JPH11190232A - 電動式スロットル装置 - Google Patents

電動式スロットル装置

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Publication number
JPH11190232A
JPH11190232A JP36714797A JP36714797A JPH11190232A JP H11190232 A JPH11190232 A JP H11190232A JP 36714797 A JP36714797 A JP 36714797A JP 36714797 A JP36714797 A JP 36714797A JP H11190232 A JPH11190232 A JP H11190232A
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JP
Japan
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lever
throttle
valve
rotation
shaft
Prior art date
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Application number
JP36714797A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuto Kumagai
勝人 熊谷
Tomoaki Araki
智昭 荒木
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルブ駆動用の電動モータとそのバックアッ
プ手段とをスロットルボディに設けることにより、バッ
クアップ状態での運転性、信頼性を向上させる。 【解決手段】 スロットルボディ1には、アクセルペダ
ルの操作量に応じて回動する回動装置5を設け、その回
動量を操作量センサ15により検出する。そして、電動
モータ16は減速歯車機構17を介して弁軸2の一端側
からスロットルバルブ3を回動させる。また、電動モー
タ16の故障時には、バックアップ装置18がアクセル
ペダルの操作力を弁軸2の他端側からスロットルバルブ
3に伝える。この場合、スロットル操作機構21の張出
レバー22がアクセル操作量に応じて回動するときに、
弁軸2に設けたスロットルレバー19に係合し、これに
よってスロットルバルブ3を機械的に回動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車用エ
ンジン等の吸入空気量をアクセルペダルの操作量等に応
じて可変に制御するのに好適に用いられる電動式スロッ
トル装置に関し、特に、電動モータ等のアクチュエータ
を用いてスロットルバルブを開閉させる構成とした電動
式スロットル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジン等に用いられ
る電動式スロットル装置は、内部に吸気通路が形成され
たスロットルボディと、該スロットルボディの吸気通路
内に開閉可能に設けられたスロットルバルブと、車両に
設けたアクセルペダルの操作量(アクセル操作量)を検
出するためのアクセル検出装置と、該アクセル検出装置
からの検出信号に従ってスロットルバルブを開閉するた
めスロットルボディに設けられた電動モータ等とから構
成されている。
【0003】この種の従来技術による電動式スロットル
装置は、スロットルボディがエンジンの吸気通路の途中
に接続され、アクセル検出装置がワイヤ等を介してアク
セルペダルに連結されている。また、アクセル検出装置
と電動モータとは、車両に設けられたエンジン制御用の
コントロールユニット等に接続されている。
【0004】そして、車両の運転中には、運転者がアク
セルペダルを踏込み操作すると、アクセル検出装置がワ
イヤ等を介してそのアクセル操作量を検出し、コントロ
ールユニットに検出信号を出力する。また、コントロー
ルユニットは、アクセル検出装置からの検出信号等を用
いて電動モータに駆動信号を出力し、スロットルバルブ
を電動モータによって開閉させる。これにより、エンジ
ンの吸入空気量はアクセル操作量等に応じて制御される
から、運転者はアクセルペダルを操作することによって
車両の加減速等を自由に行うことができる。
【0005】また、電動モータが故障した場合には、運
転者がアクセルペダルを操作してもスロットルバルブが
駆動されなくなり、車両が通常走行不能となる虞れがあ
るため、従来技術では、電動式スロットル装置にバルブ
駆動用のバックアップ装置を設けている。これにより、
運転者は、車両の走行中に電動モータ等が故障した場合
でも、バックアップ装置によって車両を走行させ続ける
ことができ、車両を路肩等に退避させたり、整備工場で
修理したりすることが可能となっている。
【0006】ここで、このバックアップ装置としては、
例えば特開昭63−150449号公報等に記載されて
いるように、スロットルバルブを開弁方向に弱く付勢す
る付勢部材等を設けたものが知られている。これによ
り、電動モータ等の故障時には、スロットルバルブが付
勢部材等によって一定の開度に保持されるから、車両の
走行に最低限必要なエンジンの吸入空気量が確保され
る。
【0007】また、他の従来技術としては、例えば特開
昭60−240835号公報等に記載されているよう
に、スロットルバルブと電動モータとをバックアップ操
作用のクラッチ機構によって連結する構成とした電動式
スロットル装置も知られている。この場合、電動モータ
等の故障時には、前記クラッチ機構を開放することによ
り、運転者がアクセルペダル用のワイヤ等によってスロ
ットルバルブを直接操作する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、電動モータ等が故障した場合でも、スロッ
トルバルブを一定の開度に保持することにより、エンジ
ンの吸入空気量を最低限必要な分だけ確保する構成とし
ている。
【0009】しかし、この場合には、スロットルバルブ
の開度がアクセル操作量に関係なく一定となり、運転者
は車両の走行状態を細かく調整できなくなるため、車両
がバックアップ機構により走行しているときには、車両
の運転性が悪化して運転者等に不快感、不安感を与える
という問題がある。
【0010】また、他の従来技術では、スロットルバル
ブと電動モータとの間にクラッチ機構を設けているた
め、電動式スロットル装置には、例えばクラッチ機構を
連結、開放するための切換装置、切換装置用の切換スイ
ッチ等が必要となり、電動式スロットル装置の構造が複
雑化して組立作業等に手間がかかるばかりでなく、信頼
性が低下するという問題がある。
【0011】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は、車両の走行中にバルブ駆動手
段の駆動力が失効した場合でも、スロットルバルブをア
クセルペダルの操作量に応じて可変に開,閉駆動でき、
車両の運転性を良好に保つことができると共に、バック
アップ手段の構成を簡略化して全体を小型化でき、信頼
性を向上できるようにした電動式スロットル装置を提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために請求項1の発明は、内部に吸気通路が形成された
スロットルボディと、該スロットルボディに弁軸を介し
て回動可能に設けられ、前記吸気通路を開閉するスロッ
トルバルブと、前記スロットルボディに設けられ、車両
に設けたアクセルペダルと機械的に連結されることによ
りアクセル操作量に応じて回動軸が回動する回動手段
と、該回動手段に付設され、前記回動軸の回動量をアク
セル操作量として検出し、検出信号を出力する操作検出
手段と、前記スロットルボディに設けられ、前記弁軸の
軸方向一側からスロットルバルブを駆動する電動式のバ
ルブ駆動手段と、前記スロットルバルブと回動手段との
間に設けられ、前記バルブ駆動手段の駆動力が失効した
ときに前記アクセルペダルの操作力を用いて前記スロッ
トルバルブを強制的に開弁させるバックアップ手段とを
有し、前記バックアップ手段は、前記弁軸の軸方向他側
に設けられ、該弁軸と共に前記スロットルバルブを回動
するスロットルレバーと、前記回動手段と共にスロット
ルボディに設けられ、常時は該スロットルレバーが弁軸
によって回動されるのを許し、前記バルブ駆動手段によ
る駆動力が失効したときには前記アクセルペダルの操作
力を前記回動手段を介して該スロットルレバーへと伝
え、前記弁軸の軸方向他側からスロットルバルブを強制
回動させる回動伝達手段とからなる構成を採用してい
る。
【0013】このように構成することにより、操作検出
手段はアクセルペダルが操作されたときに回動手段(回
動軸)の回動量をアクセル操作量として検出でき、例え
ばバルブ駆動制御用のコントロールユニット等に検出信
号を出力できる。そして、コントロールユニットは操作
検出手段からの検出信号等を用いてバルブ駆動手段に駆
動信号を出力し、これによってバルブ駆動手段はスロッ
トルバルブがアクセル操作量に対応した開度となるよう
に、弁軸の軸方向一側からスロットルバルブを開,閉駆
動することができる。また、バルブ駆動手段の駆動力が
失効したときには、アクセルペダルの操作力をバックア
ップ手段によりスロットルバルブへと伝えることがで
き、スロットルバルブを回動伝達手段、スロットルレバ
ーを介して弁軸の軸方向他側からアクセルペダルの操作
量に応じて強制回動できる。
【0014】また、請求項2の発明では、前記バックア
ップ手段を構成する回動伝達手段は、前記回動軸に設け
られたレバー部材と、前記バルブ駆動手段の駆動力によ
って常時は前記スロットルレバーが優先的に回動するの
を許し、前記バルブ駆動手段の駆動力が失効したときに
は前記レバー部材の回転を前記スロットルレバーに伝達
する失効時伝達手段とから構成している。
【0015】これにより、スロットルバルブがバルブ駆
動手段によって駆動されるときには、スロットルレバー
がレバー部材の位置に関係なく優先的に回動でき、バル
ブ駆動手段の駆動力が失効したときには、レバー部材の
回転を失効時伝達手段によってスロットルレバーに伝達
することができる。
【0016】さらに、請求項3の発明では、前記回動手
段は、前記回動軸に設けられ前記アクセルペダルにワイ
ヤを介して連結されたワイヤドラムを有し、前記回動伝
達手段は、前記回動軸の周囲にワイヤドラムに対して相
対回動可能に設けられ、前記スロットルレバーと係合す
るように径方向へと張出した張出レバーと、該張出レバ
ーと前記回動手段のワイヤドラムとの間に配設され、常
時は該張出レバーをワイヤドラムと一体的に回動させ、
該張出レバーがスロットルレバーに係合した状態で該ス
ロットルレバーにより回動されるときには前記ワイヤド
ラムに対して該張出レバーが相対回動するのを許すスプ
リングとから構成している。
【0017】これにより、例えば車両のトラクションコ
ントロール時にスロットルバルブがバルブ駆動手段によ
って閉弁方向に駆動され、スロットルレバーが張出レバ
ーに係合した場合には、張出レバーがスプリングに抗し
てワイヤドラムに対し相対回動するようになり、これに
よってアクセルペダルの操作方向とは逆向きにスロット
ルバルブが回動されるのを許すことができる。一方、バ
ルブ駆動手段の駆動力が失効した場合には、ワイヤドラ
ムの回転をスプリングを介して張出レバーへと伝え、該
張出レバーをスロットルレバーに対して係合させること
ができる。そして、この状態ではワイヤドラムの回転を
スプリングを介して張出レバーからスロットルレバーへ
と伝達でき、スロットルバルブをアクセル操作量に応じ
て回動させることができる。
【0018】また、請求項4の発明では、前記張出レバ
ーは、前記アクセルペダルの操作を解除したときに前記
スロットルレバーから離れた回動位置におかれ、前記バ
ルブ駆動手段による駆動力が失効した状態で前記アクセ
ルペダルの操作量を大きくしたときには前記ワイヤドラ
ムの回転がスプリングを介して伝えられることにより、
前記スロットルレバーに係合して前記スロットルバルブ
の開弁方向へとスロットルレバーを強制回転させる構成
としている。
【0019】これにより、アクセルペダルの操作を解除
した状態では、張出レバーをスロットルレバーに対して
離れた位置に保持できる。また、バルブ駆動手段の駆動
力が失効した場合には、アクセルペダルを大きく操作す
ることにより、ワイヤドラムの回転をスプリング、張出
レバーを介してスロットルレバーに伝達でき、弁軸の他
端側からスロットルバルブを開弁方向に強制回転させる
ことができる。
【0020】一方、請求項5の発明では、前記回動伝達
手段は、前記回動軸と一体的に回動する駆動レバーと、
該駆動レバーとスロットルレバーとの間に位置して前記
スロットルボディ側に回動可能に設けられ、前記スロッ
トルレバーに係合する係合部を有した従動レバーと、該
従動レバーと駆動レバーとの間に設けられ、該従動レバ
ーを駆動レバーに追従して回動させるリンク機構と、該
リンク機構と従動レバーとの間に配設され、前記従動レ
バーの係合部がスロットルレバーに係合する方向に前記
従動レバーを常時付勢したスプリングとから構成してい
る。
【0021】これにより、例えばトラクションコントロ
ールを行うときにスロットルバルブがバルブ駆動手段に
よって閉弁方向に駆動され、スロットルレバーが従動レ
バーの係合部を押動しても、従動レバーはスプリングに
よりリンク機構に対する相対回動が許されるから、アク
セルペダルの操作方向とは逆向きにスロットルバルブを
回動させることができる。一方、バルブ駆動手段の駆動
力が失効した場合には、ワイヤドラムと一体的に回動す
る駆動レバーの回動量をリンク機構、従動レバーを介し
てスロットルレバーに伝達でき、スロットルバルブを弁
軸の他端側からアクセル操作量に応じて回動させること
ができる。
【0022】また、請求項6の発明では、前記リンク機
構は、前記駆動レバーの先端側に回動可能に連結された
第1リンクと、該第1リンクの先端側に回動可能に連結
され前記従動レバーに回転を伝える第2リンクとから構
成し、前記スプリングは該第2リンクと従動レバーとの
間に初期荷重を付与した状態で配設している。
【0023】これにより、バルブ駆動手段の駆動力が失
効した場合には、駆動レバーの回動量をリンク機構の第
1リンク、第2リンクと従動レバーとを介してスロット
ルレバーに伝達でき、第1リンクおよび第2リンクによ
って従動レバーへと大きな回動力を伝えることができ
る。
【0024】さらに、請求項7の発明では、前記回動手
段は、前記回動軸と、該回動軸を回動可能に支持するた
めに前記スロットルボディに設けられた取付フレーム
と、前記回動軸に設けられ前記アクセルペダルにワイヤ
を介して連結されたワイヤドラムとから構成し、前記操
作検出手段は前記取付フレームに取付け、前記回動軸と
連結する構成としている。
【0025】これにより、ワイヤドラムを回動軸と共に
アクセルペダルの操作量に応じて回動させることがで
き、その回動量を操作検出手段によりアクセル操作量と
して検出することができる。
【0026】また、請求項8の発明では、バルブ駆動手
段は、前記弁軸の軸線と並列に配置して前記スロットル
ボディに設けられた電動モータと、該電動モータの出力
軸と弁軸の軸方向一側との間に配設され該電動モータの
回転を減速して弁軸に伝える減速歯車機構とから構成し
ている。
【0027】これにより、電動モータの出力軸と弁軸の
軸方向一側とを減速歯車機構を介して連結でき、電動モ
ータの回転を減速歯車機構で減速しつつ、弁軸へと大き
な回転トルクを伝達することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
電動式スロットル装置を、添付図面に従って詳細に説明
する。
【0029】ここで、図1ないし図14は本発明による
第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、自動車用
エンジン等の電動式スロットル装置を例に挙げて述べ
る。
【0030】1は電動式スロットル装置の本体部分をな
すスロットルボディで、該スロットルボディ1は、図1
ないし図3に示す如く、アルミダイキャスト等の手段を
用いて成形され、その内部にはエンジンのシリンダ(図
示せず)内に連通する吸気通路としてのスロットルチャ
ンバ1Aが形成されている。
【0031】また、スロットルボディ1には、後述する
弁軸2の一側に位置して電動モータ16用のモータ収容
ケース1Bと、弁軸2の他側に位置して後述のアクセル
操作量検出装置4を取付ける台座部1Cとが一体に形成
され、これらはスロットルチャンバ1Aから一定寸法だ
け離れた位置に配設されている。さらに、スロットルボ
ディ1には、弁軸2の一端側に位置して歯車ケース1D
と、弁軸2の他端側に位置してセンサケース1Eとが一
体に形成され、歯車ケース1Dにはカバー1Fが着脱可
能に取付けられている。
【0032】2はスロットルボディ1に軸受等を介して
回動可能に設けられた弁軸で、該弁軸2は、スロットル
ボディ1のスロットルチャンバ1A内を径方向に貫通し
て延び、図2中に示す軸線X−Xに沿って配置されてい
る。そして、弁軸2の一端側は歯車ケース1D内に突出
し、他端側はセンサケース1E側へと突出している。
【0033】3はスロットルボディ1のスロットルチャ
ンバ1A内に弁軸2を介して回動可能に設けられたスロ
ットルバルブで、該スロットルバルブ3はスロットルチ
ャンバ1Aの内径に対応した円形状の弁板からなり、弁
軸2の長さ方向中間部に一体化されている。そして、ス
ロットルバルブ3は、図11に示す閉弁位置と図13に
示す全開位置との間で弁軸2と共に回動され、その開度
に応じてエンジンの吸入空気量を可変に調整するもので
ある。
【0034】4はスロットルボディ1の台座部1Cに取
付けられたアクセル操作量検出装置で、該アクセル操作
量検出装置4は、図4および図5に示す如く、後述の回
動装置5と、操作量センサ15とから構成されている。
また、アクセル操作量検出装置4は、弁軸2の軸線X−
X方向に対して電動モータ16を挟んで後述の減速歯車
機構17と反対側に配置されている。
【0035】5はスロットルボディ1に設けられた回動
手段としての回動装置で、該回動装置5は、図4および
図5に示す如く、後述の取付フレーム6、回動軸9、ワ
イヤドラム10、戻しばね13等から構成されている。
【0036】6は回動装置5の本体部分をなす取付フレ
ームで、該取付フレーム6は、各取付ボルト7等を用い
てスロットルボディ1の台座部1C上に取付け、取外し
可能に設けられた平板状の取付部6Aと、回動軸9の軸
方向に間隔をもって該取付部6A上に突設された2個の
支持部6B,6C等から構成されている。
【0037】また、取付部6A上には、ワイヤドラム1
0の最小回動位置を調整する調整ねじ8が設けられてい
る。さらに、支持部6B,6Cのうち軸方向の一側に位
置した支持部6Bには、ワイヤドラム10用のストッパ
6D(図6参照)と、戻しばね13用の突起部6Eとが
一体に設けられている。また、他側の支持部6Cには、
図5に示す如く、軸方向に突出した筒状の軸受部6Fが
一体形成されている。
【0038】9は取付フレーム6の支持部6B,6Cに
軸受等を介して回動可能に設けられた回動軸で、該回動
軸9は、図5に示す如く段付状の金属棒等からなり、弁
軸2とほぼ平行に延びている。また、回動軸9は、一端
側に戻しばね13が配設され、他端側が支持部6Cを介
して操作量センサ15側に突出している。
【0039】10は回動軸9の外周側に廻止め状態で嵌
合されたワイヤドラムを示し、該ワイヤドラム10は、
図1および図3に示す如く、回動軸9を介して取付フレ
ーム6に回動可能に取付けられている。また、ワイヤド
ラム10には、その最小回動位置を定めるストッパ10
Aと、最大回動位置を定めるストッパ10Bと、後述す
る張出レバー22用のストッパ10Cとが一体に設けら
れている。そして、ストッパ10A,10B,10Cは
互いに異なる位置で径方向に延び、先端側がL字状をな
して軸方向に屈曲している。さらに、ワイヤドラム10
の外周側には、車両に設けられたアクセルペダル11か
ら延びるワイヤ12の先端側が巻回されている。
【0040】ここで、ワイヤドラム10は、図6に示す
如く、運転者がアクセルペダル11の操作を解除した状
態で、最小側のストッパ10Aが戻しばね13の付勢力
により取付フレーム6側の調整ねじ8に当接し、これに
よってワイヤドラム10は最小回動位置に保持されてい
る。
【0041】そして、運転者がアクセルペダル11を踏
込み操作したときには、ワイヤドラム10がワイヤ12
を介して回動され、アクセルペダル11の操作量(アク
セル操作量)に対応した回動角となるように戻しばね1
3に抗して図7中の矢示A1方向に回転する。この場
合、ワイヤドラム10は、運転者がアクセルペダル11
を最大位置まで踏込み操作すると、ストッパ10Bが取
付フレーム6のストッパ6Dに当接する最大開度位置ま
で回動される。
【0042】13は回動軸9の一端側外周にばね保持部
材等を介して装着された戻しばねで、該戻しばね13
は、図4に示す如く、一端側が略L字状の止板14を介
して回動軸9に掛止め状態で取付けられ、他端側が取付
フレーム6の突起部6Eに掛止めされている。そして、
戻しばね13は、ワイヤドラム10を取付フレーム6に
対して図7中の矢示A2 方向に付勢している。
【0043】15はポテンショメータ等により構成され
た操作検出手段としての操作量センサで、該操作量セン
サ15は、図1および図4に示す如く、取付フレーム6
の支持部6Cに取付けられ、コネクタ15A等を介して
後述のコントロールユニット28に接続されている。そ
して、操作量センサ15は、ワイヤドラム10の回動角
をアクセル操作量として回動軸9の他端側から検出し、
コントロールユニット28に検出信号を出力する。
【0044】16はスロットルボディ1のモータ収容ケ
ース1B内に収容された例えば直流式の電動モータで、
該電動モータ16は、図1および図2に示す如く、弁軸
2の軸線X−Xと並列に配置され、その出力軸16Aは
軸線Y−Yに沿って配設されると共に、スロットルボデ
ィ1の歯車ケース1D内に突出している。ここで、出力
軸16Aの軸線Y−Yは、弁軸2の軸線X−Xから径方
向に寸法Lだけ離間した位置で軸線X−Xとほぼ平行に
延びている。
【0045】そして、電動モータ16は、コントロール
ユニット28からの駆動信号に応じて出力軸16Aを回
転駆動し、減速歯車機構17を介して弁軸2の一端側か
らスロットルバルブ3を図12中の矢示B1 方向(開弁
方向)または矢示B2 方向(閉弁方向)へと回動させ
る。即ち、電動モータ16と減速歯車機構17とはスロ
ットルバルブ3を開,閉駆動するバルブ駆動手段を構成
している。
【0046】17は電動モータ16の出力軸16Aと弁
軸2の一端側との間に配設された減速歯車機構で、該減
速歯車機構17は、図2に示す如く、例えば3個の歯車
17A,17B,17C等からなり、スロットルボディ
1の歯車ケース1D内に収容されている。そして、減速
歯車機構17は電動モータ16の回転を減速して弁軸2
に大きな回転駆動力を伝達するものである。また、減速
歯車機構17には、スロットルバルブ3を図12に示す
中間開度位置に保持するための保持ばね(図示せず)等
が設けられている。
【0047】これにより、ワイヤドラム10がアクセル
ペダル11の操作量に応じて矢示A1 ,A2 方向に回動
されるときには、図7に示す如く、スロットルバルブ3
が電動モータ16等により前記保持ばねに抗して駆動さ
れ、後述のスロットルレバー19と共にワイヤドラム1
0の回動角に対応して矢示B1 ,B2 方向に回動する。
この結果、スロットルバルブ3の開度(スロットル開
度)は、後述のトラクションコントロール時を除いてア
クセル操作量に対応した大きさに制御される。
【0048】18はスロットルバルブ3と回動装置5と
の間に配設されたバックアップ手段としてのバックアッ
プ装置で、該バックアップ装置18は、図2に示す如
く、後述のスロットルレバー19と、スロットル操作機
構21とからなり、電動モータ16の駆動力が失効した
場合には、アクセルペダル11の操作力を用いてスロッ
トルバルブ3を強制的に開弁させる構成となっている。
【0049】19は長尺の金属板等によって形成されバ
ックアップ装置18を構成するスロットルレバーで、該
スロットルレバー19は、図5に示す如く、基端側が取
付ナット20等を用いて弁軸2の他端側に廻止め状態で
固定され、先端側が弁軸2から径方向に突出している。
さらに、スロットルレバー19の先端側には、張出レバ
ー22に対する係合ピン19Aが軸方向に突設されてい
る。
【0050】ここで、スロットルレバー19は、スロッ
トルバルブ3と所定の位置関係をもって弁軸2に予め取
付けられ、スロットルバルブ3が中間開度位置にあると
きには、図6中に実線で示す位置に配設されている。ま
た、スロットルバルブ3が閉弁位置と全開位置との間で
回動されるときには、スロットルレバー19が図6中に
仮想線で示す閉弁時の位置と図7中に示す全開時の位置
との間でスロットルバルブ3と一体に回動する。
【0051】21は回動装置5に設けられた回動伝達手
段としてのスロットル操作機構で、該スロットル操作機
構21は、図6に示す如く、後述の張出レバー22、ス
プリング25等から構成されている。
【0052】そして、スロット操作機構21は、電動モ
ータ16、減速歯車機構17、コントロールユニット2
8等からなるバルブ駆動系統の故障等によって電動モー
タ16の駆動力が失効したときに、運転者によるアクセ
ルペダル11の操作力を回動装置5を介してスロットル
レバー19へと機械的に伝えるもので、スロットルレバ
ー19と共にバックアップ装置18を構成している。
【0053】22は長尺な略三角形状の金属板等により
形成された本発明のレバー部材となる張出レバーで、該
張出レバー22は、図5、図6に示す如く、基端側が摺
動筒23の外周側に固着され、該摺動筒23はブッシュ
24を介して取付フレーム6の軸受部6Fの外周側に摺
動可能に嵌合されている。これにより、張出レバー22
は、回動軸9(ワイヤドラム10)に対して相対回動可
能に設けられている。
【0054】また、張出レバー22は、先端側がスロッ
トルレバー19に係合可能となるように回動軸9から予
め定められた張出し寸法をもって径方向に張出してい
る。さらに、張出レバー22には、先端側に位置してス
プリング25用の係止部22Aと、略三角形状の突起部
22Bとが設けられている。
【0055】ここで、張出レバー22は、ワイヤドラム
10との間に設けられたスプリング25によりワイヤド
ラム10のストッパ10Cに向けて矢示C1 方向に付勢
されている。これにより、張出レバー22は、スロット
ルレバー19により押動される場合を除いて突起部22
Bがワイヤドラム10のストッパ10Cに当接した状態
を保持し、運転者がアクセルペダル11を踏込み操作し
たときには、図7中の矢示A1 方向に向けてワイヤドラ
ム10と一体的に回動する。
【0056】この場合、張出レバー22は、スロットル
レバー19と所定の位置関係をもって予め配設され、ワ
イヤドラム10が最小回動位置から予め定められた回動
角(例えば10°〜30°)よりも大きく回動するまで
は、スロットルレバー19と離れた状態を保持してい
る。また、張出レバー22は、スロットルバルブ3が電
動モータ16等によりアクセル操作量に応じて駆動され
る場合にも、これに伴って回動するスロットルレバー1
9と後述の如く係合しない構成となっている。
【0057】一方、電動モータ16の駆動力が失効した
場合には、図9に示す如く、運転者がアクセルペダル1
1を大きく踏込み操作しても、スロットルレバー19が
スロットルバルブ3と共に中間開度位置に静止したまま
の状態となるため、張出レバー22はワイヤドラム10
と共に回動することによってスロットルレバー19の係
合ピン19Aに係合する。
【0058】25は回動軸9の他端側外周にばね保持部
材26等を介して装着された本発明の失効時伝達手段と
なるスプリングで、該スプリング25は、図5および図
6に示す如く、取付フレーム6の支持部6B,6C間で
ばね保持部材26と張出レバー22等との間に配設され
ている。また、スプリング25は、一端側がワイヤドラ
ム10のストッパ10Aに掛止めされ、他端側が張出レ
バー22の係止部22Aに掛止めされている。
【0059】ここで、張出レバー22に作用するスプリ
ング25のばね力は、スロットルバルブ3が減速歯車機
構17の保持ばねによって図7中の矢示B2 方向に付勢
される付勢力よりも大きく、かつスロットルバルブ3が
電動モータ16等によって矢示B2 方向に駆動される駆
動力よりも小さくなるように予め設定されている。
【0060】これにより、電動モータ16の駆動力が失
効した状態では、張出レバー22がワイヤドラム10と
共に図9中の矢示A1 方向へと回動してスロットルレバ
ー19に係合すると、ワイヤドラム10の回転がスプリ
ング25のばね力により張出レバー22を介してスロッ
トルレバー19に伝えられ、スロットルレバー19は張
出レバー22により前記保持ばねに抗して矢示B1 方向
に強制回転される。
【0061】この結果、スロットルバルブ3は、図10
に示す如く、運転者がアクセルペダル11を最大位置ま
で踏込み操作すると、スロットル操作機構21により予
め定められたバックアップ開度位置(図14参照)まで
機械的に開弁され、例えば10〜30°程度のスロット
ル開度を保持する。ここで、このバックアップ開度位置
は、例えばスロットルレバー19、張出レバー22等の
形状、相対的な配置等を変更することによって容易に調
整することができる。
【0062】一方、スロットルレバー19が電動モータ
16により回動されて張出レバー22に係合したときに
は、スプリング25のばね力が電動モータ16の駆動力
よりも小さく設定されているため、張出レバー22はス
プリング25に抗してワイヤドラム10との間で図8中
の矢示C2 方向に相対回動する。これにより、スプリン
グ25は、スロットルレバー19が張出レバー22の位
置に関係なく電動モータ16により優先的に回動される
のを許す構成となっている。
【0063】27はスロットルボディ1のセンサケース
1E側に設けられたスロットルセンサで、該スロットル
センサ27は、図2に示す如く、操作量センサ15とほ
ぼ同様のポテンショメータ等によって構成され、弁軸2
の回動角をスロットル開度として検出し、コントロール
ユニット28に検出信号を出力するものである。
【0064】28は車両に設けられたエンジン制御用の
コントロールユニットで、該コントロールユニット28
には、図1に示す如く、入力側に操作量センサ15、ス
ロットルセンサ27等が接続され、出力側に電動モータ
16等が接続されている。そして、コントロールユニッ
ト28は、操作量センサ15からの検出信号に従ってア
クセル操作量に対応した駆動信号を電動モータ16に出
力し、スロットルバルブ3を電動モータ16等によりア
クセル操作量に応じて回動させる。これにより、コント
ロールユニット28はエンジン回転数をアクセル操作量
等に応じて制御する。
【0065】また、コントロールユニット28は、車両
のアイドル運転制御を行うための機能を有し、このアイ
ドル運転制御時には、運転者がアクセルペダル11の操
作を解除したことを操作量センサ15等によって検出す
ると、この状態でエンジン回転数を予め定められた一定
の回転数に保つためにスロットルバルブ3を電動モータ
16等によって開,閉制御し、運転者がアクセルペダル
11を踏込み操作するまでエンジンのアイドル回転数を
制御する。
【0066】さらに、コントロールユニット28は車両
のトラクションコントロールを行うための機能を有し、
このトラクションコントロール時には、例えば車両の車
輪(駆動輪)がスリップ等で空転したことを検出する
と、運転者がアクセルペダル11を踏込み操作している
状態でも、スロットルバルブ3を電動モータ16等によ
り閉弁方向へと強制的に駆動し、車両の牽引力(駆動
力)を一時的に低下させることによって車両の発進時や
走行中でのスリップを回避するものである。
【0067】本実施の形態による電動式スロットル装置
は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につい
て説明する。
【0068】まず、エンジンの運転中に運転者がアクセ
ルペダル11の操作を解除した状態では、例えば車両の
停車中にエンジン回転数を一定に保つため、コントロー
ルユニット28のアイドル運転制御によってスロットル
バルブ3を開,閉駆動する。この場合、張出レバー22
は、図6に示す如く、ワイヤドラム10の最小回動位置
に対応してスロットルレバー19とは離れた位置を保持
する。
【0069】そして、運転者がアクセルペダル11を踏
込み操作したときには、その操作力がワイヤ12を介し
てワイヤドラム10に伝えられ、ワイヤドラム10が戻
しばね13に抗してアクセル操作量に対応した角度分だ
け回転される。そして、操作量センサ15はワイヤドラ
ム10の回動角を検出すると、コントロールユニット2
8に検出信号を出力し、コントロールユニット28は操
作量センサ15からの検出信号に従ってアクセル操作量
に対応した駆動信号を電動モータ16に出力する。
【0070】これにより、スロットルバルブ3は電動モ
ータ16により減速歯車機構17等を介して駆動され、
コントロールユニット28によってアクセル操作量に対
応した開度となるように開,閉制御される。
【0071】また、このとき張出レバー22は、ワイヤ
ドラム10と一体になった状態でアクセル操作量に対応
して図7中の矢示A1 ,A2 方向に回動し、スロットル
レバー19は電動モータ16によって張出レバー22に
係合することなく矢示B1 ,B2 方向に回動される。
【0072】ここで、例えば車両の発進時や走行中に車
輪(駆動輪)がスリップする場合には、コントロールユ
ニット28のトラクションコントロールによってスロッ
トルバルブ3を閉弁方向に駆動することがある。この場
合、運転者がアクセルペダル11を踏込み操作している
状態でも、スロットルバルブ3は電動モータ16等によ
り閉弁方向へと強制的に駆動される。
【0073】この結果、スロットルレバー19も図8中
の矢示B2 方向に回動され、アクセル操作量に対応した
位置にある張出レバー22に係合するが、このとき張出
レバー22は、ワイヤドラム10が運転者のアクセル操
作によって一定位置に保持されている状態でも、スロッ
トルレバー19に押動されることによりスプリング25
に抗してワイヤドラム10との間で矢示C2 方向に相対
回動する。これにより、スロットルレバー19はワイヤ
ドラム10に回転力を伝えることなく矢示B2方向へと
優先的に回動することができる。
【0074】一方、仮りにバルブ駆動系統の故障等によ
り電動モータ16の駆動力が失効した場合には、スロッ
トルバルブ3が減速歯車機構17側に設けた保持ばねに
より図6中の中間開度位置に静止した状態となる。そし
て、この場合でも、図9に示す如く、運転者がアクセル
ペダル11を大きく踏込み操作したときには、張出レバ
ー22がワイヤドラム10と共に矢示A1 方向に回動す
ることによりスロットルレバー19に係合し、該スロッ
トルレバー19を介してスロットルバルブ3を矢示B1
方向へと強制的に回転させることができる。
【0075】これにより、運転者がアクセルペダル11
を最大位置まで踏込み操作すると、スロットルバルブ3
は、図10に示す如く、アクセルペダル11の操作力が
ワイヤドラム10、張出レバー22、スロットルレバー
19等を介して伝えられることにより、図14中のバッ
クアップ開度位置へと大きく回動される。
【0076】また、運転者がアクセルペダル11の操作
を弛めた場合には、スロットルバルブ3が減速歯車機構
17の保持ばねによって中間開度位置へと戻される。従
って、運転者は、電動モータ16の駆動力が失効した状
態でも、スロットルバルブ3を中間開度位置とバックア
ップ開度位置との間でアクセルペダル11の操作量に応
じて開,閉操作することが可能となり、車両の加減速等
を任意に行うことができる。
【0077】かくして、本実施の形態では、スロットル
レバー19、スロットル操作機構21からなるバックア
ップ装置18をアクセル操作量検出装置4と共にスロッ
トルボディ1に設け、スロットル操作機構21を、スロ
ットルレバー19に係合可能に設けた張出レバー22
と、該張出レバー22とワイヤドラム10との間に配設
したスプリング25等とから構成したので、バルブ駆動
系統の故障等により電動モータ16の駆動力が失効した
ときには、運転者がアクセルペダルを大きく踏込み操作
することにより、ワイヤドラム10と共に回動する張出
レバー22をスロットルレバー19に確実に係合させる
ことができ、該スロットルレバー19を介してスロット
ルバルブ3を開弁方向へと強制的に回動させることがで
きる。
【0078】従って、電動モータ16の駆動力が失効し
た場合でも、運転者はアクセルペダル11を正常時とほ
ぼ同様に操作するだけで、エンジンの吸入空気量を安定
して保持でき、スロットルバルブ3の開度がアクセル操
作量に対応するように、スロットル開度をバックアップ
装置18によって調整できると共に、車両の加減速等を
任意に行うことができる。これにより、電動モータ16
の故障等によるバックアップ状態での走行中にも車両の
運転性を従来技術に比較して大幅に向上でき、安全性、
信頼性を確実に高めることができる。
【0079】また、バックアップ装置18を、スロット
ルレバー19、装置張出レバー22、スプリング25等
によって構成することにより、他の従来技術のようにバ
ックアップ用の複雑なクラッチ機構やその切換装置等を
電動式スロットル装置に設ける必要がなくなり、バック
アップ装置18の構造を簡略化できると共に、電動式ス
ロットル装置の小型化、組立時の作業性の向上を図るこ
とができる。
【0080】さらに、張出レバー22をワイヤドラム1
0に対して相対回動可能に設け、これらの間にスプリン
グ25を配設したから、例えばトラクションコントロー
ル時のようにアクセルペダル11が踏込み操作されてい
るときにスロットルバルブ3が電動モータ16等によっ
て閉弁方向に駆動される場合でも、張出レバー22の相
対回動によってスロットルレバー19を優先的に回動さ
せることができる。
【0081】これにより、スロットルバルブ3の回動動
作が張出レバー22によって妨げられたり、電動モータ
16による閉弁方向の駆動力が張出レバー22、ワイヤ
ドラム10、ワイヤ12等を介してアクセルペダル11
に伝えられたりするのを防止でき、スロットルバルブ3
を電動モータ16等により安定して駆動できると共に、
アクセルペダル11が電動モータ16の駆動力により運
転者の操作力に反して戻ろうとする動作(キックバッ
ク)を確実に防ぐことができる。
【0082】そして、この場合には、スプリング25の
ばね力を減速歯車機構17の保持ばねの付勢力よりも大
きく、かつ電動モータ16の駆動力よりも小さく設定し
たから、張出レバー22が回動されたスロットルレバー
19に係合したときには、その回動をスプリング25の
ばね力により前記保持ばねに抗してスロットルレバー1
9に伝達でき、これに対しスロットルレバー19が回動
されて張出レバー22に係合したときには、その回動を
電動モータ16の駆動力によりスプリング25に抗して
張出レバー22へと安定的に伝えることができる。
【0083】また、電動モータ16の駆動力が失効した
状態で運転者がアクセルペダル11を大きく踏込み操作
するまでは、張出レバー22がスロットルレバー19に
対して離れた位置を保持するようにしたから、電動モー
タ16の駆動力が正常な状態では、トラクションコント
ロール時を除いてスロットルレバー19が電動モータ1
6により回動されるときに張出レバー22に係合するの
を確実に防止でき、アイドル運転制御時に電動モータ1
6の負荷を軽減できると共に、その耐久性を高めること
ができる。
【0084】一方、アクセル操作量検出装置4を弁軸2
の軸線X−X方向に対して電動モータ16を挟んで減速
歯車機構17と反対側に設け、弁軸2の軸線X−Xと電
動モータ16の軸線Y−Yとを並列に配置すると共に、
これらの間に形成される寸法Lを小さくした状態で電動
モータ16、アクセル操作量検出装置4をスロットルボ
ディ1に配設したから、電動式スロットル装置の外形寸
法を弁軸2の軸線X−X方向に対して小型化でき、電動
モータ16、アクセル操作量検出装置4を有する電動式
スロットル装置をコンパクトに形成することができる。
【0085】また、回動装置5を取付フレーム6、回動
軸9、ワイヤドラム10等から構成し、ワイヤドラム1
0の最小側のストッパ10Aをスプリング25用の掛止
め部として兼用すると共に、張出レバー22用のストッ
パ10Cをワイヤドラム10に設けたから、回動軸9の
回動変位をアクセル操作量として確実に検出でき、さら
にバックアップ装置18に関連した部品点数を削減でき
ると共に、コストダウンを図ることができる。
【0086】次に、図15ないし図23は本発明の第2
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、バックア
ップ用の回動伝達手段を駆動レバー、従動レバー、リン
ク機構等によって構成したことにある。なお、本実施の
形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0087】31は本実施の形態による電動式スロット
ル装置のスロットルボディで、該スロットルボディ31
は、図15および図16に示す如く、第1の実施の形態
によるスロットルボディ1とほぼ同様に構成されてい
る。そして、スロットルボディ31は、弁軸2を介して
スロットルバルブ3が回動可能に設けられたスロットル
チャンバ31Aと、電動モータ16が収容されたモータ
収容ケース31Bと、後述のアクセル操作量検出装置3
3が設けられた台座部31Cと、弁軸2の一端側に位置
して減速歯車機構17が収容された歯車ケース(図示せ
ず)と、弁軸2の他端側に位置してスロットルセンサ2
7が取付けられたセンサケース31D等とを有してい
る。
【0088】さらに、スロットルボディ31には、後述
の従動レバー46を回動可能に支持する支持部32が一
体に設けられ、該支持部32は後述する回動軸37と弁
軸2との間に位置してスロットルボディ31から弁軸2
の軸方向に突出している。
【0089】33はスロットルボディ31の台座部31
Cに設けられたアクセル操作量検出装置で、該アクセル
操作量検出装置33は、後述の回動装置34と、操作量
センサ15とから構成されている。
【0090】34はアクセル操作量検出装置33を構成
した回動手段としての回動装置で、該回動装置34は、
図16および図19に示す如く、第1の実施の形態によ
る回動装置5とほぼ同様に構成されている。そして、回
動装置34は、取付ボルト35等を用いてスロットルボ
ディ31の台座部31Cに取付け、取外し可能に取付け
られた平板状の取付部36Aおよび該取付部36Aに一
体形成された支持部36B,36Cからなる取付フレー
ム36と、該取付フレーム36の支持部36B,36C
に軸受等を介して回動可能に支持された回動軸37と、
該回動軸37に廻止め状態で固定され、回動軸37と一
体的に回動するワイヤドラム38と、該ワイヤドラム3
8と取付フレーム36との間に配設され、ワイヤドラム
38を取付フレーム36に対して図19中の矢示A4 方
向に付勢した戻しばね39とを有している。
【0091】また、取付フレーム36には、ワイヤドラ
ム38用のストッパ36Dおよび調整ねじ40が設けら
れると共に、回動軸37の回動変位を検出する第1の実
施の形態と同様の操作量センサ15が取付けられてい
る。さらに、ワイヤドラム38には、図19に示すワイ
ヤドラム38の最小回動位置を定める最小側のストッパ
38Aと、図22に示すワイヤドラム38の最大回動位
置を定める最大側のストッパ38Bとが径方向に突設さ
れ、図15に示すようにアクセルペダル11から延びる
ワイヤ12の先端側が外周側に巻回されている。
【0092】41はスロットルバルブ3と回動装置34
との間に配設されたバックアップ手段としてのバックア
ップ装置で、該バックアップ装置41は、図16に示す
如く、前記第1の実施の形態によるバックアップ装置1
8とほぼ同様に、後述のスロットルレバー42と、スロ
ットル操作機構44とから構成されている。
【0093】42は金属板等によって形成されバックア
ップ装置41を構成するスロットルレバーで、該スロッ
トルレバー42は、図16に示す如く、基端側が取付ナ
ット43等を介して弁軸2の他端側に廻止め状態で固定
され、先端側が弁軸2から径方向に突出している。しか
し、スロットルレバー42の長さ寸法は、第1の実施の
形態によるスロットルレバー19よりも短尺に形成され
ている。
【0094】そして、スロットルレバー42は、スロッ
トルバルブ3が中間開度位置にあるときに図19に示す
位置に配設され、スロットルバルブ3が閉弁位置と全開
位置との間で回動されるときには、図21に示す閉弁時
の位置と図22中に仮想線で示す全開時の位置との間で
スロットルバルブ3と一体的に回動する。
【0095】44は本実施の形態によるバックアップ装
置41を構成する回動伝達手段としてのスロットル操作
機構で、該スロットル操作機構44は、図19に示す如
く、後述の駆動レバー45、従動レバー46、リンク機
構49、スプリング54等によって構成され、アクセル
操作量検出装置33と共にスロットルボディ31に設け
られている。
【0096】45は従動レバー46、リンク機構49と
共に本発明のレバー部材を構成する駆動レバーで、該駆
動レバー45は、図16および図19に示す如く、基端
側がワイヤドラム38に一体に固着され、ワイヤドラム
38と共に回動軸37の外周側に廻止め状態で取付けら
れると共に、回動軸37と一体的に回動するように構成
されている。また、駆動レバー45の先端側は回動軸3
7から径方向に一定の長さ寸法をもって突出している。
【0097】46は細長い金属板等により形成された略
コ字状の従動レバーで、該従動レバー46は、図16な
いし図19に示す如く、スロットルレバー42に近い位
置でスロットルボディ31の支持部32に突設された取
付ピン47により支持部32の先端側に回動可能に取付
けられ、駆動レバー45とスロットルレバー42との間
に配設されている。
【0098】ここで、従動レバー46は、取付ピン47
の長さ方向に延びる延設部46Aと、該延設部46Aの
両端側をほぼ直角に屈曲させることにより形成され、取
付ピン47の長さ方向に間隔をもって配設された左,右
のアーム部46B,46Cとからなり、延設部46Aは
取付ピン47を挟んでスロットルレバー42と対向する
位置に配設されている。
【0099】また、左,右のアーム部46B,46Cの
うち図17中の左側に位置したアーム部46Bは、先端
側が取付ピン47に向けて延び、ばね保持部材48と共
に取付ピン47の外周側に回動可能に取付けられてい
る。さらに、右側のアーム部46Cは左側のアーム部4
6Bよりも長尺に形成され、長さ方向の中間部が他のば
ね保持部材48と共に取付ピン47の外周側に回動可能
に取付けられている。そして、アーム部46Cは、先端
側が取付ピン47を越えてスロットルレバー42側へと
延び、この先端側にはスロットルレバー42への係合部
となる係合ピン46Dが軸方向に突設されている。
【0100】さらに、従動レバー46は、図20に示す
如く、後述する第2リンク53との間にスプリング54
が配設されているため、スロットルレバー42により押
動される場合を除いて延設部46Aが第2リンク53の
ストッパ53Aに当接した状態を保持し、取付ピン47
を中心として第2リンク53と一体的に回動する。
【0101】そして、この状態では、運転者がアクセル
ペダル11を操作すると、図20中の矢示A3 ,A4 方
向に回動するワイヤドラム38の回転が駆動レバー4
5、リンク機構49等を介して従動レバー46に伝えら
れ、従動レバー46はアクセル操作量に応じて矢示D1
,D2 方向へと回動する。
【0102】また、従動レバー46は、アクセルペダル
11の操作が解除されてワイヤドラム38が最小回動位
置にあるときに、図19に示す最小側の位置を保持し、
この状態でスロットルバルブ3が中間開度位置にあると
きには、従動レバー46の係合ピン46Dがスロットル
レバー42に対して僅かに接触するように構成されてい
る。
【0103】この結果、スロットルバルブ3が電動モー
タ16等によって中間開度位置よりも閉弁方向に駆動さ
れるときには、最小側の位置にある従動レバー46に対
してスロットルレバー42が係合する。そして、このと
き従動レバー46は、図21に示す如く、スロットルレ
バー42に押動されることによりスプリング54に抗し
て第2リンク53に対し矢示D2 方向へと相対回動し、
これによってスロットルレバー42は矢示B4 方向へと
回動することができる。
【0104】さらに、従動レバー46は、運転者がアク
セルペダル11を大きく踏込み操作してワイヤドラム3
8が最大回動位置まで回転するときに、これに伴って図
23に示す最大側の位置まで矢示D1 方向に回動する。
【0105】この結果、電動モータ16の駆動力が失効
した場合には、運転者がアクセルペダル11を踏込み操
作すると、図23中の矢示D1 方向に回動する従動レバ
ー46の係合ピン46Dが中間開度位置に静止した状態
のスロットルレバー42に係合し、該スロットルレバー
42を介してスロットルバルブ3を開弁方向に強制回転
させる。これにより、従動レバー46が最大側の位置ま
で回動されたときには、スロットルバルブ3が予め定め
られたバックアップ開度位置まで開弁される。
【0106】49は駆動レバー45と従動レバー46と
の間に設けられたリンク機構で、該リンク機構49は、
図17および図20に示す如く、駆動レバー45の先端
側に連結ピン50を介して回動可能に連結された第1リ
ンク51と、該第1リンク51の先端側に連結ピン52
を介して回動可能に連結された第2リンク53とからな
り、該第2リンク53の先端側は従動レバー46に向け
て延びている。
【0107】ここで、第1リンク51は、両端側が逆向
きのL字状に屈曲した細長い金属板等からなり、長さ方
向の中間部が取付ピン47に沿って配設されている。ま
た、第2リンク53も細長い金属板等からなり、その先
端側には幅方向の一端側に位置してほぼ垂直に屈曲した
ストッパ53Aが一体形成されている。さらに、第2リ
ンク53は、先端側寄りの部位が取付ピン47に回動可
能に取付けられ、ストッパ53Aが従動レバー46の延
設部46A等に当接可能に配置されている。また、第1
リング51、第2リンク53は、弁軸2の径方向に対し
て例えば従動レバー46(アーム部46C)の2倍程度
の長さ寸法をもって長尺に形成されている。
【0108】そして、運転者がアクセルペダル11を踏
込み操作したときには、まず駆動レバー45がワイヤド
ラム38と共に図19に示す位置から図23に示す位置
へと回動されると、駆動レバー45の回動が第1リンク
51を介して第2リンク53の基端側(連結ピン52)
へと伝えられ、これによって第2リンク53は従動レバ
ー46と共に取付ピン47を中心として図23中の矢示
D1 方向へと回転する。この結果、ワイヤドラム38の
回転が駆動レバー45、第1リンク51、第2リンク5
3を介して従動レバー46に伝達される。
【0109】54は取付ピン47の外周側に位置して
左,右のばね保持部材48間に装着された本発明の失効
時伝達手段となるスプリングで、該スプリング54は、
図17および図20に示す如く、一端側が従動レバー4
6の延設部46Aに掛止めされ、他端側が第2リンク5
3のストッパ53Aに掛止めされている。そして、スプ
リング54は、従動レバー46、第2リンク53に対し
て延設部46Aとストッパ53Aとを互いに当接させる
方向の初期荷重(ばね力)を与えている。
【0110】この場合、スプリング54のばね力は、従
動レバー46を第2リンク53に対して図20中の矢示
D1 方向へと付勢し、その係合ピン46Dをスロットル
レバー42に係合させる方向に作用している。また、ス
プリング54のばね力は、スロットルバルブ3を中間開
度位置に保持する減速歯車機構17の保持ばねの付勢力
よりも大きく、かつ電動モータ16の駆動力よりも小さ
くなるように予め設定されている。
【0111】これにより、電動モータ16の駆動力が失
効した状態では、運転者がアクセルペダル11を踏込み
操作すると、ワイヤドラム38の回転がスプリング54
のばね力により従動レバー46等を介してスロットルレ
バー42に伝えられ、スロットルレバー42は従動レバ
ー46により前記保持ばねに抗して強制的に回動され
る。
【0112】なお、スロットルレバー42が電動モータ
16等によって中間開度位置よりも閉弁方向に回動され
たときには、従動レバー46がスロットルレバー42に
押動され、スプリング54に抗して第2リンク53に対
し図20中の矢示D2 方向に相対回動することにより、
スロットルレバー42を優先的に回動させる構成となっ
ている。
【0113】本実施の形態による電動式スロットル装置
は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につい
て説明する。
【0114】まず、運転者がアクセルペダル11の操作
を解除した状態では、スロットルバルブ3がコントロー
ルユニット28のアイドル運転制御によって開,閉駆動
されると、これに伴ってスロットルレバー42は、例え
ば図21中の矢示B4 方向に回動し、アクセル操作量に
対応して最小時の位置にある従動レバー46に係合す
る。この場合、従動レバー46はスロットルレバー42
に押動されることにより、スプリング54に抗して第2
リンク53に対し矢示D2 方向に相対回動し、これによ
ってスロットルレバー42は従動レバー46の位置に関
係なく閉弁方向へと優先的に回動することができる。
【0115】また、運転者がアクセルペダル11を踏込
み操作したときには、ワイヤドラム38がアクセルペダ
ル11の操作量に応じて図19中の矢示A3 ,A4 方向
に回動すると、スロットルバルブ3がコントロールユニ
ット28により電動モータ16等を介してアクセル操作
量に対応した開度となるように開,閉駆動され、これに
よってスロットルレバー42は矢示B3 ,B4 方向に回
転する。
【0116】さらに、この状態でスロットルバルブ3が
コントロールユニット28のトラクションコントロール
によって閉弁方向に駆動されたときには、アイドル運転
制御の場合とほぼ同様に、スロットルレバー42が図2
2中の矢示B4 方向に回転することにより、アクセル操
作量に対応した位置にある従動レバー46に係合し、従
動レバー46を押動しつつ閉弁方向に回動する。
【0117】一方、電動モータ16の駆動力が失効した
場合には、図23に示す如く、運転者がアクセルペダル
11を踏込み操作すると、駆動レバー45がワイヤドラ
ム38と共にアクセル操作量に応じて矢示A3 方向に回
転する。この結果、駆動レバー45の回転は第1リンク
51を介して第2リンク53へと伝えられ、第2リンク
53は従動レバー46と共に矢示D1 方向へと回動す
る。
【0118】これにより、従動レバー46はスロットル
レバー42に係合し、該スロットルレバー42を図23
中の矢示B3 方向へと強制的に回転させるから、スロッ
トルバルブ3は中間開度位置とバックアップ開度位置と
の間でアクセル操作量に応じて開,閉されるようにな
る。
【0119】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができ、電動モータ16の駆動力が失効した
場合の車両の運転性を大幅に向上させることができる。
【0120】そして、特に本実施の形態では、駆動レバ
ー45と従動レバー46との間にリンク機構49を介在
させたから、従動レバー46を取付ピン47によってス
ロットルレバー42に近い位置でスロットルボディ31
の支持部32に回動可能に取付けることができ、この従
動レバー46が係合するスロットルレバー42の長さ寸
法を短尺に形成することができる。
【0121】これにより、アイドル運転制御、トラクシ
ョンコントロール時にスロットルレバー42が電動モー
タ16等により閉弁方向へと回動されて従動レバー46
を押動する場合でも、電動モータ16の駆動トルクを低
減させることができると共に、電動モータ16を小型の
モータによって構成でき、省エネルギ化を図ることがで
きる。
【0122】また、第1リンク51、第2リンク53を
従動レバー46の2倍程度の長さ寸法をもって長尺に形
成したから、電動モータ16の駆動力が失効した場合に
は、アクセルペダル11を踏込み操作することによりリ
ンク機構49を介して従動レバー46に大きな回転力を
伝達でき、バックアップ状態でのペダル反力を小さくし
て、運転者のアクセル操作感を向上させることができ
る。
【0123】なお、前記各実施の形態では、運転者がア
クセルペダル11の操作を解除した状態で、スロットル
バルブ3を減速歯車機構17の保持ばねよって中間開度
位置に保持する構成としたが、本発明はこれに限らず、
例えば減速歯車機構17側にスプリング等の付勢手段を
設け、アクセル操作を解除したときにスロットルバルブ
3を閉弁位置へと前記付勢手段により戻す構成としても
よい。
【0124】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、バルブ駆動手段の駆動力が失効したときにアクセ
ルペダルの操作力を用いてスロットルバルブを強制的に
開弁させるバックアップ手段を設ける構成としたから、
バルブ駆動手段の駆動力が失効した場合でも、運転者は
アクセルペダルを正常時とほぼ同様に操作するだけで、
スロットル開度をアクセル操作量に応じて任意に調整で
き、バックアップ状態での車両の運転性を向上できると
共に、安全性、信頼性を確実に高めることができる。ま
た、バックアップ手段をスロットルレバー、回動伝達手
段によって構成したから、その構造を簡略化でき、電動
式スロットル装置の小型化、組立時の作業性の向上を図
ることができる。さらに、スロットルバルブを常時はバ
ルブ駆動手段により弁軸の一端側から駆動し、バルブ駆
動手段の駆動力が失効した場合には回動伝達手段、スロ
ットルレバーにより弁軸の他端側から強制回転させる構
造としたから、電動式スロットル装置をコンパクトに形
成することができる。
【0125】また、請求項2の発明によれば、回動伝達
手段をレバー部材、失効時伝達手段によって構成したか
ら、例えばトラクションコントロール時にスロットルバ
ルブがバルブ駆動手段によって駆動されるときには、ス
ロットルレバーがレバー部材の位置に関係なく優先的に
回動でき、スロットルバルブの開度を安定して制御する
ことができる。また、バルブ駆動手段の駆動力が失効し
たときには、レバー部材の回転を失効時伝達手段によっ
てスロットルレバーに確実に伝達でき、スロットルバル
ブをアクセル操作量に応じて開,閉させることができ
る。
【0126】さらに、請求項3の発明によれば、回動伝
達手段を張出レバー、スプリングによって構成したか
ら、例えばトラクションコントロール時にスロットルレ
バーがバルブ駆動手段によって回動されるときには、そ
の回動動作を張出レバーの相対回動によって許すことが
でき、スロットルバルブをバルブ駆動手段により安定し
て駆動できると共に、アクセルペダルのキックバック等
が生じるのを確実に防止することができる。また、バル
ブ駆動手段の駆動力が失効した場合には、アクセルペダ
ルを操作することによって張出レバーをスロットルレバ
ーに係合させることができ、該スロットルレバーを介し
てスロットルバルブを強制的に開弁できると共に、その
開度をアクセル操作量に応じて確実に調整することがで
きる。
【0127】また、請求項4の発明によれば、運転者が
アクセルペダルの操作を解除した状態からその操作量を
大きくするまでは、張出レバーがスロットルレバーに対
して離れた位置におかれる構成としたので、バルブ駆動
手段の駆動力が正常な状態では、トラクションコントロ
ール時を除いてスロットルレバーが張出レバーに係合す
るのを確実に防止でき、例えばアイドル運転時にバルブ
駆動手段の負荷を軽減できると共に、その耐久性を高め
ることができる。また、バルブ駆動手段の駆動力が失効
した場合には、ワイヤドラムの回転をスプリングのばね
力により張出レバーからスロットルレバーへと確実に伝
えることができる。
【0128】一方、請求項5の発明によれば、回動伝達
手段を駆動レバー、従動レバー、リンク機構およびスプ
リングによって構成したから、従動レバーをスロットル
レバーに近い位置でスロットルボディ側に回動可能に設
けることができる。これにより、例えばアイドル運転制
御、トラクションコントロール時には、スロットルレバ
ーがバルブ駆動手段により回動されて従動レバーを押動
する場合でも、バルブ駆動手段の駆動トルクを低減して
その耐久性を向上でき、スロットルバルブの開度を安定
して制御することができる。また、バルブ駆動手段の駆
動力が失効した場合には、アクセルペダルを操作するこ
とにより駆動レバーの回動をリンク機構、従動レバーを
介してスロットルレバーへと伝達でき、スロットルバル
ブの開度をアクセル操作量に応じて確実に調整できると
共に、リンク機構を介して従動レバーに大きな回転力を
伝達でき、バックアップ状態での運転者のアクセル操作
感を向上させることができる。
【0129】さらに、請求項6の発明によれば、リンク
機構を第1リンク、第2リンクによって構成し、第2リ
ンクと従動レバーとの間にスプリングを配設したので、
バルブ駆動手段の駆動力が失効した場合には、アクセル
操作量に対応した駆動レバーの回転をスプリングのばね
力により第2リンクからスロットルレバーへと確実に伝
達でき、スロットルバルブを安定して開弁させることが
できると共に、スロットルバルブを開,閉駆動するため
の回転トルクを小さくでき、省エネルギ化を図ることが
できる。
【0130】また、請求項7の発明によれば、回動手段
を取付フレーム、回動軸およびワイヤドラムから構成し
たので、ワイヤドラムの回動量を操作検出手段によりア
クセル操作量として確実に検出でき、この操作検出手段
からの検出信号に従ってスロットルバルブをバルブ駆動
手段により円滑に開,閉駆動することができる。
【0131】さらに、請求項8の発明によれば、バルブ
駆動手段を電動モータ、減速歯車機構によって構成し、
電動モータを弁軸と並列に配置してスロットルボディに
設けたから、弁軸の軸方向に対して電動式スロットル装
置の外形寸法を小型化でき、バルブ駆動手段、回動伝達
手段を設けた電動式スロットル装置をコンパクトに形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による電動式スロッ
トル装置を用いたスロットルバルブの制御系統を示す構
成図である。
【図2】第1の実施の形態による電動式スロットル装置
を一部破断して示す平面図である。
【図3】電動式スロットル装置を示す図2の右側面図で
ある。
【図4】アクセル操作量検出装置を示す図3中の矢示IV
−IV方向から見た外観図である。
【図5】アクセル操作量検出装置をスロットルボディと
共に示す拡大断面図である。
【図6】ワイヤドラムが最小回動位置、スロットルバル
ブが中間開度位置にある状態を示す図2中の矢示VI−VI
方向からみた断面図である。
【図7】スロットルバルブが電動モータによって全開位
置まで駆動された状態を示す断面図である。
【図8】トラクションコントロール時にスロットルレバ
ーが電動モータにより回動されて張出レバーに係合した
状態を示す断面図である。
【図9】電動モータの駆動力が失効した状態で張出レバ
ーがスロットルレバーに係合した状態を示す断面図であ
る。
【図10】図9に示す状態からスロットルバルブをバッ
クアップ開度位置まで回動させた状態を示す断面図であ
る。
【図11】図6に仮想線で示すスロットルレバーに対応
してスロットルバルブが閉弁位置にある状態を示す拡大
断面図である。
【図12】図6に実線で示すスロットルレバーに対応し
てスロットルバルブが中間開度位置にある状態を示す拡
大断面図である。
【図13】図7に示すスロットルレバーに対応してスロ
ットルバルブが全開位置にある状態を示す拡大断面図で
ある。
【図14】図10に示すスロットルレバーに対応してス
ロットルバルブがバックアップ開度位置にある状態を示
す拡大断面図である。
【図15】第2の実施の形態による電動式スロットル装
置を示す外観図である。
【図16】図15中のアクセル操作量検出装置、スロッ
トル操作機構等を一部破断して示す図5と同様の拡大断
面図である。
【図17】スロットル操作機構の従動レバー、リンク機
構等を示す図16中の要部拡大図である。
【図18】図17中の矢示XVIII − XVIII方向からみた
従動レバー等の断面図である。
【図19】ワイヤドラムが最小回動位置、スロットルバ
ルブが中間開度位置にある状態を示す図6と同様の断面
図である。
【図20】リンク機構等を示す図19中の要部拡大図で
ある。
【図21】アイドル運転制御時にスロットルレバーが従
動レバーに係合した状態を示す断面図である。
【図22】トラクションコントロール時にスロットルレ
バーが従動レバーに係合した状態を示す断面図である。
【図23】電動モータの駆動力が失効した状態でスロッ
トルバルブがバックアップ開度位置まで回動された状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1,31 スロットルボディ 1A,31A スロットルチャンバ 2 弁軸 3 スロットルバルブ 5,34 回動装置 6,36 取付フレーム 9,37 回動軸 10,38 ワイヤドラム 11 アクセルペダル 12 ワイヤ 15 操作量センサ 16 電動モータ 16A 出力軸 17 減速歯車機構 18,41 バックアップ装置 19,42 スロットルレバー 21,44 スロットル操作機構 22 張出レバー 25,54 スプリング 45 駆動レバー 46 従動レバー 46D 係合ピン 49 リンク機構 51 第1リンク 53 第2リンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 9/02 351 F02D 9/02 351G

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に吸気通路が形成されたスロットル
    ボディと、 該スロットルボディに弁軸を介して回動可能に設けら
    れ、前記吸気通路を開閉するスロットルバルブと、 前記スロットルボディに設けられ、車両に設けたアクセ
    ルペダルと機械的に連結されることによりアクセル操作
    量に応じて回動軸が回動する回動手段と、 該回動手段に付設され、前記回動軸の回動量をアクセル
    操作量として検出し、検出信号を出力する操作検出手段
    と、 前記スロットルボディに設けられ、前記弁軸の軸方向一
    側からスロットルバルブを駆動する電動式のバルブ駆動
    手段と、 前記スロットルバルブと回動手段との間に設けられ、前
    記バルブ駆動手段の駆動力が失効したときに前記アクセ
    ルペダルの操作力を用いて前記スロットルバルブを強制
    的に開弁させるバックアップ手段とを有し、 前記バックアップ手段は、 前記弁軸の軸方向他側に設けられ、該弁軸と共に前記ス
    ロットルバルブを回動するスロットルレバーと、 前記回動手段と共にスロットルボディに設けられ、常時
    は該スロットルレバーが弁軸によって回動されるのを許
    し、前記バルブ駆動手段による駆動力が失効したときに
    は前記アクセルペダルの操作力を前記回動手段を介して
    該スロットルレバーへと伝え、前記弁軸の軸方向他側か
    らスロットルバルブを強制回動させる回動伝達手段とか
    ら構成してなる電動式スロットル装置。
  2. 【請求項2】 前記バックアップ手段を構成する回動伝
    達手段は、前記回動軸に設けられたレバー部材と、前記
    バルブ駆動手段の駆動力によって常時は前記スロットル
    レバーが優先的に回動するのを許し、前記バルブ駆動手
    段の駆動力が失効したときには前記レバー部材の回転を
    前記スロットルレバーに伝達する失効時伝達手段とから
    構成してなる請求項1に記載の電動式スロットル装置。
  3. 【請求項3】 前記回動手段は、前記回動軸に設けられ
    前記アクセルペダルにワイヤを介して連結されたワイヤ
    ドラムを有し、前記回動伝達手段は、前記回動軸の周囲
    にワイヤドラムに対して相対回動可能に設けられ、前記
    スロットルレバーと係合するように径方向へと張出した
    張出レバーと、該張出レバーと前記回動手段のワイヤド
    ラムとの間に配設され、常時は該張出レバーをワイヤド
    ラムと一体的に回動させ、該張出レバーがスロットルレ
    バーに係合した状態で該スロットルレバーにより回動さ
    れるときには前記ワイヤドラムに対して該張出レバーが
    相対回動するのを許すスプリングとから構成してなる請
    求項1に記載の電動式スロットル装置。
  4. 【請求項4】 前記張出レバーは、前記アクセルペダル
    の操作を解除したときに前記スロットルレバーから離れ
    た回動位置におかれ、前記バルブ駆動手段による駆動力
    が失効した状態で前記アクセルペダルの操作量を大きく
    したときには前記ワイヤドラムの回転がスプリングを介
    して伝えられることにより、前記スロットルレバーに係
    合して前記スロットルバルブの開弁方向へとスロットル
    レバーを強制回転させる構成としてなる請求項3に記載
    の電動式スロットル装置。
  5. 【請求項5】 前記回動伝達手段は、前記回動軸と一体
    的に回動する駆動レバーと、該駆動レバーとスロットル
    レバーとの間に位置して前記スロットルボディ側に回動
    可能に設けられ、前記スロットルレバーに係合する係合
    部を有した従動レバーと、該従動レバーと駆動レバーと
    の間に設けられ、該従動レバーを駆動レバーに追従して
    回動させるリンク機構と、該リンク機構と従動レバーと
    の間に配設され、前記従動レバーの係合部がスロットル
    レバーに係合する方向に前記従動レバーを常時付勢した
    スプリングとから構成してなる請求項1に記載の電動式
    スロットル装置。
  6. 【請求項6】 前記リンク機構は、前記駆動レバーの先
    端側に回動可能に連結された第1リンクと、該第1リン
    クの先端側に回動可能に連結され前記従動レバーに回転
    を伝える第2リンクとから構成し、前記スプリングは該
    第2リンクと従動レバーとの間に初期荷重を付与した状
    態で配設してなる請求項5に記載の電動式スロットル装
    置。
  7. 【請求項7】 前記回動手段は、前記回動軸と、該回動
    軸を回動可能に支持するために前記スロットルボディに
    設けられた取付フレームと、前記回動軸に設けられ前記
    アクセルペダルにワイヤを介して連結されたワイヤドラ
    ムとから構成し、前記操作検出手段は前記取付フレーム
    に取付け、前記回動軸と連結する構成としてなる請求項
    1,2,3,4,5または6に記載の電動式スロットル
    装置。
  8. 【請求項8】 前記バルブ駆動手段は、前記弁軸の軸線
    と並列に配置して前記スロットルボディに設けられた電
    動モータと、該電動モータの出力軸と前記弁軸の軸方向
    一側との間に配設され該電動モータの回転を減速して前
    記弁軸に伝える減速歯車機構とから構成してなる請求項
    1,2,3,4,5,6または7に記載の電動式スロッ
    トル装置。
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