JPH11190847A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

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JPH11190847A
JPH11190847A JP35875697A JP35875697A JPH11190847A JP H11190847 A JPH11190847 A JP H11190847A JP 35875697 A JP35875697 A JP 35875697A JP 35875697 A JP35875697 A JP 35875697A JP H11190847 A JPH11190847 A JP H11190847A
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crystal device
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partition member
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JP35875697A
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Tadashi Mihara
正 三原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶素子においてセル内における液晶分子の
移動を防止すると同時に、カイラルスメクチック液晶素
子における、DC電界や絶縁層に蓄積された電荷による
スイッチング不良を防止する。 【解決手段】 それぞれにストライプ状の透明電極1
1、21と配向膜を14、24を形成した一対の基板1
1、21間を、接着性樹脂からなる隔壁部材15によっ
て接着すると同時に、該基板間隔を保持し、且つ、上記
隔壁部材15を形成する接着性樹脂に導電性微粒子を添
加して該隔壁部材15の導電性を液晶化合物16の導電
性よりも一桁以上高くすることにより、DC電界や電荷
をリークする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や液
晶光シャッター等に用いる液晶素子に関し、特に自発分
極の作用を利用して駆動する強誘電性液晶(FLC)や
反強誘電性液晶等カイラルスメクチック液晶を用いた液
晶素子に好適な液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータのディス
プレイや小型テレビに用いられる表示装置として、薄型
軽量の液晶表示装置が注目されている。さらに、この液
晶表示装置は、壁掛けテレビやコンピュータ用の大型の
ディスプレイとしての用途も期待されている。
【0003】液晶表示装置における表示容量の大型化に
際しての問題点は、第1に従来多く用いられているTN
型もしくはSTN型液晶は、視角依存性があるために画
面の上下左右や見る位置によって色が違って見えたり、
コントラスト比が落ちてしまうことである。
【0004】また、14インチを超える大きさになる
と、液晶素子を縦置きにした状態で使用していると、液
晶が自重で下に溜ってくる。そしてこの液晶が下に溜っ
てくる力でセル厚を押し広げ、セル厚むらを発生させ
る。これにより液晶素子の表示品位を著しく低下させる
という問題があった。
【0005】さらに、従来のTN型液晶が持つ根本的な
画質問題を解決するものとして、クラークとラガーウォ
ルによる米国特許第4,367,924号明細書に記載
されているような、双安定性を有する強誘電性液晶素子
が知られている。この強誘電性液晶としては使用状態に
おいてカイラルスメクチック相を呈するカイラルスメク
チック液晶が知られている。この液晶は、理想的には二
つの安定状態のいずれかに安定しようとして、中間的な
分子位置を取りにくい。
【0006】また、上記強誘電性液晶素子は、印加電界
の下で分子が基板の面方向に移動することがある。この
ような移動が起こると、液晶素子のセル厚(液晶材料を
挟む基板間隔)が変動し、画面内が黄色に色付いて見え
る「黄変」という現象が生じる。
【0007】また、カイラルスメクチック液晶では、対
向する電極間にわずかなDC(直流)電界が印加されて
もスイッチングの妨げとなり、画質が著しく低下すると
いう問題があった。これを防止するために、DC電界が
液晶層に常に印加されないよう絶縁層を電極上に形成す
ると、カイラルスメクチック液晶の持つ自発分極(P
s)の影響でこの絶縁層に電荷が蓄積し、この電荷の蓄
積が液晶のスイッチングを妨げるために、画質が低下し
てしまうという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した、従来、液晶素子を大画面にした時や長時間使用し
た時のセル厚むらの発生を防止し、同時に、液晶のTN
型液晶における焼き付きの問題やカイラルスメクチック
液晶におけるDC電界や絶縁層に蓄積された電荷による
スイッチング不良を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、それぞれに電
極を有する一対の基板間に液晶を挟持してなる液晶素子
であって、上記一対の基板間隔が該基板にそれぞれ接着
された隔壁部材によって保持され、且つ該隔壁部材が導
電性を有することを特徴とする液晶素子である。
【0010】本発明においては、上下基板を接着し且つ
上下基板間隔を一定に保持する隔壁部材を形成すること
により、セル厚むらの発生を防止することができる。ま
た、液晶の流れを堰き止める方向にストライプ状に該隔
壁を形成すれば、液晶の流れ自体を防止でき、良好な表
示を保つことができる。
【0011】また、本発明においては、上記隔壁部材に
導電性を持たせることにより、液晶層にDC電界が印加
された場合でも、当該隔壁部材によって該DC電界をリ
ークし、液晶層に印加されるのを防止して、耐久性、表
示品位の優れた液晶素子とすることができる。また、カ
イラルスメクチック液晶の持つ自発分極による内部電界
が発生しても、該隔壁部材によってリークし、液晶層に
該内部電界が印加されるのを防止して、スイッチング不
良を防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に本発明の液晶素子の一実施
形態の部分断面模式図を示す。図中、11,21は基
板、12,22はストライプ状の電極、13は絶縁層、
14,24は配向膜、15は隔壁部材、16は液晶化合
物である。
【0013】本発明において、基板11,21としては
通常用いられるガラス基板が用いられるが、これに限定
されるものではなく、透明性や強度等必要な特性を備え
ていればプラスチックなども好ましく用いられる。ま
た、電極12,22は通常ITO等透明導電材で形成さ
れ、本実施形態において、電極12は紙面に平行に、電
極22は紙面に垂直方向にストライプ状に形成され、互
いに直交するように配置されている。
【0014】配向膜14,24は、少なくとも一方の基
板の液晶との界面に設けられ、通常一軸配向処理を施さ
れる。該配向膜の形成方法としては、例えば基板上に溶
液塗工または蒸着、スパッタリング等により、一酸化ケ
イ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ジルコニア、
フッ化マグネシウム、酸化セリウム、フッ化セリウム、
シリコン窒化物、シリコン炭化物、ホウ素窒化物などの
無機物やポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリイミ
ドアミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルイ
ミド、ポリパラキシレン、ポリカーボネート、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、
ポリシロキサン、セルロース樹脂、メラミン樹脂、ウレ
ア樹脂、アクリル樹脂などの有機物を用いて被膜形成し
た後、表面をビロード、布或いは紙等の繊維状のもので
摺擦(ラビング)することにより得られる。また、Si
O等の酸化物或いは窒化物などを基板の斜方から蒸着す
る、斜方蒸着法なども用いられ得る。また、自発分極P
sのスイッチングに伴って発生する反電場の大きさを抑
制し、良好なスイッチング性能を有する観点で、配向膜
の膜厚は200Å以下が好ましい。望ましくは100Å
以下である。
【0015】本発明において好ましく選択される上記配
向膜の素材としては、以下の一般式Pで表わされる繰り
返し単位を有するポリイミドが挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】また、上記したポリイミドの具体的構造と
しては、例えば以下の繰り返し単位構造を有する重合体
が挙げられる。
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】
【化5】
【0022】本発明においては、好ましくは、基板上の
少なくとも一方の配向膜に、導電性微粒子を分散させる
等の手段により導電性を付与し、好ましくは液晶層の導
電性よりも10倍以上高い導電性とすることが好まし
い。こうして隔壁部材と同様に液晶層に加わるDC電界
をリークさせることができる。尚、この場合、配向膜と
下層の電極間には配向膜の導電性に応じて絶縁層を設け
ることが望ましい。例えば導電性制御不純物が添加され
た酸化物等の導電性微粒子を、母材中に分散させてなる
材料の膜を用いる。具体的には、シリカ或いはシロキサ
ンポリマー等の母材中に必要に応じてSb等の導電性不
純物をドープしたSnO2 等の酸化物の微粒子を分散し
た塗布型の膜を用いることができる。
【0023】本発明においては、必要に応じて絶縁層1
3や、パッシベーション層(図示せず)を形成しても良
い。絶縁層13の膜厚は好ましくは100〜2000Å
である。
【0024】また、上記パッシベーション層を設ける場
合には、好ましくは誘電率が10以上の高誘電率誘電体
薄膜を用いる。かかる薄膜は、特に液晶としてカイラル
スメクチック液晶を用いる場合に、ショート防止及び液
晶に印加される駆動実効電圧低下を抑制する観点で好適
である。当該高誘電率誘電体薄膜の材料の具体例として
は、TaOx 、SrTiO3 、BaTa26 等が挙げ
られる。
【0025】本発明においては、隔壁部材15を用いて
上下基板の間隔(セルギャップ保持)及び上下基板の接
着を行う。該隔壁部材15には上記配向膜と同様に、導
電性微粒子を分散させる等の手段により導電性を付与
し、好ましくは液晶層の導電性よりも10倍以上高い導
電性とすることが好ましい。隔壁部材に分散させる導電
性微粒子としては、SnO2粒子、カーボン粒子、スズ
をメッキしたSiO2粒子等が用いられる。該微粒子の
平均粒径は好ましくは0.1〜1μmであり、配向膜へ
の添加量は5〜30重量%程度が好ましい。
【0026】また、上記導電性微粒子を分散させる母材
としては、接着樹脂、例えばポリイミド、ポリアミド、
ポリビニルアルコール(PVA)等が好ましく用いられ
る。これら接着樹脂は、通常のフォトリソ工程により容
易にパターニングして所望の形状を形成することができ
る。
【0027】本発明において隔壁部材15は、ストライ
プ状或いはドット状に形成されるが、好ましくは、画素
の開口率を低下させないように、一方の基板上の電極
(本実施形態では電極22)の間隙に形成する。隔壁部
材15の高さ、即ちセルギャップは例えばカイラルスメ
クチック液晶を用いる場合で5μm以下に形成される。
本発明に用いられる液晶としては、TNモードやSTN
モードに用いられるネマチック液晶、またはスメクチッ
ク液晶、特に強誘電性や反強誘電性を示すカイラルスメ
クチック液晶が用いられる。カイラルスメクチック液晶
として、例えば、フルオロカーボン末端部分と炭化水素
末端部分を有し、該両末端部分が中心核によって結合さ
れ、スメクチック中間相或いは潜在的スメクチック中間
相を持つフッ素含有液晶化合物を含有する液晶組成物が
好適に用いられる。このような液晶材料としては、国際
公開WO86−04060、特開平4−272989号
公報、米国特許第5,262,082号、WO93/2
2396、WO95/17481に開示の化合物が挙げ
られる。
【0028】また、本発明で用いる液晶中には、その他
の化合物、例えば染料、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収
材等の添加物を必要に応じて加えることが可能である。
【0029】本発明の液晶素子は、基板11、21にそ
れぞれ電極12、22、絶縁層13、配向膜14、24
等必要な部材を作り込み、一方の基板(21)に隔壁部
材15を形成し、一方の基板の周縁部にシール材を描画
して両基板を重ね、加圧・加熱してシール材及び上記隔
壁部材15を硬化して得られたセルに、液晶を注入し、
該液晶注入口を封止して得られる。また、本発明の液晶
素子は通常、一対の偏光板の間に挟持して用いる(透過
型の場合)。
【0030】上記実施形態においては、単純マトリクス
構造の液晶素子について説明したが、本発明は当該電極
構造の液晶素子に限定されるものではなく、TFT等ス
イッチング素子を用いたアクティブマトリクスタイプの
液晶素子にも適用し得るものである。
【0031】また、本発明は上記実施形態の構成に限定
されるものではなく、本発明の請求項1において限定し
た構成以外は従来の液晶素子の技術を適用することがで
きる。
【0032】本発明の液晶素子は種々の機能を持った液
晶装置を構成するが、図2、図3に示した走査線アドレ
ス情報を持つ画像情報なるデータフォーマット及びSY
N信号による通信同期手段を取ることにより液晶表示装
置を実現する。図中の符号はそれぞれ以下の通りであ
る。
【0033】101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM 画像情報の発生は、本体装置側のグラフィックコントロ
ーラ102にて行われ、図2及び図3に示した信号転送
手段(画像情報通信タイミングチャート)に従って表示
パネル103へと転送される。グラフィックコントロー
ラ102は、CPU(中央演算処理装置、GCPUと略
す。)及びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を
核にホストCPU113と液晶表示装置101間の画像
情報の管理や通信を司っている。尚、該表示パネルの裏
面には、光源が配置されている。
【0034】本表示装置は表示媒体である本発明の液晶
素子が良好なスイッチング特性を有するため、優れた駆
動特性、信頼性を発揮し、高精細、高速、大面積の表示
画像を得ることができる。
【0035】本発明の液晶素子の駆動法としては、例え
ば特開昭59−193426号公報、特開昭59−19
3427号公報、特開昭60−156046号公報、特
開昭60−156047号公報などに開示された駆動法
を適用することができる。
【0036】図6は、上記駆動法の波形図の一例であ
る。また、図5は、マトリクス電極を配置した本発明の
液晶素子の一例の平面図である。図5の液晶パネル51
には、走査電極群52の走査線と情報電極群53のデー
タ線とが互いに交差して配線され、その交差部の走査線
とデータ線との間にはカイラルスメクチック液晶が配置
されている。
【0037】図6(A)中のSS は選択された走査線に
印加する選択走査波形を、SN は選択されていない非選
択走査波形を、IS は選択されたデータ線に印加する選
択情報波形(黒)を、IN は選択されていないデータ線
に印加する非選択情報信号(白)を表わしている。ま
た、図中(IS −SS )と(IN −SS )は選択された
走査線上の画素に印加する電圧波形で、電圧(IS −S
S )が印加された画素は黒の表示状態をとり、電圧(I
N −SS )が印加された画素は白の表示状態をとる。
【0038】図6(B)は図6(A)に示す駆動波形
で、図4に示す表示を行った時の時系列波形である。
【0039】図6に示す駆動例では、選択された走査線
上の画素に印加される単一極性電圧の最小印加時間Δt
が書込み位相t2 の時間に相当し、1ラインクリヤt1
位相の時間が2Δtに設定されている。
【0040】さて、図6に示した駆動波形の各パラメー
タVS ,VI ,Δtの値は使用する液晶材料のスイッチ
ング特性によって決定される。
【0041】図7は後述するバイアス比を一定に保った
まま駆動電圧(VS +VI )を変化させた時の透過率T
の変化、即ちV−T特性を示したものである。ここでは
Δt=50μsec、バイアス比VI /(VI +VS
=1/3に固定されている。図7の正側は図6で示した
(IN −SS )、負側は(IS −SS )で示した波形が
印加された際の最終的な状態の素子の透過率を示す。
尚、波形(IN −SS )及び(IS −SS )ではVR
より前状態がクリアされ、それぞれVB1,VB2により次
の書込み状態が決定される。正側は前状態が黒(透過率
が小さい状態)であり、負側は前状態が白(透過率が大
きい)状態であり、いずれもリセットにより白状態とな
る。
【0042】ここで、V1 ,V3 をそれぞれ実駆動しき
い値電圧及びクロストーク電圧と呼ぶ。また、V2 <V
1 <V3 の時、M2(V)=(V3 −V1 )/(V3
1)を電圧マージンパラメータと呼び、マトリクス駆
動可能な電圧幅のパラメータとなる。V1 は図6(A)
のVB2によりスイッチングを起こす電圧値である。V3
はカイラルスメクチック液晶素子駆動上、一般的に存在
すると言ってよい。具体的には、図6(A)(IN −S
S )の波形におけるVB1によるスイッチングを起こす電
圧値である。もちろん、バイアス比を大きくすることに
よりV3 の値を大きくすることは可能であるが、バイア
ス比を増すことは情報信号の振幅を大きくすることを意
味し、画質的にはちらつきの増大、コントラストの低下
を招き好ましくない。
【0043】本発明者の検討では、バイアス比1/3〜
1/4程度が実用的であった。ところで、バイアス比を
固定すれば、電圧マージンパラメータM2(V)は液晶
材料のスイッチング特性及び素子構成に強く依存し、M
2(V)の大きい素子がマトリクス駆動上非常に有利で
あることは言うまでもない。
【0044】また、同様に上述した電圧を一定に保ち、
電圧印加時間Δtを変化させていくことにより、駆動す
ることも可能である。上述した電圧をそのまま電圧印加
時間とすればよく、その際電圧印加時間しきい値をΔt
1 とし、電圧印加時間クロストーク値をΔt2 とし、
(Δt2 −Δt1 )/(Δt2 +Δt1 )=M2(Δ
T)を電圧印加時間マージンパラメータという。
【0045】このようなある一定温度において、情報信
号の2通りの向きによって選択画素に「黒」及び「白」
の2状態を書き込むことが可能であり、非選択画素はそ
の「黒」または「白」の状態を保持することが可能であ
る電圧マージンまたは電圧印加時間マージンは液晶材料
及び素子構成によって差が有り、特有なものである。ま
た、環境温度の変化によっても駆動マージンはズレてい
くため、実際の表示装置の場合、液晶材料、素子構成や
環境温度に対して最適な駆動条件にしておく必要があ
る。
【0046】
【実施例】[実施例1]下記液晶性化合物(a)〜
(e)を使用し、液晶組成物FLC−1を調整した。
【0047】
【化6】
【0048】尚、上記自発分極は、K.ミヤサト他「三
角波による強誘電性液晶の自発分極の直接測定方法」
(日本応用物理学会誌、22、10号(661)198
3、”Direct Method with Tri
angular Wavesfor Measurin
g Spontaneous Polarizatio
n in Ferroelectric Liquid
Crystal”,as described by
K.Miyasato et al.(Jap.J.
Appl.Phys.22.No.10,L661(1
983)))によって測定した。
【0049】本実施例に使用する4種類の基板を以下の
ごとく作製した。
【0050】基板A:厚さ1.1mmのガラス基板上に
透明電極として150nmの厚みのITO膜を形成し、
パターニングして幅200μm、間隙10μmのストラ
イプ状電極を形成した。その上に900Å厚のTaOx
膜をスパッタ法で形成し、さらにスピンコート法により
配向膜を形成した。該配向膜は、1回目が500rpm
で10sec、2回目が1500rpmで30secの
条件で下記繰り返し単位を有する化合物の前駆体の0.
5重量%溶液を塗布し、80℃で5分間の前乾燥の後、
200℃で1時間加熱焼成して得た。この時の膜厚は5
nmであった。この膜に対して、一軸配向処理としてナ
イロン布によりラビング処理を施した。
【0051】
【化7】
【0052】基板B:厚さ1.1mmのガラス基板上に
透明電極として150nmの厚みのITO膜を形成し、
パターニングして幅200μm、間隙10μmのストラ
イプ状電極を形成した。その上にスピンコート法により
配向膜を形成した、該配向膜は、ラダー型のポリシロキ
サン母材中にSnO2 の超微粒子(粒径100Å)を6
0重量%分散し、その10重量溶液を膜厚2000Åと
なる条件で塗布し、80℃で5分間の前乾燥を行った
後、200℃で1時間加熱乾燥を施して得た。
【0053】基板C:基板B上に、PVA溶液(東洋合
成工業社製「SPP−776」)中に導電性微粒子(触
媒化成社製のSnO2ビーズを円心分離機を用いて0.
1μm以下のものだけを取り出して用いた。)を20重
量%となるように分散させたものをスピンナーで500
rpm、20secの条件で塗布し、100℃で10分
間のプリベークを行い、フォトマスクを介してUV照射
を行い、ストライプ状にパターニングした。現像は純水
で行った。その後、130℃で30分間乾燥させた。こ
れにより、高さ2μmのストライプ状の隔壁部材を上記
ITO電極間隙に形成した。
【0054】基板D:基板Cのストライプ状の隔壁部材
中に導電性微粒子を分散しなかった以外は基板Cと同様
にして隔壁部材を形成した。
【0055】各基板の電気物性値に関して、シート方向
の抵抗と形成した膜の総容量を測定した結果を以下の表
1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】上記基板を組み合わせ、両基板における電
極がマトリクス構造をなすように対向配置して貼り合わ
せ、セルを作製した。尚、基板AとBの組み合わせにお
いては、隔壁部材を形成していないので、粒径が2μm
のSiO2 のビーズスペーサを平均300個/mm2
なるように散布した。各セルに、前記液晶組成物FLC
−1を加熱封入して液晶素子を形成した。基板の組み合
わせは下記表2に通りである。
【0058】
【表2】
【0059】上記各液晶素子について、セルと直列に抵
抗を接続し、矩形波印加時に流れる電流値からセル抵抗
値を求めた。結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】上記素子において、導電性を付与した隔壁
部材によって実質的に抵抗値が低減されていることが予
測される。
【0062】尚、上記素子抵抗値は0℃〜60℃の温度
範囲でほとんど変化しなかった。これは、基板Aにおい
てITO電極上にショート防止のための絶縁層TaOx
が形成されているためである。
【0063】次に、上記各液晶素子において、単発パル
スにより反転の挙動を測定した結果、素子1−2は均一
な反転挙動を示し、これに比較して素子1−1と1−3
は液晶分子は十分に反転しなかった。
【0064】さらに、上記各液晶素子においてマトリク
ス駆動を連続1000時間行い、黄変の発生有無を確認
した。駆動波形としては図6の波形を用い、駆動電圧V
S +VI =20V、パルス幅:最適条件、駆動温度:3
0℃、書込み表示パターン:全黒、バイアス比:1/
3.5の条件で行った。その結果、素子1−1について
は黄変が発生したが、素子1−2、1−3については黄
変は認められなかった。
【0065】以上の結果から、導電性を付与した隔壁部
材を用いることにより、黄変現象とスイッチング不良と
を同時に防止できることがわかった。
【0066】[実施例2]実施例1において基板AのT
aOx 膜を形成しなかった以外は全く同様にして基板
A’〜D’を作製し、実施例1と同様に組み合わせて液
晶素子を作製し、抵抗値を測定した。結果を表4に示
す。
【0067】
【表4】
【0068】上記表4より明らかなように、実施例1に
おいて、導電性を付与した隔壁部材を形成した素子1−
2については、該隔壁部材により抵抗値が実質的に低減
されたことがわかった。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶分子の移動によるセル厚分布の発生を妨げ、液晶素
子の黄変現象を防止すると同時に、カイラルスメクチッ
ク液晶を用いた液晶素子における、DC電界や絶縁層に
蓄積された電荷によるスイッチング不良を防止し、耐久
性及び表示特性に優れた液晶素子が提供され、各種表示
装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶素子の一実施形態の部分断面模式
図である。
【図2】本発明の液晶素子を備えた液晶表示装置とグラ
フィックコントローラを示すブロック図である。
【図3】液晶表示装置とグラフィックコントローラとの
間の画像情報通信タイミングチャートを示す図である。
【図4】図6に示す時系列駆動波形で実際の駆動を行っ
た時の表示パターンの模式図である。
【図5】マトリクス電極を配置した液晶パネルの平面図
である。
【図6】カイラルスメクチック液晶素子の駆動に用いら
れる駆動波形の一例を示す図である。
【図7】カイラルスメクチック液晶素子における、駆動
電圧を変化させた時の透過率の変化を表すグラフ(V−
T特性図)である。
【符号の説明】
11,21 基板 12,22 電極 13 絶縁層 14,24 配向膜 15 隔壁部材 16 液晶化合物 51 液晶パネル 52 走査電極群 53 情報電極群 101 液晶表示装置 102 グラフィックコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれに電極を有する一対の基板間に
    液晶を挟持してなる液晶素子であって、上記一対の基板
    間隔が該基板にそれぞれ接着された隔壁部材によって保
    持され、且つ該隔壁部材が導電性を有することを特徴と
    する液晶素子。
  2. 【請求項2】 上記電極がそれぞれストライプ状の電極
    群からなり、互いに直交するように配置され、上記隔壁
    部材が一方の基板上の電極間隙に形成されている請求項
    1記載のカラー液晶素子。
  3. 【請求項3】 上記隔壁部材がストライプ状である請求
    項1または2記載のカラー液晶素子。
  4. 【請求項4】 上記隔壁部材がドット状である請求項1
    または2記載のカラー液晶素子。
  5. 【請求項5】 上記隔壁部材の導電性が液晶層の導電性
    よりも10倍以上高い請求項1〜4いずれかに記載の液
    晶素子。
  6. 【請求項6】 上記隔壁部材が、導電性粒子を分散した
    接着性樹脂からなる請求項1〜5いずれかに記載の液晶
    素子。
  7. 【請求項7】 上記接着性樹脂がポリアミド、ポリイミ
    ド、ポリビニルアルコールのいずれかである請求項6記
    載の液晶素子。
  8. 【請求項8】 上記一対の基板の少なくとも一方の液晶
    と接する面に導電性を有する配向膜が形成されている請
    求項1〜7いずれかに記載の液晶素子。
  9. 【請求項9】 上記導電性を有する配向膜が導電性粒子
    を含有してなる請求項8記載の液晶素子。
  10. 【請求項10】 上記導電性を有する配向膜の導電性が
    液晶層の導電性よりも一桁以上高い請求項8または9記
    載の液晶素子。
  11. 【請求項11】 上記液晶がカイラルスメクチック液晶
    である請求項1〜10いずれかに記載の液晶素子。
  12. 【請求項12】 上記液晶が強誘電性液晶である請求項
    11記載の液晶素子。
  13. 【請求項13】 上記液晶が反強誘電性液晶である請求
    項11記載の液晶素子。
  14. 【請求項14】 上記液晶が、フルオロカーボン末端部
    分及び炭化水素末端部分を有し、該両末端部分が中心核
    によって結合され、スメクチック中間相或いは潜在的ス
    メクチック中間相を持つフッ素含有液晶化合物を含有す
    る液晶組成物である請求項11記載の液晶素子。
  15. 【請求項15】 上記液晶素子の対角が14インチ以上
    である請求項1〜14いずれかに記載の液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6932982B2 (en) 2001-02-16 2005-08-23 Firmenich Sa Encapsulated flavor and/or fragrance composition
KR100609745B1 (ko) * 2000-02-03 2006-08-09 엘지.필립스 엘시디 주식회사 광시야각을 가지는 액정표시장치 및 그의 제조방법

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KR100609745B1 (ko) * 2000-02-03 2006-08-09 엘지.필립스 엘시디 주식회사 광시야각을 가지는 액정표시장치 및 그의 제조방법
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