JPH11189136A - 車両状態量推定装置 - Google Patents

車両状態量推定装置

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JPH11189136A
JPH11189136A JP9361073A JP36107397A JPH11189136A JP H11189136 A JPH11189136 A JP H11189136A JP 9361073 A JP9361073 A JP 9361073A JP 36107397 A JP36107397 A JP 36107397A JP H11189136 A JPH11189136 A JP H11189136A
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braking
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裕之 山口
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Hidekazu Ono
英一 小野
Koji Umeno
孝治 梅野
Masaru Sugai
賢 菅井
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  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】制動非制動の別や荷重分布に係わらず、車両状
態量を正確に推定する。 【解決手段】車輪速度を検出する車輪速検出部65と、
微小ゲインを演算する微小ゲイン演算部36と、制動力
を検出する制動力検出部34と、微小ゲインからスリッ
プ速度に対する制駆動力の勾配である路面μ勾配を演算
する路面μ勾配演算部90と、車輪速度、路面μ勾配及
び制駆動力に基づいて、路面状態及びスリップ速度を演
算する路面状態演算装置10と、基準特性でのスリップ
速度と路面μ勾配との関係を路面状態毎に記憶し、該関
係に基づいて、演算された路面状態及びスリップ速度に
対応する路面μ勾配を求め該路面μ勾配と路面μ勾配演
算部により演算された路面μ勾配との比較に基づいて、
輪荷重を検出する輪荷重検出部91と、輪荷重等から車
両状態量を演算する車両状態量演算部92と、から構成
する。検出された路面μ勾配に基づいた輪荷重等が得ら
れるため、正確に推定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輪荷重、車体の横
方向の加速度、前後方向の加速度、ロール角、ピッチ
角、ヨーレート、車体横すべり角、カント路の傾斜角
度、及び横風により車体が受けた力などの車両状態量を
演算する車両状態量推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハンドリング、ブレーキ制
動、加速などの運転操作やカント路走行に伴う車両挙動
変化(ロール、ノーズダイブ、スクォート量)を少なく
し、最適なアライメント状態を保持することにより車両
の操縦安定性を向上させたり、車両のスピンを防止した
りする車両安定化技術が提案されている。
【0003】このような車両安定化技術では、輪荷重、
車体の横方向の加速度、前後方向の加速度、ロール角、
ピッチ角、ヨーレート、車体横すべり角、カント路の傾
斜角度、及び横風により車体が受けた力などの車両状態
量を検知し、該車両状態量に基づいて、車両を安定化さ
せる制御を行っている。
【0004】例えば、姿勢制御技術のうちアンチロール
制御では、旋回時、車両の左右横方向に働く加減速度を
Gセンサ(加速度センサ)で検知して制御量を決定す
る。旋回時は遠心力によって重心の移動が発生し、外輪
側は目標車高値より車高が下がり、内輪側は上がるの
で、アンチロール制御では、外輪側のサスペンションの
シリンダ圧を上昇させると共に内輪側のシリンダ圧を下
げ、遠心力に起因して車体をロールさせようとする力を
打ち消し、横方向の車両姿勢をほぼフラットにする。な
お、旋回時初期の制御応答遅れを補償するために、操舵
角と車速との関係からロール開始を予測してロール予見
制御を行う。
【0005】また、アンチダイブ、アンチスクォート制
御では、減速時或いは加速時に、車両に作用する前後方
向の加減速度をGセンサで検知し、検知した値に応じて
前後のサスペンションのシリンダ圧を上昇又は下降させ
ることにより前後方向の車両姿勢をほぼフラットにす
る。
【0006】このように従来の姿勢制御技術では、Gセ
ンサにより検出した横方向の加減速度又は前後方向の加
減速度に基づいて荷重移動を推定し、サスペンションの
制御量を決定している。なお、車両旋回時等では、タイ
ヤのコーナリング特性の限界を越えてスピンが起こらな
いように、各車輪に作用する制駆動力を制御する必要が
ある。
【0007】また、車両安定化制御で用いられるヨーレ
ートや横方向の車体加速度は、非制動状態の場合、次の
ようにして推定することができる。
【0008】まず、旋回時の左輪の車輪速度vwFL 及び
右輪の車輪速度vwFR を、次式によって表す。なお、次
式において左旋回を正の方向とし、・を時間に関する微
分とする。
【0009】
【数1】 ここで、Trdは左右輪間のトレッド間隔、Vは車体速度
(車速)、そして、
【0010】
【数2】 は、車両の重心回りの回転速度、すなわちヨーレートで
ある。
【0011】(1) 式、(2) 式より、ヨーレートは、次式
によって推定できる。なお、以下では、推定値を表す物
理量に、∧を冠する。
【0012】
【数3】 また、定常円旋回状態では、横加速度Gは、次式により
推定できる。
【0013】
【数4】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、以下のような問題がある。
【0015】すなわち、車両姿勢の制御やアンチスピン
制御などのような車両安定化制御を行う場合、各車輪に
かかる輪荷重の推定が重要であるが、この輪荷重は、車
体特性は勿論のこと、乗員や荷物の荷重分布、サスペン
ションの状態量などにより異なってくる。このため、G
センサなどにより検出された加速度などを用いた間接的
な推定では、推定演算が複雑になり過ぎると共に、推定
値が不正確となるおそれがあるので、簡単には良好な安
定化制御ができないという問題がある。さらに、路面状
態が異なるとタイヤと路面との間の摩擦係数μが異なっ
てくるので、車両姿勢制御を変える必要がある。
【0016】また、上記例のようなヨーレート及び横加
速度の推定方法では、制動時において、車両の旋回によ
る左右輪の速度変化に対し制動による各車輪のスリップ
速度Δvが影響するため、Δvを補正しない限り上式で
はヨーレート及び横加速度を正確に推定できないといっ
た問題がある。このような制動時における推定の困難さ
は、他の車両状態量においても同様に生じる。
【0017】本発明は、上記事実に鑑みて成されたもの
で、各車輪の輪荷重、車体の横方向の加速度、前後方向
の加速度、ロール角、ピッチ角、ヨーレート、車体横す
べり角度、カント路の傾斜角度、及び横風により車体が
受けた力などのような車両安定化制御に必要となる車両
状態量を、制動非制動の別、及び路面状態や荷重分布な
どのような外的条件に係わらず、簡単かつ正確に推定で
きる車両状態量推定装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、車輪速度を検出する車輪速度検
出手段と、スリップ速度に対する制駆動力の勾配又は該
勾配に関連した物理量である路面μ勾配を演算する路面
μ勾配演算手段と、車輪に作用する制駆動力を推定する
制駆動力推定手段と、前記車輪速度検出手段により検出
された車輪速度、前記路面μ勾配演算手段により演算さ
れた路面μ勾配及び前記制駆動力推定手段により推定さ
れた制駆動力に基づいて、路面状態及びスリップ速度を
演算する路面演算手段と、基準特性におけるスリップ速
度と路面μ勾配との関係を路面状態毎に記憶する記憶手
段と、前記記憶手段により記憶された前記関係に基づい
て、路面演算手段により演算された路面状態及びスリッ
プ速度に対応する路面μ勾配を求める処理手段と、前記
処理手段により求められた路面μ勾配と前記路面μ勾配
演算手段により演算された路面μ勾配とに基づいて、車
輪の荷重を演算する輪荷重演算手段と、を含んで構成し
たものである。
【0019】ここで、前記基準特性とは、図3に示すよ
うに、ある特定の車両挙動状態において計測されたスリ
ップ速度(車体速度−車輪速度)に対する制駆動力F
(制動力及び駆動力のいずれか)の変化特性をいい、好
適には、輪荷重変化がほとんど無い準静的な基準状態
(以下ではこの例を扱う)において、路面状態毎(例え
ば、”乾燥路面”、”雪路面”、”氷路面”)に各々計
測された変化特性を用いることができる。なお、路面か
らの反力として車輪に作用する制駆動力Fは、タイヤと
路面との間の摩擦係数をμ、当該車輪にかかる荷重(輪
荷重)をWとしたとき、次式によって表される。
【0020】 F = μW (5) 図3の基準特性では、スリップ速度ΔVi に対して制駆
動力Fの勾配α0 (路面μ勾配)が路面状態に応じて一
意に求まる。そこで、記憶手段では、スリップ速度ΔV
と勾配α0 との関係を、例えばテーブルの形式で路面状
態毎に記憶しておく。すなわち、少なくとも路面状態及
びスリップ速度がわかれば、この関係に基づいて、この
ときの路面μ勾配α0 を求めることができる。
【0021】本発明では、まず、車輪速度検出手段が車
輪速度を検出し、路面μ勾配演算手段が、スリップ速度
に対する制駆動力の勾配である路面μ勾配を演算する。
この路面μ勾配は、後述するように、車輪運動の動特性
を反映する車輪速度から求めることができる。そして、
制駆動力推定手段が、車輪に作用する制駆動力を推定す
る。例えば、ブレーキ制動時では、ホイールシリンダ圧
から、駆動時では、アクセル開度から近似的に推定する
ことができる。
【0022】次に、路面演算手段が、車輪速度検出手段
により検出された車輪速度、路面μ勾配演算手段により
演算された路面μ勾配及び制駆動力推定手段により推定
された制駆動力に基づいて、路面状態及びスリップ速度
を演算する。この路面演算手段による演算原理について
は、後述する。
【0023】次に、処理手段が、記憶手段により記憶さ
れた路面状態毎のスリップ速度と路面μ勾配との関係に
基づいて、路面演算手段により演算された路面状態及び
スリップ速度に対応する路面μ勾配を求める。例えば、
前記関係として、記憶手段により、路面状態毎、スリッ
プ速度毎に計測された路面μ勾配をデータとして持つテ
ーブルを記憶し、処理手段が、演算された路面状態とス
リップ速度に対応するデータを該テーブルから検索する
ことによって、路面μ勾配を求める。
【0024】ここで、車両のロール、カント路走行など
何らかの車両挙動変化を生じた場合、荷重移動により輪
荷重変化を生じる。例えば、前後方向に減速した場合、
後輪から前輪へ荷重移動が生じ、(5) 式より明らかに、
同じμ値でも制駆動力は、前輪では増大し後輪では減少
する。なお、輪荷重が増大する場合では、スリップ速度
に対して制駆動力Fは、図3の変化特性99のように変
化する。
【0025】図3のΔV−F特性(基準特性、変化特性
99)に示すように、制駆動力0の状態からピークμ
(最大制駆動力)直前の状態まで、スリップ速度に対す
る制駆動力F=μWの変化特性は、略比例関係となって
いることがわかる。よって、このスリップ速度の領域で
は、あるスリップ速度ΔVi において、荷重移動時での
変化特性99でのμ勾配αは、基準特性でのμ勾配α0
よりも、輪荷重の変化率に比例して変化する。すなわ
ち、あるスリップ速度ΔVi において、基準特性の制駆
動力をWf0、荷重移動時での変化特性99の制駆動力
を、Wf とすると、
【0026】
【数5】 が成立する。勿論、(6) 式は、輪荷重が増大する場合及
び減少する場合のいずれにおいても成立する。
【0027】実際に車両安定化制御を行う場合、ピーク
μを越えずにタイヤロックやタイヤの空転が起こらない
ように制駆動力を制御するので、(6) 式が常に成り立つ
と考えて差し支えない。そこで、輪荷重演算手段は、前
記処理手段により求められた路面μ勾配α0 と前記路面
μ勾配演算手段により演算された路面μ勾配αとに基づ
いて、例えば(6) 式を用いて、基準特性の制駆動力Wf0
から当該車輪の荷重W f を演算することができる。
【0028】なお、本発明の路面μ勾配演算手段では、
スリップ速度に対する制駆動力の勾配に関連した物理量
として、スリップ率((車体速度−車輪速度)/(車体
速度))に対する制駆動力の勾配Gd を演算してもよ
い。
【0029】例えば、スリップ率に対する制駆動力の勾
配を、車速(または車輪速度)に応じて、スリップ速度
に対する制駆動力の勾配と等価な量に変換して用いる。
或いは、前記路面演算手段で、スリップ速度の代わりに
スリップ率と車速とを演算し、前記記憶手段で、スリッ
プ率と、スリップ率に対する制駆動力の勾配との関係
を、路面状態毎及び車速毎に記憶する。そして、処理手
段で、車速V、路面状態、スリップ率に対応した勾配G
d0を求め、輪荷重演算手段が、次式の関係より、輪荷重
を求めればよい。
【0030】
【数6】 (請求項2の発明)また、請求項2の発明は、請求項1
の前記輪荷重演算手段により演算された車輪の荷重に基
づいて、前後方向の車体加速度、横方向の車体加速度、
ピッチ角、ロール角、カント路の傾斜角、横風により車
体が受けた力の大きさの少なくともいずれかを演算する
車両状態量演算手段、をさらに含んで構成したものであ
る。
【0031】以下、車両状態量演算手段により演算され
る車両状態量の推定方法を個別的に説明する。
【0032】(1)前後方向の車体加速度(前後G) 図9には、制駆動時における前後Gと輪荷重との関係を
示すための、車両横方向から見たハーフカーモデルが示
されている。該モデルにおける各物理量は、以下の通り
である。
【0033】 g : 重力加速度 m : 1・gを1単位とする車両重量 KF : サスペンションのばね定数(Fは前輪を示
す) GX : 前後G h : 路面からの重心高 L : 前輪と後輪との間の水平距離 lf : 前輪と重心との間の水平距離 lr : 後輪と重心との間の水平距離 φ : ピッチ角 WF : 1・gを1単位とする輪荷重(Fは前輪を示
す) 制動時(駆動時)に車体が減速度(加速度)運動して前
後輪間に荷重移動が生じる場合、図9のハーフカーモデ
ルにおける重心回りの力のモーメントの釣合いより、次
式が成り立つ。
【0034】 m・GX ・h−WF ・g・L+m・g・lr =0 (8) ただし、前輪の荷重WF は、前記輪荷重演算手段により
演算された左前輪の荷重をWfFL 、右前輪の荷重をW
fFR とした場合、 WF = WfFL +WfFR (9) によって求められたものである。
【0035】これより、(8) 式を変形した次の(10)式に
より、前後G(GX )を算出できる。
【0036】
【数7】 なお、(10)式は、輪荷重演算手段により演算された後輪
の輪荷重WR を用いて表したり、WF とWR とを用いて
表すこともできる。
【0037】(2) ピッチ角φの推定方法 制動時(駆動時)、荷重移動による輪荷重の増分と該荷
重増分に抗するサスペンションバネとの釣合いより、図
9のピッチ角φを次式により算出することができる。
【0038】 φ=tan-1((WF −WF0)/KF /lf ) (11) ただし、KF は左右前輪のサスばね定数の合計値、WF0
は、左右前輪の静止荷重の合計値である。なお、(11)式
のφは、左右後輪についての、サスばね定数の合計値及
び静止荷重の合計値を用いても表すことができる。
【0039】(3)横方向の車体加速度(横G)の推定
方法 図10には、旋回時における横Gと輪荷重との関係を示
すための、車両前後方向から見たハーフカーモデルが示
されている。該モデルにおける各物理量は、以下の通り
であり、図9と同様の物理量は、同一の符号によって表
し、説明を省略する。
【0040】 Trd : トレッド KL : サスペンションのばね定数(Lは左輪に関す
る) Gy : 横G τ : ロール角 WL : 1・gを1単位とする輪荷重(Lは左輪に関
する) 横Gの推定では、車両が旋回中と判定されたときに行う
のが好適である。旋回中であるか否かは例えば次式を用
いて確認することができる。
【0041】 VFR ≠ VFL (12) ただし、 VFR = VWFR +ΔvFR (13) VFL = VWFL +ΔvFL (14) VWFR,WFL :右前輪、左前輪の車輪速度 ΔvFR,FL :右前輪、左前輪のスリップ速度 であり、(12)式が満たされていれば、旋回中と判定し、
横Gの推定を行う。
【0042】なお、 VRR ≠ VRL (15) により、旋回中であるかを判定しても良い。ただし、 VRR = VWRR +ΔvRR (16) VRL = VWRL +ΔvRL (17) VWRR,WRL :右後輪、左後輪の車輪速度 ΔvRR,RL :右後輪、左後輪のスリップ速度 である。
【0043】旋回時に左右輪間で荷重移動が生じる場
合、図10のハーフカーモデルにおける重心回りの力の
モーメントの釣合いより、次式が成り立つ。
【0044】 m・Gy ・h−WL ・g・Trd+m・g・Trd/2=0 (18) ただし、左輪の荷重WL は、前記輪荷重演算手段により
演算された左前輪の荷重をWfFL 、左後輪の荷重をW
fRL とした場合、 WL = WfFL +WfRL (19) によって求められたものである。
【0045】これより、(18)式を変形した次の(20)式に
より、横G(Gy )を算出できる。
【0046】
【数8】 なお、(20)式は、輪荷重演算手段により演算された右輪
の輪荷重WR を用いて表したり、WL とWR とを用いて
表すこともできる。
【0047】(4) ロール角τの推定方法 旋回時、荷重移動による輪荷重の増分と該荷重増分に抗
するサスペンションバネとの釣合いより、図10のロー
ル角τを次式により算出することができる。
【0048】 τ=tan-1((WL −WL0)/KL /Trd/2) (21) ただし、KL は前後左輪のサスばね定数の合計値、WL0
は、前後左輪の静止荷重の合計値である。なお、(21)式
のτは、前後右輪についての、サスばね定数の合計値及
び静止荷重の合計値を用いても表すことができる。
【0049】(5) カント路の傾斜角ηの推定方法 図11には、カント路走行中における輪荷重とカント路
傾斜角ηとの関係を示すための、車両前後方向から見た
ハーフカーモデルが示されている。該モデルにおける各
物理量は図10と同様であり、同一の符号によって表
す。
【0050】まず、直進中であるか否かを次式を用いて
確認する。 VFR = VFL (22) (22)式が成立している場合、左右輪間で同一車速のた
め、直進中であると判定できる。さらに、横風が無いと
判断される場合、左右輪間の荷重移動がカント路走行中
によるものであると判断できる。
【0051】ここで、カント路の傾斜角ηは、(20)式の
横Gの推定式を利用して次式のように推定される。
【0052】
【数9】 ただし、cosη≒1としている。
【0053】(6) 横風により受けた力Fw の推定方
法 車両が直進中であって、かつカント路走行中でない場合
でも、横風により車体が横方向の力を受けた場合、左右
輪間で荷重移動が発生する。図11のハーフカーモデル
において、η=0としたときの重心回りの力のモーメン
トの釣合いを考慮すると、同様の原理により、横風によ
り受けた力Fw は、次式で推定することができる。
【0054】
【数10】 なお、(22)式が成立して直進中であると判定され、かつ
カント路走行中でないと判定されたときに、(24)式によ
り横風の力Fw を推定する。 (請求項3の発明)請求項3の発明は、車輪速度を検出
する車輪速度検出手段と、スリップ速度に対する制駆動
力の勾配である路面μ勾配を演算する路面μ勾配演算手
段と、車輪に作用する制駆動力を推定する制駆動力推定
手段と、前記路面μ勾配演算手段により演算された路面
μ勾配及び前記制駆動力推定手段により推定された制駆
動力に基づいて、スリップ速度を演算するスリップ速度
演算手段と、前記車輪速度検出手段により検出された前
輪及び後輪の少なくともいずれかの車輪速度と前記スリ
ップ速度演算手段により演算された前輪及び後輪の少な
くともいずれかのスリップ速度とに基づいて、ヨーレー
トを演算するヨーレート演算手段と、を含んで構成した
ものである。
【0055】請求項3の発明では、スリップ速度演算手
段が、後述するように、請求項1の路面演算手段と同様
の推定方法に基づき、演算された路面μ勾配及び推定さ
れた制駆動力からスリップ速度を演算する。
【0056】そして、ヨーレート演算手段が、前記車輪
速度検出手段により検出された前輪及び後輪の少なくと
もいずれかの車輪速度と前記スリップ速度演算手段によ
り演算された前輪及び後輪の少なくともいずれかのスリ
ップ速度とに基づいて、ヨーレートを演算する。例え
ば、次式によってヨーレートを演算する。
【0057】
【数11】 ここに、VFL、VFRは、制駆動時において、車輪速度か
らのスリップ速度の低下を考慮に入れた(13)、(14)式の
左前輪側及び右前輪側での車速であり、Trdは、図10
のトレッド間隔を示す。また、(25)式のヨーレートは、
(16)、(17)式の左後輪及び右後輪の車輪速度VRL、VRR
を用いて表したり、VFL、VFR、VRL、VRRのすべてを
用いて表すことも可能である。
【0058】このように本発明では、制駆動力の制御を
各車輪毎に行うことで生じるスリップ速度変化に伴う車
輪速度の変化を考慮に入れてヨーレートを演算している
ので、従来技術のようにスリップ速度を考慮に入れない
車輪速度のみから演算する場合よりも、制駆動時におけ
るヨーレートをきわめて正確に演算することができる。
【0059】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、横方向の車体加速度及び前記ヨーレート演算手段に
より演算されたヨーレートに基づいて、車体横すべり角
を演算する横すべり角演算手段、をさらに含んで構成し
たものである。
【0060】請求項4の発明では、横すべり角演算手段
が、横方向の車体加速度Gy 及びヨーレート演算手段に
より演算されたヨーレートから、例えば、次式によって
車体横すべり角βを演算する。
【0061】
【数12】 ただし、Va は、平均車速であって、 Va =(VFL+VFR+VRL+VRR)/4 (27) で表される。
【0062】なお、請求項4の発明を、請求項2の発明
に、請求項3のヨーレート演算手段を付加した発明とし
て構成することもでき、この場合、車両状態量演算手段
により演算された横Gを(26)式の演算で用いることがで
きる。 (本発明の路面演算手段の路面状態推定原理)タイヤ−
路面間の摩擦係数μのスリップ速度に対する路面μ特性
は、図4(a)に示すように、乾燥路面(Dry )、雪路
面(Snow)、氷路面(Ice )...などの路面状態の相
違によってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、図4
(a)の路面μ特性を、図4(b)に示すように、ま
ず、車輪挙動量である制動力(駆動力)Pc と、スリッ
プ速度ΔVとの相互関係で路面状態毎に表すことができ
る。そして、図4(a)において、μ値のみならず、ス
リップ速度に対する路面μの勾配Gd もまた、路面状態
によって固有の値を持っていること、及び図4(b)の
関係を用いて、図4(a)の路面μ特性を、図4(c)
に示すように、制駆動力と車体速度と路面μ勾配Gd
により表される路面状態毎の3次元特性で必要十分に表
すことができる。
【0063】図4(c)では、この3次元特性を、車体
速度Vが20km/h,40km/h,60km/hの各場合につい
ての制動力と路面μ勾配Gd との関係で表しており、こ
の図より、これら3つの車輪挙動量の関係が、路面状態
によって異なっていることがわかる。逆に、これら3つ
の車輪挙動量の相互関係がわかれば、路面状態を判定す
ることができる。なお、この路面μ勾配Gd が、スリッ
プ速度に対する摩擦係数μ(又は制駆動力)の勾配でも
同様に路面状態を演算することができる。
【0064】本路面演算手段の1つの実施態様では、こ
のような路面μ特性を表す複数の車輪挙動量の間の相互
関係を路面状態毎に備える。なお、この相互関係は、例
えば、入出力データ間の変換テーブル(以下、第1テー
ブル)で表すことができ、図4(c)の特性の場合、各
車速及び各路面状態毎に制駆動力と路面μ勾配との関係
を検出して得られたデータに基づいて、予め作成してお
く。なお、車速がある一定値の場合に路面状態を演算す
る場合には、制駆動力Pc と路面μ勾配Gd とから路面
状態を演算する。
【0065】例えば、車体速度と制動力とを図4(c)
の相互関係により変換する場合、車体速度の検出値V=
20km/hと制動力の検出値Pc0に対応する路面μ勾
配の変換値は、乾燥路面、雪路面、氷路面のそれぞれに
ついて、Gd1、Gd2、Gd3となる。そして、このように
して得られた路面状態毎の車輪挙動量の変換値と、該車
輪挙動量と同一量の検出値との比較に基づいて路面状態
を演算する。例えば、上記例の場合、路面状態毎の路面
μ勾配の変換値Gd1、Gd2、Gd3と、路面μ勾配演算手
段により演算された路面μ勾配の検出値Gd0とを比較
し、この比較結果により路面状態を演算出力する。
【0066】この比較では、例えば、検出値Gd0と変換
値Gd1、Gd2、Gd3との差をそれぞれ演算し、最も小さ
い差(絶対値)を与えた路面状態を演算する。例えばG
d2とGd0との差が最も小さい場合、路面状態が「雪路面
(Snow)」であると演算する。
【0067】以上の路面状態の推定方法では、車速を車
輪挙動量の1つとして用いていたが、本路面演算手段で
は、路面μ勾配、制駆動力及び車輪速度から車速やスリ
ップ速度を推定するため、さらに、制動力Pc 及び路面
μ勾配Gd の間の相互関係を示す第2テーブルをスリッ
プ速度毎に備えている。この第2テーブルは、以下のよ
うな手順によって作成することができる。
【0068】まず、路面状態及び車速をパラメータとし
て様々に変えた各々の場合について、制駆動力Pc に対
するスリップ速度Δvの変化を求めると、図5のような
関係となる。次に、路面状態及び車速をパラメータとし
て様々に変えた各々の場合について、スリップ速度Δv
に対する路面μ勾配Gd の変化を求めると、図6(a)
(Dry )、図6(b)(Snow)のような関係となる。
【0069】そして、図5、図6の関係より、各車速毎
に同一のスリップ速度Δvに対するPc 、Gd を求める
と、各路面状態毎に、図7(a)、(b)のような関係
となる。この図7により示されたスリップ速度毎のPc
とGd との関係が第2テーブルとなる。
【0070】さらに、図7(a)、(b)を基に、各車
速(20km/h,40km/h,60km/h)毎に、図8(a)〜(c)
のようなPc とGd との関係が路面状態毎に示される。
この図8の関係は、路面状態毎の前記第1テーブルに相
当している。
【0071】本態様では、例えば、制動力Pc の検出値
をスリップ速度毎の第2テーブルによりそれぞれ変換す
ることにより得られたスリップ速度毎の路面μ勾配Gd
の変換値と、路面μ勾配Gd の検出値との比較に基づい
てスリップ速度を演算する。すなわち、検出されたPc
とGd との関係が、図7のどのΔvのラインに最も近い
かを演算し、最も近かったラインのΔv値をスリップ速
度として求める。
【0072】このようにスリップ速度が演算できたの
で、本態様では、演算されたスリップ速度と検出された
車輪速度とにより車速を演算する。そして、既に述べた
ように、路面演算手段は、演算された車速、制駆動力及
び路面μ勾配を用いて、前記第1テーブルに基づいて路
面状態を演算することができる。
【0073】以上のような推定方法に基づいて、本発明
の路面演算手段では、車輪速度、路面μ勾配及び制駆動
力を用いて、スリップ速度及び路面状態を演算すること
ができる。また、請求項3のスリップ速度演算手段で
は、第2テーブルのみから、路面μ勾配及び制駆動力を
用いて、スリップ速度を演算することができる。 (路面μ勾配演算手段の演算原理)本発明の路面μ勾配
演算手段の1つの態様では、車体と車輪と路面とから構
成される振動系の共振周波数でブレーキ力を微小励振す
る微小励振手段と、をさらに有し、該微小励振手段によ
りブレーキ力を微小に励振したときのブレーキ力の微小
振幅に対する車輪速度の共振周波数成分の微小振幅の比
を、路面μ勾配として演算する。以下、この演算原理に
ついて説明する。
【0074】重量Wv の車体を備えた車両が車体速度ω
v で走行している時の車輪での振動現象、すなわち車体
と車輪と路面とによって構成される振動系の振動現象
を、車輪回転軸で等価的にモデル化した図13に示すモ
デルを参照して考察する。
【0075】図13のモデルにおいて、ブレーキ力は、
路面と接するタイヤのトレッド115の表面を介して路
面に作用するが、このブレーキ力は実際には路面からの
反作用(制動力)として車体に作用するため、車体重量
v の回転軸換算の等価モデル117はタイヤのトレッ
ドと路面との間の摩擦要素116(路面μ)を介して車
輪113と反対側に連結したものとなる。これは、シャ
シーダイナモ装置のように、車輪下の大きな慣性、すな
わち車輪と反対側の質量で車体の重量を模擬することが
できることと同様である。
【0076】図13でタイヤリムを含んだ車輪113の
慣性をJw 、リムとトレッド115との間のばね要素1
14のばね定数をK、車輪半径をR、トレッド115の
慣性をJt 、トレッド115と路面との間の摩擦要素1
16の摩擦係数をμ、車体の重量の回転軸換算の等価モ
デル117の慣性をJV とすると、ホイールシリンダ圧
により生じるブレーキトルクTb ’から車輪速ωw まで
の伝達特性は、車輪運動の方程式より、
【0077】
【数13】 となる。なお、sはラプラス変換の演算子である。
【0078】タイヤが路面にグリップしている時は、ト
レッド115と車体等価モデル117とが直結されてい
ると考えると、車体等価モデル117とトレッド115
との和の慣性と、車輪113の慣性とが共振する。すな
わち、この振動系は、車輪と車体と路面とから構成され
た車輪共振系とみなすことができる。このときの車輪共
振系の共振周波数ω∞は、(28)式の伝達特性において、 ω∞=√{(Jw +Jt +Jv )K/Jw (Jt +Jv )}/2π (29) となる。この状態は、図14では、ピークμに達する前
の領域A1に対応する。
【0079】逆に、タイヤの摩擦係数μがピークμに近
づく場合には、タイヤ表面の摩擦係数μがスリップ速度
に対して変化し難くなり、トレッド115の慣性の振動
に伴う成分は車体等価モデル117に影響しなくなる。
つまり等価的にトレッド115と車体等価モデル117
とが分離され、トレッド115と車輪113とが共振を
起こすことになる。このときの車輪共振系は、車輪と路
面とから構成されているとみなすことができ、その共振
周波数ω∞’は、(29)式において、車体等価慣性Jv
0とおいたものと等しくなる。すなわち、 ω∞' =√{(Jw +Jt )K/Jw t )}/2π (30) となる。この状態は、図14では、ピークμ近傍の領域
A2に対応する。
【0080】(29)式と(30)式とを比較し、車体等価慣性
v が車輪慣性Jw 、トレッド慣性Jt より大きいと仮
定すると、(30)式の場合の車輪共振系の共振周波数ω
∞’は(29)式よりもω∞よりも高周波数側にシフトする
ことになる。従って、車輪共振系の共振周波数の変化を
反映する物理量に基づいて、車輪と路面との間の摩擦状
態を判定することが可能となる。
【0081】そこで、本発明では、このような共振周波
数の変化を反映する物理量として、以下のような微小ゲ
インGd を車輪挙動量として導入する。
【0082】まず、微小励振手段が、車輪と車体と路面
とからなる振動系の共振周波数ω∞((29)式) でブレー
キ力を微小励振すると(ここでは、ブレーキ圧Pb を微
小励振するとする)、車輪速度ωw も平均的な車輪速度
の回りに共振周波数ω∞で微小振動する。ここで、この
ときのブレーキ圧Pb の共振周波数ω∞の微小振幅をP
v 、車輪速度の共振周波数ω∞の微小振幅をωwvとした
場合、微小ゲインGdを Gd =ωwv/Pv (31) とする。なお、この微小ゲインGd を、ブレーキ圧Pb
に対する車輪速ωw の比(ωw /Pb )の共振周波数ω
∞の振動成分とみなし、 Gd =((ωw /Pb )|s=jω∞) (32) と表すこともできる。
【0083】この微小ゲインGd は、(32)式に示すよう
に(ωw /Pb )の共振周波数ω∞の振動成分であるの
で、摩擦状態がピークμ近傍の領域に至ったとき、共振
周波数がω∞’にシフトするため急激に減少する。すな
わち、微小ゲインGd は、路面μ特性を規定する摩擦状
態を敏感に反映する車輪挙動量であるといえる。
【0084】次に、この微小ゲインGd が、路面μ勾配
と等価な物理量であることを説明する。
【0085】既に述べたように、図14の特性では、ス
リップ速度Δωと、車輪−路面間の摩擦係数μとの間に
は、あるスリップ速度で摩擦係数μがピークをとる関数
関係が成立する。
【0086】ところで、微小励振手段によりブレーキ圧
を微小励振すると、車輪速度が微小励振するので、スリ
ップ速度もあるスリップ速度の回りで微小振動する。こ
こで、図14の特性を有する路面において、あるスリッ
プ速度の回りで微小振動したときの摩擦係数μのスリッ
プ速度Δωに対する変化を考える。
【0087】このとき、路面の摩擦係数μは、 μ = μ0 +αRΔω (33) と近似できる。すなわち、微小振動によるスリップ速度
の変化が小さいため、傾きαRの直線で近似できる。
【0088】ここで、タイヤと路面間の摩擦係数μによ
り生じる制動トルクTb =μWRに(33)式を代入する
と、 Tb = μWR = μ0 WR+αR2 ΔωW (34) となる。ここで、Wは輪荷重である。(34)式の両辺をΔ
ωで1階微分すると、
【0089】
【数14】 を得る。よって、(35)式により、制動トルク勾配(dT
b /Δω)が、αR2 Wに等しいことが示された。
【0090】一方、ブレーキトルクTb ’がブレーキ圧
b と比例関係にあることから、微小ゲインGd は、ブ
レーキトルクTb ’に対する車輪速度ωw の比(ωw
b’)の共振周波数ω∞の振動成分と比例関係にあ
る。従って、(28)式の伝達特性により、微小ゲインGd
は次式によって表される。
【0091】
【数15】 一般に、(37)式において、 |A| = 0.012 << |B| = 0.1 (39) となることから、(35)、(36)式より、
【0092】
【数16】 を得る。すなわち、スリップ速度Δωに対する制動トル
クTb (又は制動力Tb/R)の勾配は微小ゲインGd
に比例する。
【0093】以上により、微小ゲインGd が路面μ勾配
(制動トルク勾配、制動力勾配)と等価な物理量である
ことが示され、この微小ゲインGd に基づいて路面状態
が精度良く演算できることがわかる。しかも、この微小
ゲインGd は、振動系の共振特性に基づき摩擦状態を正
確に表す車輪挙動量であるので、本発明によれば、より
正確に路面状態及びスリップ速度を演算することが可能
となる。なお、駆動力を微小励振した場合の微小ゲイン
は、駆動トルク勾配や駆動力勾配と等価であることは勿
論である。
【0094】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両状態量推定装
置の各実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1には、本発明の第1の実施の
形態に係る車両状態量推定装置の構成ブロック図が示さ
れている。同図に示すように、本車両状態量推定装置
は、左前輪(FL)、右前輪(FR)、左後輪(R
L)、右後輪(RR)の各車輪毎に、次のような構成ブ
ロックを備えている。すなわち、車輪速度Vw を検出す
る車輪速検出部65、車輪に作用する制動力Pc を検出
する制動力検出部34、車輪速度Vwに基づいて、共振
周波数ω∞でのブレーキ力微小振幅に対する車輪速度微
小振幅の比である微小ゲインGd (制駆動トルク勾配)
を演算する微小ゲイン演算部36、車輪速度Vw と制動
力Pc と微小ゲインGd とに基づいて、現在走行中の路
面状態と当該車輪のスリップ速度ΔVと当該車輪での車
速Vとを演算する路面状態演算装置10、車速Vに基づ
いて、微小ゲインGd を路面μ勾配αに変換する路面μ
勾配演算部90、及びスリップ速度ΔVと路面状態と路
面μ勾配αとに基づいて輪荷重Wを演算する輪荷重検出
部91を備えている。なお、各車輪について演算、検出
された上記各物理量は、FL、FR、RL、RRの添字
を付して他の車輪の物理量と互いに区別するものとす
る。
【0095】さらに、本車両状態量推定装置には、各車
輪毎の路面状態演算装置10と輪荷重検出部91とに接
続された車両状態量演算部92が含まれており、この車
両状態量演算部は、検出された各車輪の輪荷重WFL、W
FR、WRL、WRR及び車輪毎の車速VFL、VFR、VRL、V
RRに基づいて、上記の対応する各式により、横G、前後
G、ロール角、ピッチ角、カント路の傾斜角、横風によ
り受けた力、ヨーレート、及び横すべり角の少なくとも
いずれかを演算する。
【0096】このうち路面状態演算装置10は、図2に
示すように、車輪速度Vw と制動力Pc と微小ゲインG
d とから車体速度Vを演算する車速演算部70、及びこ
の車速演算部70により演算された車体速度Vと制動力
c と微小ゲインGd とから路面状態を演算する路面状
態演算部80から構成される。
【0097】このうち車速演算部70は、一定のスリッ
プ速度毎(0.1m/s,0.4m/s,0.8m/s,.....)に制動力と微
小ゲインとの関係を示すΔvテーブルをそれぞれ記憶し
ている変換部71、72、73、.....を備えてい
る。
【0098】この変換部71、72、73、...は、
検出された制動力を入力したときに、内部に記憶されて
いる図示のような関数関係のΔvテーブル(図7
(a)、(b)参照)に基づいて、この入力値に対応す
る微小ゲインGd1、Gd2、Gd3、.....(図2で
は、推定を示す∧付;以下、∧を省略)をそれぞれ変換
出力する。
【0099】また、車速演算部70は、該装置に入力さ
れた微小ゲインの検出値Gd から、変換部71、72、
73、.....により変換された微小ゲインGd1、G
d2、Gd3、....をそれぞれ減算することにより、差
分Gd −Gd1、Gd −Gd2、Gd −Gd3、....を各
々演算する差分器74、75、76を備えている。
【0100】さらに、車速演算部70は、差分器74、
75、76、...により演算された各差分の絶対値の
中から最小値を選択する最小値選択部77を備えてい
る。この最小値選択部77は、最小値を与えた微小ゲイ
ンを出力した変換部を特定し、この変換部に対応するス
リップ速度Δvを出力する。
【0101】また、最小値選択部77には、車速算出器
78が接続されている。この車速算出器78は、最小値
選択部77が出力したスリップ速度Δvに、車輪速検出
部65が検出した車輪速度Vw を加算することにより車
体速度Vを算出する。
【0102】なお、図示のように、最小値選択部77が
出力したスリップ速度Δv及び車速算出器78が算出し
た車体速度Vを路面演算装置10外部にも出力する。ま
た、最小値選択部77が出力したスリップ速度Δvを車
速算出器78が算出した車体速度Vで除算することによ
りスリップ速度ΔVを出力する除算器81を備えてい
る。 また、路面状態演算部80は、スリップ速度Δv
(又はスリップ速度)に対する路面μの勾配∂μ/∂Δ
v(本実施の形態では、微小ゲインGd とする)、制動
力Pc 、及び車体速度Vの3つの車輪挙動量の関係を示
す∂μ/∂Δvテーブルを乾燥路面(Dry )、雪路面
(Snow)、氷路面(Ice )について各々記憶している変
換部12、14、16を備えている。
【0103】この変換部12、14、16は、車体速度
及び制動力を入力したときに、内部に記憶されている図
示のような関数関係のテーブル(図4(c)参照)に基
づいて、この入力値に対応する微小ゲインGd1、Gd2
d3(図2では、推定を示す∧付;以下、∧を省略)を
それぞれ出力する。
【0104】なお、この変換部は、所定範囲の入力値に
対する変換値を予めすべて記憶し、データが入力される
と、該データの値に対応する変換値を出力するROMと
して構成することができる。また、∂μ/∂Δvテーブ
ルのような非線形関数を学習可能なニューラルネットワ
ークや、適用フィルタ等で構成することもできる。
【0105】また、路面状態演算部80は、該装置に入
力された微小ゲインの検出値Gd から、変換部12、1
4、16により変換された微小ゲインGd1、Gd2、Gd3
をそれぞれ減算することにより、差分Gd −Gd1、Gd
−Gd2、Gd −Gd3を各々演算する差分器18、20、
22を備えている。
【0106】さらに、路面状態演算部80は、差分器1
8、20、22により演算された各差分の絶対値の中か
ら最小値を選択する最小値選択部24を備えている。こ
の最小値選択部24は、最小値を与えた微小ゲインを出
力した変換部を特定し、この変換部に対応する路面状態
の情報を出力する。
【0107】また、図1の路面μ勾配演算部90は、例
えば、微小ゲインの各値に対する路面μ勾配のデータを
備えたテーブルを備えており、該テーブルによって、ス
リップ速度に対する制動力の勾配と等価な微小ゲインG
d を、スリップ速度に対する制動力の勾配と等価な路面
μ勾配αに変換する。
【0108】また、図1及び図2の制動力検出部34
は、ホイールシリンダ圧を制動力Pcに近似的に等しい
物理量として検出する圧力センサなどから構成すること
が可能であるが、車輪の力学的モデルに従って制動力を
以下のように正確に推定する手段として構成することも
できる。
【0109】すなわち、車輪には、車輪に対し車輪の回
転方向と反対方向に作用するブレーキトルクTB と、車
輪に対し摩擦力として車輪の回転方向に作用する制動力
FによるタイヤトルクTf と、が作用する。ブレーキト
ルクTB は、車輪のブレーキディスクに対し車輪の回転
を妨げるように作用するブレーキ力に由来するものであ
り、制動力F及びタイヤトルクTf は、車輪と路面との
間の摩擦係数をμB 、車輪半径をr、車輪荷重をWとし
たとき、次式によって表される。
【0110】F = μB W Tf = F×r = μB Wr 従って、車輪の運動方程式は、
【0111】
【数17】 となる。ただし、Iは車輪の慣性モーメント、ωは車輪
の回転速度(車輪速度)である。
【0112】車輪加速度(dω/dt)を検知し、ブレ
ーキディスクに加えられるホイールシリンダ圧に基づい
てブレーキトルクTB を求めれば、(41)式に基づいて制
動力Fを推定することができる。具体的には、アクセル
開度などから求めた車輪の駆動トルクと、外乱としての
制動力Fが車輪に作用する(41)式と等価な力学モデルを
オブザーバとして構成する。このオブザーバでは、(41)
式を2階積分することにより得られる回転位置と実際に
検出された回転位置との偏差を0に一致させるように制
御周期毎に等価モデルの外乱及び回転速度を修正し、修
正された外乱を制動力として推定する。
【0113】また、図1及び図2の微小ゲイン演算部3
6は、図12に詳細に示すように、平均ブレーキ圧の回
りに車体と車輪と路面とから構成される振動系の共振周
波数ω∞((29)式)でブレーキ圧を微小励振したとき
の、車輪速度Vw の共振周波数ω∞の微小振幅(車輪速
微小振幅ωwv)を検出する車輪速微小振幅検出部40
と、共振周波数ω∞のブレーキ圧の微小振幅Pv を検出
するブレーキ圧微小振幅検出部42と、検出された車輪
速微小振幅ωwvをブレーキ圧微小振幅Pv で除算するこ
とにより微小ゲインGd を出力する除算器44と、から
構成される。
【0114】このうち車輪速微小振幅検出部40は、共
振周波数ω∞の振動成分を抽出するフィルタ処理を行う
演算部として実現できる。例えば、この振動系の共振周
波数ω∞が40[Hz]程度であるので、制御性を考慮
して1周期を24[ms]、約41.7[Hz]に取
り、この周波数を中心周波数とするバンドパスフィルタ
を設け、このフィルタ出力を全波整流、直流平滑化する
ことにより車輪速微小振幅を出力する。また、周期の整
数倍、例えば1周期の24[ms]、2周期の48[m
s]の時系列データを連続的に取り込み、41.7[H
z]の単位正弦波、単位余弦波との相関を求めることに
よっても実現できる。
【0115】ここで、平均ブレーキ圧Pm の回りに共振
周波数のブレーキ圧微小振幅Pv を印加する微小励振手
段について説明する。まず、平均ブレーキ圧指令及び微
小励振指令を実際の車輪への制動トルクに変換する部分
(バルブ制御系)は、図15に示すように、マスタシリ
ンダ48、制御バルブ52、ホイールシリンダ56、リ
ザーバー58及びオイルポンプ60を備えている。
【0116】このうちブレーキペダル46は、ブレーキ
ペダル46の踏力に応じて増圧するマスタシリンダ48
を介して制御バルブ52の増圧バルブ50へ接続されて
いる。また、制御バルブ52は、減圧バルブ54を介し
て低圧源としてのリザーバー58へ接続されている。さ
らに、制御バルブ52には、該制御バルブによって供給
されたブレーキ圧をブレーキディスクに加えるためのホ
イールシリンダ56が接続されている。この制御バルブ
52は、入力されたバルブ動作指令に基づいて増圧バル
ブ50及び減圧バルブ54の開閉を制御する。
【0117】なお、この制御バルブ52が増圧バルブ5
0のみを開くように制御されると、ホイールシリンダ5
6の油圧(ホイールシリンダ圧)は、ドライバがブレー
キペダル46を踏み込むことによって得られる圧力に比
例したマスタシリンダ48の油圧(マスタシリンダ圧)
まで上昇する。逆に減圧バルブ54のみを開くように制
御されると、ホイールシリンダ圧は、ほぼ大気圧のリザ
ーバ58の圧力(リザーバ圧)まで減少する。また、両
方のバルブを閉じるように制御されると、ホイールシリ
ンダ圧は保持される。
【0118】ホイールシリンダ56によりブレーキディ
スクに加えられるブレーキ力(ホイールシリンダ圧に相
当)は、マスタシリンダ48の高油圧が供給される増圧
時間、リザーバー58の低油圧が供給される減圧時間、
及び供給油圧が保持される保持時間の比率と、圧力セン
サ等により検出されたマスタシリンダ圧及びリザーバー
圧とから求められる。
【0119】従って、制御バルブ52の増減圧時間をマ
スタシリンダ圧に応じて制御することにより、所望のブ
レーキトルクを実現することができる。そして、ブレー
キ圧の微小励振は、平均ブレーキ力を実現する制御バル
ブ52の増減圧制御と同時に共振周波数に対応した周期
で増圧減圧制御を行うことにより可能となる。
【0120】具体的な制御の内容として、図16に示す
ように、微小励振の周期(例えば24[ms])の半周
期T/2毎に増圧と減圧のそれぞれのモードを切り替
え、バルブへの増減圧指令は、モード切り替えの瞬間か
ら増圧時間ti 、減圧時間trのそれぞれの時間分だけ
増圧・減圧指令を出力し、残りの時間は、保持指令を出
力する。平均ブレーキ力は、マスタシリンダ圧に応じた
増圧時間ti と減圧時間tr との比によって定まると共
に、共振周波数に対応した半周期T/2毎の増圧・減圧
モードの切り替えによって、平均ブレーキ力の回りに微
小振動が印加される。
【0121】なお、ブレーキ圧微小振幅Pv は、マスタ
シリンダ圧、図16に示したバルブの増圧時間ti の長
さ、及び減圧時間tr の長さによって所定の関係で定ま
るので、図12のブレーキ圧微小振幅検出部42は、マ
スタシリンダ圧、増圧時間t i 及び減圧時間tr からブ
レーキ圧微小振幅Pv を出力するテーブルとして構成す
ることができる。
【0122】次に、第1の実施の形態の作用を説明す
る。制動力検出部34により検出された制動力Pc が、
車速演算部70の各変換部71、72、73、...に
入力されると、各変換部は、それぞれに与えられたΔv
テーブルにより、入力された検出値を変換し、検出値に
対応する微小ゲインGd1、Gd2、Gd3、....をそれ
ぞれ出力する。
【0123】変換された微小ゲインGd1、Gd2
d3、...と共に、微小ゲイン演算部36により演算
された微小ゲインGd が、差分器74、75、7
6、....にそれぞれ入力されると、これらの差分器
は、差分Gd −Gd1、Gd −Gd2、Gd
d3、....をそれぞれ演算し、最小値選択部77に
出力する。
【0124】最小値選択部77では、演算された差分の
中から最も絶対値の小さい差分を選択し、選択された最
小差分値を与えた変換部を特定する。そして、この特定
された変換部に対応するスリップ速度Δvを出力する。
例えば、Gd −Gd2が最小値となった場合、スリップ速
度を、変換部72に対応する0.4m/sとして出力す
る。
【0125】そして、車速算出器78が、最小値選択部
77が出力したスリップ速度Δvと、車輪速検出部65
が検出した車輪速度Vw とを加算することにより車速V
を演算し、路面状態演算部80に出力する。
【0126】また、最小値選択部77が出力したスリッ
プ速度Δv及び車速算出器78が算出した車速Vは、装
置外部へ出力されると共に、除算器81によってΔv/
Vが演算され、この演算結果がスリップ速度ΔVとして
出力される。
【0127】路面状態演算部80の各変換部12、1
4、16は、それぞれに与えられた∂μ/∂Δvテーブ
ルにより、入力された車速V及び制動力Pc に対応する
微小ゲインGd1、Gd2、Gd3をそれぞれ変換出力する。
【0128】変換された微小ゲインGd1、Gd2、Gd3
共に、微小ゲイン演算部36により演算された微小ゲイ
ンGd が、差分器18、19、20にそれぞれ入力され
ると、これらの差分器は、差分Gd −Gd1、Gd
d2、Gd −Gd3をそれぞれ演算し、最小値選択部24
に出力する。
【0129】最小値選択部24では、演算された差分の
中から最も絶対値の小さい差分を選択し、選択された最
小差分値を与えた変換部を特定する。そして、この特定
された変換部に対応する路面状態を所定形式の情報コー
ドなどで出力する。この形式により表された情報コード
は、Dry,Snow,Iceのいずれかに対応するもので、路面状
態演算装置10が適用された車両の制御部が認識可能な
形式で表される。例えば、Gd −Gd3が最小値となった
場合、路面状態が”Ice ”の情報コードを出力する。
【0130】次に、輪荷重検出部91は、荷重移動の無
い状態で計測された図3の基準特性におけるスリップ速
度と路面μ勾配との関係を示すテーブル(図示なし)を
路面状態毎に備えており、演算された路面状態に対応す
るテーブルに基づき、演算されたスリップ速度ΔVに対
応する路面μ勾配α’を求める。そして、この路面μ勾
配α’、路面μ勾配演算部90により演算された路面μ
勾配α、及び予めデータとして備えられた静止荷重
f0、に基づき、(6) 式より輪荷重Wを演算する。
【0131】車両状態量演算部92では、演算された各
車輪の輪荷重WFL、WFR、WRL、W RRに基づいて、横
G、前後G、ロール角、ピッチ角、カント路の傾斜角、
横風により受けた力の少なくともいずれかを演算する
((10)式、(11)式、(20)式、(21)式、(23)式、(24)
式)。なお、横G及びカント路の傾斜角を演算するとき
は、車輪毎の車速VFL、VFR、VRL、VRRに基づいて、
旋回中であるか直進中であるかを判定し、旋回中である
ときは横Gを、直進中であるときは、カント路の傾斜角
を演算する。
【0132】また、車輪毎の車速VFL、VFR、VRL、V
RRに基づいて、(25)式よりヨーレートを、(26)式より車
体横すべり角を演算する。 (第2の実施の形態)第2の実施の形態は、図1及び図
2の微小ゲイン演算部36の代わりに、車輪速検出部6
5により検出された所定のサンプル時間τ毎の車輪速度
の時系列データに基づいて、オンライン同定手法を用い
てスリップ速度に対する制動トルク(駆動トルク)の勾
配(制動トルク勾配)を推定するトルク勾配推定部を備
える(図示しない)。他の構成については、第1の実施
の形態と同様であるので、同一の符号を付して詳細な説
明を省略する。以下、第2の実施の形態に係るトルク勾
配推定部の推定原理について説明する。 (制動トルク又は駆動トルクの勾配の推定原理)各車輪
の車輪運動及び車体運動は次式の運動方程式によって記
述される。なお、以下では、車輪数を4輪と仮定する
が、本実施の形態は、これに限定されるものではない。
【0133】
【数18】 ただし、Fi ’は、第i輪に発生した制動力、Tbiは踏
力に対応して第i輪に加えられたブレーキトルク、Mは
車両質量、Rc は車輪の有効半径、Jは車輪慣性、vは
車体速度である。なお、・は時間に関する微分を示す。
(42)式、(43)式において、Fi ’はスリップ速度(v/
c −ωi )の関数として示されている。
【0134】ここで、車体速度を等価的な車体の角速度
ωv で表すと共に、制動トルクRci ’をスリップ速
度の1次関数(傾きki 、y切片Ti )として記述す
る。
【0135】 v = Rc ωv (44) Rc i ’(ωv −ωi )=ki ×(ωv −ωi )+Ti (45) さらに、(44)、(45)式を(42)、(43)式へ代入し、車輪速
度ωi 及び車体速度ω v をサンプル時間τ毎に離散化さ
れた時系列データωi [k] 、ωv [k] (kはサンプル時
間τを単位とするサンプル時刻、k=1,2,.....)として
表すと次式を得る。
【0136】
【数19】 ここで、(46)、(47)式を連立し、車体の等価角速度ωv
を消去すると、
【0137】
【数20】 を得る。
【0138】ところで、スリップ速度3rad/s という条
件下でRc Mg/4(gは重力加速度)の最大制動トル
クの発生を仮定すると、
【0139】
【数21】 を得る。ここで、具体的な定数として、τ=0.005 (se
c) 、Rc =0.3 (m) 、M=1000(kg)を考慮すると、max
(ki ) =245 となる。従って、
【0140】
【数22】 となり、(48)式は次式のように近似することができる。
【0141】
【数23】 である。
【0142】このように整理することにより、(49)式は
未知係数ki 、fi に関し、線形の形で記述することが
可能となり、(49)式にオンラインのパラメータ同定手法
を適用することにより、スリップ速度に対する制動トル
ク勾配ki を推定することができる。
【0143】なお、制動トルクが作用している場合だけ
でなく、駆動トルクが作用している場合においても、同
様に(49)式にオンラインのシステム同定手法を適用する
ことにより、スリップ速度に対する駆動トルクの勾配
(以下、「駆動トルク勾配」という)を求めることがで
きる。
【0144】例えば、以下のステップ1と、オンライン
のシステム同定手法の一手法である最小自乗法に基づい
て導出された以下のステップ2と、を繰り返すことによ
り、検出された車輪速度の時系列データωi [k] から制
動トルク勾配又は駆動トルク勾配を推定することができ
る。
【0145】
【数24】 とおく。
【0146】なお、(50)式の行列φi [k] の第1要素
は、1サンプル時間での車輪速度の変化に関する物理量
であり、(51)式は、1サンプル時間の車輪速度の変化の
1サンプル時間での変化に関する物理量である。これ
は、(49)式が車輪( 減速度) 運動の運動方程式となって
いることを表しており、制動トルク勾配は車輪減速度の
動特性を表現する特性根と比例していることがわかる。
すなわち、制動トルク勾配の同定は、車輪(減速度)運
動の特性根を同定することと解釈することもできる。
【0147】
【数25】 という漸化式からθi の推定値を演算し、このθi の推
定値の行列の第一要素を推定された制動トルクの勾配と
して抽出する。ただし、λは過去のデータを取り除く度
合いを示す忘却係数(例えばλ=0.98)であり、”
T ”は行列の転置を示す。
【0148】なお、(52)式の左辺のθi は、車輪速度の
変化に関する物理量の履歴及び車輪速度の変化の変化に
関する物理量の履歴を表す物理量である。
【0149】第2の実施の形態では、制駆動力を微小励
振することなく、かつ車輪速度のみから制駆動トルク勾
配を推定できるので、ハードウェアを簡素化できるとい
う利点がある。 (第3の実施の形態)制動トルク勾配は、車輪減速度及
びブレーキトルクから推定することもできる。そこで、
第3の実施の形態は、図1及び図2の微小ゲイン演算部
36の代わりに、所定のサンプル時間τ毎の車輪減速度
の時系列データ及びブレーキトルクの時系列データに基
づいて、オンライン同定手法を用いて制動トルク勾配を
推定する制動トルク勾配推定部を備える(図示しな
い)。なお、車輪減速度は、車輪速検出部65により検
出された車輪速度から演算してもよい。また、ブレーキ
トルクは、圧力センサ等によって検出されたホイールシ
リンダ圧から推定可能である。
【0150】他の構成については、第1の実施の形態と
同様であるので、同一の符号を付して詳細な説明を省略
する。以下、第3の実施の形態に係る制動トルク勾配推
定部の推定原理について説明する。 (制動トルク勾配の推定原理)(42)、(43)式を、制動ト
ルクFi (=Fi ’・Rc )、角速度換算の車速ω
v(=v/Rc )を用いて表すと、
【0151】
【数26】 となる。
【0152】さらに、(53)式より、第i輪の車輪減速度
i (=−dωi /dt)は、
【0153】
【数27】 と表される。
【0154】ここで、第i輪のスリップ速度(ωv −ω
i )をxi に置き換えて、(53)〜(55)式を整理すると、
【0155】
【数28】 となる。
【0156】ここで、第i輪の制動トルクFi は、スリ
ップ速度の非線形関数(図14参照)であると仮定し、
あるスリップ速度xi 近傍の制動トルクF(xi )を次
式のように直線で近似する。すなわち、制動トルクF
(xi )がスリップ速度xi に対して制動トルク勾配k
i に応じて一次関数的に変化する勾配モデルを適用す
る。
【0157】 Fi (xi ) = ki i +μi (58) ここで、第i輪(i=1,2,3,4)に関し、スリップ速度の時
系列データをxi [j]、ブレーキトルクの時系列デー
タをTbi[j]、車輪減速度の時系列データをy
i [j]とする(j=0,1,2,....)。但し、各時系列デ
ータは、所定のサンプリング時間τ毎にサンプリングさ
れたものとする。
【0158】(58)式を(56)、(57)式に代入し、得られた
式をサンプリング時間τ毎の上記時系列データを用いて
離散化すると、
【0159】
【数29】 となる。すなわち、x[j]、y[j]、Tb [j]
は、各車輪についてのスリップ速度、車輪減速度、ブレ
ーキトルクをそれぞれ各成分に持つベクトルである。
【0160】ところで、(60)式より、1サンプル後の車
輪減速度y[j+1]は、
【0161】
【数30】 となる。
【0162】(60)、(61)式より、 K・(x[j+1]−x[j]) =−J(y[j+1]−y[j])+Tb [j+1]−Tb [j] (62) が得られる。
【0163】(62)式において、 φ = x[j+1]−x[j] (63) f =−J(y[j+1]−y[j])+Tb [j+1]−Tb [j] (64) と置くと、 K・φ = f (65) となる。
【0164】ここで、φの意味を考えると、隣接するサ
ンプル間のスリップ速度の差、すなわち、スリップ速度
の変化に関する物理量を示していることがわかる。
【0165】(59)、(60)式を連立させて(Kx[j]+
μ)の項を消去して整理すると、(63)式より、
【0166】
【数31】 が得られる。
【0167】また、制動トルクの時系列データをF
[j](第i輪の制動トルクの時系列データFi [j]
を成分に持つベクトル)として、(55)式を離散化して整
理すると、 F[j]=−Jy[j]+Tb [j] (67) が得られる。
【0168】そして、(64)式に、(67)式を適用すると、 f = F[j+1]−F[j] (68) となる。
【0169】(68)式より、fは、隣接するサンプル間の
制動トルクの差、すなわち、制動トルクの変化に関する
物理量を示していることがわかる。
【0170】以上より、(53)〜(55)式で示された車輪の
運動状態を、(58)式の勾配モデルで(59)、(60)式のよう
に近似すると共に、この近似された運動状態を、(65)式
の関係に変換できることが示された。すなわち、車輪の
運動状態は、同定すべきパラメータであるスリップ速度
に対する制動トルクの勾配、それぞれブレーキトルクと
車輪減速度とにより(64)、(66)式で表わされた制動トル
クの変化に関する物理量及びスリップ速度の変化に関す
る物理量の間の関係に帰着できる。
【0171】これによって、同定パラメータを1つとす
ることができ、演算精度の向上及び演算時間の短縮化が
図れる。
【0172】ここで、(65)式を、第i輪について示す
と、 ki ・φi = fi (69) となる。ただし、(65)式のfとφとを f=[f1 2 3 4 T φ=[φ1 φ2 φ3 φ4 T とした。
【0173】本実施の形態では、第i輪の車輪減速度の
時系列データyi [j]及び第i輪のブレーキトルクの
時系列データTbi[j]に基づいて第i輪のfi 、φi
を(64)、(66)式より演算し、演算されたfi 、φi を(6
9)式に代入することにより得られた各データに、オンラ
インのシステム同定手法を適用することにより第i輪の
制動トルク勾配ki を推定演算することができる。
【0174】第3の実施の形態では、制動力(ブレーキ
トルク)を微小励振することなく、かつ車輪減速度及び
ブレーキトルクから制駆動トルク勾配を推定できるの
で、ハードウェアを簡素化できるという利点がある。
【0175】以上が本発明の各実施の形態であるが、本
発明は、上記例にのみ限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲内において任意好適に変更可能
である。
【0176】例えば、上記実施の形態では、路面状態
を、乾燥路面、雪路面、氷路面の3種類に分類したが、
他の種類の路面、例えば、じゃり道、砂路面、雨路面等
のような路面を演算したり、3種類より多い路面状態
を、もっときめ細かく演算することもできる。
【0177】また、図2では、車体速度と制動力を各テ
ーブルにより微小ゲインに変換し、この微小ゲインの変
換値と検出値とを比較したが、微小ゲインと車体速度、
或いは微小ゲインと制動力を各テーブルにより制動力或
いは車体速度に変換し、この変換値と、同じ車輪挙動量
の検出値とを比較することにより路面状態を演算するこ
とも可能である。また、Δvテーブルについても同様で
ある。
【0178】さらに、上記実施の形態では、制動時にお
ける車両状態量を演算したが、本発明は、これに限定さ
れるものではなく、駆動時においても同様に車両状態量
を演算できるように容易に拡張できる。この場合、制動
力検出部34は、駆動力を検出する手段として構成す
る。また、微小ゲインから路面μ勾配を検出する場合
は、駆動力を微小励振し、駆動力の微小励振振幅と車輪
速度の微小振幅との比から微小ゲインを求める。
【0179】また、路面μ勾配演算部90では、微小ゲ
イン演算部36等により演算されたスリップ速度に対す
る制駆動力の勾配Gd を、直接、輪荷重検出部91へ入
力するように構成することができる。この場合、勾配G
d の車速依存性を補償するため、路面状態演算装置10
で、スリップ速度ΔVの代わりにスリップ速度Δvと車
速Vとを出力する。そして、輪荷重検出部91では、ス
リップ速度と勾配Gdとの関係を、路面状態毎及び車速
毎に記憶しており、入力された車速V、路面状態、スリ
ップ速度Δvに対応した勾配Gd0を求め、(7) 式の関係
より、輪荷重を求める。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び請求
項2の発明によれば、輪荷重の変化を直接的に反映す
る、実際の路面での路面μ勾配を演算し、さらに基準特
性におけるスリップ速度と路面μ勾配との路面状態毎の
関係に基づいて、演算された路面状態及びスリップ速度
に対応する路面μ勾配、すなわち基準特性での路面μ勾
配を求め、該路面μ勾配と実際の路面での路面μ勾配と
に基づいて、車輪の荷重を演算するようにしたので、セ
ンサにより検出された加速度などから間接的に輪荷重を
推定する方法と比較して、制動非制動の別、及び路面状
態や荷重分布などのような外的条件に係わらず、輪荷重
を簡単かつ正確に推定できる、という優れた効果が得ら
れる。
【0181】さらに、請求項2の発明によれば、輪荷重
演算手段により演算された車輪の荷重に基づいて、前後
方向の車体加速度、横方向の車体加速度、ピッチ角、ロ
ール角、カント路の傾斜角、横風により車体が受けた力
の大きさの少なくともいずれかを演算するようにしたの
で、該車両状態量を用いて車両安定化制御をより正確に
行うことができる、という効果が得られる。
【0182】また、請求項3及び請求項4の発明によれ
ば、制駆動時におけるスリップ速度の変化を直接的に反
映する、実際の路面での路面μ勾配と、実際に車輪に作
用する制駆動力と、からスリップ速度を求め、該スリッ
プ速度と検出された車輪速度とからヨーレートを演算す
るようにしたので、制駆動時においても、きわめて正確
にヨーレートを演算することができる、という優れた効
果が得られる。
【0183】さらに、請求項4の発明によれば、横方向
の車体加速度及びヨーレート演算手段により演算された
ヨーレートに基づいて、制駆動時においても、車体横す
べり角を正確に演算することができ、車両安定化制御を
より正確に行うことができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る車両状態量推
定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る路面状態演算
装置の構成を示すブロック図である。
【図3】タイヤにおけるスリップ速度ΔVと制駆動力μ
Wとの関係を示す図である。
【図4】路面μ特性を表す車輪挙動量の相互関係を示す
グラフであって、(a)はスリップ速度と路面μとの関
係、(b)はスリップ速度と制動力との関係、(c)は
各車速毎の制動力と路面μ勾配Gd との関係を示す。
【図5】路面状態及び車速毎の制動力Pc とスリップ速
度Δvとの関係を示すグラフである。
【図6】路面状態及び車速毎のスリップ速度Δvと路面
μ勾配Gd との関係を示すグラフであって、(a)は乾
燥路面、(b)は雪路面についてのグラフである。
【図7】スリップ速度Δvをパラメータとした場合の制
動力Pc と路面μ勾配Gd との関係を各車速毎に示した
グラフであって、(a)は乾燥路面、(b)は雪路面に
ついてのグラフである。
【図8】図7に基づいて、車速及び路面状態毎に制動力
c と路面μ勾配Gd との関係を求めたグラフであっ
て、(a)は車速V=20km/h、(b)は車速V=
40km/h、(c)は車速V=60km/hの場合に
ついてのグラフである。
【図9】制動時における前後Gと輪荷重との関係を説明
するための、車体横方向から見たハーフカーモデルであ
る。
【図10】旋回時における横Gと輪荷重との関係を説明
するための、車体前後方向から見たハーフカーモデルで
ある。
【図11】カント路の傾斜角と輪荷重との関係を説明す
るための、車体前後方向から見たハーフカーモデルであ
る。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る微小ゲイン
演算部の構成を示すブロック図である。
【図13】車輪と車体と路面とから構成される振動系の
等価モデルを示す図である。
【図14】スリップ速度に対する摩擦係数μの変化特性
を示すと共に、微小ゲインが制動トルク勾配と等価であ
ることを説明するため、微小振動の中心の回りのμの変
化が直線で近似できることを示す図である。
【図15】ブレーキ部のハードウェア構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】ブレーキ圧の微小励振と平均ブレーキ力の制
御を同時に行う場合の制御バルブへの指令を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 路面状態演算装置 34 制動力検出部 36 微小ゲイン演算部 65 車輪速検出部 90 路面μ勾配演算部 91 輪荷重検出部 92 車両状態量演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 英一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫横道41番地 の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫横道41番地 の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 菅井 賢 愛知県愛知郡長久手町大字長湫横道41番地 の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    と、 スリップ速度に対する制駆動力の勾配又は該勾配に関連
    した物理量である路面μ勾配を演算する路面μ勾配演算
    手段と、 車輪に作用する制駆動力を推定する制駆動力推定手段
    と、 前記車輪速度検出手段により検出された車輪速度、前記
    路面μ勾配演算手段により演算された路面μ勾配及び前
    記制駆動力推定手段により推定された制駆動力に基づい
    て、路面状態及びスリップ速度を演算する路面演算手段
    と、 基準特性におけるスリップ速度と路面μ勾配との関係を
    路面状態毎に記憶する記憶手段と、 前記記憶手段により記憶された前記関係に基づいて、前
    記路面演算手段により演算された路面状態及びスリップ
    速度に対応する路面μ勾配を求める処理手段と、 前記処理手段により求められた路面μ勾配と前記路面μ
    勾配演算手段により演算された路面μ勾配とに基づい
    て、車輪の荷重を演算する輪荷重演算手段と、 を含む車両状態量推定装置。
  2. 【請求項2】 前記輪荷重演算手段により演算された車
    輪の荷重に基づいて、前後方向の車体加速度、横方向の
    車体加速度、ピッチ角、ロール角、カント路の傾斜角、
    横風により車体が受けた力の大きさの少なくともいずれ
    かを演算する車両状態量演算手段、 をさらに含む請求項1の車両状態量推定装置。
  3. 【請求項3】 車輪速度を検出する車輪速度検出手段
    と、 スリップ速度に対する制駆動力の勾配である路面μ勾配
    を演算する路面μ勾配演算手段と、 車輪に作用する制駆動力を推定する制駆動力推定手段
    と、 前記路面μ勾配演算手段により演算された路面μ勾配及
    び前記制駆動力推定手段により推定された制駆動力に基
    づいて、スリップ速度を演算するスリップ速度演算手段
    と、 前記車輪速度検出手段により検出された前輪及び後輪の
    少なくともいずれかの車輪速度と前記スリップ速度演算
    手段により演算された前輪及び後輪の少なくともいずれ
    かのスリップ速度とに基づいて、ヨーレートを演算する
    ヨーレート演算手段と、 を含む車両状態量推定装置。
  4. 【請求項4】 横方向の車体加速度及び前記ヨーレート
    演算手段により演算されたヨーレートに基づいて、車体
    横すべり角を演算する横すべり角演算手段、 をさらに含む請求項3の車両状態量推定装置。
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