JPH11198135A - プリプレグの製造方法 - Google Patents
プリプレグの製造方法Info
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- JPH11198135A JPH11198135A JP599198A JP599198A JPH11198135A JP H11198135 A JPH11198135 A JP H11198135A JP 599198 A JP599198 A JP 599198A JP 599198 A JP599198 A JP 599198A JP H11198135 A JPH11198135 A JP H11198135A
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- prepreg
- resin varnish
- resin
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/02—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
- H05K3/022—Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates
Landscapes
- Reinforced Plastic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ボイドのないプリプレグを得る。
【解決手段】 熱硬化性樹脂及び又は熱可塑性樹脂を繊
維基材に含浸するに先だって、繊維基材の中に含まれて
いる空気を、樹脂ワニスに使用されている有機溶剤への
溶解性が20℃において窒素ガスの場合の10倍以上で
ある気体に置換するプリプレグの製造方法において、繊
維基材を前記気体が充填された気体置換装置内を通過さ
せ、次いで、該気体置換装置に連続した樹脂ワニス含浸
槽内の樹脂ワニスを通過させるプリプレグの製造方法。
維基材に含浸するに先だって、繊維基材の中に含まれて
いる空気を、樹脂ワニスに使用されている有機溶剤への
溶解性が20℃において窒素ガスの場合の10倍以上で
ある気体に置換するプリプレグの製造方法において、繊
維基材を前記気体が充填された気体置換装置内を通過さ
せ、次いで、該気体置換装置に連続した樹脂ワニス含浸
槽内の樹脂ワニスを通過させるプリプレグの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気泡の残存が極め
て少ないプリプレグの製造方法に関する。
て少ないプリプレグの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、プリント回路板等の積層板を製造
するために使用される繊維基材は、ガラス織布を代表例
とする織布が使用されている。織布は繊維のモノフィラ
メントを集束したヤーンを織ったものであり、そのまま
直接樹脂ワニスを浸漬あるいは塗布等により含浸する
と、モノフィラメント間の隙間に多くの空気を含んだプ
リプレグが得られる。そのため、さらに加熱等により樹
脂ワニスが繊維基材内に浸透するが、これでも、幾らか
の空気がモノフィラメント間に残存し、通常ニードルボ
イドと称される空気溜まりが生じ、積層板を得るための
工程である加熱加圧成形において不良品を発生させる原
因となる。
するために使用される繊維基材は、ガラス織布を代表例
とする織布が使用されている。織布は繊維のモノフィラ
メントを集束したヤーンを織ったものであり、そのまま
直接樹脂ワニスを浸漬あるいは塗布等により含浸する
と、モノフィラメント間の隙間に多くの空気を含んだプ
リプレグが得られる。そのため、さらに加熱等により樹
脂ワニスが繊維基材内に浸透するが、これでも、幾らか
の空気がモノフィラメント間に残存し、通常ニードルボ
イドと称される空気溜まりが生じ、積層板を得るための
工程である加熱加圧成形において不良品を発生させる原
因となる。
【0003】ニードルボイドの生じる原因としては、閉
じこめらた空気の圧力が、容積の減少に反比例して高く
なり、ある時点で繊維基材に浸透してきた樹脂ワニスの
浸透力と等しくなり、そのままの状態で繊維基材内に固
定されるためと考えられている。このため、従来はニー
ドルボイドの発生を防止するために、樹脂ワニスへの塗
布含浸やその後の乾燥工程あるいは成形工程中に、圧
力、熱又は真空、超音波等により、閉じこめられた空気
を追い出していた。根本的な対策としては、初めから空
気を含まない基材に樹脂ワニスを含浸するという考え方
もあった。しかし、前者の空気を追い出す方法では基材
全面を均一に処理することが難しく、さらに、連続的に
移動している繊維基材においては、塗布含浸時又は含浸
後乾燥前の限られた時間での処理操作であった。また、
最初から空気を含まない繊維基材を得ようとすることは
これまでにほとんど検討されていない。
じこめらた空気の圧力が、容積の減少に反比例して高く
なり、ある時点で繊維基材に浸透してきた樹脂ワニスの
浸透力と等しくなり、そのままの状態で繊維基材内に固
定されるためと考えられている。このため、従来はニー
ドルボイドの発生を防止するために、樹脂ワニスへの塗
布含浸やその後の乾燥工程あるいは成形工程中に、圧
力、熱又は真空、超音波等により、閉じこめられた空気
を追い出していた。根本的な対策としては、初めから空
気を含まない基材に樹脂ワニスを含浸するという考え方
もあった。しかし、前者の空気を追い出す方法では基材
全面を均一に処理することが難しく、さらに、連続的に
移動している繊維基材においては、塗布含浸時又は含浸
後乾燥前の限られた時間での処理操作であった。また、
最初から空気を含まない繊維基材を得ようとすることは
これまでにほとんど検討されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、気泡残存の
極めて少ないプリプレグを得るために種々検討した結果
完成されたものであり、含浸前の繊維基材に含まれる空
気を、後で含浸する樹脂ワニスに使用している有機溶剤
への溶解性に優れた気体に置換することにより所期の目
的を達成することができたものである。
極めて少ないプリプレグを得るために種々検討した結果
完成されたものであり、含浸前の繊維基材に含まれる空
気を、後で含浸する樹脂ワニスに使用している有機溶剤
への溶解性に優れた気体に置換することにより所期の目
的を達成することができたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱硬化性樹脂
及び又は熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂ワニス
を繊維基材に含浸し、乾燥することによりプリプレグを
製造する方法において、繊維基材に樹脂ワニスを含浸す
るに先だって、繊維基材の中に含まれている空気を樹脂
ワニスに使用されている有機溶剤への溶解性が窒素ガス
の場合の10倍以上である気体(以下、このような気体
を「気体A」という)に置換することを特徴とするプリ
プレグの製造方法、に関するものである。
及び又は熱可塑性樹脂を有機溶剤に溶解した樹脂ワニス
を繊維基材に含浸し、乾燥することによりプリプレグを
製造する方法において、繊維基材に樹脂ワニスを含浸す
るに先だって、繊維基材の中に含まれている空気を樹脂
ワニスに使用されている有機溶剤への溶解性が窒素ガス
の場合の10倍以上である気体(以下、このような気体
を「気体A」という)に置換することを特徴とするプリ
プレグの製造方法、に関するものである。
【0006】繊維基材において、その中に存在する空気
を気体Aに置換する方法としては、巻かれた基材全体を
容器内に置きこの容器を真空にした後、気体Aを導入す
ることにより基材全体に気体Aを含ませる方法、巻き出
された繊維基材に樹脂ワニスを含浸する直前に、加圧さ
れた気体Aを噴射する方法によっても、かなり気体Aに
置き換えることができる。本発明においては、さらに、
気体Aへの置換を確実にするために、図1に示すよう
に、繊維基材1を前記気体A2が充填された気体置換装
置3内を通過させ、次いで、この気体置換装置に連続し
た樹脂ワニス含浸槽5内の樹脂ワニス6を通過させるこ
とを特徴とする。気体置換装置内には、繊維基材中の空
気を前記気体Aに置換するための絞りロール4を1対又
は複数対設けることが好ましい。塗布含浸工程への繊維
基材の移送の課程で、繊維基材に張力が強く作用してい
る部分がある場合、その部分では気体の置換の効果が発
揮されにくいので、張力の小さい部分を選んで行うこと
が望ましい。具体例を挙げれば、図1とは異なるが、樹
脂ワニスを含浸する直前に、繊維基材を、真空ゾーンと
これに続く気体Aが充填されたゾーンとの組合わせから
なる気体置換装置を1回以上通過させることにより、気
体Aへの置換を効果的に行うこともできる。
を気体Aに置換する方法としては、巻かれた基材全体を
容器内に置きこの容器を真空にした後、気体Aを導入す
ることにより基材全体に気体Aを含ませる方法、巻き出
された繊維基材に樹脂ワニスを含浸する直前に、加圧さ
れた気体Aを噴射する方法によっても、かなり気体Aに
置き換えることができる。本発明においては、さらに、
気体Aへの置換を確実にするために、図1に示すよう
に、繊維基材1を前記気体A2が充填された気体置換装
置3内を通過させ、次いで、この気体置換装置に連続し
た樹脂ワニス含浸槽5内の樹脂ワニス6を通過させるこ
とを特徴とする。気体置換装置内には、繊維基材中の空
気を前記気体Aに置換するための絞りロール4を1対又
は複数対設けることが好ましい。塗布含浸工程への繊維
基材の移送の課程で、繊維基材に張力が強く作用してい
る部分がある場合、その部分では気体の置換の効果が発
揮されにくいので、張力の小さい部分を選んで行うこと
が望ましい。具体例を挙げれば、図1とは異なるが、樹
脂ワニスを含浸する直前に、繊維基材を、真空ゾーンと
これに続く気体Aが充填されたゾーンとの組合わせから
なる気体置換装置を1回以上通過させることにより、気
体Aへの置換を効果的に行うこともできる。
【0007】巻かれた繊維基材に一度浸入した気体Aは
容易には逃げないが、置換後長い時間空気中に放置した
り、樹脂ワニスに浸漬するまで幾つものロールを通るよ
うな場合、空気が再度浸入してくるので、置換後浸漬又
は塗布までの距離又は時間をなるべく短くすることが必
要である。また、通常気体は低温ほど大きな質量となる
ので、置換する際の気体Aの温度は低い方が、後に室温
にまで戻ったときに負圧になることがなく、含浸までに
気体Aが逃げ出すことが少なくなる。本発明に従えば、
樹脂ワニスの入った容器の直前の気体Aが充填された簡
単な装置を設けることによっても、気体Aの置換を確実
に行うことができ、更に、設備費およびランニングコス
トも低く抑えることができる。さらに、装置の構造が簡
単であるため、故障も少なく、掃除やメンテナンスも容
易である。
容易には逃げないが、置換後長い時間空気中に放置した
り、樹脂ワニスに浸漬するまで幾つものロールを通るよ
うな場合、空気が再度浸入してくるので、置換後浸漬又
は塗布までの距離又は時間をなるべく短くすることが必
要である。また、通常気体は低温ほど大きな質量となる
ので、置換する際の気体Aの温度は低い方が、後に室温
にまで戻ったときに負圧になることがなく、含浸までに
気体Aが逃げ出すことが少なくなる。本発明に従えば、
樹脂ワニスの入った容器の直前の気体Aが充填された簡
単な装置を設けることによっても、気体Aの置換を確実
に行うことができ、更に、設備費およびランニングコス
トも低く抑えることができる。さらに、装置の構造が簡
単であるため、故障も少なく、掃除やメンテナンスも容
易である。
【0008】本発明において、熱硬化性樹脂あるいは熱
可塑性樹脂はプリプレグを作製するために使用されるも
のであれば如何なるものでもよく、特に限定されない
が、通常は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂である。繊維基材は、ガラス繊維織布等の織布、
紙等であり、特に限定されない。
可塑性樹脂はプリプレグを作製するために使用されるも
のであれば如何なるものでもよく、特に限定されない
が、通常は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化
性樹脂である。繊維基材は、ガラス繊維織布等の織布、
紙等であり、特に限定されない。
【0009】有機溶剤も特に限定されないが、樹脂がエ
ポキシ樹脂であり、硬化剤が一般的なジシアンジアミド
を使用した場合、DMF、DEF、DMSO又はDMA
Cを用い、気体Aとして二酸化炭素を用いることが特に
効果的である。これらの溶剤は、2回含浸を行う場合、
一次含浸の樹脂ワニスに使用することが特に効果があ
る。二次含浸の樹脂ワニスにも使用する方が望ましいこ
とは当然である。一次含浸に前記溶剤だけを使用しても
効果があるが、プリプレグの保存性や積層板の耐熱性及
び外観が低下することがあるので、注意する必要があ
る。
ポキシ樹脂であり、硬化剤が一般的なジシアンジアミド
を使用した場合、DMF、DEF、DMSO又はDMA
Cを用い、気体Aとして二酸化炭素を用いることが特に
効果的である。これらの溶剤は、2回含浸を行う場合、
一次含浸の樹脂ワニスに使用することが特に効果があ
る。二次含浸の樹脂ワニスにも使用する方が望ましいこ
とは当然である。一次含浸に前記溶剤だけを使用しても
効果があるが、プリプレグの保存性や積層板の耐熱性及
び外観が低下することがあるので、注意する必要があ
る。
【0010】気体Aとして二酸化炭素を使用する場合、
液化された二酸化炭素の使用も考えられるが、臨界温
度、臨界圧力の点から、現状では実用化するのは難しい
と思われる。
液化された二酸化炭素の使用も考えられるが、臨界温
度、臨界圧力の点から、現状では実用化するのは難しい
と思われる。
【0011】本発明の構成に従うと、従来問題となって
いたニードルボイドの容積を、10分の1以下に減少さ
せることできる。本発明と同様の効果を発現させるため
には、基材の中に通常入っている空気、特に窒素を溶解
する有機溶剤を使用する方法が一応考えられ、このよう
なものとしてはエーテル等があるが通常安全に取り扱わ
れる有機溶剤は実用的には存在しない。空気に換えて有
機溶剤に溶解する気体としては、たとえば、アセチレ
ン、硫化水素、二酸化イオウ、二酸化炭素等があるが、
取り扱いが容易で、且つ安全である二酸化炭素が最適で
あった。
いたニードルボイドの容積を、10分の1以下に減少さ
せることできる。本発明と同様の効果を発現させるため
には、基材の中に通常入っている空気、特に窒素を溶解
する有機溶剤を使用する方法が一応考えられ、このよう
なものとしてはエーテル等があるが通常安全に取り扱わ
れる有機溶剤は実用的には存在しない。空気に換えて有
機溶剤に溶解する気体としては、たとえば、アセチレ
ン、硫化水素、二酸化イオウ、二酸化炭素等があるが、
取り扱いが容易で、且つ安全である二酸化炭素が最適で
あった。
【0012】熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用
し、エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを使
用する場合、ジシアンジアミドを溶解する溶剤又は溶解
しているジシアンジアミドを析出させない程度の溶解性
を有する溶剤を使用する。本発明を適用するにあたり、
これら有機溶剤に溶解する気体を調査検討したところ、
最適な有機溶剤と気体との組み合わせとして、例えば、
有機溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルセロソロブ(MCS)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジ
メチルスルホキジド(DMSO)及びジメチルアセトア
ミド(DMAC)を使用し、気体として二酸化炭素を使
用することが好ましい。また、文献等によると、たとえ
ば、DMF単独の溶解性についての記述で、20℃にお
いて、窒素が0.007[g/100gDMF、760
mmHg、以下同じ]であるのに対し、二酸化炭素1.
0、二酸化イオウ122(/25℃)、硫化水素5.
6、塩化水素106、アセチレン5.1、ブタジエン1
1.2、1−ブテン7.3、ブタン4.7等である。こ
の溶解性は、ワニスに使用されている溶剤の組合わせに
は直接換算出来ないので、どんな気体が使用可能なのか
は、各々のワニスごとの溶解度を確認してからにする必
要がある。
し、エポキシ樹脂の硬化剤としてジシアンジアミドを使
用する場合、ジシアンジアミドを溶解する溶剤又は溶解
しているジシアンジアミドを析出させない程度の溶解性
を有する溶剤を使用する。本発明を適用するにあたり、
これら有機溶剤に溶解する気体を調査検討したところ、
最適な有機溶剤と気体との組み合わせとして、例えば、
有機溶剤としてアセトン、メチルエチルケトン(ME
K)、メチルセロソロブ(MCS)、ジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジ
メチルスルホキジド(DMSO)及びジメチルアセトア
ミド(DMAC)を使用し、気体として二酸化炭素を使
用することが好ましい。また、文献等によると、たとえ
ば、DMF単独の溶解性についての記述で、20℃にお
いて、窒素が0.007[g/100gDMF、760
mmHg、以下同じ]であるのに対し、二酸化炭素1.
0、二酸化イオウ122(/25℃)、硫化水素5.
6、塩化水素106、アセチレン5.1、ブタジエン1
1.2、1−ブテン7.3、ブタン4.7等である。こ
の溶解性は、ワニスに使用されている溶剤の組合わせに
は直接換算出来ないので、どんな気体が使用可能なのか
は、各々のワニスごとの溶解度を確認してからにする必
要がある。
【0013】実際の大型塗布機の場合、基材中の二酸化
炭素が樹脂ワニス中の溶剤に溶けて行く処理時間は、含
浸から乾燥機にはいって温度が溶剤の沸点を越えない所
までであり、通常0.5〜4分程度である。勿論、長時
間処理する方が良好な外観のプリプレグが得られるの
で、実際に必要なプリプレグのボイドのレベルにより、
含浸時間の調節や、より大きな溶解性のある気体Aの種
類に変更する必要もある。上記の溶剤の他、他の溶剤も
一部組み合わせて使用することも可能である。簡易的
に、気体Aと樹脂ワニスの溶解性を調べるには、上記処
理時間を参考に、試験管の中の気体Aの5分後の体積変
化でほぼ理論値のデータと一致する。上記のような有機
溶剤と気体の組み合わせにより、繊維基材を樹脂ワニス
に含浸する際、繊維基材中のニードルボイド化しうる気
体を有機溶剤に溶け込ませることにより、ニードルボイ
ドの容積を大幅に減らすことができる。
炭素が樹脂ワニス中の溶剤に溶けて行く処理時間は、含
浸から乾燥機にはいって温度が溶剤の沸点を越えない所
までであり、通常0.5〜4分程度である。勿論、長時
間処理する方が良好な外観のプリプレグが得られるの
で、実際に必要なプリプレグのボイドのレベルにより、
含浸時間の調節や、より大きな溶解性のある気体Aの種
類に変更する必要もある。上記の溶剤の他、他の溶剤も
一部組み合わせて使用することも可能である。簡易的
に、気体Aと樹脂ワニスの溶解性を調べるには、上記処
理時間を参考に、試験管の中の気体Aの5分後の体積変
化でほぼ理論値のデータと一致する。上記のような有機
溶剤と気体の組み合わせにより、繊維基材を樹脂ワニス
に含浸する際、繊維基材中のニードルボイド化しうる気
体を有機溶剤に溶け込ませることにより、ニードルボイ
ドの容積を大幅に減らすことができる。
【0014】この方法で得られたプリプレグを使用して
積層板を作製する場合、プリプレグの中のボイドが非常
に小さいため、積層板成形時の成形性が向上し、積層板
の不良率の大幅な減少を達成することができる。更に成
形圧力を小さくすることができるので、成形ひずみの小
さい、即ち反りが小さく寸法精度の良好な積層板を得る
ことができる。気泡残存の少ないプリプレグは成形時の
フローが小さくても良好な特性の積層板を得ることがで
きる。フローを小さくすることにより、成形された積層
板の厚み精度が向上する他、成形装置の周囲を汚すこと
が少ない。さらに、積層板の加工工程に及ぼす影響とし
て、メッキ工程において、ドリル加工やパンチング等で
形成された穴の断面からメッキ液がニードルボイドを経
て浸透していく距離を小さくすることができ、銅マイグ
レーション等の絶縁不良が減少する。従って、隣接する
スルホール間隔が近接しているような高密度プリント配
線板に使用される積層板に適したプリプレグを得ること
ができる。
積層板を作製する場合、プリプレグの中のボイドが非常
に小さいため、積層板成形時の成形性が向上し、積層板
の不良率の大幅な減少を達成することができる。更に成
形圧力を小さくすることができるので、成形ひずみの小
さい、即ち反りが小さく寸法精度の良好な積層板を得る
ことができる。気泡残存の少ないプリプレグは成形時の
フローが小さくても良好な特性の積層板を得ることがで
きる。フローを小さくすることにより、成形された積層
板の厚み精度が向上する他、成形装置の周囲を汚すこと
が少ない。さらに、積層板の加工工程に及ぼす影響とし
て、メッキ工程において、ドリル加工やパンチング等で
形成された穴の断面からメッキ液がニードルボイドを経
て浸透していく距離を小さくすることができ、銅マイグ
レーション等の絶縁不良が減少する。従って、隣接する
スルホール間隔が近接しているような高密度プリント配
線板に使用される積層板に適したプリプレグを得ること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づき詳
細に説明する。
細に説明する。
【0016】実施例 210g/m2 のガラス織布を、内部に二酸化炭素で充
填した多段絞りロール内蔵気体置換装置に通し、そのま
ま下記の配合のエポキシ樹脂ワニス中に浸漬含浸した
後、150℃で乾燥してプリプレグを得た。 (エポキシ樹脂ワニスの配合) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 190) 25重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 750)40重量部 (臭素化率25重量%) テトラブロムビスフェノールA 35重量部 ジシアンジアミド 1重量部 ジメチルホルムアミド 65重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1重量部
填した多段絞りロール内蔵気体置換装置に通し、そのま
ま下記の配合のエポキシ樹脂ワニス中に浸漬含浸した
後、150℃で乾燥してプリプレグを得た。 (エポキシ樹脂ワニスの配合) ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 190) 25重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量 750)40重量部 (臭素化率25重量%) テトラブロムビスフェノールA 35重量部 ジシアンジアミド 1重量部 ジメチルホルムアミド 65重量部 2−エチル−4−メチルイミダゾール 0.1重量部
【0017】比較例 上記実施例において、ガラス織布中の空気を二酸化炭素
に置換することなくプリプレグを作製した。
に置換することなくプリプレグを作製した。
【0018】以上の実施例及び比較例にて得られたプリ
プレグについて、顕微鏡で1平方センチあたりのボイド
の数を調べた。結果は次の通りであり、実施例により得
られたプリプレグはボイドの数が大幅に減少しているこ
とがわかる。 (プリプレグ中のボイドの数) 実施例 5〜 10 比較例 50〜100以上
プレグについて、顕微鏡で1平方センチあたりのボイド
の数を調べた。結果は次の通りであり、実施例により得
られたプリプレグはボイドの数が大幅に減少しているこ
とがわかる。 (プリプレグ中のボイドの数) 実施例 5〜 10 比較例 50〜100以上
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により得られたプリプレグ
は、残存するボイドが大幅に減少しているので、優れた
特性を有する積層板を得ることができ、ファインパター
ンの高密度プリント配線板用基板として特に好適であ
る。
は、残存するボイドが大幅に減少しているので、優れた
特性を有する積層板を得ることができ、ファインパター
ンの高密度プリント配線板用基板として特に好適であ
る。
【図1】 本発明に関するプリプレグ製造装置の一例を
示す概略断面図
示す概略断面図
1 繊維基材 2 気体A 3 気体置換装置 4 絞りロール 5 含浸槽 6 樹脂ワニス
Claims (4)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂及び又は熱可塑性樹脂を繊
維基材に含浸するに先だって、繊維基材の中に含まれて
いる空気を、樹脂ワニスに使用されている有機溶剤への
溶解性が20℃において窒素ガスの場合の10倍以上で
ある気体に置換するプリプレグの製造方法において、繊
維基材を前記気体が充填された気体置換装置内を通過さ
せ、次いで、該気体置換装置に連続した樹脂ワニス含浸
槽内の樹脂ワニスを通過させることを特徴とするプリプ
レグの製造方法。 - 【請求項2】 前記気体置換装置内に、繊維基材中の空
気を前記気体に置換するための絞りロールを1対又は複
数対設ける請求項1記載のプリプレグの製造方法。 - 【請求項3】 前記気体が二酸化炭素であり、有機溶剤
がアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルセ
ロソロブ(MCS)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジエチルホルムアミド(DEF)、ジメチルスル
ホキジド(DMSO)及びジメチルアセトアミド(DM
AC)の1種又は2種以上である請求項1又は2記載の
プリプレグの製造方法。 - 【請求項4】 繊維基材がモノフィラメントを集束した
ヤーンを用いた織布である請求項1,2又は3記載のプ
リプレグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP599198A JPH11198135A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | プリプレグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP599198A JPH11198135A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | プリプレグの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11198135A true JPH11198135A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=11626268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP599198A Pending JPH11198135A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | プリプレグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11198135A (ja) |
-
1998
- 1998-01-14 JP JP599198A patent/JPH11198135A/ja active Pending
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