JPH11189459A - アルミナ−クロム系耐火物 - Google Patents

アルミナ−クロム系耐火物

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JPH11189459A
JPH11189459A JP9358480A JP35848097A JPH11189459A JP H11189459 A JPH11189459 A JP H11189459A JP 9358480 A JP9358480 A JP 9358480A JP 35848097 A JP35848097 A JP 35848097A JP H11189459 A JPH11189459 A JP H11189459A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物の溶融炉の内張用耐火物に適用できる
アルミナ−クロム系耐火物において、耐食性を損なうこ
となく、耐スポーリング性を向上させる。 【解決手段】 全配合物中に粒径1.0mm以上の粗粒
が20〜55重量%の範囲内で存在し、SiO2成分を
18〜42重量%でかつ、0.21mm以上の粒を50
%以上含む高アルミナ質粉末を5〜25重量%と、酸化
クロムを3〜20重量%と、粒径が0.lmm以下の粘
土、シリカ及びジルコンの中の1種又は2種以上の粉末
を1〜8重量%と、残部が実質的にアルミナ粉末との配
合物からなる。高アルミナ質粉末は、ZrO2成分含有
量が15〜45重量%でSiO2成分含有量が7〜30
重量%のアルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末によっ
て、全配合物中の5〜25重量%置換可能である。アル
ミナ粉末は、Cr成分が5〜60重量%と、TiO2
Fe23成分が1.0重量%以下と、残部が実質的にア
ルミナ粉末とから構成される電融およびまたは焼結アル
ミナ−クロム系粉末によって、全配合物中40重量%以
下置換可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性と耐スポー
リング性に優れ、塵、廃材、産業廃棄物等の溶融処理炉
の内張り用耐火物に適したアルミナ−クロム系耐火物に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市塵、土木及び建築廃材、産業
廃棄物などの埋め立て処理が、埋め立て地の不足からか
困難となり、現在、焼却処理された後の焼却灰もその量
を少なくすることが求められている。さらには、焼却処
理時のダイオキシンの発生を抑え、重金属の回収の必要
性が高まり、焼却灰その物をなくし、塵及び廃材を一気
に溶融処理することが具体化しつつある。
【0003】ごみ焼却炉では、腐食性の燃焼物に対する
耐食性を狙って高アルミナ質耐火物が、また難付着性と
高耐食性を狙って炭化珪素質耐火物が採用されてきた。
【0004】しかしながら、溶融炉では、焼却炉に比し
て格段に処理温度が高く、処理条件が厳しい上に、溶融
物の後処理用に付設する水中投入装置による水蒸気の発
生のため、アルミナ成分が90重量%以上の高アルミナ
質耐火物や炭化珪素質耐火物でも十分な耐食性を得るこ
とができず、その高温に対する耐スポーリング性も満足
され得なかった。
【0005】この高アルミナ質耐火物の耐食性を高める
方法として、クロム成分を添加したアルミナ−クロム系
耐火物が多く紹介されているが、それぞれに、解決すべ
き多くの問題がある。
【0006】例えば、特公昭57−32031号公報の
耐火物は、クロム成分をクロム鉱粉末の形で30重量%
以上と多量に使用するため、必然的に鉄分が多くなって
耐スポーリング性の低下の問題が生じ、クロム成分の割
合ほどには耐食性が向上していない。
【0007】また、特公昭60−59189号公報に開
示されたアルミナ−クロム系耐火物は、粒径74μm以
下のアルミナとクロミアを主要原料としているため、見
掛気孔率3%以下の超緻密質耐火物となっており耐スポ
ーリング性に劣る。
【0008】また、特開昭61−10055号公報に開
示されたものは、クロム成分の含有量が45〜85重量
%と多く、また高アルミナ質骨材を使用していないため
耐スポーリング性が劣る。
【0009】また、特公平2−40017号公報に開示
された耐火物は、電鋳耐火物であるため気孔率が極端に
低く、一般的な焼成耐火物に比較して耐スポーリング性
は劣っている。
【0010】さらに、Journal of Cana
dian Ceramic Society Volu
me 45、1976 頁21−22に開示されている
焼成アルミナ−クロムれんがは、SiO2成分が0.5
重量%と少なすぎて耐スポーリング性に劣る。電鋳アル
ミナ−クロムれんがは、気孔率が5%以下であり、耐ス
ポーリング性に劣っている。
【0011】このように、溶融炉では処理温度が高く、
水蒸気の影響を受けることなどから、従来から塵焼却炉
で使用されていた高アルミナ質耐火物を適用したので
は、十分な耐食性を得ることができず、また耐スポーリ
ング性の向上も必要とされる。また、耐食性を上げる手
段として、クロム成分を添加したアルミナ−クロム系耐
火物が種々検討されてきたが、溶融炉への適用条件下で
耐食性の向上を求めた場合、逆に耐スポーリング性が損
なわれてしまい、結果として十分な耐用性を発揮するこ
とができずにいた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
その耐食性を損なうことなく、耐スポーリング性を向上
させた塵及び産業廃棄物の溶融炉に適したアルミナ−ク
ロム系内張耐火物を得ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ−ク
ロム系耐火物において、適正な粒度範囲のアルミナ系粉
末を使用し、クロム成分を酸化クロムの形で添加するこ
とによって、耐食性を確保し、耐スポーリング性を向上
させ得ることに着眼して完成した。
【0014】すなわち、本発明は、全配合物中に粒径
1.0mm以上の粗粒が20〜55重量%の範囲内で存
在し、SiO2成分含有量が18〜42重量%で、かつ
粒径分布において0.21mm以上の粒を50%以上含
む高アルミナ質粉末を5〜25重量%と、酸化クロムを
3〜20重量%と、粒径が0.lmm以下の粘土、シリ
カ及びジルコンの中の1種又は2種以上の粉末を1〜8
重量%と、残部が実質的にアルミナ粉末とからなる配合
物を混練、成形、焼成したアルミナ−クロム系耐火物で
ある。
【0015】前記高アルミナ質粉末は、ZrO2成分含
有量が15〜45重量%であり、SiO2成分含有量が
7〜30重量%のアルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末
によって置換できる。これによって、アルミナ−クロム
系耐火物の耐スポーリング性を向上させることができ
る。その置換量は、コストと耐スポーリング性向上効
果、及び耐浸食性の確保の理由により全配合量の5〜2
5重量%であることが好ましい。アルミナ−ジルコニア
−シリカ質粉末中のZrO2成分の含有量が45重量%
を越えると、ジルコニアの変態に伴う粒の残存膨張性が
強くなり、耐火物焼成中の組織破壊や使用中の耐火物の
競り割れの要因となる。15重量%未満であると、ジル
コニアの変態の影響が少なくなり耐スポーリング性の付
与効果が不足し、耐スポーリング性が不十分となる。ア
ルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末中のSiO2成分の
含有量が30重量%を越えると、SiO2成分が過剰と
なるため耐食性が低下し、7重量%未満であると、Si
2によるジルコニアの変態防止効果が減少し、繰り返
し加熱後の残存膨張が過剰となって、れんが組織が脆弱
化されるためか耐食性が低下する。また、耐浸潤性も低
下するため、構造スポーリングが生じやすくなる。
【0016】また、前記組成の配合物において、アルミ
ナ粉末が、Cr成分が5〜60重量%と、TiO2+F
23成分が1.0重量%以下と、残部が実質的にアル
ミナ粉末とから構成されるアルミナ−クロム系の電融粉
末およびまたは焼結粉末によって、全配合物の40重量
%以下まで置換することができる。これによって、粗粒
から中粒部分の耐食性が向上できる。しかし、40重量
%を越えて置換されると、クロムの性質が強くなるため
耐スポーリング性が低下しかつ大幅なコス卜アップを招
く。アルミナ−クロム質粉末中のCr成分が60重量%
を越えると、クロムの性質が強くなるため、耐スポーリ
ング性が低下する。5重量%未満であると、耐食性向上
効果が小さく、単にコストアップを招くだけである。ア
ルミナ−クロム質粉末中のTiO2成分とFe23成分
の和が1.0重量%を越えるとフラックス量が過剰とな
って、耐スポーリング性が低下し、耐食性向上効果も減
少する。
【0017】さらに、前記の酸化クロムには、コストダ
ウンの目的で、クロム鉱を少量混ぜて添加することがで
きるが、混合量が多すぎると鉄分が過剰となって、耐ス
ポーリング性が低下し、かつ耐食性も低下する。酸化ク
ロム添加量中へのクロム鉱の置換量は、全配合割合の5
重量%を越えないことが好ましい。酸化クロムとクロム
鉱の混合粉末中の酸化クロムの添加量は、3重量%以上
が必要である。
【0018】本発明のアルミナ−クロム系耐火物におい
て粒径1.0mm以上の粗粒の含有量を20〜55重量
%に規定する理由は、粒径1.0mm未満の粗粒が20
重量%未満であると、耐火物組織が緻密となり、耐スポ
ーリング性が低下するためであり、逆に55重量%を越
えると、配合構成上粗粒の割合が多くなり過ぎて成形充
填性に劣り、その結果、耐食性が低下するためである。
【0019】高アルミナ質粉末のSiO2成分含有量の
規定範囲は、その含有量が18重量%未満であると、S
iO2成分による耐スポーリング性付与特性が不足する
ため耐スポーリング性が劣り、また42重量%を越える
と、SiO2成分が過剰となり耐食性の低下が大きくな
る理由による。
【0020】また、高アルミナ質粉末の粒径分布におい
て0.21mm以上の粒を50%以上含むとするのは、
骨材の粒度として粗粒から中粒域のものが耐スポーリン
グ性付加のために必要であり、また耐食性の確保のため
に好ましいためである。
【0021】酸化クロムの添加は耐食性の向上のために
効果的であるが、酸化クロム粉末の粒度が一般的に非常
に細かいために、その含有量が20重量%を越えると、
アイソスタティックプレスなどの特殊な成形機の使用も
しくは生産性に劣る鋳込み成形方法の適用以外では歩留
上の問題が生じ、その添加量を増やすことができない。
また、酸化クロムの添加量を増やすことはコストアップ
の要因ともなる。一方、その添加量が3重量%より少な
くなると耐食性向上の効果が不十分である。したがって
添加量範囲として3〜20重量%が好ましい。
【0022】耐食性の向上には、実際的にはCr成分が
寄与するが、Cr成分をクロム鉱の形で添加すると必然
的に鉄分が過剰に多くなって耐スポーリング性を低下さ
せる弊害が生じる。またCr成分の含有量の割には耐食
性は向上しない。したがってCr成分は、酸化クロムの
形で添加することがより効果的である。
【0023】粘土、シリカ及びジルコンの微粉は、浸入
物の粘性を高める性質を持ち、塵や廃棄物の溶融物が耐
火物組織中に深く浸潤するのを防止するのに必要であ
る。しかしその添加量が8重量%を越えると、耐火物マ
トリックス中のSiO2成分が過剰となって耐食性の低
下が大きくなる。一方、1重量%未満であると、溶融物
の耐火物組織中への浸潤を許し、構造スポーリングを起
こしやすくなり、使用中の稼働面に平行な亀裂の発生や
剥離の可能性が増大する。
【0024】これらの微粉の添加は、粉末の形での添加
だけでなく、スリップ状もしくはスリップ+粉末の形で
の添加が可能である。もちろん低水量でスリップになる
粘土は限定されるし、スリップにするときの解膠材によ
るアルカリ分の増加に注意すればよい。
【0025】本発明の配合物の成形は、オイルプレス、
フリクションプレス、ランマープレス、鋳込み成形、C
IP、などを成形個数、形状、能率などの条件を考慮し
て適宜選択すればよい。
【0026】成形圧力についても後述する実施例で挙げ
た2トン/cm2に限定するものではなく、成形能率、
成形体の品質を考慮して適宜選択すればよい。
【0027】本発明のアルミナ−クロム系耐火物の焼成
温度は、1350〜1650℃の範囲内にあることが好
ましい。1350℃未満であると、焼結性が不足し耐食
性が低下する。一方、1650℃を越えると焼結過剰と
なつて耐スポーリング性が低下する。
【0028】しかしながら、本発明の耐火物は、焼成品
に限定されるものではなく、電融時のクロム、鉄、チタ
ン分のカーボンによる還元によって生成されるかもしれ
ない金属の量に注意すれば使用可能である。
【0029】生成金属の量が多いとれんが焼成中に金属
の再酸化によって膨張が起こりれんが組織が破壊され気
孔率の上昇、強度の低下を引き起こし、激しいときには
れんがに焼成亀裂を発生させ、焼成歩留まりを低下させ
る。
【0030】ただし、生成金属の量が多い場合でも、生
成金属が再酸化される温度以上の酸化雰囲気でクリンカ
ーを仮焼すれば問題はなくなる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を表1
から表10に示す実施例と比較例とともに基づいて説明
する。
【0032】各表に示す割合の配合物を混練し、230
mm×100mm×65mmの並型類似形状をオイルプ
レスを用いて成形圧2トン/cm2で成形し、乾燥後、
特に指定のない場合は1450℃で焼成した。
【0033】侵食試験は、LPGと空気によるバーナー
加熱の横型回転侵食試験装置を使用して、C/S=0.
4、Fe23=8.5、アルカリ分=8.5%の塵焼却
灰溶融物想定スラグを投入し、1600℃×30分毎に
スラグを取り替えて30cy.で実施した。
【0034】比較例1に示すれんがを標準品として、そ
の溶損量を100として溶損指数を求めた。溶損指数が
小さいほど耐食性が良好である。
【0035】 溶損指数=(対象品溶損量/標準品溶損量)×100 スポーリングテストは、60mm×60mm×60mm
のサンプルを切り出して、1300℃で15分急熱後直
ちに5分水冷+10分空冷をlcy.として最多30c
y.繰り返した。剥落発生時の回数が大きいほど耐スポ
ーリング性が良好である。
【0036】各表に示す本発明の実施例は、比較例と対
比して、耐食性と耐スポーリング性において優れている
ことが分かる。
【0037】
【表1】 表1に示す比較例1はクロム成分を添加しないものでア
ルミナ含有量が高いにもかかわらず実施例1と対比して
耐食性に劣る。マグクロダイレクトボンドの比較例2
は、溶融炉で溶解されるもののC/Sが製鋼スラグに比
較して低いため、クロム成分が多いにもかかわらず実施
例と対比して耐食性が劣っている。また、耐スポーリン
グ性と耐浸潤性も劣る。比較例3は、クロム鉱の使用に
よってクロム成分が多いにもかかわらず耐食性、耐スポ
ーリング性、それに耐浸潤性において劣り、実施例1が
格段に優れている。比較例4においては高アルミナ骨材
の使用で耐スポーリング性は若干向上するが、クロム鉱
の多量使用によっての向上効果は不足であり、耐食性は
低下傾向であることが分かる。
【0038】
【表2】 表2においては、全配合中の粒径lmm以上の粗粒含有
量の効果を実施例2から実施例5と比較例5と比較例6
との対比で示す。これらの比較から、粒径lmm以上の
粗粒含有量が20重量%未満であると、粗粒の亀裂進展
防止効果が減少するためか耐スポーリング性が低下す
る。実施例5と比較例6の比較によって粗粒の含有量が
55重量%を越えると、粗粒過剰となって成形時の充填
性が低下するため、れんがの気孔率が上昇傾向となり、
耐食性及び耐浸潤性が低下する。
【0039】実施例2、実施例3及び実施例4とから、
アルミナ粉末として焼結品と電融品が同等に使用可能で
仮焼品も一部併用可能であることがわかる。
【0040】
【表3】 表3においては、酸化クロムの添加量が与える影響につ
いて調べたものである。同表中の実施例6と、比較例7
と比較例8との対比によって、酸化クロムの添加量が3
重量%未満であると酸化クロムの添加による耐食性向上
効果が小さく、耐食性不足であり、耐浸潤性も劣ってい
ることがわかる。また、比較例9と各実施例との対比に
おいて酸化クロムの添加量が20重量%を越えると、微
粉過剰となって気孔率が上昇し、耐浸潤性が劣る。また
微粉過剰の影響で耐スポーリング性が低下した。同様
に、比較例9では脱気成形を実施したにもかかわらず、
成形後、成形面に平行な亀裂の発生が認められた。
【0041】
【表4】 表4は、焼結アルミナ:72重量%、仮焼アルミナ:5
重量%、酸化クロム:10重量%、高アルミナ質粉末:
10重量%、シリカ粉末:1重量%、粘土:2重量%で
構成された配合物からなり、配合物中の粒径lmm以上
の粗粒の含有量が45重量%である耐火配合物におい
て、高アルミナ質粉末中のSiO2成分の含有量を変化
させてその影響を調べたものである。
【0042】同表に示す実施例9と比較例10を比較し
て、高アルミナ質粉末中のSiO2成分の含有量が18
重量%未満であると耐スポーリング性が低下することが
分かる。実施例10と比較例11によって、SiO2量
が42重量%を越えるとSiO2の影響が大きくなって
耐食性が大幅に低下することがわかる。また逆にれんが
焼成後の高アルミナ質粉末中のムライト鉱物量が減少
し、耐スポーリング性が低下する。実施例11、実施例
12と比較例12によって、高アルミナ質粉末の添加に
よる耐スポーリング性の向上は、0.21mm以上の粒
径分布が50%以上でないと発揮されないことが分か
る。
【0043】
【表5】 表5は、高アルミナ質粉末の添加量と耐スポーリング性
との関係を調べたものである。同表における比較例13
と実施例13によって、高アルミナ質粉末の添加量が5
重量%未満であると高アルミナ質粉末による耐スポーリ
ング性付与効果が不足する。また、実施例14と比較例
14によって、高アルミナ質粉末の添加量が25重量%
を越えると高アルミナ質骨材の存在割合が過剰となって
耐食性が不足することが分かる。比較例15と実施例1
5によって、アルミナージルコニアーシリカ質粉末の添
加量が5重量%未満であるとアルミナージルコニアーシ
リカ質粉末による耐スポーリング性付与効果が不足す
る。実施例16と比較例16によって、アルミナ−ジル
コニア−シリカ質粉末の添加量が25重量%を越える
と、アルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末の存在割合が
過剰となって耐食性が不足する。
【0044】
【表6】 表6は、アルミナ−ジルコニアーシリカ質粉末の併用の
効果を示す。同じ実施例ではあるが、実施例13と実施
例15の比較では、アルミナ−ジルコニアーシリカ質粉
末を使用した実施例15の方が、スポーリングテスト後
のキレツの程度が小さく、耐スポーリング性の向上が認
められた。実施例17によって高アルミナ質粉末とアル
ミナ−ジルコニアーシリカ質粉末の併用の効果が示され
ている。比較例17と実施例18によって、浸潤防止効
果を目的としたマトリックス添加材としての粘土、シリ
カ、ジルコンなどの微粉の添加量が1重量%未満である
と、これらによるスラグ浸潤防止効果が不足して浸潤層
の厚みが増え、構造スポーリング(浸食試験後の試料切
断面に、稼働表面と平行な亀裂が認められた)の発生が
多くなる傾向にある。実施例19によって、マトリック
ス添加材としてジルコン粉末の使用が可能である。実施
例20と比較例18によって、マトリックス添加材の添
加量が8重量%を越えると、マトリックス部の耐食性が
低下して溶損厚みが増加して耐食性不足となった。実施
例20と比較例19によって、マトリックス添加材の粒
度が粗いとマトリックス部の溶損厚みが増加し耐食性が
低下する。
【0045】
【表7】 表7は、本発明の耐火配合物の焼成に当たって、目的と
する特性を得るための焼成温度を実施例1の配合物を使
用して検討した結果を示す。比較例20と実施例21に
よって、焼成温度が1350℃より低いと焼結不足で強
度が低下する傾向となり、耐食性が低下する。実施例2
2と比較例21によって、焼成温度が1650℃を越え
ると焼結過剰となって強度が上昇し、耐スポーリング性
が低下することが分かる。
【0046】
【表8】 表8は、高アルミナ質粉末をアルミナ−ジルコニア−シ
リカ質粉末で置換したときの特性に与える影響を調べた
結果を示す。実施例1の高アルミナ質粉末を全量、同一
粒度のアルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末で置換し、
アルミナージルコニアーシリカ質粉末の化学組成を検討
した。
【0047】ジルコニア含有粉末は、ジルコニアの変態
に伴う繰り返し加熱後の残存膨張の問題があるため、繰
り返し加熱試験を、サンプル形状:100mm×20m
m×20mm、繰り返し加熱温度:1500℃⇔800
℃×30cy.、加熱炉:電気炉、雰囲気:大気雰囲気
の条件で実施した。
【0048】実施例23と比較例22との比較によっ
て、アルミナージルコニアーシリカ質粉末中のZrO2
量が15重量%未満であると、ジルコニアの変態に伴う
熱間での膨張低減効果が減少し、耐スポーリング性付与
効果が不足し、耐スポーリング性が低下することが分か
る。実施例24と比較例23によって、ZrO2量が4
5重量%を越えると、ジルコニアの変態の影響が大きく
なって繰り返し加熱後の残存膨張が過剰となって、れん
が組織が脆弱化されるためか耐食性が低下した。耐浸潤
性も低下するため、構造スポーリングが生じやすくな
る。
【0049】比較例24と実施例25によって、SiO
2量が7重量%未満であると、Si02によるジルコニア
の変態防止効果が減少し、繰り返し加熱後の残存膨張が
過剰となって、れんが組織が脆弱化されるためか耐食性
が低下した。耐浸潤性も低下するため構造スポーリング
が発生しやすくなる。比較例23と比較例24の浸食試
験後の試料の切断面に、稼働表面と平行な亀裂の存在が
認められた。実施例26と比較例25によって、SiO
2量が30重量%を越えると粒子の耐食性が低下する。
【0050】
【表9】 表9は、マトリックス以外の耐食性向上のため、焼結ア
ルミナ粉末をアルミナ−クロム系焼結粉末で置換したと
きの特性に及ぼす影響を調べた結果を示す。
【0051】試料としては、実施例1の配合組成の焼結
アルミナ粉末をアルミナ−クロム系焼結粉末で置換して
作成した。
【0052】実施例1と比較例26、実施例27によっ
て、アルミナ−クロム系粉末のクロム含有量が5重量%
未満であると、置換による耐食性向上効果が認められな
い。実施例28と比較例27によって、アルミナ−クロ
ム系粉末中のクロム量が60重量%を越えると、耐スポ
ーリング性が低下する。実施例29と比較例28との対
比によって、アルミナ−クロム系粉末中のFe23+T
iO2の含有量が1.0重量%を越えると、フラックス
過剰となって、置換したアルミナ−クロム系粉末による
耐食性向上効果は低下し、耐スポーリング性も低下する
ことが分かる。実施例29と比較例29によって、アル
ミナ−クロム系粉末の置換量が40重量%を越えると、
アルミナ粉末に比較してアルミナ−クロム系粉末の耐ス
ポーリング性が劣ることが分かる。実施例28と同一成
分、同一粒度のアルミナ−クロム電融品を使用したとこ
ろほぼ同一の性能が得られた。
【0053】酸化クロムと少量のクロム鉱の併用を検討
するため、実施例6をベースに配合粒度が同一になるよ
うな形で試作した。
【0054】
【表10】 表10は、焼結アルミナ粉末をアルミナ−クロム系焼結
粉末で置換したときの特性について調べた結果を示す。
同表において、実施例30と比較例30によって、クロ
ム鉱の使用量が5重量%を越えると、クロム鉱中の鉄分
の影響か、耐スポーリング性が低下する。比較例31と
実施例31によって、クロム鉱を併用しても酸化クロム
の使用量が3重量%未満であると耐食性が不足すること
がわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の耐火物は、高耐食性と高耐スポ
ーリング性を有するアルミナ−クロム系耐火物であっ
て、とくに、塵溶融炉用内張耐火物として適したもので
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全配合物中に粒径1.0mm以上の粗粒
    が20〜55重量%の範囲内で存在し、 SiO2成分が18〜42重量%で、0.21mm以上
    の粒を50%以上含む高アルミナ質粉末を5〜25重量
    %と、酸化クロムを3〜20重量%と、 粒径が0.lmm以下の粘土、シリカ及びジルコンの中
    の1種又は2種以上の粉末を1〜8重量%と、 残部が実質的にアルミナ粉末との配合物からなるアルミ
    ナ−クロム系耐火物。
  2. 【請求項2】 高アルミナ質粉末が、ZrO2成分含有
    量が15〜45重量%でSiO2成分含有量が7〜30
    重量%のアルミナ−ジルコニア−シリカ質粉末によっ
    て、全配合物中の5〜25重量%置換された請求項1に
    記載のアルミナ−クロム系耐火物。
  3. 【請求項3】 アルミナ粉末が、Cr成分が5〜60重
    量%と、TiO2+Fe23成分が1.0重量%以下
    と、残部が実質的にアルミナ粉末とから構成される電融
    およびまたは焼結アルミナ−クロム系粉末によって、全
    配合物中40重量%以下置換された請求項1または請求
    項2に記載のアルミナ−クロム系耐火物。
  4. 【請求項4】 酸化クロムが、全配合割合から見て5重
    量%以下の割合でクロム鉱と置換され、かつ酸化クロム
    の添加量が3重量%以上である請求項1から請求項3の
    何れかに記載のアルミナ−クロム系耐火物。
  5. 【請求項5】 配合物を混練、成形、焼成した耐火物で
    あって、その焼成温度が1350℃から1650℃であ
    る請求項1から請求項4の何れかに記載のアルミナ−ク
    ロム系耐火物。
  6. 【請求項6】 焼成した耐火物が塵及び産業廃棄物溶融
    炉の内張り用である請求項5に記載のアルミナ−クロム
    系耐火物。
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