JP2000023687A - 熱安定性dnaポリメラ―ゼ - Google Patents

熱安定性dnaポリメラ―ゼ

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JP2000023687A
JP2000023687A JP11191896A JP19189699A JP2000023687A JP 2000023687 A JP2000023687 A JP 2000023687A JP 11191896 A JP11191896 A JP 11191896A JP 19189699 A JP19189699 A JP 19189699A JP 2000023687 A JP2000023687 A JP 2000023687A
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dna
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val
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JP11191896A
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Masao Kitabayashi
北林  雅夫
Migaku Arakawa
琢 荒川
Hiroaki Inoue
浩明 井上
Fumikiyo Kawakami
川上  文清
Yoshihisa Kawamura
川村  良久
Tadayuki Imanaka
忠行 今中
Masahiro Takagi
昌宏 高木
Masaaki Morikawa
正章 森川
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い合成速度及び高い合成の正確性を合わせも
ち、熱安定性においても優れた新規なDNAポリメラー
ゼを提供する。 【解決手段】下記理化学的性質を有する熱安定性DNA
ポリメラーゼ。 作用:DNA合成活性と3’−5’エキソヌクレアーゼ
活性を有する DNA合成速度:少なくとも30塩基/秒である 至適pH:6.5〜7.5(75℃) 至適温度:75℃ 分子量:88〜90Kda

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短い反応時間で正
確性の高いDNAまたはRNAを増幅する核酸の増幅方
法、該増幅法を利用する核酸の検出方法およびこれらの
方法に使用されるDNAポリメラーゼおよび試薬キット
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、大腸菌のような中温性細菌の
DNAポリメラーゼおよび中温性細菌に感染するファー
ジ由来のDNAポリメラーゼについては、既に多くの研
究がなされている。また、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)等の核酸増幅を用いる組換えDNA技術に有用な耐
熱性DNAポリメラーゼに関する研究も多くなされてい
る。PCR反応に用いられる耐熱性DNAポリメラーゼ
としては、主としてサーマス・サーモフィラス(Thermus
thermophilus)由来のDNAポリメラーゼ(Tthポリ
メラーゼ) や、サーマス・アクアチカス(Thermus aquat
icus) 由来のDNAポリメラーゼ(Taqポリメラー
ゼ)などがある。またパイロコッカス・フリオサス(Pyr
ococcus furiosus)由来のDNAポリメラーゼ(Pfu
ポリメラーゼ)、サーモコッカス・リトラリス(Thermoc
occus litoralis)由来の耐熱性DNAポリメラーゼ(V
entポリメラーゼ)なども知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Taq
ポリメラーゼはDNA合成の際の正確性や熱安定性が不
十分でない。また、正確性や熱安定性に優れたPfuポ
リメラーゼが開発されたが、このPfuポリメラーゼは
DNA合成速度が低く、プロセッシビリティが低い等の
問題があり、特殊なPCRにのみ利用されていた。最
近、20kb以上のDNAを増幅するPCR(以後、l
ong−PCRと呼ぶ)が開発されたが、このlong
−PCR法はTaqポリメラーゼとPfuポリメラーゼ
の両酵素を混合し、両酵素の特性を利用したものであっ
た。異なる性質をもつ2つの酵素を同じ反応系で作用さ
せた場合、適正な反応条件に、ずれが生じて、それぞれ
の長所である高い合成速度や正確性が本当に保たれてい
るのか疑問がある。また、両酵素の熱安定性や保存溶液
の組成の相違から同じ容器内で保存した場合の安定性に
も疑問がある。そのため、これらの長所を合わせ持つ新
規な熱安定性ポリメラ−ゼが待ち望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な超
好熱始原菌KOD1株より熱安定性DNAポリメラーゼ
を得ることに成功し、更にその特性を調査したところ、
前記2つの酵素の長所、すなわち高い合成速度と高い正
確性を合わせもつことを見出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、標的核酸に、該核酸と
相補的な塩基配列を有するプライマーおよび4種のdN
TPを、DNA合成速度が少なくとも30塩基/秒であ
り、かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱
安定性DNAポリメラーゼを含む緩衝溶液中で反応させ
て、標的核酸に上記プライマーをアニールさせ、プライ
マー伸長反応を行うことを特徴とする核酸の増幅方法で
ある。
【0006】また本発明は、下記工程A〜Dを含む試料
中の標的核酸を増幅する方法において、熱安定性DNA
ポリメラーゼとして、DNA合成速度が少なくとも30
塩基/秒であり、かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ活
性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼを使用することを
特徴とする核酸の増幅方法である。 A.必要により標的核酸を変性して、1本鎖核酸とする
工程、 B.該1本鎖核酸と標的核酸に相補的な塩基配列を有す
る正方向および逆方向プライマーおよび4種のdNTP
を、熱安定性DNAポリメラーゼを含む緩衝溶液中で反
応させて、1本鎖核酸に上記プライマーをアニールさ
せ、プライマー伸長反応を行う工程、 C.プライマー伸長物を分離して、1本鎖とする工程お
よび D.上記工程Bおよび工程Cを繰り返す工程。
【0007】また、本発明は、下記工程A〜Eを含む試
料中の標的核酸を検出する方法において、熱安定性DN
Aポリメラーゼとして、DNA合成速度が少なくとも3
0塩基/秒であり、かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ
活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼを使用すること
を特徴とする核酸の検出方法である。 A.必要により標的核酸を熱変性して、1本鎖核酸とす
る工程、 B.該1本鎖核酸と標的核酸に相補的な塩基配列を有す
る正方向および逆方向プライマーおよび4種のdNTP
を熱安定性DNAポリメラーゼを含む緩衝溶液中で反応
させて、1本鎖核酸に上記プライマーをアニールさせ、
プライマー伸長反応を行う工程、 C.プライマー伸長物を分離して、1本鎖とする工程、 D.上記工程Bおよび工程Cを繰り返す工程および E.増幅産物を検出する工程。
【0008】さらに本発明は、標的核酸に相補的な塩基
配列を有する正方向および逆方向プライマー、4種のd
NTP、2価陽イオン、DNA合成速度が少なくとも3
0塩基/秒であり、かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ
活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼおよび緩衝液を
含む核酸増幅用試薬キットである。
【0009】また本発明は、標的核酸に相補的な塩基配
列を有する正方向および逆方向プライマー、4種のdN
TP、2価陽イオン、DNA合成速度が少なくとも30
塩基/秒であり、かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ活
性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼおよび増幅用緩衝
液を含む核酸増幅用試薬および標的核酸プローブおよび
検出用緩衝液を含む核酸検出用試薬キットである。
【0010】本発明は超好熱始原菌KOD1由来のDN
Aポリメラーゼである。
【0011】また本発明は超好熱始原菌KOD1由来の
DNAポリメラーゼをコードする単離されたDNAであ
る。
【0012】さらに本発明は超好熱始原菌KOD1由来
のDNAポリメラーゼをコードする単離されたDNAを
ベクターに挿入した組換えDNA発現ベクターである。
【0013】また本発明は超好熱始原菌KOD1由来の
DNAポリメラーゼをコードする単離されたDNAをベ
クターに挿入した組換えDNA発現ベクターを用いて形
質転換された組換え宿主細胞である。
【0014】本発明は、超好熱始原菌KOD1由来のD
NAポリメラーゼをコードする単離されたDNAをベク
ターに挿入した組換えDNA発現ベクターを用いて形質
転換された組換え宿主細胞を培養し、培養物からDNA
ポリメラーゼを採取することを特徴とする超好熱始原菌
KOD1由来のDNAポリメラーゼの製造法である。
【0015】また本発明は、上記組換え宿主細胞を培養
し、(a)該組換え宿主細胞を集めた後、破砕し、細胞
抽出物を調製し、(b)組換え宿主細胞由来の不純蛋白
質を除去する工程を含むことを特徴とする超好熱始原菌
KOD1由来のDNAポリメラーゼを精製する方法であ
る。
【0016】本発明において増幅しようとする核酸は、
DNAまたはRNAである。その核酸が含有される試料
は何ら制限されない。
【0017】本発明に使用する熱安定性酵素は、DNA
合成速度が少なくとも30塩基/秒であり、かつ3’−
5’エキソヌクレアーゼ活性を有する熱安定性DNAポ
リメラーゼである。具体例としては、超好熱始原菌KO
D1株由来のDNAポリメラーゼ(KODポリメラーゼ
とも呼ぶ)があり、該酵素は天然から精製された熱安定
性酵素であっても、遺伝子組換え法によって製造された
酵素であってもよい。
【0018】本発明においてDNA合成速度は、M13
の1本鎖DNA(1.6μg)とこれに相補的なプライマー(1
6pmole) をアニーリングさせたものを基質として、各種
DNAポリメラーゼ、KOD、Pfu、Deep Ve
nt、Taqなど(5U)をそれぞれの緩衝液にて反応さ
せ、その反応時間と合成されるDNAの大きさの関係か
ら算出する。本発明においては、DNA合成速度が少な
くとも30塩基/秒であることが必須である。各ポリメ
ラーゼのDNA合成速度は、KODポリメラーゼ 105〜
130 塩基/秒、Pfuポリメラーゼ 24.8 塩基/秒、D
eep Ventポリメラーゼ 23.3塩基/秒、Taq
ポリメラーゼ 61.0 塩基/秒である。
【0019】一方、本発明では熱安定性DNAポリメラ
ーゼは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有するこ
とが必須である。本発明において3’−5’エキソヌク
レアーゼ活性は、λDNAのHindIII 分解産物の3’端
を 3Hでラベルしたものを基質として、各ポリメラーゼ
の至適条件で、3Hの脱離する割合を調べる。各ポリメ
ラーゼの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性は、Taq
ポリメラーゼ、Tthポリメラーゼでは反応時間3時間
において、 3Hの遊離が10〜20%しか認められない
が、KODポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼでは、5
0〜70%見られる。本発明において使用するKODポ
リメラーゼは3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有
し、また、KODポリメラーゼをコードする遺伝子に
は、Pfuポリメラーゼと同様の3’−5’エキソヌク
レアーゼ活性を示すDNA保存配列が存在することが確
認されている。
【0020】本発明の実施例において、3’−5’エキ
ソヌクレアーゼ活性の有無は、λDNA HindIII分解物
の[3H]TTPを取り込ませたDNA断片を基質として、
KODポリメラーゼを75℃の反応温度で、緩衝液 (20
mMTris−HCl pH6.5、10mMKCl、6mM(NH4)2
SO4 、2mM MgCl2 、0.1%Triton X−10
0、10μg/mlBSA) 中に放置し、遊離してくる[3H]T
TPの割合を調べた。また、このとき、コントロール実
験として、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を有しな
いTaqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ、3’−
5’エキソヌクレアーゼ活性を有するPfuポリメラー
ゼについても、それぞれの緩衝液を用いて同様に調べ
た。各ポリメラーゼの使用力価は 2.5単位とした。
【0021】基質DNAは、まずλDNAの HindIII分
解物(10 μg)に、0.2mM のdATP、dGTP、dCT
Pおよび[3H]TTPを添加して、クレノー・ポリメラー
ゼで3’端部を伸長反応した後、フェノール抽出、エタ
ノール沈殿してDNA断片を回収し、さらにスパンカラ
ム(クローンテック社製)で遊離モノヌクレオチドを除
去して調製した。
【0022】KODポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ
は反応時間3時間で50〜70%の遊離[3H]TTPが検
出されるが、Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼ
においては、10〜20%の遊離[3H]TTPしか認めら
れなかった。
【0023】該熱安定性DNAポリメラーゼは、配列番
号1に記載されるアミノ酸配列を含有することが好まし
い。
【0024】さらに該熱安定性DNAポリメラーゼは、
下記理化学的性質を有する酵素であることが好ましい。 作用:DNA合成活性と3’−5’エキソヌクレアーゼ
活性を有する。 DNA合成速度:少なくとも30塩基/秒である 至適pH:6.5〜7.5(75℃) 至適温度:75℃ 分子量:約88〜90Kda アミノ酸配列:配列番号・配列表1に記載
【0025】超好熱始原菌KOD1株由来のDNAポリ
メラーゼを製造する方法は、その一例として鹿児島県子
宝島の硫化坑から単離した菌株であるKOD1株から耐
熱性DNAポリメラーゼ遺伝子をクローニングし、組換
え発現ベクターを構築し、該組換えベクターで形質転換
した形質転換体を培養し、培養物から耐熱性DNAポリ
メラーゼを採取し、精製して製造する。
【0026】本発明では上記超熱好始原菌KOD1株由
来のDNAポリメラーゼはDNA合成活性と3’−5’
エキソヌクレアーゼ活性を有し、DNA合成速度が少な
くとも30塩基/秒である。この性質を利用して、核酸
の増幅反応を行う。
【0027】本発明の核酸の増幅方法は、下記工程A〜
Dを含む。 A.必要により標的核酸を変性して、1本鎖核酸とする
工程、 B.該1本鎖核酸と標的核酸に相補的な塩基配列を有す
る正方向および逆方向プライマーおよび4種のdNTP
を、DNA合成速度が少なくとも30塩基/秒であり、
かつ3’−5’エキソヌクレアーゼ活性をもつ熱安定性
DNAポリメラーゼを含む緩衝溶液中で反応させて、1
本鎖核酸に上記プライマーをアニールさせ、プライマー
伸長反応を行う工程、 C.プライマー伸長物を分離して、1本鎖とする工程お
よび D.上記工程Bおよび工程Cを繰り返す工程。
【0028】工程Aにおいて、必要により標的核酸を変
性して、1本鎖核酸とする。その手段は熱的処理であっ
ても、化学的変性であっても、あるいは酵素的処理であ
ってもよい。好ましくは熱処理である。
【0029】工程Bにおいて、該1本鎖核酸と標的核酸
に相補的な塩基配列を有する正方向および逆方向プライ
マーおよび4種のdNTP(dATP、dGTP、dC
TP、dTTPまたはdUTP)を、熱安定性DNAポ
リメラーゼを含む緩衝溶液中で反応させて、1本鎖核酸
に上記プライマーをアニールさせ、プライマー伸長反応
を行う。標的核酸に相補的な塩基配列を有する正方向プ
ライマーおよび逆方向プライマーとは、標的核酸のうち
の一方に相補的であり、他方に対して相同的である塩基
配列を有するオリゴヌレオチドである。したがって1種
のプライマーは、他のプライマー伸長物に対して、相補
的となる。熱安定性DNAポリメラーゼを含む緩衝溶液
としては、2価陽イオン、例えばマグネシウムイオンを
含む、トリス緩衝液が好ましい。プライマーをアニール
させ、伸長反応を行う条件としては、例えば98℃、1
秒〜1分−68℃、1秒〜10分を30回繰り返す方法
が挙げられる。
【0030】工程Cにおいて、プライマー伸長物を分離
して、1本鎖とする工程は、熱処理、化学的処理または
酵素的処理であってもよい。好ましくは熱処理またはR
Naseによる酵素処理である。
【0031】工程Dにおいて、上記工程B.〜C.を繰
り返す。具体的には、98℃、20秒−68℃、30秒
の加熱、冷却を少なくとも30サイクル繰り返すことが
好ましい。
【0032】本発明の増幅法は、20kb以上のDNA
を増幅するPCR(以後、long−PCRと呼ぶ)に
も適用される。このlong−PCRでは、Taqポリ
メラーゼの高いDNA合成速度とPfuポリメラーゼの
3’−5’エキソヌクレアーゼ活性に起因するDNA合
成時の高い正確性の両方の長所が必要であり、両酵素を
混合して使用する。この場合、両酵素の熱安定性や保存
溶液の組成の相違から同じ容器内で保存した場合の安定
性に疑問が生じる。しかし、超好熱始原菌KOD1由来
DNAポリメラーゼは、高いDNA合成速度と3’−
5’エキソヌクレアーゼ活性をもつことによる高い正確
性の両方を唯1種の酵素が併せもつことにより、単独で
long−PCRを行える可能性を有する。
【0033】本発明では上記増幅反応により生成した増
幅産物を例えば標識プローブを用いて標的核酸を検出す
ることができる。標識プローブとしては、標識核酸に相
補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドであり、標
識物質または標識結合物質を結合するものである。標識
物質としては、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダ
ーゼ、ガラクトシダーゼなどの酵素、蛍光物質または放
射性物質があり、標識結合物質としてはビオチン、ジゴ
キシゲニンなどが例示される。標識物質はビオチン、ジ
ゴキシゲニンあるいはアビジンを経由して結合されてい
てもよい。これらの標識をプローブに導入する方法とし
ては、オリゴヌクレオチドの合成時に、dNTPの一成
分として、これらの標識物質または標識結合物質を結合
するdNTPを使用して合成する。
【0034】標識プローブと結合した核酸の検出には、
従来公知の方法、例えばサザンハイブリダイゼーション
やノーザンハイブリダイゼーション法などが挙げられ
る。これらの方法は1本鎖DNAやRNAが互いに相補
性をもっていると、ハイブリッドを形成することを利用
して、未知の核酸断片群を例えばアガロース電気泳動法
により、そのサイズを分離し、次いでゲル中の核酸断片
を例えばアルカリ処理等により、1本鎖とした後、フィ
ルターに転写し、固定し、さらに標識プローブとハイブ
リダイズさせるものである。標識の検出には、例えば標
識物質として、アルカリホスファターゼを使用した場
合、化学発光基質、例えば1,2−ジオキセタン化合物
(PPD)を反応させると、ハイブリッドを形成した核
酸のみが発光する。これをX線フィルムに感光して標的
核酸の大きさや電気泳動上での位置を確かめることがで
きる。
【0035】本発明の核酸増幅用試薬キットは、標的核
酸に相補的な塩基配列を有する正方向および逆方向プラ
イマー、4種のdNTP、2価陽イオン、DNA合成速
度が少なくとも30塩基/秒であり、かつ3’−5’エ
キソヌクレアーゼ活性をもつ熱安定性DNAポリメラー
ゼおよび緩衝液を含む。2価陽イオンとしては、マグネ
シウムイオンが挙げられる。その濃度は1〜3mM程度
であることが好ましい。また緩衝液としては、トリス緩
衝液 (pH6.5 、75℃) 、トリシン緩衝液 (pH6.5 、75
℃) などが挙げられる。
【0036】具体的な組成の1つは、下記のとおりであ
る。
【0037】本発明の核酸検出用試薬キットは、標的核
酸に相補的な塩基配列を有する正方向および逆方向プラ
イマー、4種のdNTP、2価陽イオン、DNA合成速
度が少なくとも30塩基/秒であり、かつ3’−5’エ
キソヌクレアーゼ活性をもつ熱安定性DNAポリメラー
ゼおよび増幅用緩衝液を含む核酸増幅用試薬および標的
核酸プローブおよび検出用緩衝液を含む。検出用緩衝液
としては、検出試薬が、標識によって種々異なるもので
ある。例えば発色試薬または発光試薬などを含む。
【0038】本発明において使用する超好熱始原菌の1
種であるKOD1は、鹿児島県小宝島の硫気抗から単離
した菌株である。該菌株の菌学的性質を以下に記載す
る。 細胞形態 球菌・二連球菌、鞭毛あり 生育温度範囲 65〜100℃ 最適生育温度 95℃ 生育pH範囲 5〜9 最適pH 6 最適塩濃度 2〜3% 栄養要求性 従属栄養 酸素要求性 嫌気性 細胞膜脂質 エーテル型 DNAのGC含量 38%
【0039】超好熱始原菌KOD1株は、直径約1μm
の球菌であり、複数の極鞭毛を有していた。この菌株は
菌学的性質からPfuDNAポリメラーゼ生産菌(Pyroc
occus furiosus) およびTli(Vent)DNAポリ
メラーゼ生産菌(Thermococcus litoralis)との菌縁関係
が示唆された。
【0040】本発明の耐熱性DNAポリメラ−ゼ遺伝子
のクローニングは、以下の方法により行う。クロ−ニン
グの方法は、PfuDNAポリメラ−ゼの保存領域アミ
ノ酸配列(Nucleic Acids Research, 1993, vol.21, No.
2, 259-265) に基づき、プライマーを設計し、合成す
る。
【0041】まず超好熱始原菌KOD1株の染色体DN
Aを鋳型に、上記調製したプライマー(例、配列番号7
と8)を用いてPCR反応を行い、DNA断片を増幅さ
せる。増幅された断片のDNA配列 (例、配列番号9)
を決定し、当初設定したアミノ酸配列をコードしている
ことを確認後、該断片をプローブとし、染色体DNAの
制限酵素切断産物に対し、サザンハイブリダイゼーショ
ンを実施する。目的とするDNAポリメラーゼ遺伝子を
含む断片のおおよその大きさを約4〜7Kbpに限定す
ることが好ましい。
【0042】更に、約4〜7KbpのDNA断片をゲル
から回収し、これを用いて、大腸菌にてDNAライブラ
リーを作製し、上記記載のPCR増幅DNA断片(例、
配列番号9)をプローブにコロニーハイブリダイゼ−シ
ョンを行い、クローン株を取得する。
【0043】本発明においてクローン化したKOD1株
のDNAポリメラーゼ遺伝子は5010塩基(推定アミ
ノ酸1670個)から構成されている (配列番号5) 。
他のDNAポリメラ−ゼと比較したところ、本発明の遺
伝子には真核生物型であるαDNAポリメラ−ゼの保存
領域、Region1〜5が存在している。また該遺伝
子のN末端側に3’→5’エキソヌクレア−ゼモチ−フ
であるEXO1,2,3が存在している。超好熱始原菌
KOD1株由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼ遺伝子の保
存領域、Region1,2内には、各々介在配列が存
在しており、かつオープンリーディングフレーム(OR
F)の保存された形でつながっている。
【0044】超好熱始原菌KOD1株の耐熱性DNAポ
リメラーゼ遺伝子を、既知酵素であるピロコッカス・フ
リオサス(Pyrococcus furiosus) 由来のPfuDNAポ
リメラ−ゼ遺伝子(特開平 5-328969 号公報) 、及びサ
ーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)由
来のTli(Vent)DNAポリメラ−ゼ遺伝子(特
開平 6-7160 号公報)と比較すると、本発明のKOD1
株の遺伝子には介在配列が存在するが、上記PfuDN
Aポリメラーゼの遺伝子には介在配列は存在せず、また
TliDNAポリメラーゼ遺伝子には、2種の介在配列
が存在するものの、その存在箇所は各々保存領域である
Region2,3の内であり、本発明のKOD1株の
耐熱性DNAポリメラ−ゼ遺伝子内の介在配列の存在箇
所とは大きく異なっている (図7参照)。
【0045】本発明の遺伝子は超好熱始原菌KOD1由
来のDNAポリメラ−ゼをコ−ドするDNAである。該
DNAの一例は配列番号1または5に記載されるアミノ
酸配列をコードする塩基配列を含有する。また、このよ
うなDNAは配列番号5または6に記載される塩基配列
またはその一部分を含有する。本発明の超好熱始原菌K
OD1株由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼを大腸菌で発
現させるため、配列番号5に示される塩基配列の137
4〜2453bp、2708〜4316bpの介在配列
をPCR遺伝子融合法により取り除き、完全な形のDN
Aポリメラーゼ遺伝子を構築する。具体的には、介在配
列を含むクローン化した遺伝子を3組のプライマーの組
み合わせによりPCR反応を行い、介在配列により分断
される3断片を増幅する。ここで使用するプライマーを
設計する際、その末端に結合すべき断片の一部をその
5’端に含ませておく。次いで、結合すべき断片同志を
用いてその末端の重複する配列を利用してPCR反応を
行い、各々断片を結合する。更に得られた2種の断片を
用い同様にPCR反応を行い、介在配列を含まないKO
D1株由来のDNAポリメラーゼ遺伝子を含まない、完
全な形のDNAポリメラーゼ遺伝子を得る。
【0046】本発明において使用するベクターは、KO
D1由来の耐熱性DNAポリメラーゼのクローニングお
よび発現を可能とするものであれば、いかなるものでも
よく、例えばファージおよびプラスミドが挙げられる。
プラスミドとしては、T7プロモーターで誘導発現が可
能なプラスミドベクター、例えばpET−8cなどを挙
げることができる。また別なプラスミドの例としては、
pUC19、pBR322、pBluescript、
pSP73、pGW7、pET3A、pET11Cなど
がある。ファージとしては、たとえばλgt11、λD
ASH、λZapIIなどが挙げられる。本発明におい
て使用する宿主細胞としては、大腸菌、酵母などが挙げ
られる。大腸菌としては、例えばJM109、101、
XL1、PR1、BL21(DE3)plysSなどが
挙げられる。本発明では上記KOD1由来の耐熱性DN
Aポリメラーゼをコードする遺伝子を上記ベクターに挿
入して組換え発現ベクターとし、更に、この組換え発現
ベクターにて宿主細胞を形質転換する。
【0047】本発明の製造法では、上記組換え宿主細胞
を培養して、KOD1株由来の耐熱性DNAポリメラ−
ゼ遺伝子を誘導発現させる。組換え宿主細胞の培養に使
用する培地ならびに条件は常法に従う。具体例として
は、KOD1株由来の介在配列を含まない完全な形のD
NAポリメラーゼ遺伝子を含むpET−8cプラスミド
により形質転換された大腸菌を、例えばTB培地にて培
養し、誘導処理する。T7プロモーターの誘導処理はイ
ソプロピル−チオ−β−D−ガラクトシドの添加により
行なうことが好ましい。
【0048】本発明の精製法では、組換え宿主細胞を培
養した後、(a)組換え宿主細胞を集めた後、破砕し、
細胞抽出物を調製し、(b)宿主細胞由来の不純蛋白質
を除去する工程を含む。組換え宿主細胞より産出された
耐熱性DNAポリメラ−ゼは、宿主菌体を培地で培養・
誘導処理後、培養液から遠心分離等にて分離・回収す
る。該菌体を緩衝液に再懸濁した後、超音波処理、ダイ
ノミル、フレンチプレス等により菌体を破砕する。次い
で、熱処理を実施し、上清より耐熱性DNAポリメラー
ゼを回収する。菌体破砕方法は、超音波処理、ダイノミ
ル、フレンチプレス法などが好ましい。宿主細胞由来の
不純タンパク質を除去する工程の1つとして、熱処理が
好ましい。熱処理条件は70℃以上、好ましくは90℃
以上である。他の不純タンパク質の除去法としては各種
クロマトグラフィーなどを実施する。
【0049】この様にして取得した超好熱始原菌KOD
1株由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼの分子量は、約9
0KDaである(図5参照)。
【0050】また、この耐熱性DNAポリメラ−ゼを用
いポリメラーゼ連鎖反応を実施すると、十分な目的DN
A断片の増幅が確認される(図6参照)。
【0051】
【実施例】次に本発明を実施例を用いて説明する。 実施例1 超好熱始原菌KOD1株由来DNAポリメラ
−ゼ遺伝子のクロ−ニング 鹿児島県小宝島にて単離した超好熱始原菌KOD1株を
95℃にて培養後、菌体を回収した。得られた菌体から
常法に従い、超好熱始原菌KOD1株の染色体DNAを
調製した。Pyrococcus furiosus 由来のDNAポリメラ
−ゼ(Pfuポリメラ−ゼ)の保存領域アミノ酸配列に
基づき、2種のプライマ−(5'-GGATTAGTATAGTGCCAATGG
AAGGCGAC-3'(配列番号7), 5'-GAGGGCGAAGTTTATTCCGAGC
TT-3'(配列番号8) を合成した。この2種のプライマー
を使用し、調製した染色体DNAを鋳型として、PCR
反応を行った。
【0052】PCR増幅DNA断片の塩基配列 (配列番
号9) を決定し、アミノ酸配列(配列番号10)を決定
した後、この増幅DNA断片をプロ−ブとして、KOD
1株染色体DNA制限酵素処理産物に対してサザンハイ
ブリダイゼーションを行い、DNAポリメラーゼをコー
ドする断片のサイズを求めた(約4〜7Kbp)。さら
に、この大きさのDNA断片をアガロースゲルから回収
し、プラスミドpBS(ストラタジーン社製)に挿入
し、これらの混合物により大腸菌(E.coli JM109)を形質
転換して、ライブラリーを作製した。サザンハイブリダ
イゼーションに使用したプローブ(配列番号9)を用い
て、コロニーハイブリダイゼーションを行い、上記ライ
ブラリーから、KOD1株由来のDNAポリメラーゼ遺
伝子を含有すると考えられるクローン株(E.coli JM109/
pBSK0D1)を取得した。
【0053】実施例2 クロ−ン断片の塩基配列の決定 実施例1で取得したクロ−ン株、E.coli JM109/pBSK0D1
よりプラスミド、pBSKOD1 を回収し、常法に従い塩基配
列 (配列番号5) を決定した。さらに求められた塩基配
列からアミノ酸配列を推定した。KOD1株由来のDN
Aポリメラーゼ遺伝子は5010塩基からなり、167
0個のアミノ酸がコードされていた。
【0054】実施例3 組換え発現ベクタ−の構築 完全なポリメラ−ゼ遺伝子を作成するため、2箇所の介
在配列部分(1374〜2453bp、2708〜43
16bp)をPCR融合法により取り除いた。PCR融
合法では、クローン株より回収したプラスミドを鋳型
に、3組のプライマー (配列番号11〜16) を組み合
わせて、各々PCRを行い、介在配列を除いた3断片を
増幅した。この際、PCRに用いるプライマーは、他の
断片と結合する側に結合相手と同様な配列がくるように
設計した。また、両端には別々の制限酵素サイト(N末
端側:EcoRV、C末端側:BamHI)が創出され
るように設計した。次いで、PCR増幅断片中、構造上
中央に位置する断片と、N末端側に位置する断片を混合
し、PCRを各々の断片をプライマーとして行った。ま
た、同様に構造上、中央に位置する断片と、C末端側に
位置する断片を混合し、PCRを各々の断片をプライマ
ーとして行った。このようにして得られた2種の断片を
用いて再度PCRを行い、介在配列が取り除かれ、N末
端にEcoRV、C末端にBamHIサイトを有するK
OD1株由来のDNAポリメラーゼをコードする完全な
形の遺伝子断片を取得した。更に、同遺伝子をT7プロ
モーターで誘導可能な発現ベクター、pET−8cのN
coI/BamHIサイト、先に創出した制限酵素サイ
トを利用し、サブクローニングして、組換え発現ベクタ
ー (pET−pol) を得た。
【0055】実施例4 KOD1由来DNAポリメラ−
ゼの発現と精製 実施例3で取得した組換え発現ベクター (pET−po
l) を用いて大腸菌(E.coli JM109)を形質転換し、得ら
れた形質転換体をTB培地(Molecular Cloning, p.A.2,
1989 に記載) で培養し、集菌1時間前にT7プロモ−
タ−の誘導処理をイソプロピオチ- β-D- ガラクトピレ
ノシドの添加により行った。培養液より菌体を遠心分離
により回収した。緩衝液に再懸濁した後、超音波処理に
よって菌体を破砕し、細胞抽出物を得た。さらに宿主細
胞由来の不純タンパク質を除去するために、細胞破砕液
を94℃にて20分間処理し、宿主細胞由来の不純タン
パク質を不溶化した。不溶画分を遠心分離して除去し、
KOD1株由来の耐熱性DNAポリメラーゼを得た。
【0056】実施例5 KOD1由来耐熱性DNAポリ
メラ−ゼの精製 実施例4で得られたKOD1由来耐熱性DNAポリメラ
−ゼの分子量をSDS−PAGE法によって求めたとこ
ろ、約86〜92kDaであった(図5)。また、実施
例4で得たKOD1由来の耐熱性DNAポリメラーゼと
既知の鋳型・プライマーを用いてPCRを実施したとこ
ろ、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litora
lis)由来の耐熱性DNAポリメラーゼを用いた場合と同
様に標的とするDNA断片が確認され(図6)、高い熱
安定性DNAポリメラーゼ活性が確認された。
【0057】比較例1 本発明の超好熱始原菌KOD1
と類縁菌であると思われるピロコッカス・フリオサス(P
yrococcus furiosus) またはサーモコッカス・リトラリ
ス(Thermococcus litoralis)由来の耐熱性DNAポリメ
ラ−ゼ遺伝子との比較 本発明の超好熱始原菌KOD1由来のDNAポリメラー
ゼ遺伝子(配列番号6)、ピロコッカス・フリオサス(P
yrococcus furiosus) 由来の耐熱性DNAポリメラーゼ
遺伝子(特開平 5-328969 号公報) 、サーモコッカス・
リトラリス(Thermococcus litoralis)由来の耐熱性D
NAポリメラ−ゼ遺伝子(特開平 6-7160 号公報) のD
NA配列からアミノ酸配列を推定し、比較検討した。本
発明のKOD1由来のDNAポリメラ−ゼは、真核生物
型であるαDNAポリメラ−ゼの保存領域であるReg
ion1〜5が存在していた。またN末端側には3’→
5’エキソヌクレア−ゼモチ−フであるEXO1,2,
3が存在していた。しかし、αDNAポリメラ−ゼ保存
領域Region1とRegion2の内には、各々介
在配列IVS−A、IVS−Bが存在していた (図7参
照)。一方、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus fu
riosus) 由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼであるPfu
ポリメラーゼには介在配列が存在しなかった。またサー
モコッカス・リトラリス (Thermococcus litoralis) 由
来の耐熱性DNAポリメラ−ゼであるVentポリメラ
ーゼでは、αDNAポリメラ−ゼ保存領域Region
2とRegion3の内に、介在配列IVS1とIVS
2が認められた(図7参照)。
【0058】実施例6 超好熱始原菌KOD1株由来の
DNAポリメラ−ゼのDNA合成速度の測定 M13mp18DNAに、配列番号2に記載される塩基
配列を有するM13P7プライマーをアニーリングさせ
たDNAを基質として、実施例1〜5にて製造した超好
熱始原菌KOD1株由来のDNAポリメラ−ゼを含む反
応緩衝液〔20mMTris-HCl(pH7.5 75 ℃), 10mM KCl, 6m
M (NH4)2SO4, 2mM MgCl2, 0.1% TritonX-100, 10μg/ml
nuclease-free BSA 〕中で、反応時間、20、40、6
0、80、100秒(図1)または40、60、80、
100秒(図2)におけるDNAの合成速度を調べた。
その結果を図1および2に示す。各反応時間ごとに伸長
反応中のDNAサンプルを一部抜き取り、等量の反応停
止溶液 (60mM EDTA 、60μM NaOH、0.1% BPB、30% グリ
セロール) に添加する。上記過程で得たDNAサンプル
をアルカリアガロース電気泳動法により分離分析し、合
成されたDNAの大きさを調べた。
【0059】図1中、1は反応時間、0.3分(20
秒)、2は0.7分(40秒)、3は1分(60秒)、
4は1.3分(80秒)、5は1.7分(100秒)の
結果を示す。図1から明らかなように、超好熱始原菌K
OD1株由来DNAポリメラ−ゼのDNA合成速度は、
105塩基/秒であった。図2中、1は反応時間、0.
7分(40秒)、2は1分(60秒)、3は1.3分
(80秒)、4は1.7分(100秒)の結果を示す。
図2から明らかなように、超好熱始原菌KOD1株由来
DNAポリメラ−ゼのDNA合成速度は、138塩基/
秒であった。
【0060】一方、Pfuポリメラーゼ(ストラトジー
ン社)、Deep Ventポリメラーゼ(ニュー・イ
ングランド・バイオラボ社)、Taqポリメラーゼ(宝
酒造社) の各ポリメラーゼを、それぞれの緩衝液にて、
同様にDNA合成速度を測定した(図2a、2b)。そ
れぞれのDNAポリメラーゼのDNA合成速度は、Pf
uポリメラーゼ24.8塩基/秒,Deep Vent
ポリメラーゼ23.2塩基/秒、Taqポリメラーゼ6
1.0塩基/秒であった。上記結果から、超好熱始原菌
KOD1株由来のDNAポリメラ−ゼはPfuポリメラ
ーゼ、Deep Ventポリメラーゼの約6倍、Ta
qポリメラーゼの約2倍大きいDNA合成速度を持つこ
とが示唆された。
【0061】実施例7 超好熱始原菌KOD1株由来D
NAポリメラ−ゼのDNA合成反応における正確性測定 Kunkelの方法(Kunkel, 1985, Journal of Biolog
ical Chemistry, 260,5787-5796)により、DNA合成に
おける間違いの生じる割合を測定した。この方法は、β
−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子の一部を含むl
aqZ部分にギャップをもったM13mp18DNAを
基質として、実施例1〜5にて製造した超好熱始原菌K
OD1株由来DNAポリメラ−ゼでDNA合成反応を行
い、lacZ部が2本鎖となったM13mp18DNA
を用いて、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−
β−D−ガラクトシドとイソプロピル−チオ−β−D−
ガラクトシドを含むNZY培地で、E.coliJM1
09にトランスフェクションする。DNA合成反応時
に、読み違いやフレイムシフトを起こし、機能が失われ
た、あるいは低下したβ−ガラクトシダーゼが発現され
た場合、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β
−D−ガラクトシドを利用することができず、プラーク
の色が無色あるいは薄青色となる。一方、合成DNAに
誤りがなく、完全なβ−ガラクトシダーゼが発現した場
合には、プラークが青色となる。プラーク全体に占める
無色と薄青色のプラークの合計の割合から、DNA合成
における間違いの生じる割合を測定した。
【0062】それぞれの緩衝液にて、同様に反応したP
fuポリメラーゼ(ストラトジーン社)、Taqポリメ
ラーゼ(宝酒造社)、△Tthポリメラーゼ(東洋紡
績)についても、DNA合成における間違いの生じる割
合を測定した。また、TaqポリメラーゼとPfuポリ
メラーゼの混合物についても、同様にDNA合成におけ
る間違いの生じる割合を測定した。その結果を表1に示
す。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、超好熱始原菌K
OD1株由来DNAポリメラ−ゼのDNA合成反応にお
ける正確性は、Taqポリメラーゼより優れ、Pfuポ
リメラーゼと同等であることが示唆された。また、Ta
qポリメラーゼとPfuポリメラーゼの混合物ではTa
qポリメラーゼより優れ、Pfuポリメラーゼよりも劣
るという中間の正確性となった。
【0065】実施例8 各種熱安定性DNAポリメラー
ゼの反応時間の違いによるPCRの比較 標的核酸としてはλDNA (3 μg)、プライマーとして
配列番号・配列表3および4に記載される配列を有する
オリゴヌクレオチド、緩衝液として、20mM Tris-HCl (p
H7.5, 75℃), 10mM KCl, 6mM (NH4)2SO4, 2mM MgCl2,
0.1% Triton X-100, 10μg/ml BSA、 200μM dNTP
sを含む緩衝液を使用した。各種熱安定性DNAポリメ
ラーゼとしては、超好熱始原菌KOD1株由来DNAポ
リメラ−ゼ(KODポリメラーゼ)、PCRに広く使用
されているTaqポリメラーゼおよび3’−5’エキソ
ヌクレアーゼ活性を有するPfuポリメラーゼも使用し
た。各ポリメラーゼの使用力価は2単位であった。
【0066】94℃、20秒−68℃、X秒(Xは反応
時間)を30サイクル繰り返すスケジュールで、DNA
Thermal Cycler (パーキンエルマー社)にてPCR増
幅反応を行った。超好熱始原菌KOD1株由来DNAポ
リメラ−ゼ(KODポリメラーゼ)は94℃、20秒−
68℃、1秒を30サイクル繰り返すことで、標的DN
Aの増幅が確認できるが、Taqポリメラーゼでは、9
4℃、20秒−68℃、10秒を30サイクル繰り返し
て、はじめてDNAの増幅が確認された。また、Pfu
ポリメラーゼに至っては、94℃、20秒−68℃、1
分を30サイクル繰り返すことで、はじめてDNAの増
幅が確認できた。その結果を図3に示す。
【0067】
【発明の効果】本発明では、DNA合成速度が少なくと
も30塩基/秒であり、かつ3’−5’エキソヌクレア
ーゼ活性をもつ熱安定性DNAポリメラーゼ、超好熱始
原菌KOD1由来のDNAポリメラーゼを使うことによ
り、短い反応時間で正確性の高いDNAの増幅が可能に
なる。また、この方法を試薬キット化することにより簡
便性を向上させることができる。さらに今までに例のな
い高い合成速度(少なくとも30塩基/秒)と3’−
5’エキソヌクレアーゼ活性を合わせもつ、唯、1種類
の熱安定性DNAポリメラーゼを使用することにより、
プライマー伸長反応の時間を短縮し、正確性の高い比較
的大きな生成産物を増幅することが可能となる。
【0068】
【配列表】 配列番号1 配列の長さ:774 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Met Ile Leu Asp Thr Asp Tyr Ile Thr Glu Asp Gly Lys Pro Val Ile 1 5 10 15 Arg Ile Phe Lys Lys Glu Asn Gly Glu Phe Lys Ile Glu Tyr Asp Arg 20 25 30 Thr Phe Glu Pro Tyr Phe Tyr Ala Leu Leu Lys Asp Asp Ser Ala Ile 35 40 45 Glu Glu Val Lys Lys Ile Thr Ala Glu Arg His Gly Thr Val Val Thr 50 55 60 Val Lys Arg Val Glu Lys Val Gln Lys Lys Phe Leu Gly Arg Pro Val 65 70 75 80 Glu Val Trp Lys Leu Tyr Phe Thr His Pro Gln Asp Val Pro Ala Ile 85 90 95 Arg Asp Lys Ile Arg Glu His Gly Ala Val Ile Asp Ile Tyr Glu Tyr 100 105 110 Asp Ile Pro Phe Ala Lys Arg Tyr Leu Ile Asp Lys Gly Leu Val Pro 115 120 125 Met Glu Gly Asp Glu Glu Leu Lys Met Leu Ala Phe Asp Ile Gln Thr 130 135 140 Leu Tyr His Glu Gly Glu Glu Phe Ala Glu Gly Pro Ile Leu Met Ile 145 150 155 160 Ser Tyr Ala Asp Glu Glu Gly Ala Arg Val Ile Thr Trp Lys Asn Val 165 170 175 Asp Leu Pro Tyr Val Asp Val Val Ser Thr Glu Arg Glu Met Ile Lys 180 185 190 Arg Phe Leu Arg Val Val Lys Glu Lys Asp Pro Asp Val Leu Ile Thr 195 200 205 Tyr Asn Gly Asp Asn Phe Asp Phe Ala Tyr Leu Lys Lys Arg Cys Glu 210 215 220 Lys Leu Gly Ile Asn Phe Ala Leu Gly Arg Asp Gly Ser Glu Pro Lys 225 230 235 240 Ile Gln Arg Met Gly Asp Arg Phe Ala Val Glu Val Lys Gly Arg Ile 245 250 255 His Phe Asp Leu Tyr Pro Val Ile Arg Arg Thr Ile Asn Leu Pro Thr 260 265 270 Tyr Thr Leu Glu Ala Val Tyr Glu Ala Val Phe Gly Gln Pro Lys Glu 275 280 285 Lys Val Tyr Ala Glu Glu Ile Thr Pro Ala Trp Glu Thr Gly Glu Asn 290 295 300 Leu Glu Arg Val Ala Arg Tyr Ser Met Glu Asp Ala Lys Val Thr Tyr 305 310 315 320 Glu Leu Gly Lys Glu Phe Leu Pro Met Glu Ala Gln Leu Ser Arg Leu 325 330 335 Ile Gly Gln Ser Leu Trp Asp Val Ser Arg Ser Ser Thr Gly Asn Leu 340 345 350 Val Glu Trp Phe Leu Leu Arg Lys Ala Tyr Glu Arg Asn Glu Leu Ala 355 360 365 Pro Asn Lys Pro Asp Glu Lys Glu Leu Ala Arg Arg Arg Gln Ser Tyr 370 375 380 Glu Gly Gly Tyr Val Lys Glu Pro Glu Arg Gly Leu Trp Glu Asn Ile 385 390 395 400 Val Tyr Leu Asp Phe Arg Ser Leu Tyr Pro Ser Ile Ile Ile Thr His 405 410 415 Asn Val Ser Pro Asp Thr Leu Asn Arg Glu Gly Cys Lys Glu Tyr Asp 420 425 430 Val Ala Pro Gln Val Gly His Arg Phe Cys Lys Asp Phe Pro Gly Phe 435 440 445 Ile Pro Ser Leu Leu Gly Asp Leu Leu Glu Glu Arg Gln Lys Ile Lys 450 455 460 Lys Lys Met Lys Ala Thr Ile Asp Pro Ile Glu Arg Lys Leu Leu Asp 465 470 475 480 Tyr Arg Gln Arg Ala Ile Lys Ile Leu Ala Asn Ser Tyr Tyr Gly Tyr 485 490 495 Tyr Gly Tyr Ala Arg Ala Arg Trp Tyr Cys Lys Glu Cys Ala Glu Ser 500 505 510 Val Thr Ala Trp Gly Arg Glu Tyr Ile Thr Met Thr Ile Lys Glu Ile 515 520 525 Glu Glu Lys Tyr Gly Phe Lys Val Ile Tyr Ser Asp Thr Asp Gly Phe 530 535 540 Phe Ala Thr Ile Pro Gly Ala Asp Ala Glu Thr Val Lys Lys Lys Ala 545 550 555 560 Met Glu Phe Leu Asn Tyr Ile Asn Ala Lys Leu Pro Gly Ala Leu Glu 565 570 575 Leu Glu Tyr Glu Gly Phe Tyr Lys Arg Gly Phe Phe Val Thr Lys Lys 580 585 590 Lys Tyr Ala Val Ile Asp Glu Glu Gly Lys Ile Thr Thr Arg Gly Leu 595 600 605 Glu Ile Val Arg Arg Asp Trp Ser Glu Ile Ala Lys Glu Thr Gln Ala 610 615 620 Arg Val Leu Glu Ala Leu Leu Lys Asp Gly Asp Val Glu Lys Ala Val 625 630 635 640 Arg Ile Val Lys Glu Val Thr Glu Lys Leu Ser Lys Tyr Glu Val Pro 645 650 655 Pro Glu Lys Leu Val Ile His Glu Gln Ile Thr Arg Asp Leu Lys Asp 660 665 670 Tyr Lys Ala Thr Gly Pro His Val Ala Val Ala Lys Arg Leu Ala Ala 675 680 685 Arg Gly Val Lys Ile Arg Pro Gly Thr Val Ile Ser Tyr Ile Val Leu 690 695 700 Lys Gly Ser Gly Arg Ile Gly Asp Arg Ala Ile Pro Phe Asp Glu Phe 705 710 715 720 Asp Pro Thr Lys His Lys Tyr Asp Ala Glu Tyr Tyr Ile Glu Asn Gln 725 730 735 Val Leu Pro Ala Val Glu Arg Ile Leu Arg Ala Phe Gly Tyr Arg Lys 740 745 750 Glu Asp Leu Arg Tyr Gln Lys Thr Arg Gln Val Gly Leu Ser Ala Trp 755 760 765 Leu Lys Pro Lys Gly Thr 770
【0069】 配列番号2 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 CGCCAGGGTT TTCCCAGTCA CGAC 24
【0070】 配列番号3 配列の長さ:20 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGGCGGCGAC CTCGCGGGTT 20
【0071】 配列番号4 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GCCCATAATA ATCTGCCGGT CAAT 24
【0072】 配列番号5 配列の長さ:5342 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数:2本鎖 トロポジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源:超好熱始原菌 株名:KOD1 配列の特徴 156-5165 P CDS 1374-2453 介在配列 2708-4316 介在配列 配列 GCTTGAGGGC CTGCGGTTAT GGGACGTTGC AGTTTGCGCC TACTCAAAGA TGCCGGTTTT 60 ATAACGGAGA AAAATGGGGA GCTATTACGA TCTCTCCTTG ATGTGGGGTT TACAATAAAG 120 CCTGGATTGT TCTACAAGAT TATGGGGGAT GAAAG ATG ATC CTC GAC ACT GAC 173 Met Ile Leu Asp Thr Asp 1 5 TAC ATA ACC GAG GAT GGA AAG CCT GTC ATA AGA ATT TTC AAG AAG GAA 221 Tyr Ile Thr Glu Asp Gly Lys Pro Val Ile Arg Ile Phe Lys Lys Glu 10 15 20 AAC GGC GAG TTT AAG ATT GAG TAC GAC CGG ACT TTT GAA CCC TAC TTC 269 Asn Gly Glu Phe Lys Ile Glu Tyr Asp Arg Thr Phe Glu Pro Tyr Phe 25 30 35 TAC GCC CTC CTG AAG GAC GAT TCT GCC ATT GAG GAA GTC AAG AAG ATA 317 Tyr Ala Leu Leu Lys Asp Asp Ser Ala Ile Glu Glu Val Lys Lys Ile 40 45 50 ACC GCC GAG AGG CAC GGG ACG GTT GTA ACG GTT AAG CGG GTT GAA AAG 365 Thr Ala Glu Arg His Gly Thr Val Val Thr Val Lys Arg Val Glu Lys 55 60 65 70 GTT CAG AAG AAG TTC CTC GGG AGA CCA GTT GAG GTC TGG AAA CTC TAC 413 Val Gln Lys Lys Phe Leu Gly Arg Pro Val Glu Val Trp Lys Leu Tyr 75 80 85 TTT ACT CAT CCG CAG GAC GTC CCA GCG ATA AGG GAC AAG ATA CGA GAG 461 Phe Thr His Pro Gln Asp Val Pro Ala Ile Arg Asp Lys Ile Arg Glu 90 95 100 CAT GGA GCA GTT ATT GAC ATC TAC GAG TAC GAC ATA CCC TTC GCC AAG 509 His Gly Ala Val Ile Asp Ile Tyr Glu Tyr Asp Ile Pro Phe Ala Lys 105 110 115 CGC TAC CTC ATA GAC AAG GGA TTA GTG CCA ATG GAA GGC GAC GAG GAG 557 Arg Tyr Leu Ile Asp Lys Gly Leu Val Pro Met Glu Gly Asp Glu Glu 120 125 130 CTG AAA ATG CTC GCC TTC GAC ATT CAA ACT CTC TAC CAT GAG GGC GAG 605 Leu Lys Met Leu Ala Phe Asp Ile Gln Thr Leu Tyr His Glu Gly Glu 135 140 145 150 GAG TTC GCC GAG GGG CCA ATC CTT ATG ATA AGC TAC GCC GAC GAG GAA 653 Glu Phe Ala Glu Gly Pro Ile Leu Met Ile Ser Tyr Ala Asp Glu Glu 155 160 165 GGG GCC AGG GTG ATA ACT TGG AAG AAC GTG GAT CTC CCC TAC GTT GAC 701 Gly Ala Arg Val Ile Thr Trp Lys Asn Val Asp Leu Pro Tyr Val Asp 170 175 180 GTC GTC TCG ACG GAG AGG GAG ATG ATA AAG CGC TTC CTC CGT GTT GTG 749 Val Val Ser Thr Glu Arg Glu Met Ile Lys Arg Phe Leu Arg Val Val 185 190 195 AAG GAG AAA GAC CCG GAC GTT CTC ATA ACC TAC AAC GGC GAC AAC TTC 797 Lys Glu Lys Asp Pro Asp Val Leu Ile Thr Tyr Asn Gly Asp Asn Phe 200 205 210 GAC TTC GCC TAT CTG AAA AAG CGC TGT GAA AAG CTC GGA ATA AAC TTC 845 Asp Phe Ala Tyr Leu Lys Lys Arg Cys Glu Lys Leu Gly Ile Asn Phe 215 220 225 230 GCC CTC GGA AGG GAT GGA AGC GAG CCG AAG ATT CAG AGG ATG GGC GAC 893 Ala Leu Gly Arg Asp Gly Ser Glu Pro Lys Ile Gln Arg Met Gly Asp 235 240 245 AGG TTT GCC GTC GAA GTG AAG GGA CGG ATA CAC TTC GAT CTC TAT CCT 941 Arg Phe Ala Val Glu Val Lys Gly Arg Ile His Phe Asp Leu Tyr Pro 250 255 260 GTG ATA AGA CGG ACG ATA AAC CTG CCC ACA TAC ACG CTT GAG GCC GTT 989 Val Ile Arg Arg Thr Ile Asn Leu Pro Thr Tyr Thr Leu Glu Ala Val 265 270 275 TAT GAA GCC GTC TTC GGT CAG CCG AAG GAG AAG GTT TAC GCT GAG GAA 1037 Tyr Glu Ala Val Phe Gly Gln Pro Lys Glu Lys Val Tyr Ala Glu Glu 280 285 290 ATA ACA CCA GCC TGG GAA ACC GGC GAG AAC CTT GAG AGA GTC GCC CGC 1085 Ile Thr Pro Ala Trp Glu Thr Gly Glu Asn Leu Glu Arg Val Ala Arg 295 300 305 310 TAC TCG ATG GAA GAT GCG AAG GTC ACA TAC GAG CTT GGG AAG GAG TTC 1133 Tyr Ser Met Glu Asp Ala Lys Val Thr Tyr Glu Leu Gly Lys Glu Phe 315 320 325 CTT CCG ATG GAG GCC CAG CTT TCT CGC TTA ATC GGC CAG TCC CTC TGG 1181 Leu Pro Met Glu Ala Gln Leu Ser Arg Leu Ile Gly Gln Ser Leu Trp 330 335 340 GAC GTC TCC CGC TCC AGC ACT GGC AAC CTC GTT GAG TGG TTC CTC CTC 1229 Asp Val Ser Arg Ser Ser Thr Gly Asn Leu Val Glu Trp Phe Leu Leu 345 350 355 AGG AAG GCC TAT GAG AGG AAT GAG CTG GCC CCG AAC AAG CCC GAT GAA 1277 Arg Lys Ala Tyr Glu Arg Asn Glu Leu Ala Pro Asn Lys Pro Asp Glu 360 365 370 AAG GAG CTG GCC AGA AGA CGG CAG AGC TAT GAA GGA GGC TAT GTA AAA 1325 Lys Glu Leu Ala Arg Arg Arg Gln Ser Tyr Glu Gly Gly Tyr Val Lys 375 380 385 390 GAG CCC GAG AGA GGG TTG TGG GAG AAC ATA GTG TAC CTA GAT TTT AGA 1373 Glu Pro Glu Arg Gly Leu Trp Glu Asn Ile Val Tyr Leu Asp Phe Arg 395 400 405 TGC CAT CCA GCC 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515 GTT CTC AAG GGA GAG CTC GCT GGC ATA CTA TTG GCT GAA GGA ACG CTC 1757 Val Leu Lys Gly Glu Leu Ala Gly Ile Leu Leu Ala Glu Gly Thr Leu 520 525 530 TTG AGG AAA GAC GTT GAA TAC TTT GAT TCA TCC CGC AAA AAA CGG AGG 1805 Leu Arg Lys Asp Val Glu Tyr Phe Asp Ser Ser Arg Lys Lys Arg Arg 535 540 545 550 ATT TCA CAC CAG TAT CGT GTT GAG ATA ACC ATT GGG AAA GAC GAG GAG 1853 Ile Ser His Gln Tyr Arg Val Glu Ile Thr Ile Gly Lys Asp Glu Glu 555 560 565 GAG TTT AGG GAT CGT ATC ACA TAC ATT TTT GAG CGT TTG TTT GGG ATT 1901 Glu Phe Arg Asp Arg Ile Thr Tyr Ile Phe Glu Arg Leu Phe Gly Ile 570 575 580 ACT CCA AGC ATC TCG GAG AAG AAA GGA ACT AAC GCA GTA ACA CTC AAA 1949 Thr Pro Ser Ile Ser Glu Lys Lys Gly Thr Asn Ala Val Thr Leu Lys 585 590 595 GTT GCG AAG AAG AAT GTT TAT CTT AAA GTC AAG GAA ATT ATG GAC AAC 1997 Val Ala Lys Lys Asn Val Tyr Leu Lys Val Lys Glu Ile Met Asp Asn 600 605 610 ATA GAG TCC CTA CAT GCC CCC TCG GTT CTC AGG GGA TTC TTC GAA GGC 2045 Ile Glu Ser Leu His Ala Pro Ser Val Leu Arg Gly Phe 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Glu Phe Asn Val Ser Thr Glu Tyr Tyr 730 735 740 GAG GGC AAG GTC TAT GAC TTA ACT CTT GAA GGA ACT CCC TAC TAC TTT 2429 Glu Gly Lys Val Tyr Asp Leu Thr Leu Glu Gly Thr Pro Tyr Tyr Phe 745 750 755 GCC AAT GGC ATA TTG ACC CAT AAC TCC CTG TAC CCC TCA ATC ATC ATC 2477 Ala Asn Gly Ile Leu Thr His Asn Ser Leu Tyr Pro Ser Ile Ile Ile 760 765 770 ACC CAC AAC GTC TCG CCG GAT ACG CTC AAC AGA GAA GGA TGC AAG GAA 2525 Thr His Asn Val Ser Pro Asp Thr Leu Asn Arg Glu Gly Cys Lys Glu 775 780 785 790 TAT GAC GTT GCC CCA CAG GTC GGC CAC CGC TTC TGC AAG GAC TTC CCA 2573 Tyr Asp Val Ala Pro Gln Val Gly His Arg Phe Cys Lys Asp Phe Pro 795 800 805 GGA TTT ATC CCG AGC CTG CTT GGA GAC CTC CTA GAG GAG AGG CAG AAG 2621 Gly Phe Ile Pro Ser Leu Leu Gly Asp Leu Leu Glu Glu Arg Gln Lys 810 815 820 ATA AAG AAG AAG ATG AAG GCC ACG ATT GAC CCG ATC GAG AGG AAG CTC 2669 Ile Lys Lys Lys Met Lys Ala Thr Ile Asp Pro Ile Glu Arg Lys Leu 825 830 835 CTC GAT TAC AGG CAG AGG GCC ATC AAG ATC CTG GCA AAC AGC ATC CTA 2717 Leu Asp Tyr Arg Gln Arg Ala Ile Lys Ile Leu Ala Asn Ser Ile Leu 840 845 850 CCC GAG GAA TGG CTT CCA GTC CTC GAG GAA GGG GAG GTT CAC TTC GTC 2765 Pro Glu Glu Trp Leu Pro Val Leu Glu Glu Gly Glu Val His Phe Val 855 860 865 870 AGG ATT GGA GAG CTC ATA GAC CGG ATG ATG GAG GAA AAT GCT GGG AAA 2813 Arg Ile Gly Glu Leu Ile Asp Arg Met Met Glu Glu Asn Ala Gly Lys 875 880 885 GTA AAG AGA GAG GGC GAG ACG GAA GTG CTT GAG GTC AGT GGG CTT GAA 2861 Val Lys Arg Glu Gly Glu Thr Glu Val Leu Glu Val Ser Gly Leu Glu 890 895 900 GTC CCG TCC TTT AAC AGG AGA ACT AAC AAG GCC GAG CTC AAG AGA GTA 2909 Val Pro Ser Phe Asn Arg Arg Thr Asn Lys Ala Glu Leu Lys Arg Val 905 910 915 AAG GCC CTG ATT AGG CAC GAT TAT TCT GGC AAG GTC TAC ACC ATC AGA 2957 Lys Ala Leu Ile Arg His Asp Tyr Ser Gly Lys Val Tyr Thr Ile Arg 920 925 930 CTG AAG TCG GGG AGG AGA ATA AAG ATA ACC TCT GGC CAC AGC CTC TTC 3005 Leu Lys Ser Gly Arg Arg Ile Lys Ile Thr Ser Gly His Ser Leu Phe 935 940 945 950 TCT GTG AGA AAC GGG GAG CTC GTT GAA GTT ACG GGC GAT 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【0073】 配列番号6 配列の長さ:5342 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数:2本鎖 トロポジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 起源:超好熱始原菌 株名:KOD1 配列 GCTTGAGGGC CTGCGGTTAT GGGACGTTGC AGTTTGCGCC TACTCAAAGA TGCCGGTTTT 60 ATAACGGAGA AAAATGGGGA GCTATTACGA TCTCTCCTTG ATGTGGGGTT TACAATAAAG 120 CCTGGATTGT TCTACAAGAT TATGGGGGAT GAAAGATGAT CCTCGACACT GACTACATAA 180 CCGAGGATGG AAAGCCTGTC ATAAGAATTT TCAAGAAGGA AAACGGCGAG TTTAAGATTG 240 AGTACGACCG GACTTTTGAA CCCTACTTCT ACGCCCTCCT GAAGGACGAT TCTGCCATTG 300 AGGAAGTCAA GAAGATAACC GCCGAGAGGC ACGGGACGGT TGTAACGGTT AAGCGGGTTG 360 AAAAGGTTCA GAAGAAGTTC CTCGGGAGAC CAGTTGAGGT CTGGAAACTC TACTTTACTC 420 ATCCGCAGGA CGTCCCAGCG ATAAGGGACA AGATACGAGA GCATGGAGCA GTTATTGACA 480 TCTACGAGTA CGACATACCC TTCGCCAAGC GCTACCTCAT AGACAAGGGA TTAGTGCCAA 540 TGGAAGGCGA CGAGGAGCTG AAAATGCTCG CCTTCGACAT TCAAACTCTC TACCATGAGG 600 GCGAGGAGTT CGCCGAGGGG CCAATCCTTA TGATAAGCTA CGCCGACGAG GAAGGGGCCA 660 GGGTGATAAC TTGGAAGAAC GTGGATCTCC CCTACGTTGA CGTCGTCTCG ACGGAGAGGG 720 AGATGATAAA GCGCTTCCTC CGTGTTGTGA AGGAGAAAGA CCCGGACGTT CTCATAACCT 780 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GGCTTAAGAA GATCGGCTAC GAAGTCCTCG ACTGGGACTC ACTTAAGAAC TACAGAAGGC 3360 TCTACGAGGC GCTTGTCGAG AACGTCAGAT ACAACGGCAA CAAGAGGGAG TACCTCGTTG 3420 AATTCAATTC CATCCGGGAT GCAGTTGGCA TAATGCCCCT AAAAGAGCTG AAGGAGTGGA 3480 AGATCGGCAC GCTGAACGGC TTCAGAATGA GAAAGCTCAT TGAAGTGGAC GAGTCGTTAG 3540 CAAAGCTCCT CGGCTACTAC GTGAGCGAGG GCTATGCAAG AAAGCAGAGG AATCCCAAAA 3600 ACGGCTGGAG CTACAGCGTG AAGCTCTACA ACGAAGACCC TGAAGTGCTG GACGATATGG 3660 AGAGACTCGC CAGCAGGTTT TTCGGGAAGG TGAGGCGGGG CAGGAACTAC GTTGAGATAC 3720 CGAAGAAGAT CGGCTACCTG CTCTTTGAGA ACATGTGCGG TGTCCTAGCG GAGAACAAGA 3780 GGATTCCCGA GTTCGTCTTC ACGTCCCCGA AAGGGGTTCG,GCTGGCCTTC CTTGAGGGGT 3840 ACTCATCGGC GATGGCGACG TCCACCGAAC AAGAGACTCA GGCTCTCAAC GAAAAGCGAG 3900 CTTTAGCGAA CCAGCTCGTC CTCCTCTTGA ACTCGGTGGG GGTCTCTGCT GTAAAACTTG 3960 GGCACGACAG CGGCGTTTAC AGGGTCTATA TAAACGAGGA GCTCCCGTTC GTAAAGCTGG 4020 ACAAGAAAAA GAACGCCTAC TACTCACACG TGATCCCCAA GGAAGTCCTG AGCGAGGTCT 4080 TTGGGAAGGT TTTCCAGAAA AACGTCAGTC CTCAGACCTT CAGGAAGATG GTCGAGGACG 4140 GAAGACTCGA TCCCGAAAAG GCCCAGAGGC TCTCCTGGCT CATTGAGGGG GACGTAGTGC 4200 TCGACCGCGT TGAGTCCGTT GATGTGGAAG ACTACGATGG TTATGTCTAT GACCTGAGCG 4260 TCGAGGACAA CGAGAACTTC CTCGTTGGCT TTGGGTTGGT CTATGCTCAC AACAGCTACT 4320 ACGGTTACTA CGGCTATGCA AGGGCGCGCT GGTACTGCAA GGAGTGTGCA GAGAGCGTAA 4380 CGGCCTGGGG AAGGGAGTAC ATAACGATGA CCATCAAGGA GATAGAGGAA AAGTACGGCT 4440 TTAAGGTAAT CTACAGCGAC ACCGACGGAT TTTTTGCCAC AATACCTGGA GCCGATGCTG 4500 AAACCGTCAA AAAGAAGGCT ATGGAGTTCC TCAACTATAT CAACGCCAAA CTTCCGGGCG 4560 CGCTTGAGCT CGAGTACGAG GGCTTCTACA AACGCGGCTT CTTCGTCACG AAGAAGAAGT 4620 ATGCGGTGAT AGACGAGGAA GGCAAGATAA CAACGCGCGG ACTTGAGATT GTGAGGCGTG 4680 ACTGGAGCGA GATAGCGAAA GAGACGCAGG CGAGGGTTCT TGAAGCTTTG CTAAAGGACG 4740 GTGACGTCGA GAAGGCCGTG AGGATAGTCA AAGAAGTTAC CGAAAAGCTG AGCAAGTACG 4800 AGGTTCCGCC GGAGAAGCTG GTGATCCACG AGCAGATAAC GAGGGATTTA AAGGACTACA 4860 AGGCAACCGG TCCCCACGTT GCCGTTGCCA AGAGGTTGGC CGCGAGAGGA GTCAAAATAC 4920 GCCCTGGAAC GGTGATAAGC TACATCGTGC TCAAGGGCTC TGGGAGGATA GGCGACAGGG 4980 CGATACCGTT CGACGAGTTC GACCCGACGA AGCACAAGTA CGATGCCGAG TACTACATTG 5040 AGAACCAGGT TCTCCCAGCC GTTGAGAGAA TTCTGAGAGC CTTCGGTTAC CGCAAGGAAG 5100 ACCTGCGCTA CCAGAAGACG AGACAGGTTG GTTTGAGTGC TTGGCTGAAG CCGAAGGGAA 5160 CTTGACCTTT CCATTTGTTT TCCAGCGGAT AACCCTTTAA CTTCCCTTTC AAAAACTCCC 5220 TTTAGGGAAA GACCATGAAG ATAGAAATCC GGCGGCGCCC GGTTAAATAC GCTAGGATAG 5280 AAGTGAAGCC AGACGGCAGG GTAGTCGTCA CTGCCCCGAG GGTTCAACGT TGAGAAGTT 5339
【0074】 配列番号7 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGATTAGTGC CAATGGAAGG CGAC 24
【0075】 配列番号8 配列の長さ:24 配列の型:核酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GAGGGCGAAG TTTATTCCGA GCTT 24
【0076】 配列番号9 配列の長さ:324 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数:2本鎖 トロポジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GGATTAGTGC CAATGGAAGG CGACGAGGAG CTGAAAATGC TCGCCTTCGA CATTCAAACT 60 CTCTACCATG AGGGCGAGGA GTTCGCCGAG GGGCCAATCC TTATGATAAG CTACGCCGAC 120 GAGGAAGGGG CCAGGGTGAT AACTTGGAAG AACGTGGATC TCCCCTACGT TGACGTCGTC 180 TCGACGGAGA GGGAGATGAT AAAGCGCTTC CTCCGTGTTG TGAAGGAGAA AGACCCGGAC 240 GTTCTCATAA CCTACAACGG CGACAACTTC GACTTCGCCT ATCTGAAAAA GCGCTGTGAA 300 AAGCTCGGAA TAAACTTCGC CCTC 324
【0077】 配列番号10 配列の長さ:108 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 Gly Leu Val Pro Met Glu Gly Asp Glu Glu Leu Lys Met Leu Ala Phe 1 5 10 15 Asp Ile Gln Thr Leu Tyr His Glu Gly Glu Glu Phe Ala Glu Gly Pro 20 25 30 Ile Leu Met Ile Ser Tyr Ala Asp Glu Glu Gly Ala Arg Val Ile Thr 35 40 45 Trp Lys Asn Val Asp Leu Pro Tyr Val Asp Val Val Ser Thr Glu Arg 50 55 60 Glu Met Ile Lys Arg Phe Leu Arg Val Val Lys Glu Lys Asp Pro Asp 65 70 75 80 Val Leu Ile Thr Tyr Asn Gly Asp Asn Phe Asp Phe Ala Tyr Leu Lys 85 90 95 Lys Arg Cys Glu Lys Leu Gly Ile Asn Phe Ala Leu 100 105
【0078】 配列番号11 配列の長さ:42 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 GCCATCAAGA TCCTGGCAAA CAGCTACTAC GGTTACTACG GC 42
【0079】 配列番号12 配列の長さ:32 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 GATGGATCCA ACTTCTCAAC GTTGAACCCT CG 32
【0080】 配列番号13 配列の長さ:46 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 GAACATAGTG TACCTAGATT TTAGATCCCT GTACCCCTCA ATCATC 46
【0081】 配列番号14 配列の長さ:42 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 GCCGTAGTAA CCGTAGTAGC TGTTTGCCAG GATCTTGATG GC 42
【0082】 配列番号15 配列の長さ:33 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 ATCGATATCC TCGACACTGA CTACATAACC GAG 33
【0083】 配列番号16 配列の長さ:46 配列の型:核酸(DNA) 鎖の数: 1本鎖 配列の種類:合成DNA 配列 GATGATTGAG GGGTACAGGG ATCTAAAATC TAGGTACACT ATGTTC 46
【図面の簡単な説明】
【図1】KODポリメラ−ゼのDNA合成速度の測定結
果を示す電気泳動写真の代用図面である。
【図2】各種熱安定性DNAポリメラーゼのDNA合成
速度の比較を示す電気泳動写真の代用図面である。図2
aはKODポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼの場
合を示す。図2bはDeep Ventポリメラーゼお
よびTaqポリメラーゼの場合を示す。
【図3】各種熱安定性DNAポリメラーゼの反応時間の
違いによるPCRの比較を示す電気泳動写真の代用図面
である。
【図4】組換え発現ベクタ−の構築図を示す。
【図5】KOD1由来耐熱性DNAポリメラ−ゼ分子量
測定結果を示す電気泳動の写真の代用図面である。
【図6】KOD1由来耐熱性DNAポリメラ−ゼによる
PCRの結果を示す電気泳動の写真の代用図面である。
【図7】超好熱始原菌KOD1由来のDNAポリメラ−
ゼ遺伝子と類縁菌と思われる Pyrococcus furiosus由来
の耐熱性DNAポリメラーゼ遺伝子およびThermococcus
litoralis由来の耐熱性DNAポリメラ−ゼ遺伝子との
比較を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:19) (C12N 9/12 C12R 1:19) (72)発明者 川上 文清 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内 (72)発明者 川村 良久 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内 (72)発明者 今中 忠行 大阪府吹田市藤白台2−28−11 (72)発明者 高木 昌宏 大阪府吹田市青山台1−3 C−58−207 (72)発明者 森川 正章 大阪府箕面市小野原東5丁目4−12−406

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記理化学的性質を有する熱安定性DN
    Aポリメラーゼ。 作用:DNA合成活性と3’−5’エキソヌクレアーゼ
    活性を有する DNA合成速度:少なくとも30塩基/秒である 至適pH:6.5〜7.5(75℃) 至適温度:75℃ 分子量:88〜90Kda
  2. 【請求項2】 組換え宿主細胞を用いて生産される請求
    項1記載のDNAポリメラーゼ。
  3. 【請求項3】 配列番号1に記載されるアミノ酸配列を
    含有する請求項1記載のDNAポリメラーゼ。
  4. 【請求項4】 配列番号1に記載されるアミノ酸配列を
    コードする塩基配列を含有することを特徴とする単離さ
    れたDNA。
  5. 【請求項5】 配列番号5に記載される塩基配列または
    その一部分を含有することを特徴とする単離されたDN
    A。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載のDNAをベク
    ターに挿入したことを特徴とするDNA組換え発現ベク
    ター。
  7. 【請求項7】 ベクターがpET−8c由来のベクター
    である請求項6記載のDNA組換え発現ベクター(pE
    T−pol)。
  8. 【請求項8】 請求項6記載のDNA組換え発現DNA
    ベクターを用いて形質転換されたことを特徴とする組換
    え宿主細胞。
  9. 【請求項9】 宿主細胞が大腸菌である請求項9記載の
    組換え宿主細胞。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の組換え宿主細胞を培養
    し、その培養物からDNAポリメラーゼを採取すること
    を特徴とするDNAポリメラーゼの製造法。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の組換え宿主細胞を培養
    し、(a)該組換え宿主細胞を集めた後、破砕し、細胞
    抽出物を調製し、(b)組換え宿主細胞由来の不純蛋白
    質を除去する工程を含むことを特徴とするDNAポリメ
    ラーゼを精製する方法。
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