JPH11195964A - パルス信号発生装置 - Google Patents

パルス信号発生装置

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JPH11195964A
JPH11195964A JP36059697A JP36059697A JPH11195964A JP H11195964 A JPH11195964 A JP H11195964A JP 36059697 A JP36059697 A JP 36059697A JP 36059697 A JP36059697 A JP 36059697A JP H11195964 A JPH11195964 A JP H11195964A
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昌二 小山
Masami Tanaka
正美 田中
Tomoaki Ito
知明 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
磁性素子と、この磁性素子に関連して配置された検出手
段と、前記磁性素子に対して相対的に移動可能とされ且
つ該磁性素子に対するバイアス磁界を発生する第1の磁
界発生部分と該磁性素子に対するメイン磁界を発生する
第2の磁界発生部分とを前記移動方向に配列して有する
磁界発生手段とを備えたパルス信号発生装置であって、
前記磁性素子と前記磁界発生手段との間の前記相対的な
移動に応じて、前記検出手段によりコード化されたパル
ス信号が発生されるようにしている。 【効果】 所定のパターンでコード化された識別可能な
パルス信号を発生させることができるため、ノイズによ
る誤動作を有効に防止することができ、また、無電源で
あるため、節電にも有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス信号発生装
置に係り、特に、識別可能なコード化されたパルス信号
を発生させるためのパルス信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子キーや各種感知スイッチ等の種々な
操作に応じて、パルス信号を発生させることは、自動制
御の分野や、電気および電子機器等の各種の分野におい
て必要とされている。例えば、自動車のエアバック装置
を作動させるために、パルス信号を発生させる必要が生
じることがある。通常、この装置では、ノイズによる誤
動作を防止するために、例えば、作動装置の系統を二重
としたり、或いは、フィルター回路を併用する等の対策
が講じられている。しかしながら、これらの対策は、装
置の部品点数やコストを増大させるものとなり、また、
一般に、これらの対策による効果はそれほど高いもので
はない。更に、このようなエアバック装置に限ったこと
ではないが、発生されるパルス信号が、ワンパルス或い
は1度のみの信号の場合には、これをノイズと区別する
ことは非常に難しく、この結果、誤動作が発生しやすい
という問題もある。
【0003】また、コンピュータの分野においても、し
ばしば、パルス信号を発生させる必要が生じることがあ
る。例えば、コンピュータのスリープ状態を解除してウ
エイクアップ状態に変更するために、パルス信号の発生
が必要とされる。このスリープ状態は、長時間コンピュ
ータが使用されない場合に無駄な電力消費を防止するの
に役立っている。しかしながら、この状態変更のために
発生されるパルス信号のため、待機電源が必要であり、
従って、ここでは依然として無駄な電力が消費されてい
る。パルス信号発生装置を、サイリスタのスイッチング
操作のために使用する場合にも、同様の問題が生じ得
る。これらのパルス信号は、機械的、磁気的、その他の
方法によって発生させることができるが、特に、機械的
に発生する場合には、チャタリングを生じる危険が高
く、安全性に欠けるものとなっている。また、取り分
け、機械的接触によってパルス信号を発生させる場合に
は、接触部が磨耗したり、接触部に埃や塵がたまること
によってパルス信号を発生させることができなくなると
いう危険も生じている。
【0004】また、磁気的にパルス信号を発生する手段
としては、例えば、電磁ピックアップやリードスイッ
チ、或いは、ホールセンサ等があるが、これらはそれ自
体ではコード化されたパルス信号を発生させることは不
可能である。これらを組み合わせてコード化されたパル
ス信号を得ることは可能であるが、そのためには、複雑
な回路や電源等も必要となってしまうものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術のもつ問題点を解決するためになされたものであり、
所定のパターンでコード化された識別可能なパルス信号
を発生させることができるパルス信号発生装置を提供す
ることを目的とする。また、本発明は、無電源でパルス
信号を発生させることにより、ノイズに対する信頼性を
向上させるとともに、節電を図ったパルス信号発生装置
を提供することを目的とする。更に、本発明は、パルス
信号を非接触の構成で発生させることができるパルス信
号発生装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの観点によ
れば、大バルクハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子
と、この磁性素子に関連して配置された検出手段と、前
記磁性素子に対して相対的に移動可能とされ且つ該磁性
素子に対するバイアス磁界を発生する第1の磁界発生部
分と該磁性素子に対するメイン磁界を発生する第2の磁
界発生部分とを前記移動方向に配列して有する磁界発生
手段とを備えており、前記磁性素子と前記磁界発生手段
との間の前記相対的な移動に応じて、前記検出手段によ
りコード化されたパルス信号が発生されるようにしたこ
とを特徴とする。本発明の別の観点によれば、所定の間
隔で配置された大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
複数の磁性素子と、これら複数の磁性素子の各々に関連
して配置された複数の検出手段と、これら複数の検出手
段を並列に接続する接続手段と、前記複数の磁性素子の
各々に対して相対的に移動可能とされ且つ該複数の磁性
素子の各々に対するバイアス磁界を発生する第1の磁界
発生部分と該複数の磁性素子の各々に対するメイン磁界
を発生する第2の磁界発生部分とを前記移動方向に配列
して有する磁界発生手段とを備えており、前記複数の磁
性素子の各々と前記磁界発生手段との間の前記相対的な
移動に応じて、前記複数の検出手段の各々から順次に複
数のパルス信号を発生させるようにして、前記接続手段
にコード化されたパルス信号が得られるようにしたこと
を特徴とする。
【0007】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
磁界発生手段は、更に、前記磁性素子に対して何らの磁
気的作用をも及ぼさない非磁性部分を前記移動方向に配
列して有する。本発明の別の観点によれば、大バルクハ
ウゼンジャンプを起こしうる磁性素子と、この磁性素子
に対するバイアス磁界を発生する第1の磁界発生手段
と、前記磁性素子に関連して配置された検出手段と、前
記磁性素子に対して相対的に移動可能とされ且つ該磁性
素子に対するメイン磁界を発生する複数の磁界発生部分
を前記移動方向に配列して有する第2の磁界発生手段と
を備えており、前記磁性素子と前記第2の磁界発生手段
との間の前記相対的な移動に応じて、前記検出手段によ
りコード化されたパルス信号が発生されるようにしたこ
とを特徴とする。
【0008】本発明の別の観点によれば、所定の間隔で
配置された大バルクハウゼンジャンプを起こしうる複数
の磁性素子と、これら複数の磁性素子の各々に対するバ
イアス磁界を発生する第1の磁界発生手段と、前記複数
の磁性素子の各々に関連して配置された複数の検出手段
と、これら複数の検出手段を並列に接続する接続手段
と、前記複数の磁性素子の各々に対して相対的に移動可
能とされ且つ該複数の磁性素子に対するメイン磁界を発
生する磁界発生部分を有する第2の磁界発生手段とを備
えており、前記複数の磁性素子の各々と前記第2の磁界
発生手段との間の前記相対的な移動に応じて、前記複数
の検出手段の各々から順次にパルス信号を発生させるよ
うにして、前記接続手段にコード化されたパルス信号が
得られるようにしたことを特徴とする。
【0009】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
第2の磁界発生手段は、更に、前記磁性素子に対して何
らの磁気的作用をも及ぼさない非磁性部分を前記移動方
向に配列して有する。本発明の更に別の実施の形態によ
れば、前記複数の検出手段の中の少なくとも2つの検出
手段は、検出コイルであって、その中の1つの検出コイ
ルは、他の少なくとも1つの検出コイルとは、異なる長
さ、及び/又は、巻数とされている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について説明する
前に、本発明において使用する“大バルクハウゼンジャ
ンプを起こしうる磁性素子”(以下、単に磁性素子とい
う場合がある)について概略説明しておく。先ず、一般
的に知られているワイヤ状の複合磁性素子を例として、
その構造と挙動について説明する。強磁性体を線引きし
て細いワイヤにしたものは、その合金組成とともに独特
な磁気的性質を持つ。この強磁性体ワイヤにひねり応力
を加えると、ワイヤの外周部付近ほど多くひねられ、中
心部ほどひねられ方は少なくなり、このため外周部と中
心部では磁気特性が異なることとなる。この状態を残留
させる加工を施すと、外周部と中心部で磁気特性が異な
る強磁性体の磁気ワイヤができる。そして、外周部の磁
気特性は、比較的小さな磁界によってその磁化方向を変
える。これに対して、中心部は、外周部よりも大きな磁
界によってその磁化方向を変える。すなわち、一本の磁
気ワイヤの中に比較的磁化され易い磁気特性を持つ外周
部と、磁化されにくい中心部という2種類の異なった磁
気特性を持つ複合磁性体が形成されている。この複合磁
気ワイヤは、一軸異方性である。ここでは、外周部をソ
フト層、中心部をハード層と呼び、このような複合磁気
ワイヤを、ワイヤ状の複合磁性素子と称する。
【0011】この複合磁気ワイヤのハード層およびソフ
ト層は、初期的には、どのような方向に磁化されている
か定まっておらず、バラバラな磁化状態にある。この複
合磁気ワイヤの長手方向、つまり軸線方向と平行に、ハ
ード層の磁化方向を反転させるのに十分な外部磁界をか
けると、ソフト層は、当然のこと、ハード層も磁化され
同じ磁化方向にそろう。次に、ソフト層だけを磁化でき
るような外部磁界を、前とは逆方向にかける。その結
果、複合磁気ワイヤのソフト層とハード層とでは磁化さ
れている方向が逆であるという磁化状態ができる。一軸
異方性であるから、この状態で外部磁界を取り去っても
ソフト層の磁化方向は、ハード層の磁化に押さえられて
いて磁化状態は安定している。このときの外部磁界をセ
ット磁界と呼ぶ。次に、セット磁界と反対方向の外部磁
界をかけてこの磁界を増加させる。外部磁界の強さがあ
る臨界強度を越すと、ソフト層の磁化方向は急激に反転
する。この磁界を、臨界磁界と呼ぶ。このときの反転現
象は、雪崩をうつようにソフト層の磁壁が移動し反応が
起きる。この結果、ソフト層とハード層の磁化方向は同
じとなり最初の状態に戻る。外部磁界は臨界磁界よりも
大きな磁界をかけておく。この磁界を、リセット磁界と
呼ぶ。この雪崩をうつように磁壁が移動する現象を大バ
ルクハウゼンジャンプという。磁壁の速度(磁束密度の
変化)は、この大バルクハウゼンジャンプのみに依存し
ていて外部磁界には無関係である。
【0012】“大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
磁性素子”について、ワイヤ状の磁性素子を例に挙げて
説明してきたのであるが、本発明においては、このよう
なワイヤ状の複合磁性素子に限らず、同様の挙動を示す
他の種々な磁性素子を使用できるものである。また、前
述した複合磁性素子は、ハード層とソフト層とを有する
ものであったが、大バルクハウゼンジャンプを起こしう
る磁性素子としては、このようなハード層とソフト層と
の複合層を有していないような磁性素子でも可能であ
る。例えば、特開平4−218950号公報に開示され
ているような薄膜形成技術を使用することにより、薄膜
状の磁性体を形成し、これを、薄膜状の磁性素子として
使用することもできる。また、この磁性素子は、厚膜状
でも板状でもよい。したがって、ここでいう“大バルク
ハウゼンジャンプを起こしうる磁性素子”は、前述した
ような挙動を示す種々な磁性素子のすべてを含むもので
ある。尚、板状又は膜状にした場合には、平面コイルと
することもできる。
【0013】次に、図1を参照して、本発明の第1の実
施例によるパルス信号発生装置について説明する。図1
は、この実施例によるパルス信号発生装置の構成を概略
的に示している。このパルス信号発生装置1は、主に、
ワイヤ状素子である磁性素子10と、この磁性素子10
の周りに巻回された検出コイル20と、これら磁性素子
10や検出コイル20の近傍に配置されてその近傍を相
対的に移動することができる配列体60とを備える。配
列体60は、複数のバイアス磁石30と複数のメイン磁
石40、更に言えば、4つのバイアス磁石301 〜30
4 と複数のメイン磁石401 〜404 から成る。ここ
に、バイアス磁石301 〜304 は、磁性素子10の近
傍に配置された際に、磁性素子10のハード層に対して
ソフト層を逆方向に磁化し得る磁界(バイアス磁界)を
発生させるもの、一方、メイン磁石401 〜403 は、
磁性素子10の近傍に配置された際に、磁性素子10の
ハード層に対してソフト層を同方向に磁化し得る磁界
(メイン磁界)を発生させるものである。配列体60
は、これら2種類の磁石を、交互に且つ並列に、板状に
配列することによって形成されている。
【0014】各磁石301 〜304 、401 〜403
全て、棒状の永久磁石として形成されている。各磁石3
1 〜304 、401 〜403 は、それぞれ、軸方向に
磁化されており、それらの磁極(N極、S極)は、各磁
石の両端部に現れる。ここでは特に、紙面側において、
バイアス磁石30がN極を、メイン磁石40がS極を、
現すように配列されている。当然のことながら、紙面奥
側(図示されていない側)においては、バイアス磁石3
0がS極を、メイン磁石40がN極を現している。配列
体60は、磁性素子10及び検出コイル20の近傍を、
矢印イ乃至ロの方向に往復運動を行う。この運動は、図
示のように、配列体60の一方の端部に取り付けられた
レバー3等を用いて手動で行われてもよいし、また、自
動車の衝突等に応じて自動的に行われるようにしてもよ
い。明らかなように、配列体60が運動することによ
り、磁性素子10及び検出コイル20に対し、配列体6
0を構成するバイアス磁石30やメイン磁石40の各々
が交互に接近し、この結果、磁性素子10は、各バイア
ス磁石30やメイン磁石40から発生される磁界の影響
を交互に受けることになる。尚、配列体60を固定して
磁性素子10及び検出コイル20を運動させることによ
って同様の効果を得られることは明らかであろう。ここ
で重要なことは、配列体60と、磁性素子10及び検出
コイル20とが、相対的に移動することである。
【0015】次に、このような構成を有するパルス信号
発生装置の動作について説明する。ここでは、配列体6
0が、磁性素子10や検出コイル20に対して、矢印イ
の方向に運動する場合を考える。尚、配列体60は、一
定の速度で運動しているものと仮定する。配列体60の
接近によって、先ず、配列体60中のバイアス磁石30
1 が、磁性素子10に対して最も接近した状態となる。
バイアス磁石301 が磁性素子10にある程度接近した
ときに、このバイアス磁石301 による磁界の影響が磁
性素子10に現れる。正確に言えば、このバイアス磁石
301 の接近に伴って、これと隣り合うよう配列された
メイン磁石401 その他の磁石も接近することになる
が、少なくとも、バイアス磁石301 が磁性素子10に
対して最も接近した状態においては、バイアス磁石30
1 の磁界の方が、他の磁石の磁界に比べて、磁性素子1
0に対して優勢になるように設定されているものとす
る。
【0016】バイアス磁石301 が磁性素子10にある
程度接近すると、このバイアス磁石301 による磁界の
影響により、磁性素子10は、自身のソフト層だけがハ
ード層と逆方向に磁化された状態とされる。この磁性素
子10における磁化の変化は、磁性素子10の周りに巻
回された検出コイル20によってパルス電圧として検出
され得る。このとき検出されるパルス電圧を、図1にa
で示している。更に、配列体60が移動すると、バイア
ス磁石301 は磁性素子10から遠ざかり、一方、この
バイアス磁石301 と隣り合うよう配列されたメイン磁
石40 1 が磁性素子10に対して最も接近した状態とな
る。メイン磁石401 が磁性素子10にある程度接近し
たときに、このメイン磁石401 による磁界の影響が磁
性素子10に現れる。上に述べたのと同様に、正確に言
えば、このメイン磁石401 の接近に伴って、これと隣
り合うよう配列されたバイアス磁石302 その他の磁石
も接近することになり、また、メイン磁石401 が磁性
素子10に接近したときでも、これと隣り合うよう配列
されたバイアス磁石301 の磁界の影響は磁性素子10
に及んでいるが、少なくとも、メイン磁石401 が磁性
素子10に対して最も接近した状態においては、メイン
磁石401 の磁界の方が、他の磁石の磁界に比べて、磁
性素子10に対して優勢になるように設定されているも
のとする。
【0017】メイン磁石401 が磁性素子10にある程
度接近すると、このメイン磁石40 1 による磁界の影響
により、磁性素子10にかかる磁界が逆転し、ハード層
と同じ向きの磁界が加わる。このため、磁性素子10の
ソフト層はそのハード層と同じ向きに反転され、この結
果、大バルクハウゼンジャンプが発生し、ソフト層とハ
ード層が同方向に磁化される。上述したように、これは
ソフト層の磁界が非常に早い速度で変化していることな
ので、電磁誘導作用により検出コイル20には、パルス
電圧が発生する。この磁性素子10における磁化の変化
は、バイアス磁石301 による磁界と同様に、磁性素子
10の周りに巻回された検出コイル20によってパルス
電圧として検出され得る。このとき検出されるパルス電
圧を、図1にbで示している。
【0018】同様の方法で検出されたパルス電圧を、c
〜gに示している。これらの各パルス電圧c〜gは、バ
イアス磁石302 、メイン磁石402 、バイアス磁石3
3、メイン磁石403 、バイアス磁石304 の各磁界
の働きによって、それぞれ生じたものである。配列体6
0の運動は、特に、メイン磁石40の各磁界の働きによ
って生じたパルス電圧、即ち、パルス電圧b、d、f
を、検出することにより行われる。即ち、配列体60が
磁性素子10に対して一定の速度で運動した場合には、
これら3つのパルス電圧b、d、fが等間隔で出力され
ることから、これらのパルス信号を1つのコード化され
た信号として認識し、このコード化されたパルス信号の
発生を検出することによって、配列体60の運動を認識
することができる。このコード化信号は、等距離ずつ離
間された規則正しいパルス電圧の集合として認識される
ことから、単発のノイズや、不規則なノイズが生じた場
合であっても、これらのノイズとコード化信号とを容易
に区別することができる。このように、本発明によるパ
ルス信号発生装置は、磁性素子10において発生する大
バルクハウゼンジャンプによる磁化状態の変化を、検出
コイル20にて、コード化されたパルス電圧として検出
するものである。
【0019】次に、図2を参照して、本発明の第2の実
施例によるパルス信号発生装置について説明する。図2
は、図1と同様の方法で、この実施例によるパルス信号
発生装置1Aの構成を概略的に示している。尚、特に記
載しない限り、このパルス信号発生装置1Aは、図1の
パルス信号発生装置1と同様の構成を有し、また、同様
に働くものとする。図2の実施例は、配列体の構成のみ
が図1の実施例と異なっている。図2の実施例の配列体
60Aは、複数のバイアス磁石30Aとメイン磁石40
Aに加えて、更に、複数のスペーサ50Aを適当に組み
合わせることによって形成されている。ここでは、2つ
のバイアス磁石30A1 、30A2 と、2つのメイン磁
石40A1 、40A2 、及び3つのスペーサ50A1
50A3 が使用されており、これらが矢印ロに向かう方
向に、スペーサ50A1 、バイアス磁石30A1 、メイ
ン磁石40A1 、スペーサ50A2 、スペーサ50
3 、バイアス磁石30A 2 、メイン磁石40A2 の順
に交互に配列されている。尚、スペーサ50A1 〜50
3 は、バイアス磁石30A1 、30A2 やメイン磁石
40A1 、40A2とは異なり、それ自身は磁化されて
おらず、また、他の磁石によって磁化されることもな
い。従って、スペーサ50A1 〜50A3 は、磁性素子
10に対して、何らの磁気的作用も及ぼすものではな
い。スペーサ50A1 〜50A3 を形成する部材として
は、非磁性体である、例えばゴムを用いることができ、
更に、このような何らかの実在する部材ではなく、単な
る空間を用いることもできる。
【0020】次に、このような構成を有するパルス信号
発生装置の動作について説明する。ここでは、図1の実
施例と同様に、配列体60Aは、磁性素子10や検出コ
イル20に対して、矢印イの方向に一定の速度で運動す
るものと仮定する。配列体60Aの接近により、先ず、
配列体60A中のスペーサ50A1 が、磁性素子10に
対して最も接近した状態となるが、上述したように、ス
ペーサ50A1 は、磁性素子10に対しては、何らの磁
気的作用をも及ぼすものではない。従って、検出コイル
20には、何らの変化も生じない。更に、配列体60A
が移動すると、スペーサ50A1 は磁性素子10から遠
ざかり、一方、これと隣り合うよう配列されたバイアス
磁石30A1 が磁性素子10に対して最も接近した状態
となる。バイアス磁石30A1 が磁性素子10にある程
度接近したときに、このバイアス磁石30A1 による磁
界の影響が磁性素子10に現れる。正確に言えば、この
バイアス磁石30A1 の接近に伴って、これと隣り合う
よう配列されたメイン磁石40A1 その他の磁石も接近
することになるが、少なくとも、バイアス磁石30A1
が磁性素子10に対して最も接近した状態においては、
バイアス磁石30A1 の磁界の方が、他の磁石の磁界に
比べて、磁性素子10に対して優勢になるように設定さ
れているものとする。
【0021】バイアス磁石30A1 が磁性素子10にあ
る程度接近すると、このバイアス磁石30A1 による磁
界の影響により、磁性素子10は、自身のソフト層だけ
がハード層と逆方向に磁化された状態とされる。この磁
性素子10における磁化の変化は、磁性素子10の周り
に巻回された検出コイル20によってパルス電圧として
検出され得る。このとき検出されるパルス電圧を、図2
にa1 で示している。その後、更に配列体60Aが移動
すると、バイアス磁石30A1 は磁性素子10から遠ざ
かり、一方、これと隣り合うよう配列されたメイン磁石
40A1 が磁性素子10に最も接近した状態となる。メ
イン磁石40A1 が磁性素子10にある程度接近したと
きに、このメイン磁石40A1 による磁界の影響が磁性
素子10に現れる。上に述べたのと同様に、正確に言え
ば、メイン磁石40A1 が磁性素子10に接近したとき
でも、これと隣り合うよう配列されたバイアス磁石30
1 の磁界の影響は磁性素子10に及んでいるが、少な
くとも、メイン磁石40A1 が磁性素子10に対して最
も接近した状態においては、メイン磁石40A1の磁界
の方が、バイアス磁石30A1 その他の磁石の磁界に比
べて、磁性素子10に対して優勢となるように設定され
ているものとする。
【0022】メイン磁石40A1 が磁性素子10にある
程度接近すると、このメイン磁石401 による磁界の影
響により、磁性素子10にかかる磁界が逆転し、ハード
層と同じ向きの磁界が加わる。このため、磁性素子10
のソフト層はそのハード層と同じ向きに反転され、その
結果、大バルクハウゼンジャンプが発生し、ソフト層と
ハード層が同方向に磁化され得る。この磁性素子10に
おける磁化の変化は、バイアス磁石30A1 による磁界
と同様に、磁性素子10の周りに巻回された検出コイル
20によってパルス電圧として検出され得る。このとき
検出されるパルス電圧を、図1にb1 で示している。同
様の方法で検出されたパルス電圧を、c1 、d1 に示し
ている。これらの各パルス電圧c1 、d1 は、それぞ
れ、バイアス磁石30A2 、メイン磁石40A 2 の各磁
界の働きによって生じたものである。配列体60Aの運
動は、特に、メイン磁石40の各磁界の働きによって生
じたパルス電圧、即ち、パルス電圧b1、d1 を、検出
することにより行われる。即ち、配列体60が磁性素子
10に対して一定の速度で運動した場合には、これら2
つのパルス電圧b1 、d1 が出力されることから、これ
らのパルス信号を1つのコード化された信号として認識
し、このコード化されたパルス信号の発生を検出するこ
とによって、配列体60Aの運動を認識することができ
る。ここで、図2の配列体60Aが、図1の配列体60
と同じ速度で運動していると仮定すれば、これらのパル
ス電圧b1 、d1 の間隔は、図1の実施例のパルス電圧
b、d、fの各間隔に比較して、スペーサ50Aが設け
られている分だけ大きなものとなる。従って、図1の実
施例による配列体60と、図2の実施例による配列体6
0Aとは、パルス電圧の数のみならず、これらの間隔に
よっても区別され得る。即ち、比較的大きく離間された
2つのパルス信号から成る、コード化信号が出力された
場合には、配列体60Aの運動を認識することができ
る。
【0023】次に、図3を参照して、本発明の第3の実
施例によるパルス信号発生装置について説明する。図3
は、図1、図2と同様の方法で、この実施例によるパル
ス信号発生装置1Cの構成を概略的に示している。尚、
次の点を除いて、このパルス信号発生装置1Cは、図1
や図2の実施例と同様の構成を有し、また、同様に動作
する。このパルス信号発生装置1Cは、主に、ワイヤ状
素子である磁性素子10と、この磁性素子10の周りに
巻回された検出コイル20と、これら磁性素子10や検
出コイル20の近傍に配置されてその近傍を移動する配
列体60Cと、磁性素子10や検出コイル20の近傍に
固定されたバイアス磁石30Cとを備える。配列体60
Cは、複数のメイン磁石40Cとスペーサ50Cとを適
当に組み合わせることによって形成されている。ここで
は、4つのメイン磁石C1 〜40C 4 と、3つのスペー
サ50C1 〜50C3 が使用されており、それらが矢印
ロの方向に、メイン磁石40C1 、メイン磁石40
2 、スペーサ50C1 、スペーサ50C2 、スペーサ
50C3 、メイン磁石40C3 、メイン磁石40C4
順に交互に配列されている。尚、上で述べたように、ス
ペーサ50は、単なる空間であってもよい。
【0024】この実施例では、図1や図2の実施例と異
なり、バイアス磁石30Cは、配列体60Cの一部を構
成しない。代わりに、バイアス磁石30Cは、磁性素子
10や検出コイル20の近傍に配置されている。また、
配列体60Cの運動前後において、バイアス磁石30C
と、磁性素子10及び検出コイル20との位置関係は維
持され、従って、磁性素子10は、常に、バイアス磁石
30Cによる磁界の影響を受けた状態にある。このよう
に、バイアス磁石30Cを、磁性素子10や検出コイル
20の側に設けることにより、装置をより小型化し、ま
た、安価とすることもできる次に、このような構成を有
するパルス信号発生装置の動作について説明する。ここ
でも、図1や図2の実施例と同様に、配列体60Cは、
磁性素子10や検出コイル20に対して、矢印イの方向
に一定の速度で運動するものと仮定する。
【0025】図3に示すように、配列体60Cが磁性素
子10にあまり接近していない状態では、磁性素子10
に対するメイン磁石40C1 〜40C3 からの磁界はい
ずれも弱く、従って、磁性素子10はメイン磁石40C
1 〜40C3 による影響を受けない。しかしながら、こ
の場合でも、磁性素子10は、その近傍に配置されたバ
イアス磁石30Cの磁界の影響を受けるため、磁性素子
10は、自身のソフト層だけがハード層とは逆方向に磁
化された状態とされている。配列体60Cの接近によ
り、先ず、配列体60C中のメイン磁石40C1 が、磁
性素子10に対して最も接近した状態となる。メイン磁
石40C1 が磁性素子10にある程度接近したときに、
このメイン磁石40C1 による磁界の影響が磁性素子1
0に現れる。正確に言えば、このときも、磁性素子10
はバイアス磁石30Cによる磁界の影響を受けている
が、少なくとも、メイン磁石40C1 が磁性素子10に
対して最も接近した状態においては、メイン磁石40C
1 の磁界の方が、バイアス磁石30Cの磁界に比べて、
磁性素子10に対して優勢となるように設定されている
ものとする。
【0026】メイン磁石40C1 が磁性素子10にある
程度接近すると、このメイン磁石40C1 による磁界の
影響により、磁性素子10にかかる磁界が逆転し、ハー
ド層と同じ向きの磁界が加わる。このため、磁性素子1
0のソフト層はそのハード層と同じ向きに反転され、そ
の結果、大バルクハウゼンジャンプが発生し、ソフト層
とハード層が同方向に磁化され得る。これはソフト層の
磁界が非常に早い速度で変化していることなので、電磁
誘導作用により検出コイル20には、パルス電圧が発生
する。磁性素子10における磁化の変化は、磁性素子1
0の周りに巻回された検出コイル20によってパルス電
圧として検出され得る。このとき検出され得るパルス電
圧を、図3にa3 で示している。更に、配列体60Cが
移動すると、メイン磁石40C1 は磁性素子10から遠
ざかり、一方、これと隣り合うよう配列されたメイン磁
石40C2 が磁性素子10に最も接近した状態となる。
メイン磁石40C2 が磁性素子10にある程度接近した
ときに、このメイン磁石40C2 による磁界の影響が磁
性素子10に現れる。上に述べたのと同様に、正確に言
えば、このときも、磁性素子10は、バイアス磁石30
Cによる磁界の影響を受けているが、少なくとも、メイ
ン磁石40C2 が磁性素子10に対して最も接近した状
態においては、メイン磁石40C2の磁界の方が、バイ
アス磁石30Cの磁界に比べて、磁性素子10に対して
優勢となるように設定されているものとする。
【0027】メイン磁石40C2 が磁性素子10にある
程度接近すると、このメイン磁石40C2 による磁界の
影響により、磁性素子10にかかる磁界が逆転し、ハー
ド層と同じ向きの磁界が加わり、ソフト層がハード層と
同方向に磁化され得る。尚、この実施例では、磁性素子
10は、常に、バイアス磁石30Cによる磁界の影響を
受けた状態にあり、従って、磁性素子10のソフト層だ
けがハード層とは逆方向に磁化されるようにバイアスさ
れているため、メイン磁石40C1 による影響を受けた
後であって、且つ、メイン磁石40C2 による影響を受
ける前には、磁性素子10のソフト層はハード層と逆向
きに磁化される。メイン磁石40C2 による磁性素子1
0における磁化の変化は、磁性素子10の周りに巻回さ
れた検出コイル20によってパルス電圧として検出され
得る。このとき検出され得るパルス電圧を、図3にb3
で示している。
【0028】その後、更に、配列体60Cが移動する
と、メイン磁石40C2 は磁性素子10から遠ざかり、
一方、これと隣り合うよう配列されたスペーサ50C1
が磁性素子10に最も接近した状態となる。スペーサ5
0C1 は、磁性素子10に対しては、何らの磁気的作用
をも及ぼすものではないため、磁性素子10は、バイア
ス磁石30Cによる磁界の影響のみを受け、磁性素子1
0のソフト層はハード層と逆向きに磁化される。同様の
方法で検出されたパルス電圧を、c3 、d3 に示してい
る。これらの各パルス電圧c3 、d3 は、それぞれ、メ
イン磁石40C3 、メイン磁石40C4の各磁界の働き
によって生じたものである。また、スペーサ50C1
50C3が設けられていることから、パルス電圧b3
パルス電圧c3 は、比較的大きく離間される。配列体6
0Cの運動は、これらメイン磁石40の各磁界の働きに
よって生じたパルス電圧a3 〜d3 を、検出することに
より行われる。即ち、配列体60が磁性素子10に対し
て一定の速度で運動した場合には、比較的接近した2つ
のパルス信号a3 、b3 と、それらとは離間された2つ
のパルス信号c3 、d3 が出力され、これらのパルス信
号を1つのコード化された信号として認識し、このコー
ド化されたパルス信号の発生を検出することによって、
配列体60Cの運動による特有の信号を認識することが
できる。従って、図1の実施例による配列体60や、図
2の実施例による配列体60Aとは、異なるコード化信
号が出力されることになり、このコード化信号を検出す
ることにより、配列体60Cの運動による特有の信号を
認識することができる。
【0029】次に、本発明の第4の実施例によるパルス
信号発生装置について説明する。尚、ここでは、特に、
装置の小型化を図るという観点から、図3の実施例を利
用した例を説明するが、図1や図2の実施例を利用して
もよいことは、以下の記載から明らかであろう。従っ
て、この実施例は、図3の実施例のみの応用例であると
解すべきではない。この第4の実施例によるパルス信号
発生装置1Dでは、図1〜図3の実施例と異なり、磁性
素子、検出コイル、及びバイアス磁石の組(以下、検出
部90Dと呼ぶ)が、3つ設けられている。ここに、第
1の検出部90D1 は、磁性素子10D1 と、検出コイ
ル20D1 、及びバイアス磁石30D1 、第2の検出部
90D2 は、磁性素子10D2 と、検出コイル20
2 、及びバイアス磁石30D2、第3の検出部90D
3 は、磁性素子10D3 と、検出コイル20D3 、及び
バイアス磁石30D3 によって、それぞれ形成されてい
る。これら各検出部90D 1 〜90D3 は、それらの一
部を構成する検出コイル20D1 〜20D3 の長さ及び
巻数のみが異なっている。即ち、検出部90D1 を構成
する検出コイル20D1 が、最も小さな長さ及び巻数を
有し、一方、検出部90D3 を構成する検出コイル20
3 が、最も大きな長さ及び巻数を有する。これらの検
出部90D1〜90D3 は、各検出コイル20D1 〜2
0D3 の各端部において、他の検出部に属する検出コイ
ル20D1 〜20D3 の各端部と、1組の配線70によ
って並列に接続されている。
【0030】次に、このような構成を有するパルス信号
発生装置の動作について説明する。ここでは、1つのメ
イン磁石40Dが、各検出部に向かって、矢印イの方向
に一定の速度で相対的に運動するものと仮定する。メイ
ン磁石40Dは、先ず、検出部90D1 に対して最も接
近した状態となる。メイン磁石40Dが、検出部90D
1 にある程度接近したときに、メイン磁石40Dによる
磁界の影響が、磁性素子10D1 に磁化の変化として現
れる。この磁化の変化は、検出コイル20D1 によって
パルス電圧として検出される。このとき検出されるパル
ス電圧を、図4にa4 で示している。次に、メイン磁石
40Dは、検出部90D2 に対して最も接近した状態と
なる。メイン磁石40Dが、検出部90D2 にある程度
接近したときに、上と同様の方法で、検出コイル20D
2 によってパルス電圧が検出される。このとき検出され
るパルス電圧を、図4にb4 で示している。更に、メイ
ン磁石40Dが検出部90D3 に接近したときも、同様
に、図4にc4 で示すようなパルス電圧が発生し得る。
【0031】上に述べたように、検出部90D1 〜90
3 の検出コイル20D1 〜20D 3 は、互いに長さ及
び巻数が異なっていることから、各検出部90D1 〜9
0D 3 の検出コイル20D1 〜20D3 によって検出さ
れるパルス電圧の大きさは、互いに異なったものとな
る。即ち、検出コイル20D1 によって検出されるパル
ス電圧a4 が最も小さく、検出コイル20D3 にとて検
出されるパルス電圧c4が最も大きい。このように検出
コイルの長さ及び巻数を変更することにより、同一のメ
イン磁石40Dに対して、異なる大きさのパルス電圧を
発生させることができる。従って、メイン磁石40Dが
各検出部90D1 〜90D3 に対して一定の速度で運動
した場合には、徐々に大きくなる3つのパルス信号a4
〜c4 が出力されることになり、これらのパルス信号を
1つのコード化された信号として認識し、このコード化
されたパルス信号の発生を検出することによって、メイ
ン磁石40Dの運動を認識することができる。また、こ
の場合には、検出コイルを接続するために1組の配線7
0のみを使用すればよいため、構造を簡素化することが
でき、装置の一体化を図ることもできる。勿論、各検出
部90D1 〜90D3の磁性素子や、検出コイル、及び
バイアス磁石の長さや巻数を同じ構成とすれば、同じ大
きさのパルス電圧を得ることもでき、この場合にも、構
造の簡素化や装置の一体化を図ることができるという利
点がある。尚、メイン磁石40Dの代わりに、図3の実
施例で説明したような複数の磁石から成る配列体60を
使用すれば、更に複雑なパルス電圧を発生させることも
でき、これによって、更に高い分解能を有するコード化
信号を発生させることもできる。
【0032】上に述べた図1〜図4の各実施例において
は、バイアス磁石30やメイン磁石40、或いはスペー
サ50の数や組合せを適当に変更することにより、所望
とする様々なコード化信号を得ることができることは明
らかであろう。また、これらの実施例を適当に組み合わ
せることによっても、所望のコード化信号を得ることが
できる。例えば、コード数を増やせば、ノイズの発見も
更に容易なものとなろう。本発明の構成は、種々な装置
に応用することができる。例えば、上のレバー3を自動
車のシフトレバーの動きに関連して移動しうるようにし
ておくことにより、シフトレバーの移動に応じて発生さ
れるコード化パルス信号によって、シフトレバーが、N
(ニュートラル)や、R(リターン)、D(ドライブ)
のいずれの位置にあるのかを容易に検出することができ
る。また、例えば、本発明の構成を、自動車のサンルー
フに使用して、サンルーフの現在の位置、例えば、開閉
の状態、開き具合の度合いを検出することもできる。更
に、本発明をコンピュータのウエイクアップシステムに
利用した場合には、コード化されたパルス信号の中の最
初の信号を、コンピュータのスリープ状態を解除するた
めに使用し、次の信号以降でコンピュータに所定の処理
を開始させるようにして、節電を図ったり、また、コン
ピュータの操作を簡易にすることもできる。
【0033】本発明の構成の、特に、自動車のエアバッ
クへの応用例を、図5に概略的に示している。明らかな
ように、この応用例では、配列体の運動は手動ではなく
自動で行われる。配列体60Eは、スイッチ5に取り付
けられており、また、特に図示していないが、スイッチ
5の内部には、配列体60Eの近傍に配置されるように
して、磁性素子、検出コイル等から成る検出部が設けら
れている。重り7は、例えば、自動車のフロント部に取
り付けられている。自動車のフロントが、所定以上の強
さで物体に衝突したとき、この衝撃によって、重り7は
スイッチ5の方向に移動する。この結果、配列体60E
は、重り7の運動によって、スイッチ5の方向へと移動
され、上に示した各実施例に従って、所定のコード化信
号が出力され得る。エアバックは、所定のコード化信号
にのみ反応し、ノイズを検出した場合には反応しない。
これにより、本発明によれば、誤動作を減少させること
ができる。
【0034】尚、前述した各実施例では、磁性素子とし
てワイヤ状素子を使用したのであるが、本発明は、これ
に限らず、種々な形の磁性素子を使用することができ、
例えば、薄膜状素子である磁性素子を使用することもで
きる。このように、磁性素子として薄膜状素子を使用し
た場合には、検出コイルも平面検出コイルとすることも
考えられる。更に、前述したような磁性素子に代えて、
単層の磁性素子を使用することもできる。また、前述し
た各実施例では、バイアス磁石は、永久磁石としたので
あるが、これは、電磁石等、他の同様の手段に置き換え
ることもできる。また、検出手段は、コイルとしたので
あるが、これは、ホール素子、MR素子、共振回路等、
他の同様の手段に置き換えることもできる。更に、これ
らの手段を様々に組み合わせてもよい。
【0035】また、前述した各実施例では、配列体は、
複数の磁石やスペーサから構成されているとしている
が、配列体を、1枚の磁性体として形成することもでき
る。即ち、1枚の磁性体を、複数の所定個所で並列方向
に磁化させることにより、複数の磁石やスペーサから構
成されるものと同様の構成を有した1枚の磁性体を形成
することもできる。
【0036】
【発明の効果】所定のパターンでコード化された識別可
能なパルス信号を発生させることができるため、ノイズ
による誤動作を有効に防止することができる。また、無
電源とすることが可能であり、防爆型にまとめることも
容易である。これにより、節電を図ることができ、ま
た、安全性を高めたり、ノイズ対策を容易に行うことが
できる。また、複数の検出手段を並列接続することとし
たため、各検出手段から発生される信号の全てをたった
2本の(1組の)配線によって得ることができ、この結
果、構造の簡素化、一体化を図ることもできる。更に、
パルス信号を、非接触の構成で発生させることができる
ため、磨耗され易い部分や、埃や塵に弱い部分でも、本
発明の構成は有効である。
【0037】尚、上にも述べたように、本発明は、例え
ば、自動車のシフトレバーや、サンルーフ、エアバック
システムに使用して特に効果のあるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるパルス信号発生装
置の構成を概略的に示す図。
【図2】本発明の第2の実施例によるパルス信号発生装
置の構成を概略的に示す図。
【図3】本発明の第3の実施例によるパルス信号発生装
置の構成を概略的に示す図。
【図4】本発明の第4の実施例によるパルス信号発生装
置の構成を概略的に示す図。
【図5】エアバックシステムへの本発明の構成の応用例
を概略的に示す図。
【符号の説明】
1 パルス信号発生装置 3 レバー 5 スイッチ 7 重り 10 磁性素子 20 検出コイル 30 バイアス磁石 40 メイン磁石 50 スペーサ 60 配列体 70 配線 90 検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 昌二 東京都品川区大崎5丁目5番23号 株式会 社ヒロセチェリープレシジョン内 (72)発明者 田中 正美 東京都品川区大崎5丁目5番23号 ヒロセ 電機株式会社内 (72)発明者 伊藤 知明 東京都品川区大崎5丁目5番23号 ヒロセ 電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
    磁性素子と、この磁性素子に関連して配置された検出手
    段と、前記磁性素子に対して相対的に移動可能とされ且
    つ該磁性素子に対するバイアス磁界を発生する第1の磁
    界発生部分と該磁性素子に対するメイン磁界を発生する
    第2の磁界発生部分とを前記移動方向に配列して有する
    磁界発生手段とを備えており、前記磁性素子と前記磁界
    発生手段との間の前記相対的な移動に応じて、前記検出
    手段によりコード化されたパルス信号が発生されるよう
    にしたことを特徴とするパルス信号発生装置。
  2. 【請求項2】 所定の間隔で配置された大バルクハウゼ
    ンジャンプを起こしうる複数の磁性素子と、これら複数
    の磁性素子の各々に関連して配置された複数の検出手段
    と、これら複数の検出手段を並列に接続する接続手段
    と、前記複数の磁性素子の各々に対して相対的に移動可
    能とされ且つ該複数の磁性素子の各々に対するバイアス
    磁界を発生する第1の磁界発生部分と該複数の磁性素子
    の各々に対するメイン磁界を発生する第2の磁界発生部
    分とを前記移動方向に配列して有する磁界発生手段とを
    備えており、前記複数の磁性素子の各々と前記磁界発生
    手段との間の前記相対的な移動に応じて、前記複数の検
    出手段の各々から順次に複数のパルス信号を発生させる
    ようにして、前記接続手段にコード化されたパルス信号
    が得られるようにしたことを特徴とするパルス信号発生
    装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生手段は、更に、前記磁性素
    子に対して何らの磁気的作用をも及ぼさない非磁性部分
    を前記移動方向に配列して有する請求項1又は2のいず
    れか1項に記載のパルス信号発生装置。
  4. 【請求項4】 大バルクハウゼンジャンプを起こしうる
    磁性素子と、この磁性素子に対するバイアス磁界を発生
    する第1の磁界発生手段と、前記磁性素子に関連して配
    置された検出手段と、前記磁性素子に対して相対的に移
    動可能とされ且つ該磁性素子に対するメイン磁界を発生
    する複数の磁界発生部分を前記移動方向に配列して有す
    る第2の磁界発生手段とを備えており、前記磁性素子と
    前記第2の磁界発生手段との間の前記相対的な移動に応
    じて、前記検出手段によりコード化されたパルス信号が
    発生されるようにしたことを特徴とするパルス信号発生
    装置。
  5. 【請求項5】 所定の間隔で配置された大バルクハウゼ
    ンジャンプを起こしうる複数の磁性素子と、これら複数
    の磁性素子の各々に対するバイアス磁界を発生する第1
    の磁界発生手段と、前記複数の磁性素子の各々に関連し
    て配置された複数の検出手段と、これら複数の検出手段
    を並列に接続する接続手段と、前記複数の磁性素子の各
    々に対して相対的に移動可能とされ且つ該複数の磁性素
    子に対するメイン磁界を発生する磁界発生部分を有する
    第2の磁界発生手段とを備えており、前記複数の磁性素
    子の各々と前記第2の磁界発生手段との間の前記相対的
    な移動に応じて、前記複数の検出手段の各々から順次に
    パルス信号を発生させるようにして、前記接続手段にコ
    ード化されたパルス信号が得られるようにしたことを特
    徴とするパルス信号発生装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の磁界発生手段は、更に、前記
    磁性素子に対して何らの磁気的作用をも及ぼさない非磁
    性部分を前記移動方向に配列して有する請求項請求項4
    又は5のいずれか1項に記載のパルス信号発生装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の検出手段の中の少なくとも2
    つの検出手段は、検出コイルであって、その中の1つの
    検出コイルは、他の少なくとも1つの検出コイルとは、
    異なる長さ、及び/又は、巻数とされている請求項2又
    は5のいずれか1項に記載のパルス信号発生装置。
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