JPH11195273A - 記録再生システム及びそれに用いる等化方式及び記録媒体 - Google Patents

記録再生システム及びそれに用いる等化方式及び記録媒体

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JPH11195273A
JPH11195273A JP28539498A JP28539498A JPH11195273A JP H11195273 A JPH11195273 A JP H11195273A JP 28539498 A JP28539498 A JP 28539498A JP 28539498 A JP28539498 A JP 28539498A JP H11195273 A JPH11195273 A JP H11195273A
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信孝 尼田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録媒体や変調方式にかかわらず、記録密度
の向上を図ること。 【構成】 ディジタル情報信号は、RLL符号器2にお
いて、最小ランレングスがd、最大ランレングスがkの
所謂(d,k)RLL符号を用いて変調され、記録媒体
3に記録される。記録媒体3より再生した信号は、等化
器4において等化され、復号器5において元のディジタ
ル情報信号が復号される。等化器4の周波数特性E
(f)は、インパルスに対する総合の伝送周波数特性H
(f)が、次の式で示す余弦特性となるように設定さ
れる。 H(f)=cos((π/2)×(f/Fm))
……式 ただし、Fmは記録媒体3の高域遮断周波数、あるいは
次の式に示される高域遮断周波数である。なお、Kは
記録密度向上係数である。 Fm=Fb’/(d×K)
……式

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル情報信号の
記録再生システム及びそれに用いる等化方式及び記録媒
体に係り、特に、記録媒体固有のパラメータを変更する
ことなしにディジタル情報信号の記録密度の増大を可能
とする、記録再生システム及びそれに用いる等化方式及
び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】図8にディジタル情報信号記録再生シス
テムの構成を示す。ここで、1は入力端子、2はランレ
ングス制限(Run Length Limited ;RLL)符号
器、3は記録媒体、4は等化器、5は復号器、6は出力
端子を示し、M(f),G(f),E(f)は、それぞ
れRLL符号器2,記録媒体3,等化器4のインパルス
に対する周波数特性であり、また、H(f)はRLL符
号器2から等化器4までの総合のインパルスに対する伝
送周波数特性である。
【0003】図8において、入力端子1より入力された
ディジタル情報信号は、RLL符号器2において、最小
ランレングスがd、最大ランレングスがkの所謂(d,
k)RLL符号を用いて変調され、記録媒体3に記録さ
れる。例えば、記録媒体3としてコンパクトディスク
(CD)を用いたディジタルオーディオシステムでは、
このRLL符号器2には、最小ランレングスdが3、最
大ランレングスkが11のEFM(Eight-to-Fourtee
n Modulation )という変調方式が採用されている。
【0004】記録媒体3より再生した信号は、等化器4
において等化され、復号器5において元のディジタル情
報信号が復号され、復号されたディジタル情報信号は出
力端子6より出力される。
【0005】図9は、RLL符号器2の周波数特性M
(f)と総合の伝送周波数特性H(f)との一般的な関
係を示した図である。ここで、(a)は周波数特性M
(f)を、(b)は伝送周波数特性H(f)を示し、F
bは変調後の記録ビットレート、Fn(=(Fb/d)
/2)はナイキスト(Nyquist)周波数、Fmは記録媒
体3の高域遮断周波数である。通常、総合の伝送周波数
特性H(f)は、(b)に示す通り、ナイキスト周波数
Fnの自乗余弦特性(ロールオフ率100%)となるよ
うに等化器4の周波数特性E(f)が設定される。従っ
て、伝送周波数特性H(f)の帯域幅B(=2×Fn)
は、高域遮断周波数Fmに等しくなるまで記録ビットレ
ートFbを高めることができ、これより記録ビットレー
トFbと高域遮断周波数Fmとの関係は、次の式で示
される。
【0006】
【数1】
【0007】図10に、このときの等化器4の出力信号
のアイパターン(d=3)を示す。
【0008】尚、高域遮断周波数Fmは、例えば、記録
媒体3が光ディスクの場合、レーザーの波長λ、光学系
の開口数NA、及び光ディスクの線速度Vによって、次
の式で示される。
【0009】
【数2】
【0010】例えば、先に述べたCDシステムでは、記
録ビットレートFbは約4.32Mbps、帯域幅Bは
約1.44MHz(d=3)である。一方、レーザーの
波長λはλ=0.78μm、光学系の開口数NAはNA
=0.45、光ディスクの線速度VはV=1.25m/
sであり、上記式より、高域遮断周波数Fmは、約
1.44MHzとなり、帯域幅Bと一致する。
【0011】尚、RLL符号や等化に関しては、例え
ば、「テレビジョン学会誌」第42巻,第4号(198
8年4月)の330頁〜337頁に記載されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディジタル
情報信号の記録密度を高める方法としては、記録媒体の
パラメータ(例えば、光ディスクの場合はレーザーの波
長λなど)や、RLL符号のパラメータ(例えば、最小
ランレングスdなど)を変更するのが一般的である。し
かし、さらに記録密度を高める、言い換えれば、これら
のパラメータを変更せずに記録密度を高める方法に関し
ては、従来、あまり知られていなかった。
【0013】図11は、ディジタル情報信号の記録ビッ
トレートを高めた場合における、従来の考え方による等
化方式を示す図である。ここで、(a’)はRLL符号
器2の周波数特性M(f)を、(b’)は総合の伝送周
波数特性H(f)示し、Kは記録密度の増加度を表す係
数、Fb’(=K×Fb)は記録ビットレート、Fn’
(=(Fb’/d)/2=K×Fn)はナイキスト周波
数である。いうまでもなく、記録媒体やRLL符号のパ
ラメータは不変であるので、記録媒体3の高域遮断周波
数Fmは一定である。従来の考え方に従えば、伝送周波
数特性H(f)は、(b’)に示す通り、ナイキスト周
波数Fn’のロールオフ自乗余弦特性となるように等化
器4の周波数特性E(f)が設定される。すなわち、伝
送周波数特性H(f)の帯域幅Bは高域遮断周波数Fm
で制限され、係数Kの増加に従って、ロールオフ率βは
減少する。次の式にこの関係を示す。
【0014】
【数3】
【0015】例えば、係数Kを1.5とする(記録密度
を1.5倍に増大させる)と、ロールオフ率βは33.
3%まで低下し、最小ランレングスdを3とすると、等
化器4の出力信号のアイパターンは、図12に示すよう
になり、開口率が大幅に劣化する。
【0016】このように、従来技術においては、ディジ
タル情報信号の記録密度は、記録媒体やRLL符号のパ
ラメータによりほぼ決定され、記録密度のさらなる向上
は期待できなかった。
【0017】本発明の目的は、上記した従来技術の欠点
を解消し、記録媒体やRLL符号のパラメータを変更せ
ずとも、さらなる記録密度の向上を図ることが可能な、
記録再生システム及びそれに用いる等化方式及び記録媒
体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、等化器4に新しい等化方式を導入し
た。すなわち、本発明による等化方式では、インパルス
に対する総合の伝送周波数特性H(f)が次の式で示
す余弦特性となるように、等化器4の周波数特性E
(f)が設定される。
【0019】
【数4】
【0020】ただし、Fmは先に述べた記録媒体3の高
域遮断周波数、あるいは次の式に示される高域遮断周
波数である。
【0021】
【数5】
【0022】
【作用】インパルスに対する総合の伝送周波数特性H
(f)が上記式で示す余弦特性となるように、等化器
4の周波数特性E(f)を設定することにより、最小ラ
ンレングスdから最大ランレングスkまでほぼ全ての孤
立パルスが重なり合うため、これらのパルスがランダム
にきてもパルス間の干渉がほとんどなく、従って、十分
なアイ開口率が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明による等化方式を示す周波数
特性図である。ここで、(c)は総合の伝送周波数特性
H(f)示し、dはRLL記録符号の最小ランレング
ス、Fb’は記録ビットレート、Fn’はナイキスト周
波数、Kは記録密度向上係数である。上述したように、
この伝送周波数特性H(f)は前記した式で表される
余弦特性であり、その帯域幅Bは高域遮断周波数Fmに
等しいことはいうまでもない。そして、本発明では、こ
の図1において、(c)で示した伝送周波数特性H
(f)となるように、等化器4の周波数特性E(f)が
設定される。
【0024】図2は、このときの等化器4の出力信号の
アイパターンであり、最小ランレングスdが3、記録密
度向上係数Kが1.5の場合の1例である。このように
本発明によれば、従来に比べてアイ開口率が格段に改善
されることがわかる。
【0025】図3は、最小ランレングスdに相当する3
T’パルスから最大ランレングスkに相当する11T’
パルスまでの孤立波応答を重ね合わせた波形図であり、
図3の(A)は図1に示した本発明による等化方式での
波形であり、図3の(B)は図11に示した従来の等化
方式での波形である。ここで、両者の時間t=0までの
波形を比較すると、図3の(A)の本発明による等化方
式では、3T’から11T’までほぼ全てのパルスが重
なるのに対し、図3の(B)の従来方式ではあまり重な
り合っていない。この差が図2と図12に示したアイパ
ターンに出てきていることはいうまでもない。このよう
に、本発明による等化方式では、全ての孤立パルスが重
なり合うため、これらのパルスがランダムにきてもパル
ス間の干渉がほとんどなく、従って、十分なアイ開口率
が得られることになる。
【0026】ところで、図2の例では、最小ランレング
スdが3、記録密度向上係数Kが1.5の場合について
示したが、本発明はこれらの値に限定されるものではな
く、最小ランレングスdについては2以上、記録密度向
上係数Kについては1から2の範囲で適用できる。
【0027】図4及び図5は、記録密度向上係数Kが
1.25と1.75の場合の1例である。共に、最小ラ
ンレングスdが3で、各図の(A)は孤立パルス応答波
形、各図の(B)はアイパターンである。図4のK=
1.25の場合は、記録密度向上係数Kが小さい分、ア
イ開口率は大きく、問題はない。一方、図5のK=1.
75の場合は、記録密度向上係数Kが大きい分、アイ開
口率は低下する。これは、図5の(A)の孤立パルス応
答に示すように、それぞれのパルスは重なるが、全体に
パルス幅が広がり、レベルが低下するためである。従っ
て、記録密度向上係数Kを大きくしたい場合は、システ
ムのS/Nを十分大きくする必要がある。このように、
本発明は、システムのS/Nによって記録密度向上係数
Kが制限されるが、上述したように、最小ランレングス
dが3の場合には、約1.75倍程度まで記録密度を向
上した記録再生システムや記録媒体が実現できる。
【0028】図6は、最小ランレングスdが4、記録密
度向上係数Kが1.5の場合の1例であり、図6の
(A)は孤立パルス応答波形、図6の(B)はアイパタ
ーンである。このように全ての孤立パルスが重なり合
い、十分なアイ開口率が得られている。従って、最小ラ
ンレングスdが4の場合には、約1.5倍程度まで記録
密度を向上することができる。
【0029】図7は、最小ランレングスdが5、記録密
度向上係数Kが1.25の場合の1例であり、図7の
(A)は孤立パルス応答波形、図7の(B)はアイパタ
ーンである。ここでも全ての孤立パルスが重なり合い、
十分なアイ開口率が得られている。従って、最小ランレ
ングスdが5の場合には、約1.25倍程度まで記録密
度を向上することができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、記
録媒体や変調方式にかかわらず、ディジタル情報の記録
密度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による等化方式を示す周波数特性図であ
る。
【図2】本発明による等化方式を用いたときのアイパタ
ーンの1例を示す波形図である。
【図3】本発明による等化方式を用いたときの孤立パル
ス応答の1例を従来方式と対比して示す波形図である。
【図4】本発明による等化方式を用いたときの孤立パル
ス応答とアイパターンの他の1例を示す波形図である。
【図5】本発明による等化方式を用いたときの孤立パル
ス応答とアイパターンの他の1例を示す波形図である。
【図6】本発明による等化方式を用いたときの孤立パル
ス応答とアイパターンの他の1例を示す波形図である。
【図7】本発明による等化方式を用いたときの孤立パル
ス応答とアイパターンの他の1例を示す波形図である。
【図8】ディジタル情報信号記録再生システムの構成を
示すブロック図である。
【図9】従来の等化方式を示す周波数特性図である。
【図10】従来の等化方式を用いたときのアイパターン
の1例を示す波形図である。
【図11】記録密度を高めた場合における従来の等化方
式を示す周波数特性図である。
【図12】記録密度を高めた場合における従来の等化方
式を用いたときのアイパターンの1例を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
2 RLL符号器 3 記録媒体 4 等化器 5 復号器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最小ランレングスがdのランレングス制
    限符号を用いて変調されたデジタル情報信号を記録媒体
    に記録し再生する記録再生システムにおいて、 前記記録媒体の高域遮断周波数をFm、記録密度に関す
    る係数であってかつ1よりも大きい値をKとしたとき、
    Fb=K・d・Fm(ただしK>1)を満足するビット
    レートFbで前記デジタル情報信号を前記記録媒体に記
    録し、 前記記録媒体から再生された信号を等化する等化器を有
    し、 該等化器は、アイパターンのアイ開口率が、前記記録媒
    体からの再生波形よりも大きくなるように等化すること
    を特徴とする記録再生システム。
  2. 【請求項2】 デジタル情報信号が記録された記録媒体
    から再生された信号を等化する等化方式であって、 前記記録媒体に記録されたデジタル情報信号は、最小ラ
    ンレングスがdのランレングス制限符号を用いて変調さ
    れたデジタル情報信号であって、 前記記録媒体の高域遮断周波数をFm、記録密度に関す
    る係数であってかつ1よりも大きい値をKとしたとき、
    Fb=K・d・Fm(ただしK>1)を満足する記録ビ
    ットレートFbで前記デジタル情報信号が前記記録媒体
    に記録されているとき、アイパターンのアイ開口率が、
    前記記録媒体からの再生波形のものよりも大きくなるよ
    うに等化することを特徴とする等化方式。
  3. 【請求項3】 再生された信号を等化する等化器と、該
    等化された信号を元のデジタル信号に復号する復号器と
    を備えた情報再生装置に使用される、デジタル情報信号
    が記録された記録媒体であって、 該記録媒体には、最小ランレングスがdのランレングス
    制限符号を用いて変調されたデジタル情報信号が記録さ
    れており、 該記録媒体の高域遮断周波数をFm、記録密度に関する
    係数であってかつ1よりも大きい値をKとしたとき、F
    b=K・d・Fm(ただしK>1)を満足する記録ビッ
    トレートFbで前記デジタル情報信号が記録されている
    ことを特徴とする記録媒体。
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