JPH11190298A - 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機 - Google Patents

電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機

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JPH11190298A
JPH11190298A JP9357695A JP35769597A JPH11190298A JP H11190298 A JPH11190298 A JP H11190298A JP 9357695 A JP9357695 A JP 9357695A JP 35769597 A JP35769597 A JP 35769597A JP H11190298 A JPH11190298 A JP H11190298A
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JP
Japan
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diffuser
electric motor
blade
centrifugal impeller
airflow
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JP9357695A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Sugimura
和之 杉村
Masatoshi Watanabe
昌俊 渡辺
Fumio Joraku
文夫 常楽
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気流れの変化に影響されない圧力変動抑制効
果をもったディフューザ前縁部構造を有する電動送風機
及びそれを搭載した電気掃除機を提供する。 【解決手段】遠心羽根車12で発生させた空気流れを転
向し流出するディフューザ11の静翼前縁部270を、
内部が中空で、かつ両外面に中空部270bまで貫通す
る空孔270aを少なくとも一つ以上設けた板状部材で
形成する。これにより、空気流れの乱れによる圧力変動
を、常に、空孔270aを通して中空部270bで緩和
することができるので、空気流れの変化に影響されない
ディフューザ11を構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低騒音な電気掃除
機を提供することを目的とした遠心型電動送風機のディ
フューザ前縁部の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気掃除機は、小型化、高効率化
が開発目標とされ、駆動源の電動送風機においては遠心
羽根車とディフューザとの間隙をできる限り狭くする傾
向にある。また、ディフューザの翼は、通常プラスティ
ックで成形されている。
【0003】このように近接する2翼間では、動翼後縁
からの乱れた空気の流れと静翼前縁部との干渉により圧
力変動が生じ、羽根音と呼ばれる離散的な周波数を持つ
音波を発生する。さらに、ディフューザ翼表面がプラス
ティックという固い固体壁表面を持つ場合には、音の発
生効率が上昇し、電動送風機の騒音を、より増大させる
といった問題がある。
【0004】以上のような理由から、騒音低減、即ち、
羽根音を小さくするためには、空気の流れの干渉による
ディフューザ前縁翼面上の圧力変動を小さくし、かつ放
射効率を下げることが望まれる。
【0005】このような静翼前縁部における圧力変動を
緩和する手段として、特開平8-232896号公報に開示され
ているように、ディフューザ翼の前縁部に、一方の翼面
から他方の翼面へ貫通する孔を設ける方法がある。
【0006】上記該当公報に記載されている構造では、
ディフューザの翼の前縁設置角度と、流入する流れの角
度とに不整合が生じた場合に、貫通孔を通して流体が移
動し、角度の不整合による剥離現象を抑制する効果があ
る。即ち、大きな圧力変動を引き起こす剥離を未然に防
止することで、前縁部の圧力変動を低減する趣旨のもの
である。結果として、運転状況が変化した場合にも、乱
れを小さくして低損失を保てるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8-232896号公報では圧力変動と騒音とを直接結び付
ける記述がないことに加えて、上記のような構造では、
以下の問題点が解決されない。
【0008】一つは、動翼の後流中の乱れなど、剥離に
よらない乱れに対しての圧力変動緩和効果が乏しいこと
である。すなわち、動翼と静翼の干渉による圧力変動を
小さくすることは困難である。
【0009】また、設けられた貫通孔の角度に合致する
定常的な流入流れがあった場合にのみ、効果的な圧力変
動の抑制効果が得られるが、それ以外の流入角度の場合
や、非定常で瞬間的な流入流れの変化があった場合に
は、孔を通しての流体の移動が十分行われず、圧力変動
を抑制しにくい場合がある。
【0010】さらに、孔には流体の移動の効果の他に、
孔の両端の圧力の均一化の効果があるが、上記構造で
は、孔に沿った特定の方向にのみ圧力の均一化が行われ
るので、前縁部全体に渡って、任意の方向の圧力分布や
圧力変動を十分に緩和することはできない。
【0011】本発明の目的は、上記のような問題に対
し、乱れの種類、流れの定常・非定常性、ディフューザ
への流れの流入角度の変化に影響されない圧力変動抑制
効果をもったディフューザ前縁構造を提案することであ
り、その結果として、羽根音を低減した電動送風機及び
それを搭載した電気掃除機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における電動送風機の特徴とするところは、
遠心羽根車で発生させた気流を転向し流出するディフュ
ーザの静翼を、内部が中空で、かつ両外面に前記中空部
まで貫通する空孔を少なくとも一つ以上設けた板状部材
で形成することにある。また、空孔の板状部材の両外面
積に対する空孔率を、3%以上70%未満に設定するこ
とにある。
【0013】具体的には、本発明は次に掲げる電動送風
機及びそれを搭載した電気掃除機を提供する。
【0014】本発明は、電動機と、前記電動機の回転軸
に直結された気流発生用の遠心羽根車と、該遠心羽根車
の外周側に設置され、前記発生した気流を転向し流出す
るディフューザと、該ディフューザから流出した気流を
前記電動機へ誘導するリターンガイドと、前記電動機、
遠心羽根車、ディフューザ、リターンガイドを内包する
ケースとを有する電動送風機において、前記ディフュー
ザの静翼は、内部が中空で、かつ両外面に前記中空部ま
で貫通する空孔を少なくとも一つ以上設けた板状部材で
形成されることを特徴とする電動送風機を提供する。
【0015】また、電動機と、前記電動機の回転軸に直
結された気流発生用の遠心羽根車と、該遠心羽根車の外
周側に設置され、前記発生した気流を転向し流出するデ
ィフューザと、該ディフューザから流出した気流を前記
電動機へ誘導するリターンガイドと、前記電動機、遠心
羽根車、ディフューザ、リターンガイドを内包するケー
スとを有する電動送風機において、前記ディフューザの
静翼は、内部が中空で、かつ両外面に前記中空部まで貫
通する空孔を設けた板状部材で形成され、前記空孔の前
記板状部材の両外面積に対する空孔率を、3%以上70
%未満に設定することを特徴とする電動送風機を提供す
る。
【0016】好ましくは、前記中空部に、該中空部を前
記静翼の長手方向に分割する仕切り板を設ける また、掃除面の塵埃を吸い込む吸込口に接合される集塵
室と、該集塵室の後方に配置され、前記吸込口から前記
塵埃を吸い込む空気流れを形成する電動送風機とを有す
る電気掃除機において、前記電動送風機は、空気取り入
れ口から流入した空気を昇圧し流出する動翼と、該動翼
の接近により生ずる前記流出した空気流れの乱れによる
圧力変動を伝える貫通孔、及び該貫通孔と連通し前記伝
えられた圧力変動を緩和する中空部を設けた板状部材で
形成された静翼とを有し、前記圧力変動が緩和されるこ
とによって形成された乱れの小さい空気流れにより、前
記掃除面の塵埃を吸塵することを特徴とする電気掃除機
を提供する。
【0017】このように、ディフューザの静翼または静
翼前縁部において、空気流れの乱れによる圧力変動が緩
和されるので、動翼と静翼の干渉により発生する羽根音
を低減できる。また、ディフューザの静翼または静翼前
縁部における音の発生に有効な壁面表面積が減少し、羽
根音の発生効率を小さくすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態例に
係る電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機を、図を
用いて説明する。
【0019】図2に示す電気掃除機の本体の縦断面図を
用いて、電気掃除機本体201の構成を説明する。電気
掃除機本体201は、下ケース301、上ケース302
及び集塵蓋303により、外郭が構成される。集塵蓋3
03には、吸込口304が形成され、その内側には、前
記吸込口304に接合される集塵袋305を収納する集
塵室306が形成されている。集塵室306の後方に
は、フィルタ309を介して、電動送風機室307が接
続し、電動送風機308が収納されている。
【0020】吸込口304から吸い込まれた空気は、集
塵袋305にて粉塵を取り除かれ、フィルタ309を通
過した後、電動送風機308に流入する。電動送風機3
08からの排気は、排気口310から外部に放出され
る。
【0021】次に図1を用いて、本発明の一実施の形態
例に係る電動送風機308について説明する。電気掃除
機の電動送風機308は、電動機2と送風機1から構成
されている。
【0022】電動機2は、ハウジング3およびエンドブ
ラケット9からなる電動機ケースと、前記電動機ケース
に収納される回転軸4を有するロータ5及びステータコ
イル6が巻装されたステータ7から構成されている。
【0023】送風機1は、回転軸4に直結された遠心羽
根車12と、該遠心羽根車12の外周側に設置されたデ
ィフューザ11と、該ディフューザ11の背面に位置す
るリターンガイド14と、遠心羽根車12、ディフュー
ザ11、リターンガイド14を内包し、空気吸込口13
bを持ち、上記電動機ケースと接続される送風機ケース
13とから構成されている。
【0024】電動送風機308においては、電動機2を
駆動して遠心羽根車12を回転させると、空気吸込口1
3bから空気101が流入し、遠心羽根車12の外周部
に近接するディフューザ11に流入する。ディフューザ
11に流入した空気102は、リターンガイド14に導
かれ、ハウジング3に流入する。ハウジング3に流入し
た空気104は、電動機2のロータ5及びステータコイ
ル6、ブラシ15の冷却を行った後、外部に排出され
る。
【0025】図4は、送風機1を回転軸方向から見た図
である。遠心羽根車12の外側にディフューザ11が設
置されている。遠心羽根車12が反時計回りに回転する
と、空気取り入れ口21から空気が流入し、遠心羽根車
中で動翼22に沿って流れ23は昇圧される。
【0026】動翼後縁24から流出した流れは、固定さ
れたディフューザ11に流入し、流れ25は静翼26に
沿って圧力回復される。動翼後縁24は、回転に伴い静
翼前縁27に周期的に接近する。この際に、動翼後縁2
4からの流れが静翼前縁27と干渉し、翼表面に圧力変
動を生じ、音波となって放出される。
【0027】本発明は、この圧力変動を低減するための
静翼前縁27の構造に関するもので、以下、空気の流れ
場についての説明を行う。
【0028】図5は、送風機1において、動翼後縁24
が静翼前縁27に接近する直前の空気の流れ場を示して
おり、羽根音の発生しない状態の流れ場である。図中の
矢印は動翼22からの流出流れの絶対速度を表してい
る。動翼22からの流出流れは、静翼の取り付け角度に
合致して流入していく。
【0029】しかし、動翼22の後流領域31では、翼
に沿う方向の流れの速度が小さいので、回転方向の速度
成分が支配的となる。したがって、動翼後縁24近傍に
おいては局所的に速度が偏向し、静翼の取り付け角度と
は合致しない流入を瞬間的に行うこととなる。
【0030】図6は、動翼後縁24が静翼前縁27を通
過した直後の、静翼前縁27近傍の流れの状態を示した
もので、羽根音の発生する状況を示している。上述のよ
うに、速度偏向を持って流れが流入する結果、瞬間的に
流れが翼から剥がれ、静翼26の背面側41に剥離泡4
2を生ずる。剥離泡42は渦流であり、中心部に低圧部
を持つため、静翼前縁27の片面の圧力が急低下する。
【0031】さらに回転が進むと、速度偏向はなくなり
発生した剥離泡42は吹き飛ばされ、圧力は元に回復す
る。この繰り返しにより、静翼前縁27において瞬間的
な圧力変動が周期的に発生し、羽根音となって放射され
る。
【0032】図3は、図1のA部の拡大図であり、ディ
フューザ11の静翼前縁部の構造を示す。この静翼前縁
部270は、空孔270aを有する部材で外郭270b
が成形され、内部に中空部270cが設けられているこ
とを特徴としている。
【0033】静翼前縁部270を含む翼弦長の1/15以
上、最大で翼全体の外郭を、空孔270aが設けられた
部材で形成し、内部を中空とする構造である。
【0034】図3には空孔270aを持つ外郭部材とし
て、細孔を有する板材を用いた例が示してある。本実施
の形態例が提唱するところの空孔を有する部材とは、細
孔のあいた板材料もしくは繊維を編み上げた材料を指
す。部材の全表面積に対して空孔部の占める割合を空孔
率と定義すると、本発明では、この空孔率が少なくとも
3%以上で、70%未満である部材を用いる。
【0035】外郭部材は、細孔のあいた金属製の板材料
や、金属製の繊維を編み上げた板材料を折り目に丸みを
持たせて折り曲げ、従来の翼部分280に挟み込んで止
めたのち、接着剤にて接着を行い固定する。これにより
内側に自動的に中空部270cが形成される。
【0036】また、成形型を用いて、中空部を有する静
翼を、一体成形したのち、中空部に向かって貫通孔をあ
けても良い。
【0037】次に、本発明の提唱する構造で羽根音を低
減させる原理について、説明する。中空部270cの体
積は、外郭の空孔270aの体積に比べて十分に大きい
ため、空孔270aを通して中空部270cに伝わる圧
力変動を緩和するダンパの働きをもつ。
【0038】また、中空部270cは静翼前縁部270
全体とつながっているので、各空孔からの圧力変動の緩
和効果以外にも、静翼前縁部270全体、すなわち各空
孔間の圧力変動を平均化し、一様化する働きも持つ。
【0039】したがって、図6にみられるような剥離泡
42による局所的な圧力変動が発生した場合、その変動
は翼外郭の空孔270aを通して中空部270cに伝わ
るが、中空部270cがダンパの働きをすることにより
変動の強さが減衰させられる。
【0040】また、剥離泡42における低圧部は、静翼
前縁部270全体の平均化の効果により、その分布を一
様化させられる。
【0041】この作用の結果を示した図が図7である。
図7は図6と同じように、動翼後縁24が静翼前縁27
を通過した直後の流れを示しているが、静翼前縁部のみ
が図3の構成に取って代わった場合を示している。図7
においても、図6の場合と同様に、はじめは静翼前縁2
7の先端部近傍84に剥離泡が形成されようとするが、
前述のように剥離泡は渦流であるから、剥離泡の中心部
は低圧部となっている。逆にいえば、中心が低圧でない
と渦流、すなわち剥離泡は形成されない。
【0042】静翼前縁部を、外郭に空孔52を設け、内
部を中空にした構成にすることにより、静翼前縁部の先
端部82の圧力と後部83との圧力を、空孔52と中空
部53を通して一様化しようとする働きを持つ。後部8
3は先端部82よりも圧力が高いので、先端部82は、
圧力の平均化作用によって低圧を保つことができずに、
先端部近傍84で形成されようとした剥離泡は崩壊す
る。
【0043】このようにして、剥離泡は成長しないの
で、図7に示すように、翼に沿った流れが実現されるこ
とになる。このような流れは、乱れが小さいので騒音を
低減することができる。
【0044】さらに、従来の翼面が完全な固体面である
のに対して、本実施の形態例が示すところの空孔270
aを有する構造の翼面は、翼のサイズを同じとした場
合、有効な固体表面積が減少する。一般に、固体壁が存
在すると、音の放射効率が大きくなるので、有効な固体
表面積が小さくなると、音の放射効率は低下する。以上
の効果の結果として、圧力変動を緩和することができ、
羽根音を低減することが可能になる。
【0045】上記空孔率を3%未満にすると、このよう
な緩和効果が小さくなる他に、翼の有効表面積も減少
し、音の低減効果が得られにくい。逆に、空孔率を70
%以上にすると、間隙が空きすぎることにより空気の流
れが乱れロスが生じ、また、構造強度が不足する。
【0046】図8は、毎分25000回で回転する遠心型の
羽根車に、従来型の静翼と、空孔を有する外郭構造を持
つ静翼とを近接して設置した場合に、羽根音のレベルを
比較したものである。図に示されるように、従来型の翼
に対して、羽根音レベルを2〜3[dB]程度低減すること
ができる(前縁から翼弦長の13%の領域を中空構造とし
た場合)。中空構造の領域を前縁から翼弦長38%までに
増加させると、羽根音レベルは3〜5[dB]程度まで低減
することが可能である。
【0047】図9は、本発明のディフューザ11の静翼
前縁部270の他の実施の形態例を示している。中空部
270cに仕切り板270dを設けて、中空部を長手方
向に分割した形態例である。
【0048】図3に示す構造では、空孔270aと中空
部270cを介して、多少の流れの漏れが発生し、ロス
を生じる。しかしながら、図9に示す構造では、空孔部
体積に対する中空部体積の割合が相対的に減少すること
になるため、音の低減効果は弱まるが、設けた仕切り板
270dにより流れの漏れは生じないため、漏れによる
ロスを防止することが可能である。
【0049】図10は、図5よりも流量が増加した場合
の流れ場の状態を示している、ディフューザへの流入角
は、図5の状態よりも大きい流入角になっている。この
ような流れ場においては、図5で剥離泡を生じた面とは
逆側の面において流れの剥離71が定常的に生じてお
り、動翼が通過して流れが偏向した場合に、非定常な剥
離のない状態になる。
【0050】図3及び図9に示したディフューザ形状で
は翼の両側共に空孔が空いているので、図10に示すよ
うな流れ場においても、同じ原理によって圧力変動を緩
和する効果があり、音を低減することができる。
【0051】図5または図10に示されるいずれかの流
れ場のみで音の低減効果を得たい場合には、それに対応
する側にのみ空孔を開けるようにすれば良い。
【0052】前述したようなディフューザ前縁部形状を
用いれば、流れの流入角変化や、流れの定常・非定常性
に係らず、音を低減することが可能となる。
【0053】本発明が示すところの静翼前縁部形状は、
電動送風機に限らず、動翼と静翼が近接する一般の流体
機械、例えば軸流型,斜流型,または遠心型のポンプ、
ファン、ブロア、圧縮機などについても適用できるもの
である。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、ディフューザの静翼前
縁部の圧力場を全体的に均一化する働きが、流れの流入
角度や、乱れの種類に関係なく生じるので、電動送風機
の運転状態によらず、流れの干渉によって静翼前縁部の
翼面上に引き起こされる非定常で衝撃的な圧力変動を常
に緩和することができる。したがって、発生する羽根音
を低減することができる。
【0055】また、表面に空孔を持つ構造にすることに
より、音波の発生に有効な翼面表面積が減少し、羽根音
が低減される効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例に係る電動送風機の回
転軸を含む縦断面図である。
【図2】図1の電動送風機を搭載した電気掃除機本体の
縦断面図である。
【図3】図1のA部の拡大図で、ディフューザの静翼前
縁部の構造図である。
【図4】羽根車とディフューザ部における空気の流れの
模式図である。
【図5】動翼と静翼の接近前の動翼後縁近傍の流れの模
式図である。
【図6】動翼と静翼の接近後の動翼後縁近傍の流れの模
式図である。
【図7】図3の静翼前縁部を用いたときの動翼と静翼の
接近後の動翼後縁近傍の流れの模式図である。
【図8】本発明の提案する構造の羽根音に対する効果を
示したグラフである。
【図9】本発明のディフューザの静翼前縁部の他の実施
の形態例を示す図である
【図10】図5よりも流量が増加した場合の流れ場の状
態を示す図である。
【符号の説明】
1…送風機、2…電動機、10…静止流路部、11…デ
ィフューザ、12…回転羽根車、13…送風機ケース、
13a…気流ガイド、13b…空気吸込口、14…リター
ンガイド、21…回転羽根車の空気取入口、22…回転
羽根車の動翼、23…回転羽根車内の流れ、24…回転
羽根車の動翼後縁、25…回転羽根車の動翼後流、26
…ディフューザの静翼、27…ディフューザの静翼前
縁、31…動翼後流領域、32…動翼圧力面、1…動翼
負圧面、41…静翼の流入流れに対する裏側面、42…
剥離泡、270…静翼前縁部、52,270a…空孔、
270b…外郭、53,270c…中空部、270d…
仕切り板、308…電動送風機

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機と、前記電動機の回転軸に直結され
    た気流発生用の遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周側に
    設置され、前記発生した気流を転向し流出するディフュ
    ーザと、該ディフューザから流出した気流を前記電動機
    へ誘導するリターンガイドと、前記電動機、遠心羽根
    車、ディフューザ、リターンガイドを内包するケースと
    を有する電動送風機において、 前記ディフューザの静翼は、内部が中空で、かつ両外面
    に前記中空部まで貫通する空孔を少なくとも一つ以上設
    けた板状部材で形成されることを特徴とする電動送風
    機。
  2. 【請求項2】電動機と、前記電動機の回転軸に直結され
    た気流発生用の遠心羽根車と、該遠心羽根車の外周側に
    設置され、前記発生した気流を転向し流出するディフュ
    ーザと、該ディフューザから流出した気流を前記電動機
    へ誘導するリターンガイドと、前記電動機、遠心羽根
    車、ディフューザ、リターンガイドを内包するケースと
    を有する電動送風機において、 前記ディフューザの静翼は、内部が中空で、かつ両外面
    に前記中空部まで貫通する空孔を設けた板状部材で形成
    され、前記空孔の前記板状部材の両外面積に対する空孔
    率を、3%以上70%未満に設定することを特徴とする
    電動送風機。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記中
    空部に、該中空部を前記静翼の長手方向に分割する仕切
    り板を設けることを特徴とする電動送風機。
  4. 【請求項4】掃除面の塵埃を吸い込む吸込口に接合され
    る集塵室と、該集塵室の後方に配置され、前記吸込口か
    ら前記塵埃を吸い込む空気流れを形成する電動送風機と
    を有する電気掃除機において、 前記電動送風機は、空気取り入れ口から流入した空気を
    昇圧し流出する動翼と、該動翼の接近により生ずる前記
    流出した空気流れの乱れによる圧力変動を伝える貫通
    孔、及び該貫通孔と連通し前記伝えられた圧力変動を緩
    和する中空部を設けた板状部材で形成された静翼とを有
    し、前記圧力変動が緩和されることによって形成された
    乱れの小さい空気流れにより、前記掃除面の塵埃を吸塵
    することを特徴とする電気掃除機。
JP9357695A 1997-12-25 1997-12-25 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機 Pending JPH11190298A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030060538A (ko) * 2002-01-09 2003-07-16 엘지전자 주식회사 진공청소기용 원심송풍기

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