JPH11195432A - ポリマー二次電池 - Google Patents

ポリマー二次電池

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JPH11195432A
JPH11195432A JP10000813A JP81398A JPH11195432A JP H11195432 A JPH11195432 A JP H11195432A JP 10000813 A JP10000813 A JP 10000813A JP 81398 A JP81398 A JP 81398A JP H11195432 A JPH11195432 A JP H11195432A
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JP
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electrolyte
polymer
conductive polymer
ionic
gel
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Application number
JP10000813A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kamuragi
公明 冠木
Kenji Tsuchiya
謙二 土屋
Yoshiyasu Aoki
良康 青木
Kojiro Miyasaka
幸次郎 宮坂
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FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電容量維持率が向上されたポリマー二次電
池を提供することを目的とする。 【解決手段】 正極3、ゲル状電解質層2及び負極1の
うちの少なくともゲル状電解質層2は、イオン性電解液
に溶解せずに前記電解液を保持する性質を有する融点が
40℃以上のプロトン伝導性高分子と、非プロトン伝導
性高分子とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー二次電池
に関する。
【0002】
【従来の技術】非水溶媒系電池としては、リチウム二次
電池が知られている。このリチウム二次電池は、エネル
ギー密度が大きいために、小型、軽量を重視する携帯パ
ソコンのようなコードレス機器の電源として多用されて
いる。このリチウム二次電池の中で、将来、実用化が最
も期待されている新しい二次電池は単セルの厚さが0.
5mm程度の超薄型化が可能なポリマーリチウムイオン
二次電池であり、その開発が活発に進められている。
【0003】前記ポリマーリチウムイオン二次電池の実
用化にあたっての重要な要素技術は、正極、負極の活物
質の選択、電池の構成技術等、多くの問題解決に寄与し
ているものの、バインダ(特にゲル状電解質層のバイン
ダ)の選択には一層の技術向上が望まれている。
【0004】従来のNi−CdやNi−MH等の水溶系
二次電池では、水酸化カリウムの強アルカリ水溶液が用
いられている。このような水溶系二次電池では、水が担
う低粘度でかつ大きな比誘電率の液体特性と、水溶液と
しての水酸化カリウムによる約10-2Ω/cm以上の良
好なイオン電導性により実用的な容量及び大きな負荷へ
の対応を可能にしている。
【0005】一方、常温作動型の非水溶媒系二次電池、
例えば水分と激しく反応するために水の存在を嫌うリチ
ウム二次電池では電解液として非水電解液を使用するこ
とが実用的な見地から不可欠である。この二次電池は、
リチウムイオンが自由に移動しやすく、化学的に安定で
粘度の低い液体(溶媒)が少ないために、水溶液系電解
液に比べると大きなイオン電導性を維持することが困難
である。特に、ポリマー二次電池では使用するゲル状電
解質層中のイオン電解質をある量以上含有していないと
十分に実用的な電池、例えば高温時の電池特性(主に充
放電サイクル特性)が得られないことが実験的に確認さ
れている。
【0006】ところで、特公平6−52671号公報に
はアルキレンオキサイドのようなヘテロ原子団を分子構
造に有するゲル状電解質層を備えたリチウム二次電池が
開示されている。このような二次電池は、電池性能を十
分に発揮するに必要なイオン電解質をゲル状電解質層に
含浸することが可能である。しかしながら、前記ゲル状
電解質層の分子構造はイオン電解質を含浸したヘテロ原
子団が海相となり、ヘテロ原子団を除く高分子主鎖が島
相を形成することが顕微鏡により目視できる。このた
め、イオン電解質を高含浸した海相は、温度が高くなる
ほど、経時的に流動性が顕著になり、形状保持が不安定
になる。従って、このような二次電池はイオン電解質の
含浸量が高められるほどに、充放電サイクル特性を向上
できないのが実情である。
【0007】また、米国特許第5,456,000号明
細書にはポリフッ化ビニリデンー6−フッ化プロピレン
{P(VdF−HFP)}の共重合体のような高分子材
料にジブチルフタレートやジメチルフタレート、tris-
ブトキシエチルホスフェートのような可塑剤を配合した
シート状物をジエチルエーテル、低級アルコール、テト
ラヒドロフラン、ヘキサンのような低沸点溶媒で抽出除
去した後、イオン電解質を含浸させてゲル状電解質層を
作製することが開示されている。この電解質層は、前述
したヘテロ原子団を含むゲル状電解質層で見られる形状
保持の不安定性を実質的に回避することができる。
【0008】しかしながら、前記電解質層のイオン電解
質の含浸率は十分なものではなく、その上、前記電解質
中に前記可塑剤が残留していると電池使用中に前記可塑
剤の酸化還元反応が生じ、放電容量の低下を招くという
問題点がある。
【0009】このようなことから、プロトン性高分子固
体電解質及び非プロトン性高分子固体電解質の双方の特
長を発揮させることによって双方の欠点を補い、より特
性の改善を図ることが行われている。このような例とし
て、特開平9−97618号公報で、有機電解液に難溶
性のポリマであるポリフッ化ビニリデンと可溶性のポリ
マであるポリエチレンオキシドとを相溶させて得たポリ
マアロイフィルムに有機電解液を含浸させた構造のポリ
マ電解質を備えるリチウム・ポリマ電池が開示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
チレンオキシドのような有機電解液に可溶性のポリマ
は、電解液の粘度を高め、前記ポリマ電解質の誘電率を
低下させるため、前記電池の放電容量維持率が低下する
という問題点がある。本発明は、放電容量維持率が向上
されたポリマー二次電池を提供しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、正極、
ゲル状電解質層及び負極のうちの少なくともゲル状電解
質層は、イオン性電解液に溶解せずに前記電解液を保持
する性質を有する融点が40℃以上のプロトン伝導性高
分子と、非プロトン伝導性高分子とを含むことを特徴と
するポリマー二次電池が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポリマー二次
電池の一例を図1を参照して詳細に説明する。この二次
電池は、負極1の両側にゲル状電解質層2を介して正極
3をそれぞれ積層した構造を有する。前記負極1は、C
u製の多孔質集電体4の両面に負極層5が担持された構
造を有する。前記正極3は、Al製の多孔質集電体6の
両面に正極層7が担持された構造を有する。
【0013】前記ゲル状電解質2、負極1及び正極3
は、次のような構成になっている。 1)ゲル状電解質層2 この電解質層2は、イオン性電解液(a)と、融点が4
0℃以上で、かつイオン性電解液に溶解せずに前記電解
液を保持する性質を有するプロトン伝導性高分子(b―
1)及び非プロトン伝導性高分子(b−2)からなるバ
インダ(b)とを含む。
【0014】(イオン性電解液)前記イオン性電解液
(a)は、非水溶媒に電解質を溶解することにより調製
される。
【0015】前記非水溶媒としては、エチレンカーボネ
ート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチ
レンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(D
MC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチ
ルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−
BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメト
キシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテ
トラヒドロフラン等を挙げることができる。前記非水溶
媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても
良い。
【0016】前記電解質としては、例えば、過塩素酸リ
チウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(L
iPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF4 )、六
フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビスト
リフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN
(CF3 SO32 ]等のリチウム塩を挙げることがで
きる。
【0017】前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量
は、0.2mol/l〜2mol/lとすることが望ま
しい。 (プロトン伝導性高分子)プロトン伝導性高分子(b−
1)は、極性結合構造を有する。このプロトン伝導性高
分子は、例えば、イオン性電解液を水素結合などの化学
的結合により含浸する等によってイオン性電解液に溶解
しないで前記電解液を保持する。前記プロトン伝導性高
分子の融点は40℃以上にする。これは次のような理由
によるものである。前記融点を40℃未満にすると、高
温環境下での使用中に前記高分子が溶融して前記電解質
層の形状が崩れ、放電時の容量維持率(サイクル寿命)
が低下する。なお、前記融点の上限値は特に限定する必
要はない。それは、部分架橋などを含む融点が特定でき
ない材料も該当するからである。前記融点のさらに好ま
しい範囲は、60℃以上である。
【0018】前記プロトン伝導性高分子としては、例え
ば、主鎖あるいは側鎖にアルキレンオキサイドの繰り返
し単位を有する二次元高分子並びにその部分架橋体、グ
リコール構造を有する高分子、アミド構造を有する高分
子、シアノニトリル構造を有する高分子等を挙げること
ができる。中でも、メトキシポリエチレンオキシドメタ
クリレート(CH2 =C(CH3 )CO(OCH2 CH
223OCH3 )のビニル重合体(融点が107℃)、
アクリロニトリルアルコキシ高分子量体(融点130〜
170℃)を用いるのが好ましい。
【0019】前記プロトン伝導性高分子のイオン性電解
液の含浸挙動の共通的な現象は、イオン性電解液の含浸
率が30重量%以下の少ない量では連続した島相(固
体)を形成する前記高分子の中にイオン性電解液が海相
(液体)として存在するので、良好な固体形状を保持す
ることができる。但し、イオン性電解液の含浸率が多く
なるに従って海相の中に島相が存在する逆転現象が生じ
るので、次第に流動性を帯びてきて崩れやすくなる。ま
た、逆転現象は温度依存性があり、温度が高くなるに伴
って少ないイオン性電解液量でも起こりやすくなる。
【0020】前記プロトン伝導性高分子の量は、前記バ
インダ(b)の重量を100wt.%とした際に、5〜
60wt.%にすることが好ましい。これは次のような
理由によるものである。前記プロトン伝導性高分子の配
合量が60wt.%を越えると、前記プロトン伝導性高
分子特有の形状の不安定性を無視できなくなる恐れがあ
る。一方、前記配合量を5wt.%未満にすると、ゲル
状電解質層のイオン電解質含浸量を向上させることが困
難になる恐れがある。前記配合量のより好ましい範囲
は、10〜40wt.%である。
【0021】(非プロトン伝導性高分子)この非プロト
ン伝導性高分子(b−2)は、非水系イオン性電解液を
含浸しやすい高分子であり、例えば、アクリロニトリ
ル、フッ化ビニリデン、有機シロキサン、エポキシ、ウ
レタン、フォスファゼン、スチレン及びこれらの誘導体
から選ばれる少なくとも1つの化学構造を有する高分子
を挙げることができる。このような非プロトン伝導性高
分子は、具体的にはフッ化ビニリデンとヘキサフルオロ
プロピレンの共重合体のようにイオン性電解液の含浸率
がさほど大きくないが、イオン性電解液の量及び温度に
依存せずに、連続した高分子の島相中にイオン性電解液
の海相を存在させることができるので、ゲル状電解質層
の形状を極めて安定化させることが可能になる。
【0022】このようにプロトン伝導性高分子と非プロ
トン伝導性高分子とでイオン性電解液の含浸挙動に関し
て大きな差異が見られる理由は以下のように推測され
る。すなわち、ポリマー二次電池のイオン性電解液を組
成物として大別すると、LiPF6 のようなイオン電解
質とジメチルカーボネートのような非水溶媒とに分けら
れる。前記イオン電解質は、その化学構造から分子の凝
集エネルギーが大きいため、溶媒和効果、すなわち、S
P値(solubility parameter)が大きい。前述したプロ
トン伝導性高分子は、いずれもSP値がおよそ10以上
であり、イオン電解質を含浸しやすい傾向がある。一
方、非プロトン伝導性高分子としては、非水溶媒とのな
じみが良いものが用いられ、SP値が前記プロトン伝導
性高分子に比べて低いものが選択される。
【0023】電池性能は、正極と負極の間に存在する低
粘度の非水溶媒の中をイオン電解質が自由に移動する反
応に左右されることから、イオン電解質及び非水溶媒の
双方を十分に含浸する能力を有するゲル状電解質層であ
ることが望ましい。この観点から、それぞれ特質が異な
りお互いの機能を相乗的に発揮し得るプロトン伝導性高
分子と非プロトン伝導性高分子とを含むゲル状電解質層
は、おのおの一方を単独で用いる場合より電池特性(サ
イクル寿命)が向上される。
【0024】2)負極1 この負極1は、銅製の多孔質集電体4の両面に活物質、
イオン性電解液及びこの電解液を保持するバインダを含
む負極層5が担持された構造を有する。
【0025】前記活物質としては、リチウムイオンを吸
蔵放出する炭素質材料を挙げることができる。かかる炭
素質材料としては、例えば、有機高分子化合物(例え
ば、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロー
ス等)を焼成することにより得られるもの、コークス
や、メソフェーズピッチを焼成することにより得られる
もの、人造グラファイト、天然グラファイト等に代表さ
れる炭素質材料を挙げることができる。中でも、500
℃〜3000℃の温度で、常圧または減圧下にて前記メ
ソフェーズピッチを焼成して得られる炭素質材料を用い
るのが好ましい。
【0026】前記イオン性電解液としては、前述したゲ
ル状電解質層で説明したものと同様なものを用いること
ができる。前記イオン性電解液を保持する性質を有する
バインダとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘
導体、ポリプロピレンオキサイド誘導体、前記誘導体を
含むポリマー、ビニリデンフロライド(VdF)とヘキ
サフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等を用い
ることができる。前記HFPの共重合割合は、前記共重
合体の合成方法にも依存するが、通常、最大で20重量
%前後である。ただし、前述したゲル状電解質層で説明
したのと同様なバインダを用いることを許容する。
【0027】前記負極層は、人造グラファイト、天然グ
ラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック、
ケッチェンブラック、ニッケル粉末、ポリフェニレン誘
導体等の導電性材料、オレフィン系ポリマーや炭素繊維
等のフィラーを含むことを許容する。
【0028】前記多孔質集電体としては、例えば、銅製
エキスパンドメタル、銅製メッシュ、銅製パンチドメタ
ル等を用いることができる。 3)正極3 この正極3は、アルミニウム製の多孔質集電体6の両面
に活物質、イオン性電解液及びこの電解液を保持するポ
リマーを含む正極層7が担持された構造を有する。
【0029】前記活物質としては、種々の酸化物(例え
ばLiMn24 などのリチウムマンガン複合酸化物、
二酸化マンガン、例えばLiNiO2 などのリチウム含
有ニッケル酸化物、例えばLiCoO2 などのリチウム
含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸
化物、リチウムを含む非晶質五酸化バナジウムなど)
や、カルコゲン化合物(例えば、二硫化チタン、二硫化
モリブテンなど)等を挙げることができる。中でも、リ
チウムマンガン複合酸化物、リチウム含有コバルト酸化
物、リチウム含有ニッケル酸化物を用いるのが好まし
い。
【0030】前記イオン性電解液としては、前述したゲ
ル状電解質層で説明したものと同様なものを用いること
ができる。前記イオン性電解液を保持する性質を有する
バインダとしては、前記負極で説明したのと同様なもの
を用いることができる。ただし、前述したゲル状電解質
層で説明したのと同様なバインダを用いることを許容す
る。
【0031】前記正極層は、導電性を向上する観点から
導電性材料を含んでいてもよい。前記導電性材料として
は、例えば、人造黒鉛、カーボンブラック(例えばアセ
チレンブラックなど)、ニッケル粉末等を挙げることが
できる。
【0032】前記多孔質集電体としては、例えば、アル
ミニウム製エキスパンドメタル、アルミニウム製メッシ
ュ、アルミニウム製パンチドメタル等を用いることがで
きる。
【0033】前記ポリマー二次電池は、例えば、以下に
説明する方法で製造される。まず、イオン性電解液未含
浸の正極、負極及びゲル状電解質層を作製する。前記電
解液未含浸の正極は、例えば、イオン性電解液を保持す
る性質を有するバインダー、活物質及び導電材料を有機
溶媒と共に混合してペーストを調製した後、製膜するこ
とにより電解液未含浸の正極層を得て、これを集電体に
積層することにより作製される。正極層の集電体への積
層は、前記ペーストを前記集電体に塗布することによっ
て行っても良い。
【0034】前記電解液未含浸の負極は、例えば、イオ
ン性電解液を保持する性質を有するバインダー及び活物
質を有機溶媒と共に混合してペーストを調製した後、製
膜することにより電解液未含浸の負極層を得て、これを
集電体に積層することにより作製される。負極層の集電
体への積層は、前記ペーストを前記集電体に塗布するこ
とによって行っても良い。
【0035】前記電解液未含浸の電解質層は、例えば、
バインダー(b)を有機溶媒に溶解させてペーストを調
製し、成膜することにより得られる。なお、電解液未含
浸の正負極層及び電解質層の形成は、前述した塗膜形成
によらず、膜形成のための有機溶剤を用いずに押し出し
成形や、ロールシートなどによって行っても良い。
【0036】次いで、得られた電解液未含浸の正極、負
極及び電解質層を積層して一体化した後、この積層物に
非水電解液を含浸させることによりポリマー二次電池が
得られる。
【0037】電解液未含浸の正極、ゲル状電解質及び負
極の一体化は、各層の界面に隙間が生じないよう、加熱
ロールや、熱プレスによる熱融着か、あるいは、電解液
未含浸の正極、ゲル状電解質及び負極を積層し、バイン
ダーが可溶な溶剤(第1の溶剤)とバインダーが溶解し
ない溶剤(第2の溶剤)との混合液に接触させることに
よって行うことができる。前記第1の溶剤としては、バ
インダーとしてP(VdF−HFP)共重合体を含むも
のを用いる場合、アセトン、テトラヒドロフラン、メチ
ルエチルケトン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルセ
トアミド、N―メチルピロリドン等を挙げることができ
る。かかる第1溶剤の第2溶剤に対する使用量は、0.
1〜10wt.%、より好ましくは0.5〜5.0w
t.%にすることが好ましい。使用量を0.1wt.%
未満にすると、積層物の接着強度が低下する恐れがあ
る。一方、使用量が10wt.%を越えると、各層に含
まれるバインダーの第1溶剤への溶解量が多くなり過ぎ
る恐れがある。
【0038】なお、前述した図1においては、多孔質集
電体に正極層もしくは負極層を積層して正負極を構成し
たが、金属箔のようなシート状の集電体に正極層または
負極層を積層して正負極を構成しても良い。この場合、
正極集電体としてはAl箔を用いることができ、負極集
電体としてはCu箔を用いることができる。
【0039】以上詳述したように本発明に係るポリマー
二次電池は、正極、ゲル状電解質層及び負極を有し、こ
れらのうちの少なくともゲル状電解質層は、イオン性電
解液に溶解せずに前記電解液を保持する融点が40℃以
上のプロトン伝導性高分子と、非プロトン伝導性高分子
とを含むものである。
【0040】このようなプロトン伝導性高分子は、イオ
ン性電解液に溶解しないため、ゲル状電解質層の誘電率
の低下を回避することができる。また、この高分子は、
高温環境下で溶融しないため、ゲル状電解質層の高温で
の形状保持性を改善することができる。従って、前記プ
ロトン伝導性高分子と非プロトン伝導性高分子を含むゲ
ル状電解質層を備えるポリマー二次電池は、高温環境下
においても高い放電容量維持率を実現することができ
る。
【0041】また、前記プロトン伝導性高分子及び前記
非プロトン伝導性高分子における前記プロトン伝導性高
分子の組成比を5〜60wt.%にすることによって、
前記プロトン伝導性高分子の特長である高含浸性と前記
非プロトン伝導性高分子の特長である優れた形状保持性
という双方の長所をバランス良く生かすことができ、放
電容量維持率をより一層向上することができる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例) <正極の作製>まず、活物質として組成式がLiCoO
2 で表されるリチウム含有コバルト酸化物(日本重化学
工業株式会社製)と、アセチレンブラックと、ビニリデ
ンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VdF−H
FP)の共重合体(エルファトケム社製、Kynar 2801、
VdF:HFPの共重合体比は88:12%である)粉
末と、ポリプロピレンオキサイドとをそれぞれ重量比で
56:5:17:22wt.%になるようにアセトン中
で混合し、ペーストを調製した。得られたペーストをア
ルミニウムメッシュ上にナイフコータによって塗布し、
アセトンを揮散せしめることにより電解液未含浸の正極
を作製した。
【0043】<負極の作製>活物質としてメソフェーズ
ピッチ炭素繊維(株式会社ペトカ製)と、前述したのと
同様な種類のVdF−HFPの共重合体粉末と、ポリプ
ロピレンオキサイドとを重量比で58:17:25w
t.%になるようにアセトン中で混合し、ペーストを調
製した。得られたペーストを銅メッシュ上にナイフコー
タによって塗布し、アセトンを揮散せしめることにより
電解液未含浸の負極を作製した。
【0044】<ゲル状電解層の作製>前述したのと同様
な種類のVdF−HFPの共重合体粉末70部と、メト
キシポリエチレンオキシドメタクリレート(新中村化学
工業株式会社製で、商品名がNKエステルM−230
G)のビニル重合体(分子量が320,000〜50
0,000で、融点が107℃である)30部とからな
るバインダーをその濃度が15wt.%になるように常
温でアセトン中に溶解させ、ペーストを調製した。得ら
れたペーストから熱風乾燥機能付きのコータを用いて電
解液未含浸の電解質層を作製した。
【0045】<非水電解液の調製>エチレンカーボネー
ト(EC)とジメチルカーボネート(DMC)が体積比
で2:1の割合で混合された非水溶媒に電解質としての
LiPF6 をその濃度が1mol/lになるように溶解
させて非水電解液を調製した。
【0046】<電池の組立>前記正極の正極層と前記負
極の負極層の間に前記電解質層を介在させ、積層し、こ
れらを熱ロールで加熱圧着し、厚さが350μmで、寸
法が30mm×45mmの積層物を作製した。このよう
な積層物をポリエチレンテレフタレート(PET)/A
l箔/ポリエチレン(PE)/アイオノマーからなる多
層フィルムでアイオノマー層が内側になるように被覆
し、その開口部を一部を除いて熱シールした。熱シール
がされていない箇所から前記組成の非水電解液を注液
し、前記積層電極に含浸させ、ポリマー二次電池を製造
した。 (比較例)以下に説明する方法で得られるゲル状電解質
を用いること以外は、実施例と同様な構成のポリマー二
次電池を製造した。
【0047】<ゲル状電解層の作製>前述したのと同様
な種類のVdF−HFPの共重合体粉末70部と、メト
キシポリエチレンオキシドメタクリレート(新中村化学
工業株式会社製で、商品名がNKエステルM−230G
で、融点が35℃)30部とからなるバインダーをその
濃度が15wt.%になるように常温でアセトン中に溶
解させ、ペーストを調製した。得られたペーストから熱
風乾燥機能付きのコータを用いて電解液未含浸の電解質
層を作製した。
【0048】得られた実施例及び比較例の二次電池につ
いて、10℃の環境下で充放電サイクル試験を行った。
まず、1Cで4.2Vまで充電を行った後、1Cで3.
0Vまで放電し、そのときの放電容量(初期放電容量)
を測定し、その結果を下記表1に示す。ひきつづき、前
記条件での充放電を繰り返し、表1に示すサイクル数に
おける放電容量維持率(初期放電容量に対する)を測定
し、その結果を下記表1に併記する。このような充放電
サイクル試験を雰囲気の温度を25℃、40℃、60℃
に変更して行い、その結果を下記表1〜2に併記する。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】表1及び表2から明らかなように、実施例
の二次電池は、400サイクル後の放電容量維持率を向
上できることがわかる。また、実施例の二次電池は、4
0℃以上の高温環境下で使用した際の放電容量維持率の
低下を抑制できることがわかる。
【0052】これに対し、比較例の二次電池は、25℃
での400サイクル後の放電容量維持率が低く、その
上、40℃以上の高温環境下で使用すると、放電容量が
急速に低下することがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、常
温並びに高温環境下でのサイクル寿命が向上されたポリ
マー二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリマー二次電池の一例を示す断
面図。
【符号の説明】
1…負極、 2…ゲル状電解質層、 3…正極、 4…負極集電体、 5…負極層、 6…正極集電体、 7…正極層。
フロントページの続き (72)発明者 宮坂 幸次郎 東京都品川区南品川3丁目4番10号 東芝 電池株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、ゲル状電解質層及び負極のうちの
    少なくともゲル状電解質層は、イオン性電解液に溶解せ
    ずに前記電解液を保持する性質を有する融点が40℃以
    上のプロトン伝導性高分子と、非プロトン伝導性高分子
    とを含むことを特徴とするポリマー二次電池。
  2. 【請求項2】 前記プロトン伝導性高分子及び前記非プ
    ロトン伝導性高分子における前記プロトン伝導性高分子
    の組成比は、5〜60wt.%であることを特徴とする
    請求項1記載のポリマー二次電池。
JP10000813A 1998-01-06 1998-01-06 ポリマー二次電池 Pending JPH11195432A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101147241B1 (ko) * 2010-05-20 2012-05-18 삼성에스디아이 주식회사 전극 어셈블리, 이차 전지, 및 전극의 제조 방법

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