JPH11197231A - 高機能被覆材及びその製造方法 - Google Patents

高機能被覆材及びその製造方法

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JPH11197231A
JPH11197231A JP10001410A JP141098A JPH11197231A JP H11197231 A JPH11197231 A JP H11197231A JP 10001410 A JP10001410 A JP 10001410A JP 141098 A JP141098 A JP 141098A JP H11197231 A JPH11197231 A JP H11197231A
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JP
Japan
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acid anhydride
polyol
polymer
coating material
anhydride group
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JP10001410A
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English (en)
Inventor
Masaya Yoshimura
昌也 吉村
Ryoichi Tsuruya
良一 鶴谷
Nobuyuki Tanimoto
信行 谷本
Yoichi Araki
陽一 荒木
Mika Matsumiya
美華 松宮
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的浅い創傷のみならず、深くて滲出液の
多い創にも好適に使用できる被覆材、及びその製造方法
を提供する。 【解決手段】 基材表面に酸無水物基を有するポリマー
とポリオールとから形成される架橋被膜を有し、湿潤時
に保湿性及び非固着性を有することを特徴とする高機能
被覆材、及び酸無水物基を有するポリマーとポリオール
とを基材表面で反応させて基材表面上に架橋被膜を形成
させ、次いで水系媒体中に浸漬することを特徴とする上
記高機能被覆材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆材及びその製
造方法に関するものであり、さらに詳しくは、特に医学
分野における創傷、例えば、採皮創、熱傷、挫滅創、褥
瘡、下腿潰瘍等の治療や処置に対して好適な創傷被覆材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的な創傷治癒の技術は、近年進歩が
著しく、熱傷や外傷、植皮片をとった後の採皮創等の比
較的浅い傷に対しての治癒が進んでおり、これらを治療
する創傷被覆保護材として多くの商品が使用されてい
る。これらの主な分類としては、合成高分子からなる合
成材料と、天然高分子からなる生体材料とに分類するこ
とができる。合成材料にはポリウレタンフィルム(商品
名:オプサイト等)、ハイドロコロイドドレッシング
(商品名:デュオアクティブ等)、ポリペプチドをコー
ティングしたナイロンファブリック(商品名:バイオブ
レン)等があり、生体材料としては凍結乾燥豚皮(商品
名:アロアスク)、コラーゲン繊維シート(商品名:メ
イパック)、キチン繊維シート(商品名:ベスキチン
W)等がある。しかし、深い創傷、例えば、褥瘡、下腿
潰瘍等の場合は、滲出液が多く感染もおこりやすいの
で、上記のような創傷被覆保護材では治療しにくいのが
実情である。例えば、合成材料からなる創傷被覆保護材
は創からの過剰の滲出液を除去する作用がないので、治
癒に必要な適度な湿潤環境を作ることができず、滲出液
が患部に貯留し、治癒が益々遅れることになる。一方、
生体材料からなる創傷被覆保護材は、過剰の滲出液の除
去には有効であるが、患部が乾燥状態になりやすく、ま
た、滲出液により材料が融解し治癒遅延の原因となるこ
とがある。さらに、創面への癒着による再生組織への損
傷も完全には否定できない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような治療で
は、早い時期の肉芽生成や表皮形成は期待できるもので
はない。創傷治癒の目的は創部をできるだけはやく治癒
状態に移行させることである。そのための創傷被覆材と
しての役割は、創面に十分に密着して保護でき、滲出液
を十分に吸収するとともに過剰の滲出液は創外に除去す
ることができ、融解耐性があり、感染をコントロール
し、肉芽形成や表皮形成を促進することができ、創面に
固着せず、なおかつ簡便なものであることが望ましい。
また、これらの機能を有するものはさまざまな治療ニー
ズに対応できるので、深い創傷にとどまらず、比較的浅
い創傷にも使用できる。本発明は、比較的浅い創傷のみ
ならず、深くて滲出液の多い創にも好適に使用できる被
覆材、及びその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0004】
【発明を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、被覆材を構成
する基材表面で酸無水物基を有するポリマーとポリオー
ルを架橋させることにより、湿潤時に保湿性、非固着性
を有する高機能被覆材が得られること、該高機能被覆材
が比較的浅い創傷のみならず、深くて滲出液の多い創に
も好適に使用できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、基材表面に酸無水物基を有するポ
リマーとポリオールとから形成される架橋被膜を有し、
湿潤時に保湿性及び非固着性を有することを特徴とする
高機能被覆材、及び酸無水物基を有するポリマーとポリ
オールとを基材表面で反応させて基材表面上に架橋被膜
を形成させ、次いで水系媒体中に浸漬することを特徴と
する上記高機能被覆材の製造方法を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明において被覆材を構成する基材は、
特に限定されるものではないが、コラーゲン、キチン、
キトサン、アルギン酸、セルロース等の天然高分子から
なるものや、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、シリコーン樹脂等の合成高分子でもよい。ただ
し、より強固な架橋被膜を基材表面に形成する場合に
は、使用する酸無水物と基材表面が直接反応することに
より結合するものが望ましく、コラーゲン、キトサン、
セルロース等のように表面にヒドロキシル基やアミノ基
を有するものが好ましい。
【0007】本発明において、酸無水物基を有するポリ
マーとは、酸無水物基を有する単量体単位が1分子中に
少なくとも2個以上含まれるような重合体及び共重合体
であり、例えば、無水マレイン酸−エチレン共重合体、
無水マレイン酸−スチレン共重合体、無水マレイン酸−
エチルビニルエーテル共重合体等の無水マレイン酸系ポ
リマー、ポリ無水アクリル酸、無水アクリル酸−スチレ
ン共重合体等の無水アクリル酸系ポリマー、ポリ無水メ
タクリル酸、無水メタクリル酸−スチレン共重合体等の
無水メタクリル酸系ポリマー等が挙げられる。
【0008】酸無水物基を有するポリマーの分子量は特
に制限されるものではないが、例えば、100万以下、
好ましくは50万以下、さらに好ましくは10万以下で
ある。分子量が100万を越えると、ポリオールとの混
合状態が均一でなかったり、ポリオールとの反応性が低
下したり、また、溶液を調製して基材を処理する際に溶
解度が低くなり、処理が行いにくくなることもある。
【0009】また、酸無水物基を有するポリマーが反応
性官能基として有する1分子中の酸無水物基の数は、2
個以上であれば本発明の目的を達することができるが、
1分子中の酸無水物基の数が少ないと架橋被膜を形成さ
せる反応に長時間を要し、また、反応条件が緩やかであ
ると架橋被膜の強度が充分でなかったり、湿潤時の保湿
性、薬剤保持性、非固着性等特性が低下することがある
ので、1分子中の酸無水物基を有するモノマーユニット
の数が多い方が好ましい。モノマーユニット数として
は、例えば、5以上、好ましくは50以上、さらに好ま
しくは100以上である。
【0010】本発明に用いられるポリオールとは、1分
子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有する化合物
を指し、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、ジグリセリン、ポリビニル
アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。
【0011】ポリオール1分子中の反応性官能基の数
は、特に制限されるものではないが、用いる酸無水物基
を有するポリマーが3個以上の反応性官能基を有する場
合は2個の反応性官能基を有するポリオールが好まし
い。酸無水物基を有するポリマーとポリオールが共に反
応性官能基を3個以上有する場合、架橋被膜の強度は高
くなるが、架橋の密度が高くなり過ぎ、良好な保湿性等
が得られない場合がある。良好な保湿性等を得るために
は、酸無水物基を有するポリマーとポリオールのうち一
方が1分子中に反応性官能基を2個有するものを使用す
ればよいが、ポリオールが反応性官能基を2個有する場
合が好ましい。
【0012】本発明では、酸無水物基を有するポリマー
とポリオールとを基材表面上にて反応させて、基材表面
に架橋被膜を形成させるが、基材表面に架橋被膜を形成
させる方法としては、例えば、酸無水物基を有するポリ
マーとポリオールとを溶解した溶液に基材表面を接触さ
せ、次いで基材表面を加熱する方法が好適である。
【0013】酸無水物基を有するポリマーとポリオール
とを溶解する溶媒としては、例えば、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチル
ケトン、クロロホルム、ニトロメタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等を用いることができ
る。
【0014】溶液中の酸無水物基を有するポリマーの濃
度は、例えば、0.1重量%以上、好ましくは0.2〜
10.0重量%、さらに好ましくは0.5〜5.0重量
%であり、また、溶液中のポリオールの濃度は、例え
ば、0.001重量%以上、好ましくは0.005〜1
0.0重量%、さらに好ましくは0.01〜5.0重量
%である。酸無水物基を有するポリマー、ポリオールの
溶液中の濃度が低過ぎると形成される被膜の強度が低下
する傾向があり、濃度が高過ぎると被膜の厚みにムラが
生じることがある。
【0015】また、溶液中の酸無水物基を有するポリマ
ーの酸無水物基とポリオールの反応性官能基のモル比
は、例えば、酸無水物基/反応性官能基が5以上、好ま
しくは50以上、さらに好ましくは100以上である。
反応性官能基が酸無水物基に対して過剰な場合、反応性
が低下し、架橋被膜の形成に長時間を要するので、酸無
水物基はポリオールが有する反応性官能基に対して過剰
になるように用いることが好ましい。また、酸無水物基
と反応性官能基が等量に近いと架橋反応を行った後、未
反応の酸無水物基、反応性官能基が少なくなるため、良
好な保湿性が得られにくい場合がある。
【0016】しかし、酸無水物基に対して反応性官能基
が少ない場合には、架橋被膜の強度が低くなり、脱落す
る可能性が生じるので、酸無水物基のモル比は、例え
ば、酸無水物基/反応性官能基が10000以下、好ま
しくは5000以下、さらに好ましくは1000以下で
ある。以上の点から、溶液中の酸無水物基を有するポリ
マーの酸無水物基とポリオールが有する反応性官能基の
モル比は、酸無水物基:反応性官能基=5:1〜100
00:1であることが好ましい。この際、得られた架橋
被膜中のポリオールの反応性官能基に対する酸無水物基
を有するポリマーの酸無水物基のモル比は5以上とな
る。
【0017】用いる酸無水物基を有するポリマー、ポリ
オールの分子量が共に大きいと溶液中の混合状態が悪く
なるので、少なくとも片方の化合物の分子量が5000
以下であることが好ましい。この際、酸無水物基を有す
るポリマーとポリオールのうち、反応性官能基が少ない
化合物の方を分子量5000以下のものとすることが好
ましい。反応性官能基が多い化合物の分子量が小さい
と、反応性官能基同士の距離が短くなるため、反応性が
低下することがある。
【0018】酸無水物基を有するポリマーとポリオール
とを溶解した溶液には、必要に応じて酢酸、硫酸、p−
トルエンスルホン酸等の酸、トリエチルアミン、ピリジ
ン等の塩基を添加してもよい。
【0019】このようにして調製した溶液を基材表面に
接触させる方法としては、基材を溶液に浸漬する方法、
溶液を基材表面に噴霧する方法、溶液を基材表面に塗布
する方法等を適宜選択することができる。基材を溶液に
浸漬する方法は、接触時間の制御が容易であるので特に
好適である。基材を溶液に浸漬する時間は、10秒〜2
4時間、好ましくは30秒〜2時間である。
【0020】基材表面に溶液を接触させた後、加熱する
ことにより酸無水物基を有するポリマーとポリオールと
が反応し、基材表面上に被膜を形成させることができ
る。加熱操作は、常温、減圧のいずれの状態で行っても
よい。加熱温度と時間は、例えば、30℃以上、好まし
くは50〜180℃、さらに好ましくは70〜150℃
で、5分〜48時間、好ましくは10分〜24時間、さ
らに好ましくは30分〜6時間である。
【0021】酸無水物基を有するポリマーとポリオール
との反応によって形成された架橋被膜を表面に有する基
材は、そのままでも水系媒体と接触すると保湿性や非固
着性、さらには薬剤保持性等を示すが、一度水系媒体と
接触させた後、乾燥することにより、再度水系媒体と接
触したときには直ちに保湿性、非固着性や薬剤保持性等
を示すようになる。
【0022】また、架橋被膜を表面に有する基材を、酸
無水物基を有するポリマーとポリオールを共に溶解し得
る溶媒中に浸漬した後、水系媒体中に浸漬すると湿潤時
の保湿性、非固着性や薬剤保持性等が向上するので好ま
しい。保湿性、非固着性や薬剤保持性等が向上する機序
は明らかではないが、架橋を形成する2種類の分子を共
に溶解し得る溶媒は容易に架橋被膜中に侵入し、架橋被
膜を膨潤させる。このため、分子鎖の自由度が増し、水
系媒体と接触させた時に水分子が架橋被膜中に入りやす
くなるものと推定される。
【0023】また、本発明の被覆材は、必要に応じて薬
剤を保持することができ、保持された薬剤は徐々に放出
される。上記操作の際、水系媒体に薬剤を添加しておけ
ば、水分子とともに薬剤が架橋被膜中に入り、乾燥とと
もに保持される。その結果、得られた被覆材の薬剤保持
性は向上する。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。
【0025】実施例1、比較例1 分子量約69000の無水マレイン酸−メチルビニルエ
ーテル共重合体〔アイエスピー社(ISP Co., Ltd.)
製〕5重量%と分子量400のポリエチレングリコール
(丸善薬品工業株式会社製)0.06重量%を溶解した
アセトン溶液に、コットエース(CO60SA26、目付:60
g/m2 、ユニチカ株式会社製)を室温で1時間浸漬し
た後、90℃で3時間加熱した。加熱後得られたコット
エースを水中に24時間浸漬した後、乾燥した。このコ
ットエースを10cm×10cmに裁断し、被覆材を得
た(実施例1)。また、比較のため上記の処理を行って
いないコットエースを10cm×10cmに裁断し、被
覆材を得た(比較例1)。
【0026】(吸水倍率の測定)実施例1及び比較例1
の被覆材を生理食塩水に30秒間浸漬した後引き上げ、1
分間水切りをした後、重量測定により吸水倍率を測定し
た。結果を表1に示す。実施例1の被覆材は比較例1の
被覆材に比べ高い吸水倍率を示した。
【0027】
【表1】
【0028】(性能試験)兎の背部に2.5cm×2.
5cmの皮膚分層欠損創を2カ所作製した。実施例1の
被覆材を30秒間生理食塩水に浸漬した後、片方の欠損
創の全体が覆われるように被覆し、その上をガーゼで覆
い、スキンテープで固定した。基本的に本品は交換せ
ず、治療完了まで使用するものとし、創の状態は毎日観
察した。また、同様の方法で、比較例1の被覆材をもう
片方の欠損創に用い、治療を行った。比較例1の被覆材
では、創面の新生組織と固着してしまい、治療終了時に
被覆材をはがすとき再度組織が欠損し治癒が遅延した。
それに対して実施例1の被覆材では、治癒終了時にも創
面と固着せず、十分な被覆効果を示し、実験開始14日
目には表皮化が完了した。
【0029】実施例2、比較例2 実施例1で作製した高機能被覆保護材をグルコン酸クロ
ロヘキシジン0.01wt%水溶液に24時間浸漬し、
40℃にて24時間乾燥した(実施例2)。これをリン
酸バッファー(pH7.6)に浸漬し、経時的に薬剤の
放出量を測定した。リン酸バッファーの溶液量は被覆材
の単位面積当たり1.36mlとした(10cm×10
cmの被覆材の場合136ml)。なお、溶液は毎日交
換した。一方、比較例1の被覆材も上記と同様の操作に
よりグルコン酸クロロヘキシジンに24時間浸漬し、4
0℃にて24時間乾燥させ(比較例2)、経時的に薬剤
の放出量を測定した。薬剤の放出量の経時変化を表2に
示す。比較例2の被覆材では薬剤を初期にすべて放出し
てしまったが、実施例2の被覆材では4週間以上の薬剤
の徐放性が認められた。
【0030】
【表2】
【0031】(性能試験)2羽の兎の背部に2cm×2
cmの皮膚全層欠損創を作成した。1羽の兎の欠損創に
実施例2の被覆材を用いて治療した。まず、欠損創に実
施例2の被覆材を十分に充填し、その上をガーゼで覆
い、スキンテープで固定した。基本的に本品は交換せ
ず、治療完了まで使用するものとし、創の状態は毎日観
察した。また、同様の方法で、比較例1の被覆材をもう
1羽の兎の欠損創に用い、治療を行った。実施例2の被
覆材では、感染をおこすことなくスムーズな治癒経過が
観察された。一方、比較例2の被覆材では、治療開始3
日後には明らかに局所感染が認められ、創が拡大する傾
向となり、治療開始後7日目には感染が悪化し創面積は
4cm×3.5cmに拡大し、兎は死亡した。感染創か
らの敗血症と考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明の高機能被覆材は、湿潤時に保湿
性、非固着性を有するので、比較的浅い創傷のみなら
ず、深くて滲出液の多い創にも好適に使用できる。医療
分野では熱傷、採皮創、植皮創等の皮膚欠損傷の創傷保
護材として本発明の高機能被覆材を使用した場合、患部
への密着性、非固着性、過剰な滲出液の排除効果に優れ
ているだけでなく、創傷を適度な湿潤状態に保ち、治癒
を促進させる。また、本発明の高機能被覆材は、薬剤保
持性にも優れているので、必要な場合には、抗菌剤のよ
うな各種薬剤を含浸させ、徐放させることも可能である
ので、感染の危険性の高い褥瘡のような深い創傷にも保
護材としての効果を発揮する。さらに、本発明の高機能
被覆材の製造方法は、簡便な方法により湿潤時に保湿
性、非固着性を有する被覆材を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 陽一 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 松宮 美華 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に酸無水物基を有するポリマー
    とポリオールとから形成される架橋被膜を有し、湿潤時
    に保湿性及び非固着性を有することを特徴とする高機能
    被覆材。
  2. 【請求項2】 酸無水物基を有するポリマー又はポリオ
    ールのいずれか一方が1分子中に2個の反応性官能基有
    し、他方が1分子中に3個以上の反応性官能基を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の高機能被覆材。
  3. 【請求項3】 ポリオールが1分子中に2個の反応性官
    能基を有することを特徴とする請求項2記載の高機能被
    覆材。
  4. 【請求項4】 酸無水物基を有するポリマーとポリオー
    ルのいずれかの分子量が5000以下であることを特徴
    とする請求項1記載の高機能被覆材。
  5. 【請求項5】 酸無水物基を有するポリマーとポリオー
    ルのいずれか一方が1分子中に2個の反応性官能基を有
    し、かつ分子量が5000以下であることを特徴とする
    請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載の高機
    能被覆材。
  6. 【請求項6】 基材表面で反応させる酸無水物基を有す
    るポリマーの反応性官能基とポリオールの反応性官能基
    のモル比が5:1〜10000:1であることを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
    5のいずれかに記載の高機能被覆材。
  7. 【請求項7】 被覆材を構成する基材が表面にヒドロキ
    シル基又はアミノ基のうち、少なくともいずれか一方を
    有することを特徴とする請求項1記載の高機能被覆材。
  8. 【請求項8】 酸無水物基を有するポリマーとポリオー
    ルとを基材表面で反応させて基材表面上に架橋被膜を形
    成させ、次いで水系媒体中に浸漬することを特徴とする
    請求項1記載の高機能被覆材の製造方法。
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