JPH11189904A - クリーンルーム用防塵服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 清浄室内で作業する作業者の体から発生され
た各種の塵が流出して作業対象物が汚染または損傷され
ることを防止するクリーンルーム用防塵服を提供する。 【解決手段】 空気の流れが下向垂直層流である清浄室
内で作業者が着用するクリーンルーム用防塵服３０にお
いて、腰の上側をカバーする上着３２と腰の下側をカバ
ーするズボン３４を一体に形成し、腰の部位を境に上着
３２の内側とズボン３４の内側を相互連通するように連
結する通風管３８を形成し、ズボンの所定の位置に内側
の空気が排出可能であるように排出部４４を備える。腰
の部位に形成された通風管３８とズボンの下側に形成さ
れた排出部４４を通じてクリーンルーム用防塵服３０の
内部の空気を足元に排出することによって、体から発生
する塵による作業対象物の汚染及び損傷を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はクリーンルーム用防
塵服に関し、特にクリーンルーム内で作業する作業者の
体から発生した各種の塵が流出して作業対象物が汚染ま
たは損傷されることを防止するクリーンルーム用防塵服
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現代は科学産業及び先端技術産業時代と
して、製品が製作される生産環境は、先端製品の性能と
製造収率の向上のために生産工程の超精密化と高純度化
及び無菌化の趨勢に従ってより高い水準の清潔性が要求
されている。このような生産環境は医学、製薬、食品、
遺伝子工学などのような生物学的な汚染を防止するＢＣ
Ｒ（Bio Clean Room）系統と半導体、電子、精密機械、
新素材産業などのような塵による汚染を防止するＩＣＲ
（Industrial Clean Room）系統などのクリーンルーム
の導入により向上している。

【０００３】特に、先端産業である半導体産業の生産環
境は、クリーンルーム内部に発生する塵を常時除去する
ために、上側のフィルターを通じて清浄空気を供給し、
これを発生した塵と共に排出するためにグレーティング
パッドの下側に誘導する下向垂直層流タイプのクリーン
ルームにより向上している。また、前述したように、厳
しい清浄管理が要求されるクリーンルームと共に、クリ
ーンルーム内で使用されるクリーンルーム用消耗品も清
潔性の維持及び管理問題において重要な要素として浮き
彫りになっている。

【０００４】クリーンルーム用消耗品の中で、作業者が
着用するクリーンルーム用防塵服は、作業者の体から発
生される各種塵が作業の対象物に流出しないように遮断
して塵による対象物の汚染及び損傷を防止するためのも
のである。このクリーンルーム用防塵服の材質は、作業
者の着用感と防塵遮蔽率（Particle Filtration Effici
ency）及び発塵性抑制などのいくつかの用件を考慮して
開発されており、通常作業者の体から発生される塵の流
出を防止することを主な目的として、着用感と相反した
性質の防塵遮蔽率が高いものと発塵性が低い材質のもの
が主に使用されている。

【０００５】クリーンルーム用防塵服の従来技術を図面
に基づいて説明する。従来のクリーンルーム用防塵服１
０は、図１に示すように、作業者の体に対して腰の上部
をカバーする上着１２と腰の下部をカバーするズボン１
４に区分される。

【０００６】また、一般的にこれら上着１２とズボン１
４は一体型に製作され、体の腰の部位には作業者の着用
感と作業者の運動を考慮して腰の部位を締める弾性バン
ドなどのベルト部材１６が通常のベルトリング１８に固
定される形状で備えられる。

【０００７】そして、上着１２の所定部位には作業者が
容易に着用できるように通常ファスナーで連結される開
放部２０が形成されており、上着１２の首部２２と手首
部２４及びズボン１４の足首部２６が開口し、これらの
首部２２と手首部２４及び足首部２６は着用時に内部の
空気が流出することを防止するために着用者に密着する
ように形成される。クリーンルーム用防塵服１０の材質
は生地の密度が高いため、クリーンルーム用防塵服１０
の内側と外側の空気の流れは遮断される。このため着用
した作業者の継続的な運動によってクリーンルーム用防
塵服１０の内側の圧力は外側の圧力より高い状態にな
る。

【０００８】また、クリーンルーム用防塵服１０の内側
においても、作業者の腰の部位に備えられた弾性バンド
などのベルト部材１６によって、上着１２の内側とズボ
ン１４の内側の空気が流動が遮断され、作業者の活動が
比較的頻繁に行われるベルト部材１６の上側部位の内圧
は下側の部位の内圧より高い状態になる。従って、内側
と外側の圧力差または上着１２の内側とズボン１４の内
側の圧力差によってクリーンルーム用防塵服１０の内側
の空気は体から発生された塵と共に外部に排出される。
特に、塵を含む内側の空気が排出される部位は、主に上
着１２の開放された首部２２と手首部２４または開放部
２０のファスナーの隙間及び裁縫された部位の隙間であ
る。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に作業の
対象物は、主に作業をやり易いように作業者の上部に位
置するように配置されるため、空気と共にクリーンルー
ム用防塵から排出される塵による作業対象物の汚染及び
損傷が発生するという問題があった。

【００１０】また、クリーンルーム用防塵服の内側の圧
力が外側の圧力に比べ高くなることによりクリーンルー
ム用防塵服が膨張し、作業者の体とクリーンルーム用防
塵服との摩擦が生じ易くなって静電気が発生するという
問題があり、この静電気によって電気的に極性を有する
塵が一時的に誘導付着されることで対象物が汚染され、
または損傷するという問題があった。

【００１１】本発明の目的は、作業者の体から発生され
る塵が作業対象物に近接しないように誘導して排出する
ことで作業対象物の汚染または損傷を防止するクリーン
ルーム用防塵服を提供することにある。また本発明の別
の目的は、圧力によるクリーンルーム用防塵服の膨張を
防止することにより摩擦による静電気の発生を抑制し電
気的極性を有する塵による作業対象物の汚染及び損傷を
防止するクリーンルーム用防塵服を提供することにあ
る。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
クリーンルーム用防塵服は、空気の流れが下向垂直層流
であるクリーンルーム内で作業者が着用するクリーンル
ーム用防塵服において、腰の上側の所定部位をカバーす
る上着と、上着と一体に形成され腰の下側の所定部位を
カバーし、所定の位置に内側の空気が排出可能になるよ
うに排出部が形成されるズボンと、腰の部位に形成さ
れ、上着の内側とズボンの内側とを相互に連通するよう
に連結する通風管とを備える。

【００１３】本発明の請求項２記載のクリーンルーム用
防塵服によると、通風管は、ベルト部材を支持する形状
で上着の内側とズボンの内側が相互連通するように管の
形状に形成されたベルトリングである。

【００１４】本発明の請求項３記載のクリーンルーム用
防塵服によると、ベルトリングが折られることにより空
気の流れが遮断されることを防止するように所定の長さ
と形状を有する挿入管をベルトリングの内側に収納す
る。

【００１５】本発明の請求項４記載のクリーンルーム用
防塵服によると、排出部は、体の膝の部位と足首の部位
の間に形成される。

【００１６】本発明の請求項５記載のクリーンルーム用
防塵服によると、排出部は、ズボンのすそから１００〜
１２０ｍｍ上側に形成される。

【００１７】本発明の請求項６記載のクリーンルーム用
防塵服によると、ズボンの内側の塵が流出することを防
止する濾過紙が縫合される。

【００１８】本発明の請求項７記載のクリーンルーム用
防塵服によると、濾過紙を所定の幅で作業者の足首を包
む形状で縫合して形成される。

【００１９】本発明の請求項８記載のクリーンルーム用
防塵服によると、排出部は、ズボンの所定の部位に孔を
形成して、孔を覆う形状で濾過紙を縫合して形成され
る。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。図２は、本発明の一実施例に
よるクリーンルーム用防塵服を示す正面図で、図３は図
２の腰の部位に形成された通風管を示す断面図で、図４
は図２の排出部を拡大して示した側面図で、従来技術と
同一な部分に対しての詳しい説明は省略する。

【００２１】本発明によるクリーンルーム用防塵服３０
は、図２に示すように、体の腰の上側部位をカバーする
上着３２と体の腰の下側部位をカバーするズボン３４と
を含み、これらの上着３２とズボン３４は一体成形され
る。そして、腰の部位には作業者の着用感及び活動が容
易になるように弾性バンドなどのベルト部材３６が備え
られており、このベルト部材３６を境に上着３２の内側
とズボン３４の内側の間の空気の流動が可能になるよう
に通風管３８が少なくとも一つ以上形成されている。

【００２２】このような通風管３８は、前述したベルト
部材３６を位置固定するためのベルトリング４０形状で
体の腰の周りに沿って複数個形成され、このベルトリン
グ４０は上着３２の内側とズボン３４の内側の空気が相
互連通するように管の形状で形成される。また、ベルト
リング４０が作業者の活動によって折られることを防止
するために、図３に図示されているように、内側部位に
は所定の長さと形状を有する挿入管４２を設置する。

【００２３】一方、ズボン３４の所定の位置には、図４
に示されているように、上着３２の内側及びズボン３４
の内側の圧力とクリーンルーム用防塵服３０の外部との
圧力差によって内側の空気が排出されるように排出部４
４が形成される。このような排出部４４は、内部の空気
と共に流動する塵をフィルタリングして空気だけが通過
する濾過紙が縫合される。

【００２４】そして、排出部４４は作業者の運動によっ
て折れにくいようにズボン３４の下側の端部から約１０
０〜１２０ｍｍ上側の踝の上側部位に設けられ、足首を
包む形状で形成される。

【００２５】また、上述の濾過紙は、幅が約３５〜４５
ｍｍ程度に形成され、塵の発生が少なく、静電気及び内
側から外側に排出される空気から塵をフィルタリングす
ることができる材質のものを使用する。一方、前述した
排出部４４はズボン３４の特定部位に所定の大きさの孔
を切開して形成し、切開された部位を濾過紙で覆うよう
に縫合して形成することもできる。

【００２６】上述のクリーンルーム用防塵服３０を着用
すると、作業者が作業を遂行することによりクリーンル
ーム用防塵服３０の内側の圧力は外側の圧力に比べ高い
状態になる。クリーンルーム用防塵服３０の内側の圧力
状態は、上着３２の内側の圧力がズボン３４の内側の圧
力より高くなり、上着３２の内側の空気が作業者の体か
ら発生される塵と共に通風管３８を通じて下側に流動し
て均一な状態になる。そして、ズボン３４の内側の圧力
は外側の圧力より高いため、内側の空気はズボン３４の
下側の所定の位置に形成された排出部４４を通じて排出
され、クリーンルーム用防塵服３０の内側と外側の圧力
は等しくなる。

【００２７】一方、排出部４４は所定の大きさの塵をフ
ィルタリングする濾過紙を備えるため、作業者の活動に
よりクリーンルーム用防塵服３０の内側で発生される塵
の一部は濾過紙にフィルタリングされ、フィルタリング
されなかった塵は空気と共に排出されてクリーンルーム
内の空気の下向垂直層流によってクリーンルームの下側
グレーティングパッドを通じて排出される。

【００２８】また、クリーンルーム用防塵服３０の内側
の圧力は外側の圧力とほぼ等しくなり、各種隙間を通じ
て塵が流出することもなく、クリーンルーム用防塵服３
０の膨張が抑制され摩擦による静電気発生が減少する。

【００２９】

【発明の効果】従って、本発明によると、腰の部位に形
成された通風管とズボンの下側に形成された排出部を通
じてクリーンルーム用防塵服の内側の空気を足元から排
出することによって内側の塵の流出を防止し、作業者の
体から発生する塵による作業対象物の汚染及び損傷が防
止することができる。また、クリーンルーム用防塵服の
内圧による膨張が抑制されて摩擦による静電気の発生を
抑制するので、電気的極性を有する塵の流入が減少し、
作業対象物の汚染及び損傷を防止することができる。

【００３０】

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のクリーンルーム用防塵服を示した正面図
である。

【図２】本発明の実施例によるクリーンルーム用防塵服
を示した正面図である。

【図３】図２の腰の部位に形成された通風管を示す断面
図である。

【図４】図２の排出部を拡大して示した側面図である。

【符号の説明】

１０、３０ クリーンルーム用防塵服 １２、３２ 上着 １４、３４ ズボン １６、３６ ベルト部材 １８、４０ ベルトリング ２０ 開放部 ２２ 首部 ２４ 手首部 ２６ 足首部 ３８ 通風管 ４２ 挿入管 ４４ 排出部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 承彦 大韓民国京畿道龍仁市器興邑農書里山24番 地

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気の流れが下向垂直層流であるクリー
   ンルーム内で作業者が着用するクリーンルーム用防塵服
   において、 腰の上側の所定部位をカバーする上着と、 前記上着と一体に形成され前記腰の下側の所定部位をカ
   バーし、所定の位置に内側の空気が排出可能になるよう
   に排出部が形成されるズボンと、 前記腰の部位に形成され、前記上着の内側と前記ズボン
   の内側とを相互に連通するように連結する通風管と、 を備えることを特徴とするクリーンルーム用防塵服。
2. 【請求項２】 前記通風管は、ベルト部材を支持する形
   状で上着の内側とズボンの内側が相互連通するように管
   の形状に形成されたベルトリングであることを特徴とす
   る請求項１記載のクリーンルーム用防塵服。
3. 【請求項３】 前記ベルトリングに所定の長さと形状で
   強度を備えた挿入管が収納されることを特徴とする請求
   項２記載のクリーンルーム用防塵服。
4. 【請求項４】 前記排出部は、膝の部位と足首の部位の
   間に形成されることを特徴とする請求項１記載のクリー
   ンルーム用防塵服。
5. 【請求項５】 前記排出部は、前記ズボンのすそから１
   ００〜１２０ｍｍ上側に形成されることを特徴とする請
   求項４記載のクリーンルーム用防塵服。
6. 【請求項６】 前記排出部は、前記ズボンの内側の塵が
   流出することを防止する濾過紙が縫合されることを特徴
   とする請求項５記載のクリーンルーム用防塵服。
7. 【請求項７】 前記排出部は、前記濾過紙を所定の幅で
   作業者の足首を包む形状で縫合して形成されることを特
   徴とする請求項６記載のクリーンルーム用防塵服。
8. 【請求項８】 前記排出部は、前記ズボンの所定の部位
   に孔を形成して、前記孔を覆う形状で前記濾過紙を縫合
   して形成されることを特徴とする請求項６記載のクリー
   ンルーム用防塵服。