JPH11190574A - 空気調和機 - Google Patents

空気調和機

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JPH11190574A
JPH11190574A JP36070197A JP36070197A JPH11190574A JP H11190574 A JPH11190574 A JP H11190574A JP 36070197 A JP36070197 A JP 36070197A JP 36070197 A JP36070197 A JP 36070197A JP H11190574 A JPH11190574 A JP H11190574A
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JP
Japan
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heat
heat exchange
pipe
cold storage
ice
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JP36070197A
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English (en)
Inventor
Keiji Kurokawa
惠兒 黒川
Yuichi Tai
裕一 田井
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Toshiba Corp
Kyushu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Kyushu Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄冷熱利用時の氷の融け方の偏りが低減で
き、蓄冷時間の短縮や製氷率の向上、熱交換部の変形や
冷媒漏洩の虞のない空気調和機を提供する。 【解決手段】 蓄冷熱交換器4の蓄冷熱槽22内に収納
した熱交換部23の蛇行形成された第1の熱交換パイプ
26と第2の熱交換パイプ27を、氷の蓄冷熱を利用し
て冷房運転を行う際の冷媒流入側の端部である第1の熱
交換パイプ26の最上部のU字状パイプ31の端部と、
冷媒流出側の端部である第2の熱交換パイプ27の最上
部のU字状パイプ31の端部とを隣接させ、また、冷媒
流出側の端部である第1の熱交換パイプ26の最下部の
U字状パイプ31の端部と、冷媒流入側の端部である第
2の熱交換パイプ27の最下部のU字状パイプ31の端
部とを隣接させるようにすることで、低温部分の冷媒流
出側の氷も高温部分の冷媒流入側で暖められて大きな時
間遅れがない状態で融ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄冷熱槽内の水中
に熱交換パイプを配設した蓄冷熱交換器を設けて冷房運
転時に氷蓄冷熱を利用するようにした空気調和機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、氷蓄冷熱を冷房運転の際に利用す
るため、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱交換
器、膨脹弁を備えた冷凍サイクルに、熱交換パイプを蛇
行するよう形成し蓄冷熱槽内に収納してなる蓄冷熱交換
器を接続するようにして構成した空気調和機がある。こ
の空気調和機に用いられる従来の蓄冷熱交換器は、次の
ように構成されていた。以下、従来の蓄冷熱交換器を蓄
冷熱槽を断面で示す図11乃至図13を参照して説明す
る。図11は側面図であり、図12は上面図であり、図
13は正面図である。
【0003】図11乃至図13において、71は蓄冷熱
交換器であり、72は蓄冷熱槽であり、73は熱交換部
で、蓄冷熱槽72内に6本の熱交換パイプ74を並列に
収納して構成されている。また熱交換部73を構成する
熱交換パイプ74は、上下方向に配列された10本の水
平直管部分75を曲管部分76により蛇行する1つの通
流路となるよう接続することによって形成されている。
77は各熱交換パイプ74の片端に第1の接続パイプ7
8を介して接続されたディストリビュータであり、79
は各熱交換パイプ74の他端に第2の接続パイプ80を
介して接続されたヘッダであり、このヘッダ79には外
部接続管81が接続されている。なお、82は熱交換部
73の各熱交換パイプ74を支持する支持板であり、蓄
冷熱槽72内には図示しないが熱交換部73の各熱交換
パイプ74が没する深さにまで蓄冷材の水が蓄えられて
いる。
【0004】また、蓄冷熱交換器71は熱交換部73の
各熱交換パイプ74の片端に連通するディストリビュー
タ77及び他端に連通するヘッダ79が図示しない冷凍
サイクルに接続されている。
【0005】そして、この蓄冷熱槽72に蓄冷する場合
は、図示しない冷凍サイクルの凝縮器や膨脹弁等で凝縮
及び減圧され、冷媒の蒸発温度が零度以下の低温低圧と
なった冷媒を蓄冷熱交換器71に導入する。導入された
冷媒は、熱交換部73の上部側に流入し熱交換パイプ7
4の蛇行する通流路を上部から下部方向に流れ、熱交換
パイプ74の管壁を介しての蓄冷材の水との熱交換で吸
熱し蒸発すると共に、蓄冷熱槽72内に氷を生成して蓄
冷する。その後、冷媒はヘッダ79に集められてから三
方弁を流れて圧縮機の吸入口に流れる。
【0006】一方、冷房運転などに蓄冷熱槽72内に生
成した氷の蓄冷熱を利用する場合は、図示しない冷凍サ
イクルの室外熱交換器に変えて蓄冷熱交換器71を凝縮
器として使用し、圧縮機からの高温高圧の冷媒を蓄冷熱
交換器71に導入する。導入された冷媒は、熱交換部7
3の下部側に流入し熱交換パイプ74の蛇行する通流路
を下部側から上部側方向に流れ、熱交換パイプ74の管
壁を介しての氷との熱交換で放熱し、氷を融かし水とし
ながら凝縮する。この後、冷媒はディストリビュータ7
7から図示しない冷凍サイクルの膨脹弁で減圧され、室
内熱交換器に流れて吸熱し、室内を冷房する。
【0007】しかしながら上記の従来技術においては、
蓄冷熱を利用する時に、ヘッダ79に第2の接続パイプ
80を介して接続されている熱交換パイプ74の他端側
は、圧縮機から冷媒の高温ガスが流れ込むため温度が高
くなり、蓄冷熱槽72内に生成された氷は熱交換パイプ
74の他端側(上側)から融けていくことになる。逆
に、ディストリビュータ77に第1の接続パイプ78を
介して接続されている熱交換パイプ74の片端側(下
側)では温度が低く、特にアンダークールがあると温度
がより低く、氷が融け難くなる。
【0008】また、蓄冷熱を利用して冷房運転を行った
際に氷をすべて使い切らず、氷を熱交換パイプ74の片
端側に残したまま蓄冷運転を行った場合、熱交換パイプ
74の表面に残った氷の上にさらに氷を作ってしまうこ
とになる。このような熱交換パイプ74の表面に残った
氷の上に氷を作るといった運転を繰り返した場合、熱交
換パイプ74の片端側には多量に氷が蓄積していき、こ
の蓄積した多量の氷の固まりによって熱交換パイプ74
には徐々に応力が加わる。そして、加わった応力によっ
て熱交換パイプ74が変形したり、場合によっては冷媒
の漏洩が引き起こされる虞があった。また氷が熱交換パ
イプ74の表面に固まりとなって付着することで熱交換
部73における熱交換面積が減り、蓄冷に多くの時間を
要したり、製氷率が低いものとなっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
みて本発明はなされたもので、蓄冷熱交換器の熱交換部
における蓄冷熱利用時の氷の融け方の偏りを低減し、蓄
冷時の製氷の偏りを少なくすることにより、蓄冷時間を
短縮させ、製氷率を向上させると共に、熱交換部が変形
したり、冷媒の漏洩が引き起こされたりする虞のない空
気調和機を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の空気調和機は、
圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱交換器、膨脹弁
等を設け、さらに蓄冷熱槽内部に熱交換パイプを蛇行配
置してなる蓄冷熱交換器を設け冷媒を通流させて冷凍サ
イクルを構成し、蓄冷熱交換器の蓄冷熱槽内に氷を作る
と共に、氷の蓄冷熱を利用して冷房運転が行えるように
した空気調和機において、蓄冷熱交換器は、冷媒を通流
させて氷の蓄冷熱を利用する際の該冷媒の流入側を蓄冷
熱槽内の上部に設けかつ流出側を下部に設けてなる熱交
換パイプと、該冷媒の流入側を蓄冷熱槽内の下部に設け
かつ流出側を上部に設けてなる熱交換パイプとを交互に
配置するよう収納していることを特徴とするものであ
り、さらに、蓄冷熱交換器が、氷の蓄冷熱を利用する際
の冷媒の流入側を蓄冷熱槽内の上下方向中間部に設けて
なる熱交換パイプを備えていることを特徴とするもので
あり、また、圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱交
換器、膨脹弁等を設け、さらに蓄冷熱槽内部に熱交換パ
イプを蛇行配置してなる蓄冷熱交換器を設け冷媒を通流
させて冷凍サイクルを構成し、蓄冷熱交換器の蓄冷熱槽
内に氷を作ると共に、氷の蓄冷熱を利用して冷房運転が
行えるようにした空気調和機において、熱交換パイプ
は、冷媒の流入側および流出側が蓄冷熱槽内の一方側部
分に設けられ、かつこれに対向する他方側部分に中間部
が配置されており、該中間部で折り返すように冷媒を通
流させるものであることを特徴とするものであり、さら
に、熱交換パイプが、冷媒を上下方向に通流させながら
横方向に蛇行させる構成となっていることを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0012】先ず、第1の実施形態を図1乃至図4によ
り説明する。図1は蓄冷熱交換器の側面図であり、図2
は蓄冷熱交換器の上面図であり、図3は熱交換パイプの
正面図で、図3(a)は第1の熱交換パイプの正面図、
図3(b)は第2の熱交換パイプの正面図であり、図4
は冷凍サイクル図である。
【0013】図1乃至図4において、空気調和機1に
は、室外機2および室内機3と、蓄冷熱交換器4を備え
て冷凍サイクルが構成されている。室外機2は圧縮機
5、四方弁6、室外送風機7を装備してなる室外熱交換
器8、第1の膨脹弁9を備え、圧縮機5の吐出口と吸入
口の間には三方弁10が接続されており、さらに四方弁
6と室外熱交換器8の間の冷媒流路に第1の二方弁11
が挿入されており、室外熱交換器8と第1の膨脹弁9の
間の冷媒流路に第2の二方弁12が挿入されている。ま
た蓄冷熱交換器4は、第1の膨脹弁9と第2の二方弁1
2の間の冷媒流路と三方弁10との間に、第1の膨脹弁
9側には第2の膨脹弁13が挿入され、三方弁10側に
は第3の二方弁14を挿入するようにして接続されてい
る。一方、室内機3は室内送風機15を装備してなる室
内熱交換器16を備えており、室内熱交換器16は四方
弁6と第1の膨脹弁9との間に、四方弁6側に第3の膨
脹弁17を挿入するようにして接続されている。
【0014】また、蓄冷熱交換器4は、蓄冷材の水21
が蓄えられた蓄冷熱槽22の内部に、熱交換部23を水
没するよう収納して構成されている。蓄冷熱槽22は、
直方体状の箱体24で、上部開口部分を蓋板25により
閉塞した断熱構造を有するものである。また熱交換部2
3は、各3本の第1の熱交換パイプ26と第2の熱交換
パイプ27を備えて構成されており、さらに両熱交換パ
イプ26,27は、支持板28に横方向に所定間隔を設
けて並列に互いに隣接するよう保持され、支持板28が
蓄冷熱槽22の上部に固定されることによって蓄冷熱槽
22内に支持される。
【0015】また、第1の熱交換パイプ26と第2の熱
交換パイプ27とは、それぞれ支持板28によって水平
に支持された直管部分29が上下方向に略千鳥状配置と
なるよう配列されて貫通支持され、直管部分29の片側
端部が曲管部分30で連通するように形成された5本の
U字状パイプ31と、このU字状パイプ31の上下に隣
接するもの同士を接続する4本のリターンベンド32と
で構成されている。これにより第1の熱交換パイプ26
と第2の熱交換パイプ27には、それぞれに例えば上部
から下部、あるいは下部から上部に冷媒が通流する蛇行
する1つの通流路が形成される。
【0016】そして、第1の熱交換パイプ26の片端で
あるU字状パイプ31の最上部の水平な直管部分29の
端部に第1の接続パイプ33が接続され、この第1の接
続パイプ33を介して蓄冷熱槽22の内上部に配置され
るヘッダ34に接続されている。また、第1の熱交換パ
イプ26の他端であるU字状パイプ31の最下部の水平
な直管部分29の端部に、中間部分が蓄冷熱槽22の内
底部から上部にかけて略垂直に延在する第2の接続パイ
プ35が接続され、この第2の接続パイプ35と蓄冷熱
槽22の側壁を貫通する第3の接続パイプ36を介して
蓄冷熱槽22の外部に配置されたディストリビュータ3
7に接続されている。
【0017】一方、第2の熱交換パイプ27の片端であ
るU字状パイプ31の最下部の水平な直管部分29の端
部に、中間部分が蓄冷熱槽22の内底部から上部にかけ
て略垂直に延在する第4の接続パイプ38が接続され、
この第4の接続パイプ38を介してヘッダ34に接続さ
れている。また、第2の熱交換パイプ27の他端である
U字状パイプ31の最上部の水平な直管部分29の端部
に第5の接続パイプ39が接続され、この第5の接続パ
イプ39と蓄冷熱槽22の側壁を貫通する第6の接続パ
イプ40を介してディストリビュータ37に接続されて
いる。なお、ヘッダ34には蓄冷熱槽22の側壁を貫通
する外部接続管41が接続されており、この外部接続管
41は第2の膨脹弁13に連通するよう接続されてい
る。またディストリビュータ37は第3の二方弁14に
連通するよう接続されている。
【0018】そして、上記のように構成されたもので
は、通常の冷房運転あるいは暖房運転の際は、蓄冷熱交
換器4に冷媒が流れないよう第2の膨脹弁13および第
3の二方弁14を閉状態にし、また第3の膨脹弁17は
全開状態、第1の二方弁11および第2の二方弁12を
開状態にし、三方弁10を破線側で開状態になるように
して運転が行われる。これにより、冷房運転時には圧縮
機5から吐出された冷媒が、四方弁6から室外熱交換器
8、第1の膨脹弁9、室内熱交換器11と流れ、四方弁
6から圧縮機5に吸入される。また暖房運転時には四方
弁6が破線側で開状態になるように切り替えられ、圧縮
機5からの冷媒が、四方弁6から室内熱交換器16、第
1の膨脹弁9、室外熱交換器8と流れ、四方弁6から圧
縮機5に吸入される。
【0019】また、冷房運転を行いながら蓄冷熱交換器
4により蓄冷する場合は、上述の通常の冷房運転に対し
て、第2の膨脹弁13および第3の二方弁14を開状態
にして運転を行う。そして圧縮機5から吐出された冷媒
は、四方弁6から室外熱交換器8に流れて放熱、凝縮さ
れ、室外熱交換器8を出た冷媒の一部は、第1の膨脹弁
9を介し室内熱交換器11に流れて吸熱、蒸発し、室内
の冷房を行う。その後、冷媒は第3の膨脹弁17を流れ
て四方弁6から圧縮機5に吸入される。一方、室外熱交
換器8を出た冷媒の残りは、第2の膨脹弁13を介し蓄
冷熱交換器4に流れ、熱交換部23の第1の熱交換パイ
プ26と第2の熱交換パイプ27を流れる間に管壁を介
して蓄冷材の水21との熱交換を行い吸熱、蒸発し、蓄
冷熱槽22内に氷を生成し、三方弁10から圧縮機5に
吸入される。
【0020】このような蓄冷熱槽22内に氷を生成し蓄
冷する過程での熱交換部23内の冷媒は、図3(a)中
に実線矢印で示されるように、第1の熱交換パイプ26
においては他端側である最下部のU字状パイプ31の直
管部分29に、第2の膨脹弁13からディストリビュー
タ37、第2の接続パイプ35等を介して導入され、そ
の後、第1の熱交換パイプ26の各U字状パイプ31お
よび各リターンベンド32の蛇行する通流路を蓄冷熱槽
22内の下部側から上部側方向に流れる。そして冷媒は
最上部のU字状パイプ31の直管部分29から第1の接
続パイプ33を通じてヘッダ34に流れ三方弁10へと
流出する。
【0021】また第2の熱交換パイプ27においては第
1の熱交換パイプ26とは逆に、図3(b)中に実線矢
印で示されるように、その他端側である最上部のU字状
パイプ31の直管部分29に、第2の膨脹弁13からデ
ィストリビュータ37、第5の接続パイプ39等を介し
て導入され、その後、第2の熱交換パイプ27の各U字
状パイプ31および各リターンベンド32の蛇行する通
流路を蓄冷熱槽22内の上部側から下部側方向に流れ
る。そして冷媒は最下部のU字状パイプ31の直管部分
29から第4の接続パイプ38を通じてヘッダ34に流
れ三方弁10へと流出する。なお、上述の過程では、蓄
冷熱交換器4での冷媒の温度が零度以下になるように第
2の膨脹弁13による制御が行われ、また室内熱交換器
11での冷媒の温度が零度以下にならないように第1の
膨脹弁9と第3の膨脹弁17による制御が行われる。ま
た、蓄冷のみを行う場合は、第1の膨脹弁9と第3の膨
脹弁17を閉状態にし、室内熱交換器11に冷媒が流れ
ないようにして上述の過程を実行する。
【0022】一方、蓄冷熱槽22内に生成した氷の蓄冷
熱を利用して冷房運転を行う場合は、第1の二方弁11
および第2の二方弁12を閉状態にすると共に、第3の
二方弁14を開状態にして冷媒が室外熱交換器8には流
れないようにし、さらに第2の膨脹弁13と第3の膨脹
弁17を全開状態にして運転を行う。そして圧縮機5か
ら吐出された高温ガスの冷媒は、三方弁10から第3の
二方弁14を介し蓄冷熱交換器4に流れ、熱交換部23
の第1の熱交換パイプ26と第2の熱交換パイプ27を
流れる間に管壁を介して蓄冷熱槽22内に生成した氷と
の熱交換を行い放熱し、氷を融かし水としながら凝縮す
る。この後、冷媒は、第1の膨脹弁9を介し室内熱交換
器11に流れて吸熱、蒸発し、室内の冷房を行う。そし
て冷媒は四方弁6を流れて圧縮機5に吸入される。
【0023】このような蓄冷熱槽22内の氷の蓄冷熱を
利用して冷房運転を行う過程での熱交換部23内の冷媒
は、図3(a)中に破線矢印で示されるように、第1の
熱交換パイプ26においては最上部のU字状パイプ31
の直管部分29に、三方弁10からヘッダ34、第1の
接続パイプ33等を介して高温状態で導入され、その
後、第1の熱交換パイプ26の各U字状パイプ31およ
び各リターンベンド32の蛇行する通流路を蓄冷熱槽2
2内の上部側から下部側方向に流れる。そして温度の低
下した冷媒は最下部のU字状パイプ31の直管部分29
から第2の接続パイプ35を通じてディストリビュータ
37、第2の膨脹弁13へと流れる。また第2の熱交換
パイプ27においては第1の熱交換パイプ26とは逆
に、図3(b)中に破線矢印で示されるように、最下部
のU字状パイプ31の直管部分29に、三方弁10から
ヘッダ34、第4の接続パイプ38等を介して高温状態
で導入され、その後、第2の熱交換パイプ27の各U字
状パイプ31および各リターンベンド32の蛇行する通
流路を蓄冷熱槽22内の下部側から上部側方向に流れ
る。そして温度の低下した冷媒は最上部のU字状パイプ
31の直管部分29から第5の接続パイプ39を通じて
ディストリビュータ37、第2の膨脹弁13へと流れ
る。
【0024】上述のように、蓄冷する過程で熱交換部2
3内を流れる冷媒の方向が、第1の熱交換パイプ26で
は蓄冷熱槽22内の下部側から上部側方向であり、また
第2の熱交換パイプ27では上部側から下部側方向であ
り両者で異なり、両者の形成する温度分布も異なったも
のとなる。そして、このような両者が隣接しているの
で、蓄冷熱槽22内での製氷が略均等に進行し、蓄冷熱
槽22内に氷が偏って形成されることがない。
【0025】また蓄冷する過程とは逆方向の流れとなる
が、氷の蓄冷熱を利用する過程では熱交換部23内を流
れる冷媒の方向が、第1の熱交換パイプ26では蓄冷熱
槽22内の上部側から下部側方向であり、また隣接する
第2の熱交換パイプ27では下部側から上部側方向であ
り、両者で異なるものとなっている。そして、蓄冷熱槽
22内に生成された氷は、高温側となるヘッダ34に接
続された第1の熱交換パイプ26の最上部の直管部分2
9、および第2の熱交換パイプ27の最下部の直管部分
29から融け始めようとするが、ディストリビュータ3
7に接続された低温側部分である第1の熱交換パイプ2
6の最下部の直管部分29、および第2の熱交換パイプ
27の最上部の直管部分29が、それぞれ高温側の部分
に隣り合っているので、融氷が高温側と低温側で大きな
時間遅れがない状態で進行する。そして、低温側である
第1の熱交換パイプ26の他端側および第2の熱交換パ
イプ27の他端側だけに氷が固まりとして残るようなこ
とがなくなる。
【0026】この結果、再び蓄冷するために氷の生成を
行っても、第1の熱交換パイプ26や第2の熱交換パイ
プ27の一部分のみに氷を残したまま積み重ねるように
製氷することがなく、全体として略均等な状態での製氷
が行えるので、熱交換部23に局部的に氷が形成される
ことがなくなり、第1の熱交換パイプ26や第2の熱交
換パイプ27を変形させたり、冷媒の漏洩を引き起こし
たりする虞がなく、また熱交換面積が部分的に減るよう
なこともなく、蓄冷時間が短縮でき、製氷率も向上す
る。
【0027】次に、第2の実施形態を図5および図6に
より説明する。図5は蓄冷熱交換器の側面図であり、図
6は第3の熱交換パイプの正面図である。なお、本実施
形態は第1の実施形態とは蓄冷熱交換器の構成が異なる
のみであって、空気調和機の他の構成が同一であるの
で、同一部分については同一符号を付したり、説明を省
略し、第1の実施形態と異なる本実施形態の構成につい
て以下に説明する。
【0028】図5および図6において、45は蓄冷熱交
換器であり、これは図示しない蓄冷材の水が蓄えられた
蓄冷熱槽22の内部に、熱交換部46を水没するよう収
納して構成されている。熱交換部46は、各2本の第1
の熱交換パイプ26と第2の熱交換パイプ27、第3の
熱交換パイプ47を備えて構成されており、さらに第1
の熱交換パイプ26、第2の熱交換パイプ27、第3の
熱交換パイプ47は、支持板28に横方向に所定間隔を
設けて並列に隣接するものが異なったものとなるよう保
持され、支持板28が蓄冷熱槽22の上部に固定される
ことによって蓄冷熱槽22内に支持される。
【0029】また、1本の第3の熱交換パイプ47は、
支持板28により水平に支持された直管部分29が上下
方向に略千鳥状配置となるよう配列されて貫通支持さ
れ、水平な直管部分29の片側端部が曲管部分30で連
通するように形成された5本のU字状パイプ31と、こ
のU字状パイプ31の上下に隣接するものを接続する3
本のリターンベンド32と、1本の中間パイプ48で構
成されている。そして上方側2本のU字状パイプ31と
1本のリターンベンド32とで蛇行する上通流分路、下
方側3本のU字状パイプ31と2本のリターンベンド3
2とで蛇行する下通流分路が形成され、さらに上通流分
路の最下部の水平な直管部分29と、下通流分路の最下
部の水平な直管部分29とを中間パイプ48で連通させ
ることで上通流分路と下通流分路とで冷媒の通流する方
向が異なる蛇行する1つの通流路が形成される。
【0030】そして、第1の熱交換パイプ26では最上
部の直管部分29の端部が、第1の接続パイプ33を介
して蓄冷熱槽22の内上部に配置されるヘッダ34aに
接続され、最下部の直管部分29の端部が、第2の接続
パイプ35、第3の接続パイプ36を介して蓄冷熱槽2
2の外部に配置されたディストリビュータ37に接続さ
れている。また、第2の熱交換パイプ27では最下部の
直管部分29の端部が、第4の接続パイプ38を介して
ヘッダ34aに接続され、最上部の直管部分29の端部
が、第5の接続パイプ39、第6の接続パイプ40を介
してディストリビュータ37に接続されている。
【0031】一方、第3の熱交換パイプ47の片端であ
る下方側3本のU字状パイプ31の最上部の直管部分2
9の端部に、中間部分が蓄冷熱槽22の内底部から上部
にかけて略垂直に延在する第7の接続パイプ49が接続
され、この第7の接続パイプ49を介してヘッダ34a
に接続されている。また、第3の熱交換パイプ27の他
端である上方側2本のU字状パイプ31の最上部の直管
部分29の端部に第5の接続パイプ39が接続され、こ
の第5の接続パイプ39と蓄冷熱槽22の側壁を貫通す
る第6の接続パイプ40を介してディストリビュータ3
7に接続されている。
【0032】そして、上記のように構成されているので
蓄冷を冷房運転を行いながら、あるいは蓄冷のみをする
場合、蓄冷熱交換器45には図示しない室外熱交換器を
出た冷媒の一部もしくは全部が流入する。流入した冷媒
は、熱交換部46の第1の熱交換パイプ26と第2の熱
交換パイプ27、第3の熱交換パイプ47を流れる間に
管壁を介して蓄冷材の水との熱交換を行い吸熱、蒸発
し、蓄冷熱槽22内に氷を生成し、図示しない三方弁を
介して圧縮機に吸入される。
【0033】このような氷を生成し蓄冷する過程での熱
交換部46内の冷媒は、第1の熱交換パイプ26および
第2の熱交換パイプ27においては上述の第1の実施形
態と同じように流れる。
【0034】さらに、第3の熱交換パイプ47において
冷媒は、図6中に実線矢印で示されるように、その他端
側である上方側2本のU字状パイプ31の最上部の直管
部分29に、第2の膨脹弁からディストリビュータ3
7、第5の接続パイプ39等を介して導入され、その
後、2本のU字状パイプ31と1本のリターンベンド3
2の蛇行する上通流分路を蓄冷熱槽22内の上部側から
中間部方向に流れる。そして冷媒は、中間パイプ48に
よって下方側3本のU字状パイプ31の最下部の直管部
分29に流入し、3本のU字状パイプ31と2本のリタ
ーンベンド32の蛇行する下通流分路を蓄冷熱槽22内
の下部側から中間部方向に流れる。そして下方側3本の
U字状パイプ31の最上部の直管部分29から第7の接
続パイプ49を通じてヘッダ34aに流れ三方弁へと流
出する。
【0035】一方、蓄冷熱槽22内に生成した氷の蓄冷
熱を利用するため蓄冷熱交換器45を凝縮器として使用
して冷房運転を行う場合、蓄冷熱交換器45に圧縮機か
ら流入した冷媒は、熱交換部46の第1の熱交換パイプ
26と第2の熱交換パイプ27、第3の熱交換パイプ4
7を流れる間に管壁を介して蓄冷熱槽22内に生成した
氷との熱交換を行い放熱し、氷を融かしながら凝縮す
る。この後、図示しないが冷媒は、第1の膨脹弁を介し
室内熱交換器に流れて室内の冷房を行い、圧縮機に吸入
される。
【0036】このような氷の蓄冷熱を利用して冷房運転
を行う過程での熱交換部46内の冷媒は、第1の熱交換
パイプ26および第2の熱交換パイプ27においては上
述の第1の実施形態と同じように流れる。
【0037】さらに、第3の熱交換パイプ47において
冷媒は、図6中に破線矢印で示されるように、下方側3
本のU字状パイプ31の最上部の直管部分29に三方弁
からヘッダ34a、第7の接続パイプ49を介して高温
状態で導入され、その後、下方側3本のU字状パイプ3
1と2本のリターンベンド32の蛇行する下通流分路を
蓄冷熱槽22内の中間部側から下部方向に流れる。そし
て冷媒は、中間パイプ48によって上方側2本のU字状
パイプ31の最下部の直管部分29に流入し、2本のU
字状パイプ31と1本のリターンベンド32の蛇行する
上通流分路を蓄冷熱槽22内の中間部側から上部方向に
流れる。そして温度の低下した冷媒は、上方側2本のU
字状パイプ31の最上部のU字状パイプ31から第5の
接続パイプ39等を通じてディストリビュータ37、第
2の膨脹弁へと流れる。
【0038】上述のように、蓄冷する過程で熱交換部4
6内を流れる冷媒の方向が、第1の熱交換パイプ26と
第2の熱交換パイプ27では第1の実施形態と同様に両
者で異なると共に、第1の熱交換パイプ26と第2の熱
交換パイプ27の間に配設された第3の熱交換パイプ4
7では、最初は蓄冷熱槽22内の上部側から中間部方向
であり、その後は下部側から中間部方向であって3者で
異なり、それぞれによって形成される温度分布も異なっ
たものとなる。そして、このような3者が隣接している
ので、蓄冷熱槽22内での製氷が略均等に進行し、蓄冷
熱槽22内に氷が偏って形成されることがない。
【0039】また蓄冷する過程とは逆方向の流れとなる
が、氷の蓄冷熱を利用する過程では熱交換部46内を流
れる冷媒の方向が、第1の熱交換パイプ26と第2の熱
交換パイプ27では第1の実施形態と同様に両者で異な
ると共に、第3の熱交換パイプ47では、最初は蓄冷熱
槽22内の中間部側から下部方向であり、その後は中間
部側から上部方向であって3者で異なるものとなってい
る。そして、蓄冷熱槽22内に生成された氷は、高温側
となるヘッダ34aに接続された第1の熱交換パイプ2
6の最上部の直管部分29、および第2の熱交換パイプ
27の最下部の直管部分29、さらに第3の熱交換パイ
プ26の下方側3本のU字状パイプ31の最上部の直管
部分29から融け始める。
【0040】一方、ディストリビュータ37に接続され
た低温側部分である第1の熱交換パイプ26の最下部の
直管部分29、および第2の熱交換パイプ27の最上部
の直管部分29、さらに第3の熱交換パイプ47の上方
側2本のU字状パイプ31の最上部の直管部分29は、
それぞれ高温側の部分に隣り合っているので比較的早く
暖められ、融氷が高温側と低温側で大きな時間遅れがな
い状態で進行する。また、蓄冷熱槽22内の中間部は第
3の熱交換パイプ26の高温部分が位置しているため
に、第1の熱交換パイプ26や第2の熱交換パイプ27
の高温部分が位置している上部や下部と同様に低温とな
っていず、各熱交換パイプ26,27,47に氷が固ま
りとして残るようなことがなくなる。
【0041】この結果、再び蓄冷するために氷の生成を
行っても、各熱交換パイプ26,27,47の一部分の
みに氷を残したまま積み重ねるように製氷することがな
く、全体として略均等な状態での製氷が行えるので、熱
交換部46に局部的に氷が形成されることがなくなり、
各熱交換パイプ26,27,47を変形させたり、冷媒
の漏洩を引き起こしたりする虞がなく、また熱交換面積
が部分的に減るようなこともなく、蓄冷時間が短縮で
き、製氷率も向上する。
【0042】次に、第3の実施形態を図7および図8に
より説明する。図7は蓄冷熱交換器の側面図であり、図
8は正面図である。なお、本実施形態は第1の実施形態
とは蓄冷熱交換器の構成が異なるのみであって、空気調
和機の他の構成が同一であるので、同一部分については
同一符号を付したり、説明を省略し、第1の実施形態と
異なる本実施形態の構成について以下に説明する。
【0043】図7および図8において、50は蓄冷熱交
換器であり、これは図示しない蓄冷材の水が蓄えられた
蓄冷熱槽22の内部に、熱交換部51を水没するよう収
納して構成されている。熱交換部51は、3本の横流型
熱交換パイプ52を備えて構成されており、横流型熱交
換パイプ52は、支持板28に横方向に所定間隔を設け
て並列に互いに隣接するよう保持され、支持板28が蓄
冷熱槽22の上部に固定されることによって蓄冷熱槽2
2内に支持される。また、1本の横流型熱交換パイプ5
2は、支持板28によって水平に支持された直管部分2
9が上下方向に略千鳥状配置となるよう配列されて貫通
支持され、水平な直管部分29の片側端部が曲管部分3
0で連通するように形成された10本のU字状パイプ3
1と、このU字状パイプ31の上下に隣接するものおよ
び最下部においては左右に隣接するもの同士を接続する
9本のリターンベンド32とで構成されている。これに
より横流型熱交換パイプ52には、上部から下部に向か
い、最下部で方向を変え、再び下部から上部に向けて冷
媒が通流する蛇行する片方側通流分路と他方側通流分路
でなる通流路が形成される。
【0044】そして、横流型熱交換パイプ52の片端で
ある最上部のU字状パイプ31の片方の水平な直管部分
29の端部に第1の接続パイプ33が接続され、この第
1の接続パイプ33を介して蓄冷熱槽22の内上部に配
置されるヘッダ34bに接続されている。また、横流型
熱交換パイプ52の他端である最上部のU字状パイプ3
1の他方の水平な直管部分29の端部に、第5の接続パ
イプ39が接続され、この第5の接続パイプ39と蓄冷
熱槽22の側壁を貫通する第6の接続パイプ40を介し
て蓄冷熱槽22の外部に配置されたディストリビュータ
37aに接続されている。なお、蛇行する通流路のヘッ
ダ34b側に片方側通流分路が形成され、ディストリビ
ュータ37a側に他方側通流分路が形成される。
【0045】そして、上記のように構成されているので
蓄冷を冷房運転を行いながら、あるいは蓄冷のみをする
場合、蓄冷熱交換器50には図示しない室外熱交換器を
出た冷媒の一部もしくは全部が流入する。流入した冷媒
は、熱交換部51の各横流型熱交換パイプ52を流れる
間に管壁を介して蓄冷材の水との熱交換を行い吸熱、蒸
発し、蓄冷熱槽22内に氷を生成し、図示しない三方弁
を介して圧縮機に吸入される。このような氷を生成し蓄
冷する過程での熱交換部51内の冷媒は、横流型熱交換
パイプ52の他端側である最上部のU字状パイプ31の
他方の直管部分29に、第2の膨脹弁からディストリビ
ュータ37a、第5の接続パイプ39等を介して導入さ
れ、その後、5本のU字状パイプ31と4本のリターン
ベンド32の蛇行する通流路の他方側通流分路を蓄冷熱
槽22内の上部側から下部方向に流れる。さらに冷媒
は、最下部のリターンベンド32によって隣接する片方
側通流分路に移り、この片方側通流分路を下部側から上
部方向に流れる。そして最上部のU字状パイプ31の片
方の直管部分29から第1の接続パイプ33を通じてヘ
ッダ34bに流れ流出する。
【0046】一方、蓄冷熱槽22内に生成した氷の蓄冷
熱を利用するため蓄冷熱交換器50を凝縮器として使用
して冷房運転を行う場合、蓄冷熱交換器50に圧縮機か
ら流入した冷媒は、熱交換部51の各横流型熱交換パイ
プ52を流れる間に管壁を介して蓄冷熱槽22内に生成
した氷との熱交換を行い放熱し、氷を融かしながら凝縮
する。この後、図示しないが冷媒は、膨脹弁を介し室内
熱交換器に流れて室内の冷房を行い、圧縮機に吸入され
る。このような氷の蓄冷熱を利用して冷房運転を行う過
程での熱交換部51内の冷媒は、横流型熱交換パイプ5
2の最上部のU字状パイプ31の片方の直管部分29に
ヘッダ34b、第1の接続パイプ33を介して高温状態
で導入される。その後、導入された冷媒は、蛇行する片
方側通流分路を上部側から下部方向に流れ、最下部で流
れ方向が変更され、蛇行する他方側通流分路を下部側か
ら上部方向に流れる。そして温度の低下した冷媒は、最
上部のU字状パイプ31の他方の直管部分29から第5
の接続パイプ39等を通じてディストリビュータ37a
へと流れる。
【0047】上述のように、蓄冷する過程で熱交換部5
1内を流れる冷媒の方向が、最初は横流型熱交換パイプ
52の他方側通流分路での流れの蓄冷熱槽22内上部側
から下部方向であり、その後は片方側通流分路での流れ
の下部側から上部方向であって両通流分路で異なり、そ
れぞれによって形成される温度分布も異なったものとな
る。そして、このような両通流分路が隣接しているの
で、蓄冷熱槽22内での製氷が略均等に進行し、蓄冷熱
槽22内に氷が偏って形成されることがない。
【0048】また蓄冷する過程とは逆方向の流れとなる
が同様に、氷の蓄冷熱を利用する過程では熱交換部51
内を流れる冷媒の方向が、横流型熱交換パイプ52の他
方側通流分路と片方側通流分路とで異なるものとなって
いる。そして、蓄冷熱槽22内に生成された氷は、高温
側となるヘッダ34bに接続された横流型熱交換パイプ
52の片方側通流分路の最上部の直管部分29から融け
始める。一方、ディストリビュータ37aに接続された
低温側部分である横流型熱交換パイプ52の他方側通流
分路の最上部の直管部分29は、高温側の片方側通流分
路の最上部の直管部分29に隣り合っているのでその影
響を受けて比較的早く暖められ、融氷が高温側と低温側
で大きな時間遅れがない状態で進行する。そして横流型
熱交換パイプ52の低温側部分に氷が固まりとして残る
ようなことがなくなる。
【0049】この結果、再び蓄冷するために氷の生成を
行っても、横流型熱交換パイプ52の一部分のみに氷を
残したまま積み重ねるように製氷することがなく、全体
として略均等な状態での製氷が行えるので、熱交換部5
1に局部的に氷が形成されることがなくなり、横流型熱
交換パイプ52を変形させたり、冷媒の漏洩を引き起こ
したりする虞がなく、また熱交換面積が部分的に減るよ
うなこともなく、蓄冷時間が短縮でき、製氷率も向上す
る。
【0050】次に、第4の実施形態を図9および図10
により説明する。図9は蓄冷熱交換器の正面図であり、
図10は上面図である。なお、本実施形態は第1の実施
形態とは蓄冷熱交換器の構成が異なるのみであって、空
気調和機の他の構成が同一であるので、同一部分につい
ては同一符号を付したり、説明を省略し、第1の実施形
態と異なる本実施形態の構成について以下に説明する。
【0051】図9および図10において、53は蓄冷熱
交換器であり、この蓄冷熱交換器53は、図示しない蓄
冷材の水が蓄えられた蓄冷熱槽54の内部に、熱交換部
55を水没するよう収納して構成されている。蓄冷熱槽
54は、直方体状の箱体56で、上部開口部分を蓋板5
7により閉塞した断熱構造を有するものである。また熱
交換部55は、3本の縦流型熱交換パイプ58を備えて
構成されており、縦流型熱交換パイプ58は、支持板5
9に前後方向に所定間隔を設けて並列に互いに隣接する
よう保持され、支持板59が蓄冷熱槽54の側部に固定
されることによって蓄冷熱槽54内に支持される。ま
た、1本の縦流型熱交換パイプ58は、支持板59によ
り垂直に支持された直管部分29が左右横方向に2本略
千鳥状配置となるよう配列されて貫通支持され、直管部
分29の片側端部が曲管部分30で連通するように形成
された10本のU字状パイプ31と、このU字状パイプ
31の左右に隣接するものおよび図9および図10中の
最右部においては前後に隣接するもの同士を接続する9
本のリターンベンド32とで構成されている。これによ
り縦流型熱交換パイプ58には、図9および図10中で
左部から右部に向かい、最右部で方向を変え、再び右部
から左部に向けて冷媒が通流する蛇行する片方側通流分
路と他方側通流分路でなる通流路が形成される。
【0052】そして、縦流型熱交換パイプ58の片端で
ある最左部のU字状パイプ31の片方の直管部分29の
端部に片方の接続パイプ60が接続され、この接続パイ
プ60を介して蓄冷熱槽54の内上部に配置されるヘッ
ダ34cに接続されている。また、縦流型熱交換パイプ
58の他端である最上部のU字状パイプ31の他方の直
管部分29の端部に、他方の接続パイプ61が接続さ
れ、この接続パイプ61と蓄冷熱槽54の蓋板57を貫
通する外部接続パイプ62を介して蓄冷熱槽54の外部
に配置されたディストリビュータ37aに接続されてい
る。なお、蛇行する通流路のヘッダ34c側に片方側通
流分路が形成され、ディストリビュータ37a側に他方
側通流分路が形成される。
【0053】そして、上記のように構成されているので
蓄冷を冷房運転を行いながら、あるいは蓄冷のみをする
場合、蓄冷熱交換器53には図示しない室外熱交換器を
出た冷媒の一部もしくは全部が流入する。流入した冷媒
は、熱交換部55の各縦流型熱交換パイプ58を流れる
間に管壁を介して蓄冷材の水との熱交換を行い吸熱、蒸
発し、蓄冷熱槽54内に氷を生成し、図示しない三方弁
を介して圧縮機に吸入される。このような氷を生成し蓄
冷する過程での熱交換部55内の冷媒は、縦流型熱交換
パイプ58の他端側である最左部のU字状パイプ31の
他方の直管部分29に、第2の膨脹弁からディストリビ
ュータ37a、接続パイプ61等を介して導入され、そ
の後、5本のU字状パイプ31と4本のリターンベンド
32の蛇行する通流路の他方側通流分路を蓄冷熱槽54
内の左部側から右部方向に流れる。さらに冷媒は、最右
部のリターンベンド32によって隣接する片方側通流分
路に移り、この片方側通流分路を右部側から左部方向に
流れる。そして最左部のU字状パイプ31の片方の直管
部分29から接続パイプ60を通じてヘッダ34cに流
れ流出する。
【0054】一方、蓄冷熱槽54内に生成した氷の蓄冷
熱を利用するため蓄冷熱交換器53を凝縮器として使用
して冷房運転を行う場合、蓄冷熱交換器53に圧縮機か
ら流入した冷媒は、熱交換部55の各縦流型熱交換パイ
プ58を流れる間に管壁を介して蓄冷熱槽54内に生成
した氷との熱交換を行い放熱し、氷を融かしながら凝縮
する。この後、図示しないが冷媒は、膨脹弁を介し室内
熱交換器に流れて室内の冷房を行い、圧縮機に吸入され
る。このような氷の蓄冷熱を利用して冷房運転を行う過
程での熱交換部55内の冷媒は、縦流型熱交換パイプ5
8の最左部のU字状パイプ31の片方の直管部分29に
ヘッダ34c、接続パイプ60を介して高温状態で導入
される。その後、導入された冷媒は、蛇行する片方側通
流分路を左部側から右部方向に流れ、最右部で流れ方向
が変更され、蛇行する他方側通流分路を右部側から左部
方向に流れる。そして温度の低下した冷媒は、最左部の
U字状パイプ31の他方の直管部分29から接続パイプ
61等を通じてディストリビュータ37aへと流れる。
【0055】上述のように、蓄冷する過程で熱交換部5
5内を流れる冷媒の方向が、最初は縦流型熱交換パイプ
58の他方側通流分路での流れの蓄冷熱槽54内左部側
から右部方向であり、その後は片方側通流分路での流れ
の右部側から左部方向であって両通流分路で異なり、そ
れぞれによって形成される温度分布も異なったものとな
る。そして、このような両通流分路が隣接しているの
で、蓄冷熱槽54内での製氷が略均等に進行し、蓄冷熱
槽54内に氷が偏って形成されることがない。
【0056】また蓄冷する過程とは逆方向の流れとなる
が同様に、氷の蓄冷熱を利用する過程では熱交換部55
内を流れる冷媒の方向が、縦流型熱交換パイプ58の他
方側通流分路と片方側通流分路とで異なるものとなって
いる。そして、蓄冷熱槽54内に生成された氷は、高温
側となるヘッダ34cに接続された縦流型熱交換パイプ
58の片方側通流分路の最上部の直管部分29から融け
始める。一方、ディストリビュータ37aに接続された
低温側部分である縦流型熱交換パイプ58の他方側通流
分路の最左部の直管部分29は、高温側の片方側通流分
路の最左部の直管部分29に隣り合っているのでその影
響を受けて比較的早く暖められ、融氷が高温側と低温側
で大きな時間遅れがない状態で進行する。そして縦流型
熱交換パイプ58の低温側部分に氷が固まりとして残る
ようなことがなくなる。
【0057】この結果、再び蓄冷するために氷の生成を
行っても、縦流型熱交換パイプ58の一部分のみに氷を
残したまま積み重ねるように製氷することがなく、全体
として略均等な状態での製氷が行えるので、熱交換部5
5に局部的に氷が形成されることがなくなり、縦流型熱
交換パイプ58を変形させたり、冷媒の漏洩を引き起こ
したりする虞がなく、また熱交換面積が部分的に減るよ
うなこともなく、蓄冷時間が短縮でき、製氷率も向上す
る。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は蓄冷熱交換器の熱交換部の熱交換パイプを、氷の蓄冷
熱を利用して冷房運転を行う際に冷媒が流入する流入側
と、流出する流出側とが隣接するような配置構成とした
ことにより、蓄冷熱利用時の氷の融け方の偏りが低減す
ると共に、蓄冷時間が短縮し、製氷率が向上し、さらに
熱交換部の変形をまねいたり、冷媒の漏洩を引き起こし
たりする虞がなくなる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す上面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る熱交換パイプの
正面図で、図3(a)は第1の熱交換パイプの正面図、
図3(b)は第2の熱交換パイプの正面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の冷凍サイクル図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る第3の熱交換パ
イプの正面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す側面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す正面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る蓄冷熱交換器を
示す正面図である。
【図10】本発明の第4の実施形態に係る蓄冷熱交換器
を示す上面図である。
【図11】従来技術に係る蓄冷熱交換器の側面図であ
る。
【図12】従来技術に係る蓄冷熱交換器の上面図であ
る。
【図13】従来技術に係る蓄冷熱交換器の正面図であ
る。
【符号の説明】
4,45,50,53…蓄冷熱交換器 5…圧縮機 6…四方弁 8…室外熱交換器 9…第1の膨脹弁 13…第2の膨脹弁 16…室内熱交換器 17…第3の膨脹弁 21…水 22,54…蓄冷熱槽 23,46,51,55…熱交換部 26…第1の熱交換パイプ 27…第2の熱交換パイプ 29…直管部分 30…曲管部分 31…U字状パイプ 32…リターンベンド 47…第3の熱交換パイプ 52…横流型熱交換パイプ 58…縦流型熱交換パイプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱
    交換器、膨脹弁等を設け、さらに蓄冷熱槽内部に熱交換
    パイプを蛇行配置してなる蓄冷熱交換器を設け冷媒を通
    流させて冷凍サイクルを構成し、前記蓄冷熱交換器の前
    記蓄冷熱槽内に氷を作ると共に、前記氷の蓄冷熱を利用
    して冷房運転が行えるようにした空気調和機において、
    前記蓄冷熱交換器は、前記冷媒を通流させて前記氷の蓄
    冷熱を利用する際の該冷媒の流入側を前記蓄冷熱槽内の
    上部に設けかつ流出側を下部に設けてなる熱交換パイプ
    と、該冷媒の流入側を前記蓄冷熱槽内の下部に設けかつ
    流出側を上部に設けてなる熱交換パイプとを交互に配置
    するよう収納していることを特徴とする空気調和機。
  2. 【請求項2】 蓄冷熱交換器が、氷の蓄冷熱を利用する
    際の冷媒の流入側を蓄冷熱槽内の上下方向中間部に設け
    てなる熱交換パイプを備えていることを特徴とする請求
    項1記載の空気調和機。
  3. 【請求項3】 圧縮機、四方弁、室内熱交換器、室外熱
    交換器、膨脹弁等を設け、さらに蓄冷熱槽内部に熱交換
    パイプを蛇行配置してなる蓄冷熱交換器を設け冷媒を通
    流させて冷凍サイクルを構成し、前記蓄冷熱交換器の前
    記蓄冷熱槽内に氷を作ると共に、前記氷の蓄冷熱を利用
    して冷房運転が行えるようにした空気調和機において、
    前記熱交換パイプは、前記冷媒の流入側および流出側が
    前記蓄冷熱槽内の一方側部分に設けられ、かつこれに対
    向する他方側部分に中間部が配置されており、該中間部
    で折り返すように前記冷媒を通流させるものであること
    を特徴とする空気調和機。
  4. 【請求項4】 熱交換パイプが、冷媒を上下方向に通流
    させながら横方向に蛇行させる構成となっていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空
    気調和機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112648788A (zh) * 2019-10-10 2021-04-13 中车石家庄车辆有限公司 单位时间散冷量的确定方法、装置和计算机设备

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