JPH1119481A - 中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法

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JPH1119481A
JPH1119481A JP18136697A JP18136697A JPH1119481A JP H1119481 A JPH1119481 A JP H1119481A JP 18136697 A JP18136697 A JP 18136697A JP 18136697 A JP18136697 A JP 18136697A JP H1119481 A JPH1119481 A JP H1119481A
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fiber membrane
hollow fiber
gas
membrane module
cleaning
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JP18136697A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Miura
勤 三浦
Shinji Komori
愼次 小森
Masashi Kobayashi
正志 小林
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バブリング洗浄または気体逆洗浄時に中空糸
膜エレメントの上部までを均一かつ効果的に洗浄するこ
とが可能な中空糸膜モジュールを提供すること。 【解決手段】 筐体1と、筐体1内に固定された単数
または複数の中空糸膜エレメント4と、原液導入口7
と、濾液出口5と、洗浄時に気体が導入される気体導入
口9と、該気体が排出される気体排出口8と、該気体排
出口8の上部に設けられ、洗浄時に気体排出口8から気
体とともに排出された液体が滞留する滞留器とを備えた
ことを特徴とする外圧濾過型中空糸膜モジュール。この
中空糸膜モジュールを洗浄する場合、 滞留器の容積を
V(リットル)、洗浄時に中空糸膜モジュールの原液側
へ流入する気体流量をVg(ノルマルリットル/時)で
表したとき、5000V≧Vgであることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中空糸膜モジュール
およびその洗浄方法に関する。本発明に係る中空糸膜モ
ジュールは、バブリング洗浄時または気体逆洗浄時に、
中空糸膜エレメントの下部から上部まで均一かつ効果的
に洗浄することが可能であり、目詰まりによる中空糸膜
の濾過能力低下を抑制することが可能である。
【0002】
【従来の技術】近年、中空糸膜による分離技術の開発が
進み、水の濾過をはじめ様々な用途に広く用いられてい
る。しかし、中空糸膜による濾過の過程では、SSと呼
ばれる原液中の懸濁物質等の固形物が中空糸膜表面に付
着し、または微多孔に侵入して、経時的に透過流束の低
下が生じる。そこで、安定した濾過運転を長期的に継続
するために有効な中空糸膜の洗浄方法の開発が不可欠と
されている。
【0003】中空糸膜モジュールの洗浄方法として、こ
れまでに種々の方法が開発されてきたが、これらは物理
的洗浄方法と、化学的洗浄方法とに大別できる。物理的
洗浄方法として、スポンジボール、高圧水流などにより
強制的に付着物質をかき取る方法、高圧水流または加圧
気体を濾液側から原液側へ通過させる気体逆洗法、原液
側に気泡を噴出させるバブリング法、超音波法、電気泳
動法などの多種多様な方法が開発されている。外圧濾過
方式による中空糸膜モジュールの物理的洗浄方法として
は、これら従来の洗浄方法の中で、バブリング法および
気体逆洗法が一般的に採用されている。しかし、いずれ
の洗浄方法もSS成分の付着した中空糸膜の原液側に気
体を流入させる方法であり、必然的に中空糸膜モジュー
ルの原液側上部に気体溜まりが生じやすく、中空糸膜上
部が気体中に露出して効果的に洗浄することが困難であ
った。
【0004】この気体溜まりの発生による中空糸膜の気
体中への露出を防ぐ方法として、特開平7−68139
号公報に、気体逆洗と中空糸膜モジュールへの原液供給
とを短時間で繰り返す技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−68139号公報に開示された方法では、空気溜ま
り発生の抑制効果が比較的小さいだけでなく、物理的洗
浄に要する時間、すなわち濾過停止時間が長くなり、設
計時の濾過処理量を確保するためには濾過速度を増大さ
せる必要がある。この結果、中空糸膜への負荷が増大す
ることから、逆に目詰まりが助長される可能性がある。
また、中空糸膜洗浄に原液を使用することから、原液の
ロスが大きくなり、回収率が低下するという課題を有
し、さらに排水量が多くなるという課題をも有する。
【0006】本発明はこのような状況に鑑み、中空糸膜
モジュールの構造を改良することにより物理的洗浄の効
果を増大させることを意図したものであり、本発明の目
的は、バブリング洗浄時または気体逆洗浄時に中空糸膜
エレメントの下部から上部まで、均一かつ効果的に洗浄
することが可能な外圧濾過型中空糸膜モジュールを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明の中空糸膜モジュールは、筐体と、筐体内に固定さ
れた単数または複数の中空糸膜エレメントと、原液導入
口と、濾液出口と、洗浄時に気体が導入される気体導入
口と、該気体が排出される気体排出口と、該気体排出口
の上部に設けられ、洗浄時に気体排出口から気体ととも
に排出された液体が滞留する滞留器とを備えたことを特
徴とする。この中空糸膜モジュールでは、中空糸膜が収
納された中空糸膜モジュールの原液側に気体を導入して
中空糸膜を洗浄するときに、該気体とともに排出される
液体を、中空糸膜の上端よりも上部に設けた滞留器に滞
留させながら洗浄が行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の中空糸膜モジュールの一
例を、従来の中空糸膜モジュールと対比させて図面を用
いて説明する。図2は従来の外圧型中空糸膜モジュール
の断面図であり、中空糸膜エレメント4が収納された筐
体1は、上部が濾液側A、下部が原液側Bになるように
仕切板2によって仕切られている。仕切板2には、中空
糸膜エレメント4が収められた保護円筒3が中空糸膜エ
レメント4に対応した数だけ取り付けられている。濾液
側Aには濾液出口5および加圧気体導入口6が設けられ
ており、原液側Bには原液導入口7、気体排出口8、気
体導入口9および原液排出口10が設けられている。各
導入口および排出口の開閉はバルブ操作により実施さ
れ、バブリング洗浄時には、原液側Bに原液などの液体
を満たした状態で気体排出口8を開いた後、原液側下部
に位置する気体導入口9より気体を噴出させ、また気体
逆洗浄時には、同様に原液側Bに原液などの液体を満た
した状態で濾液出口5を閉じ、気体排出口8を開いた
後、加圧気体導入口6より中空糸膜のバブリングポイン
ト以上の圧力を有する気体を導入する。この際、図2に
示す従来型の中空糸膜モジュールを使用した場合、原液
側Bに導入された加圧気体により、原液側B中の液体が
気体排出口8より排出されて液面が液面レベル11にま
で低下し、中空糸膜上部が気体中に露出して効果的に洗
浄されなくなる。なお、ここで、バブリングポイントと
は、中空糸膜内部に導入された気体が中空糸膜の外部の
表面から放出されはじめる圧力をいう。
【0009】図1に、本発明の中空糸膜モジュールの断
面図の一例を示す。ここで、従来の中空糸モジュールと
同一の構造を有する部分については図2と同一の番号を
付し、その説明を省略する。本発明の中空糸膜モジュー
ルでは、気体排出口25の上部に滞留器21が設置され
る。ここで、滞留器とは、気体排出口よりも上部に位置
し、液体を滞留させることが可能な配管、タンク類を総
称し、その形状は必要容量、設置スペースなどに応じて
適宜設定することが可能である。従来型の中空糸膜モジ
ュールにおけると同様の方法で、本発明の中空糸膜モジ
ュールを用いてバブリング洗浄または気体逆洗浄を実施
した場合、気体排出口25から排出された液体は、その
一部または全量が滞留器21に滞留し、液面が滞留器の
気体排出口26の下端を通る水平線である液面レベル2
2に保持される。ここで、液面レベル22は中空糸膜の
上端よりも上部に位置するため、空気溜まりが生じるこ
とが無く、中空糸膜の全体が常に液中に位置することに
なるため、バブリング洗浄または気体逆洗洗浄により中
空糸膜の下部から上部まで均一かつ効果的に洗浄するこ
とが可能となる。
【0010】図1に例示した本発明の中空糸膜モジュー
ルの滞留器の容積は、気体排出口25の上端を通る水平
線23と滞留器の気体排出口26の下端を通る水平線2
2とに挟まれた部分24(図1中に斜め破線で示す部
分。)の容積で表される。
【0011】上述した本発明の中空糸膜モジュールの滞
留器の容積をV(リットル)、バブリング洗浄または気
体逆洗浄時に中空糸膜モジュール内部へ導入する気体流
量をVg(ノルマルリットル/時)とした場合、 5000V≧Vg を満たすことが好ましく、 2000V≧Vg を満たすことがより好ましい。5000V<Vgの場
合、気体排出口から排出された液体を十分量滞留させる
ことが出来ないため、本発明の効果が発現しないおそれ
がある。
【0012】本発明で使用される中空糸膜としては、ポ
リビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリ
スルホン系樹脂、親水性高分子が添加されたポリスルホ
ン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、親水化処理さ
れたポリエチレン系樹脂などの親水性素材からなるもの
が、高い親水性を有するためにSS成分の難付着性、付
着したSS成分の剥離性に優れている点で好ましいが、
他の素材で構成された中空糸膜を用いることもできる。
例えば、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリエー
テルスルホン系、エチレン−ビニルアルコール共重合体
系、ポリアクリロニトリル系、酢酸セルロース系、ポリ
フッ化ビニリデン系、ポリパーフルオロエチレン系、ポ
リメタクリル酸エステル系、ポリエステル系、ポリアミ
ド系などの有機高分子系の素材で構成された中空糸膜、
セラミックス系などの無機系の素材で構成された中空糸
膜などを使用条件、所望する濾過性能などに応じて選択
することができる。ここで、ポリビニルアルコール系樹
脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、親水性
高分子が添加されたポリスルホン系樹脂またはポリビニ
ルアルコール系樹脂からなる中空糸膜は、上記した親水
性に優れるのみならず、耐薬品性および耐熱性にも優れ
ることから、特に好ましい。有機高分子系の素材を使用
する場合、30モル%以内の量で他成分を共重合したも
の、または30重量%以内の量で他の素材をブレンドし
たものであってもよい。
【0013】有機高分子系の中空糸膜を使用する場合、
中空糸膜の製造方法は特に限定されることはなく、素材
の特性および所望する中空糸膜性能に応じて、公知の方
法から適宜選択した方法を採用することができる。一般
的には溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などが採
用される。
【0014】本発明で使用される中空糸膜の孔径は特に
限定されないが、0.001ミクロン〜1ミクロンの範
囲内であることが高い透水性を有し、濾過効率が低下す
るおそれが小さいことから好ましい。ここでいう平均孔
径とは、コロイダルシリカ、エマルジョン、ラテックス
など粒子径が既知の各種基準物質を中空糸膜で濾過した
際、その90%が排除される基準物質の粒子径をいう。
孔径は均一であることが好ましい。また、一般に中空糸
膜の孔径とは、コロイダルシリカ、エマルジョン、ラテ
ックスなど粒子径既知の各種基準物質を中空糸膜で濾過
した際、その90%が排除される基準物質の粒子径をい
う。限外濾過膜であれば、上記のような基準物質に基づ
いて、孔径を求めることは不可能であるが、分子量が既
知の蛋白質を用いて同様の測定を行ったときに、分画分
子量として3000以上であることが好ましい。
【0015】中空糸膜の力学的性質およびモジュールと
しての膜面積の観点から、中空糸膜繊維の外径は200
〜3000ミクロンの範囲内に設定することが好まし
く、500〜2000ミクロンの範囲内であることがよ
り好ましい。同様に中空糸膜の厚さは50〜700ミク
ロンの範囲内にあることが好ましく、100〜600ミ
クロンの範囲内であることがより好ましい。
【0016】本発明において、該中空糸膜はモジュール
化されて濾過に使用される。濾過方法、濾過条件、洗浄
方法などに応じてモジュールの形態を適宜選択すること
ができ、例えば数十本から数十万本の中空糸膜を束ねて
モジュール内でU字型にしたもの、中空糸繊維束の一端
を適当なシール材により一括封止したもの、中空糸繊維
束の一端を適当なシール材により1本ずつ固定されてい
ない状態(フリー状態)で封止したもの、中空糸繊維束
の両端を開口したものなどが挙げられる。本発明の中空
糸膜モジュールとして、中空糸繊維束の一端を1本ずつ
フリー状態で封止した「片端フリー」タイプのモジュー
ルを採用した場合、バブリング洗浄および気体逆洗浄に
よる膜表面洗浄効果が極めて高くなり、さらに剥離した
SS成分の排出が効率的に行われることから、特に好ま
しい。
【0017】本発明において、中空糸膜は単数または複
数の中空糸膜エレメントに収納され、この中空糸膜エレ
メントは筐体内に固定されるが、固定の方法が特に限定
されることはない。例えば中空糸膜エレメントを筐体に
接着しても良く、カートリッジ型中空糸膜エレメントを
筐体に金具などで固定しても良い。
【0018】本発明の中空糸膜モジュールを用いて、バ
ブリング洗浄または気体逆洗浄を実施するときに用いる
気体としては、空気、窒素などが挙げられる。気体の供
給量は特に限定されないが、膜洗浄効果が高く、膜破損
のおそれが小さいことから、バブリング洗浄を実施する
のであれば、中空糸膜の面積1m2 あたり10〜500
ノルマルリットル/時の範囲内であることが好ましく、
20〜300ノルマルリットル/時の範囲内であること
がより好ましい。また気体逆洗浄を実施するのであれ
ば、好適な気体供給量は気体の圧力と中空糸膜の平均孔
径とに依存するが、例えば親水化処理されたポリスルホ
ン系樹脂からなり、平均孔径0.45ミクロンの中空糸
膜を使用した場合、圧力1.5〜3.0kg/cm2
囲内であることが好ましい。
【0019】なお、本発明の中空糸膜モジュールを用い
た洗浄工程には、ドレン排出と満水とを繰り返して中空
糸膜表面および中空糸膜モジュール内部の洗浄を行う工
程、フラッシング洗浄工程など、必要に応じて他の工程
を追加することも可能である。
【0020】濾過後または逆洗浄後に中空糸膜を薬液洗
浄して、中空糸膜に付着した有機物、無機物などを溶解
除去することもできる。ここで、薬液洗浄の方法として
は、有機物、無機物などを除去するために水酸化ナトリ
ウム水溶液などのアルカリで処理する方法、金属類を除
去するために酸水溶液などの酸で処理する方法、洗浄剤
で処理する方法、これらを組み合わせて連続的に行う方
法などがあり、これによって中空糸膜の再生が可能であ
る。
【0021】これまでに述べてきた濾過工程、気体によ
る加圧工程、気泡による洗浄工程、薬液洗浄工程などの
一連の操作は、シーケンスコントロールを行うことによ
り自動的に行うようにすることができる。例えば一定時
間濾過を行った後、気体による加圧および気泡による膜
表面洗浄を1回ないし数回実施し、次いで、必要に応じ
て1回ないし数回水洗を行い、その後薬液洗浄を行うと
いう一連の洗浄工程をシーケンスコントロールにより自
動的かつ連続的に行い、濾過と中空糸膜および濾過ライ
ンの洗浄工程とを交互に繰り返しながら長期間安定的に
運転を継続することが可能である。また濾過工程と洗浄
工程とをシーケンスコントロールにより連続的に繰り返
し、目詰まりが大きくなった時点で手動により逆洗浄す
る、いわゆるセレクトスイッチ方式で長期間安定的に運
転を継続することも可能である。
【0022】本発明の外圧型中空糸膜モジュールは、中
空糸膜を構成する素材、モジュールの形状を問わず、バ
ブリング洗浄または気体逆洗浄を実施するときに卓越し
た洗浄効果が発現されることから、極めて広範な用途で
従来よりも高透過流束で長期間連続して安定的な濾過が
可能である。例えば、食品工業分野では、原料水の除菌
・除鉄・除マンガン、洗浄用水の除菌・微粒子除去、天
然水の除菌・微粒子除去、醤油の除菌・精製、清酒の除
菌・精製、食酢の除菌・精製、みりんの精製・調味液の
除菌・精製、醸造オリからの製品回収、糖液の除菌・微
粒子除去・精製、ハチミツの精製、酵素・蛋白質の精製
・濃縮、発酵液の精製、チーズホエーからの蛋白質の回
収精製、ミルクの濃縮による高蛋白乳の製造、水産加工
排水からの蛋白質回収、魚肉蛋白の濃縮、肉加工廃棄物
からの肉蛋白質の回収、豚の血液からの赤血球の分離、
血液中のアルブミンとグロブリンの濃縮精製、大豆ホエ
ーからの生理活性物質の回収・精製、大豆煮汁からの蛋
白質回収、あぶらな蛋白の毒素除去と蛋白質濃縮、じゃ
がいもでんぷん工業廃水からの有用蛋白質の回収、天然
色素の回収精製、各種酵素の回収精製、液体飲料の清澄
化と除菌、柑橘類・リンゴペプチン液の濃縮、バクテリ
ア細胞および代謝物質の回収による発酵液の精製などの
用途で使用可能であり、医療分野では原料となる純水・
超純水製造装置の前処理、洗浄用水のパイロジェン除
去、注射用水製造、透析用水製造、透析液の精製、ワク
チン・酵素・ビールス・核酸・蛋白質などの生理活性物
質の分離・濃縮・精製、ホルモンの精製、人口血液の製
造、多糖類の濃縮精製、病院手洗い水の除菌、手術器具
洗浄水の除菌などの用途に使用可能であり、電子工業分
野では、逆浸透膜の前処理、超純水のファイナルフィル
ター、超純水のユースポイントフィルター、超純水のユ
ニット組み込みフィルター、洗浄水の微粒子除去、研磨
排水の回収、ダイシング排水の回収などの用途で使用可
能であり、化学工業分野では、塗料の濃縮・回収、油剤
の分離・回収、エマルジョンの分離・回収、コロイドの
分離・回収、微粉体の洗浄精製、洗浄水の微粒子除去、
メッキ液の精製、電気透析の前処理などの用途で使用可
能であり、水処理分野では、中水道のMLSS除去、排
水の三次処理、排水の回収・再利用、原子力発電排水の
精製、バクテリアの除去などの用途で使用可能であり、
繊維・染色加工分野では、PVA糊抜き排水のクローズ
ド化、繊維加工油剤の回収・再利用、洗毛排水からのラ
ノリンの回収、絹糸加工排水からのセリシンの回収など
の用途で使用可能であり、鉄鋼・機械加工分野では、バ
レル研磨排水の回収、バフ研磨排水の回収、圧延油排水
処理、水溶性切削油排水処理、動植物油加工排水の処
理、脱脂洗浄排水からのエマルジョン除去・洗浄剤回
収、リンス水のエマルジョン除去・リンス水回収、スク
リーン版洗浄剤からのインク類除去などの用途で使用す
ることが可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。以下の実施例の結果から、本発明によれば、長期
間の安定的な濾過が可能であることが明らかである。
【0024】実施例1 ポリビニルアルコールにより表面親水化処理されたポリ
スルホン系樹脂からなり、平均孔径0.1ミクロンであ
る中空糸膜よりなる膜面積7.0m2 の「片端フリー」
タイプのカートリッジ型中空糸膜エレメントを収納し、
気体排出口上部に容積1リットルの滞留器を設けた、図
1に示す中空糸膜モジュールと同様の構造を有する中空
糸膜モジュールを使用して、10〜20℃の河川表流水
を原水として、外圧全濾過方式、流量560リットル/
時の条件で定流量濾過を行った。原水には、濾液中の遊
離塩素濃度が1ppmとなるように、次亜塩素酸ナトリ
ウム水溶液を継続して添加した。中空糸膜の洗浄は、シ
ーケンスコントロールにより30分に1回、中空糸膜モ
ジュールの濾液側に圧力2.0kg/cm2 の空気を導
入することにより20秒間加圧操作し、次いで中空糸膜
モジュールの原液側の下部より圧力1.0kg/cm2
の空気を600ノルマルリットル/時の流量で1分間噴
出させて行った。ここで、滞留器の容積をV(リット
ル)、バブリング洗浄時に中空糸膜モジュール内部へ導
入する気体流量をVg(ノルマルリットル/時)で表す
と、600V=Vgとなる。濾過運転期間中、膜間差圧
を定期的に測定し、差圧が1.5kg/cm2 に達する
までの濾過時間を中空糸膜モジュールの濾過寿命とした
場合、濾過寿命は76日間であった。
【0025】実施例2 実施例1において、滞留器の容積を0.3リットルとし
た以外は同様にして、河川表流水の濾過を行った。ここ
で、滞留器の容積をV(リットル)、バブリング洗浄時
に中空糸膜モジュール内部へ導入する気体流量をVg
(ノルマルリットル/時)で表すと、2000V=Vg
となる。膜間差圧で評価した濾過寿命は69日間であっ
た。
【0026】実施例3 ポリビニルアルコールにより表面親水化処理されたポリ
スルホン系樹脂からなる中空糸膜の代わりにポリビニル
アルコール系樹脂からなり、平均孔径0.1ミクロンで
ある中空糸膜を使用した以外は同様にして、河川表流水
の濾過を行った。膜間差圧で評価した濾過寿命は69日
間であった。
【0027】実施例4 親水化処理されたポリエチレン系樹脂からなり、平均孔
径0.1ミクロンである中空糸膜よりなる膜面積8.0
2 の「両端固定」タイプのカートリッジ型中空糸膜エ
レメントを収納し、気体排出口上部に容積0.3リット
ルの滞留器を設けた、図1に示す中空糸膜モジュールと
同様の構造を有する中空糸膜モジュールを使用して、1
0〜20℃の河川表流水を原水として、外圧全濾過方
式、流量640リットル/時の条件で定流量濾過を行っ
た。なお、原水には、濾液中の遊離塩素濃度が1ppm
となるように、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を継続して
添加した。中空糸膜の洗浄は、シーケンスコントロール
により30分に1回、中空糸膜モジュールの濾液側に圧
力2.0kg/cm2 の空気を導入することにより20
秒間加圧操作し、次いで中空糸膜モジュールの原液側の
下部より圧力1.0kg/cm2 の空気を1000ノル
マルリットル/時の流量で1分間噴出させて行った。こ
こで、滞留器の容積をV(リットル)、バブリング洗浄
時に中空糸膜モジュール内部へ導入する気体流量をVg
(ノルマルリットル/時)で表すと、2000V=Vg
となる。濾過運転期間中、膜間差圧を定期的に測定し、
差圧が1.5kg/cm2 に達するまでの濾過時間を中
空糸膜モジュールの濾過寿命とした場合、濾過寿命は7
6日間であった。
【0028】実施例5 ポリビニルアルコールにより表面親水化処理されたポリ
スルホン系樹脂からなり、平均孔径0.45ミクロンで
ある中空糸膜よりなる膜面積7.0m2 の「片端フリ
ー」タイプのカートリッジ型中空糸膜エレメントを収納
し、気体排出口上部に容積1リットルの滞留器を設け
た、図1に示す中空糸膜モジュールと同様の構造を有す
る中空糸膜モジュールを使用して、中空糸膜の洗浄はシ
ーケンスコントロールにより30分に1回、中空糸膜モ
ジュールの濾液側に圧力2.9kg/cm2 の空気を導
入し、中空糸膜の表面から3000ノルマルリットル/
時の空気を1分間噴出させて行った以外は実施例1と同
様にして、河川表流水の濾過を行った。ここで、滞留器
の容積をV(リットル)、バブリング洗浄時に中空糸膜
モジュール内部へ導入する気体流量をVg(ノルマルリ
ットル/時)で表すと、3000V=Vgとなる。膜間
差圧で評価した濾過寿命は52日間であった。
【0029】実施例6 ポリアクリロニトリル系樹脂からなり、分画分子量50
00である中空糸膜を用いた、膜面積5.0m2 の「両
端固定」タイプのケーシング一体型中空糸膜モジュール
の気体排出口上部に容積2リットルの滞留器を設けた、
図1に示す中空糸膜モジュールと同様の構造を有する中
空糸膜モジュールを使用して、原水を中空糸膜の外側に
線速0.2m/秒の速度で流しながら、外圧循環濾過方
式、流量300リットル/時の条件で定流量濾過を行っ
た。中空糸膜の洗浄は、シーケンスコントロールにより
30分に1回、中空糸膜モジュールの濾液側に圧力2k
g/cm2 の空気を導入することにより20秒間加圧操
作し、次いで中空糸膜の一端より圧力1.0kg/cm
2 の空気を500ノルマルリットル/時の流量で1分間
噴出させて行った。ここで、滞留器の容積をV(リット
ル)、バブリング洗浄時に中空糸膜モジュール内部へ導
入する気体流量をVg(ノルマルリットル/時)と表す
と、250V=Vgとなる。濾過運転期間中、膜間差圧
を定期的に測定し、差圧が1.5kg/cm2 に達する
までの濾過時間を中空糸膜モジュールの濾過寿命とした
場合、濾過寿命は49日間であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によって、長期間安定的に連続し
た濾過運転が可能となり、薬液洗浄の頻度を低減させる
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】気体排出口上部に滞留器を設けた本発明の外圧
型中空糸膜モジュールの一例を示す概略構成図である。
【図2】従来の外圧型中空糸膜モジュールの一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
A:濾液側 B:原液側 1:筐体 2:仕切板 3:保護円筒 4:中空糸膜エレメント 5:濾液出口 6:加圧気体導入口 7:原液導入口 8:気体排出口 9:気体導入口 10:原液排出口 11:液面レベル 21:滞留器 22:液面レベル 23:滞留器の気体排出口下端を通る水平線 24:滞留器の容積 25:従来の気体排出口 26:気体排出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筐体と、筐体内に固定された単数または
    複数の中空糸膜エレメントと、原液導入口と、濾液出口
    と、洗浄時に気体が導入される気体導入口と、該気体が
    排出される気体排出口と、該気体排出口の上部に設けら
    れ、洗浄時に気体排出口から気体とともに排出された液
    体が滞留する滞留器とを備えたことを特徴とする外圧濾
    過型中空糸膜モジュール。
  2. 【請求項2】 中空糸膜が収納された中空糸膜モジュー
    ルの原液側に気体を導入して中空糸膜を洗浄するとき
    に、該気体とともに排出される液体を、中空糸膜の上端
    よりも上部に設けた滞留器に滞留させながら洗浄を行う
    ことを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  3. 【請求項3】 滞留器の容積をV(リットル)、洗浄時
    に中空糸膜モジュールの原液側へ流入する気体流量をV
    g(ノルマルリットル/時)で表した場合、 5000V≧Vg である請求項2に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方
    法。
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