JP3466117B2 - 電気二重層コンデンサ及びその基本セル並びに基本セルの製造方法 - Google Patents

電気二重層コンデンサ及びその基本セル並びに基本セルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気二重層コンデ
ンサ及びその基本セル並びに基本セルの製造方法に関
し、特に、分極性電極に含まれる電解質溶液のドライア
ップ現象の防止に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層コンデンサは、一般に基本セ
ルと呼ばれる電荷蓄積作用を示す基本の構造体を単独
で、或いは電気的に直列になるように積層して、コンデ
ンサ素子とする。図7に、基本セルの断面構造の一例を
示す。図7を参照して、この図に示す基本セルは、非電
子伝導性でイオン透過性の多孔性セパレータ4と、その
セパレータ4を挟んで対置された2つの分極性電極2
と、分極性電極2の周囲を取り囲む電気絶縁性で筒状の
2つのガスケット3,3と、筒状ガスケットのセパレー
タとは反対側の開口部を塞ぐ導電性の2つの集電体1,
1とで電荷蓄積作用を発現する。この基本セルを電気二
重層コンデンサとして実用に供するには、使用目的に応
じて耐圧を高めるためにいくつかの基本セルを電気的に
直列になるように積層することや、外部との電気的接続
のためのリード端子(外部リード端子)の取出し構造或
いは、素子と外部リード端子との機械的構造を保持し保
護するための外装構造などが必要であるが、電荷蓄積作
用という点からいえば、図7に示す構造が基本である。
【0003】図7に示す基本セルは、一例として、以下
に述べるような材料と製造工程とにより得られる。先
ず、電気絶縁性ゴムのシートをリング状に打ち抜いて、
上下開放の円筒形のガスケット3を得る。次に、ガスケ
ット3の一方の開口端に、導電性ゴムのシートを打ち抜
いて作った円板状の集電体1を配置して、ガスケット3
と集電体ゴム1とをゴムの粘着性を利用して貼り合わせ
る。この工程により、円筒形ガスケットの一方の開口が
集電体1で塞がれた有底の円筒ができる。尚、集電体1
は必ずしもゴム製ではなく、導電性のプラスチックフィ
ルムでもよい。また、ガスケット3は必ずしも円筒では
なく、角筒であってもよい。
【0004】上記の工程とは別に、粉末状の活性炭と例
えば希硫酸のような電解質溶液とを混練して、ペースト
状の分極性電極を予め準備しておく。そして、上記の導
電性の集電体1で底を塞がれたガスケット3の中に、上
述のペースト状の分極性電極2を、例えばスキージーな
どを用いてガスケットの高さまで充填する。このよう
な、分極性電極2を充填された有底筒型のガスケット
を、2つ作成する。尚、電解質溶液は必ずしも上述のよ
うな水溶液系のものではなく、例えばプロピレンカーボ
ネートやγ―ブチルラクトンなどの有機溶媒にテトラエ
チルアンモニウムのホウフッ化塩や六フッ化リン酸塩を
溶質としたもののような、非水溶液系のものであっても
よい。
【0005】次いで、上記の分極性電極充填済みの2つ
のガスケットを、多孔性セパレータ4を挟んで開口面が
向き合うように対置する。多孔性セパレータ4は、非常
に微細な空孔をもつプラスチックなどのフィルムであ
り、非電子伝導性でイオン透過性を備えている。
【0006】その後、向い合せに対置した2つのガスケ
ットの上下を、強化プラスチック製の平板或いはアルミ
ニウム板などからなる剛性の高い2枚の押圧板(図示せ
ず)で挟み、押圧板の間に力を加えて上下の集電体1,
1間に均一な圧力を加えながら、加熱する。この加圧、
加熱により、集電体1とガスケット3との間及び上下の
ガスケットどうしの間が加硫、接合されて、分極性電極
2がガスケット内に封止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、電気
二重層コンデンサの基本セルはその内部に、電解質溶液
を含む分極性電極2を封止した構造になっていて、分極
性電極を構成する活性炭と電解質溶液との固・液接触界
面に電気二重層を生成させている。従って、コンデンサ
が所定の電気的特性を示し、しかもその電気的特性が経
時的にも変化しないようにするには、電解質溶液が漏出
して活性炭と電解質溶液との比率が変化したり、或いは
蒸発し抜け出して濃度が変化することがないようにしな
ければならない。すなわち、集電体1とガスケット3と
の間及びガスケットとガスケットとの間の接合部分の封
止性が高くなくてはならない。
【0008】上記各接合部分の封止性を高めるための一
つの技術が、この発明の譲受人と同一譲受人による特許
第2722021号(特開平4−302126号公報)
に開示されている。図8及び図9は、上記特許第272
2021号の図面図1及び図2を再掲して示す図である
(但し、各部の符合及び名称は、説明の都合上、省略し
又は変更して示す)。図8を参照して、この図に示す基
本セルは、その製造の途中で、セパレータ4を挟んで対
置させた分極性電極充填済みの2つのガスケットに集電
体側から圧力を加えるとき、ガスケット3,3の部分に
大きな圧力が加わるように、押圧板5と集電体1との間
に、ガスケットと同心となる枠状の加圧板6を挟んでい
る。このようにすると、ガスケット3,3の部分に十分
な圧力が加わるので、集電体1とガスケット3との間及
びガスケットどうしの間の接合が強くなり、封止性が向
上する。
【0009】上記特許第2722021号はまた、図9
に示すような、ガスケットの加硫、接合の際に、押圧板
5と集電体1との間に、ビッカース硬度60〜80度の
弾性を示すゴム板7を挟んで加圧する方法を、他の例と
して開示している。このようにしても、集電体1とガス
ケット3との間及びガスケットどうしの間の接合度を高
め、封止性を向上させることができる。
【0010】しかしながら、上述の封止性を高めた基本
セルを用いた電気二重層コンデンサにおいても未だ、完
成後のコンデンサで電気的特性が経時的に変化すること
がわかった。その電気的特性の経時変化は、高温の環境
下に置かれたり、或いは実使用時に高い電圧を加えられ
た場合に特に顕著である。以下にその説明を行なう。
【0011】前述したように、実用の電気二重層コンデ
ンサは、図7に示す基本セルを単独で、或いはいくつか
を直列に積層してコンデンサ素子とし、その素子に対し
て、外部リード端子取出しのための構造や、外装構造が
必要になる。そのような実用の電気二重層コンデンサの
構造の一例を、図10に示す。図10を参照して、この
図に示す電気二重層コンデンサは、基本セル10を6個
直列に積層したものをコンデンサ素子とする積層型の電
気二重層コンデンサであって、素子11と、その上下に
設けられた2枚の圧接板12A,12Bとが、有底円筒
形の金属製外装ケース14の中に収納されている。素子
11の外装ケースの開口側には、リード端子が切り起こ
された端子板13Bが圧接板12Bに面で接触するよう
に設けられ、更に、同様にリード端子が切り起こされた
別の端子板13Aが重ねられている。2枚のリード端子
板13A,13Bどうしは、プラスチック製の絶縁ケー
ス15を挟んで互いに絶縁されている。外装ケース14
の開口部の縁は内側にかしめられて、リード端子板13
Aの平板部分に押し付けられている。結局、この図に示
す電気二重層コンデンサにおいては、素子11の上下両
端面に位置する2つの集電体(図示なし)のうち紙面上
側の集電体は、圧接板12Aから外装ケース14の底
面、側面、かしめ部分を介して、端子板13Aに接続
し、一方、紙面下側の集電体は圧接板12Bを介して、
端子板13Bに接続していることになる。
【0012】ここで、このコンデンサの製造の過程で外
装ケース14の開口部の縁をかしめるときは、圧接板1
2A、コンデンサ素子11、圧接板12B、端子板13
B、絶縁ケース15、端子板13Aをこの順に重ねたも
のを外装ケース内に挿入した後、図示しない治工具で端
子板13Aの平板部分に力を加え、外装ケース14の底
面と協働して素子11に圧力を加える。そしてその加圧
状態のままで、外装ケース14の開口端をかしめ、端子
板13Aに押し付ける。その結果、製造の過程で上述の
治工具によって素子11に加えられていた圧力は、完成
後も、外装ケースの底面とかしめ部分とで保持されるこ
とになる。このようにして素子に圧力をかけた状態にし
ておくことで、積層した素子11における基本セルと基
本セルの間の接触抵抗や、素子11と圧接板12A,1
2Bとの間或いは圧接板と端子板13A,13Bとの間
の接触抵抗を低くすることができる。尚、以上の説明
は、積層型の電気二重層コンデンサを例にして説明した
が、単独の基本セルでコンデンサ素子としたコンデンサ
であっても、同じことが言える。
【0013】ところで、上述の特許第2722021号
に係る電気二重層コンデンサにおいては、基本セルの製
造過程で、図8或いは図9に示す方法を用いて、ガスケ
ットの部分に大きな圧力が加わるようにする。従って、
完成した基本セルでは、ガスケット3の集電体側の面が
内部の分極性電極2の面より低くなっているか、或い
は、せいぜい同じ高さになっている。そのため、図10
に示すように素子11を外装ケース14に収納してかし
め部分から圧力を加えても、各基本セルでは、ガスケッ
ト3には圧力がかかり難くなっている。その結果、実使
用時に高い電圧が加えられることに伴って生じる電解質
溶液の電気分解による水素ガスの発生や、高温の環境下
に置かれたときの電解質溶液の気化などで基本セル内の
圧力が高まると、集電体1とガスケット3との間(図7
参照)、或いはガスケットとガスケットとの間(同)の
接合度が低下して、それらの界面から気化ガスや水素ガ
スが抜け出して行き、はなはだしいときは電解質溶液そ
のものが漏れ出して行くなどの所謂ドライアップが起
り、コンデンサの電気的特性が系時的に変化してしまう
のである。
【0014】従って、本発明は、基本セルを単独で或い
は積層してなるコンデンサ素子に圧力を加え、保持せし
める構造の電気二重層コンデンサにおいて、電気的特性
の経時的な安定性を向上させることを目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の電気二重層コン
デンサの基本セルは、非電子伝導性でイオン透過性の多
孔性セパレータと、筒状で前記多孔性セパレータを挟ん
で積み重ねられた電気絶縁性の二つのガスケットと、各
々の筒状ガスケットの内部に収納された、電解質溶液を
含む分極性電極と、各々の筒状ガスケットの前記セパレ
ータとは反対側の開口を閉塞する蓋状の集電体とを含ん
でなる電気二重層コンデンサの基本セルにおいて、各々
の分極性電極の前記多孔性セパレータからの高さを各々
のガスケットの高さより低くしたことを特徴とする。
【0016】上記の基本セルは、電気絶縁性で上下開放
の筒状ガスケットの一方の底部を導電性の集電体で閉塞
する第1の工程と、前記第1の工程終了後の集電体とガ
スケットとからなる有底の筒の内部に、粉末活性炭と電
解質溶液とを予め混練して得たペースト状の分極性電極
を充填する第2の工程と、前記第2の工程終了後の、内
部に分極性電極を充填された二つの有底筒状のガスケッ
トを、向い合せにした互いの開口端の間に非電子伝導性
でイオン透過性の多孔性セパレータを挟んで対置させ、
二つの集電体間に圧力を加えつつ加熱することで一体化
させる第3の工程とを備える電気二重層コンデンサの基
本セルの製造方法において、前記第2の工程では、前記
分極性電極を前記ガスケットの高さより低く充填するこ
とを特徴とする製造方法によって製造される。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。図1(a)は、本発明の
一実施の形態に係る基本セルの、でき上がり状態の断面
を示す図である。また、図1(b)は、基本セルの、製
造途中における断面を示す図である。図1(a)を参照
して、本実施の形態に係る基本セルは、図7〜9に示す
従来の基本セルと比べた場合、ガスケット3の高さの方
が分極性電極2の高さより高くなっている点が異なって
いる。なお、各部品(セパレータ4、分極性電極2、ガ
スケット3、集電体1)の材料及び製造方法は、従来と
同じである。また、上記各部品を用いて基本セルを製造
するときの方法も、後に述べる点を除いて、同じであ
る。
【0018】基本セルを図1(a)に示すような構造に
すると、この基本セルをコンデンサ素子として外装ケー
ス14にケーシングした場合(図10参照)、ケースの
底面と開口側のかしめ部とで素子11に加えられる圧力
は、ガスケット3の部分に加わる。従って、ケーシング
後に高温環境下に置かれたり、或いは電気二重層コンデ
ンサとしての実使用時に高い電圧を印加されたりして基
本セル内の圧力が高まった場合でも、集電体1とガスケ
ット3との間或いはガスケットとガスケットとの間の接
合度は低下することがなく、封止性が低下することはな
い。すなわち、電気二重層コンデンサとしての電気的特
性の経時的な安定性が、従来の電気二重層コンデンサに
おけるより向上する。
【0019】本発明者らは、上記の作用効果を確かめる
ため、以下に述べる方法で電気二重層コンデンサを作成
し、電気的特性の経時変化の大きさを調査した。図1
(b)を参照して、先ず、厚さ0.1mmの絶縁性のブ
チルゴムシートを円筒形に打ち抜いてガスケット3を得
る。ガスケットの内径は30mmφ、外径は40mmφ
である。一方、同じブチルゴムにカーボンを分散させて
導電性を付与した導電性のブチルゴムシートを直径40
mmφに打ち抜いて、円板状の集電体1を作成する。集
電体の厚さは、0.1mmである。その後、集電体1と
ガスケット3とを同心になるように配置し、ゴムの粘着
性を利用して貼り合せる。これにより、一方の開口が集
電体1で塞がれた有底筒状のガスケットが得られる。
【0020】次に、予め希硫酸と粉末状の活性炭とを混
練して得ておいたペースト状の活性炭電極を、上記の集
電体1とガスケット3とからなる有底の筒の中に充填す
る。このとき、図1(b)に示すように、ガスケット内
の活性炭電極2の高さが、ガスケット2の高さより低く
なるようにする。この点が、従来の基本セルの製造方法
と異なる点である。本実施の形態では、上記の活性炭電
極の高さ対ガスケットの高さの比を変えた何種類かの基
本セル(後述する)を作成した。
【0021】次いで、上記の活性炭電極充填済みのガス
ケットを2つ準備し、多孔性セパレータ4を挟んで同心
状に向い合せて対置させ、ゴムの粘着性で貼り合せる。
セパレータ4は、厚さ0.05mmのポリプロピレンシ
ートから得た、直径33mmφの円板状のものである。
【0022】その後、セパレータを挟んで貼り合せた上
下2つのガスケット3,3を、弾性のあるゴム板7とそ
の上の強化プラスチック製押圧板5で上下から挟み、押
圧板5,5の間に7kg/cm2 の圧力を加える。この
ようにすると、ゴム板7の弾性でペースト状の分極性電
極2がセパレータ4側に沈み込み、図1(a)に示すよ
うに、分極性電極2のセパレータからの高さのほうがガ
スケット3の高さより低くなる。その後、上記の状態で
圧力をかけたまま、温度125℃、5時間の加熱を行な
うことにより、集電体1とガスケットとの間及びガスケ
ットとガスケットとの間を加硫、接合して、図1(a)
に示す基本セルを得た。ゴム板7としては、ビッカース
硬度で60〜80度の範囲のものが適当であった。ゴム
材には、ブチルゴム、シリコンゴム或いは弗素ゴムなど
を用いることができる。
【0023】更に、上述のようにして得た基本セルを単
独でコンデンサ素子とし、図10に示す構造で素子11
に50kg/cm2 の圧力が加わるようにケーシングし
て、本実施の形態に係る電気二重層コンデンサを完成さ
せた。
【0024】本実施の形態では、図1(a)に示すよう
な、分極性電極2の方がガスケット3より低い構造で、
分極性電極2の多孔性セパレータ1よりの高さ(以後、
電極高さhD と記す)対ガスケット3の高さ(同、ガス
ケット高さhG と記す)の比が異なる4種類の電気二重
層コンデンサ(実施例1〜4。表1参照)を作成し、高
温負荷試験を施して、時間の経過に伴う静電容量C及び
等価直列抵抗ESRの変化の大きさを調査した。また、
比較のために、図8に示す従来の製造方法により、分極
性電極の方がガスケットより高い構造で、電極高さ対ガ
スケット高さの比(hD /hG )が異なる2種類の電気
二重層コンデンサ(比較例1〜2。同)を作成し、実施
例と共に高温負荷試験に供した。なお、高温負荷試験
は、基本セルに対する印加電圧=0.8V、温度=85
℃の条件で、500時間まで行なった。
【0025】
【表1】
【0026】図2に、実施例4と比較例1,2におけ
る、試験時間と等価直列抵抗の変化の関係を示す。ま
た、図3に、試験時間と静電容量の変化の関係を示す。
なお、図2、図3において、縦軸はそれぞれ下記のよう
に定義した値を表す。 図2の場合 試験後の等価直列抵抗値ESRt /等価直列抵抗の初期
値ESR0 図3の場合 試験後の静電容量値Ct /静電容量の初期値C0 図2を参照すると、コンデンサの等価直列抵抗ESR
は、いずれの試料の場合でも、時間の経過と共に大きく
なる傾向を示す。この傾向は電気二重層コンデンサに一
般に見られる現象であるが、ESRの増大量は、電極高
さ対ガスケット高さの比が大きいほど大きい。特に、h
D /hG =1.2(比較例2)になると、500時間経
過後のESRの増大が顕著になる。一方、図3を参照す
ると、静電容量Cは、いずれの試料でも時間の経過と共
に小さくなる傾向を示す。この傾向も電気二重層コンデ
ンサに一般に見られる現象であるが、Cの減少量は電極
高さ対ガスケット高さの比が大きいほど大きくなる。特
に、hD /hG =1.2(比較例2)になると、既に2
50時間経過した辺りからCの減少が顕著になる。以上
のことから、電極高さ対ガスケット高さの比が小さい方
が、電気二重層コンデンサの電気的特性の経時安定性は
高いといえる。
【0027】次に、図4に、電極高さ対ガスケット高さ
の比と高温負荷試験500時間後の等価直列抵抗の変化
の関係を示す。また、図5に、電極高さ対ガスケット高
さの比と高温負荷試験500時間後の静電容量の変化の
関係を示す。なお、図4及び図5において縦軸はそれぞ
れ、下記の式で定義した値を示す。 図4の場合 500h後の等価直列抵抗値ESR500 /等価直列抵抗
の初期値ESR0 図3の場合 500h後の静電容量値C500 /静電容量の初期値C0 図4を参照すると、500時間経過後の等価直列抵抗
は、hD /hG =0.6〜0.9迄はほぼ一定である
が、hD /hG =0.9を越えると、hD /hG の増大
に伴って大きくなる傾向を示す。一方、図5を参照する
と、500時間経過後の静電容量は、hD /hG =0.
6〜0.8迄はほぼ一定であるが、これを越えるとhD
/hG の増大に伴って小さくなる傾向を示す。特に、h
D /hG =0.9を越えてからの変化は著しい。
【0028】これまで述べた、図2〜5に示す高温負荷
試験の結果から、電気二重層コンデンサの電気的特性の
経時安定性は、基本セルの電極高さ対ガスケット高さの
比が小さい方が高い傾向を示すといえる。すなわち、従
来の、電極高さ対ガスケット高さの比≧1.0である電
気二重層コンデンサより、電極高さ対ガスケット高さの
比<1.0である本発明の電気二重層コンデンサの方
が、電気的特性の経時安定性に優れているといえる。特
に、hD /hG =0.6〜0.9の範囲では、電気的特
性の経時変化はゼロであるといって過言でない。
【0029】次に、図6に、等価直列抵抗の初期値と電
極高さ対ガスケット高さの比の関係を示す。図6を参照
すると、等価直列抵抗の初期値は、電極高さ対ガスケッ
ト高さの比が小さい領域では、比の値が小さくなるに従
って大きくなる傾向を示し、hD /hG =1.2〜0.
8迄はほぼ一定の値であるのに対し、hD /hG が0.
8より小さくなると急激に大きくなる。
【0030】以上のことから、電気的特性の経時安定性
の向上と、初期特性とくに等価直列抵抗の悪化とを勘案
して、電極高さ対ガスケット高さの比は0.8以上1.
0未満にするのが好ましいといえる。
【0031】なお、本発明において、基本セルを構成す
る各部材は実施例のものに限られるものではない。例え
ば、集電体1及びガスケット3はブチルゴムに限られ
ず、エチレンプロピレンジエンゴムなどの他のゴム類、
或いはポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチ
ック類などを用いることができる。また、分極性電極2
は、粉末状活性炭と電解質溶液とを混練してペースト状
にしたものの他にも、粉末状活性炭と樹脂とを混練して
シート状に形成したものに電解質溶液を含浸させたも
の、或いは繊維状活性炭と樹脂とを混練してシート状に
形成した後、同様に電解質溶液を含浸させたものなどが
使用できる。電解質溶液も、水溶液系のものではなく、
例えばプロピレンカーボネートやγ―ブチルラクトンな
どの有機溶媒にテトラエチルアンモニウムのホウフッ化
塩や六フッ化リン酸塩を溶質としたもののような、非水
溶液系の電解質溶液を用いてもよい。水溶液系の電解質
を用いた場合には、非水溶液系の電解質溶液を用いる場
合に比べ、等価直列抵抗を小さくできる。セパレータに
は、ポリプロピレン、ポリエチレン或いはガラス繊維な
どを素材としたシート状のものを用いることができる。
上述の各材料は、電気二重層コンデンサの製造に従来用
いられているものであって、何ら特別のものではない。
【0032】なお又、図10に示すケースに収納された
電気二重層コンデンサににおいて、コンデンサ素子11
と端子板13A,13Bとの間に設けた圧接板12A,
12Bは、素子に均一に圧力が加わるようにするための
ものであるので、端子板13A,13Bの剛性が高けれ
ば、特に必要なものではない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、電気二
重層コンデンサの基本セルにおいて、分極性電極の多孔
性セパレータからの高さをガスケットの高さより低くし
て、両端面の集電体の間に均一な圧力を加えたとき、ガ
スケット部分に圧力が加わるようにしている。
【0034】これにより、本発明によれば、基本セルを
単独で或いは積層してコンデンサ素子とし、素子両端の
集電体の間に圧力を加える構造に外装ケースに収納した
とき、各基本セルにあっては、ガスケット部分に外装ケ
ースからの圧力が常時加わっているようにできるので、
集電体とガスケットとの間及びガスケットとガスケット
との間の封止性を向上させ、コンデンサとしての電気的
特性の経時安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分図(a)は、本発明に係る電気二重層コンデ
ンサの基本セルの、完成後の断面を示す図である。分図
(b)は、製造途中の断面を示す図である。
【図2】電気二重層コンデンサを高温負荷試験に供した
ときの等価直列抵抗の経時変化の様子を、本発明に係る
電気二重層コンデンサと従来の技術による電気二重層コ
ンデンサとで比較して示す図である。
【図3】電気二重層コンデンサを高温負荷試験に供した
ときの静電容量の経時変化の様子を、本発明に係る電気
二重層コンデンサと従来の技術による電気二重層コンデ
ンサとで比較して示す図である。
【図4】電気二重層コンデンサを高温負荷試験に供した
後の等価直列抵抗の変化の大きさと、分極性電極高さ対
ガスケット高さの関係を示す図である。
【図5】電気二重層コンデンサを高温負荷試験に供した
後の静電容量の変化の大きさと、分極性電極高さ対ガス
ケット高さの関係を示す図である。
【図6】電気二重層コンデンサの等価直列抵抗の初期値
と、分極性電極高さ対ガスケット高さの関係を示す図で
ある。
【図7】電気二重層コンデンサの基本セルの一例の構造
を示す図である。
【図8】従来の技術による基本セルの製造方法を説明す
るための図である。
【図9】従来の技術による基本セルの製造方法の他の例
を説明するための図である。
【図10】電気二重層コンデンサのケーシング構造を示
す図である。
【符号の説明】
1 集電体 2 分極性電極 3 ガスケット 4 セパレータ 5 押圧板 6 加圧板 7 ゴム板 10 基本セル 11 コンデンサ素子 12A,12B 圧接板 13A,13B 端子板 14 外装ケース 15 絶縁ケース
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−21273(JP,A) 特開 平4−302126(JP,A) 特開 平3−142810(JP,A) 特開 平3−283520(JP,A) 実開 平5−46027(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/058 H01G 9/016 H01G 9/10 H01G 13/00 381

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非電子伝導性でイオン透過性の多孔性セパ
    レータと、前記多孔性セパレータを挟んで積み重ねられ
    た電気絶縁性で上下開放の二つの筒状ガスケットと、各
    々の筒状ガスケットの内部に収納された、電解質溶液を
    含む分極性電極と、前記各々の筒状ガスケットの前記セ
    パレータとは反対側の開口を閉塞する蓋状で導電性の集
    電体とを含んでなる電気二重層コンデンサの基本セルに
    おいて、前記分極性電極の前記多孔性セパレータからの
    高さ対前記ガスケットの高さの比が0.8以上1.0未
    満であり、前記分極性電極における前記多孔性セパレー
    タから前記集電体までの高さが前記ガスケットにおける
    高さより低いことを特徴とする電気二重層コンデンサの
    基本セル。
  2. 【請求項2】前記分極性電極が、活性炭粉末と電解質溶
    液とを混練したペースト状のものであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の電気二重層コンデンサの基本セ
    ル。
  3. 【請求項3】前記電解質溶液が水溶性のものであること
    を特徴とする、請求項2に記載の電気二重層コンデンサ
    の基本セル。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の基本セル
    が単独で又は複数が電気的に直列になるように積層され
    てなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子の両端の
    集電体に面で接する高剛性の二つの電極板と、前記電極
    板を備えるコンデンサ素子をその一方の電極板が底部に
    密着するように収納する有底筒状の金属製ケースとを含
    んでなり、前記金属製ケースの開口側の縁を内向きにか
    しめて前記コンデンサ素子の他方の電極板に圧接させる
    ことにより、前記コンデンサ素子に前記二つの電極板を
    介して所定の圧力を加え保持せしめる構造の電気二重層
    コンデンサ。
  5. 【請求項5】前記筒状ガスケットの一方の底部を前記集
    電体で閉塞する第1の工程と、前記第1の工程終了後の
    集電体とガスケットとからなる有底の筒の内部に、前記
    ペースト状の分極性電極を充填する第2の工程と、前記
    第2の工程終了後の、内部に前記分極性電極を充填され
    た二つの有底筒状のガスケットを向い合せにし、互いの
    開口端の間に前記多孔性セパレータを挟んで対置させ、
    二つの集電体間に圧力を加えつつ加熱することで前記分
    極性電極と前記ガスケット及び前記ガスケットどうしを
    接合させる第3の工程とを備える電気二重層コンデンサ
    の基本セルの製造方法において、前記第2の工程では、
    前記分極性電極を前記ガスケットの高さより低く充填す
    ることを特徴とする請求項3に記載の電気二重層コンデ
    ンサの基本セルの製造方法。
  6. 【請求項6】前記第3の工程では、前記分極性電極が充
    填され多孔性セパレータを介して対置された二つの有底
    の筒に、各々の集電体に面で接するように配置した弾性
    体及び前記弾性体に面で接するように配置した高剛性の
    部材を介して圧力を加えることを特徴とする、請求項5
    に記載の電気二重層コンデンサの基本セルの製造方法。
  7. 【請求項7】前記弾性体として、ブチルゴム、シリコン
    ゴム、弗素ゴムのいずれか一つを材料とし、ビッカース
    硬度60度以上80度以下の弾性を有する板体を用いる
    ことを特徴とする、請求項6に記載の電気二重コンデン
    サの基本セルの製造方法。
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