JPH11198278A - 熱圧接着型マーキングフィルム - Google Patents

熱圧接着型マーキングフィルム

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JPH11198278A
JPH11198278A JP175698A JP175698A JPH11198278A JP H11198278 A JPH11198278 A JP H11198278A JP 175698 A JP175698 A JP 175698A JP 175698 A JP175698 A JP 175698A JP H11198278 A JPH11198278 A JP H11198278A
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JP
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hot
melt adhesive
marking
adhesive layer
press
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JP175698A
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English (en)
Inventor
Masakazu Ishibashi
正和 石橋
Yoshiko Takahashi
佳子 高橋
Reikichi Nakano
礼吉 中野
Toru Hayashi
亨 林
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水処理又は防水処理が施されている被着体
のマーキング時における熱収縮を防止するとともに、被
着体にマークを強固に接着し、かつマーキング作業性を
改善する。 【解決手段】 剥離可能な支持体1に意匠層4を積層
し、意匠層4に低温溶融タイプのホットメルト接着剤層
5を積層して熱圧接着型マーキングフィルムAを構成す
る。ホットメルト接着剤層5として、スチレン−マレイ
ン酸樹脂、シクロヘキサノン−ホルマリン樹脂及び水酸
基含有脂環式飽和炭化水素樹脂のうち少なくとも1種類
の樹脂がマトリックス100重量部に対し3〜25重量
部添加されたホットメルト接着剤を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、撥水処理又は防
水処理が施された被着体をマーキング対象とする熱圧接
着型マーキングフィルムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】熱圧接着型マーキングフィルムの一例と
して、例えば特開昭61−14942号公報に開示され
ているように、不織布、織布、編布及び起毛布等の基布
の片面にホットメルト接着剤層を形成した布タイプのも
のがある。このような熱圧接着型マーキングフィルムを
用いて衣類等の被着体にワッペン等のマークをマーキン
グする際、上記熱圧接着型マーキングフィルムをマーキ
ングしようとする文字や図形等のマークの形状に合わせ
て熱ペン(ヒートカッター)で1つずつ切り抜き、この
切り抜いた各マークを1つずつ被着体のマーキングしよ
うとする箇所に並べて加熱加圧することにより、上記ホ
ットメルト接着剤層を溶融させて各マークを被着体に一
体に接着するようになされている。
【0003】また、別のタイプの熱圧接着型マーキング
フィルムとして、剥離可能な基材に意匠層を積層し、こ
の意匠層にホットメルト接着剤層を積層して構成したも
のもあり、このタイプの熱圧接着型マーキングフィルム
では、上記のタイプのものとは異なり、熱圧接着型マー
キングフィルムをマーク形状に切り抜くのではなく、カ
ッティングはホットメルト接着剤層と意匠層とだけであ
り、基材はカッティングしない。そして、熱圧接着型マ
ーキングフィルムをカッティングした後に不要部分を除
去するカス取りを行って基材上にマークを形成し、この
マークを被着体にセットして加熱加圧することにより、
マーク部分のホットメルト接着剤層を溶融させてマーク
を被着体に一体に接着した後、上記基材を剥離するよう
にしている。
【0004】このように、タイプの違いによりマーキン
グの手法は若干異なるが、いずれにせよ、ホットメルト
接着剤層を溶融させてマークを被着体に一体に接着する
ことには変わりはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、レインコー
トやグランドコート等のようにシリコーンやフッ素等で
撥水処理又は防水処理が施されている布地を被着体とし
てこれにマーキングする場合、シリコーン等が邪魔をし
て被着体に対するマークの接着性が低下するという問題
がある。
【0006】また、一般に、熱圧接着型マーキングフィ
ルムのホットメルト接着剤層には、接着強度、伸び及び
接着温度等の条件により、ポリウレタン系のホットメル
ト接着剤が用いられている。この場合、マーキング時の
プレス加工温度が150〜170℃と高く、被着体がポ
リエステル製やナイロン製等である場合には被着体が収
縮するという問題もある。
【0007】そこで、例えば125℃付近で溶融接着す
る低温溶融タイプのホットメルト接着剤を用いて上記被
着体の熱収縮を防止することが考えられるが、この低温
溶融タイプのホットメルト接着剤は一般に溶剤に対する
溶解性が高く、ドライクリーニングを行うと使用される
溶剤(石油ターペン)によりホットメルト接着剤層が溶
解してマークが剥がれ、接着力を十分に得ることができ
ないという問題がある。
【0008】さらに、上述の如き低温溶融タイプのホッ
トメルト接着剤では、ベタツキ(ブロッキング)が生じ
易く、カッティングし辛くなるとともに、カッティング
後に切り口が再接着してカス取り作業がし辛くなるとい
う問題もある。
【0009】これらの問題は、何もレインコートやグラ
ンドコート等の衣類に限らず、鞄や袋物等の撥水処理又
は防水処理が施されている布地や合成皮革等をマーキン
グ対象とする場合にも起こり得る。
【0010】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、撥水処理又は防水処
理が施されている被着体のマーキング時における熱収縮
を防止するとともに、被着体にマークを強固に接着し、
さらにはマーキング作業性を改善しようとすることにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、低温溶融タイプのホットメルト接着剤
に各種の添加剤を添加したことを特徴とする。
【0012】具体的には、この発明は、撥水処理又は防
水処理が施された被着体に加熱加圧によりマーキングす
る熱圧接着型マーキングフィルムを対象とし、この熱圧
接着型マーキングフィルムは、剥離可能な支持体と、こ
の支持体に積層された意匠層と、この意匠層に積層され
140℃以下で溶融接着する低温溶融タイプのホットメ
ルト接着剤からなるホットメルト接着剤層とを備えたも
のであり、次のような解決手段を講じた。
【0013】すなわち、請求項1に記載の発明は、上記
ホットメルト接着剤層を、スチレン−マレイン酸樹脂、
シクロヘキサノン−ホルマリン樹脂及び水酸基含有脂環
式飽和炭化水素樹脂のうち少なくとも1種類の樹脂がマ
トリックス100重量部に対し3〜25重量部添加され
たホットメルト接着剤で構成したことを特徴とする。
【0014】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、ドライクリーニング時、ホットメルト接着剤に添
加されているスチレン−マレイン酸樹脂等の樹脂がドラ
イクリーニングに使用される溶剤(石油ターペン)を吸
収して膨潤することから、この溶剤(石油ターペン)は
ホットメルト接着剤のマトリックスに浸透するのが阻止
され、よってホットメルト接着剤層が溶解せずマークの
剥がれが防止され、接着力が十分に得られる。
【0015】請求項2に記載の発明は、上記ホットメル
ト接着剤層を、平均粒径1.0〜15.0μmのシリカ
微粉末がマトリックス100重量部に対し0.5〜1
0.0重量部添加されたホットメルト接着剤で構成した
ことを特徴とする。
【0016】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、シリカ微粉末の添加によりホットメルト接着剤の
粘度が上がるとともに、カッティングされた切り口にシ
リカ微粉末が露出し、ベタツキ(ブロッキング)が改善
されて上記切り口が再接着せず、カッティング作業及び
カス取り作業が楽に行われる。
【0017】請求項3に記載の発明は、上記ホットメル
ト接着剤層をマーキング時における動的剪断弾性率が
1.5×102 〜3.5×102 Pa、常態時における
動的剪断弾性率が少なくとも1.0×104 Paである
ホットメルト接着剤で構成したことを特徴とする。
【0018】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、ベタツキ(ブロッキング)が改善されて切り口が
再接着せず、カッティング作業及びカス取り作業が楽に
行われる。また、被着体が布地である場合、溶融したホ
ットメルト接着剤が布地の織り目に十分に浸入して接着
力が確保される。
【0019】請求項4に記載の発明は、上記ホットメル
ト接着剤層を、ガラス転移温度が−30〜0℃であるホ
ットメルト接着剤で構成したことを特徴とする。
【0020】上記の構成により、請求項4に記載の発明
では、冬期等の低温時での接着力が向上するとともに、
ベタツキ(ブロッキング)が改善されて切り口が再接着
せず、カッティング作業及びカス取り作業が楽に行われ
る。
【0021】請求項5に記載の発明は、上記ホットメル
ト接着剤層を、マーキング時における動的粘性率が1.
0×10〜1.0×103 Pa・Sであるホットメルト
接着剤で構成したことを特徴とする。
【0022】上記の構成により、請求項5に記載の発明
では、被着体が布地である場合、溶融したホットメルト
接着剤が布地の織り目に十分に浸入し、マークが被着体
に強固に接着される。また、ホットメルト接着剤のベタ
ツキ(ブロッキング)が改善されて切り口が再接着せ
ず、カッティング作業及びカス取り作業が楽に行われ
る。
【0023】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
いずれか1項に記載の発明において、ホットメルト接着
剤層の厚みを30〜100μmにしたことを特徴とす
る。
【0024】上記の構成により、請求項6に記載の発明
では、被着体が布地である場合、溶融したホットメルト
接着剤が布地の織り目に十分に浸入して接着強度が一段
と高まる、また、溶融したホットメルト接着剤がマーク
からはみ出さず、したがって、はみ出したホットメルト
接着剤が被着体や支持体に付着するということがない。
つまり、はみ出したホットメルト接着剤が被着体に付着
するとマーク周辺が汚れて美観が損われるが、そのよう
なことがない。また、はみ出したホットメルト接着剤が
支持体に付着するとマーキング後に支持体を剥離する
際、折角、マーキングしたマークが端部から剥離する
が、そのようなことがない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0026】図1はこの発明の実施の形態1〜5に係る
熱圧接着型マーキングフィルムAの積層構造を示す。こ
の熱圧接着型マーキングフィルムAは、剥離可能な支持
体1を備えてなり、この基材1には、マークの色彩とな
る表皮層2と、隠蔽層となるベース層3とが順に積層さ
れ、この2層の表皮層2とベース層3とにより意匠層4
を構成している。また、上記意匠層4のベース層3には
ホットメルト接着剤層5が積層され、さらに、このホッ
トメルト接着剤5にはブロッキング防止層6が積層され
ている。
【0027】上記支持体1は、ポリエチレンテレフタレ
ート等のフィルムや離型紙等で構成されている。
【0028】上記意匠層4(表皮層2及びベース層3)
は、例えばポリウレタン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、
ポリエステル及びアクリル樹脂等の熱可塑性プラスチッ
クフィルムや、ニトロセルロース等の繊維質フィルム、
さらには紙等で構成されている。
【0029】上記ホットメルト接着剤層5は、140℃
以下で溶融接着する低温溶融タイプのホットメルト接着
剤で構成されている。この低温溶融タイプのホットメル
ト接着剤としては、例えば、バイロンUR8700(飽
和共重合ポリエステルウレタン系樹脂:東洋紡績(株)
製、バイロン55SS(ポリエステル系樹脂:東洋紡績
(株)製)、バイロン55AS(ポリエステル系樹脂:
東洋紡績(株)製)、パイロン20SS(ポリエステル
系樹脂:東洋紡績(株)製)、SKダイン5340(ポ
リエステル系樹脂:総研化学(株)製)等であり、これ
らは110〜130℃で溶融接着する。このように低温
溶融タイプのホットメルト接着剤を採用したのは、これ
以上の高温で被着体に加熱加圧によりマーキングする
と、ポリエチレンテレフタレートやナイロン等からなる
撥水処理又は防水処理が施された被着体が収縮するから
である。
【0030】上記ブロッキング防止層6は、ポリプロピ
レン及びポリエチレンテレフタレート等のフィルムや離
型紙等で構成されている。
【0031】この発明は上記ホットメルト接着剤層5に
特徴を有するものであり、実施の形態1〜5で用いたホ
ットメルト接着剤層5の構成を下記する。
【0032】(実施の形態1)ホットメルト接着剤層5
は、スチレン−マレイン酸樹脂、シクロヘキサノン−ホ
ルマリン樹脂及び水酸基含有脂環式飽和炭化水素樹脂の
うち少なくとも1種類の樹脂がマトリックス100重量
部に対し3〜25重量部添加されたホットメルト接着剤
で構成されている。
【0033】このように、ホットメルト接着剤層5を構
成するホットメルト接着剤として、スチレン−マレイン
酸樹脂、シクロヘキサノン−ホルマリン樹脂及び水酸基
含有脂環式飽和炭化水素樹脂のうち少なくとも1種類の
樹脂を添加したのは、低温溶融タイプであるがために不
足気味な接着力を補うためである。つまり、これら添加
剤としての樹脂は、ドライクリーニング時に使用される
溶剤(石油ターペン)に膨潤し、この溶剤(石油ターペ
ン)がホットメルト接着剤のマトリックスに浸透するの
を阻止して接着力の低下を防止するのである。
【0034】また、これら添加剤としての樹脂の添加量
をマトリックス100重量部に対し3〜25重量部に設
定したのは、25重量部を超えるとホットメルト接着剤
層5の接着力が低下する一方、3重量部未満では添加剤
としての効き目がなく、ドライクリーニングによりホッ
トメルト接着剤層が溶解して接着力を十分に得ることが
できず、マークが剥がれる事態が発生するからである。
【0035】(実施の形態2)ホットメルト接着剤層5
は、平均粒径1.0〜15.0μmのシリカ微粉末がマ
トリックス100重量部に対し0.5〜10.0重量部
添加されたホットメルト接着剤で構成されている。
【0036】このように、シリカ微粉末の添加量をマト
リックス100重量部に対し0.5〜10.0重量部に
設定したのは、10.0重量部を超えるとホットメルト
接着剤層5の接着力が低下する一方、0.5重量部未満
では添加剤としての効き目がなく、ベタツキ(ブロッキ
ング)が生じてカッティング後に切り口が再接着し、カ
ッティング作業及びカス取り作業がし辛くなるからであ
る。
【0037】また、シリカ微粉末の大きさを平均粒径
1.0〜15.0μmに設定したのは、15.0μmを
超えるとマーク表面に悪影響を及ぼしてザラツキが発生
する一方、1.0μm未満では均一に分散させ難くなる
からである。
【0038】(実施の形態3)ホットメルト接着剤層5
は、マーキング時における動的剪断弾性率G´が1.5
×102 〜3.5×102 Pa、常態時における動的剪
断弾性率G´が少なくとも1.0×104 Paであるホ
ットメルト接着剤で構成されている。
【0039】このように、マーキング時における動的剪
断弾性率G´を1.5×102 〜3.5×102 Paに
設定したのは、被着体が布地である場合、溶融したホッ
トメルト接着剤の布地への浸入を十分に行って接着力を
確保するためである。また、常態時における動的剪断弾
性率G´を少なくとも1.0×104 Paに設定したの
は、ベタツキ(ブロッキング)をなくしてカッティング
作業及びカス取り作業を良くするためである。因みに、
ホットメルト接着剤層5の125℃における動的剪断弾
性率G´と接着力との関係を図8に示す。図8中、太線
で囲んだ領域が1.5×102 〜3.5×102 Paの
範囲であり、上記のことを伺い知ることができる。
【0040】(実施の形態4)ホットメルト接着剤層5
は、ガラス転移温度Tgが−30〜0℃であるホットメ
ルト接着剤で構成されている。
【0041】このように、ガラス転移温度Tgを−30
〜0℃に設定したのは、0℃を超えると冬期等の低温時
での接着力の向上が期待できなくなる一方、−30℃未
満ではベタツキ(ブロッキング)が生じてカッティング
作業がし辛くなるとともに、カッティング後に切り口が
再接着してカス取り作業がし辛くなるからである。この
ことは、ホットメルト接着剤層5のガラス転移温度Tg
と接着力との関係を示す図9のデータ(太線で囲んだ領
域)から伺い知ることができる。
【0042】(実施の形態5)ホットメルト接着剤層5
は、マーキング時における動的粘性率が1.0×10〜
1.0×103 Pa・Sであるホットメルト接着剤から
なるホットメルト接着剤層で構成されており、具体的に
は、125℃における動的粘性率ηが荷重圧力3.0×
104 Paで少なくとも5.0×102 Pa・S、荷重
圧力1.0×105 Paで2.5〜6.0×102 Pa
・Sであるホットメルト接着剤で構成されている。
【0043】このように、マーキング時(125℃)に
おける動的粘性率ηを上記の範囲に設定したのは、被着
体が布地である場合、溶融したホットメルト接着剤を布
地の織り目に浸入し易くして高接着力を得るためであ
る。また、ホットメルト接着剤のベタツキ(ブロッキン
グ)をも改善して切り口の再接着を防止し、カッティン
グ作業及びカス取り作業を楽に行うようにするためであ
る。
【0044】さらに、実施の形態1〜5に係る熱圧接着
型マーキングフィルムAでは、ホットメルト接着剤層5
の厚みが30〜100μmになされている。好ましくは
30〜70μmである。このようにホットメルト接着剤
層5の厚みを30〜100μmにしたのは、30μm未
満では被着体が布地である場合、溶融したホットメルト
接着剤が布地の織り目に吸い取られてしまって接着強度
が不足する一方、100μmを超えると溶融したホット
メルト接着剤がマークからはみ出し、被着体に付着した
場合にはマーク周辺が汚れて美観を損うことになり、支
持体に付着した場合にはマーキング後に支持体を剥離す
る際、折角、マーキングしたマークが端部から剥離して
しまう事態を招くからである。このことは、ホットメル
ト接着剤層5の厚みと接着力との関係を示す図10のデ
ータから伺い知ることができる。
【0045】上述の如く構成された実施の形態1〜5に
係る熱圧接着型マーキングフィルムAは、撥水処理又は
防水処理が施された被着体に加熱加圧によりマーキング
する場合に用いられる。被着体の素材としては布地や合
成皮革であり、これらに撥水処理又は防水処理を施して
レインコートやグランドコート等の衣類、あるいは鞄や
袋物等を作るのである。
【0046】次に、上述の如く構成された熱圧接着型マ
ーキングフィルムAによるマーキングの要領を図1〜7
に基づいて説明する。
【0047】まず、図1に示すように、剥離可能な支持
体1(厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム:ユニチカ(株)製)の片面に表皮層2(厚み2
5μmの着色ウレタン層:ラックスキンU−2245
セイコー化成(株)製)を積層し、この表皮層2の上に
ベース層3(厚み10μmの白色ウレタン層:レザミン
ME−2825LP 大日精化(株)製)を積層して意
匠層4を形成する。さらに、この意匠層4のベース層3
の上にホットメルト接着剤層5(厚み70μm:商品名
は表1〜4に、材質及びメーカーは表1〜4の欄外にそ
れぞれ示す)を積層し、このホットメルト接着剤層5の
上にブロッキング防止層6(厚み45μmのポリプロピ
レンフィルム:グンゼ産業(株)製)を積層し、実施例
1〜18及び比較例1〜7の熱圧接着型マーキングフィ
ルムAを作った。
【0048】なお、実施例1〜8では、接着力とドライ
クリーニング性を評価するために、ホットメルト接着剤
層5にスチレン−マレイン酸樹脂、シクロヘキサノン−
ホルマリン樹脂及び水酸基含有環脂環式飽和炭化水素樹
脂のうち少なくとも1種類の樹脂がマトリックス100
重量部に対し3〜25重量部添加してあり、比較例1〜
6では、これら添加剤が添加されていなかったり、添加
されていても添加剤が上記の範囲外になっている(表
1,2参照)。添加剤の具体例は表1,2に示してい
る。
【0049】実施例9〜16では、接着力とブロッキン
グ性を評価するために、ホットメルト接着剤層5に平均
粒径1.0〜15.0μmのシリカ微粉末がマトリック
ス100重量部に対し0.5〜10.0重量部添加して
あり、比較例7では、添加剤が上記の範囲外になってい
る(表3参照)。添加剤の具体例は表3に示している。
【0050】実施例17,18は、動的粘性率η、動的
剪断弾性率G´、ガラス転移温度Tg及び接着力を評価
するためのものであり、表4にそのデータを示してい
る。
【0051】次いで、図2に示すように、ブロッキング
防止層6を剥離し、上記熱圧接着型マーキングフィルム
Aの支持体1を除く意匠層4及びホットメルト接着剤層
5をカッティングマシンを用いて所望のマーク(図では
「N」を例示する)の表裏反転形状にカッティングす
る。
【0052】その後、図3に示すように、上記カッティ
ングした熱圧接着型マーキングフィルムAから不要部分
つまり「N」の表裏反転文字を残してその周りを除去す
ることにより、所望のマーク(「N」)の表裏反転形状
をしたマーク(反転マーク)7を形成する。
【0053】しかる後、図4に示すように、マーキング
しようとする被着体としての撥水基布B(ゴアテック
ス:ジャパンゴアテックス(株)製)をプレス装置のプ
レス下板8上に置き、さらに、この上に上記熱圧接着型
マーキングフィルムAのマーク(反転マーク)7を上記
撥水基布B側に向けて上記熱圧接着型マーキングフィル
ムAを撥水基布Bのマーキングしようとする箇所にセッ
トする。そして、この状態で上方に配置した熱板からな
るプレス上板9を下降させてこのプレス上板9で上記熱
圧接着型マーキングフィルムAを撥水基布Bに押し付
け、プレス上板9で125℃×500g/cm2 ×20秒×
2回の条件で加熱加圧することにより、上記熱圧接着型
マーキングフィルムAのマーク(反転マーク)7を構成
するホットメルト接着剤層5を撥水基布Bに溶着する。
【0054】その後、上記熱圧接着型マーキングフィル
ムA及び撥水基布Bをプレス装置から取り出し、常温で
約4分間冷却した後、図5に示すように、上記支持体1
を剥離することにより、図6及び図7に示すように、所
望のマーク7(「N」)を撥水基布Bに一体に熱圧接着
しマーキングを終える。
【0055】実施例1〜18及び比較例1〜7における
評価の仕方は各表の欄外に示している。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】表1,2のデータから明らかなように、実
施例1〜8では、接着力及びドライクリーニング性共に
満足の行く結果を得ることができ、総合評価も良かった
が、比較例1〜6では、接着力及びドライクリーニング
性共に評価が悪く、総合評価も悪かった。
【0061】表3のデータから明らかなように、実施例
9〜16では、接着力及びブロッキング共に満足の行く
結果を得ることができ、総合評価も良かったが、比較例
7では、ブロッキング性は良いものの、接着力が弱く、
総合評価は悪かった。
【0062】表4のデータから明らかなように、実施例
17,18では、動的粘性率η、動的剪断弾性率G´、
ガラス転移温度Tg及び接着力の全ての項目で良い評価
が得られ、当然、総合評価も良かった。
【0063】また、ホットメルト接着剤層5の厚みが7
0μmである実施例1〜18及び比較例1〜7では共
に、ホットメルト接着剤のマークからのはみ出しは見ら
れなかった。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明では、スチレン−マレイン酸樹脂、シクロヘキサノン
−ホルマリン樹脂及び水酸基含有脂環式飽和炭化水素樹
脂のうち少なくとも1種類の樹脂がマトリックス100
重量部に対し3〜25重量部添加されたホットメルト接
着剤でホットメルト接着剤層を構成したので、ドライク
リーニング時に低温溶融タイプのホットメルト接着剤の
マトリックスに対して溶剤の浸透を阻止してマークの剥
がれを防止し、十分な接着力を得ることができる。
【0065】請求項2に係る発明では、平均粒径1.0
〜15.0μmのシリカ微粉末がマトリックス100重
量部に対し0.5〜10.0重量部添加されたホットメ
ルト接着剤でホットメルト接着剤層を構成したので、ベ
タツキ(ブロッキング)を改善してカッティング作業及
びカス取り作業を楽に行うことができる。
【0066】請求項3に係る発明では、マーキング時に
おける動的剪断弾性率が1.5×102 〜3.5×10
2 Pa、常態時における動的剪断弾性率が少なくとも
1.0×104 Paであるホットメルト接着剤でホット
メルト接着剤層を構成したので、ベタツキ(ブロッキン
グ)を改善してカッティング作業及びカス取り作業を楽
に行うことができるとともに、ホットメルト接着剤を被
着体である布地に十分に浸入させて接着力を確保するこ
とができる。
【0067】請求項4に係る発明では、ガラス転移温度
が−30〜0℃であるホットメルト接着剤でホットメル
ト接着剤層を構成したので、冬期等の低温時での接着力
を向上させることができるとともに、ベタツキ(ブロッ
キング)を改善してカッティング作業及びカス取り作業
を楽に行うことができる。
【0068】請求項5に係る発明では、マーキング時に
おける動的粘性率が1.0×10〜1.0×103 Pa
・Sであるホットメルト接着剤でホットメルト接着剤層
を構成したので、ベタツキ(ブロッキング)を改善して
カッティング作業及びカス取り作業を楽に行うことがで
きるとともに、ホットメルト接着剤を被着体である布地
に十分に浸入させて接着力を確保することができる。
【0069】請求項6に係る発明では、ホットメルト接
着剤層の厚みを30〜100μmにしたので、布地の被
着体の織り目に過不足なくホットメルト接着剤を浸入さ
せて接着強度を一層高めることができるとともに、溶融
したホットメルト接着剤のマークからのはみ出しを防止
して美観の向上及びマーク剥離の防止を達成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱圧接着型マーキングフィルムの積層構造を示
す斜視図である。
【図2】熱圧接着型マーキングフィルムのカッティング
工程図である。
【図3】熱圧接着型マーキングフィルムのマーク形成工
程図である。
【図4】マーク転写工程図である。
【図5】基材の剥離工程図である。
【図6】マーキングされた基布の断面図である。
【図7】マーキングされた基布の平面図である。
【図8】ホットメルト接着剤層の動的剪断弾性率と接着
力との関係を示すデータである。
【図9】ホットメルト接着剤層のガラス転移温度と接着
力との関係を示すデータである。
【図10】ホットメルト接着剤層の厚みと接着力との関
係を示すデータである。
【符号の説明】
1 支持体 4 意匠層 5 ホットメルト接着剤層 A 熱圧接着型マーキングフィルム B 基布(被着体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 亨 兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撥水処理又は防水処理が施された被着体
    に加熱加圧によりマーキングする熱圧接着型マーキング
    フィルムであって、 剥離可能な支持体と、この支持体に積層された意匠層
    と、この意匠層に積層され140℃以下で溶融接着する
    低温溶融タイプのホットメルト接着剤からなるホットメ
    ルト接着剤層とを備え、 上記ホットメルト接着剤層は、スチレン−マレイン酸樹
    脂、シクロヘキサノン−ホルマリン樹脂及び水酸基含有
    脂環式飽和炭化水素樹脂のうち少なくとも1種類の樹脂
    がマトリックス100重量部に対し3〜25重量部添加
    されたホットメルト接着剤からなることを特徴とする熱
    圧接着型マーキングフィルム。
  2. 【請求項2】 撥水処理又は防水処理が施された被着体
    に加熱加圧によりマーキングする熱圧接着型マーキング
    フィルムであって、 剥離可能な支持体と、この支持体に積層された意匠層
    と、この意匠層に積層され140℃以下で溶融接着する
    低温溶融タイプのホットメルト接着剤からなるホットメ
    ルト接着剤層とを備え、 上記ホットメルト接着剤層は、平均粒径1.0〜15.
    0μmのシリカ微粉末がマトリックス100重量部に対
    し0.5〜10.0重量部添加されたホットメルト接着
    剤からなることを特徴とする熱圧接着型マーキングフィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 撥水処理又は防水処理が施された被着体
    に加熱加圧によりマーキングする熱圧接着型マーキング
    フィルムであって、 剥離可能な支持体と、この支持体に積層された意匠層
    と、この意匠層に積層され140℃以下で溶融接着する
    低温溶融タイプのホットメルト接着剤からなるホットメ
    ルト接着剤層とを備え、 上記ホットメルト接着剤層は、マーキング時における動
    的剪断弾性率が1.5×102 〜3.5×102 Pa、
    常態時における動的剪断弾性率が少なくとも1.0×1
    4 Paであるホットメルト接着剤からなることを特徴
    とする熱圧接着型マーキングフィルム。
  4. 【請求項4】 撥水処理又は防水処理が施された被着体
    に加熱加圧によりマーキングする熱圧接着型マーキング
    フィルムであって、 剥離可能な支持体と、この支持体に積層された意匠層
    と、この意匠層に積層され140℃以下で溶融接着する
    低温溶融タイプのホットメルト接着剤からなるホットメ
    ルト接着剤層とを備え、 上記ホットメルト接着剤層は、ガラス転移温度が−30
    〜0℃であるホットメルト接着剤からなることを特徴と
    する熱圧接着型マーキングフィルム。
  5. 【請求項5】 撥水処理又は防水処理が施された被着体
    に加熱加圧によりマーキングする熱圧接着型マーキング
    フィルムであって、 剥離可能な支持体と、この支持体に積層された意匠層
    と、この意匠層に積層され140℃以下で溶融接着する
    低温溶融タイプのホットメルト接着剤からなるホットメ
    ルト接着剤層とを備え、 上記ホットメルト接着剤層は、マーキング時における動
    的粘性率が1.0×10〜1.0×103 Pa・Sであ
    るホットメルト接着剤からなることを特徴とする熱圧接
    着型マーキングフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱
    圧接着型マーキングフィルムにおいて、 ホットメルト接着剤層は、厚みが30〜100μmであ
    ることを特徴とする熱圧接着型マーキングフィルム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007261238A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Dainippon Printing Co Ltd 転写用接着剤及びこれを用いた転写箔
JP2008080654A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Dainippon Printing Co Ltd 化粧板の製造方法
JP2009029076A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Dainippon Printing Co Ltd 転写シート
JP2014228782A (ja) * 2013-05-24 2014-12-08 東洋インキScホールディングス株式会社 接着強度に優れたヒートシールラベル
JP2015037966A (ja) * 2013-04-01 2015-02-26 東洋インキScホールディングス株式会社 接着強度に優れた熱封緘蓋材

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