JPH11186085A - コイルの巻線方法および巻線装置 - Google Patents

コイルの巻線方法および巻線装置

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JPH11186085A
JPH11186085A JP9354568A JP35456897A JPH11186085A JP H11186085 A JPH11186085 A JP H11186085A JP 9354568 A JP9354568 A JP 9354568A JP 35456897 A JP35456897 A JP 35456897A JP H11186085 A JPH11186085 A JP H11186085A
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wire
winding
turns
peeling
predetermined
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JP9354568A
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English (en)
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Hiroyuki Taguchi
広之 田口
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Nittoku Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nittoku Engineering Co Ltd
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  • Coil Winding Methods And Apparatuses (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 線材の剥離位置および切断位置を常に適切に
決定し得るコイルの巻線方法および巻線装置を提供す
る。 【解決手段】 巻治具5、6の間の巻芯の回りに平角線
1を巻回してコイルを形成するコイルの巻線方法および
巻線装置において、巻線が所定のnターンまで進行した
ら、nターン目とn+1ターン目の巻線に要した線材長
さの差Dを、検出装置4により検出し、この差Dに基づ
いて、平角線1に剥離作業をなすべき剥離位置と、平角
線1を切断すべき切断位置を演算して決定し、平角線1
の剥離位置が剥離装置3と相対する位置に繰り出されて
来たときに平角線1を剥離作業をするとともに、巻線終
了後に、切断位置において平角線1をカッタ装置8によ
り切断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルの巻線方法
および巻線装置に関し、特に、線材の剥離位置および切
断位置を常に適切なものとできる改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ボビンレスコイルの巻線方法
として、線材(例えば平角線)を巻芯の回りに複数ター
ン重ねて巻き回すとともに、この巻終わり端部に当たる
線材部分の絶縁被膜を剥離させて電気的接続部を形成す
る方法が知られている。
【0003】この場合、線材をあらかじめ剥離位置にお
いて剥離しておいて、巻芯に巻き回すのが効率的であ
る。そこで、従来は、あらかじめ行われた試し巻きに基
づいて剥離位置を決定するか、またはコイルの1ターン
当たりのおおよその線材長さに基づく演算により剥離位
置を決定するかして、この剥離位置において剥離作業を
行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の巻線方法では、剥離位置を必ずしも正しい位
置に決定することができない。すなわち、コイルの巻き
終わり端部は、線材の厚みのばらつきや、線材にかけら
れるテンションによるコイル外形の変化により、必ずし
も一定せず、試し巻きや演算により決定した剥離位置が
適切な位置とならないことがある。
【0005】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、線材の剥離位置を常に適切に決定し得る
コイルの巻線方法および巻線装置を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、巻芯の
回りに線材を多層に巻回してコイルを形成するととも
に、このコイルの巻終わり端側の線材の剥離位置におい
て線材の絶縁被膜を剥離するコイルの巻線方法におい
て、前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ター
ンに要した線材長さを検出し、これらの線材長さ相互の
関係に基づいて前記線材の剥離位置を決定する。
【0007】第2の発明では、第1の発明において、前
記線材長さの検出は前記線材の巻回の異なる所定の2タ
ーンについて行われるとともに、この所定の2ターンに
要した線材長さの差を検出し、前記剥離位置の決定はこ
の所定の2ターンに要した線材長さの差に基づいて行わ
れる。
【0008】第3の発明では、第2の発明において、前
記線材の巻回の異なる所定の2ターンは、連続する2タ
ーンである。
【0009】第4の発明では、第1〜第3の発明におい
て、前記線材の剥離は、前記線材の剥離位置が所定の場
所に配置された剥離装置に相対する位置に繰り出されて
来たところで、この剥離装置により行われる。
【0010】第5の発明では、第4の発明において、前
記異なる所定の複数ターンに要した線材長さの検出は、
この検出後に剥離位置が前記剥離装置に相対する位置に
来る範囲で、この検出以降の巻線の巻終わりまでのター
ン数が最小となるように定められる。
【0011】第6の発明では、巻芯の回りに線材を多層
に巻回してコイルを形成するとともに、所定の切断位置
において線材を切断してコイルの巻終わり端を形成する
コイルの巻線方法において、前記線材の巻回の異なる所
定の複数ターンの各ターンに要した線材長さを検出し、
これらの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の切断
位置を決定する。
【0012】第7の発明では、第6の発明において、前
記線材長さの検出は前記線材の巻回の異なる所定の2タ
ーンについて行われるとともに、この所定の2ターンに
要した線材長さの差を検出し、前記切断位置の決定はこ
の所定の2ターンに要した線材長さの差に基づいて行わ
れる。
【0013】第8の発明では、前記線材の巻回の異なる
所定の2ターンは、連続する2ターンである。
【0014】第9の発明では、線材が多層に巻回される
巻芯と、この巻芯への線材の巻回により形成されるコイ
ルの巻終わり端側の線材の剥離位置において線材の絶縁
被膜を剥離する剥離手段とを備えた巻線装置において、
前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ターンに
要した線材長さを検出する検出手段と、これらの線材長
さ相互の関係に基づいて前記線材の剥離位置を演算する
演算手段とを備えた。
【0015】第10の発明では、第9の発明において、
前記検出手段は線材の巻回の異なる所定の2ターンに要
した線材長さの差を検出し、前記演算手段はこの線材長
さの差に基づいて線材の剥離位置を決定する。
【0016】第11の発明では、第10の発明におい
て、前記線材の巻回の異なる所定の2ターンは、連続す
る2ターンである。
【0017】第12の発明では、第9〜第11の発明に
おいて、前記剥離手段は所定の場所に配置された剥離装
置であり、線材の剥離は前記線材の剥離位置がこの剥離
装置に相対する位置に繰り出されて来たところで行われ
る。
【0018】第13の発明では、第12の発明におい
て、前記異なる所定の複数ターンに要した線材長さの検
出は、この検出後に剥離位置が前記剥離装置に相対する
位置に来る範囲で、この検出以降の巻線の巻終わりまで
のターン数が最小となるように定められる。
【0019】第14の発明では、線材が多層に巻回され
る巻芯と、所定の切断位置において線材を切断してコイ
ルの巻終わり端を形成する切断手段とを備えた巻線装置
において、前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの
各ターンに要した線材長さを検出する検出手段と、これ
らの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の切断位置
を演算する演算手段とを備えた。
【0020】第15の発明では、第14の発明におい
て、前記検出手段は線材の巻回の異なる所定の2ターン
に要した線材長さの差を検出し、前記演算手段はこの線
材長さの差に基づいて線材の切断位置を決定する。
【0021】第16の発明では、第15の発明におい
て、前記線材の巻回の異なる所定の2ターンは、連続す
る2ターンである。
【0022】
【発明の作用および効果】第1の発明の巻線方法および
第9の発明の巻線装置では、線材の巻回の異なる所定の
複数ターンに要した線材長さが実測されるが、その後の
巻線に要する線材の長さは、この異なる所定の複数ター
ンに要した線材長さの相互の関係から、巻回の巻数が増
加するごとに各ターンに要する線材長さが増加する割合
を求めることで、演算できる。したがって、これを利用
すれば、剥離位置となるべき線材の位置を演算により求
めることができる。この場合、異なる所定の複数ターン
に要した線材長さの検出は、個々のコイルの巻線の途中
に行われるので、剥離位置はコイルごとに適切に設定さ
れる。また、その後の巻線において、線材の厚みのばら
つきや、線材にかかるテンションの変化により、剥離位
置に誤差が生じる可能性も少ない。
【0023】また、第2の発明の巻線方法および第10
の発明の巻線装置では、線材の巻回の異なる所定の2タ
ーンに要した線材長さの差が実測されるが、その後の巻
線に要する線材の長さは、この異なる所定の2ターンに
要した線材長さの差から演算できるので、これを利用す
れば、剥離位置となるべき線材の位置を演算により求め
ることができる。この場合、異なる所定の2ターンに要
した線材長さの差の検出は、個々のコイルの巻線の途中
に行われるので、剥離位置はコイルごとに適切に設定さ
れる。また、その後の巻線において、線材の厚みのばら
つきや、線材にかかるテンションの変化により、剥離位
置に誤差が生じる可能性も少ない。
【0024】また、第3の発明の巻線方法および第11
の発明の巻線装置では、異なる所定の2ターンは連続す
る2ターンであるので、連続する2ターンに要する線材
長さの差の実測後の巻線においては、各ターンの巻線に
要する線材の長さは、ターン数がひとつ増えるごとに、
この連続する2ターンに要する線材長さの差づつ増えて
行き、これを利用すれば、剥離位置の演算は容易とな
る。
【0025】また、第4、第5の発明の巻線方法および
第12、第13の巻線装置では、異なる所定の2ターン
に要した線材長さの差の実測は、その後の剥離装置によ
る剥離作業が可能な範囲で、十分に巻線が進んだところ
でなされるので、その後の巻線において、線材の厚みの
ばらつきや、線材にかかるテンションの変化により、剥
離位置に誤差が生じる可能性を最小限とすることができ
る。
【0026】第6の発明の巻線方法および第14の発明
の巻線装置では、線材の巻回の異なる所定の複数ターン
に要した線材長さが実測されるが、その後の巻線に要す
る線材の長さは、この異なる所定の複数ターンに要した
線材長さの相互の関係から、巻回の巻数が増加するごと
に各ターンに要する線材長さが増加する割合を求めるこ
とで、演算できる。したがって、これを利用すれば、切
断位置となるべき線材の位置を演算により求めることが
できる。この場合、異なる所定の複数ターンに要した線
材長さの検出は、個々のコイルの巻線の途中に行われる
ので、切断位置はコイルごとに適切に設定される。ま
た、その後の巻線において、線材の厚みのばらつきや、
線材にかかるテンションの変化により、切断位置に誤差
が生じる可能性も少ない。
【0027】また、第7、第8の発明の巻線方法および
第15、第16の発明の巻線装置では、線材の巻回の異
なる所定の2ターン(第8、第16の発明では連続する
2ターン)に要した線材長さの差を実測し、この差に基
づいて切断位置、すなわちコイルの巻終わり端の位置が
決定される。したがって、切断位置の決定は、個々のコ
イルごとに適切になされるとともに、決定後の巻線作業
において、線材の厚みのばらつきや、線材にかかるテン
ションの変化によって誤差が生じることもなく、正確に
行い得る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0029】図1には、本発明の巻線装置の一実施形態
を示す。
【0030】図示されるように、図示されない線材源か
ら繰り出された線材である平角線1は、テンション装置
2において所定のテンションが与えられた後、剥離装置
3および検出装置4を経て、同軸上に配置された一対の
巻き治具5、6の間に導かれる。これらの巻治具5、6
の間には、平角線1が複数層に巻回される巻芯が同軸上
に構成され、図示されない駆動装置により巻治具5、6
が同期的に軸回りの回転をすると、この回転とともに平
角線1が巻芯に巻き付けられて行くようになっている。
【0031】テンション装置2は、平角線1に所定のテ
ンションを与えるブレーキドラム2Aと、固定部材7に
固定された回動支点2Cを中心に傾斜可能なテンション
アーム2Bとを備えている。また、テンションアーム2
Bと、固定部材7に形成されたボス部2Eとの間にはテ
ンションスプリング2Fが架け渡されている。平角線1
は、ブレーキドラム2Aにおいて所定のテンションが付
与された後、テンションアーム2B先端の吊り部2Dか
ら巻治具5、6側に繰り出される。そして、平角線1の
テンションは、テンションスプリング2Fのバネ力によ
り、テンションアーム2Bの傾斜角度に応じて調整され
るようになっている。
【0032】剥離装置3は、平角線1の上方に配置され
るローラヤスリ3Aと、このローラヤスリ3Aを回転駆
動するモータ3Bと、平角線1の下方に配置される線材
固定用ローラ3Cと、この線材固定用ローラ3Cを上下
に昇降するアクチュエータ3Dとから構成される。この
ような構成により、繰り出された平角線1の剥離位置
が、ちょうど剥離装置3のローラヤスリ3Aと線材固定
用ローラ3Cの間に来ると、アクチュエータ3Dの駆動
により線材固定用ローラ3Cを上昇させ、ローラヤスリ
3Aと線材固定用ローラ3Cの間に平角線1を挟み込む
とともに、モータ3Bの駆動によりローラヤスリ3Aを
回転させ、平角線1の上面の絶縁被膜を削り取るように
なっている。
【0033】検出装置4は、平角線1がかけ回されたプ
ーリ4Aと、このプーリ4Aの回転を検出するエンコー
ダ4Bから構成される。これにより、平角線1が巻治具
5、6の間の巻芯に巻き込まれて行くと、この巻回長さ
は、プーリ4Aの回転を介してエンコーダ4Bにより検
出されるようになっている。
【0034】巻治具5、6の側方には、カッタ装置8が
設けられている。巻線終了後の平角線1は、このカッタ
装置8により所定の切断位置で切断され、コイルの巻終
わり端部が形成される。
【0035】つぎに、例えば図1の巻線装置を用いて実
行される本発明の巻線方法について説明する。
【0036】巻線においては、線材源から繰り出された
平角線1を、テンション装置2を介して巻治具5、6の
間の巻芯に導き、巻治具5、6の1回転とともに巻芯の
回りに巻き付けていく。
【0037】この巻数が、所定の巻数(nターン)に達
すると、続く2ターン(nターンとn+1ターン)のそ
れぞれにおける平角線1の繰り出し長さ、すなわちnタ
ーン目とn+1ターン目の巻線のそれぞれに要した長さ
が、検出装置4により検出される。なお、この所定の巻
数(nターン)は、コイルの総巻数Nから設定されたも
ので、特に限定されるものではないが、例えば、後述す
るように剥離装置3による剥離作業を行い得るような値
であるとともに、このnターン目以降の総巻数Nに至る
巻線において、巻線される平角線1の厚みや平角線1に
かかるテンション等がほぼ変わらない程度に総巻数Nに
近いものであるようにするとよい。
【0038】続いて、この2ターンにおける線材繰り出
し長さの差Dが演算される。この繰り出し長さの差D
は、nターン目の平角線1の厚みの分、n+1ターン目
の巻回がnターン目よりも余計に要した平角線1の長さ
であるが、これは、ターン数に関係なく連続する2ター
ンにおいて一定のものである。
【0039】これを四角形断面のボビンの回りに平角線
1が巻回される場合を例にとって、具体的に説明する。
図2に巻芯と直交する断面で示すように、平角線1は巻
芯の回りに複数層に重なって巻き上げられて行く。この
場合、nターン目の巻線と、これに続くn+1ターン目
の巻線のそれぞれに要した平角線1の長さの差Dは、図
からも明らかなように、n+1ターン目の四角形の隅の
部分の長さdの4隅分の長さ4dとなる。そして、この
4隅分の長さ4dは、n+1ターン目に要した平角線1
の長さと、n+1ターン目に引き続くn+2ターン目に
要した平角線1の長さの差でもある。このように、連続
する2ターンの線材繰り出し長さの差D=4dは、ター
ン数に関係なく同じ値となる。
【0040】この場合、前述したように、n+2ターン
目以降から巻終わりのNターンまでは巻数は十分小さな
値としておけば、この繰り出し長さの差Dが、平角線1
の厚みの変化や、平角線1にかかるテンションの変化の
影響などで変わってしまうことはない。
【0041】なお、この連続する2ターンの繰り出し長
さの差Dは、ひとつ前の層の平角線1の厚み分だけ、次
の層の平角線1が巻回される径が大きくなったことによ
り生じるものであるから、この関係は、図2に示すよう
な四角形形状のボビンとは異なる形状のボビンにおいて
も変わりない。したがって、この場合にも、任意の連続
する2ターンにおける線材繰り出し長さの差は、nター
ン目とn+1ターン目の線材繰り出し長さの差Dと等し
くなる。
【0042】このように検出された線材繰り出し長さの
差Dから、平角線1を剥離すべき剥離位置を演算する。
具体的に説明すると、nターン目以降にxターン巻線す
るとNターンに達する場合には、Nターンまでの巻線に
要する線材長さLは、nターン目に要した線材繰り出し
長さをlを用いて、 L=x・l+D・x・(x−1)/2 …(1) となる。したがって、このNターンまでの巻線に要する
線材長さLから、剥離位置は容易に演算することができ
る。
【0043】平角線1の絶縁被膜の剥離は、この剥離位
置が、ちょうど剥離装置3(ローラヤスリ3Aおよび線
材固定用ローラ3C)に相対する位置に達したときに実
行され、平角線1の絶縁被膜が所定幅だけ剥離される。
なお、この剥離作業のタイミングは、検出装置4により
検出される線材の繰り出し量に基づいて、図示されない
制御手段により制御される。また、この平角線1の剥離
作業は、連続する2ターンの線材繰り出し長さの差Dの
測定が終わった後、すなわちn+2ターン以降の巻線時
に行われるのであるから、剥離位置は、n+2ターン目
の巻線までは、剥離装置3よりも線材源側にあることが
必要であり、所定の巻数(nターン)は、この条件を満
たすように設定されている。
【0044】Nターン目の巻線が終了すると、ちょうど
コイルの巻終わり端側に絶縁被膜が剥離された剥離部が
形成されているので、カッタ装置9により平角線1を所
定の位置で切断することにより、剥離部を備えた巻終わ
り端を形成でき、コイルが完成する。この場合、カッタ
装置8により切断されるべき切断位置は、剥離位置を求
めた演算と同様に、線材繰り出し長さの差Dに基づいて
演算される。
【0045】このように、本発明によれば、連続する2
ターンの線材繰り出し長さの差Dを実測し、この実測値
から平角線1の剥離位置および切断位置の決定するの
で、剥離位置および切断位置の決定は、平角線1の厚み
のばらつきや、平角線1にかかるテンションの変化に起
因する誤差が生じにくく、正確に行い得る。
【0046】また、この剥離位置および切断位置の決定
は、そのとき巻線されている個々のコイルごとに行われ
るので、コイルごとのばらつきにも適切に対応でき、適
切な剥離位置および切断位置の決定を行い得る。
【0047】特に、線材繰り出し長さの差Dの実測を、
巻線が十分進行した後に行うようにすれば、その後の巻
線で剥離位置、切断位置に誤差が生じにくく、剥離位
置、切断位置の決定は、より正確に行い得る。
【0048】なお、本実施の形態では、連続する2ター
ン(nターンとn+1ターン)について線材繰り出し長
さの差を検出するようにしたが、本発明はこのような実
施形態に限られるものではなく、連続しない2ターンの
場合も含めて、一般にnターンとn+mターンについて
の線材繰り出し長さの差を検出するようにしてもよい。
この場合には、検出されたnターン目とn+mターン目
の線材繰り出し長さの差をmで割れば、連続する2ター
ンについての線材繰り出し長さの差に相当する値が演算
できるので、これに基づいて剥離位置、切断位置を演算
するようにすればよい。この場合、本実施の形態のよう
に連続する2ターン(nターンとn+1ターン)による
ようにすれば、演算も簡略化でき、また検出誤差も小さ
くできる利点がある。
【0049】また、本発明では、本実施の形態のように
所定の2ターンに要した線材繰り出し長さの差を検出す
るのではなく、2ターン以上の複数ターンについて、各
ターンの線材繰り出し長さを実測し、これらの線材繰り
出し長さの相互の関係に基づいて、剥離位置、切断位置
を演算するようにしてもよい。要するに、本発明は、個
々のコイルごとの巻線作業において、巻数が増加するご
とに増加して行く線材繰り出し長さの割合を実測し、こ
の線材繰り出し長さの増加割合の実測値に基づいて、剥
離位置、切断位置を演算により割り出すものであればよ
い。
【0050】また、本実施の形態では、剥離装置3は巻
芯手前の所定の位置に固定されているが、本発明はこの
ような実施形態に限られるものではなく、例えば剥離装
置3を移動可能なものとしたり、剥離装置3を巻治具
5、6内に内蔵するようにしてもよい。
【0051】また、本実施の形態では、線材として平角
線1を用いたが、本発明の適用範囲は平角線を用いた巻
線に限定されるものでなく、他の種類の線材を用いるこ
とも可能である。
【0052】また、本実施の形態では、異なる2ターン
の線材繰り出し長さの差Dを用いた演算により線材の剥
離位置および切断位置を演算するようにしたが、このよ
うな異なる2ターンの線材繰り出し長さの差Dを用いた
演算によれば、剥離位置、切断位置に限らず、一般にコ
イルの巻終わり端に関連した位置を演算することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻線装置を示す斜視図である。
【図2】巻芯に巻線された平角線を示す説明図である。
【符号の説明】
1 平角線 2 テンション装置 3 剥離装置 4 検出装置 5 巻治具 6 巻治具 8 カッタ装置

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻芯の回りに線材を多層に巻回してコイル
    を形成するとともに、 このコイルの巻終わり端側の線材の剥離位置において線
    材の絶縁被膜を剥離するコイルの巻線方法において、 前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ターンに
    要した線材長さを検出し、 これらの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の剥離
    位置を決定することを特徴とするコイルの巻線方法。
  2. 【請求項2】前記線材長さの検出は前記線材の巻回の異
    なる所定の2ターンについて行われるとともに、この所
    定の2ターンに要した線材長さの差を検出し、前記剥離
    位置の決定はこの所定の2ターンに要した線材長さの差
    に基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の
    コイルの巻線方法。
  3. 【請求項3】前記線材の巻回の異なる所定の2ターン
    は、連続する2ターンであることを特徴とする請求項2
    に記載のコイルの巻線方法。
  4. 【請求項4】前記線材の剥離は、前記線材の剥離位置が
    所定の場所に配置された剥離装置に相対する位置に繰り
    出されて来たところで、この剥離装置により行われるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかひとつ
    に記載のコイルの巻線方法。
  5. 【請求項5】前記異なる所定の複数ターンに要した線材
    長さの検出は、この検出後に剥離位置が前記剥離装置に
    相対する位置に来る範囲で、この検出以降の巻線の巻終
    わりまでのターン数が最小となるように定められること
    を特徴とする請求項4に記載のコイルの巻線方法。
  6. 【請求項6】巻芯の回りに線材を多層に巻回してコイル
    を形成するとともに、 所定の切断位置において線材を切断してコイルの巻終わ
    り端を形成するコイルの巻線方法において、 前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ターンに
    要した線材長さを検出し、 これらの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の切断
    位置を決定することを特徴とするコイルの巻線方法。
  7. 【請求項7】前記線材長さの検出は前記線材の巻回の異
    なる所定の2ターンについて行われるとともに、この所
    定の2ターンに要した線材長さの差を検出し、前記切断
    位置の決定はこの所定の2ターンに要した線材長さの差
    に基づいて行われることを特徴とする請求項6に記載の
    コイルの巻線方法。
  8. 【請求項8】前記線材の巻回の異なる所定の2ターン
    は、連続する2ターンであることを特徴とする請求項7
    に記載のコイルの巻線方法。
  9. 【請求項9】線材が多層に巻回される巻芯と、 この巻芯への線材の巻回により形成されるコイルの巻終
    わり端側の線材の剥離位置において線材の絶縁被膜を剥
    離する剥離手段と、 を備えた巻線装置において、 前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ターンに
    要した線材長さを検出する検出手段と、 これらの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の剥離
    位置を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする巻
    線装置。
  10. 【請求項10】前記検出手段は線材の巻回の異なる所定
    の2ターンに要した線材長さの差を検出し、前記演算手
    段はこの線材長さの差に基づいて線材の剥離位置を決定
    することを特徴とする請求項9に記載の巻線装置。
  11. 【請求項11】前記線材の巻回の異なる所定の2ターン
    は、連続する2ターンであることを特徴とする請求項1
    0に記載の巻線装置。
  12. 【請求項12】前記剥離手段は所定の場所に配置された
    剥離装置であり、線材の剥離は前記線材の剥離位置がこ
    の剥離装置に相対する位置に繰り出されて来たところで
    行われることを特徴とする請求項9から請求項11のい
    ずれかひとつに記載の巻線装置。
  13. 【請求項13】前記異なる所定の複数ターンに要した線
    材長さの検出は、この検出後に剥離位置が前記剥離装置
    に相対する位置に来る範囲で、この検出以降の巻線の巻
    終わりまでのターン数が最小となるように定められるこ
    とを特徴とする請求項12に記載の巻線装置。
  14. 【請求項14】線材が多層に巻回される巻芯と、 所定の切断位置において線材を切断してコイルの巻終わ
    り端を形成する切断手段と、 を備えた巻線装置において、 前記線材の巻回の異なる所定の複数ターンの各ターンに
    要した線材長さを検出する検出手段と、 これらの線材長さ相互の関係に基づいて前記線材の切断
    位置を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする巻
    線装置。
  15. 【請求項15】前記検出手段は線材の巻回の異なる所定
    の2ターンに要した線材長さの差を検出し、前記演算手
    段はこの線材長さの差に基づいて線材の切断位置を決定
    することを特徴とする請求項14に記載の巻線装置。
  16. 【請求項16】前記線材の巻回の異なる所定の2ターン
    は、連続する2ターンであることを特徴とする請求項1
    5に記載の巻線装置。
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