JPH1118799A - Dnaの塩基配列決定方法 - Google Patents
Dnaの塩基配列決定方法Info
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- JPH1118799A JPH1118799A JP9180885A JP18088597A JPH1118799A JP H1118799 A JPH1118799 A JP H1118799A JP 9180885 A JP9180885 A JP 9180885A JP 18088597 A JP18088597 A JP 18088597A JP H1118799 A JPH1118799 A JP H1118799A
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Abstract
の高さの差を小さくしてシークエンスの読み取りの精度
を向上させたRNAポリメラーゼを用いるDNAの塩基配
列決定方法の提供。 【解決手段】RNAポリメラーゼ及び前記RNAポリメ
ラーゼのためのプロモーター配列を含むDNA断片の存
在下、リボヌクレオシド5トリフォスフェート類及び3デ
オキシリボヌクレオシド5トリフォスフェート(3dNTP誘
導体)を反応させて核酸転写生成物を得、得られる核酸
転写生成物を分離し、得られる分離分画から核酸の配列
を読み取るDNAの塩基配列決定方法であって、前記核
酸転写反応を無機ピロフォスファターゼの存在下で行う
方法。
Description
定方法に関する。特に本発明は、無機ピロフォスファタ
ーゼを併用するDNAの塩基配列決定方法に関する。
た方法であり、年々その利用範囲が広がっている[Rand
all K. Saiki et al. (1988) Science 239, 487-491]。
PCR 法では、1分子のDNA 断片を増幅することも可能で
ある。PCR 法で増幅した生成物をクローニングすること
なくシークエンスする方法(ダイレクト・シークエンス
法)も有用な方法である[Corinne Wong et al. (1988)
Nature, 330,384-386]。この方法はライブラリー作製
やそのライブラリーのスクリーニングが不要であり、多
くのサンプルの配列情報を同時に得られる迅速な方法で
ある。
法には2つの大きな問題点がある。一つは、取り込めな
かったプライマー及び2’デオキシリボヌクレオシド5
トリフォスフェート(2’dNTPs)が反応系中に残
存し、これらがシークエンス反応を妨げることである。
従って、従来法では、これら残存するプライマーと2’
dNTPsは、シークエンスの前にPCR生成物から除
去する必要があった。PCR生成物の精製方法には種々
の方法があり、例えば、電気泳動による精製法、エタノ
ール沈殿法、ゲル濾過法、HPLC精製法がある[例え
ば、Dorit R.L et al. (1991) Current Protocols in M
olecular Biology, Vol. 11, John Wiley and Sons, Ne
w York, 15.2.1-15.2.11参照」。しかし、何れの方法で
も煩雑である。
(renaturation) である。PCR生成物が2本鎖DNA
に再生してしまうと、1本鎖のテンプレート(鋳型)で
はなくなり、プライマーと1本鎖テンプレートとの間の
アニーリングを妨げる。再生を最小限にするための方法
として、例えば変性後の急冷、1つのプライマーのビオ
チレーション(biotilation)とストレプトアビジン被覆
物へのPCR生成物の吸着、エクソヌクレアーゼの使
用、エイシメトリックPCR等が報告されている。例え
ば、Barbara Bachmannら、1990, Nucleic Acid Res.,1
8, 1309- に開示されている。しかし、これらの方法の
殆どは、長い時間を必要とし、非常に面倒である。
として、本発明者は、PCR 反応系中に残存する未反応の
プライマー及び2’デオキシリボヌクレオシド5トリフ
ォスフェート(2’dNTPs)を除去することなく、
かつPCR反応生成物が迅速に再生する問題を回避する
ため、変性自体を全く行わないで良い、全く新しいDNA
の塩基配列決定方法を提案した〔WO96/14434〕。この方
法は、T7 RNAポリメラーゼ等のRNA ポリメラーゼとRN
A転写反応のターミネーター(例えば、3’デオキシリ
ボヌクレオシド5’トリフォスフェート、3’dNTP
s)を用いるダイレクト転写シークエンス法である。こ
の方法によれば、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅した
DNA生成物の塩基配列を、プライマー及び2’デオキ
シリボヌクレオシド5トリフォスフェート(2’dNT
Ps)を除去する必要なしにそのままシークエンスに使
用できる。さらに、変性自体を全く行わないため、PC
R生成物が迅速に再生する問題も回避でき、極めて優れ
た方法である。
ついて本発明者がさらに研究を行ったところ、より正確
な塩基配列データを得るためには、さらに解決すべき課
題があることを見出した。上記塩基配列決定法におい
て、T7 RNAポリメラーゼ等の RNAポリメラーゼは、ATP
、GTP 、CTP 及びUTP 又はそれらの誘導体からなるリ
ボヌクレオシド5トリフォスフェート類並びに3'dATP、
3'dGTP、3'dCTP、3'dUTP或いはそれらの誘導体からなる
少なくとも1種の3'デオキシリボヌクレオチドの混合物
中で反応させる。この反応において、鋳型の配列に相応
した塩基を有するリボヌクレオチド及び3'デオキシリボ
ヌクレオチドが、リボヌクレオチド配列中に逐次取り込
まれることで、ポリリボヌクレオチドが合成される。
応する3'-デオキシリボヌクレオチドやその誘導体は、
上記配列に取り込まれにくいこと、さらに、リボヌクレ
オチドの中及び3'-デオキシリボヌクレオチドの中でも
それぞれ塩基の種類により、配列への取り込まれ方に差
があることが判明した。このようにリボヌクレオチドと
3'-デオキシリボヌクレオチドとの間、並びに異なる塩
基を有するリボヌクレオチド間及び異なる塩基を有する
デオキシリボヌクレオチド間でのバイアスが存在するた
め、転写生成物は得られるものの、得られる転写生成物
は短鎖であったり、標識されたリボヌクレオチドからの
シグナルにバラツキがあった。
て、各リボヌクレオチドに対応するピークの高さ(シグ
ナルの強弱)に極端な差が生じ、ピークの高さが極端に
高いと、他のピークと重複して、読み取りに誤りが生じ
たり、ピークの高さが極端に小さいと、読み取りが出来
なくなるという問題があった。このように、ピークの高
さに極端な高低差が生じると、シークエンスの読み取り
の精度が悪くなる。
ゼを用いるDNAの塩基配列決定方法において、各リボ
ヌクレオチドに対応して得られるピークの高さの差を小
さくしてシークエンスの読み取りの精度を向上させたD
NAの塩基配列決定方法を提供することにある。
クレオチドの種類によるバイアスが少ないか、或いは全
くないRNA ポリメラーゼを用いて、長鎖の転写生成物の
生成が可能であり、その結果、標識されたデオキシリボ
ヌクレオチドからのシグナルにバラツキが少なく、か
つ、各リボヌクレオチドに対応して得られるピークの高
さの差を小さくしてシークエンスの読み取りの精度を向
上させて、より正確なシークエンスデータを得ることが
可能なDNAの塩基配列決定方法を提供することを目的
とする。
ラーゼ及び前記RNAポリメラーゼのためのプロモータ
ー配列を含むDNA断片の存在下、ATP、GTP、C
TP及びUTP又はそれらの誘導体からなるリボヌクレ
オシド5トリフォスフェート類並びに3dATP、3dGTP、3dC
TP、3dUTP及びそれらの誘導体からなる1種又は2種以上
の3デオキシリボヌクレオシド5トリフォスフェート(以
下3dNTP誘導体という)を反応させて核酸転写生成物を
得、得られる核酸転写生成物を分離し、得られる分離分
画から核酸の配列を読み取るDNAの塩基配列決定方法
であって、前記核酸転写反応を無機ピロフォスファター
ゼの存在下で行うことを特徴とするDNAの塩基配列決
定方法に関する。
定方法であって、RNAポリメラーゼが、対応する野性
型RNAポリメラーゼの能力と比較して、前記3dNTP誘
導体を取り込む能力を増加させるように、少なくとも1
つのアミノ酸が修飾された野性型RNAポリメラーゼか
らなる変異型RNAポリメラーゼである方法に関する。
法は、RNAポリメラーゼ及び前記RNAポリメラーゼ
のためのプロモーター配列を含むDNA断片の存在下、
リボヌクレオチド(NTP)と3デオキシリボヌクレオ
チド (3dNTP)誘導体を反応させ、得られた核酸転写生成
物の分離分画から核酸の配列を読み取る事からなるもの
であり、核酸転写反応を無機ピロフォスファターゼの存
在下で行うことに特徴がある。
フォスファターゼ存在下で行うことが、各標識されたリ
ボヌクレオチドに対応して得られるピークの高さ(シグ
ナルの強弱)の差を小さくしてシークエンスの読み取り
の精度を向上させて、より正確なシークエンスデータを
得ることを可能にするという観点から好ましい。
生じるピロリン酸塩が増加することによって起こり、結
果として合成されたDNA生成物が分解する方向に反応を
促進する働きをする。その結果、ピロホスホロリシス
は、DNAポリメラーゼを用いたジデオキシシーケンス法
においてシーケンスを阻害することになる。それに対し
て、無機ピロフォスファターゼをDNAポリメラーゼを用
いたジデオキシシーケンス法において使用すると、ピロ
ホスホロリシスを阻害して、安定したシークエンスデー
タが得られることが知られている[特開平4−5060
02号]。しかるに、ピロホスホロリシスが、RNAポ
リメラーゼを用いたシーケンス法において、どのような
作用をするかは知られていなかった。そこで、本発明者
の検討の結果、上記本発明の方法において、核酸転写生
成反応を無機ピロフォスファターゼ存在下で行うこと
で、各標識されたリボヌクレオチドに対応して得られる
ピークの高さ(シグナルの強弱)の差を小さくでき、よ
り安定したシークエンスデータが得られることが判明し
た。
は、市販品として入手可能であり、例えば、シクマ社か
らINORGANIC PYROPHOSPHATASEとして、またベーリンガ
ー社からピロフォスファターゼとして市販されている。
また、無機ピロフォスファターゼの使用量は、無機ピロ
フォスファターゼ及びRNAポリメラーゼの活性の程度
にもよるが、例えば、RNAポリメラーゼ1単位に対し
て10-6〜10-2単位の範囲とすることが適当である。
NA断片を鋳型として、RNAポリメラーゼを用いて核
酸転写生成物を酵素的に合成する方法、核酸転写生成物
の分離方法、さらには分離された分画から核酸の配列を
読み取る方法は、原理的には何れも公知の方法である。
従って、これらの点に関して、いずれの公知の方法及び
条件、装置等を適宜利用することができる。
リメラーゼのためのプロモーター配列を含むこと以外、
制限はない。例えば、プロモーター配列を含むDNA断
片がポリメラーゼ連鎖反応により増幅したDNA生成物
であることができる。さらに、増幅したDNA生成物か
ら、ポリメラーゼ連鎖反応に用いたプライマー及び/又
は2デオキシリボヌクレオシド5トリフォスフェート及び
/又はその誘導体を除去することなしに、本発明の方法
における核酸転写生成反応を行うことができる。上記D
NA増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応は、PCR法と
して広く用いられている方法をそのまま用いることがで
きる。また、プロモーター配列を含むDNA断片は、プ
ロモーター配列と増幅対象のDNA断片とをライゲーシ
ョンした後、適当な宿主を用いてクローニングされたD
NA断片であることもできる。即ち、本発明において、
増幅の対象であるDNA配列、プライマー、増幅のため
の条件等には特に制限はない。
片の増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応の反応系とし
て、10〜50ngのゲノミックDNA又は1pgのク
ローンされたDNA、10μMの各プライマー、200
μMの各2’デオキシリボヌクレオシド5’トリフォス
フェート(dATP、dGTP、dCTP、dTTP)
を含む20μl容量中でDNAポリメラーゼとして、例
えばTaqポリメラーゼ等を用いて行うことができる。
イマーのいずれか一方又は増幅された挿入(insert)DN
Aが、後述するRNAポリメラーゼのためのプロモータ
ー配列を含む必要がある。ダイレクト転写シーケンス法
では、PCR法において、2種類のプライマーのいずれ
か一方にファージプロモーター配列を持っているプライ
マーを用いるか、又は増幅された挿入DNA内にファー
ジプロモーター配列を持たせることで、得られるPCR
生成物はそのプロモーターにより働くRNAポリメラー
ゼを用いるin vitro転写に付すことができる。RNAポ
リメラーゼのためのプロモーター配列は、用いるRNA
ポリメラーゼの種類に応じて適宜選択することができ
る。
DNA断片からRNA転写物等の核酸転写物を合成する。D
NA断片は、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配
列を含むので、このプロモーター配列が前述の変異型R
NAポリメラーゼに認識されてRNA転写物等の核酸転
写物を合成する。
記変異型RNAポリメラーゼの存在下、ATP、GT
P、CTP及びUTP又はこれらの誘導体からなるリボ
ヌクレオシド5’トリフォスフェート(NTP)類、並
びに1種又は2種以上の3’dNTP誘導体を反応させ
る。尚、3’dNTP誘導体は、本明細書においては、
3’dATP、3’dGTP、3’dCTP、3’dU
TP及びこれらの誘導体の総称として用いる。リボヌク
レオシド5’トリフォスフェート(NTP)類として
は、その一部がATP等の誘導体である場合も含めて、
塩基が異なる少なくとも4種類の化合物が転写物の合成
に必要である。但し、同じ塩基を含む2種以上の化合物
を用いることはできる。
端には、3’dNTP誘導体が取り込まれることによ
り、3’ヒドロキシ基が欠落し、RNA又は核酸の合成
が阻害される。その結果、3’末端が3’dNTP誘導
体である種々の長さのRNA又は核酸断片が得られる。
塩基の異なる4種類の3’dNTP誘導体について、そ
れぞれ、このようなリボヌクレオシド・アナログ体を得
る。このリボヌクレオシド・アナログ体を4通り用意す
ることで、RNA又は核酸配列の決定に用いることがで
きる〔Vladimir D. Axelred er al. (1985) Biochemist
ry Vol. 24, 5716-5723 〕。
写反応に1種類又は2種以上を用いることができる。1
種のみの3’dNTP誘導体を用いて1つの核酸転写反
応を行う場合、核酸転写反応を4回行うことで、3’末
端の3’dNTP誘導体の塩基の異なる4通りの転写生
成物を得る。1回の核酸転写反応で、3’末端の3’d
NTP誘導体は同一で、分子量の異なる種々のRNA又
は核酸断片の混合物である転写生成物が得られる。得ら
れた4通りの転写生成物について、独立に、後述する分
離及び配列の読み取りに供することができる。また、4
通りの転写生成物の2種以上を混合し、この混合物を分
離及び配列の読み取りに供することもできる。
TP誘導体を同時に用いると、1つの反応生成物中に、
3’末端の3’dNTP誘導体の塩基の異なる2通り以
上の転写生成物が含まれることになる。これを後述する
分離及び配列の読み取りに供することができる。核酸転
写反応に2種以上の3’dNTP誘導体を同時に用いる
と、核酸転写反応操作の回数を減らすことができるので
好ましい。
なる4種類のリボヌクレオシド5’トリフォスフェート
類の存在下で、RNAポリメラーゼにより行われ、かつ
3’dNTP誘導体によりターミネートされる。その結
果、各塩基について、RNA又は核酸ラダー(ladder)
がシーケンスのために生成される。本発明では、特に、
核酸転写を塩基の異なる4種類のリボヌクレオシド5’
トリフォスフェート類の存在下で行い、これを分離し
て、4種類の塩基の配列を一度に(同時に)読み取りる
ことが好ましい。
成物を分離する。この分離は、転写生成物に含まれる分
子量の異なる複数の生成物分子を、分子量に応じて分離
することができる方法で適宜行うことができる。このよ
うな分離方法としては、例えば電気泳動法を挙げること
ができる。その他にHPLC等も用いることができる。
電気泳動法の条件等には特に制限はなく、常法により行
うことができる。転写生成物を電気泳動法に付すること
により得られるバンド(RNA又は核酸ラダー)からR
NA又は核酸の配列を読み取ることができる。
物反応に用いるターミネーターであるリボヌクレオシド
5’トリフォスフェート(NTP)類を標識することに
より行うことができる。また、RNA又は核酸ラダーの
読み取りは、転写物反応に用いる3’dNTP誘導体を
標識することにより行うこともできる。標識としては、
例えば、蛍光標識又は放射性若しくは安定同位元素等を
挙げることができるが、蛍光標識であることが、安全性
及び操作性の点で好ましい。また、上記のよう標識用い
ることなく、電気泳動法等により分離した各転写反応生
成物の質量を質量分析計で測定することにより、転写生
成物の配列を読み取ることもできる。
TP誘導体、より具体的には、標識された3’dAT
P、3’dGTP、3’dCTP及び3’dUTPを用
い、転写生成物を電気泳動に付して得られるバンドの放
射性若しくは安定同位元素又は蛍光を検出することで、
転写生成物の配列を読み取ることができる。このように
3’dNTP誘導体を標識することで、いずれのバンド
間の放射性強度又は蛍光強度にばらつきがなく、測定が
容易になる。さらに放射性若しくは安定同位元素又は蛍
光を発生するラダーの検出は、例えば、DNAシーケン
シンクに用いている装置を適宜用いて行うことができ
る。また、放射性若しくは安定同位元素又は蛍光標識さ
れたATP、GTP、CTP及びUTPを用い、電気泳
動に付して得られるバンドの放射性若しくは安定同位元
素又は蛍光を検出することでも転写生成物の配列を読み
取ることができる。
ATP、3’dGTP、3’dCTP及び3’dUTP
を用い、末端が3’dATP、3’dGTP、3’dC
TP又は3’dUTPであり、異なる標識がなされた種
々の転写生成物断片の混合物を電気泳動に付して得られ
るバンドの4種類の蛍光を検出することでRNA又は核
酸の配列を読み取ることもできる。この方法では、4種
類の3’dNTPをそれぞれ異なる蛍光で標識する。こ
のようにすることで、3’末端の異なる4種類の転写生
成物の混合物を電気泳動に付することで、4種類の異な
る(3’末端の3’dNTP)応じた蛍光を発するバン
ドが得られ、この蛍光の違いを識別しながら、1度に4
種類のRNA又は核酸の配列を読み取ることができる。
蛍光標識した3’dNTPとしては、WO96/14434や特開
昭63−152364号等に記載された3デオキシリボ
ヌクレオチド誘導体を用いることができる。また、蛍光
標識としては、アルゴンレーザーのような適切な供給源
からのエネルギー吸収による刺激に引き続いて、検知可
能な発光放射を生じる蛍光色素等であることが好まし
い。
配列から、転写の鋳型として用いられたDNA配列を決
定することができる。各塩基について、それぞれラダー
を形成した場合には、4種類のラダーから得られたRN
A又は核酸配列情報を総合して、転写の鋳型として用い
られたDNA配列を決定することができる。また、2種
以上の塩基について同時にラダーを形成した場合(同一
のラダー内に2種以上の塩基のバンドが共存する場合)
には、各ラダーから得られたRNA又は核酸配列情報を
総合して、転写の鋳型として用いられたDNA配列を決
定することができる。特に、4種の塩基について同時に
ラダーを形成した場合(同一のラダー内に4種の塩基の
バンドが共存する場合)には、1つのラダーから得られ
たRNA又は核酸配列情報から、転写の鋳型として用い
られたDNA配列を決定することができる。
NAポリメラーゼ及び変異型RNAポリメラーゼのいず
れでも良い。但し、対応する野性型RNAポリメラーゼ
の能力と比較して、3dNTP誘導体を取り込む能力を増加
させるように、野性型RNAポリメラーゼの少なくとも
1つのアミノ酸が修飾されたものである変異型のRNA
ポリメラーゼであることが好ましい。ここで、「野性型
RNAポリメラーゼ」は、天然に存在する全てのRNA
ポリメラーゼを含み、さらに、及び野性型RNAポリメ
ラーゼであって、対応する野性型RNAポリメラーゼの
能力と比較して、3デオキシリボヌクレオチドまたはそ
れらの誘導体を取り込む能力を増加させることを目的と
する修飾以外のアミノ酸の変異、挿入または欠落を、さ
らに有するものであることもできる。即ち、野性型RN
Aポリメラーゼを人為的に上記以外の目的で修飾したR
NAポリメラーゼも、上記「野性型RNAポリメラー
ゼ」に含まれる。但し、そのようなアミノ酸の変異、挿
入または欠落は、RNAポリメラーゼとしての活性を維
持する範囲で、行われたものであることが適当である。
例えば、T7ファージ、T3ファージ、SP6ファー
ジ、K11ファージに由来するRNAポリメラーゼを挙
げることができる。但し、これらのRNAポリメラーゼ
に限定されるものではない。また、本発明において「野
性型RNAポリメラーゼ」は、天然に存在する耐熱性の
RNAポリメラーゼ、及び天然に存在するRNAポリメ
ラーゼを耐熱性を有するように人為的に修飾した(即
ち、アミノ酸の変異、挿入または欠落を行った)ものも
包含する。但し、耐熱性を付与するための修飾は、RN
Aポリメラーゼとしての活性を維持する範囲で、行われ
たものであることが適当である。「野性型RNAポリメ
ラーゼ」として耐熱性のRNAポリメラーゼを用いた本
発明の変異型RNAポリメラーゼも耐熱性となる。その
結果、例えば、PCR法に併用して、PCR産物を鋳型として
その場で、即ち、PCRと並行して、シークエンス用のR
NAフラグメントを合成することも可能である。
いプロモーター特異的RNAポリメラーゼとして知られて
いる。T7 RNAポリメラーゼの塩基配列と生産法に関して
はDavanloo et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA., 81:203
5-2039 (1984)に記載されている。さらに大量生産に関
しては、Zawadzki et al., Nucl. Acids Res., 19:194
8(1991)に既に記載されている。このファージ由来の RN
Aポリメラーゼは、大腸菌や高等な生物のRNAポリメラー
ゼと異なり、単一のポリペプチドのみで転写反応を行う
ことが出来る(Chamberlin et al., Nature, 228:227-23
1,1970)。そのため、転写メカニズムを解析する格好の
材料となり、沢山の突然変異体が分離され、報告されて
いる。さらにSousa et al., Nature, 364:593-599,1993
に結晶解析結果が記載されている。
ーター特異的RNAポリメラーゼとして大腸菌に感染するT
3ファージ、サルモネラ菌に感染するSP6ファージ及
びKlebsiella pneumoniae に感染するK11ファージ由来
のRNAポリメラーゼの3つがよく知られている。尚、上
記4種のRNAポリメラーゼは、後述するように、アミ
ノ酸の一次構造、プロモーターの配列等、極めて類似し
ている。
る野性型RNAポリメラーゼの能力と比較して、3デオ
キシリボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む
能力を増加させたものであることができる。前述のよう
に、野性型RNAポリメラーゼでは、リボヌクレオチド
に比べて3デオキシリボヌクレオチドの取り込みが悪
く、塩基配列決定法に用いる妨げとなっていた。それに
対して、変異型RNAポリメラーゼは、3デオキシリボ
ヌクレオチドまたはそれらの誘導体に対する取り込み能
力を、好ましくは野性型の少なくとも2倍増加させるよ
うに修飾されている。3デオキシリボヌクレオチドの取
り込みは、3デオキシリボヌクレオチドに蛍光標識を付
した3デオキシリボヌクレオチド誘導体を用いた場合に
特に低下する傾向があるが、本発明で使用する変異型R
NAポリメラーゼは、このような3デオキシリボヌクレ
オチド誘導体の取り込みも改善できる。尚、ここで、リ
ボヌクレオチドとは、ATP、GTP、CTP及びUTP又はそれら
の誘導体からなるリボヌクレオシド5’トリフォスフェ
ート類を意味し、3デオキシリボヌクレオチドは、3'dAT
P、3'dGTP、3'dCTP及び3'dUTPを意味し、その誘導体
は、これら3デオキシリボヌクレオチドに例えば、蛍光
標識を付した化合物を意味する。
る野性型RNAポリメラーゼの少なくとも1つのアミノ
酸が修飾されたものである。この点について以下に詳細
に説明する。
は、慣例により使用されている一文字表記法を用いる。
本文中に出てくるアミノ酸のみ、理解のために記述する
と、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、プロリン
(P)、ロイシン(L)、ヒスチジン(H)である。また、ポリ
メラーゼ蛋白質のN末端からの番号を記し、例えばF667
というように表す。これは、このポリメラーゼの667番
目のアミノ酸残基がFであることを示し、F667Yの記述
は、667番目のアミノ酸残基FをYに置換させたことを意
味する。
ヌクレオチドの種類により取り込みに差異があることが
知られており、さらにこのような取り込みの差異を解消
した変異型のDNA ポリメラーゼが知られている〔特開平
8−205874号、Proc.Natl. Acid. Sci. USA, 92:
6339-6345, 1995)〕。
ークエンス反応におけるヌクレオチドの取り込みに対す
る均一性は、このポリメラーゼ中の526番目のアミノ酸
が生み出しているということが記載されている。さら
に、この酵素とその他のDNAポリメラーゼのアミノ酸配
列の相同性に基づいて、他のDNAポリメラーゼの相同部
位のアミノ酸を変えることにより、取り込みのバイアス
が低下すると記載されている。即ち、T7 DNAポリメラー
ゼのY(チロシン)526が、2'-dNTPと2'3'-ddNTPの取り込
み効率のバイアスが少ない原因である。更に、大腸菌DN
AポリメラーゼIのF(フェニルアラニン)762、及びThermu
s aquaticus DNAポリメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼと
一般には呼ばれている)のF(フェニルアラニン)667が、
T7 DNAポリメラーゼのY526の相同なアミノ酸残基であ
り、このアミノ酸残基を各々、F762Y(チロシン)およびF
667Y(チロシン)に変化させることで取り込みバイアスが
低下すると記載している。
するデータに基づいて、T7RNAポリメラーゼについて
も、DNAポリメラーゼで議論されている領域と相同な領
域、即ち残基631-640に対する修飾はdNTPに対するその
特異性を変化させるであろうことを示唆している、と記
載している。しかるに、RNA ポリメラーゼについては、
これまでシークエンス法に使用されることはなく、リボ
ヌクレオチドの取り込みに差異があること自体問題にな
らなかった。さらに、このような状況下、当然のことな
がら、取り込みの差異を解消した変異型のRNA ポリメラ
ーゼは知られていなかった。事実、上記特開平8−20
5874号公報には、T7RNAポリメラーゼを修飾した
実例は記載されていない。
は、Protein Engineering, 3:461-467, 1990に示されて
いるモチーフB 中の、DNAポリメラーゼのα型、I型及
びDNA依存性RNAポリメラーゼ(T7RNAポリメラーゼはこ
の中に分類される)に特に保存されたアミノ酸KとYG
に挟まれた9〜10アミノ酸残基からなる領域に相当す
ると考えられる。先にDNAポリメラーゼで議論された大
腸菌DNAポリメラーゼのアミノ酸残基762あるいはT
aqDNAポリメラーゼのアミノ酸残基667のF(フェ
ニルアラニン)は、I型に分類されているDNAポリメラ
ーゼの多くに観察される。しかるに、驚いたことに、DN
Aポリメラーゼと極めて相同性が高いにも係わらず、T7R
NAポリメラーゼでは、上記領域に相当する残基631-640
にはF(フェニルアラニン)は存在せず、上記公報の示唆
をそのまま実行することはできないことが判明した。
ーゼIのF762の位置は、フィンガー・サブドメインのヘ
リックスOに存在し、T7 RNAポリメラーゼにおいて、こ
の領域に相当する領域におけるアミノ酸の修飾を検討し
た。ところがSousa et al.の文献(Nature, 364:593-59
9, 1993)で示された立体構造上からの、大腸菌DNAポリ
メラーゼIのヘリックスOに相当するT7 RNAポリメラーゼ
中のヘリックスZにもF(フェニルアラニン)がなかった。
ーゼに関する種々の報告を踏まえた上で、T7 RNAポリメ
ラーゼにおけるリボヌクレオチド等の種類により取り込
み効率にバイアスが少ない或いは全くないRNAポリメラ
ーゼ変異体を構築することを検討した。特に、野性型RN
Aポリメラーゼ上のどのアミノ酸を変異させるのか、さ
らに、変異として置換を行う場合、どのようなアミノ酸
に置換させればよいかについて実際に、種々の変異体を
作成して検討し、野性型RNAポリメラーゼの少なくと
も1つのアミノ酸を修飾することで3デオキシリボヌク
レオチドまたはそれらの誘導体を取り込む能力を改善す
ることができることを見出して、上記変異型RNAポリ
メラーゼを完成した。
伝子を挿入した発現プラスミドpT7Rを構築し、次に、こ
の発現プラスミドpT7RをベースにしてT7 RNAポリメラー
ゼの変異体を構築した。即ち、T7 RNAポリメラーゼのF
(フェニルアラニン)残基をY(チロシン)残基に変化
させた変異型T7 RNAポリメラーゼであるF644Y, F64
6Y, F667Y, F733Y, F782Y, F882Yを構築し、これらの変
異体について取り込み能力の比較を行った。
ーゼのアミノ酸配列は、遺伝子配列データベースである
GeneBankより、accession No. V01148 J02518 X00411
のT7ファージDNA配列(39,937塩基対)の塩基番号3171-58
22にコードされている配列(図1及び2参照)を基礎と
している。図1及び2に示す配列の上段は、塩基配列、
下段はその配列に対応するアミノ酸配列である。右端の
数字は、塩基配列の場合、GeneBankに登録されているT7
ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)の番号を示
し、アミノ酸の番号は、T7 RNAポリメラーゼき最初のM
(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸残基からなっ
ていることを示す。尚、このアミノ配列は、上記Moffat
t et al., J.Mol.Biol., 173(2):265-269, 1984に報告
されているアミノ酸配列と同一である。
リメラーゼ遺伝子のアミノ酸配列及び各アミノ酸に付さ
れた番号は、この図1及び2に示される配列及び番号で
ある。さらに、前述のように、上記野性型T7 RNAポリメ
ラーゼは、本発明で目的とする修飾以外のアミノ酸の変
異、挿入または欠落を、さらに有するものであることも
できる。従って、3デオキシリボヌクレオチドまたはそ
れらの誘導体を取り込む能力を増加させる目的で変異を
導入すべき野性型RNAポリメラーゼが、野性型T7 RNA
ポリメラーゼに別の変異を導入したものである場合、特
に、そのような変異が、アミノ酸の挿入または欠落であ
る場合、そのような挿入または欠落に応じて、上記アミ
ノ酸番号は変動し、アミノ酸番号が図1及び2に示す番
号とは異なったとしても、T7 RNAポリメラーゼ活性を維
持している限り、そのようなに挿入または欠落を有する
T7 RNAポリメラーゼも、3デオキシリボヌクレオチドま
たはそれらの誘導体を取り込む能力を増加させる目的で
変異を導入する野生型T7 RNAポリメラーゼの範疇に含ま
れる。
ゼについてのアミノ酸配列の番号は、図3及び4に示す
配列表に基づき決定される。さらに、本発明で目的とす
る修飾以外のアミノ酸の変異、挿入または欠落を、さら
に有するものであることもできる。従って、これらのア
ミノ酸配列及びその番号に付いても、T7 RNAポリメラー
ゼの場合と同様であり、アミノ酸の挿入または欠落によ
る変異がある場合、そのような挿入または欠落に応じ
て、上記アミノ酸番号は変動するが、そのような一部に
変異を有する野性型のRNAポリメラーゼも、3デオキ
シリボヌクレオチドまたはそれらの誘導体を取り込む能
力を増加させる目的とする変異を導入する野生型T7 RNA
ポリメラーゼの範疇に含まれる。
DNAを精製後、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子の N末端アミ
ノ酸領域上流に特異的なプライマー(T7Rpol-N : 5'-ATA
TTT TAG CCA TGG AGG ATT GAT ATA TGA ACA CGA TTA A
CA TCG CTA AG -3')、及び C末端アミノ酸領域下流に特
異的なプライマー( T7Rpol-C : 5'-ATA TTT TAG CCA TG
G TAT AGT GAG TCG TAT TGA TTT GGC G -3' )を合成
し、PCRを用いて増幅、発現ベクターpT7Rを構築するこ
とができる(実施例1参照)。この発現ベクターを用
い、大腸菌DH5αに形質転換し、イソプロピル-β-D-チ
オガラクトピラノシド(IPTG)を添加すると、T7 RNAポ
リメラーゼ蛋白質を大量に発現する。
図1及び2に示すアミノ酸配列と比較したところ、両者
完全に一致した。尚、図1及び2に示すアミノ酸配列と
Grachev et al., Bioorg. Kim., 10:824-843, 1984に報
告されているアミノ酸配列とは、図1及び2に示すアミ
ノ酸配列における623番目のY及び665番目のLが、Grac
hev et al.の報告におけるアミノ酸配列では、それぞれ
H(623番目)及びP(665番目)である点で相違してい
た。上述のように、本発明の変異型RNAポリメラーゼ
のベースとなる野性型RNAポリメラーゼは、図1及び
2に示す配列に対して、本発明で目的とする修飾以外の
アミノ酸の変異、挿入または欠落を、さらに有するもの
であることもでき、上記Grachev et al.の報告している
623番目及び665番目の残基がそれぞれH及び Pであるア
ミノ酸配列も、本発明の変異型RNAポリメラーゼのベ
ースとなる野性型RNAポリメラーゼに含まれる。
たT7 RNAポリメラーゼは、イン・ビトロでT7プロモータ
ーを含んだDNA存在下で充分なRNA合成活性を有してい
た。この発現プラスミドpT7Rをベースにして変異型T7 R
NAポリメラーゼとして、前述のF644Y, F646Y, F667Y, F
733Y, F782Y, F882Yを構築し、これらの変異体について
取り込み能力の比較を行った。
メラーゼは、F667に対する変異以外に、F667の近傍のL6
65を前述のGrachev et al.の報告に従ってPとする変異
も導入した。即ち、L665P/F667Yとして変異を導入し
た。変異を導入したT7 RNAポリメラーゼを精製し、プロ
モーター配列特異的なRNA合成とATP、GTP、CTP及びUTP
又はそれらの誘導体からなるリボヌクレオシド5’トリ
フォスフェート類並びに3'dATP、3'dGTP、3'dCTP、3'dU
TP或いはそれらの誘導体の取り込み能力を野生型T7 RNA
ポリメラーゼと比較した。
A合成活性を充分維持し、3'dATP、3'dGTP、3'dCTP、3'd
UTP或いはそれらの誘導体の取り込みの改善が見られ
た。F733Yは、RNA合成活性の若干の低下と、3'dATP、3'
dGTP、3'dCTP、3'dUTP或いはそれらの誘導体の取り込み
の若干の改善が見られた。F646Y及びF782Yは、RNA合成
活性を保持していたものの3'dATP、3'dGTP、3'dCTP、3'
dUTP或いはそれらの誘導体の取り込み能力の改善は見ら
れなかった。F882Yは、RNA合成活性が著しく低下してい
た。
異型RNAポリメラーゼは、特に、ポリメラーゼの「ヌ
クレオチド結合部位」中に存在する少なくとも1つのア
ミノ酸が修飾されたRNAポリメラーゼであり、このよ
うな修飾により、対応するリボヌクレオチドに対して3
デオキシリボヌクレオチドまたは他のリボヌクレオチド
類似体を取り込む能力を増加させることができる。
在するアミノ酸は、例えば、野性型RNAポリメラーゼ
のヘリックスYとヘリックスZとの間のループ中のアミノ
酸及び/又はヘリックスZとヘリックスAAとの間のル
ープ中のアミノ酸であることができる。
9,1993)に示されている立体構造から、鋳型DNAを包み込
むポリメラーゼ分子中のクラフトの内側に面する、ヘリ
ックスY(T7 RNAポリメラーゼのアミノ酸残基625から63
4に相当)とヘリックスZ(同アミノ酸残基649から658に
相当)に挟まれたループ(同アミノ酸残基635から647に
相当)及びヘリックスZとヘリックスAA(同アミノ酸残基
685から699に相当)に挟まれたループ(同アミノ酸残基
659から684に相当)は、極めてヌクレオチドに近いとこ
ろに位置するリボヌクレオチド結合部位の一部であると
考えられる。本発明では、実際に、このループに相当す
る領域の644、646、667に存在するF残基をY残基に置換
した(図5参照)。また、733、782及び882の F残基
は、ループに相当する領域以外の領域に存在し、ポリメ
ラーゼ分子中のクラフトの内側に面すると考えられる。
これらのF残基についても実際にY残基に置換した。
Aポリメラーゼのアミノ酸残基641-667に対応する領域
から選択される領域中のアミノ酸において修飾されてい
るRNAポリメラーゼに関する。T7ファージ由来のR
NAポリメラーゼのアミノ酸残基641-667に対応する領
域は、前述の「ヌクレオチド結合部位」に相当する。
酸の一次構造、プロモーターの配列等、極めて類似して
いる。図3及び4に、上記4つのファージ由来のRNAポ
リメラーゼのアミノ酸配列を比較して示す。この比較よ
り、T7、T3、K11由来のRNAポリメラーゼは、極めて類似
していることが分かる。特に、図6及び7に示すよう
に、T7とT3ファージ由来のRNAポリメラーゼのアミノ酸
配列は、極めて類似性が高い。T7とT3ファージは、共に
大腸菌に感染するファージであり、その性質も極めて類
似していることと符合する。更にこの2つのRNAポリメ
ラーゼの認識するプロモーター配列も類似しているが、
その認識特異性は極めて高いことが知られている。この
ようにT7 RNAポリメラーゼにおいて得られた結果を、ア
ミノ酸配列の類似する他のRNAポリメラーゼに適応する
ことは比較的容易にできる。
由来のRNAポリメラーゼ以外のRNAポリメラーゼに
おける、T7ファージ由来のRNAポリメラーゼのアミ
ノ酸残基641-667に対応する領域は、T3ファージ由来
のRNAポリメラーゼについては、アミノ酸残基642-6
68であり、K11ファージ由来のRNAポリメラーゼ
については、アミノ酸残基664-690であり、SP6ファージ
由来のRNAポリメラーゼについては、アミノ酸残基63
3-670である、と言える。前述のように、T7、T3、K11由
来のRNAポリメラーゼは、極めて類似しており、T7 RNA
ポリメラーゼについての結果を、アミノ酸配列の類似す
る他の由来RNAポリメラーゼに適応することができる(図
8参照)。
ば、T7ファージ由来のRNAポリメラーゼであって、
アミノ酸残基644または667においてチロシンを有
するRNAポリメラーゼを挙げることができる。また、
T3ファージ由来のRNAポリメラーゼであって、アミ
ノ酸残基645または668においてチロシンを有する
RNAポリメラーゼを例示することもできる。さらに、
K11ファージ由来のRNAポリメラーゼであってアミ
ノ酸残基664〜669の間または690においてチロシンを有
するRNAポリメラーゼを例示することもできる。さら
にまた、さらに、SP6ファージ由来のRNAポリメラ
ーゼであってアミノ酸残基633〜638の間または670にお
いてチロシンを有するRNAポリメラーゼを例示するこ
ともできる。
変異のみならず、挿入または欠落であることができる。
また、アミノ酸の変異は、例えば、天然に存在するアミ
ノ酸の少なくとも1つをチロシンに置換することであ
る。さらに、置換されるべき天然に存在するアミノ酸
は、例えば、フェニルアラニンであることができる。但
し、フェニルアラニンに限定されることはなく、対応す
るリボヌクレオチドに対して3デオキシリボヌクレオチ
ドまたは他のリボヌクレオチド類似体を取り込む能力を
増加させることができるアミノ酸の置換であればよい。
において、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y及びL665P/F
667Yは、RNA合成活性を充分保持し、さらに3'dNTPsの取
り込み能力が大幅に改善し、野生型で観察された強いバ
イアスが著しく低下していた。このような優れた特性を
有する、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Y、L665P/F667
Yを用いることにより、DNAポリメラーゼを用いる塩基配
列決定法を超える実用レベルで、転写生成物による塩基
配列決定法が可能になる。変異型T7 RNAポリメラーゼF6
44Y、L665P/F667Yを生産する大腸菌pT7RF644Y(DH5α)及
びpT7RL665P/F667Y(DH5α)は、生命研国際寄託番号がそ
れぞれ5998号(FERM-BP-5998)及び5999号(FERM-BP-5999)
として1997年7月2日に寄託済みである。
Aポリメラーゼをコードする核酸分子を用意し、ヌクレ
オチド塩基配列内の1つまたはそれ以上の部位における1
つまたはそれ以上の塩基を変異させるように該核酸分子
に突然変異を起こさせ、次いで変異させた核酸分子によ
り発現される修飾されたRNAポリメラーゼを回収する
ことで調製することができる。RNAポリメラーゼをコ
ードする核酸分子の用意、核酸分子への突然変異の導
入、修飾されたRNAポリメラーゼの回収はいずれも、
公知の手法を用いて行うことが出来る。
下の方法により構築することができる。T7 RNAポリメラ
ーゼ遺伝子を挿入してある発現ベクターを鋳型にして
T7 RNAポリメラーゼ遺伝子のC末端側に相当する制限酵
素Hpa I, Nco I部位にはさまれる領域をPCR法を利用し
て変異を導入した発現プラスミドを構築する。次いで、
この発現プラスミドを用い、大腸菌DH5αに形質転換
し、イソプロピル-β-D-チオガラクトピラノシド(IPT
G)を添加すると、変異型T7 RNAポリメラーゼ蛋白質を
大量に発現させることができる。
べて、対応する3'-デオキシリボヌクレオチドやその誘
導体がポリリボヌクレオチド配列に取り込まれにくかっ
たり、リボヌクレオチドの中及び3'-デオキシリボヌク
レオチドの中でもそれぞれ塩基の種類により、配列への
取り込まれ方に差があるといった、リボヌクレオチド等
の取り込み能力に対するバイアスを解消して、より安定
したシークエンスデータをえることができるDNAの塩基
配列決定方法を提供することができる。本発明の塩基配
列決定方法は、RNAポリメラーゼの高いプロセッシビ
リティーを考えると、DNAポリメラーゼを用いる塩基
配列決定法以上の塩基配列決定を可能にする。
物を精製することなく、そのままPCR生成物のDNA
の塩基配列を決定することもできる。これは、反応混合
物に残存する2’dNTPが、シークエンシングのため
の3’dNTPの存在下ではRNA転写反応において試
薬として消費されることがないという、RNAポリメラ
ーゼの特徴によるものである。
反応を利用するため、通常のDNAシーケンス法のよう
に1本鎖テンプレートDNAを使用する必要も、プライ
マーも必要がなく、さらにシークレンシングプライマー
のハイブリダイズのための変性工程も必要としない。そ
のため、PCR生成物の再生の影響も受けず、容易にD
NAの塩基配列を決定することができる。また、本発明
のDNA の塩基配列決定方法において、RNAポリメラー
ゼとして耐熱性を有する変異型のRNAポリメラーゼを
用いる場合、PCR法を行う段階に併用することができ、
その結果、より迅速にDNA の塩基配列の決定を行うこと
が可能になる。
する。 参考例1野生型T7 RNAポリメラーゼ遺伝子のクローニングと発現
プラスミドの構築 大腸菌を宿主とするT7ファージは、以下のように精製し
た。大腸菌C600をLB培地(Bacto tryptone 10g, Bacto
yeast extract 5g, NaCl 5gを1リッターの水に溶か
し、pH 7.5に調整したのち、オートクレーブにて滅菌し
た培地)200mlに植菌し、菌体濃度がOD(600nm)=1.0に
達した時点で、多重感染度約2で感染させ、その後ODを
経時的に測定し、ODが急激に落ちた時点で遠心操作に
て、菌体残査をのぞき、NaCl及びポリエチレングリコー
ル6000をそれぞれ最終濃度、0.5M、及び10%になるよう
に加え、よく撹拌後、一晩、4℃にて静置し、沈殿を形
成させた。この沈殿を遠心操作で集め、SM緩衝液(10 m
M Tris-HCl, pH 7.5, 10 mM MgSO4, 50 mM NaCl, 0.01%
gelatin)にて懸濁した。このT7ファージの濃縮液を、
次に遠心管に丁寧に重層した密度の異なるCsCl溶液上
(下層から、CsCl濃度が、1.267g/ml, 0.817g/ml, 0.70
5g/mlである溶液)に重層し、22,000rpmで2時間、遠心
することにより、ファージ層を形成させ、このファージ
の白いバンドを丁寧に分取し、TE緩衝液(10mM Tris-HC
l, pH 7.5, 1mM EDTA)で透析し、CsCl成分を除去した。
更にこのファージ溶液を、フェノール処理により、ファ
ージ蛋白質を変性させ、T7ファージのゲノムDNAを精製
した。
A、39,937塩基対の内、3171から5822番目にコードされ
ている[T7ゲノム遺伝子の全塩基配列については、Dunn
らによって既に報告されている(1983, J. Mol. Biol.,
166(4):477-535)。但し、若干の訂正がある(GeneBank、
accession No. V01148 J02518 X00411のT7ファージDNA
配列参照)]。このゲノムDNAを鋳型としてPCRを利用して
増幅し、以下のように発現ベクターにクローニングした
(図9参照)。すなわち、5’末端に制限酵素 Nco I
切断部位をそれぞれ含み、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子の
N末端アミノ酸領域上流に特異的なプライマー(T7Rpol-
N 5'-ATA TTT TAG CCA TGG AGG ATT GATATA TGA ACA C
GA TTA ACA TCG CTA AG -3')、及び C末端アミノ酸領域
下流に特異的なプライマー( T7Rpol-C 5'-ATA TTT TAG
CCA TGG TAT AGT GAG TCG TAT TGA TTT GCG -3' )を用
いて、この酵素遺伝子を PCR法により増幅した。この D
NAフラグメントを Nco I で消化し、1%アガロース電気
泳動を行い、目的のDNAフラグメントをアガロースから
切り出し、Gene Pure Kit(ニッポンジーン)を用いて精
製した。これをNco Iで消化し脱リン酸化した発現ベク
ター pTrc99a (ファルマシア・バイオテク) と連結する
ことで T7 RNA ポリメラーゼを高発現する pT7R を構築
した。野生型T7 RNAポリメラーゼを発現するプラスミド
pT7Rは、大腸菌DH5αに形質転換し、抗生物質アンピシ
リン耐性を示す大腸菌を、培養し、培養液中にIPTGを添
加し、発現ベクターpT7Rに含まれるTrc プロモーターを
稼働させた。IPTG添加2時間後、大腸菌を回収し、全蛋
白質をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により解析
したところ、T7 RNAポリメラーゼの分子量である99kDa
付近に、IPTGを添加した時のみ蛋白質のバンドが検出さ
れた。この蛋白質を更に、Zawadzki, Vら、1991, Nucl.
Acids Res., 19:1948 に既に記載されている方法を一
部改良した方法(詳しい方法は参考例3で例示されてい
る変異型T7 RNAポリメラーゼの精製法とほとんど同じ方
法で行うことが出来る)で精製したところ、T7プロモー
ター特異的に作用するRNAポリメラーゼの活性を有して
いた。
ミドの構築 (1)変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yを生産するための発
現プラスミドの構築(図10参照) 野生型T7 RNAポリメラーゼ遺伝子の挿入してある pT7R
を鋳型にして、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子のC末端側に
相当する制限酵素 Hpa I , Nco I 部位に挟まれる領
域を PCR法を利用して変異を導入した。更に詳しく例示
すると、変異を導入したい塩基を境界として、左右に分
け、変異の導入してあるプライマーF646Y(+) (5'-GTT
GAC GGA AGC CGT ACT CTT TGG AC-3')、 F646Y(-)
(5'-GTC CAA AGA GTA CGG CTT CCG TCA AC-3')とそれぞ
れの制限酵素切断部位を5'末端に持つプライマーT7RNAP
-HpaI-N (5'-CGC GCG GTT AAC TTG CTT CCT AG-3') 、
pTrc99a-PstI-C (5'-GCA TGC CTG CAG GTC GAC TCT AG
-3')を用いて PCRによりそれぞれの DNAフラグメントを
増幅した。これらの DNAフラグメントには相補する部分
があり、これらを変性、アニール、伸長反応を繰り返す
ことで目的の変異の導入された DNAフラグメントを作製
した。この DNAフラグメントをアガロースゲル電気泳動
により、目的の大きさの DNAフラグメントのみを切り出
すことで精製し、これを鋳型としてプライマーT7RNAP-H
paI-NとpTrc99a-PstI-Cを用いて再増幅し、制限酵素Hpa
I , Pst I で切断した。このDNAは1%アガロース電気
泳動を行い、分離した後、目的のDNAフラグメントを切
り出し、精製した。この DNAフラグメントを pT7R のHp
a I , Pst I DNAフラグメントと置き換えることで変異
を導入し, 大腸菌DH5αに形質転換し、変異の導入され
たプラスミドを選択し、最終的には塩基配列を確認する
ことで目的の位置に変異が導入されているかどうかを確
認した。そして、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yを生
産するための発現プラスミドpT7RF644Yを得た。このプ
ラスミドからの変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yの生産
は、野生型T7 RNAポリメラーゼの生産と同様、本プラス
ミドを含む大腸菌を培養し、IPTGを添加することによ
り、発現誘導可能であった。
を生産するための発現プラスミドの構築(図11及び1
2参照) 変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/F667Yの構築は、先のF
644Yの構築同様、PCR法をベースにして以下のように行
った。先ず、野生型T7 RNAポリメラーゼ遺伝子を持つ発
現ベクターpT7R中のT7 RNAポリメラーゼ遺伝子領域内
に、変異導入操作を容易にするため制限酵素XhoI (CTCG
AG)を導入した。更に具体的に述べるとプライマーApaF1
(5'-CAT CTG GTC GCATTG GGT CAC-3')とプライマーXho
-R (5'-CCA AGT GTT CTC GAG TGG AGA-3')の組み合わせ
で、また、Xho-F (5'-CTA AGT CTC CAC TCG AGA ACA CT
T GG-3')とプライマーAflII-R (5'-CAG CCA GCA GCT TA
G CAG CAG-3')の組み合わせで、各々鋳型として発現ベ
クターpT7Rを用いて、PCRを行った。増幅した前者のDNA
フラグメントは制限酵素ApaIとXhoIで、後者の増幅した
DNAフラグメントは制限酵素AflIIとXhoIでそれぞれ反応
し、さらに発現ベクターpT7Rを予めApaIとAflIIで処理
して、全てをT4 DNAライゲースを用いて結合させた。こ
の反応物を大腸菌DH5αに形質転換し、抗生物質アンピ
シリンを含んだ寒天平板上で生育するコロニーを複数得
た。このコロニーをいくつか選択し、培養、プラスミド
DNAの抽出を行い、T7 RNAポリメラーゼ遺伝子領域内に
制限酵素XhoI部位が生まれたプラスミドpT7R-Xhoを得た
(図11参照)。このXhoI部位は、制限酵素XhoIで処理
することによって、切断されること及びDNAの塩基配列
決定を行い、その存在を確認可能である。このプラスミ
ドpT7R-Xhoを鋳型として、プライマーXho-Rとプライマ
ー667R(5'-GCT GAG TGT ACA TCG GAC CCT-3')の組み合
わせとプライマー667F (5'-GCTGAG TGT ACA TCG GAC CC
T-3')とプライマーAflIIRの組み合わせで各々PCRを行っ
た。このPCR産物を直接鋳型として、DNAの塩基配列を決
定し、プライマー667Rおよび667Fの配列を確認し後、そ
れぞれを2%アガロース電気泳動(アガロースはニッポ
ンジーン製のアガロースXを使用)を行い、目的の大き
さのDNAフラグメントを切り出し、Gene Pure Kitを用い
て、このDNAフラグメントを精製した。この精製した2
つのDNAを混合し、鋳型としてプライマーXhoF及びAflII
Rを用いてPCRを行い、増幅したDNAフラグメントを制限
酵素マッピング、DNA塩基配列の解析により目的のフラ
グメントであることを確認後、制限酵素XhoIとAflIIを
用いて酵素反応を行い、これを予め制限酵素XhoIおよび
AflIIで処理したプラスミドpT7R-XhoにT4 DNAライゲー
スを用いて結合させた。この反応物を大腸菌DH5αに形
質転換し、抗生物質アンピシリンを含んだ寒天平板上で
生育するコロニーを複数得た。このコロニーをいくつか
選択し、培養、プラスミドDNAの抽出を行い、目的の変
異が導入されているかをDNA塩基配列の決定を行い、確
認し、最終的に目的の変異型T7 RNAポリメラーゼL665P/
F644Yを生産するための発現プラスミドpT7RL665P/F667Y
を構築した(図12参照)。このプラスミドからの変異
型T7 RNAポリメラーゼL665P/F667Yの生産は、野生型T7
RNAポリメラーゼの生産と同様、本プラスミドを含む大
腸菌を培養し、IPTGを添加することにより、発現誘導可
能であった。
製した。尚、本蛋白質の野生型については既にChamberl
in, M et al. Nature, 228:227-231(1970), Davanloo
et al., Proc.Natl. Acad. Sci.USA., 81:2035-2039(19
84)に記載されている。さらに大量生産に関しては、Zaw
adzki, V et al., Nucl. Acids Res., 19:1948(1991)に
報告されている。
同じ方法で精製できる。変異部位の違いにより、その発
現量、カラムクロマトクラフィの挙動が若干異なること
もある。以下、変異型T7 RNAポリメラーゼF644Yの精製
法を例示する。F644Yの発現ベクターpT7RF644Yを大腸菌
DH5αに導入、抗生物質アンピシリンを含んだLB培地に
て、先ず、試験管培養にてOD(600nm) =0.4〜0.6になっ
たとき、イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(I
PTG)を終濃度0.4mMになるように加え、更に8時間培
養する。このとき遠心分離により、大腸菌菌体を集め、
典型的には2リッターの培養液より10gの湿重量の大腸菌
が得られる。この大腸菌菌体を直ぐに使用しない時は、
-20℃以下の冷凍庫で保存が可能である。
は、特記しない限り、室温以下の温度、好ましくは0〜5
℃にて実施する。この大腸菌は、このとき菌体重量の10
倍の洗浄緩衝液(20mM Tris-HCl, pH 8.1, 130 mM NaC
l, 2mM EDTANa2 at 25℃)で洗い、再び遠心分離(5,000
xg、4℃にて10分間)し、10倍量のソニケーション緩衝
液 [50 mM Tris-HCl, pH 8.1, 100 mM NaCl, 0.1 mM ED
TANa2, 5 mMジチオスレイトール(DTT)、0.1 mMベンザミ
ジン, 30μg/mlフェニルメチルスルホニルフルオリド(P
MSF)、10μg/ml、バシトラシン] に懸濁し、ソニファイ
ヤー450(ブランソン社)を用い、80W、15分間超音波処
理を行い菌体を破砕、粘度を低下させる。続いて、12,0
00xg、4℃にて10分間遠心分離し、細胞残査を除いた。
得られた上清を撹拌しながら、10%硫酸ストレプトマイ
シンをゆっくりと滴下し、終濃度2.0%とした後、更に3
0分間撹拌を続けた。12,000xg。4℃にて10分間遠心分離
し、沈殿を除去し、粉末硫安をゆっくり添加しながら撹
拌し、沈殿を形成させる。この場合、最初に30%飽和硫
安で沈殿を集め(30%硫安沈殿)、上清は更に60%飽和
硫安になるように硫安を撹拌しながら添加し、再び沈殿
を形成させ(30-60%硫安沈殿)、更に上清を90%飽和
硫安になるように粉末硫安を加え、4℃にて1時間撹拌
し、遠心し回収した。この3つの硫安画分の一部をSDS-
アクリルアミドゲル電気泳動を行い、蛋白質を分析した
ところ、目的の変異型T7 RNAポリメラーゼのほとんど
は、30-60%硫安画分に存在し、以後この画分を用いて
精製を進めた。30-60%硫安画分は少量のカラム緩衝液
(20 mM KPO4, pH7.7, 100 mM NaCl,1mM DTT, 30μg/ml
PMSF)に懸濁し、同じ緩衝液500mlにて、16時間透析
し、脱塩した。この透析液を、カラム体積5mlのヘパリ
ン-セファロース(ファルマシア・バイオテク)に付加
する。次いで、このカラムを同緩衝液で、280nmの紫外
線吸収物質が検出されなくなるまで洗浄し、カラム体積
の約40倍の体積の同一緩衝液中の0.1M〜0.64M NaClの
直線濃度勾配で溶出する。溶出液は、適当量を試験管に
分画して集め、直ぐにSDS-アクリルアミドゲル電気泳動
を行い、蛋白質を分析し、目的の変異型T7 RNAポリメラ
ーゼと思われる分子量付近に蛋白質が存在する分画を検
査する。典型的な例では0.4MのNaCl付近に見いだされ
るはずである。この蛋白質を含む分画を集め、約1リッ
ターのカラム緩衝液(20 mM KPO4, pH7.7, 100 mM NaC
l, 1mM DTT, 30μg/ml PMSF)に対して16時間透析し、脱
塩操作を行った。この透析脱塩した分画を、同緩衝液で
予め平衡化した5ml のカラム体積のQ-セファロース(Q-s
epharose, ファルマシア・バイオテク)に付加し、同緩
衝液で、280nmの紫外線吸収物質が検出されなくなるま
で洗浄し、カラム体積の約40倍の体積の同一緩衝液中の
0.1M〜0.64M NaClの直線濃度勾配で溶出する。溶出液
は、適当量を試験管に分画して集め、直ぐにSDS-アクリ
ルアミドゲル電気泳動行い、蛋白質を分析し、目的の変
異型T7 RNAポリメラーゼと思われる分子量付近に蛋白質
が存在する分画を検査する。典型的な例では0.24MのNa
Cl付近に見いだされるはずである。この蛋白質を含む分
画を集め、500mlの保存用緩衝液(50%glycerol, 20 mM
KPO4, pH7.7, 100 mM NaCl, 1mM DTT, 30μg/ml PMSF)
に対して16時間透析し、使用まで-20℃にて保存する。
この状態で、イン・ビトロのRNA合成活性、或いは混入
しているリボヌクレアーゼ活性について試験する。ここ
でこの方法を例示すると、イン・ビトロRNA合成活性に
ついては、T7プロモーターを含むプラスミドを鋳型とし
て用い、野生型T7 RNAポリメラーゼの市販品(BRL・ギ
ブコ社)を標準品として酵素希釈法を用いて、RNA合成
反応を行い、合成したRNAをアガロース電気泳動する事
により、おおよその力価を推定した。このとき、合成さ
れたRNAの分解の程度も観察されるため、同時に混入リ
ボヌクレアーゼに関しての、簡単な検定も可能である。
典型的な例として、以上のような工程を踏まえた精製法
で、1リッターの培養液から2,500,000単位の変異型T7 R
NAポリメラーゼF644Y蛋白質が精製され、この標品には
ほとんどRNaseの混入は認められない。
は以下のように精製したが、以下の方法に限定されるも
のではない。無機ピロホスファターゼの出発材料として
は、シグマ社製の酵母由来の粗精製品(シグマI-1643,
EC.3.6.1.1)、4mg(680単位)を緩衝液(20mM Tris-HC
l, 1 mM EDTA, pH 7.9)1mlに懸濁し、同緩衝液に対し
て2時間透析し、脱塩操作を行い、この透析液をカラム
体積1mlのSP Sepharoseカラムクロマトグラム(ファル
マシア・バイオテック)を行った。具体的には約20倍
の体積の同カラム緩衝液で280nmの紫外線吸収物質が検
出されなくなるまで充分洗浄し、カラム体積の約20倍の
体積の同緩衝液を用いて0〜0.1MのNaCl直線濃度勾配で
溶出する。溶出液は、適当量に分画して集め、直ぐにSD
S-12.5%ポリアクリルアミド電気泳動を行い、分子量約
32kDaの蛋白質を含む画分を検査した。典型的な例で
は、PPase画分は、未吸着部分に見いだされるはずであ
る。この蛋白質を含む分画を集め、カラム体積1mlのQ-S
epharose(ファルマシア・バイオテック)に吸着させ、
カラム体積の約20倍の体積の同緩衝液中を用いて0〜1.0
MのNaCl直線濃度勾配で溶出する。溶出液は、適当量に
分画して集め、直ぐにSDS-12.5%ポリアクリルアミド電
気泳動を行い、分子量約32kDaの蛋白質を含む画分を検
査した。典型的な例では、0.35MのNaCl付近に見いださ
れるはずである。分子量32kDaの蛋白質を含む分画を集
め、500mlの保存緩衝液(20mM Tris-HCl, 1mM EDTA, 50
% glycer ol, pH7.9)に対して16時間透析し、使用まで
-20℃にて保存する。典型的な例では、回収率62.5%でP
Pase蛋白質425単位、0.425単位/μlの標品を得ることが
出来る。
RNA(16Sと23S)8μgを基質として検査した。具体的に
は、大腸菌rRNAを8mM MgCl2、2mM spermidine-(HCl)3、
5m M DTT、40mM Tris/HCl pH 8.0の緩衝液中で、PPas
e、0.17単位相当を加え、37℃、4時間反応させた。この
RNAをホルムアミドが存在する変性条件下の1.0%アガロ
―ス電気泳動を行い、共に添加した色素であるキシレン
シアノールがアガロースゲルの約1/3に達したときに泳
動を止め、紫外線(波長254nm)を照射して、写真撮影
を行い、RNAの分解度合いを検査した。このとき、粗精
製品と精製後のPPaseを比較したところ、粗精製品ではR
NAの分解が観察されたが、精製品については、有為なRN
A分解活性が検出されなかった。
写反応時の効果を検討した。シークエンス転写反応は、
Melton, D.A, [Nucleic Acids Res., 12: 7035-7056(19
84)]に示された方法を用いて行った。具体的には、T7プ
ロモーターを有するプラスミドベクターpBluescriptKS
(+)(ストラタジーン社)を、制限酵素PvuIIで反応し、
線状にしたものを鋳型として用いた。3'dNTPの誘導体と
して、WO96/14434に記載された方法を参照して合成した
ダイ・ターミネーター275μMの 5-カルボキシローダミ
ン6G標識 3'-デオキシアデノン-5-トリフォスフェート,
25μMの5-カルボキシローダミン110標識 3'-デオキシ
グアノシン-5-トリフォスフェート, 200μMの5-カルボ
キシ-X-ローダミン標識 3'-デオキシシチジン-5-トリフ
ォスフェート, 50μM の5-カルボキシテトラメチルロー
ダミン標識 3'-デオキシウリジン-5-トリフォスフェー
ト、さらに500μM GTP, UTP及び250μM ATP, CTP、8mM
MgCl2、2mM spermidine-(HCl)3、5mM DTT、40mM Tris/H
Cl pH 8.0 (BRL,ギブコ社)の条件下に、参考例2で調製
し、参考例3の方法で精製した変異型T7 RNAポリメラー
ゼF644Y 25単位及び参考例4で調製した無機ピロホス
ファターゼ(PPase)0.0425単位を加えて、合計反
応体積10μlとして、37℃で1間反応を行った。
-トリフォスフェート
ン-5-トリフォスフェート
5-トリフォスフェート
ウリジン-5-トリフォスフェート
イ・ターミネーターを除去するため、セファデックスG-
50カラム (ファルマシア・バイオテク)を用いたゲル濾
過法により転写産物を精製し、精製産物は遠心式エバポ
レーターを用いて蒸発乾固した。
エルマージャパンのABI PRISM 377 DNA Sequencing Sys
tem取り扱い説明書Ver.1.0に従い、ホルムアミド/EDTA/
Blue dextran loading buffer 6μlに溶解し、そのうち
2μlを、6M尿素/4%ロングレンジャーTMアクリルアミド
溶液(FMC)を含むシークエンス解析用変性ゲルを用
い、ABI 377 DNA Sequencer及び解析プログラムにより
解析した。その結果を図13にゲル・イメージとして示
す。比較として、無機ピロホスファターゼ(PPase)を加
えずに行った場合のゲル・イメージも図13に示す。
の箇所において、無機ピロホスファターゼ無添加の場合
には、ピークが振り切れていて、読み取りが困難になっ
ているのに対して、無機ピロホスファターゼ添加の場合
には、他のピークの高さを大きく下げることなく、無機
ピロホスファターゼ無添加の場合には、振り切れていた
ピークが、読み取り可能な程度のピークの高さになって
いることが分かる。このことは、核酸転写反応時に無機
ピロホスファターゼを添加することで、シーケンスデー
タの読み取り精度が向上することを示すものである。
伝子とコードされているT7 RNAポリメラーゼのアミノ酸
配列(前半)。上段は、塩基配列、下段はその配列に対
応するアミノ酸配列を示した。右端の数字は、塩基配列
の場合、DNA配列データベースGeneBankに登録されてい
るT7ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)の番号
を示し、アミノ酸の番号は、T7 RNAポリメラーゼき最初
のM(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸残基から
なっていることを示す。
伝子とコードされているT7 RNAポリメラーゼのアミノ酸
配列(後半)。上段は、塩基配列、下段はその配列に対
応するアミノ酸配列を示した。右端の数字は、塩基配列
の場合、DNA配列データベースGeneBankに登録されてい
るT7ファージゲノム(Locus T7CG, 39,937塩基対)の番号
を示し、アミノ酸の番号は、T7 RNAポリメラーゼき最初
のM(メチオニン)を1として、全長883アミノ酸残基から
なっていることを示す。
ーゼのアミノ酸配列の比較(前半)。最上段のT7 RNAポ
リメラーゼを基準として、.はT7 RNAポリメラーゼと同
一のアミノ酸、-は欠損、最下段の*はすべてのポリメラ
ーゼに共通しているアミノ酸であることを示す。
ーゼのアミノ酸配列の比較(後半)。最上段のT7 RNAポ
リメラーゼを基準として、.はT7 RNAポリメラーゼと同
一のアミノ酸、-は欠損、最下段の*はすべてのポリメラ
ーゼに共通しているアミノ酸であることを示す。
細図。白ぬき文字は、変異導入されたアミノ酸であるこ
とを示している。
アミノ酸配列の比較(前半)。 最上段のT7 RNAポリメ
ラーゼを基準として、.は同一のアミノ酸、-は欠損、最
下段の*は2つのポリメラーゼに共通しているアミノ酸で
あることを示す。
アミノ酸配列の比較(後半)。 最上段のT7 RNAポリメ
ラーゼを基準として、.は同一のアミノ酸、-は欠損、最
下段の*は2つのポリメラーゼに共通しているアミノ酸で
あることを示す。
前後の配列と、それに対応する領域のT3RNA ポリメラ
ーゼ、K11RNA ポリメラーゼ、及びSP6RNAポリメ
ラーゼアミノ酸配列を示す。T7RNAポリメラーゼについ
ては、残基を全て示したが、対応するT3, K11, SP6につ
いてはT7と同じ残基については・(ドット)で示した。
ミド、pT7Rの構築図。
るプラスミド、pT7RF644Yの構築図。
oI部位を持つ、pT7Rの改良型プラスミド、pT7R-Xhoの構
築図。
発現するプラスミド、pT7RL665P/F667Yの構築図。
った場合のシーケンス結果。
Claims (4)
- 【請求項1】 RNAポリメラーゼ及び前記RNAポリ
メラーゼのためのプロモーター配列を含むDNA断片の
存在下、ATP、GTP、CTP及びUTP又はそれら
の誘導体からなるリボヌクレオシド5トリフォスフェー
ト類並びに3dATP、3dGTP、3dCTP、3dUTP及びそれらの誘
導体からなる1種又は2種以上の3デオキシリボヌクレオ
シド5トリフォスフェート(以下3dNTP誘導体という)を反
応させて核酸転写生成物を得、得られる核酸転写生成物
を分離し、得られる分離分画から核酸の配列を読み取る
DNAの塩基配列決定方法であって、前記核酸転写反応
を無機ピロフォスファターゼの存在下で行うことを特徴
とするDNAの塩基配列決定方法。 - 【請求項2】 RNAポリメラーゼが、対応する野性型
RNAポリメラーゼの能力と比較して、前記3dNTP誘導
体を取り込む能力を増加させるように、少なくとも1つ
のアミノ酸が修飾された野性型RNAポリメラーゼから
なる変異型RNAポリメラーゼである請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】 プロモーター配列を含むDNA断片がポ
リメラーゼ連鎖反応により増幅したDNA生成物である
請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】増幅したDNA生成物から、ポリメラーゼ
連鎖反応に用いたプライマー及び/又は2デオキシリボヌ
クレオシド5トリフォスフェート及び/又はその誘導体を
除去することなしに、核酸転写生成反応を行う請求項3
記載の方法。
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---|---|---|---|
JP18088597A JP3480795B2 (ja) | 1997-07-07 | 1997-07-07 | Dnaの塩基配列決定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH1118799A true JPH1118799A (ja) | 1999-01-26 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009113718A1 (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-17 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
WO2010016621A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
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1997
- 1997-07-07 JP JP18088597A patent/JP3480795B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2009113718A1 (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-17 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
WO2010016621A1 (ja) * | 2008-08-08 | 2010-02-11 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
US8551752B2 (en) | 2008-08-08 | 2013-10-08 | Tosoh Corporation | RNA polymerase mutant with improved functions |
JP5625908B2 (ja) * | 2008-08-08 | 2014-11-19 | 東ソー株式会社 | 機能改善したrnaポリメラーゼ変異体 |
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