JPH11188341A - 生ゴミ衛生処理システム - Google Patents

生ゴミ衛生処理システム

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Publication number
JPH11188341A
JPH11188341A JP9367012A JP36701297A JPH11188341A JP H11188341 A JPH11188341 A JP H11188341A JP 9367012 A JP9367012 A JP 9367012A JP 36701297 A JP36701297 A JP 36701297A JP H11188341 A JPH11188341 A JP H11188341A
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JP
Japan
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garbage
temperature
sanitary
treatment system
hot water
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Pending
Application number
JP9367012A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimiaki Yasuda
公昭 安田
Koichi Yoshida
孝一 吉田
Haruki Mizukami
春樹 水上
Kiminobu Saitou
仁信 斉藤
Susumu Terashita
将 寺下
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BIO MATERIAL KK
Original Assignee
BIO MATERIAL KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】主に厨芥と呼ばれる生ゴミの衛生的な処理手段
を提供することである。この処理手段の提供に際して
は、この手段が清潔かつ衛生的であることは勿論のこ
と、設置コストや運営コストが低コストであり、取扱い
が簡便であり、さらには厨芥中に特に多く含まれるラー
ド等の動物油脂や植物油の処理を効率的に行うことがで
きること等が要求される。 【解決手段】例えば、熱湯を循環させることにより、生
ゴミの流通時の温度を75℃以上に設定し得る、好まし
くはその導入部を生ゴミの廃棄口に直結させた生ゴミの
流通手段と、この流通手段により流通させた生ゴミを、
前記の温度を保ちつつ、特に好熱菌によって生物学的に
分解処理し得る生ゴミの分解処理手段を備えた生ゴミ衛
生処理システムを提供することにより、この課題が解決
され得ることを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生ゴミの処理に関
する技術分野の発明である。より詳細には、生ゴミを効
率的、かつ衛生的に分解処理するための「生ゴミ衛生処
理システム」に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】レストランや食品加工工場においては、
必然的に野菜や魚のくず等の生ゴミ(厨芥)が日々発生
している。このような生ゴミは、放置すると腐敗を伴う
ものであり、特に衛生面から迅速に処理することが必要
とされる。現在、レストランや食品加工工場で発生した
生ゴミは、事業系一般廃棄物又は産業廃棄物として処理
されている。最近では、事業所ごとにコンポスター等の
生ゴミ処理機を設置し、又は生ゴミを回収して、コンポ
スト化し、これを肥料として再利用する試みも行われは
じめている。また、海外では、生ゴミはディスポーザー
と呼ばれる厨芥処理器により処理されることが多い。
【0003】しかしながら、生ゴミを廃棄物として処理
する場合、水分が多く含まれ腐敗しやすいため、処理コ
ストがかかることが問題とされている。また、生ゴミを
コンポスト化して再利用する場合には、肥料としての品
質やコスト等に問題がある。さらに、これらのいずれの
場合においても、生ゴミを処理する上で発生する厨房の
衛生問題に関しては何ら対策がない状態である。また、
ディスポーザーを利用する場合は、生ゴミを保管する必
要がないために、衛生面における効果が期待される。し
かしながら、このディスポーザーは、生ゴミを粉砕処理
する器具であり、モーターでカッターを高速回転させて
微細化し、これを排水と共に流すための器具である。よ
って、特に下水道の完備していない地区では悪臭発生等
の問題が多く、使用が禁止されているところさえ認めら
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が解決
すべき課題は、このような主に厨芥と呼ばれる生ゴミの
衛生的な処理手段を提供することにある。そして、この
処理手段の提供に際しては、この手段が清潔かつ衛生的
であることは勿論のこと、設置コストや運営コストが低
コストであり、取扱いが簡便であり、さらには厨芥中に
特に多く含まれるラード等の動物油脂や植物油の処理を
効率的に行うことができること等が要求される。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この課題の
解決に向けて鋭意検討を行った。その結果、加熱による
殺菌処理と、好熱菌を用いた油脂等の分解処理とを組み
合わせた「衛生処理システム」により、この課題が解決
され得ることを見出し、本発明を完成した。すなわち、
本発明者は本願において、以下の発明を提供する。
【0006】請求項1において、生ゴミの流通時の温度
を75℃以上に設定し得る生ゴミの流通手段と、この流
通手段により流通させた生ゴミを、前記の温度を保ちつ
つ生物学的に分解処理し得る生ゴミの分解処理手段を備
えた生ゴミ衛生処理システムを提供する。
【0007】なお、本発明において「生ゴミ衛生処理シ
ステム」とは、上記厨芥に代表される生ゴミを、雑菌が
残存せずに、かつ少なくともその処理に手間取るラード
等の動物性油脂や植物油を、閉鎖的に分解処理し得る生
ゴミの処理システムのことをいう。
【0008】請求項2において、生ゴミの流通手段にお
ける生ゴミの導入部が生ゴミの廃棄口に連結してなる、
前記請求項1記載の生ゴミ衛生処理システムを提供す
る。
【0009】請求項3において、前記請求項1又は請求
項2記載の生ゴミ衛生処理システムにおいて、生ゴミの
流通手段での生ゴミの流通時の温度を75℃以上に設定
する方法が、この生ゴミの流通手段の導入部近傍から生
ゴミの分解処理手段に向かい、75℃以上の熱湯を流通
させることである、生ゴミ衛生処理システムを提供す
る。
【0010】請求項4において、生ゴミの分解処理手段
が、好熱菌で生ゴミを分解処理する分解処理手段であ
る、前記請求項1乃至請求項3のいずれかの請求項に記
載された生ゴミ衛生処理システムを提供する。
【0011】請求項5において、前記請求項1乃至請求
項4のいずれかの請求項記載の生ゴミ衛生処理システム
において、生ゴミの流通手段に、さらに生ゴミの粉砕手
段が設けられている生ゴミ衛生処理システムを提供す
る。
【0012】請求項6において、前記請求項1乃至請求
項5のいずれかの請求項記載の生ゴミ衛生処理システム
において、このシステム内を流通した生ゴミを、脱水し
た状態で生ゴミの分解処理手段に移行させる生ゴミの固
液分離手段が設けられている、生ゴミ衛生処理システム
を提供する。
【0013】請求項7において、衛生処理する生ゴミ
を、生ゴミの流通手段の導入部から導入して、この流通
手段における温度を75℃以上に保ちつつ生ゴミを流通
させて、生ゴミの雑菌を高温殺菌処理し、次いで生ゴミ
の分解処理手段において、この生ゴミの高温殺菌処理物
の生分解性成分を分解しつつ、生ゴミに残存する雑菌を
殺菌して生ゴミを衛生処理するための、前記請求項1乃
至請求項6のいずれかの請求項記載の生ゴミの衛生処理
システムの使用を提供する。
【0014】本発明に関わる「生ゴミの衛生処理システ
ム」(以下、本発明衛生処理システムという)は、上述
の通り、生ゴミを流通させるための「流通手段」と,流
通させた生ゴミを分解処理するための「分解処理手段」
とを、最低限備える衛生処理システムである。
【0015】この流通手段において流通する生ゴミの雑
菌を、生ゴミ流通時の温度を75℃以上に設定すること
により概ね殺菌し、さらにこの殺菌処理済の生ゴミを
「分解処理手段」において、少なくとも厨芥に多く含ま
れるラード等の油脂を分解することにより、閉じた環境
で、食品加工工場やレストラン等で発生した厨芥を清潔
かつ効率的に処理することが可能である。
【0016】このように処理された生ゴミは、概ね水や
炭酸ガスに分解され、通常の排水等により廃棄しても環
境に悪影響を及ぼすことがない。なお、炭酸ガスの一部
は、下水等と混和され、再び植物に吸収される等、焼却
により発生する炭酸ガスとは異なる運命を辿ることが知
られている。
【0017】多くの場合、「流通管」としての形態をと
る上記の流通手段の導入部を、生ゴミの「廃棄口」に連
結させることにより、この廃棄口に廃棄された厨芥等の
生ゴミが直接本発明衛生処理システムに導入される故、
極めて効率的である。従って、この生ゴミの「廃棄口」
と連結している本発明衛生処理システムは、非常に好ま
しい態様の一つである。
【0018】また、本発明衛生処理システムにおいて
は、生ゴミの流通時の温度を75℃以上に設定すること
が必要である。この温度を75℃以上に保つ手段は特に
限定されないが、例えば生ゴミの流通手段の導入部近傍
から、後述する生ゴミの分解処理手段に向かい、75℃
以上の熱湯を流通させること等を挙げることができる。
このように、流通手段において75℃以上の熱湯を流通
させることにより、生ゴミの雑菌を高温殺菌することが
可能であり、かつ生ゴミの流通を促進することが可能で
ある。
【0019】なお、この75℃以上という設定温度は、
高温により通常の雑菌を殺菌可能な最低限の温度の目安
である。よって、例えば後述する分解処理手段が、好熱
菌による生物学的な分解である場合には、この好熱菌の
生育至適温度に近似した温度に設定することが可能であ
り、かつ好ましい。具体的には、好熱菌の種類によって
は、80℃〜85℃に上記温度を設定することが好まし
い。流通時の温度は、可能な限り高温とすると、より効
率的に所望する生ゴミの雑菌を殺菌することが可能であ
り好ましい。
【0020】本発明衛生処理システムにおける「分解処
理手段」は、生ゴミを自然環境に適合した形態に分解処
理することが可能な限り、特にその形態が限定されるも
のではないが、可能な限り前述した流通手段における加
温処理に適合した手段を選択することが好ましい。
【0021】かかる視点から、例えば分解処理槽で、上
述した好熱菌で生ゴミを分解処理する方法を選択するこ
とが好ましい。すなわち、この方法を選択することによ
り、上記の生ゴミの流通手段において加温処理された生
ゴミを低温処理することなく、そのままこの「分解処理
手段」に導入することが可能であり、前記加温処理にお
いても殺菌されなかった生ゴミの雑菌を、この分解処理
と同時に完璧に殺菌することが可能である。
【0022】好熱菌は、75℃以上の、通常の微生物が
生育することが困難な高温環境において好適に生育する
ことが可能であり、かつ少なくとも生ゴミ中のラードや
植物油等の油脂成分を分解することができることが必要
である。この意味から、好熱菌として、例えばその生育
と共に油脂成分を分解するリパーゼを分泌する「リパー
ゼ産生好熱菌」を選択することが好ましい。
【0023】本発明衛生処理システムにおいては、前記
した生ゴミの流通手段に、さらに生ゴミの粉砕手段が設
けられていることが好ましい。すなわち、この生ゴミの
流通手段における高温処理に先立って、又はこの高温処
理と共に、投入された生ゴミを粉砕することによって、
所望する衛生処理の効率を高めることが可能である。こ
の粉砕手段の形態は、特に限定されるものでなく、例え
ば従来のディスポーザーと同様に、モーターでカッター
を高速回転させて、投入された生ゴミを粉砕処理するこ
とが可能である。
【0024】また、前記の生ゴミの流通手段における加
温方法として、75℃以上の熱湯を流通させる方法を選
択する場合は、生ゴミが吸収した余分な水分を除去し
て、脱水した状態で生ゴミを分解処理手段に移行させ
る、生ゴミの固液分離手段が設けられていることが好ま
しい。すなわち、生ゴミの余分な水分を除去することに
より、分解処理手段における温度をむやみに下げること
なく、好熱菌にとって最適な温度に維持することが可能
である。
【0025】このように、本発明衛生処理システムにお
いて、厨芥等の生ゴミを、前記流通手段の導入部から導
入して、この流通手段における温度を75℃以上に保ち
つつ生ゴミを流通させて、生ゴミの雑菌を高温殺菌処理
し、次いで前記分解処理手段において、この生ゴミの高
温殺菌処理物の生分解性成分を分解しつつ、生ゴミに残
存する雑菌を殺菌して生ゴミを衛生処理することが可能
である。
【0026】かかる意味で、本発明はこのような本発明
衛生処理システムの使用をも提供する。なお、本発明衛
生処理システムにおいて、生ゴミの分解手段として好熱
菌を用いる場合には、殺菌処理と分解処理とを同時に前
記生ゴミの分解手段において行うことも可能である。す
なわち、殺菌処理前の生ゴミを前記分解処理手段に導入
することにより、好熱菌で生ゴミを分解すると同時に、
生ゴミの雑菌を高温(好熱菌の至適温度)に晒すことに
より、殺菌処理を行うことが可能である。
【0027】このような場合においては、前述の生ゴミ
の流通手段における加温処理は、この生ゴミの分解処理
の補助的な役割を果たすことになる。より具体的には、
常時前述の生ゴミの流通手段を加温するのではなく、主
にこの流通手段自体を清潔に保つ目的で、間欠的に加温
することも可能である。
【0028】また、特に油脂分の多い生ゴミを処理する
場合は、上記の生ゴミの流通手段に生ゴミを投入する前
に、予め油脂分と水溶性分に生ゴミを分離して、水溶性
分のみを上記の生ゴミの流通手段に投入して、油脂分は
直接上記の生ゴミの分解手段に投入することが、この生
ゴミの流通手段の油脂分による汚れを可能な限り回避し
得るという点において効率的である。このため、本発明
衛生処理システムには、油脂分と水溶性分とを分離する
ことができる、油水分離手段を設けることが可能であ
り、かつ好ましい。通常、この油水分離手段により分離
された油脂分は、直接前記生ゴミ分解手段に投入され、
水溶性分は前記流通手段に投入される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。第1図は、本発明衛生処理シ
ステムの一実施態様10の全体像を表した図面である。
この第1図における符号を示さない矢印は、本発明衛生
処理システム10における、その部位に対応した要素
(例えば、生ゴミ,熱湯,空気,炭酸ガス等)の流れの
方向を示す。
【0030】第1図において、本発明衛生処理システム
10は、生ゴミの流通時の温度を75℃以上に設定し得
る、生ゴミの流通手段100と、この流通手段により流
通させた生ゴミを、前記の温度を保ちつつ生物学的に分
解処理し得る生ゴミの分解処理手段200、さらには本
発明衛生処理システムにおける温度を75℃以上に保つ
ための熱湯循環手段300とを備えた衛生処理システム
である。
【0031】生ゴミの流通手段100は、好ましくは生
ゴミの廃棄口に連結された生ゴミの粉砕手段であるディ
スポーザー110,生ゴミの固液分離手段である固液分
離器120及び生ゴミを油脂分と水分とに分離する油水
分離器130からなる。そして、ディスポーザー110
と固液分離器120とは,生ゴミ流通管111で連結さ
れており、同じくディスポーザー110と後述する生ゴ
ミの分解処理手段200における排気口230とは,排
気管112で連結されている。また、油水分離器130
の下部と上記生ゴミ流通管111とは、水性画分流通管
131で連結されている。さらに、油水分離器120の
上部と後述する反応槽210とは、油性画分流通管13
2で連結されている。
【0032】生ゴミの分解処理手段200は、上記生ゴ
ミの流通手段を通じて供給される生ゴミを好熱菌の作用
により分解する反応槽210,固液分離器120におい
て分離された水画分を廃棄するための水性画分廃棄処理
槽220,生ゴミの分解処理の過程において発生する炭
酸ガス等の気体成分を排気するための排気口230,反
応槽210に空気を供給するためのブロワー240及び
この生ゴミの分解処理手段全体(前述の生ゴミの流通手
段100及び後述の熱湯循環手段300の一部を含む)
を外部と遮断する隔壁250からなる。そして、反応槽
210の下部,水性画分廃棄処理槽220の下部及び排
気口230と,下水管400とは、それぞれ排水口21
1,排水口221及び排気管231で連結されている。
また、ブロワー240と反応槽210とは、空気供給管
241で連結されている。
【0033】熱湯循環手段300は、75℃以上の熱湯
を供給するための温水器310,油水分離器130を7
5℃以上に保つための,この油水分離器130に着接し
てなる保温槽320、反応槽210を75℃以上に保つ
ための,この反応槽210に着接してなる保温槽330
からなる。そして温水器310とディスポーザー110
とは温水供給管311で、保温槽320とは温水供給管
312で、さらに保温槽330とは温水供給管313
で、それぞれ連結されている。また、保温槽320と温
水器310とは,温水回帰管321で連結され、保温槽
330と温水器310とは,温水回帰管331で連結さ
れている。
【0034】本発明衛生処理システム10においては、
原則として厨芥等の生ゴミは、ディスポーザー110に
投入されて粉砕され、粉砕された生ゴミは、生ゴミ流通
管110を通じて固液分離器120に移行する。この生
ゴミの粉砕物の移行の際や移行の前後に、ディスポーザ
ー110には温水器310から温水供給管311を通じ
て供給される75℃以上の熱湯が間欠的又は連続的に流
入し、この75℃以上の熱湯が生ゴミ流通管110を通
じて固液分離器120へ、生ゴミの粉砕物と共に又は別
個に流入する。この結果、少なくとも固液分離器120
における生ゴミ粉砕物の温度は75℃以上に保たれる。
【0035】なお、この生ゴミ投入の初期段階で生じる
炭酸ガス等の気体成分は、排気管112を介して排気口
230に移行する。固液分離器120は、モーター12
1によって回転するスクリュー122による遠心分離作
用により、生ゴミの粉砕物を固形画分と水性画分とに分
離する装置である。この固液分離器120において分離
された水性画分は、水性画分廃棄処理槽220に一旦貯
留された後、排水口221を介して下水管400に廃棄
される。また、同じく固液分離器120において分離さ
れた固形画分は、反応槽210内に投入される。
【0036】このように、この実施態様における固液分
離器120は、上記のように遠心分離作用を利用するも
のであるが、他の原理を応用した固液分離器を用い得る
ことは勿論である。この固液分離器120は、必ずしも
本発明衛生処理システムにおいては必須ではないが、既
述したごとく、ここで固液分離処理を施すことにより、
余分な水分による生ゴミの温度低下を防ぐことが可能で
あり、システムに導入することが好ましい。
【0037】油水分離器130を介した生ゴミ処理は、
例えば油汚れを伴う生ゴミを処理する場合に、選択的に
用い得る処理である。すなわち、油汚れを伴う生ゴミを
油水分離器130に、直接投入することにより、油性画
分と水性画分が、各々の比重の差異により分離し、水性
画分は水性画分流通管131を介して、前述の生ゴミ流
通管110に合流して、固液分離器120に移行する。
この水性画分の固液分離器120への移行は、生ゴミ流
通管110を介さずに別個独立に行うことも可能であ
る。
【0038】また、油水分離器130において分離され
た油性画分は、油性画分流通管132を介して反応槽2
10へと移行する。この油水分離器130は、保温槽3
20により75℃以上の温度に保たれており、投入され
る油汚れを伴う生ゴミを75℃以上に保つことできる。
この油水分離器130を介した生ゴミ処理は、必ずしも
本発明衛生処理システムにおいては必須ではないが、こ
の処理を選択的に行うことにより、効率的に生ゴミ処理
を行うことが可能であり、システムに導入することが好
ましい。
【0039】また、本実施態様においては、油水分離器
130をディスポーザー110とは別個に配している
が、例えば油水分離器130とディスポーザー110と
を連結させることにより、油水分離器で生じた水性画分
中に混在する固形物を粉砕して、水性画分を固液分離器
120へと移行させることが可能である。また、生ゴミ
が明らかに油汚れが主体となっている場合には、この生
ゴミを直接反応槽210に投入することも可能である。
【0040】反応槽210には、開閉自在に設けられて
いる好熱菌投入口212から投入された、75℃以上で
生ゴミを分解し得る好熱菌が仕込まれている。そして、
この反応槽210は保温槽330によって、常時75℃
以上に保たれている。また、好熱菌を生育させるために
必要な空気がブロアー240から空気供給管241を介
して反応槽210に供給されている。
【0041】そして、上記のように75℃以上に保たれ
つつ、反応槽210に投入される生ゴミ処理物は、この
反応槽210中に仕込まれた好熱菌と、正転,逆転,間
欠運転が可能な攪拌羽213で攪拌されつつ接触するこ
とにより、最終的には概ね水と炭酸ガスとに分解され
る。
【0042】なお、この反応槽210内に、好熱菌によ
る生ゴミ処理物の分解反応をなお向上させるための様々
な手段を施すことも可能である。例えば、活性炭,おが
屑や竹チップ等を好熱菌と共に仕込むことも可能であ
る。中でも、竹チップを仕込むと、反応槽210内にお
いて、油性成分同士が固まって「ダマ状態」になること
を防止し、反応槽210内において好熱菌処理物を拡散
させて、生ゴミの分解反応効率を著しく向上させること
が可能であり、好ましい。
【0043】この分解反応により生じた炭酸ガスは、隔
壁250により外部に漏れ出すことなく、脱気口214
を介して反応槽210から脱気され、前記のディスポー
ザー110からの気体成分と共に、排気口230及び排
気管231を介して下水管400中に排気される。な
お、これらの気体は換気扇232の作用により強制排気
され得る。同じく反応槽210における生ゴミ処理物の
分解反応により生じた水は、排水口211を介して下水
管400に廃棄される。
【0044】上記のように、本発明衛生処理システムに
おける温度を75℃以上、すなわち反応槽210に投入
する好熱菌が生ゴミ処理物を分解する至適温度に保つた
めの熱湯は、温水器310により供給される(この温水
器310において,例えば深夜電力,ソーラー発電や風
力発電による電力や太陽熱を利用することにより,シス
テムの運転コストを下げることが可能である)。
【0045】75℃以上の熱湯は、前述のようにディ
スポーザー110に温水供給管311を介して供給され
て、生ゴミ粉砕物及び生ゴミ流通管112と接触するこ
とにより、これらを75℃以上に加温し、保温槽32
0に温水供給管312を介して供給され、油水分離器1
30を湯煎効果により加温しつつ、さらに温水回帰管3
21を介して保温槽320に回帰しつつ循環し、保温
槽330に温水供給管313を介して供給され、反応槽
210を湯煎効果により加温しつつ、さらに温水回帰管
331を介して保温槽320に回帰しつつ循環する。
【0046】この熱湯の供給又は循環系において、本発
明衛生処理システムにおける各部分への熱湯の供給又は
循環の度合いは、温度センサー332からの電気信号に
応じて、その開閉が制御される電磁弁314及び同31
5によって調整されている。この温度調整系は、適切に
熱湯の供給又は循環度合いを調整することが可能である
限り特に限定されるものではなく、他の手段や他の形態
を必要に応じて選択することができる。
【0047】そして、これら一連の機能を電気的に集約
させた制御板等で、一括管理することも可能である。こ
のようにして、本実施態様においては、生ゴミの流通手
段100において、75℃以上の熱湯が生ゴミの投入と
共に、又はその前後において、間欠的若しくは連続的に
流入することにより、この生ゴミの流通手段中の雑菌を
高温殺菌することで、この生ゴミの流通手段100を清
潔に保つことができる。
【0048】また、同時にこれらの生ゴミを、主にディ
スポーザー110や油水分離器130を介して、75℃
以上の温度に保たれて、生ゴミ処理手段200の主要設
備である反応槽210において、周囲の環境に悪影響を
及ぼすことのない形に完全に分解処理することができ
る。
【0049】すなわち、本発明衛生処理システムは、単
に生ゴミをこのシステムに投入することのみで、周囲の
環境に悪影響を及ぼすことなく、店舗や施設が直面する
「生ゴミ処理問題、殊に廃油処理問題、さらには生ゴミ
の衛生処理問題」を解決し得る画期的なシステムであ
る。なお、以上挙げた本発明衛生処理システムの実施態
様はあくまでも例示であり、本発明における技術的思想
の及ぶ範囲内で適宜設計変更等を施した他の実施態様
も、本発明の技術的範囲内にあること勿論である。
【0050】
【発明の効果】本発明により、主に厨芥と呼ばれる生ゴ
ミの衛生的な処理手段が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明衛生処理システムの一実施態様の全体像
を表した図面である。
【符号の説明】
10:本発明衛生処理システム 100:生ゴミの流通手段 110:ディスポーザー 111:生ゴミ流通管 112,231:排気管 120:固液分離器 121:モーター 122:スクリュー 130:油水分離器 131:水性画分流通管 132:油性画分流通管 200:生ゴミの分解処理手段 210:反応槽 211,221:排水口 212:好熱菌投入口 213:攪拌羽 214:脱気口 220:水性画分廃棄処理槽 230:排気口 232:換気扇 240:ブロワー 241:空気供給管 250:隔壁 300:熱湯循環手段 310:温水器 311,312,313:温水供給管 314,315:電磁弁 320:保温槽 321,331:温水回帰管 330:保温槽 332:温度センサー 400:下水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺下 将 福井県福井市御幸3−14−9

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生ゴミの流通時の温度を75℃以上に設定
    し得る生ゴミの流通手段と、この流通手段により流通さ
    せた生ゴミを、前記の温度を保ちつつ生物学的に分解処
    理し得る生ゴミの分解処理手段を備えた生ゴミ衛生処理
    システム。
  2. 【請求項2】生ゴミの流通手段における生ゴミの導入部
    が生ゴミの廃棄口に連結してなる、請求項1記載の生ゴ
    ミ衛生処理システム。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の生ゴミ衛生処
    理システムにおいて、生ゴミの流通手段での生ゴミの流
    通時の温度を75℃以上に設定する方法が、この生ゴミ
    の流通手段の導入部近傍から生ゴミの分解処理手段に向
    かい、75℃以上の熱湯を流通させることである、生ゴ
    ミ衛生処理システム。
  4. 【請求項4】生ゴミの分解処理手段が、好熱菌で生ゴミ
    を分解処理する分解処理手段である、請求項1乃至請求
    項3のいずれかの請求項に記載された生ゴミ衛生処理シ
    ステム。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかの請求項
    記載の生ゴミ衛生処理システムにおいて、生ゴミの流通
    手段に、さらに生ゴミの粉砕手段が設けられている生ゴ
    ミ衛生処理システム。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5のいずれかの請求項
    記載の生ゴミ衛生処理システムにおいて、このシステム
    内を流通した生ゴミを、脱水した状態で生ゴミの分解処
    理手段に移行させる生ゴミの固液分離手段が設けられて
    いる、生ゴミ衛生処理システム。
  7. 【請求項7】衛生処理する生ゴミを、生ゴミの流通手段
    の導入部から導入して、この流通手段における温度を7
    5℃以上に保ちつつ生ゴミを流通させて、生ゴミの雑菌
    を高温殺菌処理し、 次いで生ゴミの分解処理手段において、この生ゴミの高
    温殺菌処理物の生分解性成分を分解しつつ、生ゴミに残
    存する雑菌を殺菌して生ゴミを衛生処理するための、請
    求項1乃至請求項6のいずれかの請求項記載の生ゴミの
    衛生処理システムの使用。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014057946A (ja) * 2012-09-19 2014-04-03 Ohbayashi Corp 油分解促進材及びそれを用いた油汚染土の浄化方法

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