JPH11186113A - 電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ及びその製造方法

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JPH11186113A
JPH11186113A JP35177497A JP35177497A JPH11186113A JP H11186113 A JPH11186113 A JP H11186113A JP 35177497 A JP35177497 A JP 35177497A JP 35177497 A JP35177497 A JP 35177497A JP H11186113 A JPH11186113 A JP H11186113A
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JP
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packing
sealing body
case
electrolytic capacitor
lead terminal
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JP35177497A
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Kentaro Nakaaki
健太郎 仲秋
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Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質な封口体を用いることによって密閉性・
耐熱性・製造効率に優れた長寿命で低コストの電解コン
デンサを提供する。 【解決手段】 電極引き出し用のリード端子11を有す
るコンデンサ素子12を、開口部132を有するケース
13内に収納する。開口部132は封口体14で封止す
る。ケース13の底面に形成された貫通孔131からリ
ード端子11を外部に引き出す。11リード端子はチュ
ーブ状の第1のパッキン15を装着して貫通孔131に
圧入する。封口体14はバンド状の第2のパッキン16
を装着して開口部132に圧入する。パッキン15,1
6によって電解コンデンサ1が密閉され、硬質な封口体
14とケース13によって電解液の漏出やガスの侵入が
阻止され、長寿命な電解コンデンサが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封口構造を改良し
た電解コンデンサに関するもので、より具体的には、硬
質な封口体を用いることによって、密閉性・耐熱性・製
造効率に優れた長寿命で低コストな小型の電解コンデン
サ及びその製造方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、コンデンサ素子を、
アルミニウムや硬質樹脂などで構成したケース内に密封
したもので、コンデンサ素子は、両極の電極箔にそれぞ
れ電極引き出し手段であるリード端子を接続し、両極の
電極箔を、セパレータを介して巻回すことによって形成
したものである。そして、ケースの開口部は、コンデン
サ素子を格納したうえで封口体によって封止し、リード
端子は、この封口体に形成した貫通孔を貫通させて外部
に突出させることによって引き出している。
【0003】このような電解コンデンサでは、リード端
子のうち、封口体を貫通する部分は丸棒状の丸棒部にな
っており、丸棒部の一方の側には電極箔に接続される平
板部が形成され、反対側には電解コンデンサの外部と電
気的に接続するための外部接続部が形成されている。こ
のようなリード端子が貫通する封口体は、従来、ゴムで
構成することによってリード端子との密閉性を保持して
いた。
【0004】しかしながら、封口体にゴムを使用した場
合は、コンデンサ素子に含有される電解液がゴム中を透
過して外部に飛散したり、水分や酸素等のガスが外部か
らケース内に侵入することによって、コンデンサの特性
を低下させ、寿命を短縮していた。このような事態を防
ぐためには、封口体にガス透過性の低い金属材料や硬質
樹脂等を使用することが考えられる。しかし、このよう
に封口体を金属材料や硬質樹脂等で構成した場合には、
材料の硬度が高いため、封口体を貫通するリード端子と
の間で気密性を保持することが困難となる。
【0005】これに対して、ガスの透過を抑制しなが
ら、リード端子との気密性にも優れた封口体として、硬
質樹脂等からなる封口板に、ゴムやフッ素樹脂等からな
る弾性体を埋設し、この弾性体を通してリード端子を引
き出すようにした技術が開発されている。このような技
術は、例えば、実開昭55−7317号公報、実開昭5
5−115041号公報、および実開昭55−1329
36号公報等に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に、封口板に弾性体をあらかじめ埋設しておく場合、弾
性体は、周囲に硬質樹脂等があるため変形しにくい。こ
のため、弾性体にリード端子を挿入できるようにするた
めには、弾性体の内径をほぼリード端子の丸棒部の外径
と等しくする必要があった。この結果、加工精度や寸法
精度などの事情に基づいて、弾性体の寸法にわずかな誤
差が生じても気密性が低下し、寿命特性のばらつきが大
きくなるという問題点があった。
【0007】これに対して、封口体の作製方法を変えて
従来より高い加工精度、寸法精度を確保することも考え
られるが、この場合は生産効率の低下や製造コストの上
昇を招くという問題がある。さらに、封口板に予め弾性
体を埋設しておくという製造方法自体、製造工数が多
く、生産効率の優れた電解コンデンサの技術が望まれて
いた。
【0008】また、ゴム製の封口体は、十分な強度を確
保するためには厚くしなければならず、電解コンデンサ
全体の小型化の障害となっていた。特に、縦型の電解コ
ンデンサでは、封口体の厚さのために低背化が困難であ
った。さらに、ゴム製の封口体は柔らかいため、ケース
の開口部にはめ込むだけでは開口部内に保持しておくこ
とができないため、ケースを2重構造とする必要があっ
た。すなわち、この場合、コンデンサ素子を直接格納す
る内容器にアルミニウムなどを用い、絞り加工や加締め
構造を用いることによって内容器の開口部内に封口体を
固定する。そして、このように封口体を固定した内容器
を、樹脂などでできた外容器にさらに格納していたた
め、容器が2重になって全体の体積が増大し、小型化が
困難であった。
【0009】本発明は、上記のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたもので、その目的は、封口
構造を改善することにより、安定した高い寿命特性を持
ち、生産効率に優れ製造コストの安い優れた電解コンデ
ンサ及びその製造方法を提供することである。また、本
発明の他の目的は、安全性の高い電解コンデンサの技術
を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の電解コンデンサは、電極引き出し用の
リード端子を有するコンデンサ素子が、開口部を有する
ケース内に収納され、前記ケースの底面に形成された貫
通孔から前記リード端子が外部に引き出され、前記リー
ド端子はチューブ状の第1のパッキンを装着して前記貫
通孔に圧入され、前記ケースの前記開口部は封口体を用
いて密閉されたことを特徴とする。請求項4の発明は、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の電解コンデンサに
おいて、前記封口体は、バンド状の第2のパッキンを装
着して前記ケースの前記開口部に圧入されたことを特徴
とする。請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか
一に記載の電解コンデンサにおいて、前記ケースと前記
封口体とは融着されたことを特徴とする。請求項8の発
明は、請求項1,4,7の発明を製造方法の観点から把
握したもので、電極引き出し用のリード端子を有するコ
ンデンサ素子が、開口部を有するケース内に収納され、
前記ケースの底面に形成された貫通孔から前記リード端
子が外部に引き出され、前記開口部は封口体で封止され
た電解コンデンサの製造方法において、前記リード端子
にチューブ状の第1のパッキンを装着する工程と、前記
第1のパッキンを装着した前記リード端子を、前記貫通
孔に圧入する工程と、を含み、さらに、前記封口体にバ
ンド状の第2のパッキンを装着して前記開口部に圧入す
る工程、又は、前記開口部と前記封口体とを融着させる
工程のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0011】請求項1,12の発明では、第1のパッキ
ンを装着したリード端子を封口体の貫通孔に圧入するこ
とによって、リード端子と封口体との間が密閉され、ケ
ースの開口部は封口体によって密閉される。すなわち、
パッキンは、リード端子に接着剤等で接着されているわ
けではないので、圧入時にパッキンに力がかかると、パ
ッキンは圧入方向に伸びて変形する。このため、ガス透
過性が低く弾性率の高い高硬度のパッキンでも、リード
端子に装着したまま容易に貫通孔や開口部に圧入するこ
とができる。そして、圧入後はパッキンの弾性力と復元
力によってリード端子と貫通孔との間が確実に密閉され
る。また、リード端子など各部材の寸法に若干のばらつ
きがあっても、パッキンの弾力性によってばらつきが吸
収されるので、密閉性の低下が生じない。このように、
パッキンによって密閉性が確保されるので、ケースと封
口体は金属や硬質樹脂など硬質な材料で構成することが
できる。これによって、電解コンデンサの密閉性が向上
し、電解液やガスの透過を阻止することができるので、
特性に優れた長寿命の電解コンデンサを提供することが
できる。
【0012】また、硬質な材料を用いた封口体は従来よ
りも薄型化できるので、その分電解コンデンサを小型化
して高さや占有面積を縮小したり、従来と同じサイズで
大容量化することが可能となる。さらに、ケースと封口
体はゴムを用いておらず、リフロー時の高温に耐えるた
め、電解コンデンサを回路に接続する際は鉛フリーの半
田を使用することができ、電解コンデンサの実用性が向
上する。加えて、硬質な材料を用いた封口体は、圧入す
ることによってケースの開口部に固定されるので、アル
ミニウムの内容器などに絞り加工や加締め構造を適用し
て封口体を固定する必要がない。このため、ケースを2
重にする必要がなくなり、電解コンデンサ全体を小型化
することができる。また、第1のパッキンは、長尺なチ
ューブを順次切断することによって効率的かつ連続的に
供給できるので、電解コンデンサの製造を低廉化及び高
速化することができる。
【0013】特に、請求項4,8の発明において、第2
のパッキンを装着した封口体を開口部に圧入する場合
も、パッキンは圧入時には圧入方向に伸びて変形するた
め、ガス透過性が低く弾性率の高い高硬度のパッキンが
使用できる。そして、圧入後はパッキンの弾性力と復元
力によって、封口体など各部材の寸法に若干のばらつき
があっても、封口体と開口部との間が確実に密閉され
る。また、第2のパッキンも、長尺なチューブを順次切
断することによって効率的かつ連続的に供給できるの
で、電解コンデンサの製造を低廉化及び高速化すること
ができる。さらに、請求項7,8の発明において、ケー
スと封口体とを融着する場合、ケースと封口体とが融着
によって確実に密閉及び固定され、封口圧力が向上して
耐リフロー性能などの耐熱性や電解コンデンサ全体の機
械的強度が向上する。特に、第2のパッキンを装着した
封口体をケースの開口部に圧入したうえで、さらにケー
スと封口体とを融着すれば、ケースと封口体との間で極
めて優れた密閉性及び機械的強度が実現される。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の電解コ
ンデンサにおいて、前記第1のパッキンの内径は前記リ
ード端子のうち第1のパッキンを装着する部分の外径よ
りも小さく、前記第1のパッキンの外径は前記リード端
子に装着された状態において、前記貫通孔の内径よりも
大きいことを特徴とする。請求項6の発明は、請求項4
又は5記載の電解コンデンサにおいて、前記第2のパッ
キンの内径は前記封口体のうち第2のパッキンを装着す
る部分の外径よりも小さく、前記第2のパッキンの外径
は前記封口体に装着された状態において、前記開口部の
内径よりも大きいことを特徴とする。
【0015】請求項2,6の発明では、各パッキンの内
径は、パッキンの内側となるリード端子や封口体より小
さいので、装着時にはパッキンを若干広げることにな
り、装着後はパッキンの収縮力によってリード端子や封
口体への密着度が高まる。また、各パッキンの外径は、
パッキンの外側となる貫通孔やケースの開口部より大き
いので、圧入時にはパッキンを若干薄くつぶすことにな
り、圧入後はパッキンの復元力によって貫通孔や開口部
への密着度も高まる。このように、請求項2,6の発明
によれば、リード端子と貫通孔との密着性、及び封口体
と開口部との密着性が全面に亘って一層向上する。
【0016】請求項3の発明は、請求項1又は2記載の
電解コンデンサにおいて、前記貫通孔のうち前記コンデ
ンサ素子側の端部に、コンデンサ素子側が拡がるテーパ
部を形成したことを特徴とする。請求項3の発明では、
テーパ部を形成したことによって、第1のパッキンが貫
通孔の端部に引っ掛かることがなく、第1のパッキンを
装着したリード端子を貫通孔に容易に圧入することがで
きるので、電解コンデンサの製造が効率化される。
【0017】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか一に記載の電解コンデンサにおいて、前記第2のパ
ッキンに接触する前記封口体の外周面又は前記開口部の
内周面のうち少なくとも一方に、周回状の凸部を形成し
たことを特徴とする。請求項5の発明では、凸部が第2
のパッキンに特に強く圧接するので封口体と開口部との
密閉性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明による電解コンデン
サ及びその製造方法の複数の実施の形態(以下「実施形
態」という)について、図面を参照して具体的に説明す
る。なお、以下の各図において、説明済みの部材と同じ
部材には同じ符号をつけ、説明済みの部材と同種である
が寸法などが異なる部材には一部が共通する符号を付
け、説明は省略する。例えば、図13に示す第1のパッ
キンは、図2に示した第1のパッキン15と同種である
が寸法が異なるので、第1のパッキン15Xとし、説明
は省略している。
【0019】〔1.第1実施形態〕第1実施形態は、請
求項1〜6及び8に対応する横型の電解コンデンサで、
第1のパッキンを装着したリード端子を、横置きされる
ケースの底面に形成された貫通孔から引き出し、ケース
の開口部は、第2のパッキンを装着した封口体を圧入す
ることによって封止したものである。
【0020】〔1−1.電解コンデンサの構成〕まず、
図1は、第1実施形態の電解コンデンサについて、リー
ド端子11a,bが引き出されている側面を示す図であ
り、図2は、同じコンデンサ1について、図1の矢印A
方向から見た内部構造を示す概念図である。これらの図
に示すように(請求項1,8)、コンデンサ1は、電極
引き出し用のリード端子11(a,b)を有するコンデ
ンサ素子12が、開口部132を有するケース13内に
収納されたものである(図2)。そして、リード端子1
1は、第1のパッキン15を装着して、ケース13の底
面に形成された貫通孔131から外部に引き出されてい
る。また、ケース13の開口部132は封口体14で封
止され、この封口体14は、バンド状の第2のパッキン
16を装着して開口部132に圧入されている(請求項
4,8)。
【0021】すなわち、ケース13は、概略的には底が
ある筒状の容器で、図1及び図2の例では外面は直方体
状で、内面は円筒状である。このケース13の底面に
は、リード端子11を貫通させて外部に引き出すための
一対の貫通孔131が中央付近に形成されている。な
お、図2の視点方向から見ると、2つの貫通孔131は
相互に同じ高さで重複するので、図2では2つの貫通孔
131を1つの図形で示している。また、コンデンサ素
子12は、両極の電極箔をセパレータを介して巻回した
もので、各電極箔にそれぞれリード端子11a及び11
bが接続されている。
【0022】また、ケース13の開口部132を封止す
る封口体14は、円盤状の部材で、硬質材料から構成さ
れている。ここで、具体的な硬質材料としては、例え
ば、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ナイロ
ン、フェノール、エポキシ、ポリスルフォン、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリオキシベンジレンポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネートを含む樹脂材
料のグループ、アルミニウム、タンタル、マグネシウ
ム、銅、ニッケル、チタン、またはこれらの合金を含む
金属材料のグループ、硬質ゴム、セラミック、ガラス、
の中から選択された材料を使用することができる。
【0023】また、ケース13や封口体14を金属で構
成する場合は、リード端子11やコンデンサ素子12と
の間の絶縁するために、材料となっている金属の表面
に、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂等からなる樹脂フィル
ムや酸化皮膜等の絶縁層を形成して用いる。
【0024】また、上記のような貫通孔131を貫通す
るリード端子11は、図3の斜視図に示すように長細い
金属端子で、一端の側が電極箔に接続するための平板部
111となり、反対側は、外部の回路に接続するための
外部接続部113となっている。そして、これら平板部
111と外部接続部113との間には、貫通孔131を
貫通するための丸棒部112が設けられている。なお、
図1及び図2において、コンデンサ1の外部に露出して
いるリード端子11は、図3に示すリード端子11の外
部接続部113を曲げ加工したものである。
【0025】このようなリード端子11は、その外部接
続部113が、ケース13底面の貫通孔131を貫通し
て外部に引き出されており(図1,2)、リード端子1
1の丸棒部112は、チューブ状の第1のパッキン15
を装着したうえで、ケース13の貫通孔131に圧入さ
れている。
【0026】そして、第1のパッキン15及び第2のパ
ッキン16は、寸法は相互に異なるが、ともにケース1
3や封口体14よりもやわらかい可撓性材料によって構
成されている。具体的には、これら第1のパッキン15
及び第2のパッキン16を構成する可撓性材料として
は、例えば、ゴム、フッ素樹脂、収縮チューブ、ポリエ
チレン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ナイ
ロン、ポリアミドイミド、シリコン樹脂、シリコンゴ
ム、ポリ−4−メチルペンテン−1(結晶性ポリオレフ
ィン)、エチレンビニルアルコール、の中から選択され
た材料を使用することができる。
【0027】また、第1のパッキン15の内径は、リー
ド端子11の丸棒部112の外径よりも小さく、また、
第1のパッキン15の外径は、丸棒部112に装着され
た状態において、貫通孔131の内径よりも大きい(請
求項2)。同様に、第2のパッキン16の内径は封口体
14の外径よりも小さく、第2のパッキン16の外径は
封口体14に装着された状態において、開口部132の
内径よりも大きい(請求項6)。
【0028】コンデンサ1は、このような寸法の関係を
持つ部材同士を、パッキンの弾力性を用いてはめ合わせ
ることによって高度に密閉したものであるが、この組み
合わせる作業が容易になるように、貫通孔131のうち
コンデンサ1の内側となる端部に(図2)、コンデンサ
1の内側の方が傾斜的に拡がった形状のテーパ部131
Tを形成してある(請求項3)。
【0029】さらに、第2のパッキン16に接触する封
口体14の外周面には(図2)、全周に亘って周回状の
凸部142が形成され(請求項5)、この凸部142が
第2のパッキン16の内周面に特に強く圧接し、食い込
んだ状態となっている。
【0030】ここで、ケース13の貫通孔131と、第
1のパッキン15との寸法の関係を、図4の概念図に示
す。この図4に示すように、リード端子11の丸棒部1
12に装着した状態において、第1のパッキン15の外
径B21は、テーパ部131Tとの関係を除いて、貫通孔
131の内径B11よりも大きい。但し、テーパ部131
Tの最大の内径B12は、丸棒部112に装着された状態
における第1のパッキン15の外径B21よりも大きい。
なお、貫通孔131の内径B11は、丸棒部112に装着
した状態における第1のパッキン15の外径B21から、
第1のパッキン15の肉厚寸法B22の5%〜100%を
差し引いた値とすることが望ましい。 〔1−2.電解コンデンサの製造工程〕以上のような構
成を有する電解コンデンサは、次のような手順で製造す
ることができる。 〔1−2−1.コンデンサ素子の作成〕まず、一対のリ
ード端子11(a,b)の平板部111を、両極の電極
箔のそれぞれに接続し、これら電極箔をセパレータを介
して巻回すことによってコンデンサ素子12を形成す
る。
【0031】〔1−2−2.第1のパッキンの装着〕次
に、上記のように作成したコンデンサ素子12のリード
端子11にチューブ状の第1のパッキン15を装着す
る。すなわち、図5に示すように、リード端子11の外
部接続部113を第1のパッキン15に通し、図5にお
いて矢印Cで示すように、第1のパッキン15をコンデ
ンサ素子12方向に移動させ、さらに力を加えることに
よって、第1のパッキン15をリード端子11の丸棒部
112にかぶせて装着し、図6の状態とする。
【0032】ここで、第1のパッキン15の内径は、リ
ード端子11の丸棒部112の直径より小さいので、装
着時には第1のパッキン15を若干広げることになり、
装着後は第1のパッキン15の収縮力によって丸棒部1
12への密着度が高まる。また、第1のパッキン15
は、リールなどに巻かれた長いチューブを必要な寸法に
順次切断することによって、連続的かつ効率的に作成す
ることができる。
【0033】〔1−2−3.第2のパッキンの装着〕ま
た、封口体14の外周部には、バンド状の第2のパッキ
ン16を装着する。すなわち、図7に示すように、封口
体14のどちらか一面の側から第2のパッキン16を封
口体14の外周面にかぶせ、図7において矢印Dで示す
ように、第2のパッキン16に力を加えて他方の面の側
に向かって移動させることによって、図8に示す状態と
する。
【0034】この場合も、第2のパッキン16の内径は
封口体14の外径より小さいので、装着時には第2のパ
ッキン16を若干広げることになり、装着後は第2のパ
ッキン16の収縮力によって封口体14への密着度が高
まる。また、この装着状態では、封口体14の外周面に
形成された凸部142が第2のパッキン16の内周面に
特に強く圧接する。さらに、この第2のパッキン16に
ついても、リールなどに巻かれた長いチューブを必要な
寸法のバンド状に順次切断することによって、連続的か
つ効率的に作成することができる。
【0035】〔1−2−4.貫通孔への圧入〕次に、上
記のように第1のパッキン15を装着したリード端子1
1を、ケース13の貫通孔131に圧入する。すなわ
ち、図9に示すように、コンデンサ素子12から突き出
ているリード端子11の先端を、ケース13の開口部1
32を経て底面の貫通孔131へ貫通させ、コンデンサ
素子12をケース13内に収納しつつ、第1のパッキン
15をテーパ部131Tに当てがう。この状態で、図9
において矢印Eで示す方向に、コンデンサ素子12に力
を加えることによって、第1のパッキン15を装着した
丸棒部112を貫通孔131に圧入し、図10の状態と
する。この状態では、コンデンサ素子12はケース13
内に格納された状態となる。
【0036】ここで、第1のパッキン15は、リード端
子11に接着剤等で接着されているわけではないので、
圧入時に第1のパッキン15に力がかかると、第1のパ
ッキン15は圧入方向に伸びて変形する。このため、ガ
ス透過性が低く弾性率の高い高硬度の第1のパッキン1
5でも、リード端子11に装着したまま容易に貫通孔1
31に圧入することができる。また、圧入後は第1のパ
ッキン15の弾性力と復元力によってリード端子11と
貫通孔131との間が確実に密閉される。また、リード
端子11の丸棒部112と貫通孔131の寸法に若干の
ばらつきがあっても、第1のパッキン15の弾力性によ
ってばらつきが吸収されるので、密閉性の低下が生じな
い。
【0037】〔1−2−5.開口部への圧入〕続いて、
第2のパッキン16を装着した封口体14を、ケース1
3の開口部132に圧入する。すなわち、図11に示す
ように、第2のパッキン16を装着した封口体をケース
13の開口部132に当てがい、図11において矢印F
で示す方向に封口体14に力を加えることによって封口
体14を開口部132に圧入する。この結果、ケース1
3の開口部132は封口体14によって封止され、リー
ド端子11に必要な曲げ加工を施すことによって、図1
及び図2に示したコンデンサ1が完成する。
【0038】この際も、第2のパッキン16は、封口体
14に接着剤等で接着されているわけではないので、圧
入時に第2のパッキン16に力がかかると、第2のパッ
キン16は圧入方向に伸びて変形する。このため、ガス
透過性が低く弾性率の高い高硬度のパッキンでも、封口
体14に装着したまま容易に開口部132に圧入するこ
とができる。また、圧入後は第2のパッキン16の弾性
力と復元力によって封口体14と開口部132との間が
確実に密閉される。また、封口体14と開口部132の
寸法に若干のばらつきがあっても、第2のパッキン16
の弾力性によってばらつきが吸収されるので、密閉性の
低下は生じない。
【0039】〔1−3.作用及び効果〕以上のような本
実施形態では、第1のパッキン15を装着したリード端
子11をケース13の貫通孔131に圧入することによ
って(図9)、リード端子11と封口体14との間が密
閉される(図10)。また、第2のパッキン16を装着
した封口体14をケース13の開口部132に圧入する
ことによって(図11)、封口体14とケース13との
間も密閉される(図2)。このように、本実施形態で
は、第1のパッキン15及び第2のパッキン16によっ
てコンデンサ1全体の密閉性が確保されるので、ケース
13及び封口体14自体は金属や硬質樹脂など硬質な材
料で構成することができる。
【0040】これによって、電解コンデンサの密閉性が
向上し、電解液やガスの透過を阻止することができるの
で、特性に優れた長寿命の電解コンデンサを提供するこ
とができる。また、硬質な材料を用いた封口体14は従
来よりも薄型化できるので、その分電解コンデンサを小
型化して高さや占有面積を縮小したり、従来と同じサイ
ズで大容量化することが可能となる。さらに、ケース1
3や封口体14はゴムを用いておらず、リフロー時の高
温に耐えるので、電解コンデンサを外部の回路に接続す
る際、鉛フリーの半田を使用することができ、電解コン
デンサの実用性が向上する。
【0041】また、硬質な材料を用いた封口体14は、
圧入することによってケース13の開口部132に固定
されるので、アルミニウムの内容器などに絞り加工や加
締め構造を適用して封口体14を固定する必要がない。
このため、ケースを2重にする必要がなくなり、電解コ
ンデンサ全体を小型化することができる。また、第1及
び第2のパッキン15,16は、長尺なチューブを順次
切断することによって容易に作成できる。このため、公
知の材料送り装置、切断装置など既存の生産設備を用い
て、これらパッキン15,16を効率的かつ連続的に供
給することができる。また、このようなパッキン15,
16をリード端子11や封口体14に装着したり、パッ
キン15,16を装着したリード端子11や封口体14
を貫通孔131や開口部132に圧入する作業は容易な
操作であるため、迅速に行なうことができる。このた
め、電解コンデンサの製造を低廉化及び高速化すること
ができる。
【0042】特に、本実施形態では、各パッキン15,
16の内径は、それぞれ、これらパッキン15,16の
内側となるリード端子11の丸棒部112及び封口体1
4の外径より小さいので、装着時にはパッキン15,1
6を若干広げることになり、装着後はパッキン15,1
6の収縮力によってリード端子11及び封口体14への
密着度が高まる。また、各パッキン15,16の外径
は、それぞれ、これらパッキン15,16の外側となる
貫通孔131及びケース13の開口部132の内径より
大きいので、圧入時にはパッキン15,16を若干薄く
つぶすことになり、圧入後はパッキン15,16の復元
力によって貫通孔131及び開口部132への密着度も
高まる。このように、本実施形態によれば、リード端子
11と貫通孔131との密閉性、及び封口体14と開口
部132との密閉性が全面に亘って一層向上する。
【0043】また、本実施形態では、ケース13の貫通
孔131にテーパ部131Tを形成したことによって、
第1のパッキン15が貫通孔131の端部に引っ掛かる
ことがなく、第1のパッキン15を装着したリード端子
11を貫通孔131に容易に圧入することができるの
で、電解コンデンサの製造が効率化される。
【0044】さらに、本実施形態では、封口体14の外
周面に形成された凸部142が第2のパッキン16の内
周面に特に強く圧接するので、第2のパッキン16を装
着した封口体14をケース13の開口部132に圧入し
た際、封口体14と開口部132との密閉性が向上す
る。
【0045】加えて、本実施形態では、第1のパッキン
15及び第2のパッキン16は、リード端子11の丸棒
部112、封口体14及びケース13のいずれにも接着
剤等によって接着されていないので、特に強い力が加わ
った場合は、圧入方向に沿って移動可能である。このた
め、電解コンデンサの内部故障等によって内圧が異常に
上昇した場合には、この内圧によって第1のパッキン1
5又は第2のパッキン16が外部に押し出され、電解コ
ンデンサの密閉が開放されることによって、圧力調整を
行なう安全弁として機能する。このため、電解コンデン
サの安全性も向上する。
【0046】〔1−4.第1実施形態の変形例〕なお、
上記第1実施形態と同じ封口構造を縦型の電解コンデン
サに適用してもよい。例えば、ケースのうちリード端子
11を引き出す側面について、図12に示すケース13
Xのように取付方向を示す切り欠きKを設けるととも
に、リード端子11X,11Yの形状を図1と異なる形
状にし、この面を配線基盤などに取付けてもよい。この
ように、取付用の台座を兼ねた形状のケースを用いるこ
とによって縦型の電解コンデンサを作成することができ
るが、この場合、封口体の形状は横型でも縦型でも共通
で足りるため部品の種類が減り、電解コンデンサの製造
効率が向上し、製造コストが削減される。
【0047】また、第2のパッキン16は必ずしもケー
ス13の外部まで到達する必要はなく、図13に示すよ
うに、貫通孔131Xの途中に段差Zを設けて直径を縮
小すれば、第1のパッキン15Xの端部が段差Zの部分
に当接するので、第1のパッキン15Xが貫通孔131
X内において確実に固定される。また、封口体の外周面
には必ずしも凸部142は必要でなく、図14に示すよ
うに平坦にすれば、組立作業が円滑になり、封口体製造
用の金型も単純で済む。
【0048】〔2.第2実施形態〕第2実施形態は、請
求項1〜3,7,8に対応するもので、ケースと封口体
とを融着させることによって密閉するものである。すな
わち、第2実施形態では、図15に示すように、ケース
23と封口体24について、相互に組み合わせる際の接
触部に材料の余裕分Rを出っ張らせておき、この部分
を、矢印Hで示すように、超音波や熱風を用いた加工処
理によって融着させることによって(図16)ケース2
3と封口体24を確実に密閉する。このようにすれば、
第2のパッキンが不要となるだけでなく、電解コンデン
サ全体の機械的強度が向上する。
【0049】なお、融着するために出っ張らせておく材
料の余裕分は、ケース23と封口体24の双方に設ける
必要はなく、一方のみについて設けてもよいし、どの部
分を出っ張らせておくかも自由である。例えば、図17
に示すように、ケース23Xの開口部周囲の端面に余裕
分Rを出っ張らせておき、この部分を、単なる円盤状の
封口体24Xの外周部と融着させてもよい(図18)。
【0050】〔3.第3実施形態〕第3実施形態は、請
求項1〜4,6〜8に対応するもので、ケースの開口部
を封止する際、第1実施形態に示した第2のパッキン
と、第2実施形態に示した融着とを併用するものであ
る。すなわち、第3実施形態では、図19や図20に示
すように、封口体34(X,Y)に、開口部に圧入する
ための小径部Sと、ケース33と融着させるための大径
部Lを設け、大径部Lやこれと接触するケース33の部
分に、材料の余裕分Rを出っ張らせておく。
【0051】開口部を封止する際には、封口体34の小
径部Sに第2のパッキン16(X,Y)を装着して開口
部に圧入し、さらに、出っ張らせておいた材料の余裕分
Rを用いて、超音波や熱風を用いた加工処理を加えるこ
とによってケース33と封口体34を融着させる。この
ようにすれば、第2のパッキン16と融着の併用によっ
て極めて優れた密閉性が得られるだけでなく、電解コン
デンサ全体の機械的強度も大幅に改善される。
【0052】〔4.第4実施形態〕なお、ケースの開口
部を封口体で封止するには、第1〜第3実施形態のよう
に第2のパッキンや融着を用いる必要は必ずしもなく、
図21に示すように、封口体44の外径を開口部132
の内径と同じ寸法にして、開口部132に圧入すること
によっても十分な密閉性が得られる(請求項1)。特
に、封口体の外周面や開口部の内周面を、電解コンデン
サの内側より外側で径がわずかに拡がったテーパ形状と
すれば、ケースが割れない程度の適切な強さで封口体を
開口部に圧入することによって優れた密閉性が得られ
る。
【0053】〔5.他の実施形態〕なお、本発明は、上
記各実施形態に限定されるものではなく、次に例示する
ような他の実施形態も包含するものである。例えば、ケ
ース、封口体、コンデンサ素子、リード端子、各パッキ
ンなど各要素の具体的な寸法、構造、材質などの構成は
適宜変更可能である。具体的には、まず、第1及び第2
のパッキンを構成する可撓性材料としては、実施形態に
具体的な列挙した各材料には限定されず、封口体よりも
軟質の材料であれば他の所望の材料を用いることができ
る。同様に、ケースや封口体を構成する硬質材料として
も、実施形態に具体的に列挙した各材料には限定され
ず、第1及び第2のパッキンよりも硬質な材料であれば
他の所望の材料を用いることができる。また、第1のパ
ッキンと第2のパッキンは相互に異なる材料で構成する
ことができ、同様に、ケースと封口体も相互に異なる材
料で構成することができる。
【0054】また、封口体やケース底面に設ける貫通孔
の具体的な寸法や形状も適宜選択可能であり、例えば、
貫通孔には必ずしもテーパ部を設ける必要はない。ま
た、ケースの開口部の端部にもテーパ部を設ければ、第
2のパッキンを装着した封口体を圧入する作業が容易に
なる。
【0055】また、リード端子に装着した状態における
第1のパッキンの外径と貫通孔の内径を同一としたり、
封口体に装着した状態における第2のパッキンの外径と
ケースの開口部の内径を同一としてもよい。この場合
も、パッキンによって電解コンデンサの密閉性が維持さ
れる一方、リード端子を貫通孔に挿入する作業が容易に
なるので、電解コンデンサの製造効率が向上する。
【0056】また、本発明において電解コンデンサを製
造する際、上記実施形態に示した工程の順序は適宜変更
することができる。例えば、第1のパッキンを装着した
リード端子を封口体の貫通孔に圧入した後、封口体に第
2のパッキンを装着してもよい。また、別の工程の順序
として、まず、予め第2のパッキンを装着した封口体の
上に、リード端子に第1のパッキンを装着したコンデン
サ素子を、リード端子を上向きにして同軸に重ねて置い
ておく。そして、開口部を下に向けたケースを上から降
ろしていって、ケースの貫通孔にリード端子の先を通
し、そのままケースを押し下げることによって、リード
端子をケース底面の貫通孔に圧入すると同時に、封口体
をケースの開口部に圧入する。このようにすれば、2つ
の作業を1つの動作で同時に行なうことができるので、
電解コンデンサの製造効率が一層向上する。
【0057】
【実施例】なお、以上のような本発明の電解コンデンサ
の試作品(以下「実施例」という)について具体的な寿
命特性を確認するため、従来の電解コンデンサ(以下
「従来例」という)との対比実験を行なった。この実験
では、従来の技術で述べたような従来例を用いた。ここ
で、図22は、この実験で比較対象とした従来例におい
て、リード端子J1が引き出されている側面を示す図で
あり、図23は、同じ従来例の構造を示す概念図であ
る。
【0058】すなわち、これらの図に示すように、この
従来品は、底がある筒状の金属製内容器J3Xにコンデ
ンサ素子を収納し、この内容器J3Xは、その開口部に
ゴム製の封口体J4をはめ込んで加締密封したうえ、さ
らに円筒状の樹脂製外容器J3Yに収納したものであ
る。なお、この従来例では、図22に示すように、外容
器J3Yの側面を凸字型に出張らせてあり、この出張っ
た部分JSに沿うようにリード端子J1が曲げ加工され
ている。
【0059】一方、この実験で用いた実施例は、第1実
施形態に示した構成の電解コンデンサである。この実験
では、これらの従来例と実施例について、同じ定格16
V,10μFの電解コンデンサを用いた。但し、相互の
サイズは、構成の相違から差異があり、具体的には、実
施例のサイズは6.0mm×3.0mm×3.0mmで
あり、従来例のサイズは6.3mm×4.1mm×4.
0mmである。ここで、まず、このサイズに示すよう
に、同じ定格であるにもかかわらず、実施例の方が従来
例よりも小型化されており、具体的には体積比でわずか
52パーセントとなっている。
【0060】そして、105℃放置試験及び130℃放
置試験を、それぞれ従来例と実施例の双方に対して同じ
条件で行ない、初期値のほかに500時間、1000時
間、2000時間経過時に、(静電)容量変化率、損失
角の正接(tanδ)、重量減少率の3項目を計測し
た。なお、静電容量及び重量は減少するほど特性は悪化
し、逆に、tanδは上昇するほど特性が悪化する。こ
こで、図24(a)は105℃放置試験、図24(b)
は130℃放置試験のそれぞれ実験結果を示す図表であ
る。
【0061】すなわち、図24(a)に示す105℃放
置試験の結果をみると、従来例では、容量変化率、ta
nδ、重量減少率のどの項目でも、500時間、100
0時間と経過するにつれてかなり悪化し、特に2000
時間経過した時点では大幅に悪化している。これに対し
て、実施例では、どの項目も、どの時点においても、従
来例と比べて変化は極めて小さく、もっとも変化の大き
い容量変化率でも、従来例の半分程度の変化に収まって
いる。
【0062】また、図24(b)に示す130℃放置試
験の結果では、従来例では、どの項目も、500時間を
経過した時点で既に大幅に悪化しており、1000時間
を経過した時点では特性悪化が著しく、電解コンデンサ
自体が使用不能となったため、容量変化率とtanδは
測定不能となった。これに対して、実施例では、どの項
目も、どの時点においても急激な変化はなく、電解コン
デンサ自体も最後まで使用可能であった。実施例で最も
変化を示したのは2000時間経過した時点の重量減少
率であったが、これも105℃放置試験の2000時間
経過時点において、実施例が示した重量減少率の2倍強
程度に収まっている。
【0063】以上の実験結果から、高熱で長時間放置さ
れても、本発明による実施例は従来例と比較して特性悪
化の程度は大幅に小さく、極めて優れた寿命特性を示す
ことが確認された。また、上記の体積比に示したよう
に、本発明による実施例は従来例と比較して大幅に小型
化されている。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
硬質な封口体を用いることによって密閉性・耐熱性・製
造効率に優れた長寿命で低コストの電解コンデンサを提
供することができ、また、電解コンデンサの小型化や大
容量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電解コンデンサの側面
図。
【図2】本発明の第1実施形態の電解コンデンサの内部
構造を示す概念図。
【図3】本発明の第1実施形態において、リード端子の
構造及びリード端子に第1のパッキンを装着する状態を
示す斜視図。
【図4】本発明の第1実施形態において、リード端子に
装着された状態における第1のパッキンと、ケースの底
面に設けられた貫通孔との寸法の関係を示す図。
【図5】本発明の第1実施形態において、リード端子に
第1のパッキンを装着する状態を示す断面図。
【図6】本発明の第1実施形態において、第1のパッキ
ンを装着した状態のリード端子を示す断面図。
【図7】本発明の第1実施形態において、封口体に第2
のパッキンを装着する状態を示す断面図。
【図8】本発明の第1実施形態において、第2のパッキ
ンを装着した状態の封口体を示す断面図。
【図9】本発明の第1実施形態において、第1のパッキ
ンを装着したリード端子をケース底面の貫通孔に圧入す
る状態を示す断面図。
【図10】本発明の第1実施形態において、第1のパッ
キンを装着したリード端子がケース底面の貫通孔に圧入
された状態を示す断面図。
【図11】本発明の第1実施形態において、第2のパッ
キンを装着した封口体をケースの開口部に圧入する状態
を示す断面図。
【図12】本発明の第1実施形態の電解コンデンサの一
変形例について、リード端子が引き出されている側面を
示す図。
【図13】本発明の第1実施形態の電解コンデンサの一
変形例について、内部構造を示す概念図。
【図14】本発明の第1実施形態の電解コンデンサの一
変形例について、内部構造を示す概念図。
【図15】本発明の第2実施形態の電解コンデンサにつ
いて、ケースと封口体を融着する前の構造を示す概念
図。
【図16】本発明の第2実施形態の電解コンデンサにつ
いて、ケースと封口体を融着した後の状態を示す概念
図。
【図17】本発明の第2実施形態における電解コンデン
サの他の例について、ケースと封口体を融着する前の構
造を示す概念図。
【図18】本発明の第2実施形態における電解コンデン
サの他の例について、ケースと封口体を融着した後の状
態を示す概念図。
【図19】本発明の第3実施形態における電解コンデン
サの一例について、ケースと封口体を融着する前の構造
を示す概念図。
【図20】本発明の第3実施形態における電解コンデン
サの他の例について、ケースと封口体を融着する前の構
造を示す概念図。
【図21】本発明の第4実施形態の電解コンデンサの構
造を示す概念図。
【図22】本発明の実施例において、対比実験の比較対
象とした従来例の側面図。
【図23】本発明の実施例において、対比実験の比較対
象とした従来例の構造を示す概念図。
【図24】本発明の実施例と従来例とによる対比実験の
結果を示す図表。
【符号の説明】
1…電解コンデンサ 11,J1…リード端子 111…平板部 112…丸棒部 113…外部接続部 12…コンデンサ素子 13,23,33,J3…ケース 131…貫通孔 131T…テーパ部 132…開口部 14,24,34,44,J4…封口体 142…凸部 15…第1のパッキン 16…第2のパッキン A,C〜F,H…矢印 B…寸法 R…材料の余裕分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極引き出し用のリード端子を有するコ
    ンデンサ素子が、開口部を有するケース内に収納され、 前記ケースの底面に形成された貫通孔から前記リード端
    子が外部に引き出され、 前記リード端子はチューブ状の第1のパッキンを装着し
    て前記貫通孔に圧入され、 前記ケースの前記開口部は封口体を用いて密閉されたこ
    とを特徴とする電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記第1のパッキンの内径は前記リード
    端子のうち第1のパッキンを装着する部分の外径よりも
    小さく、 前記第1のパッキンの外径は前記リード端子に装着され
    た状態において、前記貫通孔の内径よりも大きいことを
    特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 前記貫通孔のうち前記コンデンサ素子側
    の端部に、コンデンサ素子側が拡がるテーパ部を形成し
    たことを特徴とする請求項1又は2記載の電解コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記封口体は、バンド状の第2のパッキ
    ンを装着して前記ケースの前記開口部に圧入されたこと
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の電解
    コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記第2のパッキンに接触する前記封口
    体の外周面又は前記開口部の内周面のうち少なくとも一
    方に、周回状の凸部を形成したことを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか一に記載の電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 前記第2のパッキンの内径は前記封口体
    のうち第2のパッキンを装着する部分の外径よりも小さ
    く、 前記第2のパッキンの外径は前記封口体に装着された状
    態において、前記開口部の内径よりも大きいことを特徴
    とする請求項4又は5記載の電解コンデンサ。
  7. 【請求項7】 前記ケースと前記封口体とは融着された
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載の
    電解コンデンサ。
  8. 【請求項8】 電極引き出し用のリード端子を有するコ
    ンデンサ素子が、開口部を有するケース内に収納され、
    前記ケースの底面に形成された貫通孔から前記リード端
    子が外部に引き出され、前記開口部は封口体で封止され
    た電解コンデンサの製造方法において、 前記リード端子にチューブ状の第1のパッキンを装着す
    る工程と、 前記第1のパッキンを装着した前記リード端子を、前記
    貫通孔に圧入する工程と、を含み、さらに、 前記封口体にバンド状の第2のパッキンを装着して前記
    開口部に圧入する工程、又は、前記開口部と前記封口体
    とを融着させる工程のうち少なくとも一方を含むことを
    特徴とする電解コンデンサの製造方法。
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