、Tg=21.4℃となった。
またGPC測定の結果、分子量はMw=6.9×104
であった。
【0041】このようにスチレン含量が50モル%以下
の範囲ではTgの高いものは得られない。
【0042】比較例4 触媒にイソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド23μmolを用いて重合を行
ったこと以外、比較例1と同様の方法により重合を行
い、8.32gの粉状ポリマーを得た。このポリマーを
実施例1と同様にして分析した結果、Tg=−29.4
℃であり、スチレン含量は26モル%であった。GPC
測定の結果、分子量はMw=1.1×104 であった。
【0043】この触媒ではスチレン含量が低いだけであ
るばかりでなく、分子量もかなり低くなった。
【0044】比較例5 触媒に(ターシャリーブチルアミド)ジメチル(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジク
ロリド23μmolを用いて重合を行ったこと以外、比
較例1と同様の方法により重合を行い、2.89gの粉
状ポリマーを得た。このポリマーを実施例1と同様にし
て分析した結果、Tg=−37.3℃であり、スチレン
含量は19モル%であった。またGPC測定の結果、分
子量はMw=6.6×104 であった。
【0045】この触媒においてもスチレン含量は低いも
のとなった。
【0046】比較例6 トリエチルアルミニウムを用いず、スチレン10ml、
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.023μmo
l、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レイト0.023μmolを溶媒トルエン5ml、エチ
レン圧5気圧とし、実施例1と同様の方法により重合を
行い、1.61gの粉状ポリマーを得た。このポリマー
を実施例1と同様にして分析した結果、Tg=87.5
℃であり、スチレン含量は100モル%であった。また
GPC測定の結果、分子量はMw=3.3×104 であ
った。このようにトリエチルアルミニウムを用いない場
合ではスチレンのホモポリマーとなることがわかった。
【0047】比較例7 充分窒素置換した100mlのオートクレーブにスチレ
ン3ml、トルエン13ml、ジフェニルメチレン(シ
クロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド23μmol、メチルアルミノキサンをA
l原子基準で12mmol、プロピレン2.5L(標準
状態)を順次挿入し、仕込み温度を40℃とした後撹拌
を続け1時間重合を行った。大量のメタノール/塩酸中
に投入することによってポリマーを析出させた。得られ
たポリマーを洗浄、乾燥することによって1.48gの
粉状ポリマーを得た。このポリマーを実施例1と同様に
して分析した結果、Tg=−3.0℃であり、スチレン
含量は5モル%であった。またGPC測定の結果、分子
量はMw=3.9×104 であった。
【0048】以上の方法ではTgが低いばかりでなく、
重合活性も低くなった。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法により、従来の方法に
比べて芳香族ビニル化合物含量の高い芳香族ビニル化合
物/オレフィンランダム共重合体が高い重合活性で得ら
れ、助触媒であるルイス酸性化合物や有機アルミニウム
化合物が従来のアルミノキサンに比べて極めて少量でよ
いため製品中の残存灰分がほとんど残らず、工業的に極
めて利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施例1で得られたスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図2】本願実施例1で得られたスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体のGPCを示す。
【図3】本願比較例1で得られたスチレン−エチレンラ
ンダム共重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1]で表される有機遷移金属化合
    物、周期律表第13族の元素を含むルイス酸性化合物お
    よび有機アルミニウム化合物からなる触媒の存在下に、
    芳香族ビニル化合物とオレフィンを芳香族ビニル化合物
    の含有量が48.0〜99.9モル%となるように共重
    合させることを特徴とする芳香族ビニル化合物/オレフ
    ィンランダム共重合体の製造方法。 【化1】 R1 2 GA1 2 MX1 2 [1] (式中、A1 及びA2 は非置換または置換シクロペンタ
    ジエニル基、インデニル基またはフルオレニル基であ
    り、R1 及びR2 は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20の
    アルキルアリール基、炭素数7〜20のアリールアルキ
    ル基、炭素数6〜20のハロゲン化アリール基、または
    酸素、窒素、硫黄および珪素から選ばれたヘテロ原子を
    含む炭素数1〜20の炭化水素基であり、GはA1 及び
    2 を連結する炭素数2〜10の炭化水素基、または珪
    素、ゲルマニウムもしくは錫を含む炭素数1〜10の炭
    化水素基、または炭素、ケイ素、ゲルマニウムもしくは
    錫原子であり、またR1 及びR 2 は互いに連結していて
    1 、R2 及びGの間で環構造を形成していてもよい。
    1 及びX2 はハロゲン原子、水素原子、珪素含有アル
    キル基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基、炭素数7〜20のアルキルアリール基ま
    たは炭素数7〜20のアリールアルキル基であり、Mは
    チタン、ジルコニウム又はハフニウムである。)
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