JPH11187635A - フラット回転機 - Google Patents

フラット回転機

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JPH11187635A
JPH11187635A JP35067797A JP35067797A JPH11187635A JP H11187635 A JPH11187635 A JP H11187635A JP 35067797 A JP35067797 A JP 35067797A JP 35067797 A JP35067797 A JP 35067797A JP H11187635 A JPH11187635 A JP H11187635A
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JP
Japan
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coils
stator coil
rotating machine
coil plate
phase
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JP35067797A
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English (en)
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Osamu Muto
修 武藤
Shiyoukou Riyuu
小紅 劉
Isao Takahashi
勲 高橋
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Sawafuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Sawafuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステータコイルの数が9n、ロータの磁極数
が8nのフラット回転機を実現する。 【解決手段】 極性を異にして順に8n個の永久磁石6
を固着した円板状の磁石装着盤8を空隙9を隔てて少な
くとも2枚配設すると共に、空隙9を隔てて配設された
当該2枚の磁石装着盤8の各永久磁石9が異なる極性で
相対向して、ブラケット2に回転自在に軸支されたシャ
フト5に固着されてなるロータ15と、略三角形状に巻
線されたコイルが9n個円周上に円形に配置された、上
記磁石装着盤8の空隙9に配設される円板状のステータ
コイル板10とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラット回転機、
特に永久磁石式フラット回転機において、コアレスのス
テータコイル(電機子巻線)の数とロータの永久磁石の
極数とが、9nと8n(nは1,2,……の自然数)と
で構成されてなり、ステータコイルが巻装された円板状
のステータコイル板を複数個に分割される構造にして、
ロータを分解せずにステータの組み立て、分解を可能に
したフラット回転機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のフラット回転機の部分断
面図、図16は図15のC−C断面図である。図15の
フラット回転機は、3段構成のものが図示されている。
【0003】図15,図16において、円筒ケース1の
両端にブラケット2がねじ3で固定される。それぞれの
ブラケット2にはベアリング4が嵌め込まれ、シャフト
5が両側のブラケット2で回転自在に軸支されている。
シャフト5には、4枚の円板状の磁石装着盤8が、それ
ぞれ空隙9を隔てて配設され固着されている。そして当
該円板状の磁石装着盤8には、極性を異にして順に複数
個の永久磁石6が固着されている。空隙9を隔てて配設
された2枚の各磁石装着盤8の各永久磁石6は、その極
性を異にし相対向している。これらの永久磁石6は、マ
グネットホルダ19、非磁性体のリング20等で固定さ
れている。
【0004】なお、7はヨークであり、ロータ15は図
15図示の如く、4枚の磁石装着盤8で構成されてい
る。そしてこれらの永久磁石6は、エネルギー密度の高
い、例えばネオジムNd,鉄Fe,ホウ素Bを含んだ合
金の磁性材でなる磁石が用いられている。
【0005】2枚の各磁石装着盤8で形成される各空隙
9には、フラット型に形成された円板状のステータコイ
ル板10、すなわち電機子巻線のコイル11を備えた薄
型の円形板がそれぞれ配設されている。当該ステータコ
イル板10は、細いエナメル線等を10本から数10本
より合わせた絶縁電線のリッツ線で、図19に示されて
いる様に、略三角形状に巻線された例えばU相のコイル
11を、図16,図17の如く円周上に6個円形に配置
して1相分とすると共に、同様にV,W各相のコイル1
1を円周上に6個円形に配置してそれぞれ1相分とし、
そして各コイル11の巻回によって形成される中心空間
部に図18に示された形状の磁性体21、例えばフェラ
イトコアや鉄粉を樹脂でモールド成形したコアを嵌め込
み、上記U,V,Wの相のコイル11をU,V,Wの相
毎に電気角で120°ずつずらした形態の3相巻線を3
層構造にして絶縁ワニスや合成樹脂材でモールドし、固
形化されたものである。
【0006】図20はステータコイル板の拡大部分断面
図を示しており、U,V,Wの各相の各コイル11の層
間に絶縁紙12が挟まれ、表面にも絶縁紙12を付けて
モールドされる。ステータコイル板10の外周部には、
固定用の穴13が形成され、各コイル11の中心空間部
に上記説明の形状の磁性体21が配置されている。
【0007】ステータコイル板10は、円形のスペーサ
16でサンドイッチ状に挟まれ、当該ステータコイル板
10に設けられた固定用の穴13を用いてボルト18で
ブラケット2の一方に固定される。このときステータコ
イル板10のコイル11の部分が、上記永久磁石6の位
置に配置されるようになっていることは言うまでもな
い。
【0008】上記説明では、フラット回転機が3段構成
のものを説明してきたが、1段構成のものは図15で2
組のステータコイル板10や磁石装着板8などを取り外
したものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
ないし図20で示される従来のフラット回転機の構造で
は、特にステータコイル板10は、6個のコイル11を
円周上に配置したものを1相分とし、電気角で120°
ずつずらして3相分の巻線を巻いた構造を採っているた
め、円板状のステータコイル板10を円周上で分割する
ことができず、そのため磁石装着板8を分解しないと、
ステータの分解、組み立てができない欠点があった。
【0010】またロータ15のバランス調整後、すなわ
ち磁石装着板8のバランス調整後、フラット回転機を組
み立てる際、ステータコイル板10との配置関係で、磁
石装着板8を分解して再組み立てすることがその構造上
から必要で、その時調整されたロータ15のバランスが
崩れてしまう欠点があった。
【0011】またコイル11の中心空間部に配置される
従来の磁性体21は、上記説明の如くフェライトが使用
されており、この種のフェライトでは、飽和磁束密度
が、例えば0.5テスラ程度で低く、また金属又は金属
系の圧粉材を使用すると、導体であるため損失が発生す
る欠点があった。
【0012】本発明は、上記の欠点を解決することを目
的としており、フラット型ロータの磁石の極数とステー
タコイルの極数とを、円板状のステータコイル板を円周
上で分割することができような磁石の極数8n、コイル
の極数9n(n=1,2,……の自然数)の組み合わせ
とする3相の交流フラット回転機を実現することを第一
義とし、磁石の極数8n、コイルの極数9nの組み合わ
せとすることにより、円板状のステータコイル板を円周
上で分割することができ、組み立てられたロータの磁石
装着板を分解せずにステータの組み立て、分解を可能な
らしめ、フラット回転機組立ての作業性を改善すると共
に、調整されたロータのバランス精度が保持されるフラ
ット回転機を提供すること、及び鉄損を少なくすること
が可能なフラット回転機を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のフラット回転機は極性を異にして順に8
n個の永久磁石を固着した円板状の磁石装着盤を空隙を
隔てて少なくとも2枚配設すると共に、空隙を隔てて配
設された当該2枚の磁石装着盤の各永久磁石が異なる極
性で相対向して、ブラケットに回転自在に軸支されたシ
ャフトに固着されてなるロータと、略三角形状に巻線さ
れたコイルが9n個円周上に円形に配置された、上記磁
石装着盤の空隙に配設される円板状のステータコイル板
とを備えたことを特徴としている。
【0014】そして永久磁石が8個、コイルが9個で構
成し、或いは永久磁石が16個、コイルが18個で構成
したステータコイル板を用いる。また上記ステータコイ
ル板は、絶縁材を介しその両面の同一位置にコイルがそ
れぞれ配置されてなり、同一の位置に配置された両面の
コイルの一方の端末が接続手段で互いに接続され、1個
のコイルを形成する巻線構造を備え、1個又は複数個の
積層で成り立っているステータ構造を用いる。
【0015】そして、極性を異にして順に8n個の永久
磁石を固着した円板状の磁石装着盤を空隙を隔てて少な
くとも2枚配設すると共に、空隙を隔てて配設された当
該2枚の磁石装着盤の各永久磁石が異なる極性で相対向
して、ブラケットに回転自在に軸支されたシャフトに固
着されてなるロータと、略三角形状に巻線されたコイル
が9n個円周上に円形に配置されると共に、当該9n個
のコイルが複数個ブロックに分割される構造を備えた、
上記磁石装着盤の空隙に配設される円板状のステータコ
イル板と、ステータコイル板のコイル部分が、上記2枚
の磁石装着盤が形成する空隙位置に配置されてなる当該
ステータコイル板の外周部を固定するスペーサと、当該
スペーサ、ステータコイル板及びロータを収納する円筒
ケースを備え、ロータを分解せずにステータの組み立
て、分解を可能にした構造を特徴とするフラット回転機
としている。
【0016】更に上記ステータコイル板は、磁束の方向
に高透磁率磁性材の細線が複数個並べられると共に、当
該高透磁率磁性材の細線の素線表面を合成樹脂材で絶縁
被覆し、かつ接着材で上記コイルの内側形状に合わせて
固着成型されてなる磁性部材が、上記各コイルの中心空
間部に配設されていることを特徴としている。
【0017】ロータの磁極が8極であり、ステータコイ
ル板のコイルが9個のとき、ロータの90°回転は電気
角で360°である。U相の隣り合う3つのコイルは機
械角で40°ずれており、これは電気角で160°であ
る。隣り合う3つのコイルのV相、W相についても同様
である。U相、V相、W相の各対応するコイルは電気角
で120°ずれているので、U相、V相、W相の各対応
コイルのベクトル電圧成分をそれぞれ加算するとそれぞ
れ零となる。すなわちU相、V相、W相の各コイルを適
宜に接続すると、3相電圧VU 、VV 、VW は同じ大き
さであって、互いに120°の位相差を持つ。従ってコ
イルの数が9個、ロータの極が8の構造は、発電機や電
動機として成立する。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るフラット回転
機の一実施例断面図、図2は図1のA−A断面図、図3
は図1のB−B断面図である。図1のフラット回転機
は、2段構成のものが図示されている。
【0019】図1ないし図3において、図15以下の従
来のフラット回転機と同じものは同じ符号が付されてい
る。本発明に係るフラット回転機と従来のフラット回転
機との相違は、ステータコイル板10とロータ15であ
り、従来のフラット回転機のステータコイル板10のコ
イル11は6個、ロータ15の永久磁石6は6極である
のに対し、本発明に係るフラット回転機のステータコイ
ル板10のコイル11は9個、ロータ15の永久磁石6
は8極で電機子巻線のコイルの個数と磁極の極数とが異
なった構造を有している点、及び後に説明するステータ
コイル板10が複数個に分割することができる点であ
る。以下従来のフラット回転機と同一の部分の説明は省
略し、本発明に係るフラット回転機について、その相違
点を更に詳しく説明する。
【0020】図1、図2において、2枚の磁石装着盤8
で形成される空隙9に配置されたステータコイル板10
は、絶縁材を介しその両面に等間隔に9個の略三角形状
に巻線されたコイル11が円周上に円形に配置された構
造を有している。当該9個の円周上に配置されたコイル
11の隣り合う3つづつが3相の1相分、すなわちU
相、V相、W相のコイルを形成する。図2には片面の表
面側のコイル11しか図示されていないが、図5図示の
如く当該ステータコイル板10の裏面側にも、それぞれ
同一位置にコイル11が配置されており、上記表面側と
裏面側との2層構造となっている。つまり図6の(A)
が表面側に巻回されているコイル11であり、図6の
(B)がその裏面側に巻回されているコイル11で、両
者は同一位置に図6図示の如く逆巻となっている。そし
て同図(A)のコイル11の内側の矢印で示された巻き
終わり端末と、同図(B)のコイル11の内側の矢印で
示された巻き始め端末とはスルーホールなどの接続手段
で互いに接続されており、ステータコイル板10に配置
された9個のコイル11は、その表面側に巻き始め端子
を、その裏面側に巻き終わり端子を備えた構造となって
いる。
【0021】ステータコイル板10に配置された9個の
コイル11の内、その隣り合う3つづつのコイル11
が、3相のU相、V相、W相の各コイルを構成するべ
く、例えば図7に示されているように、U相の3個のコ
イル11は、♯1コイルの表面側のコイル11の巻始め
U1を巻始め端子とし、当該♯1コイルの裏面側の巻終
わり端子と隣の♯2コイルの裏面側の巻終わり端子とが
接続され、更に当該♯2コイルの表面側の巻始め端子と
隣の♯3コイルの表面側の巻始め端子とが接続される
と、♯3コイルの裏面側の巻終わりU2を巻終わり端子
とする1つの連続した1相分のU相巻線が形成されるよ
うになっている。同様にして、残りの隣り合う3個づつ
のコイル11で、他の1相分のV相巻線、W相巻線が形
成されるようになっている。
【0022】上記ステータコイル板10の各コイル11
の中心空間部には、図2図示の如く、磁性体21がそれ
ぞれ固着されている。当該磁性体21は、図8に示され
ている如く軟鉄線、パーマロイ、パーメンジュール等の
高透磁率磁性材の細線21−1が、その軸を磁束の方向
にむけて複数個並べられて構成されると共に、当該高透
磁率磁性材の細線21−1の素線表面を、例えばポリエ
ステルやウレタン等の合成樹脂材21−2で絶縁被覆
し、かつ接着材でコイル11の内側形状に合わせて固着
成型される。この磁性体21を用いることにより、各コ
イル11の中心部に磁束が従来のもの以上に集中するよ
うになり、従来以上に鉄損の発生を防止することがで
き、効率の改善が可能となる。
【0023】次に図1、図3において、ロータ15のシ
ャフト5には、4枚の円板状の磁石装着盤8がそれぞれ
固着されている。当該円板状の磁石装着盤8には、極性
を異にして順に8個の永久磁石6が固着されている。空
隙9を隔てて配設された2枚の各磁石装着盤8の各永久
磁石6は、その極性を異にし相対向している。
【0024】このような構成の本発明に係るフラット回
転機の電気特性を図9、図10、図11を用いて説明す
ると、ロータ15の磁極は、上記説明のとおり永久磁石
6を8個使用している8極であり、当該ロータ15が
(360°/8)×2=90°回転すると、つまり機械
角90°が磁界の1周期に相当する。このときの電気角
は360°である。これに対しステータコイル板10の
コイル11は9個であるので、機械角でコイル11の1
個は360°/9=40°づつずれており(図4参
照)、この機械角40°のずれは、電気角の160°に
相当する。
【0025】従って、図11(図を分かりやすくするた
めに歯が描かれている)において、例えばU相の3個の
♯1コイル、♯2コイル、♯3コイルの電圧ベクトルに
ついて考察すると、図9に示されたベクトル図が得られ
る。すなわち♯1コイルのベクトルV1(以下V1はベ
クトルを表す。以下同様)を基準とすると、♯2コイル
の電圧ベクトルはV2、♯3コイルの電圧ベクトルはV
3となる。そこで♯2コイルの電圧ベクトルのV2を逆
にしてベクトル加算すると、ベクトルVU =V1−V2
+V3が得られる。図7の説明で♯2コイルを逆にして
接続するのは、♯2コイルの電圧ベクトルのV2を逆に
してベクトル加算するためである。
【0026】次に、U相、V相、W相の各♯1コイルは
120°づつずれていること(図4参照)を考慮して、
V相の3個の♯1コイル、♯2コイル、♯3コイルの電
圧ベクトル、W相の3個の♯1コイル、♯2コイル、♯
3コイルの電圧ベクトルについても、同様に、図10に
示された♯1コイル成分V1、♯2コイル成分V2、♯
3コイル成分V3のベクトルとなり、ベクトルVV =V
4−V5+V6、ベクトルVW =V7−V8+V9が得
られる。
【0027】ここで、U相、V相、W相の各♯1コイル
成分の和を計算すると零となり、またU相、V相、W相
の各♯2コイル成分、U相、V相、W相の各♯3コイル
成分の和をそれぞれ計算しても零となる。すなわち3相
電圧VU 、VV 、VW は同じ大きさであって、互いに1
20°の位相差を持つ。このことから上記説明のコイル
11の数が9個、ロータ15の極が8の構造は、発電機
や電動機として成立することを示している。
【0028】同様なことが、コイル11の数が18個、
ロータ15の極が16の構造についても成立する。以下
簡単に説明する。ロータ15が(360°/16)×2
=45°回転すると、つまり機械角45°が磁界の1周
期に相当する。このときの電気角は360°に相当す
る。これに対しステータコイル板10のコイル11は1
8個であるので、機械角でコイル11の1個は360°
/18=20°づつずれており、この機械角20°のず
れは、電気角の160°である。
【0029】従って、図14において、例えば♯1U相
の3個の♯1コイル、♯2コイル、♯3コイルの電圧ベ
クトルは、図12に示されたベクトル図のV1、V2、
V3で表される。♯2U相の3個の♯10コイル、♯1
1コイル、♯12コイルの電圧ベクトルは、図12に示
されたベクトル図のV10、V11、V12で表され
る。
【0030】♯1U相の3個の♯1コイル、♯2コイ
ル、♯3コイルについて、♯2コイルの電圧ベクトルの
V2を逆にしてベクトル加算すると、ベクトルVU 1
V1−V2+V3が得られる。同様に♯2U相の3個の
♯10コイル、♯11コイル、♯12コイルについて♯
11コイルの電圧ベクトルのV11を逆にしてベクトル
加算すると、ベクトルVU2=V10−V11 +V12
が得られる。♯1U相と♯2U相とのそれぞれの端子を
適宜に接続しておけば、ベクトルVU 1 とベクトルVU2
とがベクトル加算され、ベクトルVU =VU 1 +VU2
(V1−V2+V3)+(V10−V11 +V12)
が得られる。
【0031】同様にして♯1V相と♯2V相、♯1W相
と♯2W相について、ベクトルVV=(V4−V5+V
6)+(V13−V14 +V15)、ベクトルVW
(V7−V8+V9)+(V16−V17 +V18)
が得られる。♯1U相と♯2U相、♯1V相と♯2V
相、♯1W相と♯2W相の各成分は同じであるので、ベ
クトルVU =2(V1−V2+V3)、ベクトルVV
2(V4−V5+V6)、ベクトルVW =2(V7−V
8+V9)で表せる。
【0032】ここで、U相、V相、W相の各♯1コイル
成分の和を計算すると零となり、またU相、V相、W相
の各♯2コイル成分、U相、V相、W相の各♯3コイル
成分の和をそれぞれ計算しても零となる。すなわち3相
電圧VU 、VV 、VW は同じ大きさであって、互いに1
20°の位相差を持つ。このことから上記説明のコイル
11の数が18個、ロータ15の極が16の構造も、発
電機や電動機として成立することを示している。
【0033】一般にステータコイル(電機子巻線)の数
とロータの永久磁石の極数とが、9nと8n(nは1,
2,……の自然数)とで構成されていても、上記の説明
が成立する。
【0034】上述の如く、ステータコイル板10は、そ
の表面側と裏面側との両面に、同一の位置に3相のU
相、V相、W相を構成するコイル11が形成されている
ので、例えば図4図示の如くステータコイル板10をA
−B、C−D、E−Fの位置で均等に3相分づつに3分
割することができる。また相の分断を考慮に入れなけれ
ば、そして均等な分割を考慮に入れなければ、2分割、
4分割などステータコイル板10を自在に分割すること
ができる。
【0035】このような分割自在のステータコイル板1
0を用いた図1図示の既に組み立てが終わったフラット
回転機を分解する場合、図1の左側のねじ3を緩めてブ
ラケット2を取外し、分割可能なステータコイル板10
を締めつけているスルーボルト18を緩め、当該スルー
ボルト18を図1の右側のブラケット2から外すことに
より、ステータコイル板10はロータ15と共に図1の
左側に向かって取り出すことができる。そして当該スル
ーボルト18をステータコイル板10から引き抜けば、
分割可能なステータコイル板10の各分割片は、その半
径方向に2枚の磁石装着盤8で形成される空隙9から自
在に取り出すことができる。すなわちロータ15の分解
を必要としない。
【0036】組み立てに当たっては、上記分解と逆の工
程で組み立てることができ、バランス調整済みのロータ
15を分解することなく、効率よくフラット回転機を組
み立てることができる。
【0037】以上の説明ではステータコイル板10等が
2段の構造のものを説明してきたが、1段構成、3段構
成とすることも自在に構成することができる。またステ
ータコイル板10自体の枚数を、例えば2枚、3枚と重
ね、1枚の積層されたステータコイル板10とするする
こともでき、このステータコイル板10を積層構造とす
ることにより、高電圧のモータ、発電機などのフラット
回転機として使用できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、ス
テータコイル(電機子巻線)とロータの永久磁石との極
数を、9nと8nとでフラット回転機を構成することが
できる。そしてテータコイルが巻装される円板状のステ
ータ板を複数個に分割される構造にしたので、ロータを
分解せずにステータの組み立て、分解が可能になり、組
み立て作業が効率化される。またロータは調整済のバラ
ンスを保持したまま使用されるので、バランスの崩れが
なくなり、高い精度が保持される。
【0039】またステータコイル板の各コイルが、高透
磁率磁性材の細線が用いられると共に、当該高透磁率磁
性材の細線の表面を合成樹脂材で絶縁被覆し、かつ接着
材でステータコイルの内側形状に合わせて固着成型する
ようにしたので、鉄損を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係るフラット回転機の一実施例
断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】ステータコイル板の一実施例コイルの巻線説明
および分割説明図である。
【図5】ステータコイル板の一実施例断面図である。
【図6】表面側と裏面側の巻線説明図である。
【図7】コイルの端子接続説明図である。
【図8】本発明に用いられる磁性体の一実施例構造説明
図である。
【図9】本発明の磁極が8極でコイルが9個の3相ベク
トル説明図である。
【図10】3相成立説明図である。
【図11】磁極が8極でコイルが9個の3相巻線説明図
である。
【図12】本発明の磁極が16極でコイルが18個の3
相ベクトル説明図である。
【図13】3相成立説明図である。
【図14】磁極が16極でコイルが18個の3相巻線説
明図である。である。
【図15】従来のフラット回転機の部分断面図である。
【図16】図15のC−C断面図である。
【図17】従来のステータコイル板のコイル説明図であ
る。
【図18】磁性体の形状説明図である。
【図19】コイル巻線説明図である。
【図20】従来のステータコイル板の拡大部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 円筒ケース 2 ブラケット 5 シャフト 6 永久磁石 7 ヨーク 8 磁石装着盤 9 空隙 10 ステータコイル板 11 コイル 15 ロータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 勲 新潟県長岡市北山町4丁目463番地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性を異にして順に8n個の永久磁石を
    固着した円板状の磁石装着盤を空隙を隔てて少なくとも
    2枚配設すると共に、空隙を隔てて配設された当該2枚
    の磁石装着盤の各永久磁石が異なる極性で相対向して、
    ブラケットに回転自在に軸支されたシャフトに固着され
    てなるロータと、 略三角形状に巻線されたコイルが9n個円周上に円形に
    配置された、上記磁石装着盤の空隙に配設される円板状
    のステータコイル板とを備えたことを特徴とするフラッ
    ト回転機。
  2. 【請求項2】 上記のnが1であり、永久磁石が8個、
    コイルが9個で構成されていることを特徴とする請求項
    1記載のフラット回転機。
  3. 【請求項3】 上記のnが2であり、永久磁石が16
    個、コイルが18個で構成されていることを特徴とする
    請求項1記載のフラット回転機。
  4. 【請求項4】 上記ステータコイル板は、絶縁材を介し
    その両面の同一位置にコイルがそれぞれ配置されてな
    り、同一の位置に配置された両面のコイルの一方の端末
    が接続手段で互いに接続され、1個のコイルを形成する
    巻線構造を特徴とする請求項1記載のフラット回転機。
  5. 【請求項5】 上記ステータコイル板は、絶縁材を介し
    その両面の同一位置にコイルがそれぞれ配置されてな
    り、同一の位置に配置された両面のコイルの一方の端末
    が接続手段で接続され、1個のコイルを形成する巻線構
    造を備え、1個又は複数個の積層で成り立ってることを
    特徴とする請求項1記載のフラット回転機。
  6. 【請求項6】 極性を異にして順に8n個の永久磁石を
    固着した円板状の磁石装着盤を空隙を隔てて少なくとも
    2枚配設すると共に、空隙を隔てて配設された当該2枚
    の磁石装着盤の各永久磁石が異なる極性で相対向して、
    ブラケットに回転自在に軸支されたシャフトに固着され
    てなるロータと、 略三角形状に巻線されたコイルが9n個円周上に円形に
    配置されると共に、当該9n個のコイルが複数個ブロッ
    クに分割される構造を備えた、上記磁石装着盤の空隙に
    配設される円板状のステータコイル板と、 ステータコイル板のコイル部分が、上記2枚の磁石装着
    盤が形成する空隙位置に配置されてなる当該ステータコ
    イル板の外周部を固定するスペーサと、 当該スペーサ、ステータコイル板及びロータを収納する
    円筒ケースを備え、ロータを分解せずにステータの組み
    立て、分解を可能にした構造を特徴とするフラット回転
    機。
  7. 【請求項7】 上記ステータコイル板は、磁束の方向に
    高透磁率磁性材の細線が複数個並べられると共に、当該
    高透磁率磁性材の細線の素線表面を合成樹脂材で絶縁被
    覆し、かつ接着材で上記コイルの内側形状に合わせて固
    着成型されてなる磁性部材が、各コイルの中心空間部に
    配設されていることを特徴とする請求項6記載のフラッ
    ト回転機。
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