JPH1119752A - 接種フィルタ及び鋳鉄溶湯接種方法 - Google Patents

接種フィルタ及び鋳鉄溶湯接種方法

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JPH1119752A
JPH1119752A JP17842797A JP17842797A JPH1119752A JP H1119752 A JPH1119752 A JP H1119752A JP 17842797 A JP17842797 A JP 17842797A JP 17842797 A JP17842797 A JP 17842797A JP H1119752 A JPH1119752 A JP H1119752A
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宏之 野村
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光晴 滝田
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】溶湯接種効果とドロス捕獲効果とを備える接種
フィルタ及び鋳鉄溶湯接種方法を提供すること。 【解決手段】接種フィルタ2は、三次元網目構造をもつ
孔を備えたセラミックス製のフィルタ構造体からなり、
三次元的に被覆された接種剤層をもつと共に鋳型の注湯
口に近い側の前フィルタ部21と、接種剤層をもたない
か接種剤層が少量の且つ鋳型の注湯口に遠い側の後フィ
ルタ部22とで構成されている。接種フィルタ2を鋳型
1の通路に配置した状態で、ねずみ鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄
等の溶湯を通路に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接種フィルタ及び
鋳鉄溶湯接種方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳鉄の製造において、接種が大きな意味
を持つことは広く知られている。例えば、ねずみ鋳鉄に
おいては、接種により、強度、切削性等が改善される。
また、球状黒鉛鋳鉄においては、チル化傾向の減少、黒
鉛粒の均一化等により、伸び、靱性の向上が図られる。
しかし経時的に接種効果が低下するフェーディングの問
題がある。ここで、フェーディングについて考えると、
鋳物に近いところ、つまり、鋳型の内部で溶湯を接種処
理することが好ましい。
【0003】上記点に鑑み、従来より、特開平9−19
740号公報には、図11に示すように、一直線状にの
びるストレート孔101を備えた接種フィルタ100を
接種剤自体から形成した技術が開示されている。この公
報技術によれば、鋳型200の湯道201を通る溶湯が
接種フィルタ100のストレート孔101を通過する際
に、溶湯と接種フィルタ100の接種剤とが反応し、溶
湯が接種される。このものでは、鋳型200の内部に接
種フィルタ100が配置されているため、接種直後の溶
湯が鋳型200の成形キャビティに供給され、上記した
フェーディングの問題を改善するのに有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報技術で
は、ストレート孔101を備えた接種フィルタ100を
用いているため、溶湯と接種剤との接触頻度は低く、溶
湯の接種効果は必ずしも充分ではない。更に、接種フィ
ルタ100全体が接種剤から構成されており、鋳型に溶
湯を供給する溶湯供給工程の終期においては接種フィル
タ100が完全に消失するように設定されている。その
ため、溶湯供給工程の終期に近づくにつれて、接種フィ
ルタ100によるフィルタ効果は期待できず、終期にお
いてはドロス捕獲効果が大幅に低減する。故に鋳型20
0の成形キャビティにドロスが混入するおそれが高い。
従って接種効果により鋳物の材質強度を高めたとして
も、ドロス混入により鋳物の強度が期待できないおそれ
がある。
【0005】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その課題は、溶湯接種効果とドロス捕獲効果と
を備えるのに有利な接種フィルタ及び鋳鉄溶湯接種方法
を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る接種フィルタは、三次元網目構造をな
す孔をもつフィルタ構造体からなる接種フィルタであっ
て、鋳型の成形キャビティにつながる通路において注湯
口に近い側の前フィルタ部と、鋳型の通路においてフィ
ルタ部に隣設し前記前フィルタ部よりも注湯口に対して
遠い側の後フィルタ部とで構成され、前フィルタ部はフ
ィルタ構造体の孔部分に三次元的に被覆された接種剤層
をもち、後フィルタ部は接種剤層をもたないか、また
は、前フィルタ部よりも少量の接種剤層をもつことを特
徴とするものである。
【0007】請求項2に係る接種フィルタは、請求項1
に記載の接種フィルタにおいて、注湯開始前において、
前フィルタ部の溶湯通過抵抗は、後フィルタ部の溶湯通
過抵抗よりも大きく設定されていることを特徴とするも
のである。請求項3に係る鋳鉄溶湯接種方法は、請求項
1〜2記載の接種フィルタを鋳型の通路に配置する配置
工程と、鋳型の注湯口から溶湯を注湯することにより、
接種フィルタの接種剤により溶湯を接種すると共に、接
種した溶湯を成形キャビティに供給する溶湯供給工程と
を実施するものである。
【0008】請求項4に係る鋳鉄溶湯接種方法は、請求
項3に記載の鋳鉄溶湯接種方法において、溶湯供給工程
における鋳型の成形キャビティへの溶湯供給の終了期に
接種フィルタのフィルタ構造体を残存させることを特徴
とするものである。請求項5に係る鋳鉄溶湯接種方法
は、請求項3〜4に記載の鋳鉄溶湯接種方法において、
鋳型の通路は、接種フィルタの前方に設けられ接種フィ
ルタと対面すると共に通路の他の部分よりも通路断面積
が大きな反応室を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項1に係る接種フィルタによれば、
接種フィルタの前フィルタ部はフィルタ構造体の孔部分
に三次元的に被覆された接種剤層をもつ。そのため、溶
湯との接種反応に寄与する接種剤層の表面積が増大して
いる。しかも接種フィルタの前フィルタ部を通過する溶
湯は、三次元的に曲がりつつ前フィルタ部を通過し易い
ため、溶湯が真っ直ぐに通過する場合に比較して、接種
剤層と溶湯との接触頻度、ひいては両者の反応性が向上
する。
【0010】請求項1に係る接種フィルタによれば、前
フィルタ部の接種剤層と溶湯との接種反応に基づく反応
生成物に起因してドロスが溶湯に発生したとしても、そ
のドロスは後フィルタ部で捕獲され易い。請求項2に係
る接種フィルタによれば、注湯開始前において、前フィ
ルタ部の溶湯通過抵抗は、後フィルタ部の溶湯通過抵抗
よりも大きく設定されている。そのため溶湯が前フィル
タ部を通過する速度が過剰に速くなることを抑制でき、
前フィルタ部の接種剤と溶湯との接触時間が確保され、
両者の反応性が確保される。
【0011】請求項3に係る鋳鉄溶湯接種方法によれ
ば、接種フィルタの前フィルタ部はフィルタ構造体の孔
部分に三次元的に被覆された接種剤層をもつ。そのた
め、溶湯との接種反応に寄与する接種剤層の表面積が増
大している。しかも接種フィルタの前フィルタ部を通過
する溶湯は、三次元的に曲がりつつ前フィルタ部を通過
し易いため、溶湯が真っ直ぐに通過する場合に比較し
て、接種剤層と溶湯との接触頻度、ひいては両者の反応
性が向上する。更に、前フィルタ部の接種剤層と溶湯と
の接種反応に基づく反応生成物に起因してドロスが溶湯
に発生したとしても、そのドロスは後フィルタ部で捕獲
され易い。
【0012】請求項4に係る鋳鉄溶湯接種方法によれ
ば、成形キャビティへの溶湯供給の終了期に接種フィル
タのフィルタ構造体を残存させる。そのため、溶湯供給
の終了期、または終了期の近い時点においても、接種フ
ィルタによるドロス捕獲機能が維持される。請求項5に
係る鋳鉄溶湯接種方法によれば、接種フィルタの前方
に、接種フィルタと対面すると共に通路の他の部分より
も通路断面積が大きな反応室が設けられている。そのた
め、溶湯の速度は反応室で低下し易い。よって、反応室
の溶湯と接種フィルタの接着剤層との接触時間が確保さ
れ、両者が反応し易い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る接種フィルタのフィ
ルタ構造体は、三次元網目構造をなす孔をもつ。フィル
タ構造体は、一般的にはセラミックスフォームで形成で
きる。この場合には、加熱に伴い焼失可能な樹脂等の有
機系多孔質体を用い、有機系多孔質体の内部にセラミッ
クススラリーを含浸させた状態で、有機系多孔質体を加
熱して焼失させると共に、セラミックスを残留させるこ
とにより形成できる。
【0014】本発明に係る接種フィルタは、鋳型の通路
において注湯口に近い側の前フィルタ部と、鋳型の通路
において前フィルタ部に隣設し前フィルタ部よりも注湯
口に対して遠い側の後フィルタ部とで構成されている。
例えば、前フィルタ部のppi は、後フィルタ部のppi よ
りも小さくできる。具体的には、前フィルタ部の目の粗
さは、5〜40ppi 、特に10〜25ppi にできる。後
フィルタ部の目の粗さは、10〜60ppi 、特に15〜
30ppi にできる。ppi はpores per inchを意味し、1
インチの長さあたりの孔の数である。
【0015】注湯開始前において、前フィルタ部の溶湯
通過抵抗は、後フィルタ部の溶湯通過抵抗よりも大きく
設定できる。このようにすれば、前フィルタ部を溶湯が
通過する時間が確保され、前フィルタ部の接種剤と溶湯
との接触時間、ひいては両者の反応時間が確保され易
い。前フィルタ部の溶湯通過抵抗を後フィルタ部の溶湯
通過抵抗よりも大きく設定する場合には、前フィルタ部
の気孔率や気孔径を、後フィルタ部の気孔率や気孔径よ
りも小さくできる。
【0016】接種フィルタの接種剤層を構成する代表的
な接種剤としては、Fe−Si系合金が好ましい。接種
剤層に、バリウム、アルミニウム、リチウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、希土類元素、炭素のうちの少なく
とも一種を含むことができる。本発明に係る接種フィル
タは、粉末状または粉粒状の接種剤を含む溶液とフィル
タ構造体とを接触させる操作と、接触後にフィルタ構造
体を乾燥させる操作とを含む工程により形成できる。接
触にあたっては、溶液をフィルタ構造体に刷毛やスプレ
ー等で塗る方式、溶液にフィルタ構造体を浸漬する方式
等を採用できる。
【0017】接種剤層を構成する接種剤の粒度としては
フィルタ構造体の孔サイズ、鋳造方案、接種剤の種類等
に応じて、適宜選択できるが、一般的には、最大値で1
mm以下または0.5mm以下にでき、平均値で0.7
5mm以下にできるが、これに限定されるものではな
い。本発明に係る接種フィルタに被覆される接種剤の量
は、溶湯の種類等に応じて選択できるものの、溶湯の注
湯量に対して重量比で0.1〜0.4%にでき、或い
は、0.05〜0.5%にできるが、これに限定される
ものではない。
【0018】接種フィルタにより接種される溶湯として
は、接種処理が要請される溶湯であれば良く、一般的に
は、ねずみ鋳鉄の溶湯、球状黒鉛鋳鉄の溶湯がある。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例に係る試験例について
比較例と共に説明する。 (接種フィルタ)図1は鋳型としての砂型(CO2
型)製の鋳型1を示す。鋳型1は上型1Xと下型1Yと
で構成されている。鋳型1は、注湯口10、通路として
の湯道11、堰12を介して湯道11につながる成形キ
ャビティ13をもつ。湯道11にはフィルタ設置部14
が形成されており、フィルタ設置部14に接種フィルタ
2が設置されている。
【0020】湯道11のうち、接種フィルタ2の前方に
は、湯道11の他の部分よりも通路断面積が増大した前
方反応室11aが形成されており、接種フィルタ2の後
方には湯道11の他の部分よりも通路断面積が増大した
後方反応室11cが形成されている。接種フィルタ2
は、互いに隣設して積層された前フィルタ部21と後フ
ィルタ部22とで構成されている。
【0021】前フィルタ部21は、フィルタ構造体とし
て機能する約10ppiのアルミナ製のセラミックフォ
ームフィルタを用い、セラミックフォームフィルタの表
面に接種剤層を被覆したものである。後フィルタ部22
は、フィルタ構造体として機能する約20ppiのアル
ミナ製のセラミックフォームフィルタである。後フィル
タ部22は、接種よりもドロス等の捕獲を主眼とするも
のであり、前フィルタ部21とは異なり、接種剤層が実
質的に被覆されていない。
【0022】図3は、前フィルタ部21となるセラミッ
クスフォームフィルタの外観写真を示す。図3の左側
は、接種剤を含有するスラリーを被覆する前の状態を示
す。図3の右側は、接種剤を含有するスラリーを被覆し
た後の状態を示す。接種剤を含有するスラリーをセラミ
ックスフォームフィルタに被覆した後の状態では、前フ
ィルタ部21の孔I接種剤が詰まって孔の開口がつぶれ
た状態となり、従って、注湯開始前においては、前フィ
ルタ部21の溶湯通過抵抗は、後フィルタ部22の溶湯
通過抵抗に比べて大きくなっている。
【0023】図4はこのセラミックフォームフィルタの
模式図を示す。図4に示すセラミックフォームフィルタ
3は、三次元的な網目構造をなしており、三次元的な孔
30をもつ。セラミックフォームフィルタ3の孔30
は、図11に示す直線状にのびるストレート孔101と
は異なり、三次元的に曲がっている。孔30は、セラミ
ックフォームフィルタ3の表部3aと裏部3bを連通す
る連通孔である。
【0024】前フィルタ部21は次のように製造した。
即ち、粉末状の接種剤を溶媒に分散させた接種剤スラリ
ーを用い、セラミックフォームフィルタ3の内部にこの
接種剤スラリーを含浸させることにより、接種剤スラリ
ーをセラミックフォームフィルタ3に被覆し、その後、
適温(例えば約473K)で乾燥した。 (接種剤)本試験例で用いた接種剤は、三種類(A,
B,C)である。接種剤A〜Cの組成を表1に、接種剤
A〜Cの粒度分布を表2に示す。表1から理解できるよ
うに、接種剤B,Cでは接種効果を上げるため、Ca、
Alの他にBaを添加している。表2に示すように、粒
径の大きさは、接種剤A<接種剤B<接種剤Cとなる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 (注湯方案)図1及び図2は本試験例に係る鋳型1の注
湯方案を示す。本試験例では、鋳込み重量約3kgfに
設定し、ねずみ鋳鉄(以下FCともいう)の溶湯を、鋳
型1に注湯した。同様に、球状黒鉛鋳鉄(以下FCDと
もいう)の溶湯も別の鋳型1に注湯した。
【0027】FCの溶湯とFCDの溶湯との成分を表3
に示す。FCDの溶湯を得るにあたっては、鋳型1に注
湯する前に、溶湯重量に対して1.5%の球状化剤をと
りべの底に置き、その上部より溶湯を注入し、置き注ぎ
方式により球状化処理を行った。
【0028】
【表3】 なお球状黒鉛鋳鉄を球状化処理する球状化剤は、表4に
示す組成のものを採用した。
【0029】
【表4】 (試験条件)次の表5及び表6に示すような接種条件に
従い、接種フィルタ2を用いて溶湯を接種し、この溶湯
を鋳型1の成形キャビティ13に供給し、凝固させ、試
験片を形成した。表5はねずみ鋳鉄の溶湯の接種条件を
示す。表6は球状黒鉛鋳鉄の溶湯の接種条件を示す。接
種剤(A,B,C)の添加量は、溶湯の鋳込重量に対し
て、それぞれ0%、0.25%、0.5%とした。添加
量0%は『接種無し』を意味し、比較例となる。
【0030】以下において、接種剤Aを添加したもの
は、FCやFCDの末尾に『A』を付し、FCA−1、
FCA−2、FCDA−1、FCDA−2のように示し
た。接種剤Bを添加したものは、FCやFCDの末尾に
『B』を付し、FCB−1、FCB−2、FCDB−
1、FCDB−2のように示した。接種剤Cを添加した
ものは、FCやFCDの末尾に『C』を付し、FCC−
1、FCC−2、FCDC−1、FCDC−2のように
示した。接種剤の添加量は表5に示されている。接種剤
で処理されていないものは、FCやFCDの末尾に『N
O』を付し、FCNO1、FCNO2、FCDNO1及
びFCDNO2のように示した。
【0031】接種剤Aと接種剤Bとを用いた試験では、
注湯温度を1667Kとした。接種剤Cを用いた試験で
は注湯温度を1630Kとした。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】 (解析)鋳型1の成形キャビティ13で凝固したねずみ
鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄について、光学顕微鏡を用いて、共
晶セル、黒鉛組成、基地組織等を観察した。更に、試験
片に係る鋳鉄における反応生成物の化学成分を確認する
ため、EPMA定性分析を行った。鋳鉄の機械的性質に
ついては、丸棒試験片で引張試験を行い、引張強さと伸
び率とを測定した。以下、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳
鉄に分けて述べる。 ねずみ鋳鉄について (共晶セル)接種フィルタ2を用いて鋳造したねずみ鋳
鉄(FC)について、鋳造後の試験片を取り出し、研磨
し、ステッド腐食液で腐食し、光学顕微鏡を用いて共晶
セル組織を観察した。共晶セル数は、面算出法により測
定した。共晶セル組織の観察結果を表7に示す。表7に
示すように共晶セルの増加率(enhancement
ratio)は、接種剤無添加を基準とするものであ
る(注湯温度が1667Kの場合にはFCNO1、注湯
温度が1630Kの場合にはFCNO2)。
【0034】表7における共晶セルの増加率は、接種フ
ィルタ2を用いた接種処理により、共晶セルサイズが細
かくなった割合を意味する。表7から理解できるよう
に、同一の接種剤に対しては、接種剤の添加量が多い場
合には、共晶セルが細かくなっている。接種剤A、接種
剤Bを用いた試験片(FCA−1、FCB−1等)より
も、接種剤Cを用いた試験片(FCC−1、FCC−
2)の共晶セル組織が細かかった。
【0035】
【表7】 (黒鉛組織)図5(A)(B)はねずみ鋳鉄の黒鉛組織
の顕微鏡観察写真を示す。図5(A)は、接種剤Aを被
覆した接種フィルタ2を用いて接種処理したFCA−1
の黒鉛組織を示す。図5(B)は、接種しないFCNO
1の黒鉛組織を示す。図5(B)に示すように、接種処
理なしであるFCNO1の場合には、黒鉛組織は微細な
D型、E型黒鉛であった。しかし図5(A)に示すよう
に、接種剤Aで接種処理したFCA−1の場合には、細
かい黒鉛が消失し、黒鉛がほとんど均一な大きさで、方
向性のないA型黒鉛になっていた。これは鋳物の機械的
性質の向上において有利であると考えられる。
【0036】接種剤B、Cで接種した場合でも、同様
に、接種により、細かい黒鉛が消失し、黒鉛がほとんど
均一な大きさで、方向性のないA型黒鉛になっていた。
また、FCBー1では、接種フィルタ2の前方の湯道部
分(=before)と、接種フィルタ2の後方の湯道部分
(=after )とについて、黒鉛組織を観察した。その結
果を図6(A)(B)に示す。図6(A)は 接種フィ
ルタ2の前方の湯道(=before)の黒鉛組織を示す。図
6(B)は 接種フィルタ2の後方の湯道(=after )
の黒鉛組織を示す。図6(A)に示すように、接種前の
組織では、黒鉛は微細なD型、E型黒鉛であった。しか
し図6(B)に示すように、接種後では、黒鉛がほとん
ど均一な大きさで、方向性のないA型黒鉛になってお
り、機械的性質の向上が期待できる。図6(A)(B)
の比較から理解できるように、接種フィルタ2を通過し
た鋳鉄では、接種効果により黒鉛組織の著しい改善が明
らかとなった。
【0037】(基地組織)5%ピクリン酸アルコ−ル溶
液(ピクラル腐食液)で、試験片を腐食し、光学顕微鏡
を用いてねずみ鋳鉄の基地組織を観察した。接種処理な
しであるFCNO1の組織では、オーステナイトと黒鉛
が共晶として晶出する晶出黒鉛組織が存在していた。こ
の組織には黒鉛とフェライトが析出している。この組織
のものは抗張力ならびに弾性係数はA型黒鉛と同程度で
あるが、衝撃値と耐摩耗性が低いと推察される。
【0038】しかし接種剤Bで接種処理したFCB−1
の場合には、微細な共晶組織が大幅に減少して黒鉛が均
一となっている。故に衝撃値と耐摩耗性が高いと推察さ
れる。接種剤A、Cで接種した鋳鉄についても、基本的
には同様の結果が得られた。 (機械的性質)図7はねずみ鋳鉄の引張試験の結果を示
す。図7の縦軸は引張強度を示し、図7の横軸は試験片
の番号を示す。図7によると、接種フィルタ2を用いて
いない鋳鉄(FCNO1、FCNO2)では、引張強度
が低い。しかし、接種フィルタ2を用いた接種処理を行
ったねずみ鋳鉄(FCA−1、FCA−2、FCB−
1、FCC−1、FCC−2)では、鋳鉄の引張強度が
かなり増加している。これは前述したように黒鉛組織の
改善によるものと考えられる。 球状黒鉛鋳鉄について (黒鉛組織)図9(A)(B)は球状黒鉛鋳鉄の球状黒
鉛の分布状態を示す。図9(A)は、接種剤Bを塗布し
た接種フィルタ2を用いて溶湯を接種処理した鋳鉄(F
CDB−1)の黒鉛組織を示す。図9(B)は、接種フ
ィルタ2を用いていない、つまり接種処理なしの鋳鉄
(FCDNO1)の黒鉛組織を示す。
【0039】接種処理なしの場合(FCDNO1)に
は、微細黒鉛の他に多くの粗大黒鉛が分散しており、か
なり不均一な黒鉛組織である。一方、接種フィルタ2で
接種処理した場合(FCDB−1)には、図9(A)に
示すように、微細黒鉛がほとんど消失し、かなり均一な
大きさで、形状の良い球状黒鉛が分散している。
【0040】接種剤Bを用いた接種フィルタ2ばかりで
なく、接種剤A、接種剤Cを用いた接種フィルタ2の場
合にも、黒鉛組織についてはほぼ同様な結果が得られ
た。また画像解析装置を用い、黒鉛の平均径と黒鉛の形
状係数fの分布とを測定した。形状係数とは、真円らし
さを表現し、その値は0〜1までの数値で示され、形状
係数が1のとき、完全な球状を意味する。この結果を表
8及び図8に示した。図8の縦軸は、分散している黒鉛
のうち、形状係数fが0.8を越える黒鉛の割合を示
し、図8の横軸は試験片の種類を示す。
【0041】図8から理解できるように、接種剤A〜C
で接種処理した球状黒鉛鋳鉄(FCDA−1、FCDA
−2、FCDB−1、FCDB−2、FCDC−1、F
CDC−2)では、形状係数が0.8を越える良好な球
状黒鉛の割合が多かった。一方、接種処理なしの球状黒
鉛鋳鉄(FCDNO1、FCDNO2)では、黒鉛の平
均径の分布傾向をみると、平均径6.25μm以下の微
細黒鉛が多くなっていた。更に、接種処理なしの場合
(FCDNO1、FCDNO2)には、図8から理解で
きるように、形状係数fが0.8以上の黒鉛の割合が低
くなり、球状化不良の黒鉛が多くなっていることが明ら
かとなった。
【0042】
【表8】 (機械的性質)図10は球状黒鉛鋳鉄の機械的性質を示
す。図10の縦軸は引張強度と伸びとを示し、横軸は試
験片の種類を示す。図10から理解できるように、球状
黒鉛鋳鉄の引張強度は、接種処理していないFCDNO
1、FCDNO2がかなり高いが、伸びは必ずしも充分
ではない。しかしながら、接種処理した場合には、多く
の試験片において、伸びの向上が見られる。
【0043】さらにCa、Alの他にBaを含有する接
種剤Bを用いた場合(FCDB−1、FCDB−2)に
は、伸びがかなり高い。接種剤Cを用いた球状黒鉛鋳鉄
(FCDC−1)の場合においても、基本的には同様で
ある。殊に、FCDB−1、FCDB−2の場合には、
伸びは14%以上である。これは黒鉛形状の改善及び黒
鉛粒度分布の均一化によるものと考えられる。
【0044】前フィルタ部21及び後フィルタ部22
の併有効果 鋳造後に接種フィルタ2を鋳型1から取り出し、接種フ
ィルタ2の内部を光学顕微鏡で観察した。更に、接種フ
ィルタ2を構成する前フィルタ部21と後フィルタ部2
2との境界についても、光学顕微鏡で観察した。観察結
果によると、前フィルタ部21の表面に被覆していた接
種剤は残留しておらず、従って、前フィルタ21に被覆
されていた実質的にすべての接種剤が溶湯との接種反応
に寄与したものと推察される。
【0045】前記した前フィルタ部21と後フィルタ部
22との境界にはケーキ層が生じていた。ケーキ層につ
いて、EPMA定性分析を行った。EPMA分析の結果
によれば、ケーキ層はAl、Ca、C、Si、O及びS
等多くの元素を含有していた。即ち、接種処理により複
雑な構造をもつ反応生成物が生成し、その反応生成物が
ケーキ層となり、成形キャビティ13に流入することな
く、後フィルタ部22により捕獲されたものと考えられ
る。
【0046】EPMA定性分析によれば、反応生成物に
はアルミ酸化物やシリコン酸化物が少なかった。このこ
とから、前フィルタ部21で接種処理した場合であって
も、アルミ酸化物やシリコン酸化物があまり発生せず、
従って接種剤の接種効率は高かったものと推察される。
以上の説明から理解できるように本実施例によれば、比
表面積が大きい三次元網目構造をもつ接種フィルタ2に
おける接種剤層と溶湯との接触頻度、接触面積が大き
い。そのため、接種剤層と溶湯との反応効率が高くな
り、溶湯における接種効果が向上する。よって、良好な
鋳鉄材質を確保しつつ、接種剤の添加量を低減できる。
【0047】一定の粒度が要請される接種剤の製造工程
においては、実際には使えない微小粉末の接種剤が残
る。この微小粉末の接種剤は、一般的には廃棄したり、
あるいは、再溶解のために回収したりしている。この場
合には、コストがかかる。この点、接種フィルタ2を用
いて溶湯を接種すれば、微小粉末の接種剤を、接種フィ
ルタ製造用のスラリー原料として活用できる利点があ
る。
【0048】本実施例によれば、溶湯の鋳込が終了した
時点において、前フィルタ部21ではこれの接種剤層は
消耗しているものの、後フィルタ部22ばかりか、前フ
ィルタ部21の基体をなすセラミックスフォームが溶損
せずに残存している。よって後フィルタ部22による捕
獲機能ばかりか、前フィルタ部21のセラミックスフォ
ームによる捕獲機能も確保され、接種反応で生成するド
ロスの捕獲性が確保される。
【0049】また図1及び図2から理解できるように、
接種フィルタ2は、前方反応室11aに対面すると共に
接種を主眼とする前フィルタ部21と、接種で発生した
反応生成物の捕獲除去を主眼とする後フィルタ部22と
からなる。そして、接種フィルタ2は、成形キャビティ
13の直前に設置している。故に、溶湯は前フィルタ部
21の接種剤と反応したら直ちに、或いは、反応しなが
ら、後フィルタ部22を通って成形キャビティ13に充
填される。よって、接種効果のフェーディング現象を防
止するのに有利である。
【0050】更に本実施例では、図1、図2から理解で
きるように、接種フィルタ2の前方には通路断面積が大
きな前方反応室11aが形成されている。そのため接種
フィルタ2を通過する溶湯の速度を抑えることができ、
従って溶湯と前フィルタ21の接種剤層との接触時間が
確保され、両者の接種反応を向上するのに有利である。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係る接種フィルタによれば、
前フィルタ部は、三次元網目構造をなす孔をもつフィル
タ構造体の孔部分に三次元的に被覆された接種剤層をも
つ。そのため、溶湯との接種反応に寄与する接種剤層の
表面積が増大できる。しかも前フィルタ部を通過する溶
湯は、三次元的に曲がりつつ前フィルタ部を通過し易い
ため、溶湯が真っ直ぐに通過する場合に比較して、接種
剤層と溶湯との接触頻度、ひいては両者の反応性が向上
する。よって溶湯の接種効果が向上する。従って鋳鉄組
織の改善、鋳鉄の機械的性質の改善に有利である。
【0052】請求項1に係る接種フィルタによれば、接
種剤層は後フィルタ部よりも前フィルタ部に多く設けら
れているため、高温の溶湯を接種剤層に接触させるのに
有利であり、接種効果の向上に有利である。請求項1に
係る接種フィルタによれば、前フィルタ部の接種剤層と
溶湯との接種反応に基づく反応生成物に起因してドロス
が溶湯に発生したとしても、そのドロスは後フィルタ部
で捕獲され易い。よって鋳物へのドロス巻き込みを抑止
するのに有利である。ドロスの巻き込みに起因する鋳鉄
の機械的性質の低下を抑止するのに有利である。
【0053】請求項2に係る接種フィルタによれば、注
湯開始前において、前フィルタ部の溶湯通過抵抗は、後
フィルタ部の溶湯通過抵抗よりも大きく設定されてい
る。そのため溶湯が前フィルタ部を通過する速度が過剰
に速くなることは、抑制される。よって、前フィルタ部
の接種剤と溶湯との接触時間が確保され、両者の反応性
が向上し、溶湯の接種効果が向上し易い。従って鋳鉄組
織の改善、鋳鉄の機械的性質の改善に有利である。
【0054】請求項3に係る鋳鉄溶湯接種方法によれ
ば、接種フィルタの前フィルタ部はフィルタ構造体の孔
部分に三次元的に被覆された接種剤層をもつため、溶湯
との接種反応に寄与する接種剤層の表面積が増大してい
る。しかも接種フィルタの前フィルタ部を通過する溶湯
は、三次元的に曲がりつつ前フィルタ部を通過し易いた
め、溶湯が真っ直ぐに通過する場合に比較して、接種剤
層と溶湯との接触頻度、ひいては両者の反応性が向上す
る。よって溶湯の接種効果が向上し易く、鋳鉄組織の改
善、鋳鉄の機械的性質の改善に有利である。請求項3に
係る鋳鉄溶湯接種方法によれば、接種剤層は後フィルタ
部よりも前フィルタ部に多く設けられているため、高温
の溶湯を接種剤層に接触させるのに有利であり、接種効
果の向上に有利である。
【0055】更に、前フィルタ部の接種剤層と溶湯との
接種反応に基づく反応生成物に起因してドロスが溶湯に
発生したとしても、そのドロスは後フィルタ部で捕獲さ
れ易く、ドロスの混入の抑止に有利である。請求項4に
係る鋳鉄溶湯接種方法によれば、鋳型の成形キャビティ
への溶湯供給の終了期に接種フィルタのフィルタ構造体
を残存させる。そのため、特開平9−19740号公報
に係る技術とは異なり、溶湯供給工程における終了期、
または終了期の近い時点においても、残存したフィルタ
構造体による捕獲機能が維持される。従って接種処理の
際に発生した反応生成物に起因するドロスが鋳型の成形
キャビティに混入することを抑えるのに有利である。よ
ってドロスに起因する鋳物の強度低下を防止するのに有
利である。
【0056】請求項5に係る鋳鉄溶湯接種方法によれ
ば、接種フィルタの前方には、接種フィルタと対面する
と共に通路の他の部分よりも通路断面積が大きな反応室
が設けられている。そのため、溶湯の速度は反応室で低
下し易い。よって、反応室の溶湯と接種フィルタの接着
剤層との接触時間が確保され、両者が反応し易い。よっ
て溶湯の接種効果が向上し易く、鋳鉄組織の改善、鋳鉄
の機械的性質の改善に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】接種フィルタが配置された鋳型の縦断面図であ
る。
【図2】接種フィルタが配置された鋳型の横断面図であ
る。
【図3】接種フィルタの前フィルタ部に係り、スラリー
被覆前と被覆後との粒子構造を示す写真でする。
【図4】被覆前のセラミックスフォームの粒子構造を模
式的に示す斜視図である。
【図5】ねずみ鋳鉄の金属組織を示す顕微鏡写真であ
る。
【図6】接種フィルタ前後に位置するねずみ鋳鉄の金属
組織を示す顕微鏡写真である。
【図7】接種した試験片と接種していない試験片との引
張強度を示すグラフである。
【図8】各試験片における形状係数が0.8を越える黒
鉛の割合を示すグラフである。
【図9】接種した球状黒鉛鋳鉄と接種していない球状黒
鉛鋳鉄との金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図10】接種した球状黒鉛鋳鉄と接種していない球状
黒鉛鋳鉄との引張強度及び伸びを示すグラフである。
【図11】従来技術に係る接種フィルタを鋳型に配置し
た状態を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は鋳型、10は溶湯口、11は湯道(通路)、
13は成形キャビティ、2は接種フィルタ、21は前フ
ィルタ部、22は後フィルタ部を示す。
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
フロントページの続き (71)出願人 597094606 楊 弋涛 愛知県名古屋市天白区福池一丁目79番 県 営野並住宅3−108 (72)発明者 野村 宏之 愛知県名古屋市昭和区村雲町25−3 (72)発明者 滝田 光晴 愛知県名古屋市昭和区八事富士見1611 サ ンハイツ八事ふじみD−605 (72)発明者 楊 弋涛 愛知県名古屋市天白区福池一丁目79番 県 営野並住宅3−108

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元網目構造をなす孔をもつフィルタ構
    造体からなる接種フィルタであって、 鋳型の成形キャビティにつながる通路において注湯口に
    近い側の前フィルタ部と、前記鋳型の通路において前記
    前フィルタ部に隣設し前記前フィルタ部よりも前記注湯
    口に対して遠い側の後フィルタ部とで構成され、 前記前フィルタ部は前記フィルタ構造体の孔部分に三次
    元的に被覆された接種剤層をもち、 前記後フィルタ部は接種剤層をもたないか、または、前
    記前フィルタ部よりも少量の接種剤層をもつことを特徴
    とする接種フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の接種フィルタにおいて、 注湯開始前において、前記前フィルタ部の溶湯通過抵抗
    は、前記後フィルタ部の溶湯通過抵抗よりも大きく設定
    されていることを特徴とする接種フィルタ。
  3. 【請求項3】請求項1〜2記載の接種フィルタを前記鋳
    型の通路に配置する配置工程と、 前記鋳型の注湯口から溶湯を注湯することにより、前記
    接種フィルタの接種剤により溶湯を接種すると共に、接
    種した溶湯を前記鋳型の成形キャビティに供給する溶湯
    供給工程とを実施する鋳鉄溶湯接種方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の鋳鉄溶湯接種方法におい
    て、 前記溶湯供給工程における前記鋳型の成形キャビティへ
    の溶湯供給の終了期に前記接種フィルタのフィルタ構造
    体を残存させることを特徴とする鋳鉄溶湯接種方法。
  5. 【請求項5】請求項3及び請求項4に記載の鋳鉄溶湯接
    種方法において、 前記鋳型の通路は、前記接種フィルタの前方に設けられ
    前記接種フィルタと対面すると共に通路の他の部分より
    も通路断面積が大きな反応室を備えていることを特徴と
    する鋳鉄溶湯接種方法。
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