JP2005161179A - 中空糸膜モジュールの洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中空糸膜束の上部における不十分な洗浄に起因する中空糸膜へのSS負荷を低減することを可能にする中空糸膜モジュールの洗浄方法を提供すること。
【解決手段】 中空糸膜の外表面側から原液が供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールの洗浄方法であって、中空糸膜の原液側に液体を満たした状態で、中空糸膜の濾液側に加圧気体を注入して中空糸膜を加圧し、次いで中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放した後、中空糸膜の濾液側を閉鎖して濾液側で気体および液体の移動が生じない状態にして、中空糸膜の原液側を気泡で洗浄する。中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放してから濾液側を閉鎖するまでの時間は、1〜120秒間の範囲内であることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は中空糸膜モジュールの洗浄方法に関する。
近年、中空糸膜による分離技術の開発が進み、中空糸膜は水の濾過をはじめ様々な用途に広く用いられている。しかし、中空糸膜による濾過の過程では、SSと呼ばれる原液中の懸濁物質等の固形物が中空糸膜表面に付着したり、あるいは微多孔に侵入し、経時的に透過流束の低下が生じる。このようなことから、中空糸膜による濾過運転を長期間に亘って継続的に安定して実施するためには、濾過条件の設定と同時に有効な中空糸膜の洗浄方法を開発することが不可欠とされている。
従来、中空糸膜モジュールの洗浄方法として、種々の方法が検討されてきたが、これらは物理的洗浄方法と、化学的洗浄方法とに大別できる。物理的洗浄方法としては、スポンジボール、高圧水流などにより強制的に付着物質をかき取る方法、水、透過液などの液体を濾液側から原液側へ通過させる液体逆洗法、加圧気体を濾液側から原液側へ通過させる気体逆洗法(例えば、特許文献1および2参照)、中空糸膜の原液側から気体が放出される圧力よりも小さい圧力の気体を濾液側から導入する加圧操作、原液側に気泡を噴出させるバブリング法、超音波法、電気泳動法などをはじめ、多種多様の方法が提案されている。また、化学的洗浄方法としては、酸またはアルカリ水溶液、洗浄剤などの薬液により、付着物を溶解除去する方法が知られている。
これらの方法の中で、原液が中空糸膜の外表面側から供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールの物理的洗浄方法としては、原液側に気泡を噴出させるバブリング法が広く採用されている。また、バブリング法を液体逆洗法、気体逆洗法、加圧操作などと組み合わせて実施することもある。特に中空糸膜の原液側から気体が放出される圧力よりも小さい圧力の気体を濾液側から導入する加圧操作を行った後にバブリングする方法は、濾過運転を長期的に亘って安定して実施するのに有効であるとされている(例えば、特許文献3参照)
しかし、この方法を、原液が中空糸膜の外表面側から供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールの洗浄に利用して濾過運転を行った場合には、中空糸膜束に経時的に生じる捻れや絡みが徐々に増大して、最終的には中空糸膜の濾過性能を低下させる可能性があることが判明した。また、これと同様の現象は、中空糸膜の原液側から気体が放出される圧力よりも大きい圧力の気体を濾液側から導入し、気体逆洗浄を行った後にバブリングを実施する方法においても、発生する場合があることが判明した。
本発明者らは先に、濾液側からの加圧操作後に圧力を解放し、その後バブリングを実施することで、上記方法を行うことに起因した経時的な捻れや絡みによる中空糸膜の濾過性能の低下を防ぐことができることを見出した(特許文献4参照)。しかしこの方法を、原液が中空糸膜の外表面側から供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールに適用して濾過運転を行った場合には、水圧によって原液側の液体が濾液側に通過して原液側の液面の低下が起こり、中空糸膜の上部が空気中に露出した状態でバブリングが行われ、中空糸膜束の上部にまで水流や気泡が到達せず、中空糸膜の上部の洗浄を効果的に行うことができないことが判明した。また、これと同様の現象は、中空糸膜の原液側から気体が放出される圧力よりも大きい圧力の気体を濾液側から導入し、気体逆洗浄を行った後にバブリングを実施する方法においても、発生することがあることが判明した。
この発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開昭53−108882号公報 特表平1−500732号公報 特開平10−286441号公報 特開2001−29755号公報
本発明の目的はこれら従来技術における問題点を解決し、バブリング洗浄中の原液側の液面が低下することに起因する中空糸膜束の上部における洗浄不良を低減することのできる中空糸膜モジュールの洗浄方法を提供することにある。
上記の課題を解決する本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法は、中空糸膜の外表面側から原液が供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールの洗浄方法であって、中空糸膜の原液側に液体を満たした状態で、中空糸膜の濾液側に加圧気体を注入して中空糸膜を加圧し、次いで中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放した後、中空糸膜の濾液側を閉鎖して濾液側で気体および液体の移動が生じない状態にして、中空糸膜の原液側を気泡で洗浄することを特徴とする。
本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法によって、バブリング洗浄中の原液側液面が低下することに起因する中空糸膜束の上部における洗浄不良を低減することが可能になり、中空糸膜へのSS付着による負荷を著しく軽減することができるようになる。
本発明において、中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放してから濾液側を閉鎖するまでの時間は、1〜120秒間の範囲内であることが好ましく、5〜60秒間の範囲内であることがより好ましい。
以下に本発明の実施態様の一例を、図面を用いて説明する。図1は本発明の洗浄方法を行うために使用することができる外圧型中空糸膜モジュールの一例の概略構成図である。この濾過装置において、中空糸膜エレメント4が収納された中空糸膜モジュール1は、上部が濾液側A、下部が原液側Bになるように仕切板2によって仕切られている。濾液側Aには濾液出口5および加圧気体導入口6が設けられており、原液側Bには原液導入口7、気体排出口8、気体導入口9および原液排出口10が設けられている。
図2には、図1に示す中空糸膜モジュールを使用した、外圧全濾過方式の中空糸膜濾過装置の概略構成を示す。図2にしたがって本発明を適用した中空糸膜濾過装置の運転方法の一例を説明する。全てのバルブを閉じた状態から、気体排出口バルブ24、原液導入口バルブ21および濾液出口バルブ23を開き、送液ポンプを作動させて中空糸膜モジュール25の原液側Eに原液を導入し、気体排出口バルブ24から原液が溢れた後、気体排出口バルブ24を閉じて濾過を開始する。濾過時間の経過に伴い中空糸膜エレメント26の膜表面にはSS成分が付着し、濾過能力が低下するため、続いて本発明の方法により中空糸膜を洗浄する。すなわち、送液ポンプを停止した後、濾過工程で開いている原液導入口バルブ21および濾液出口バルブ23を閉じて濾過を停止し、次いでエアーコンプレッサー29を作動させながら気体排出口バルブ24および加圧気体導入口バルブ22を開く。そして、中空糸膜モジュール25の濾液側Dに導入された加圧気体が中空糸膜を通過して原液側Eに抜ける圧力(以下、この圧力のことを「バブルポイント」と呼ぶことがある。)よりも小さい圧力の加圧気体を中空糸膜モジュール25の濾液側Dに導入して加圧操作を行う。この加圧操作により、中空糸膜内の濾液が中空糸膜の壁面を通じて原液側に押し出され、気体排出口バルブ24より外部へ排出される。以上の加圧操作を所定時間行った後、加圧気体導入口バルブ22を閉じ、その後濾液出口バルブ23を開いて中空糸膜モジュール25の濾液側Dの加圧状態を解放し、所定の時間経過させた後、濾液出口バルブ23を閉じて中空糸膜モジュール25の濾液側Dで気体および液体の移動が生じない状態にして、気体導入口バルブ28を開き、バブリング洗浄を所定時間行う。前記した洗浄工程終了後、気体導入口バルブ28を閉じ、原液排出口バルブ27を開いてドレンを排出した後、濾過工程へ戻る。
本発明において、加圧状態を解放し、次いで濾液側を閉鎖する操作をした後、中空糸膜モジュールの原液側に気体を導入してバブリング洗浄を行う際の気体の供給量は特に限定されないが、膜洗浄効果が高く、膜破損のおそれが小さいことから、中空糸膜の有効膜面積1mあたり10〜500NL/hの範囲内であることが好ましく、20〜300NL/hの範囲内であることがより好ましい。またバブリング洗浄を実施する時間としては、5〜120秒間の範囲内であることが好ましく、20〜60秒間の範囲内であることがより好ましい。
本発明において、中空糸膜の濾液側に加圧気体を注入する加圧操作およびバブリング操作を行うときに用いる気体としては、空気、窒素などが挙げられる。加圧操作で注入する気体の圧力としては、中空糸膜の素材、孔径および中空糸膜を気体が通過する圧力などに応じて設定する必要があるが、例えば親水化処理されたポリスルホン系樹脂からなり、平均孔径0.45ミクロンの中空糸膜を使用して気体逆洗浄を行う場合は、圧力0.15〜0.30MPaの範囲内であることが好ましい。また、同様に親水化処理されたポリスルホン系樹脂からなり、平均孔径0.1ミクロンの中空糸膜を使用して、バブルポイントよりも小さい圧力の気体を注入する加圧操作を行う場合には、圧力0.1〜0.3MPa範囲内であることが好ましい。また加圧操作の時間としては、中空糸膜のバブルポイントよりも大きい圧力の気体を注入して気体逆洗浄を行う場合は1〜120秒間の範囲内であることが好ましく、5〜60秒間の範囲内であることがより好ましい。また中空糸膜のバブルポイントよりも小さい圧力の気体を注入する加圧操作を行う場合には、1〜60秒間の範囲内であることが好ましく、5〜30秒間の範囲内であることがより好ましい。
本発明で使用される中空糸膜としては、ポリビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、親水性高分子が添加されたポリスルホン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、親水化処理されたポリエチレン系樹脂などの親水性素材からなるものが、高い親水性を有するためにSS成分の難付着性、付着したSS成分の剥離性に優れている点で好ましいが、他の素材で構成された中空糸膜を用いることもできる。例えば、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、エチレンービニルアルコール共重合体系、ポリアクリロニトリル系、酢酸セルロース系、ポリフッ化ビニリデン系、ポリパーフルオロエチレン系、ポリメタクリル酸エステル系、ポリエステル系、ポリアミド系などの有機高分子系の素材で構成された中空糸膜、セラミック系などの無機系の素材で構成された中空糸膜などを使用条件、所望する濾過性能などに応じて選択することができる。ここで、ポリビニルアルコール系樹脂により親水化処理されたポリスルホン系樹脂、親水性高分子が添加されたポリスルホン系樹脂またはポリビニルアルコール系樹脂からなる中空糸膜は、上記した親水性に優れるのみならず、耐熱性にも優れることから、特に好ましい。有機高分子系の素材を使用する場合、30モル%以内の量で他成分を共重合したもの、または30重量%以内の量で他の素材をブレンドしたものであってもよい。
有機高分子系の中空糸膜を使用する場合、中空糸膜の製造方法は特に限定されることはなく、素材の特性および所望する中空糸膜性能に応じて、公知の方法から適宜選択した方法を採用することができる。一般的には溶融紡糸法、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などが採用される。また、透水性の観点から、中空糸膜は緻密層と支持層とを有する非対称構造を持つことが好ましいが、一般に溶融紡糸法により製造される中空糸膜は対称構造となることから、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法などの相転換法により製造することが好ましい。
本発明で使用される中空糸膜の孔径は特に限定されないが、0.001〜5ミクロンの範囲内であることが、高い透水性を有し、濾過効率が低下するおそれが小さいことから好ましい。なお、ここでいう孔径とは、コロイダルシリカ、エマルジョン、ラテックスなどの粒子径が既知の各種基準物質を中空糸膜で濾過した際に、その90%が排除される基準物質の粒子径をいう。孔径は均一であることが好ましい。限外濾過膜であれば、上記のような基準物質の粒子径に基づいて、孔径を求めることは不可能であるが、分子量が既知の蛋白質を用いて同様の測定を行ったときに、分画分子量が3000以上であるものが好ましい。
中空糸膜の力学的性質およびモジュールとしての膜面積の観点から、中空糸膜の外径は200〜3000ミクロンの範囲内に設定することが好ましく、500〜2000ミクロンの範囲内であることがより好ましい。同様に中空糸膜の厚さは50〜700ミクロンの範囲内にあることが好ましく、100〜600ミクロンの範囲内であることがより好ましい。
本発明において、該中空糸膜はモジュール化されて濾過に使用される。濾過方法、濾過条件、洗浄方法などに応じてモジュールの形態を適宜選択することができ、1本または複数本の中空糸膜エレメントを装着して中空糸膜モジュールを構成しても良い。モジュールの形態としては、例えば数十本から数十万本の中空糸膜を束ねてモジュール内でU字型にしたもの、中空糸繊維束の一端を適当なシール材により一括封止したもの、中空糸繊維束の一端を適当なシール材により1本ずつ固定されていない状態(フリー状態)で封止したもの、中空糸繊維束の両端を開口したものなどが挙げられる。また、中空糸膜モジュールの形状も特に限定されることはなく、例えば円筒状であってもスクリーン状であってもよい。本発明の洗浄方法では、高い膜表面洗浄効果が発現し、かつ剥離したSSの排出がきわめて容易であることから、中空糸繊維束の一端を1本ずつフリー状態で封止した「片端フリー」タイプのモジュールを用いることが特に好ましい。
本発明において、中空糸膜は単数または複数の中空糸膜エレメントに収納され、この中空糸膜エレメントは筐体内に固定されるが、固定の方法が特に限定されることはない。例えば中空糸膜エレメントを筐体に接着しても良く、筐体に金具などでカートリッジ型中空糸膜エレメントを固定しても良い。
なお、本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法には、ドレン排出と満水とを繰り返して中空糸膜表面および中空糸膜モジュール内部の洗浄を行う工程、フラッシング洗浄工程など、必要に応じて他の工程を追加することも可能である。
濾過後または逆洗浄後に中空糸膜を薬液洗浄して、中空糸膜に付着した有機物、無機物などを溶解除去することもできる。ここで、薬液洗浄の方法としては、有機物、無機物などを除去するために水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリで処理する方法、金属類を除去するために酸水溶液などの酸で処理する方法、洗浄剤で処理する方法、これらを組み合わせて連続的に行う方法などがあり、これによって中空糸膜の再生が可能である。
これまでに述べてきた濾過に伴う操作、気体による加圧操作、気泡による洗浄操作、薬液洗浄操作などの一連の操作は、シーケンスコントロールを行うことにより自動的に行うようにすることができる。例えば一定時間濾過を行った後、気体による加圧および気泡による膜表面洗浄を1回ないし数回実施し、次いで、必要に応じて1回ないし数回水洗を行い、その後薬液洗浄を行うという一連の洗浄工程をシーケンスコントロールにより自動的かつ連続的に行い、濾過工程と中空糸膜および濾過ラインの洗浄工程とを交互に繰り返しながら長期間安定的に運転を継続することが可能である。また濾過工程と洗浄工程とをシーケンスコントロールにより連続的に繰り返し、目詰まりが大きくなった時点で手動により逆洗浄する、いわゆるセレクトスイッチ方式で長期間安定的に運転を継続することも可能である。
本発明の洗浄方法は、気体逆洗浄または加圧操作とバブリング洗浄とを実施するときに洗浄効果が有効に発現されることから、従来知られている河川水、井水、湖沼水などの浄化用途をはじめ、極めて広範な用途で従来よりも高透過流束で長期間連続して安定的な濾過が可能である。例えば、食品工業分野では、原料水の除菌・除鉄・除マンガン、洗浄用水の除菌・微粒子除去、天然水の除菌・微粒子除去、醤油の除菌・精製、清酒の除菌・精製、食酢の除菌・精製、みりんの精製、調味液の除菌・精製、醸造オリからの製品回収、糖液の除菌・微粒子除去・精製、ハチミツの精製、酵素・蛋白質の精製・濃縮、発酵液の精製、チーズホエーからの蛋白質の回収精製、ミルクの濃縮による高蛋白乳の製造、水産加工排水からの蛋白質回収、魚肉蛋白の濃縮、肉加工廃棄物からの肉蛋白質の回収、豚の血液からの赤血球の分離、血液中のアルブミンとグロブリンの濃縮精製、大豆ホエーからの生理活性物質の回収・精製、大豆煮汁からの蛋白質回収、あぶらな蛋白の毒素除去と蛋白質濃縮、じゃがいもでんぷん工業廃水からの有用蛋白質の回収、天然色素の回収精製、各種酵素の回収精製、液体飲料の清澄化と除菌、柑橘類・リンゴペプチン液の濃縮、バクテリア細胞および代謝物質の回収による発酵液の精製などの用途で使用可能であり、医療分野では原料となる純水・超純水製造装置の前処理、洗浄用水のパイロジェン除去、注射用水製造、透析用水製造、透析液の精製、ワクチン・酵素・ビールス・核酸・蛋白質などの生理活性物質の分離・濃縮・精製、ホルモンの精製、人工血液の製造、多糖類の濃縮精製、病院手洗い水の除菌、手術器具洗浄水の除菌などの用途に使用可能であり、電子工業分野では、逆浸透膜の前処理、超純水のファイナルフィルター、超純水のユースポイントフィルター、超純水のユニット組み込みフィルター、洗浄水の微粒子除去、研磨排水の回収、ダイシング排水の回収などの用途で使用可能であり、化学工業分野では、塗料の濃縮・回収、油剤の分離・回収、エマルジョンの分離・回収、コロイドの分離・回収、微粉体の洗浄精製、洗浄水の微粒子除去、メッキ液の精製、電気透析の前処理などの用途で使用可能であり、水処理分野では、中水道のMLSS除去、排水の三次処理、排水の回収・再利用、原子力発電排水の精製、バクテリアの除去などの用途で使用可能であり、繊維・染色加工分野では、PVA糊抜き排水のクローズド化、繊維加工油剤の回収・再利用、洗毛排水からのラノリンの回収、絹糸加工排水からのセリシンの回収などの用途で使用可能であり、鉄鋼・機械加工分野では、バレル研磨排水の回収、バフ研磨排水の回収、圧延油排水処理、水溶性切削油排水処理、動植物油加工排水の処理、脱脂洗浄排水からのエマルジョン除去・洗浄剤回収、リンス水のエマルジョン除去・リンス水回収、スクリーン版洗浄剤からのインク類除去などの用途で使用することが可能であり、さらには蒸気ドレン回収、蓄熱槽を用いた冷暖房システムの熱冷媒水の浄化などの用途で使用可能である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。以下の実施例の結果から、本発明によれば、中空糸膜束の上部までのバブリング洗浄が可能であることが明らかである。
ポリスルホン系樹脂からなり、平均孔径0.02ミクロンであって、バブルポイントが0.5MPa以上である中空糸膜よりなる膜面積28.0mの「片端フリー」タイプの中空糸膜モジュールを使用し、温度8〜16℃の河川表流水を原水として、外圧全濾過方式、濾過速度1.28m/hの条件で定流量濾過を行った。中空糸膜の洗浄は、シーケンスコントロールにより30分に1回、中空糸膜モジュールの濾液側に、圧力0.2MPaの空気を導入することにより10秒間加圧操作し、その後濾液出口バルブを開いて加圧状態を解放した状態で5秒間置き、次いで濾液出口バルブを閉じ、中空糸膜モジュールの原液側の下部より圧力0.1MPaの空気を1.68Nm/hの流量で1分間噴出させて行った。バブリング中の原水側の水位は原水側の気体排出口の位置で維持されており、中空糸膜束の上部まで水位は維持されていた。バブリング停止後、原水側の水位は原水側の気体排出口よりも4cm下の位置であった。濾過運転の期間中、膜間差圧を定期的に測定し、膜間差圧が0.15MPaに達するまでの濾過時間を中空糸膜モジュールの濾過寿命とした場合、濾過寿命は168日間であった。
比較例1
実施例1において、濾液側の加圧操作を行った後、加圧状態を解放する操作を行い、その後濾液出口バルブを閉じる操作を行うことなく、解放状態のまま中空糸膜モジュールの原液側の下部より圧力0.1MPaの空気を1.68Nm/hの流量で導入して1分間バブリング洗浄を行った以外は同様にして、河川表流水の濾過運転を行った。バブリング中、原水側の水位は原水側の気体排出口よりも8.0cm下にまで低下しており、中空糸膜束の上部は空気中に露出した状態で十分には洗浄されていなかった。バブリング停止後、原水側の水位は原水側の気体排出口よりも18.5cm下にまで低下した。濾過運転期間中、膜間差圧を定期的に測定し、膜間差圧が0.15MPaに達するまでの濾過時間を中空糸膜モジュールの濾過寿命とした場合、濾過寿命は114日間であった。
本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法の実施に利用される外圧型中空糸膜モジュールの一例を示す図である。 図1の外圧型中空糸膜モジュールを使用した濾過装置の一例を示す図である。
符号の説明
A,D・・・濾液側
B,E・・・原液側
1,25・・・中空糸膜モジュール
2・・・仕切板
4,26・・・中空糸膜エレメント
5・・・濾液出口
6・・・加圧気体導入口
7・・・原液導入口
8・・・気体排出口
9・・・気体導入口
10・・・原液排出口
21・・・原液導入口バルブ
22・・・加圧気体導入口バルブ
23・・・濾液出口バルブ
24・・・気体排出口バルブ
27・・・原液排出口バルブ
28・・・気体導入口バルブ
29・・・エアーコンプレッサー

Claims (2)

  1. 中空糸膜の外表面側から原液が供給され、中空糸膜の内表面側から濾液が取り出される外圧濾過方式で使用される中空糸膜モジュールの洗浄方法であって、中空糸膜の原液側に液体を満たした状態で、中空糸膜の濾液側に加圧気体を注入して中空糸膜を加圧し、次いで中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放した後、中空糸膜の濾液側を閉鎖して濾液側で気体および液体の移動が生じない状態にして、中空糸膜の原液側を気泡で洗浄することを特徴とする中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  2. 中空糸膜の濾液側の加圧状態を解放してから濾液側を閉鎖するまでの時間が1〜120秒間の範囲内である請求項1記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
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