JPH11185937A - 気化素子ヒ−タ - Google Patents

気化素子ヒ−タ

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JPH11185937A
JPH11185937A JP35831297A JP35831297A JPH11185937A JP H11185937 A JPH11185937 A JP H11185937A JP 35831297 A JP35831297 A JP 35831297A JP 35831297 A JP35831297 A JP 35831297A JP H11185937 A JPH11185937 A JP H11185937A
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heater
vaporizer
heating element
kerosene
vaporization
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JP35831297A
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Katsuto Hashimoto
勝人 橋本
Masahide Akiyama
雅英 秋山
Kazunori Takenouchi
一憲 竹之内
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】省エネタイプの高性能かつ高品質な気化素子ヒ
−タを提供する。 【解決手段】比抵抗が1010Ω・cm以上のセラミック
多孔質体2の内部に、化1で表されるペロブスカイト型
結晶構造のセラッミクスで構成した比抵抗10-2〜10
0Ω・cmの発熱体3を配設した気化素子ヒ−タ1 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気ヒータを用いた
各種電気加熱器具、とくに300℃以上の高温加熱が必
要な石油ファンヒータに用いられる気化素子ヒ−タに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】石油を燃焼させて大きな熱量を得る石油
ファンヒータは、着火源によって効率よく燃焼させるた
めに、あらかじめ灯油を気化させている。この気化手段
としてブンゼン方式と呼ばれる方法があり、まず多孔質
体(気化素子)に灯油を含浸させた後、この多孔質体を
封入した容器の外側からヒータを使って、容器全体を加
熱し、しかる後に容器に設けた小孔から気化灯油を吹き
出させ、それに着火源を置くことで燃焼させるというも
のである。
【0003】上記ブンゼン方式の気化器として、気化容
器の外側からアルミナ等からなるセラミックスヒータで
加熱する技術が提案されている(特開平4−22230
6および特開平4−363509参照)。
【0004】しかしながら、この技術においては、発熱
機能のない気化素子をいれた容器全体を外部に設置した
ヒ−タで間接的に加熱するので、非常に熱効率が低下
し、暖房開始までに2分以上の時間を要し、多大な電気
エネルギーを必要としていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、気化に至る所
要時間を短縮するために、気化容器内部に直接ヒータを
組み込んだ技術が提案されている(特開昭61−276
614号、特開平1−269808号、特開平7−16
7409号参照)。この技術においては、緻密質の炭化
珪素などからなるヒ−タの周囲に繊維物質や多孔質セラ
ミックスを抱き合わせた方式である。
【0006】しかしながら、これら炭化珪素等の材料
は、常温から500℃の温度範囲で比抵抗が103 〜1
4 Ω・cmと高いので、断面積を大きくして所要の抵
抗値を達成しているが、その反面、形状を大きくしてい
る。しかも、周囲に抱き合わせた繊維物質や多孔質セラ
ミックスの形状も大きくなるので、ヒータ全体の温度を
上昇させて、灯油の気化温度まで高めるには、多大な電
力消費になっていた。その上、容器形状も大きくするこ
とで、燃焼開始後、燃焼熱を利用して、灯油気化を維持
する(燃焼熱循環)までに多大な時間を要してした。
【0007】また、実開平4−68956号によれば、
導電性の多孔質セラミックスを液体に浸漬する構造の液
体蒸発装置が提示されているが、液体全体を蒸発温度ま
で高めるには、ヒ−タを高温度で長時間発熱させなけれ
ばならず、これにより、多大に電力消費し、しかも、大
きな電流値が得られないので、気化までの所要時間が短
縮できなかった。さらに上記導電性多孔質セラミックス
を露出した状態で気化装置内部にセットする構造では、
導電性多孔質セラミックスと気化装置との間で電気的に
絶縁にすることがむずかしく、そのため、漏電をおこし
ていた。加えて、常時多孔質セラミックスを液体に浸漬
する構造の場合、灯油気化に対して最適な気孔率や気孔
径を設定することが困難であった。
【0008】したがって、本発明の目的は多孔質体の内
部に適当に比抵抗の小さい発熱体を配設し、その発熱体
の断面積を小さくして、さらに発熱体を囲む多孔質体も
小さくし、そして、灯油を気化温度まで高めるのに要す
る電力消費を少なくし、さらにその所要時間も短縮し、
これによって省エネタイプの高性能かつ高品質な気化素
子ヒ−タを提供することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は漏電が発生しな
い長期にわたって高い信頼性を達成した気化素子ヒ−タ
を提供することにある。
【0010】さらにまた、本発明の他の目的は多孔質セ
ラミックスを使用するにしても、気孔率や気孔径を厳密
に設定しないことで、製造工程管理が容易になり、これ
によって製造コストを低減させた気化素子ヒ−タを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の気化素子ヒ−タ
は、比抵抗が1010Ω・cm以上のセラミック多孔質体
の内部に、化1で表されるペロブスカイト型結晶構造の
セラッミクスで構成した比抵抗10-2〜100Ω・cm
の発熱体を配設したことを特徴とする。
【0012】
【化1】
【0013】本発明の他の気化素子ヒ−タは、上記セラ
ッミクスに含まれる不純物が5重量%以下であることを
特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図7により説明する。図1は本発明の気化素子ヒ−タ
を示す斜視図であり、図2は本発明の気化素子ヒ−タを
構成するヒ−タの斜視図である。また、図3は本発明の
気化素子ヒ−タを搭載した気化器の破断面図である。図
4は気化器の給電部構造を示す分解斜視図であり、図5
は図4に示す給電部構造の要部拡大断面図である。さら
にまた、図6は本発明の他の気化素子ヒ−タを示す分解
斜視図であり、図7はその気化素子ヒ−タを構成するヒ
ータの破断面図である。
【0015】図1の気化素子ヒ−タ1は、セラミックス
からなる一対の半円柱形状の多孔質体2の間に、図2に
示す平板形状をなす発熱体3を挟み込んだ構造であっ
て、この発熱体3は抵抗値調整のために蛇行状に溝入れ
をおこなっている。4は発熱体3の電極部であって、こ
の電極部4には白金ペーストやモリブデン等のメタライ
ズ層を介して白金等からなる給電用金具を固定する。こ
の発熱体3は平板形状等の板状体の他に、円筒等の筒状
体、円柱や角柱等の柱状体でもよく、このような板状
体、筒状体もしくは柱状体にすることで、加工性および
強度の点で良好となる。
【0016】また、図2に示すように発熱体3にスリッ
ト5を入れ、これによって発熱体のL寸法を調整しても
よい。そして、スリット5の配設数によって抵抗値を精
度よく調整できるとともに、発熱量を増加できる。
【0017】また、上記構成の発熱体3において、電極
部4を、発熱体3の主要部に比べ厚くすることで、電極
部4を低抵抗化させ、温度上昇を防止することができ、
電極部4を発熱部3の主要部より低温に保つことがで
き、これにより、上記のような給電用金具の酸化に起因
する気化素子ヒ−タ全体の寿命低下を防止でき、Ass
y精度を長期にわたって維持することができる。たとえ
ば発熱体3の主要部の厚みを0.5〜10mm、好適に
は1〜5mmにした場合には、電極部4の厚みを1〜2
0mm、好適には2〜10mmにするとよい。
【0018】上記多孔質体2は比抵抗が1010Ω・cm
以上であるセラミックスで作製した。また、このセラミ
ックスの気孔率を20〜50%、好適には35〜45%
にすると、表面積が大きくなり、被加熱の液体を効果的
に加熱でき、そして、気化させる。気孔率が20%未満
の場合には、灯油を充分に含浸・気化できず、加熱効率
が不十分となり、50%を越えるとセラミックス多孔質
体強度が大幅に低下する。
【0019】また、上記セラミックスの平均細孔径(多
孔質体全気孔の平均径)を50〜200μmにすると、
灯油(粘性流体)を充分に含浸・気化することができる
が、平均細孔径が50μm未満では灯油を充分含浸・気
化できず、加熱効率が不十分となり、200μmを越え
るとセラミックス多孔質体強度が大幅に低下する。
【0020】本発明においては、上記発熱体3が十分に
高い発熱量を得るために、比抵抗を10-2〜100Ω・
cm、好適には10-2〜1Ω・cmにして、液体を直接
加熱し、瞬時に気化させることができた。そのための発
熱材料としては、下記の化1に示すペロブスカイト型の
結晶構造をもつセラッミクスがあり、一例としてランタ
ンカルシウムクロマイト(LaCaCrO3 )がある。
【0021】
【化1】
【0022】上記比抵抗が10-2Ω・cm未満の場合に
は、発熱体の抵抗値が低すぎ、そこで、充分な発熱量を
得るために断面積を著しく小さくして、L寸法を長くす
る必要がある(たとえば断面積を3mm2 、L寸法を1
00mmにすると、抵抗値が約1Ωとなり、100W程
度の発熱量を得るために10A以上の電流が必要とな
る)。したがって、発熱体自体細長くなり、絶縁ケース
等で支えなければ保持できない形状となる。
【0023】また、比抵抗が100Ω・cmを越える場
合には、発熱体の抵抗値が高くなりすぎ、そこで、発熱
体の断面積を大きくして、L寸法を短くする必要がある
(たとえば断面積を100mm2 、L寸法を100mm
にすると、抵抗値が約1kΩとなり、100Vの電圧下
で0.1Aの電流しか流れず、発熱量としては10W程
度しか得られない)。そのために発熱体自体相当に大き
な形状となる。
【0024】そして、上記発熱体3を比抵抗が1010Ω
・cm以上の多孔質体2の内部に配設することで、電気
的な絶縁性が維持される。この多孔質体2は主にアルミ
ナセラミックス(Al2 3 )により構成するが、助剤
としてMgO、SiO2 を加える。その他にマグネシ
ア、ムライト、コージライト、Si3 4 、AlNなど
のセラミック多孔質体を使用してもよい。
【0025】つぎに図3により上記構成の気化素子ヒ−
タ1を用いた気化器5でもって説明すると、気化器5の
容器6の内部には気化素子ヒ−タ1が組み込まれ、気化
素子ヒ−タ1の端には絶縁治具7が配設され、発熱体3
の電極部4からリード線8を引出し、このリード線8が
絶縁治具7を通して外部に導出されている。9は給油
管、10は小孔(ニードル弁)であり、液体燃料を気化
することで、1000倍程に体積膨張し、そのため、小
孔10でもって気化した液体燃料が噴出される。
【0026】たとえば、石油ファンヒータの場合には、
気化素子ヒ−タ1に対しあらかじめ灯油を電磁ポンプで
定量的で圧送し、しみ込ませる。そして、電源をONに
すると直接加熱により瞬時に灯油の気化が始まり、小孔
10から気化した灯油が噴出する。ここで、着火源によ
り点火すると灯油の燃焼がおこなわれ、その熱エネルギ
ーをファンによって室内循環させる。
【0027】かくして本発明の気化素子ヒ−タ1におい
ては、比抵抗が1010Ω・cm以上の多孔質体2の内部
に10-2〜100Ω・cmの比抵抗を有する発熱体3を
配設した気化素子ヒ−タ1を気化器5の内部に設けたこ
とで、従来の間接加熱方式に比べ、直接的に加熱でき、
すなわち、気化素子ヒ−タ1の多孔質体2に含浸させた
液体燃料にほぼ直接的に熱を与えることができるため、
効率的かつ短時間で燃料の気化をおこなうことができ、
これにより、暖房開始までの待ち時間が大幅に短縮で
き、しかも、電気エネルギーが大幅に削減できた。しか
も、気化素子表面が完全に絶縁されているため、気化器
に気化素子表面が接触するような構造をとっても漏電等
の心配がない。
【0028】本発明においては、図6および図7に示す
他の気化素子ヒ−タ1aでもよい。この気化素子ヒ−タ
1aはセラミックスからなる一対の半円柱形状の多孔質
体2aの間に、図6に示すような円柱状をなす発熱体3
aを挟み込んだ構造である。そして、図7に示す気化器
5aによれば、容器6aの内部に気化素子ヒ−タ1aを
装着し、気化素子ヒ−タ1aの両端に電極金具15を設
け、さらにリード線8で導出する。また、同様に電磁ポ
ンプで灯油を給油管9を通して定量的に圧送し、液体燃
料を気化することで、1000倍程に体積膨張され、小
孔10で気化した液体燃料が噴出される。
【0029】(例1)本発明者は図1に示す本発明の気
化素子ヒ−タ1を用いたブンゼン式の石油ファンヒータ
用気化器を作製した。
【0030】この気化素子ヒ−タ1の多孔質体2はアル
ミナで構成し、長さ65mm、外径φ15mmの円柱体
を中心軸に沿って割断した半円柱形状である。
【0031】また、発熱体3はランタンカルシウムクロ
マイト(La0.8 Ca0.22CrO3)で構成し、長さ7
0mm、幅13mm、厚み1.5mmの平板形状であ
り、電極部4は厚さ3mm、高さ5mmとした。さらに
抵抗値を調整するために、図2に示すように幅0.5〜
1mmのスリット5を入れた。そして、この発熱体3を
多孔質体2で挟み込み、気化素子ヒ−タ1を作製した。
【0032】上記多孔質体2を作製するには、Al2
3 を主成分とする原料にSiO2 や有機バインダー、水
等を添加し、混練し、円筒形状に押し出して成形した
り、あるいは上述の原料粉体にバインダー等を加え、ス
プレードライ装置によって造粒し、粉体の流動性、保形
性を向上させ、ついで乾式プレス装置によって成形す
る。しかる後にこの成形体を焼成し、所定の形状に研削
加工を施し、気孔率45%、平均細孔径110μm、比
抵抗1×1014の多孔質体2を得た。
【0033】また、ランタンカルシウムクロマイトから
なる発熱体3については、原料粉体にバインダ−等を添
加し、スプレ−ドライ装置によって造粒し、その後、プ
レス成形し、その成形体を焼成し、所定の形状に研削加
工し、発熱体3を得た。
【0034】かくして得られた気化素子ヒ−タ1を、図
3に示す気化器5にセットし、実際に灯油を気化させる
気化テストを実施した。本例においては、このテストに
使用した気化器5のさらに具体的な構造を図4と図5に
示す。
【0035】同図において、多孔質体2で発熱体3を挟
み込み、発熱体3の電極部4にアルミナ、コ−ジライト
等からなるセラミックス板11を当て、さらに白金ある
いはインコネルからなる電極金具12とセラミックス板
11との間で電極部4をネジ13(インコネル、SUS
等)で固定し、そして、気化素子ヒ−タ1を挿入口14
に挿入し、担持する。また、白金やインコネルからなる
電極金具12に接続したリード線8は耐熱絶縁樹脂から
なる絶縁治具7を介在させることで気化器5との間で電
気的な絶縁をなしている。
【0036】上記構成の気化器5を用いて、電磁ポンプ
で毎分8ccずつの灯油を送り、気化素子ヒ−タ1を加
熱すると、気化した灯油が小孔10より噴出する。そし
て、着火源として別に設置した点火ヒータにより点火さ
せ、さらにファンヒータにより燃焼エネルギーを送風フ
ァンによって外部に送り出す。
【0037】かかる気化テストにより灯油の気化状況を
調べたところ、毎分8ccの灯油を300℃の蒸気に変
換できた。すなわち、本発明の気化器5より毎時約45
00kcalの燃焼エネルギーを取り出すことができ
た。また、灯油を気化温度まで高めるのに要する時間は
約30秒程度であり、従来の間接加熱方式の2分間、ま
た、本発明のペロブスカイト型結晶構造のセラミックス
を用いない気化器内蔵型ヒータの所要時間(1分30
秒)と比べても、ヒートアップタイムが大幅に短縮でき
た。
【0038】なお、本例ではアルミナ多孔質体を用いた
自己発熱型気化素子で実施したが、マグネシア多孔質体
を用いた自己発熱気化素子についても同様の優れた特性
が得られた。
【0039】(例2)発熱体3を化1に示すペロブスカ
イト型の結晶構造をもつセラッミクスで構成した場合、
不純物量が発熱体の高温変形に、どのように及ぼすか、
下記のとおりに実験した。
【0040】ランタンカルシウムクロマイト(組成La
0.8 Ca0.23CrO3 )の粉末中にAl、Si、Tiの
各不純物を表1に示すように、総量で0.37〜5.6
7重量%の範囲になるように、それら酸化物粉末で添加
した。そして、この原料粉末を成形・焼成し、これによ
ってテストピ−スを製作した。
【0041】
【表1】
【0042】ついで、大気中1000℃で200時間焼
鈍して、変形率と外径の変化率(収縮率)を測定したと
ころ、表1に示すような結果が得られた。
【0043】変形・収縮率測定には外径7mm、長さ1
00mmの円柱状焼結体を、また、1000℃電気抵抗
測定には3×3×65mmの角柱状焼結体を用いた。そ
して、変形率については、円柱状焼結体を電気炉に支点
間距離が80mmとなるように横置きに設置して、試料
のたわみ量を支点間距離80mmで除したもので、すな
わち、〔試料のたわみ量/支点間距離〕でもって示し
た。試料中の不純物量はICP分析により測定し、A
l、Si、Tiの合量を示した。
【0044】表1の結果から明らかなとおり、不純物総
量が5.0重量%を越える試料No.7の場合には変形
率、収縮率とも急激に大きくなった。したがって、試料
No.1〜6のように不純物総量が5重量%以下である
La0.8 Ca0.23CrO3 を用いるとよい。
【0045】(例3)つぎに(例1)に示すブンゼン式
の石油ファンヒータ用気化器において、発熱体3の材質
を表2に示すようにSiC、MoSiO2 、グラファイ
トおよび本発明のLaCaCrO3 の4とおりにして、
それぞれ図1および図2に示すような構造の気化素子ヒ
−タ1を作製し、抵抗値を測定した。また、同表には各
材質の比抵抗も示す。
【0046】そして、灯油気化試験をおこなって、灯油
気化温度300℃までの発熱試験をおこなって、その
後、実際に気化器5に組み込み、気化試験をおこなった
ところ、表2に示すような結果が得られた。
【0047】
【表2】
【0048】この表から明らかなとおり、本発明のLa
CaCrO3 材質を使用した場合には、300℃まで定
電流2Aで温度上昇し、灯油気化試験において良好であ
った。これに対し、SiCの場合には100Vの電圧印
加に対し、抵抗値が大きいので、電流が流れなくなり、
そのために発熱しなかった。MoSiO2 の場合には、
100Vの電圧印加に対し、抵抗値が小さすぎるので、
大電流を流しても、300℃まで温度上昇しなかった。
また、グラファイトを使用すると、酸化によって抵抗値
変化(抵抗値の上昇)が著しくなった。
【0049】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の気化素子ヒ−タ
によれば、比抵抗が1010Ω・cm以上のセラミック多
孔質体の内部に、ペロブスカイト型結晶構造のセラッミ
クスで構成した比抵抗10-2〜100Ω・cmの発熱体
を配設したことで、発熱体の断面積を小さくして、さら
に発熱体を囲む多孔質体も小さくし、そして、灯油を気
化温度まで高めるのに要する電力消費を少なくし、さら
にその所要時間も短縮し、これによって省エネタイプの
高性能かつ高品質な気化素子ヒ−タが提供できた。
【0050】また、本発明の気化素子ヒ−タによれば、
比抵抗が1010Ω・cm以上のセラミック多孔質体を使
用したことで、漏電が発生しなくなり、長期にわたって
高い信頼性を達成した気化素子ヒ−タが提供できた。
【0051】さらにまた、本発明の気化素子ヒ−タによ
れば、従来のように多孔質セラミックスの気孔率や気孔
径を厳密に設定しないでも、比抵抗を1010Ω・cm以
上にするだけでよく、これによって製造工程管理が容易
になり、製造コストが低減できた。しかも、ペロブスカ
イト型結晶構造のセラッミクスに対し、不純物を5重量
%以下にすることで、変形率および収縮率ともに小さく
なり、このように不純物量を規定することで、高い品質
の気化素子ヒ−タが得られる点でも、生産管理が容易に
なった。
【0052】しかも、本発明においては、下記のような
効果もある。
【0053】(1)発熱体およびセラミック多孔質体を
所望形状に加工できるとともに、気化器内部を気化素子
ヒ−タにそった大きさにできるので、気化装置を小型化
にできた。
【0054】(2)発熱体を高温まで昇温することによ
って、多孔質体細孔内部に堆積した灯油の未燃焼成分
(タ−ル)の分解が可能である。すなわち、定期的にタ
ールの燃焼温度である600℃まで加熱させることによ
って、発熱体を挿入したセラミックス多孔質体の気孔の
目詰まりを防ぐことができ、長年の使用によって燃焼効
率の低下がなく、その結果、初期特性を長期間にわたっ
て維持することができた。
【0055】(3)発熱体を高温まで昇温しても、電極
部は低温を維持することができ、電極部に使用した金属
金具の酸化による劣化を防ぎ、その結果、気化素子ヒ−
タの寿命低下を防止することができた。
【0056】(4)燃焼熱の循環方式(従来の石油ファ
ンヒータは、点火前は気化器外側に取り付けられた加熱
用ヒータを発熱させ、その熱を気化器を通して気化素子
へ伝熱し、灯油気化をおこなっているが、点火後は加熱
用ヒータの発熱をストップし、燃焼炎を直接気化器の一
部にあて、その熱を気化器から気化素子へ伝え、灯油気
化をおこなっている。)を考慮した場合、本発明は気化
器内壁部と絶縁性セラミックス多孔質体のクリアランス
を極小化でき、これにより、燃焼熱を直接気化素子に伝
えることができ、伝熱効率を高くすることができた。
【0057】(5)灯油を瞬時に気化できるため、不完
全燃焼ガスの発生が激減し、石油ファンヒ−タ特有の臭
いの発生が少なくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気化素子ヒ−タを示す斜視図である。
【図2】発熱体の斜視図である。
【図3】本発明の気化素子ヒ−タを搭載した気化器の破
断面図である。
【図4】気化器の給電部構造を示す分解斜視図である。
【図5】図4に示す給電部構造の要部拡大断面図であ
る。
【図6】本発明の他の気化素子ヒ−タを示す分解斜視図
である。
【図7】本発明の気化素子ヒ−タを構成するヒータの破
断面図である。
【符号の説明】 1 気化素子ヒ−タ 2 多孔質体 3 発熱体 4 電極部 5 スリット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比抵抗が1010Ω・cm以上のセラミック
    多孔質体の内部に、化1で表されるペロブスカイト型結
    晶構造のセラッミクスで構成した比抵抗10-2〜100
    Ω・cmの発熱体を配設したことを特徴とする気化素子
    ヒ−タ。 【化1】
  2. 【請求項2】前記セラッミクスに含まれる不純物が5重
    量%以下であることを特徴とする請求項1の気化素子ヒ
    −タ。
JP35831297A 1997-12-25 1997-12-25 気化素子ヒ−タ Pending JPH11185937A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011521213A (ja) * 2008-05-08 2011-07-21 ナニューム リミテッド 凝縮装置

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