JPH11188230A - 飛灰を含む排ガスの処理方法および処理装置 - Google Patents

飛灰を含む排ガスの処理方法および処理装置

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JPH11188230A
JPH11188230A JP10050202A JP5020298A JPH11188230A JP H11188230 A JPH11188230 A JP H11188230A JP 10050202 A JP10050202 A JP 10050202A JP 5020298 A JP5020298 A JP 5020298A JP H11188230 A JPH11188230 A JP H11188230A
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fly ash
exhaust gas
gas
dust collector
melting furnace
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JP10050202A
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English (en)
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Mamoru Iwasaki
守 岩▲崎▼
Ryuichi Kanai
隆一 金井
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Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Corp
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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  • Treating Waste Gases (AREA)
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 飛灰を溶融炉にリサイクルしてスラグ化させ
ることにより埋立処理物質を減容できる飛灰を含む排ガ
スの処理方法及び処理装置を得る。 【解決手段】 廃棄物のガス化溶融プロセスにおいて発
生した、飛灰と酸性ガスとを含有する排ガスから酸性ガ
スおよび飛灰を除去するに際して、溶融炉40から排出
された酸性ガス及び飛灰を含む排ガスを、反応槽1にお
いてpHが2.0〜6.0の範囲に保持された吸収剤と
してアルカリ成分を含む吸収液と気液接触させることに
より、酸性ガスを吸収液中に吸収し、さらにこれを酸化
させることにより亜硫酸ガスを硫酸イオンとして固定す
るとともに、飛灰中に含まれる重金属類を吸収液で抽出
することにより飛灰を安定化させ、次いで吸収液から固
液分離した安定化された飛灰を含むケーキまたはスラリ
ーを、戻り管22から溶融炉40に戻してスラグ化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物のガス化溶
融プロセスにおいて発生した亜硫酸ガス等の酸性ガスお
よび飛灰を含有する排ガスから、上記酸性ガスおよび飛
灰を除去するための排ガスの処理方法および当該処理方
法に用いられる処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生ごみ等を含む都市ごみやスラッ
ジ等を含む一般廃棄物や産業廃棄物を処理するために、
廃棄物の熱分解ガス化溶融等の各種ガス化溶融プロセス
を用いた処理設備が運転されている。このようなガス化
溶融プロセスのうち、ガス化ゾーンと溶融ゾーンとが一
体化されたコークスベッド式の直接溶融炉等を用いた処
理設備においては、投入された廃棄物を高温の還元性雰
囲気下で溶融処理してスラグ化させる溶融炉と、この溶
融炉から排出された熱分解ガスを燃焼する2次燃焼室と
を備えており、2次燃焼室から排気された高温の排ガス
をボイラ等に送って熱回収するようになっている。ま
た、ガス化ゾーンと溶融ゾーンとが分離された廃棄物の
溶融設備においては、先ず回転ドラムあるいは流動槽等
の乾留炉において廃棄物を乾留し、得られたチャーを一
旦取り出して、大型の不燃物を取り除いた後に、燃焼溶
融炉で熱分解ガスおよびチャーの燃焼とチャー中の不燃
分の溶融スラグ化を行ない、当該燃焼溶融炉から排気さ
れた高温の排ガスを熱回収したのちに、無害化処理する
ようになっている。
【0003】ところで、上記ガス化溶融プロセスから排
気された排ガス中には、廃棄物の熱分解および熱分解ガ
スの燃焼に伴って発生する亜硫酸ガス(SO2 )や塩化
水素(HCl)等の酸性ガスに加えて、多くの飛灰が含
まれている。ここで、飛灰とは、廃棄物の熱分解、溶融
処理および熱分解ガスの燃焼によって排ガス中に発生す
る煤塵や、排ガス中に含まれる塩素成分を除去するため
に消石灰を吹き込むことによって発生する煤塵等の総称
である。このようにして排出される排ガスにあっては、
同伴する飛灰がケイ素、カルシウム、塩素等を主成分と
し、これに水銀、カドミウム、鉛、クロム等の低沸点重
金属を含むものであるため、これを排ガス中から除去し
たうえで、さらに脱硫工程において亜硫酸ガス等の酸性
ガスを吸収・除去して排気する必要がある。
【0004】そこで、従来、この種の飛灰を含む排ガス
を無害化処理する場合には、先ず電気集塵機やバグフィ
ルタ等の濾過式集塵機において排ガス中から飛灰を捕集
し、次いで飛灰が捕集された後の排ガスを、例えば石灰
ー石膏法による排煙脱硫装置に送って、亜硫酸ガスを吸
収液中に吸収・除去させて石膏として回収するといった
方法が採られている。また、脱硫、脱塩素剤を排ガス中
にスプレーし、乾燥状態の粉体とした後、この粉体と飛
灰を一緒に集塵機において捕集除去し、これらの固体を
キレート剤等で安定化処理する方法も採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
飛灰を含む排ガスの処理方法においては、排ガスから亜
硫酸ガスを除去して当該排ガス自体を無害化処理するた
めの排煙脱硫装置に加えて、さらに排ガス中から飛灰を
捕集して、これを無害化処理するための専用の大型設備
を必要とするために、全体としての処理設備が大型化し
て建設費用および保守管理費用の高騰化を招くという問
題点があった。また、近年における地球規模での環境保
護の要請の高まりから、この種の飛灰の処理に対して
も、溶融法、セメント固化法、薬剤処理法および溶媒溶
出法のいずれかの方法によって無害化することにより、
より厳しい排出基準に基づいて埋立処理することが義務
付けられることになった。さらに、排ガス中の亜硫酸ガ
ス、塩化水素ガスについても、これまでより排出される
量を削減することが求められると予想されている。
【0006】そして、このような上記溶融法やセメント
固化法などの処理方法においても、飛灰の処理に専用の
大型処理設備を必要とすることには変りがなく、しかも
安定化処理が難しいうえに、飛灰をそのまま上記処理方
法によって埋立処理すると、全体の容量が大きなものに
なるために、早期に処理場の不足を招く虞もある。
【0007】さらに、上記焼却設備等で廃棄物を処理し
た場合には、排ガス中にダイオキシン類が同伴すること
が知られており、近年におけるダイオキシン類の排出規
制の大幅な強化から、排ガス中のダイオキシン類を除去
するために、低温バグフィルタや粉末活性炭の吹込み技
術が開発され、実証されつつある。これに対して、昨今
では単に排ガス中に含まれて大気に放出されるダイオキ
シン類の規制のみならず、排ガス中から分離されたダイ
オキシン類の量も含めた、より一層厳しい総量排出規制
が導入される動向にあり、この結果廃棄物の焼却設備内
において、ダイオキシン類を分解することにより、廃棄
物の焼却処理に伴って発生するダイオキシン類の総排出
量の大幅な低減化を達成し得る技術が強く望まれてい
る。
【0008】このような集塵機等において捕集した飛灰
中に含まれるダイオキシン類の処理技術として、例えば
特公平6−38863号においては、上記飛灰を、低酸
素濃度の還元雰囲気下で350〜550℃に加熱し、飛
灰中に含まれる金属(特に、Cu)を脱塩素触媒として
作用させることにより、ダイオキシン類を無害化すると
ともに、この際に加熱脱塩素した灰を、そのまま空気中
に排出すると再塩素化されてダイオキシン類が再合成さ
れてしまうため、加熱脱塩素後、低酸素雰囲気のまま急
冷して再合成を抑制するという技術が提案されている。
ところが、上記従来の処理技術にあっては、電気加熱を
行なう必要があるために、余分なエネルギーを消費する
とともに、飛灰中の重金属溶出の防止効果がないため、
ダイオキシン類の分解除去後に、別途上記重金属の溶出
防止処理を実施しなければならないという問題点があっ
た。
【0009】また、他の上記飛灰中のダイオキシン類の
処理技術として、当該飛灰を超臨界水中(374℃、2
18気圧以上)に投入して、ダイオキシン類を酸化分解
する技術も知られているが、当該処理方法においては、
エネルギーの消費が極めて大きく、かつ高温・高圧設備
が必要となるために、設備コストが高騰化するととも
に、運転および管理が難しくなるという問題点もある。
さらに、上記飛灰を、直流電気抵抗式、プラズマ式ある
いは表面溶融式等の灰溶融処理装置において、焼却灰と
ともに溶融固化してスラグとするとともに、併せてダイ
オキシン類を熱分解する方法も知られている。しかしな
がら、当該処理方法にあっては、廃棄物焼却炉の他に、
別途灰溶融炉が必要になり、同様に設備コストが上昇す
るとともに、外部エネルギーを必要とするために、全体
としての処理コストが嵩むという問題点がある。
【0010】そこで、上述した飛灰の埋立処理のための
処理場の不足という課題を解消するとともに、同時に当
該飛灰中に含まれるダイオキシン類を熱分解処理すべ
く、廃棄物の各種ガス化溶融プロセスにおいて発生した
飛灰を集塵装置などにおいて捕集し、この飛灰を主成分
とする固体残渣を再び溶融炉に戻して溶融スラグにする
ことにより、当該飛灰を処理するとともに、併せて廃棄
物の焼却処理に伴って発生する2次固体残渣の減容化を
図る方法も考えられる。
【0011】しかしながら、このようにして集塵装置な
どにおいて捕集された固体残渣には、飛灰の他に上述し
たような水銀、鉛等の揮発性重金属および塩素(Cl)
を含むために、溶融炉へのリサイクルによってこれらの
重金属や塩素が濃縮してしまい、この結果飛灰の粘着性
が増加して排ガスダクトや集塵装置内部に付着すること
により、各種のトラブルを発生するという虞がある。さ
らに、ダイオキシン類に対しては、上記塩素濃度の上昇
によってその発生が助長されてしまう虞がある。このた
め、上記固体残渣を溶融炉にリサイクルして減容化を図
るとともに、併せてダイオキシン類の分解処理を行なう
に際しては、予め何等かの方法で上記揮発性重金属や塩
素を系外に排出しなければならず、その開発が望まれて
いる。
【0012】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、廃棄物のガス化溶融プロセスにおいて発生した排
ガスから、亜硫酸ガス等の酸性ガスを高効率で除去する
のみならず、飛灰の安定化処理と揮発性重金属の分離排
出をも並行して行なうことができ、よって飛灰の処理に
別途の専用処理設備を必要とすることがなくて経済性に
優れるとともに、併せて飛灰を溶融炉にリサイクルして
スラグ化させることにより廃棄物処理に伴って発生する
埋立処理物質の減容化も図ることができる飛灰を含む排
ガスの処理方法および処理装置、さらには上記排ガスが
ダイオキシン類を含む場合に、集塵機によって捕集され
た上記飛灰中のダイオキシン類をも同時に熱分解処理す
ることができ、よって焼却設備におけるダイオキシン類
の総排出量を簡易に低減化させることが可能となる飛灰
を含む排ガスの処理方法および処理装置を提供すること
を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る飛灰を含む排ガスの処理方法は、廃棄物のガス化
溶融プロセスにおいて発生した、飛灰と酸性ガスとして
少なくとも亜硫酸ガスとを含有する排ガスから上記酸性
ガスおよび飛灰を除去するに際して、上記ガス化溶融プ
ロセスにおける溶融炉から排出された酸性ガスおよび飛
灰を含む排ガスを、pHが2.0〜6.0の範囲に保持
された吸収剤としてアルカリ成分を含む吸収液と気液接
触させることにより、酸性ガスを吸収液中に吸収し、さ
らにこれを酸化させることにより上記亜硫酸ガスを硫酸
イオンとして固定するとともに、飛灰中に含まれる溶解
性の無機塩素および重金属類を上記吸収液で抽出するこ
とにより当該飛灰を安定化させ、次いで吸収液から固液
分離した安定化された飛灰を含むケーキまたはスラリー
を、上記溶融炉に戻してスラグ化させることを特徴とす
るものである。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において吸収液を経た排ガスを、下流の集
塵機において凝縮しない相対湿度まで低下させた後に、
当該集塵機において排ガス中に残留する飛灰を捕集する
とともに、捕集された飛灰を、溶融炉に戻してスラグ化
させることを特徴とするものであり、さらに請求項3に
記載の発明は、請求項2に記載の発明において、上記排
ガスを、その水分飽和温度に対して20℃以上高い温度
に昇温した後に、集塵機に送ることを特徴とするもので
ある。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、上記排ガ
スがダイオキシン類を含み、かつ上記集塵機の上流側の
排ガスに、循環供給される活性炭を噴霧することを特徴
とするものである。そして、請求項5に記載の発明は、
請求項4に記載の集塵機において捕集した飛灰および/
または活性炭を、溶融炉に戻してスラグ化させることを
特徴とするものであり、他方請求項6に記載の発明は、
上記集塵機において捕集した飛灰および/または活性炭
を、上記吸収液中に戻すことを特徴とするものである。
【0016】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項
1〜6のいずれかに記載の発明において排ガスと吸収液
との気液接触およびその酸化並びに当該吸収液による溶
解性の無機塩素および飛灰中に含まれる重金属類の抽出
を、排ガスを多数本のスパージャーパイプを介して吸収
液中に噴射させるジェットバブリング方式の反応槽によ
って行ない、かつ上記吸収液のpHを、2.0〜4.0
の範囲に保持することを特徴とするものである。
【0017】次いで、請求項8に記載の本発明に係る、
飛灰を含む排ガスの処理装置は、廃棄物をガス化溶融処
理する溶融炉と、この溶融炉において発生した、飛灰と
少なくとも酸性ガスである亜硫酸ガスとを含有する排ガ
スが導入される入口ダクトが接続されるとともに、内部
に上記排ガスと気液接触させるためのアルカリ成分を含
み、かつpH2.0〜6.0の範囲に保持された吸収液
が収納される反応槽と、上記吸収液に酸素含有ガスを導
入して酸化させる酸化手段と、上記吸収液と飛灰を含む
固形分とを分離する分離手段と、この分離手段によって
分離された飛灰を含む固形分を上記溶融炉に戻すための
移送ラインとを備えてなることを特徴とするものであ
る。
【0018】ここで、請求項9に記載の発明は、請求項
8に記載の反応槽の排ガスの出口ダクトに、上記排ガス
を昇温する熱交換器と、この熱交換器の下流側に配設さ
れた集塵機とを備えてなることを特徴とするものであ
り、さらに請求項10に記載の発明は、上記集塵機と、
この集塵機の上流側の排ガス流路との間には、上記排ガ
スに活性炭を吹き込むとともに、上記集塵機で捕集され
た当該活性炭を上記排ガス流路に戻す活性炭の循環供給
ラインが配設されていることを特徴とするものである。
【0019】そして、請求項11に記載の発明は、請求
項9または10に記載の集塵機において捕集した飛灰お
よび/または活性炭を、上記溶融炉に戻す第2の移送ラ
インが設けられていることを特徴とするものであり、他
方請求項12に記載の発明は、上記集塵機において捕集
した飛灰および/または活性炭を、上記反応槽に戻す第
3の移送ラインが設けられていることを特徴とするもの
である。また、請求項13に記載の発明は、請求項8〜
12のいずれかに記載の反応槽が、上記排ガスを多数本
のスパージャーパイプを介して上記吸収液中に噴射させ
るとともに、当該吸収液内に上記酸化手段が導入された
ジェットバブリング方式の反応槽であることを特徴とす
るものである。
【0020】請求項1〜7のいずれかに記載の飛灰を含
む排ガスの処理方法および請求項8〜13のいずれかに
記載の飛灰を含む排ガスの処理装置によれば、廃棄物の
ガス化溶融プロセスにおいて発生した酸性ガスおよび飛
灰を含む排ガスを、pHが2.0〜6.0の範囲の酸性
に保持された吸収剤としてアルカリ成分を含む吸収液と
気液接触させることにより、排ガス中に含まれる亜硫酸
ガスが吸収液に吸収され、アルカリ成分によって中和さ
れるとともに、さらにこれが酸化されることにより、上
記吸収液中に硫酸塩が生成する。またこれと並行して、
上記吸収液によって飛灰が抽出されるとともに、当該飛
灰に含まれる未反応のアルカリ分が中和されて安定化さ
れる。さらに、上記排ガス中に含まれる塩化水素ガス等
の他の酸性ガスは、上記吸収液中に溶解して排ガスから
除去される。さらに、飛灰中の溶解性の無機塩素および
水銀、カドミウム、鉛、クロム等の低沸点重金属につい
ても吸収液中に抽出されて排ガスから分離・除去され
る。
【0021】このようにして、生成した硫酸塩および安
定化された飛灰並びに抽出された低沸点重金属を含む吸
収液スラリーは、混合物として上記反応槽から抜出され
て、重金属分を含む排水と、硫酸塩および安定化された
飛灰を含むケーキまたはスラリーとに固液分離され、上
記飛灰を含むケーキまたはスラリーについては、上記溶
融炉に戻すことによってスラグ化させる。他方、吸収液
中に抽出された重金属類は、当該排ガスの処理装置等に
おいて発生する他の排水とともに系外に抜出され、排水
処理設備において化学処理された後に回収される。ちな
みに、上記排水処理工程において回収された重金属類
は、飛灰より高濃度に濃縮されているため、有効物とし
て山元へ還元することも可能である。
【0022】また、亜硫酸ガス等の酸性ガスおよび同伴
した飛灰の大部分が除去されて煤塵濃度が0.1〜0.
3g/Nm3 程度となった排ガスは、反応槽から排出さ
れて後段の集塵機に送られ、同伴した上記飛灰が捕捉さ
れて除去される。この際に、上記反応槽の出口における
排ガスは水分飽和になっている。したがって、上記排ガ
スをそのまま集塵機に送ると、凝縮によって集塵機のケ
ーシングを腐食したり、あるいは当該集塵機としてバグ
フィルタを用いた場合には、ろ布の目詰りを発生したり
する虞がある。
【0023】この点、請求項2に記載の発明において
は、反応槽から排出された排ガスを、下流の集塵機にお
いて凝縮しない相対湿度まで低下させた後に、集塵機に
送っているので、上述したような不都合を生じることが
ない。このような、排ガスの相対湿度を低下させるため
には、例えば請求項3または請求項9に記載の発明のよ
うに、反応槽の排ガス出口側に熱交換器を設けて、当該
熱交換器により排ガスを、その水分飽和温度に対して2
0℃以上高い温度に昇温すればよい。
【0024】この際に、排ガス温度を過度に高めてしま
うと、集塵機における排ガスの通過容積が大きくなり、
この結果集塵機の大型化を招来する。そこで、上記熱交
換器において排ガスをその水分飽和温度に対して20〜
50℃高い温度に昇温することが好ましい。ちなみに、
通常反応槽の出口における排ガス温度は、60〜70℃
程度であるため、これを20〜50℃昇温しても、従来
用いられているバグフィルタの運転温度(150〜22
0℃)や電気集塵機の運転温度(250〜300℃)よ
りも低くなり、この結果排ガス容積が減少して当該集塵
機の小型化を図ることが可能になる。なお、上記排ガス
の相対湿度を低下させる他の方法としては、反応槽の排
ガス出口側に大気を導入して、排ガスを希釈化すること
によって、その相対湿度を低下させてもよく、さらに
は、これら熱交換器と大気の導入とを組合わせてもよ
い。
【0025】また、前述したように、吸収液で処理する
飛灰中には、相当量のダイオキシン類を含む場合が多い
が、当該ダイオキシン類は、極めて溶解性が低く、かつ
固体への吸着性が高いため、反応槽から排出された吸収
液スラリーを固液分離する際に、実質的にその全てが酸
抽出されたケーキまたはスラリー側に残り、排水中に移
行することはない。そこで、これを上記溶融炉に戻すこ
とによって、飛灰がスラグ化されるのと並行してダイオ
キシン類が熱分解される。さらに、上記反応槽から排出
された排ガスに同伴した飛灰中のダイオキシン類につい
ては、請求項4または10に記載の発明のように、集塵
機とその上流側の排ガス流路との間に、活性炭の循環供
給ラインを配設し、排ガスに活性炭を吹き込むことによ
り、上記ダイオキシン類を吸着して除去する。
【0026】この際に、排ガス中の飛灰の大部分は、反
応槽において安定化されたうえで除去されているため
に、集塵機における捕集飛灰中の活性炭濃度が高くな
る。このため本発明によれば、上記活性炭の循環使用が
可能になり、よって従来と比較して高価な活性炭の使用
量を大幅に低減することができる。また、上記活性炭の
噴霧量は、ダイオキシン類との接触効率、すなわち排ガ
ス中への分散を考慮して決定されるために、特に上述し
たように熱交換器における排ガスの昇温を、その水分飽
和温度に対して20〜50℃の範囲にすれば、排ガス容
積の減少効果とあいまって、より一層活性炭の噴霧量を
低減させることが可能になる。
【0027】このようにして上記集塵機において捕集さ
れた飛灰および粉末活性炭は、請求項5または11に記
載の発明においては、その一部がブローダウンされて、
反応槽において吸収液中に捕集されて安定化された後に
分離された飛灰と同様に、溶融炉に戻されてスラグ化さ
れるとともに、ダイオキシン類が熱分解される。ここ
で、上述したように上記活性炭の噴霧量は、排ガス中へ
の分散を考慮して決定されるために、本来吸着すべきダ
イオキシン類の量と比較して、より多量の粉末活性炭を
噴霧することになる。
【0028】そこで、請求項6または10に記載の発明
のように、上記循環供給ラインからその一部をブローダ
ウンして上記吸収液中に戻すようにすれば、先ず当該吸
収液中においてブローダウン分に含まれる飛灰の一層の
安定化を図ることができるとともに、さらにブローダウ
ン分に含まれる未だ吸収能を有する活性炭が吸収液中に
分散するために、排ガスと吸収液との気液接触領域にお
いて、排ガス中のダイオキシン類を吸着除去することが
できる。この結果、上記活性炭の吸着容量をより有効に
活用することができ、延いては高価な活性炭の使用量を
一段と低減化させることが可能になる。ちなみに、この
ような場合には、循環供給ラインに補給する活性炭の量
を一段と低減化させることができるため、当該削減量に
相当する量の活性炭を直接反応槽に供給するようにすれ
ば、上述した反応槽内における飛灰の安定化とダイオキ
シン類の吸着除去効果が一層向上する。
【0029】以上のように、集塵機において同伴した飛
灰が除去されるとともに、ダイオキシン類が除去された
排ガスは、無害化されて煙突等から大気に放出される。
ここで、一般に上記ダイオキシン類の排出抑制対策とし
ては、低温バグフィルタ(150〜220℃)の有効性
が認められている。したがって、上記集塵機としては、
電気集塵機やバグフィルタが適用可能であるが、特にバ
グフィルタを用いた場合には、上流側において排ガス中
に粉末の活性炭を吹き込んだ場合においても、ろ布によ
ってこれと残留飛灰とを安定的に捕捉することができる
ことに加えて、さらにろ布に付着した飛灰層において、
より高いダイオキシン類の吸着除去効果が期待されるた
めに好適である。
【0030】また、上記反応槽としては、スプレー塔式
あるいは充填塔式等の液分散型の反応槽を用いることも
可能であるが、特に請求項7または請求項13に記載の
発明のように、ジェットバブリング方式の反応槽を用い
た場合には、当該ジェットバブリング方式の反応槽は、
排ガスを多数本のスパージャーパイプを介して吸収液中
に微細な気泡として直接噴射させるものであるために、
排ガスによる吸収液の混合作用とあいまって気液接触面
における表面更新が良好であり、この結果、排ガス中の
酸素および反応槽に導入された酸素によって、例えば吸
収液としてカルシウムを主成分とするものを用いた場合
には、 SO2(L)→ HSO3 -/SO3 2- →SO4 2- → Ca
SO4・2H2O で示されるように、吸収された亜硫酸ガス(SO
2(L))の効率的な酸化および石膏(CaSO4・2H
2O)の生成が行なわれることになる。
【0031】この結果、吸収液のpHが4.0以下の低
pH領域であっても亜硫酸ガスの吸収および石膏生成が
可能であるために、排ガス中に含まれる飛灰の重金属回
収に有利な酸性液による抽出処理を行なうことができ、
かつ飛灰を上記吸収液によって洗浄するとともに、当該
飛灰に含まれる未反応のアルカリ分を中和することがで
きるために、当該飛灰の高効率な安定化処理が可能とな
る。また、上記ジェットバブリング方式の反応槽にあっ
ては、当該反応槽のみで亜硫酸ガス等の酸性ガスの吸収
除去と、飛灰の捕集とを同時に行うことができ、かつp
Hを低く設定している結果、飛灰の高効率な安定化を行
うことができるために、当該反応槽の前段に、除塵塔を
設ける必要が無く、設備費用の低減化も図ることが可能
になる。
【0032】なお、低pH領域では、飛灰中に含まれる
Fe、V、Cu、Ni、Mn、Znなどの金属およびそ
の酸化物による酸化触媒活性を利用して効率的に亜硫酸
を酸化することができる。したがって、飛灰の安定化の
観点からはpHが低い程高効率になるが、上記吸収液の
pHを2.0以上と限定したのは、これが2.0に満た
ないと、酸性度が強くなり過ぎて飛灰粒子のマトリック
ス(SiO2、Al2O3 等)が溶解され、排水系スラッ
ジの発生量の増大やろ過効率の低下および排水配管での
スケーリングトラブル、さらには脱硫効率の低下を招
き、飛灰の安定化処理および排ガス中の酸性ガスの除去
には不適当になってしまうからである。
【0033】さらに、ジェットバブリング方式の反応槽
においては、所定の硫酸塩濃度の吸収液スラリーを連続
的に抜出して処理しているが、一般に平均10〜40時
間は吸収液が反応槽内に滞留しているために、飛灰に対
しては、充分な抽出時間を確保することができて好適で
ある。また、固体の濃度が所定値に制御された上記硫酸
塩や飛灰は、水あるいはCa(OH)2等のCa系、M
gOやMg(OH)2 等のMg系、NaOH等のNa系
などのアルカリ水で洗浄することができる。これによっ
て、安定化飛灰中の付着水を洗い出し、安定化飛灰中の
金属類などの有害物や、塩素の濃度をさらに低減でき
る。特に、アルカリ水を用いる場合には、安定化飛灰の
pHを中性とすることができ、Pb等の両性の重金属を
含めた重金属の溶出量を低減でき、さらに安定化を図る
ことができる。さらに、上記アルカリ水で安定化飛灰の
pHをアルカリとすることができ、これにより両性の重
金属以外の重金属の溶出量を低減でき、埋立処理基準を
クリアすることが容易になる。
【0034】また、pHが2.0〜6.0の範囲の酸性
に保持された吸収液として、例えばMg(OH)2やN
aOH等の水溶性のものを用いた場合にも、請求項1ま
たは請求項6に記載の発明のように、当該吸収液から分
離した飛灰を含む固形分(ケーキまたはスラリー)をそ
のまま溶融炉に戻すことが可能である。
【0035】以上のように、本発明に係る飛灰を含む排
ガスの処理方法および処理装置によれば、排ガスに含ま
れる亜硫酸ガスや塩化水素ガス等の酸性ガスの除去のみ
ならず、飛灰の安定化処理と揮発性重金属の分離排出を
も並行して行なうことができる。この結果、飛灰の処理
に別途の専用処理設備を必要とすることがなくて経済性
に優れる。しかも、揮発性重金属を排水とともに分離し
て系外に排出するにより、当該重金属や溶解性の無機塩
素を含まない安定化された飛灰を溶融炉にリサイクルし
てスラグ化させることができるため、廃棄物処理に伴っ
て発生する埋立処理物質の減容化も図ることができる。
【0036】さらに、ダイオキシン類を含む排ガスに対
しては、噴霧された活性炭によって吸着し、これを集塵
機において飛灰とともに捕集して溶融炉に戻すか、ある
いは吸収液中に戻して活性炭の有効利用を行なった後に
吸収液から分離して、上述した安定化された飛灰を含む
ケーキまたはスラリーとともに溶融炉に戻すことによ
り、上記溶融炉において熱分解することができ、よって
焼却設備におけるダイオキシン類の総排出量を簡易に低
減化させることが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1および
図3は、本発明に係る飛灰を含む排ガスの処理装置を、
直接溶融炉を用いた廃棄物のガス化溶融プロセスにおい
て発生した飛灰を含む排ガスを、ジェットバブリング方
式の反応槽を用いた排煙脱硫装置によって処理する装置
に適用した第1の実施形態を示すもので、図中符号40
が溶融炉である。この溶融炉40は、上部に破砕ごみピ
ットまたは破砕ごみホッパ41から、ピストンを用いた
プッシャやポンプ等からなる給塵機42によって送られ
てくる破砕ごみのごみ投入口40aが設けられており、
他方底部には、PSA分離器によって空気から分離され
た酸素富化空気をごみの熱分解によって得られたチャー
に供給して内部を高温に保持するための酸素富化空気の
導入管43および助燃剤の供給管44が接続されてい
る。そして、この溶融炉40の下流側には、ごみの熱分
解によって生成した還元雰囲気にある熱分解ガスを完全
燃焼させるための二次燃焼室45が配設され、この二次
燃焼室45の出口側に廃熱回収ボイラ46が設けられて
おり、このボイラ46において回収された熱によって図
示されないタービンを駆動し、これと連結された発電機
によって上記廃熱が電力として回収されるようになって
いる。
【0038】そして、上記ボイラ46の下流側に、廃熱
を回収された飛灰を含む排ガスが導入される反応槽1が
設けられている。この反応槽1内は、図3に示すよう
に、隔壁となる円板状または方形板状の下部デッキ2お
よび上部デッキ3により、石灰石(CaCO3)を溶解
または懸濁した水溶液からなる吸収液4を一定の液面高
さに貯留する貯留部と、上下部デッキ2、3間にあって
排ガスの入口ダクトが接続された入口プレナム6と、上
部デッキ3上方にあって排ガスの出口ダクト7と連通す
る出口プレナム8とに画成されている。上記下部デッキ
2には、多数の開口部が穿設されており、各開口部に
は、スパージャーパイプ9…が垂設され、かつ各スパー
ジャーパイプ9の上記吸収液4中にある下部外周壁に
は、排ガスの噴出口が穿設されている。他方、上記下部
デッキ2と上部デッキ3との間には、上記貯留部の吸収
液面上の空間を出口プレナム8側に連通させるガスライ
ザー10…が配設されている。なお、図中符号11は、
上記反応槽1の吸収液4内に酸化用空気(酸素含有ガ
ス)を導入する酸化用空気供給管(酸化手段)であり、
符号12は吸収液4を攪拌するための攪拌機である。
【0039】また、この排ガスの処理装置においては、
上記反応槽1で生成された石膏および吸収液4によって
抽出・洗浄された飛灰を含む吸収液スラリーをポンプ1
4で移送管15を介して抜き出して、固液分離する固液
分離器(分離手段)16が配設されている。そして、こ
の固液分離器16で分離されたろ液は、移送ポンプ20
によって移送管21から入口プレナム6に導かれ、スプ
レーノズル5から排ガスの冷却に使用された後に、排ガ
スとともに再び反応槽1内に循環され、その一部が適宜
排水ライン39から排水処理設備38に送られるように
なっている。
【0040】他方、固液分離器16で分離された生成石
膏および飛灰を含むケーキまたはスラリーは、戻り管
(移送ライン)22を介して図1に示す造粒機47に送
られ、ここで造粒されて再び溶融炉40の投入口40a
から当該溶融炉40内に戻されるようになっている。さ
らに、上記反応槽1には、内部の吸収液4のpHを検出
する検出器からの検出信号に基づいて、上記吸収液4中
にCa(OH)2等のCa系、MgOやMg(OH)2
のMg系あるいはNaOH等のNa系のアルカリ液を供
給するpH制御装置が設けられている。
【0041】そして、上記反応槽1の排ガスの出口ダク
ト7には、図示されないミストエリミネータを介して、
図1に示すように、順次排ガス流路30に沿って反応槽
1から排出された排ガスを昇温させる熱交換器31と、
排ガス中に残留している飛灰等を捕集するバグフィルタ
(集塵機)32と、大気に放出する前の排ガスを白煙防
止のために昇温させる熱交換器33とが配設されてお
り、この熱交換器33を経た排ガスが、煙突から大気に
放出されるようになっている。また、バグフィルタ32
の上流側の排ガス流路30には、排ガス中に粉末活性炭
を噴霧するノズルが設けられており、このノズルには、
バグフィルタ32において捕集された粉末活性炭が循環
供給ライン35を介して循環供給されるようになってい
る。この循環供給ライン35には、循環供給される粉末
活性炭の一部を取り出す排出ライン35aが枝配管さ
れ、他方循環供給ライン35に活性炭を補給する供給ラ
イン35bが接続されている。
【0042】さらに、バグフィルタ32において捕集さ
れたバグ飛灰は、戻り管(第2の移送ライン)36から
上記造粒機47に送られ、反応槽1から分離された生成
石膏および洗浄された飛灰を含むケーキまたはスラリー
と共に造粒されて溶融炉40に戻されるようになってい
る。また、上記粉末活性炭の排出ライン35aも、上記
戻り管36に接続されることにより、循環供給される粉
末活性炭の一部が同様に溶融炉40に戻されるようにな
っている。
【0043】次に、上記構成からなる飛灰を含む排ガス
の処理装置を用いた本発明に係る処理方法の第1の実施
形態について説明する。ごみを投入口40aからごみ溶
融炉40に投入された破砕ごみは、内部で熱分解されて
熱分解ガスと炭素質で高カロリーなチャーになる。そし
て、上記チャーは、導入管43、44から供給された酸
素富化空気および助燃剤によって燃焼されることによ
り、当該ごみ溶融炉40の底部が1650℃程度の高温
に保持される。これにより、ごみ溶融炉40内は、底部
の燃焼・溶融域、中央部の熱分解域および頂部の乾燥域
の三帯域が連続した状態に保たれ、ごみ中の不燃物が底
部の燃焼・溶融域において無害の溶融スラグ(金属やガ
ラスの溶融物)となり、炉底から連続的に排出されて行
く。これと並行して、ごみ溶融炉40の底部における反
応によって発生した高温ガスは、炉内を上昇して順次投
入されたごみを熱分解域において熱分解し、還元雰囲気
の熱分解ガスを発生し、この熱分解ガスによって投入口
40aから投入されたばかりのごみを乾燥する。
【0044】次いで、上記熱分解ガスは、ダクトから二
次燃焼室45に送られて完全燃焼された後、その廃熱が
ボイラ46で蒸気に熱交換され、得られた蒸気によって
タービンが駆動されることにより、発電機によって電力
として回収される。このようにして廃熱が回収された排
ガスは、入口ダクトから反応槽1の入口プレナム6に導
入される。一方、反応槽1内の吸収液のpHを、上記p
H制御装置によってアルカリ液を供給しながら2.0〜
4.0の範囲に保持し、入口プレナム6に導入された排
ガスを、各スパージャーパイプ9の下端噴出口から水平
方向に噴出させる。すると、上記排ガスは、吸収液4と
激しく混合して液相連続のジェットバブリング層Bを形
成し、このジェットバブリング層Bにおいて高効率な気
液接触が行われて亜硫酸ガス(SO2)ならびに塩化水
素(HCl)が吸収され、カルシウム成分によって中和
されるとともに亜硫酸が酸化されることにより、上記吸
収液中に石膏(CaSO4・2H2O)が生成し、これが
結晶成長して吸収液4中において粒径が粗大粒子化す
る。
【0045】またこれと並行して、低pHの上記吸収液
4によって排ガスに同伴した飛灰が、吸収液中に捕促さ
れるとともに、酸抽出されて洗浄され、さらに当該飛灰
に含まれる未反応のアルカリ分が中和されて安定化され
る。また、上記排ガス中に含まれる塩化水素ガス等の他
の酸性ガスは、上記吸収液4中に溶解して排ガスから除
去される。この際に、上記飛灰に含まれている溶解性の
無機塩素および水銀、カドミウム、鉛、クロム等の低沸
点重金属も、上記ジェットバブリング層Bにおいて吸収
液4中に捕集される。
【0046】なお、これらの反応および処理にともなっ
て、処理すべき排ガスの容量が大きい場合や亜硫酸ガス
の濃度が高い場合には、経時的に吸収液4の酸性度が高
まってpHが2よりも低下することも考えられるが、こ
のような場合には、上述したpH制御装置の検出器から
の検出信号に基づいて、上記吸収液4に、pHを上記範
囲に保持するための相応量の上記アルカリ液が添加され
る。
【0047】このようにして、所定の石膏濃度に制御さ
れた生成石膏および洗浄された飛灰等を含む吸収液スラ
リーは、ポンプ14によって反応槽1から抜出され、移
送管15から固液分離器16に送られ、ここで固液分離
される。そして、上記固液分離器16で分離されたろ液
は、移送ポンプ20によって移送管21から入口プレナ
ム6内へ送られて、スプレーノズル5から噴射され、排
ガスの冷却に用いられた後に、排ガスと同伴して再び反
応槽1に戻される。この際に、その一部が適宜排水ライ
ン39から抜出されることにより、吸収液4中に捕集さ
れた飛灰中の水銀、カドミウム、鉛、クロム等の低沸点
重金属がこの排ガスの処理装置等において発生する他の
排水とともに系外に抜出され、排水処理設備38に送ら
れる。そしてこの排水処理設備38において、化学処理
されて排水と分離されて回収され、埋立処分または山元
に還元される。また、排水については、放流される。
【0048】他方、固液分離器16で分離された石膏お
よび飛灰を含むケーキまたはスラリーは、戻り管22か
ら造粒機47に送られる。このようにして、亜硫酸ガス
や塩素ガス等の酸性ガスおよび同伴した飛灰の大部分が
除去されて煤塵濃度が0.1〜0.3g/Nm3 程度と
なった排ガスは、反応槽1の出口ダクト7から排出さ
れ、ミストエリミネータにおいて塩類を含むミストが捕
捉された後に、熱交換器31に送られる。そして、この
熱交換器31において、その水分飽和温度に対して20
〜50℃高い温度に昇温された後に、バグフィルタ32
に送られる。
【0049】この際に、排ガス中に循環供給ライン35
から供給される粉末活性炭がノズルから噴霧されること
により、当該排ガス中に含まれるダイオキシン類が吸着
除去される。また、上記ダイオキシン類は、バグフィル
タ32のろ布に付着した飛灰層においても、吸着除去さ
れる。次いで、バグフィルタ32において、排ガス中に
残留している飛灰およびダイオキシン類を吸着した粉末
活性炭が取り除かれ、無害化された排ガスは熱交換器3
3においてさらに昇温されて煙突から大気に放出され
る。
【0050】また、バグフィルタ32において捕集され
たバグ飛灰は分離除去されて戻り管36から上記造粒機
47に送られ、反応槽1から分離された石膏および飛灰
を含むケーキまたはスラリーと共に、好ましくは炭団状
に造粒され、給塵機42の入口側に供給されて破砕ごみ
と共に溶融炉40に戻されるようになっている。また、
循環供給されて劣化した粉末活性炭の一部も、排出ライ
ン35aから戻り管36に送られ、石膏および飛灰を含
むケーキまたはスラリーとともに、溶融炉40に戻され
る。このようにして、溶融炉40に戻された石膏、飛灰
および粉末活性炭は、他の破砕ごみとともに溶融処理さ
れてスラグ化される。この際に、上記飛灰中に含まれる
ダイオキシン類も、上記溶融炉40内において熱分解さ
れる。
【0051】以上のように、上記飛灰を含む排ガスの処
理装置およびこれを用いた処理方法によれば、廃棄物の
ガス化溶融プロセスにおいて発生した酸性ガス、ダイオ
キシン類および飛灰を含む排ガスを、反応槽1において
pHが2.0〜6.0の範囲の酸性に保持されたカルシ
ウム成分を含む吸収液と気液接触させることにより、排
ガス中に含まれる亜硫酸ガスおよび塩化水素を吸収除去
することと並行して、飛灰を酸抽出するとともに、当該
飛灰に含まれる未反応のアルカリ分を中和して安定化さ
せることができ、さらに飛灰中の水銀、カドミウム、
鉛、クロム等の低沸点重金属についても吸収液中に抽出
して排ガスから分離・除去することができる。
【0052】そして、反応槽1において生成した石膏お
よび安定化された飛灰並びに抽出された低沸点重金属を
含む吸収液スラリーを、上記反応槽1から抜出して固液
分離することにより、生成石膏および洗浄された飛灰を
含むケーキまたはスラリーを溶融炉40に戻してスラグ
化させるとともに、含有するダイオキシン類を当該溶融
炉40において熱分解することが可能になる。したがっ
て、上記排ガスの処理装置および処理方法にあっては、
排ガスに含まれる亜硫酸ガス等の酸性ガスの除去のみな
らず、飛灰の安定化処理と揮発性重金属の分離排出をも
並行して行なうことができ、よって飛灰の処理に別途の
専用処理設備を必要とすることがなくて経済性に優れる
とともに、揮発性重金属を排水とともに分離して系外に
排出し、他方安定化された飛灰を溶融炉にリサイクルし
てスラグ化させることができるため、廃棄物処理に伴っ
て発生する埋立処理物質の減容化も図ることができる。
【0053】加えて、飛灰中に含まれるダイオキシン類
についても、反応槽1から排出されて分離された飛灰お
よびバグフィルタ32において捕集された当該飛灰とと
もに、溶融炉40において熱分解処理することができ、
よって焼却設備におけるダイオキシン類の総排出量を簡
易に低減化させることができる。さらに、また、吸収液
中に抽出され、当該排ガスの処理装置等において発生す
る他の排水とともに系外に抜出された重金属類は、飛灰
より高濃度に濃縮されているため、有効物として山元へ
還元することも可能になる。
【0054】この際に、反応槽1から排出された排ガス
を、下流のバグフィルタ32において凝縮しない相対湿
度まで低下させた後に、当該バグフィルタ32に送って
いるので、当該排ガスの凝縮によってバグフィルタ32
のケーシングを腐食したり、あるいはろ布の目詰りを発
生したりする虞がない。また、本実施形態においては、
熱交換器31によって排ガスをその水分飽和温度に対し
て20〜50℃高い温度に昇温した後に、バグフィルタ
32に送っているので、当該温度範囲において、バグフ
ィルタ32のろ布に付着した飛灰層におけるダイオキシ
ン類の吸着除去効果を得ることができるために、循環供
給ラインから噴霧される活性炭によるダイオキシン類の
吸着除去効果とあいまって、高いダイオキシン類の除去
を行なうことができる。
【0055】しかも、排ガス中の飛灰の大部分は、反応
槽1において安定化されたうえで除去されている結果、
バグフィルタ32で捕集した飛灰中の活性炭濃度が高く
なる。このため、上記活性炭の循環使用が可能になり、
よって従来と比較して高価な活性炭の使用量を大幅に低
減することができる。また、その噴霧量についても、排
ガス容積の減少との相乗効果により、一層の低減化を図
ることができる。また、このバグフィルタ32において
捕集したバグ飛灰についても、溶融炉40に戻してスラ
グ化処理することができるため、上述した処理物質の減
容化に寄与する。加えて、ダイオキシン類を除去して劣
化した粉末活性炭の一部についても、上記飛灰とともに
溶融炉40に戻して熱分解ガス化燃焼処理することがで
きるため、当該粉末活性炭についても、吸着したダイオ
キシン類と共にその処理を行なうことができる。
【0056】(第2の実施の形態)図2は、本発明に係
る飛灰を含む排ガスの処理装置の第2の実施形態を示す
もので、図1および図3に示したものと同一構成部分に
ついては、同一符号を付してその説明を省略する。図2
に示すように、この排ガスの処理装置においては、バグ
フィルタ32の上流側の排ガス流路30とバグフィルタ
32との間に設けられた粉末活性炭の循環供給ライン3
5に、その一部を取り出す排出ライン35aが枝配管さ
れ、この排出ライン35aが、戻り管(第3の移送ライ
ン)50によって反応槽1内の吸収液4中に配管されて
いる。これにより、バグフィルタ32において捕集され
たバグ飛灰および粉末活性炭は、上記戻り管50から上
記吸収液4中に戻されるようになっている。
【0057】以上の構成からなる排ガスの処理装置を用
いた飛灰を含む排ガスの処理方法においては、バグフィ
ルタ32において捕集されたダイオキシン類を含む飛灰
および未だ吸収能を有する粉末活性炭の一部が、循環供
給ライン35からブローダウンされて上記吸収液4中に
戻される。そして、この吸収液4中において、バグフィ
ルタ32によって捕集された飛灰が一層の安定化される
とともに、未だ吸収能を有する粉末活性炭が吸収液4中
に分散する結果、この粉末活性炭が排ガスと吸収液4と
のジェットバグリング層Bにおいて、排ガス中のダイオ
キシン類を吸着除去する。
【0058】このようにして上記反応槽1に戻されたバ
グ飛灰および活性炭は、図1および図3に示したものと
同様にして、生成石膏および洗浄された飛灰等を含む吸
収液スラリーとしてポンプ14によって抜出され、移送
管15から固液分離器16に送られ、ここで固液分離さ
れた後に、戻り管22から造粒機47に送られ、好まし
くは炭団状に造粒され、給塵機42の入口側に供給され
て破砕ごみと共に溶融炉40に戻される。そして、この
溶融炉40において、上記飛灰および粉末活性炭の一部
は、他の破砕ごみとともに溶融処理されてスラグ化され
る。この際に、上記飛灰中に含まれるダイオキシン類
も、上記溶融炉40内において熱分解される。
【0059】したがって、上記処理装置を用いた飛灰を
含む排ガスの処理方法によれば、循環供給ライン35か
らノズルを介して、排ガス中のダイオキシン類の吸着に
要する量を超えて噴霧した上記粉末活性炭の吸着容量
を、より有効に活用することができ、延いては高価な活
性炭の使用量を一段と低減化させることができる。この
際に、循環供給ライン35に補給する活性炭の量を一段
と低減化させることができるため、当該削減量に相当す
る量の粉末活性炭を補給ライン51から直接反応槽1に
供給するようにすれば、上述した反応槽1内における飛
灰の安定化とダイオキシン類の吸着除去効果を一層向上
させることも可能になる。
【0060】なお、上記実施形態の説明においては、本
発明に係る飛灰を含む排ガスの処理方法を、ガス化・溶
融一体方式の直接溶融炉を用いた廃棄物のガス化溶融プ
ロセスにおいて発生した排ガスの処理に適用した場合に
ついてのみ説明したが、これに限定されるものではな
く、他のガス化溶融プロセスからの排ガスを処理する場
合に対しても、同様に適用することが可能である。例え
ば、前述したガス化ゾーンと溶融ゾーンとが分離された
廃棄物の溶融設備に適用した場合には、排ガスの無害化
処理工程において分離された飛灰を含むケーキまたはス
ラリーを乾留炉の入口あるいは燃焼溶融炉の入口に戻せ
ばよい。また、上記実施形態においては、石膏および安
定化された飛灰を含むケーキまたはスラリーを、一旦造
粒機47において炭団状に造粒して給塵機42の入口側
に戻す場合について述べたが、上記ケーキまたはスラリ
ーをそのまま破砕ごみピットまたはホッパ41に投入
し、破砕ごみと混合した状態で給塵するようにしてもよ
い。
【0061】さらに、アルカリ成分として、Mg系、N
a系のアルカリ化合物を用いた場合には、MgSO4
MgCl2 もしくはNaSO4 、NaClの可溶性の硫
酸塩、塩酸塩として、亜硫酸ガス、塩化水素ガスなどが
固定化されるので、上記固液分離器16において、飛灰
を含むケーキまたはスラリー(固形分)と分離された重
金属類および塩酸塩や硫酸塩を含む液体分とに分離し、
上記固形分をそのまま溶融炉40に戻してスラグ化処理
するとともに、液体分については排水処理設備38に送
ればよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜7のい
ずれかに記載の飛灰を含む排ガスの処理方法および請求
項8〜13のいずれかに記載の飛灰を含む排ガスの処理
装置によれば、廃棄物のガス化溶融プロセスにおいて発
生した酸性ガスおよび飛灰を含む排ガスを、反応槽にお
いてpHが2.0〜6.0の範囲の酸性に保持されたア
ルカリ成分を含む吸収液と気液接触させることにより、
排ガス中に含まれる亜硫酸ガスおよび塩化水素を吸収除
去することと並行して、飛灰を酸抽出するとともに、当
該飛灰に含まれる未反応のアルカリ分を中和して安定化
させることができ、さらに飛灰中の水銀、カドミウム、
鉛、クロム等の低沸点重金属についても吸収液中に抽出
して排ガスから分離・除去することができるために、こ
れらから分離された飛灰を含むケーキまたはスラリーを
溶融炉に戻してスラグ化させることができ、よって飛灰
の処理に別途の専用処理設備を必要とすることがなくて
経済性に優れるとともに、廃棄物処理に伴って発生する
埋立処理物質の減容化も図ることができる。
【0063】しかも、塩素ガス等が除去されるとともに
揮発性重金属も分離された安定化された飛灰を得ること
ができるため、これをそのまま溶融炉にリサイクルして
スラグ化させることができ、よって特に所定値以上のダ
イオキシン類を含む排ガスに対しては、噴霧された活性
炭によってこれを吸着し、集塵機において上記飛灰とと
もに捕集して溶融炉に戻すか、あるいは吸収液中に戻し
て活性炭の有効利用を行なった後に吸収液から分離し
て、上述した安定化された飛灰を含むケーキまたはスラ
リーとともに溶融炉に戻すことにより、上記溶融炉にお
いて当該ダイオキシン類を熱分解することができ、よっ
て焼却設備におけるダイオキシン類の総排出量を簡易に
低減化させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る飛灰を含む排ガスの処理装置の第
1の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の処理装置の第2の実施形態を示す概略
構成図である。
【図3】図1および図2における反応槽とその付帯設備
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 反応槽 4 吸収液 9 スパージャーパイプ 11 酸化用空気供給管(酸化手段) 16 固液分離器(分離手段) 22 戻り管(飛灰の移送ライン) 31 熱交換器31 32 バグフィルタ(集塵機) 36 戻り管(第2の移送ライン) 40 溶融炉 50 戻り管(第3の移送ライン) B ジェットバブリング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F23J 1/00 B01D 53/34 134E F23J 15/00 J 15/00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物のガス化溶融プロセスにおいて発
    生した、飛灰と酸性ガスとして少なくとも亜硫酸ガスと
    を含有する排ガスから上記酸性ガスおよび飛灰を除去す
    る排ガスの処理方法であって、 上記ガス化溶融プロセスにおける溶融炉から排出された
    上記酸性ガスおよび飛灰を含む排ガスを、pHが2.0
    〜6.0の範囲に保持された吸収剤としてアルカリ成分
    を含む吸収液と気液接触させることにより、上記酸性ガ
    スを上記吸収液中に吸収し、さらにこれを酸化させるこ
    とにより上記亜硫酸ガスを硫酸イオンとして固定すると
    ともに、上記飛灰中に含まれる溶解性の無機塩素および
    重金属類を上記吸収液で抽出することにより当該飛灰を
    安定化させ、次いで上記吸収液から固液分離した上記安
    定化された飛灰を含むケーキまたはスラリーを、上記溶
    融炉に戻してスラグ化させることを特徴とする飛灰を含
    む排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】 上記吸収液を経た排ガスを、下流の集塵
    機において凝縮しない相対湿度まで低下させた後に、当
    該集塵機において上記排ガス中に残留する上記飛灰を捕
    集することを特徴とする請求項1に記載の飛灰を含む排
    ガスの処理方法。
  3. 【請求項3】 上記吸収液を経た排ガスを、その水分飽
    和温度に対して20℃以上高い温度に昇温した後に、上
    記集塵機に送ることを特徴とする請求項2に記載の飛灰
    を含む排ガスの処理方法。
  4. 【請求項4】 上記排ガスは、ダイオキシン類を含み、
    かつ上記集塵機の上流側の上記排ガスに、循環供給され
    る活性炭を噴霧することを特徴とする請求項2または3
    に記載の飛灰を含む排ガスの処理方法。
  5. 【請求項5】 上記集塵機において捕集した飛灰および
    /または活性炭を、上記溶融炉に戻してスラグ化させる
    ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の
    飛灰を含む排ガスの処理方法。
  6. 【請求項6】 上記集塵機において捕集した飛灰および
    /または活性炭を、上記吸収液中に戻すことを特徴とす
    る請求項2ないし4のいずれかに記載の飛灰を含む排ガ
    スの処理方法。
  7. 【請求項7】 上記排ガスと吸収液との気液接触および
    その酸化並びに当該吸収液による溶解性の無機塩素およ
    び飛灰中に含まれる重金属類の抽出を、上記排ガスを多
    数本のスパージャーパイプを介して上記吸収液中に噴射
    させるジェットバブリング方式の反応槽によって行な
    い、かつ上記吸収液のpHを、2.0〜4.0の範囲に
    保持することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    に記載の飛灰を含む排ガスの処理方法。
  8. 【請求項8】 廃棄物をガス化溶融処理する溶融炉と、
    この溶融炉において発生した、飛灰と少なくとも酸性ガ
    スである亜硫酸ガスとを含有する排ガスが導入される入
    口ダクトが接続されるとともに、内部に上記排ガスと気
    液接触させるためのアルカリ成分を含み、かつpH2.
    0〜6.0の範囲に保持された吸収液が収納される反応
    槽と、上記吸収液に酸素含有ガスを導入して酸化させる
    酸化手段と、上記吸収液と飛灰を含む固形分とを分離す
    る分離手段と、この分離手段によって分離された飛灰を
    含む固形分を上記溶融炉に戻すための移送ラインとを備
    えてなることを特徴とする飛灰を含む排ガスの処理装
    置。
  9. 【請求項9】 上記反応槽の排ガスの出口ダクトには、
    上記排ガスを昇温する熱交換器と、この熱交換器の下流
    側に配設された集塵機とを備えてなることを特徴とする
    請求項8に記載の飛灰を含む排ガスの処理装置。
  10. 【請求項10】 上記集塵機と、この集塵機の上流側の
    排ガス流路との間には、上記排ガスに活性炭を吹き込む
    とともに、上記集塵機で捕集された当該活性炭を上記排
    ガス流路に戻す活性炭の循環供給ラインが配設されてい
    ることを特徴とする請求項9に記載の飛灰を含む排ガス
    の処理装置。
  11. 【請求項11】 上記集塵機において捕集した飛灰およ
    び/または活性炭を、上記溶融炉に戻す第2の移送ライ
    ンが設けられていることを特徴とする請求項9または1
    0に記載の飛灰を含む排ガスの処理装置。
  12. 【請求項12】 上記集塵機において捕集した飛灰およ
    び/または活性炭を、上記反応槽に戻す第3の移送ライ
    ンが設けられていることを特徴とする請求項9または1
    0に記載の飛灰を含む排ガスの処理装置。
  13. 【請求項13】 上記反応槽は、上記排ガスを多数本の
    スパージャーパイプを介して上記吸収液中に噴射させる
    とともに、当該吸収液内に上記酸化手段が導入されたジ
    ェットバブリング方式の反応槽であることを特徴とする
    請求項8ないし12のいずれかに記載の飛灰を含む排ガ
    スの処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104722187A (zh) * 2015-02-12 2015-06-24 中科华核电技术研究院有限公司 一种等离子熔融炉尾气处理系统

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