JPH11189388A - エスカレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エスカレータの点検保守時に、機械室（Ｍ／
Ｒ）出入口の蓋（乗降板）を開ける。このとき第三者の
侵入を防ぐ安全用遮断板を三方に設置する。従来、遮断
板は別途搬入して、蓋（乗降板）を開けて出来た出入口
の周囲に並べて設置していた。これは手間と時間を要
し、早急にやるべき保守点検の作業時間が長くなるのが
欠点であった。 【解決手段】 遮断板を搬入して取付けるのではなく、
予め、折畳んだ遮断幕５を乗降板３ａ裏面に取付けてお
き、乗降板３ａを開けて遮断幕５を引出し、エスカレー
タ欄干部９にその先端部を付けるので、出入口の三方を
簡単に囲むことができ、作業員による保守点検作業の効
率向上が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエスカレータ或いは
動く歩道などにおける保守点検時の乗降板部（機械室出
入口）の安全用遮断幕に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のエスカレータは、図１２に示した
ように、エスカレータ１の乗降板３は、その下方トラス
内に在る機械室（Ｍ／Ｒ）の出入口２の蓋を兼ねてお
り、エスカレータの保守点検時は、乗降板３を必要に応
じて取り去って、機械室への出入口３を設けるようにし
ていた。

【０００３】しかし、出入口の蓋である乗降板３を開け
た状態は、建物の床そのものに大きな穴を開けたことに
なり、付近を通行する人には危険な状態を呈することと
なった。このため保守点検作業員の安全と第三者の侵入
を防止するため、この開口された出入口の周囲を囲って
（遮断して）、安全を確保する必要がある。

【０００４】従って従来は、図１２に示したように、安
全用遮断板（表示板）４或いは遮断柵等を数台、現場に
搬入し、作業員はこれらを開口された機械室出入口の周
囲に立て、人の進入等を防ぎ、安全を確保して作業を行
っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記のごとき従来の方
法は、安全用遮断板等を現場へ搬入し、設置するのに手
間が掛かったので、現場にて短時間に容易に設置するこ
との出来る手段が要望された。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、機
械室用出入口の蓋に該当する乗降板の裏面に、折畳んだ
安全用遮断幕を予め取付けておき、機械室用出入口の蓋
（乗降板）の開口時にこれを広げることによって、短時
間にかつ容易に安全用遮断幕を出入口周囲に設置できる
ように構成した。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、この発明によるエスカレー
タの一実施の形態を実施例図１〜図１１を参照して説明
する。

【０００８】先ず、図１ないし図３に示すように、乗降
板３ａ、乗降板３ｂ及び乗降板３ｃは従来の乗降板と同
じであが、これらのうちで、乗降路の最先端側に位置す
る乗降板３ａの裏面左右側に、それぞれ安全用折畳式遮
断幕５、５が取付けられている。

【０００９】安全用遮断幕５、５は次のように構成され
ている。すなわち、遮断幕５は、エスカレータ、エレベ
ータ等で使用される不燃性の防火シート（シリカ繊維
等）で細長い幕からなり、折畳んで収納できるように構
成されている。表側面には、通行者への注意を促すた
め、図３に示すように油性蛍光塗料で「点検中」である
こと示す表示を行い、通行人等が不用意に近付き、足を
踏み外すようなことがないように配慮した。また遮断幕
５の先端部には、図３に示すように、欄干の外側板９
（ガラスパネル部分）に固定できる吸盤８が取付けられ
ている。

【００１０】なお、安全用遮断幕５、５には、図５
（ａ）（ｂ）及び図６に示したように、ロック１０を取
付けて、折畳んだときロックして収納することができる
ように構成した。

【００１１】また、乗降板３ａの裏面先端部とトラスと
の間には、図２、図３、図９及び図１０に示すように、
ラチェット式ロック機構を設けた連結金具６が予め取付
けられている。すなわち、エスカレータ設置現場にて、
乗降板３ａ、３ｂ、３ｃを設置するとき、連結金具６を
乗降板３ａとトラスの縁金７との間にねじで締結し、乗
降板３ａがトラスの縁金７に連結されて回転できるよう
に構成した。

【００１２】このように構成されたこの実施の形態のエ
スカレータは、次のようにして利用される。

【００１３】先ず、図２に示すように、乗降板３ｂを取
外し（乗降板が乗降板３ａと乗降板３ｃの２枚だけの場
合はその必要はない）、乗降板３ａを連結金具６を支点
にして約９０度回転して直立させる。そうすると連結金
具６のラチエット式ロック機構は、直立の位置で固定で
きる。そして乗降板３ａ裏面の左右両側に取り付けられ
た折畳式の２枚の遮断幕５、５をそれぞれ引伸して、遮
断幕５、５の先端部に設けた吸着板８を欄干の外側板９
に吸着させて固定する。この結果、乗降板３ｂを取り外
し、乗降板３ａを直立させたことによって設けられた出
入口の三方が乗降板３ａ及びその遮断幕５、５により囲
まれ、通行人等がその出入口に近付くのを防ぐことがで
き、作業員は保守点検作業を安心してできるようにな
る。

【００１４】また、図３及び図４に示すように、乗降板
３ａには遮断幕５と同じ材質からなる表面遮断幕１１を
別途設け、上下端部にマグネット板１２を取付け、暖簾
状にして乗降板３ｃの表側に取付けるよう構成した。な
お、不使用時はマグネット１２により乗降板裏面に取付
けて収納する。

【００１５】なお、連結金具６のラチェット式ロック機
構は既知のもので、図７〜図１０に示したように、乗降
板３ｂを立てたとき、開き角度が約３０度ごとにラチエ
ット車と爪とにより順次固定でき、直立（約９０度）を
越えて開き、さらに約１２０度に達したときに爪が外
れ、元の位置（０度）に戻すことによって開口部を覆え
るように構成されたものである。

【００１６】この実施の形態では、連結金具６を上記の
ようにラチェット機構を採用し、乗降板３ａを直立させ
た状態で固定するように構成したが、例えば図１１に示
すように、トラス側に、支え棒１３の一端をピン１４で
支え、回転できるように取付け、乗降板３ａを開けて直
立させた時、この支え棒１３の他端を乗降板３ａの裏面
の受け輪１５に嵌め込み、乗降板３ａを固定するように
しても良い。

【００１７】以上説明のように、この発明によれば、簡
単な構成で、機械室出入口開口部の三方を乗降板及び遮
断幕で囲み遮断するので、作業員による保守点検作業の
効率向上が可能となる。

【００１８】

【発明の効果】本発明により、機械室開口時の遮断幕設
置が容易且つ短時間で出来、保守点検作業時間の減少に
もなり、特にエスカレータ利用時の故障修復などの場合
には、利用者に掛ける迷惑を最小限に出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるエスカレータの一実施の形態を示
す概略図

【図２】図１に示すエスカレータの部分詳細図

【図３】図２に示すエスカレータの動作説明図

【図４】図２に示すエスカレータの動作説明図

【図５】図３に示す遮断幕の構成図

【図６】図５に示す遮断幕の動作説明図

【図７】図２に示すエスカレータの動作説明図

【図８】図２に示すエスカレータの動作説明図

【図９】図８に示す乗降板の直立時の側面図

【図１０】図８に示す乗降板の部分詳細図

【図１１】本発明によるエスカレータの乗降板直立固定
の他の構成例を示す斜視図

【図１２】従来のエスカレータにおける安全用表示板設
置を示す斜視図

【符号の説明】

１ エスカレータ ２ 機械室出入口 ３ａ，３ｂ，３ｃ 乗降板 ４ 遮断板 ５ 安全用遮断幕 ６ 連結金具 ７ トラスの縁金 ８ 吸盤 ９ 欄干の側板 １０ 遮断幕のロック １１ 乗降板の表面遮断幕 １２ マグネット １３ 支え棒 １４ ピン １５ 受け輪

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 裏面に安全用遮断幕を収納して機械室用
   出入口の蓋を兼ねる乗降板をエスカレータトラスの縁金
   に開閉用連結金具を介して連結し、前記乗降板を機械室
   用出入口の蓋として開けたとき、前記遮断幕を引出し
   て、前記出入口周囲を遮断することを特徴とするエスカ
   レータ。
2. 【請求項２】 前記開閉用連結金具は、ラチェット車と
   爪とによる回転機構を有して、前記乗降板（蓋）の開口
   時、前記乗降板を床に直立固定できる機構としたことを
   特徴とする請求項１に記載のエスカレータ。
3. 【請求項３】 前記安全用遮断幕は、不燃材繊維による
   布で構成され、乗降板裏面に折畳んで収納出来ることを
   特徴とする請求項１に記載のエスカレータ。
4. 【請求項４】 前記折畳式遮断幕は、先端部に吸盤が取
   り付けられ、折畳式遮断幕を引出した際、欄干の側板に
   吸盤を介して連結されることを特徴とする請求項３に記
   載のエスカレータ。