JPH11185295A - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

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JPH11185295A
JPH11185295A JP9363768A JP36376897A JPH11185295A JP H11185295 A JPH11185295 A JP H11185295A JP 9363768 A JP9363768 A JP 9363768A JP 36376897 A JP36376897 A JP 36376897A JP H11185295 A JPH11185295 A JP H11185295A
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insulating
recording medium
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JP9363768A
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Inventor
Mikio Kinoshita
幹夫 木下
Masato Harigai
眞人 針谷
Koji Deguchi
浩司 出口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高密度記録において、ジッタ等の信号品質に
優れ、記録線速マージンが広く、かつ繰返し記録特性優
れた高記録密度媒体の提供をし、生産性の向上や感度の
安定性を向上することを目的とする。 【解決手段】 基板上の第1保護層、該第1保護層上の
記録層、該記録層上の第2保護層、該第2保護層上の反
射放熱層とを有する光記録媒体において、該第1保護層
の抵抗率を3×10-3Ω・cm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化型光記録デ
ィスクなど、光ビームを照射することにより記録層材料
に光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行な
い、かつ書換えが可能である情報記録媒体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】レーザービームの照射による情報の記
録、再生および消去可能な光記録媒体の一つとして、結
晶−非結晶相間、あるいは結晶−結晶相間の転移を利用
する、いわゆる相変化形光記録媒体がよく知られてい
る。これは単一ビームによるオーバーライトが可能であ
り、ドライブ側の光学系もより単純であることを特徴と
し、コンピュータ関連や映像音響に関する記録媒体とし
て応用されている。その記録材料としてはGeTe、G
eTeSe、GeSeS、GeSeS、GeSeSb、
GeAsSe、InTe、SeTe、SeAs、Ge−
Te−(Sn、Au、Pd)、GeTeSeSb、Ge
TeSb、Ag−In−Sb−Teが挙げられる。特
に、Ag−In−Sb−Teは、高感度でアモルファス
部分の輪郭が明確な特徴を有し、マークエッジ記録用の
記録層として開発されている(特開平3−240590
号公報、特開平4−78031号公報、特開平4−23
2779号公報、特開平5−345478号公報)。
【0003】これらの光記録媒体に使用される記録層と
基板との間に存在する第1保護層材料を選定する上で、
屈折率、膜厚、熱伝導率、繰返し記録に伴う熱衝撃への
耐久性、内部応力、耐触性等が考慮される。この第1保
護層の屈折率と膜厚は、適切なモジュレーションやトラ
ッキングのための信号に大きく影響する。一方良好な高
密度記録マークを記録する為には、アモルファス部分と
−結晶部分との境界が鮮明良好な輪郭を有することが好
ましい。このためにはアモルファス部分となる記録層の
急冷領域と、結晶部分となる比較的低い温度から徐冷さ
れる徐冷領域とが明確に分離することが好ましく、記録
層の冷却は急冷構造である方が好ましい。急冷構造を得
るためには反射放熱層の熱伝導率を向上させ、記録層と
反射放熱層との間に存在する第2保護層を薄層化するこ
とが好ましいが、これには一定の限界があった。このた
め、第1保護層の膜厚方向の熱伝導率に変化をもたせる
多層構造(特公平−111788号公報、特開平5−1
44082号公報)、あるいは傾斜材料から成る保護層
(特開平6−162567号公報)等が提案されてき
た。しかしながら従来技術の第2保護層に使用される材
料はZnS−SiO2、AlN等の誘電体で伝導電子は
ほとんど存在せず、熱伝導性は主としてフォノンやイオ
ン間の相互作用等の格子間の相互作用を通じた格子振動
の伝播による熱伝導によるものが主であった。この場合
繰り返し記録に伴う熱衝撃による微小なクラックが第1
保護層に生じる場合、上記格子振動の伝播による熱伝導
は著しく阻害されるため、良好かつ安定な放熱特性を得
ることには問題があった。このため、記録層の冷却速度
の低下や乱れを生じ、結果として記録層のアモルファス
−結晶境界の乱れに起因するジッター悪化等の記録特性
に悪影響を与えていた。また、保護層層数の増加は、生
産性低下の一因と成っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】請求項1、2、3記載
の本発明の目的は、高密度記録において、ジッタ等の信
号品質に優れ、かつ繰返し記録特性優れた高記録密度媒
体の提供にある。請求項4記載の本発明の目的は、ジッ
タ等の信号品質に優れ、記録線速マージンが広く、かつ
繰返し記録特性に優れた高記録密度媒体の感度の向上に
ある。請求項5記載の本発明の目的は、ジッタ等の信号
品質に優れ、記録線速マージンが広く、かつ繰返し記録
特性に優れ、感度が向上された高記録密度媒体の生産性
の向上にある。請求項6記載の本発明の目的は、ジッタ
等の信号品質に優れ、記録線速マージンが広く、かつ繰
返し記録特性に優れ、感度が向上され、また生産性が向
上された高記録密度媒体の感度の安定性向上にある。請
求項7記載の本発明の目的は、ジッタ等の信号品質に優
れ、記録線速マージンが広く、かつ繰返し記録特性に優
れ、感度が向上された高記録密度媒体の生産性の向上に
ある。請求項8記載の本発明の目的は、ジッタ等の信号
品質に優れ、記録線速マージンが広く、かつ繰返し記録
特性に優れ、感度が向上され、また生産性が向上された
高記録密度媒体の感度の安定性向上にある。請求項9記
載の本発明の目的は、ジッタ等の信号品質により優れ、
記録線速マージンが広く、かつ繰返し記録特性により優
れ、感度がより向上された高記録密度媒体の生産性の向
上にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
光記録媒体は、案内溝を有する基板上の第1保護層、記
録層、第2保護層、反射放熱層、環境保護層を有してい
る。基板はポリカーボネート等の樹脂、あるいはガラス
などの透明体で、図示されないトラッキングサーボのた
めの案内溝を有している。第1保護層は、抵抗率が3×
10-3Ω・cm以下の低抵抗材料で、記録再生波長で透
明もしくは低吸収の材料が使用される。この膜厚は記録
再生波長での光学的干渉の効果等を考慮にいれ、最適化
される。記録層は、GeTe、GeTeSe、GeTe
S、GeSeS、GeSeSb、GeAsSe、InT
e、SeTe、SeAs、Ge−Te−(Sn、Au、
Pd)、GeTeSeSb、GeTeSb、Ag−In
−Sb−Te等公知の相変化記録材料から記録線速、記
録方式、密度等を考慮して適宜選択される。反射放熱層
は、Al、Al合金、Ag、Au、Cu、あるいはこれ
らの合金、あるいは金属の酸化物、窒化物、炭化物、あ
るいは炭素等、複素屈折率が適切で熱伝導率・電気伝導
度に優れる金属が使用される。第2保護層はZnS−S
iO2やAlN等の公知の誘電体材料で、記録感度や放
熱層への熱伝導等を考慮にいれ、材料選択とその膜厚が
決定される。また、第2保護層材料として、本発明で使
用される低抵抗率材料を断熱層と共に使用しても良い。
環境保護層は耐蝕性のある公知の金属や合金、誘導体、
あるいは、樹脂等である。例えば、Al、Pt、Pd、
Au、Al−Si、Al−Ti、Pb−Sn、Si
34、AlN、SiO2、SiO、紫外線硬化樹脂等で
ある。また、上記環境保護層を積層し、複合環境保護層
としても良い。各層の膜厚範囲は任意であるが、概ね第
1保護層は50〜300nm、記録層は5〜50nm、
第2保護層は5〜50nm、反射放熱層は30〜300
nm、環境保護層は50nm以上の範囲にある。
【0006】本発明の請求項2記載の光記録媒体は、請
求項1記載の光記録媒体において、さらに第1保護層が
In−Sn−Oであることを特徴としている。Snの濃
度は概ね0.1〜5%の範囲にあることを特徴とする。
本発明の請求項3記載の光記録媒体は、請求項1記載の
光記録媒体においてさらに第1保護層がZn−Al−O
であることを特徴としている。Alの濃度は概ね0.1
〜5%の範囲にあることを特徴としている。本発明の請
求項4記載の光記録媒体は、本発明の請求項1、2又は
3記載の光記録媒体において、記録層と第1保護層との
間に抵抗率が0.01Ω・cm以上の絶縁断熱層を有す
ることを特徴としている。絶縁断熱層は電気伝導率、熱
伝導率共に第2保護層より低く、また、光学的には透明
もしくは反射放熱層より低い吸収係数を有する公知の材
料が使用される。構造は非結晶質もしくは記録層材料の
相変化に支障の無い結晶質である。また、絶縁性であっ
ても、高熱伝導率の材料、例えば、BeO等は除外され
る。ZnS−SiO2、SiO2、Si−Al−O−N等
が該当する。
【0007】本発明の請求項5記載の光記録媒体は、記
録層と第1保護層との間に抵抗率が0.01Ω・cm以
上の絶縁断熱層を有するものであって、第1保護層を抵
抗率3×10-3Ω・cm以下のIn−OまたはIn−S
n−Oとし、絶縁断熱層を抵抗率0.01Ω・cm以上
のIn−Oを有する膜とする。高抵抗率のIn−O膜は
膜中の酸素濃度が低抵抗のIn−O膜より高く、In−
O形成時の反応性の制御によりその抵抗率を制御可能で
ある。本発明の請求項6記載の光記録媒体は、請求項5
記載の光記録媒体において、絶縁断熱層にZn、Mg、
Siを添加することを特徴としている。
【0008】本発明の請求項7記載の光記録媒体は、記
録層と第1保護層との間に抵抗率が0.01Ω・cm以
上の絶縁断熱層を有するものであって、第1保護層を、
抵抗率3×10-3Ω・cm以下のZn−OまたはZn−
Al−Oとし、絶縁断熱層を抵抗率0.01Ω・cm以
上のZn−Oを有する膜とする。高抵抗率のZn−O膜
は膜中の酸素濃度が低抵抗のZn−O膜より高く、Zn
−O形成時の反応性の制御によりその抵抗率を制御可能
である。
【0009】本発明の請求項8記載の光記録媒体は、請
求項7記載の光記録媒体において、絶縁断熱層にSiを
添加することを特徴としている。本発明の請求項9記載
の光記録媒体は、請求項1〜8のいずれか1に記載の、
光記録媒体において、基板と第1保護層との間に抵抗率
が0.01Ω・cm以上の基板保護層を付加することを
特徴とする。
【0010】
【作用】本発明の光記録媒体では、上記のように、第1
保護層の抵抗率を3×10-3Ω・cm以下とした。この
ため大きな急冷構造が得られる。この急冷構造を司る第
1保護層の熱伝導には、前述した格子振動の伝播に加
え、伝導電子による寄与が加わる。このため高導電性の
領域で特に電子による熱伝導が大きくなり、好ましい
が、抵抗率が3×10-3Ω・cm以下の領域でこの効果
が発現する。特に繰返し記録に伴う熱衝撃で密着性が弱
くなった場合に格子振動の伝播による熱伝導は大きく阻
害されるが、電子による熱伝播は熱衝撃によるダメージ
がある場合でも比較的良好である。このため、相変化記
録媒体において、電子による熱伝導の寄与が発現する抵
抗率領域で大きな記録層の高い冷却効果とその安全性が
得られる。そして相変化記録層のアモルファス−結晶界
面の境界の乱れが抑制され、良好な信号品質、繰返し記
録に対する耐久性が得られる。
【0011】第1保護層の材料としては可視光の領域で
透明な導電性材料で、In−O、Sn−O、Zn−O、
In−Sn−O、Zn−Al−O、In−W−O等があ
る。特に、請求項2記載のIn−Sn−Oは導電性に優
れ、請求項3に記載のZn−Al−Oは耐熱性に優れて
いる。これらの酸化物系材料の導電性は、酸素量に強く
依存する。例えば、酸素欠陥のあるZn−Oでは10-3
Ω・cm程度の低抵抗が得られ、化学量論組成もしくは
酸素過剰のZn−Oでは数Ω・cm以上の高抵抗率が得
られることが知られている。また、In−Oに対するS
n、Zn−Oに対するAlは数at.%のドーピングで
ドナーとして作用する。
【0012】第1保護層の熱伝導率が良好なことは信号
品質の点では好ましいが、記録層を融点以上に加熱し、
アモルファス化させる為に必要なレーザーパワーが増加
し、記録感度が小さくなる。記録感度を向上させる為に
は、記録層と第1保護層との間に絶縁断熱層を付加すれ
ば良い。この場合絶縁断熱層の導電性は無い方が、伝導
電子による熱伝導が抑制されるため好ましく、0.01
Ω・cm以上の抵抗率が必要である。公知の誘電体が使
用可能であるが、上述したように化学量論組成もしくは
酸素過剰で高抵抗率・低熱伝導率となったZn−O膜や
In−O膜も使用可能である。この場合、請求項5記載
の光記録媒体におけるように、第1保護層をIn−Oま
たはIn−Sn−Oとし、絶縁断熱層を化学量論組成も
しくは酸素過剰のIn−Oを有する膜とする。
【0013】あるいは、請求項7記載の光記録媒体にお
けるように、第1保護層をZn−OまたはZn−Al−
Oとし、絶縁断熱層を化学量論組成もしくは酸素過剰の
Zn−Oを有する膜とすれば、同一の真空槽内で順次絶
縁断熱層形成・第1保護層膜形成を容易に行なうことが
でき、光記録媒体形成に使用されるインラインスパッタ
装置や枚葉スパッタ装置での生産性を向上させることが
できる。また、絶縁断熱層と第1保護層との密着性も良
好なので、繰返し記録に対する信頼性も損なわれない。
【0014】請求項6記載の光記録媒体におけるよう
に、In−Oから成る絶縁断熱層にZn、Mg、Siの
酸化物を添加する、あるいは、請求項8記載の光記録媒
体におけるように、Zn−Oから成る絶縁断熱層にSi
の酸化物を添加すれば、絶縁断熱層の高抵抗率が安定化
し、記録感度が安定化する。
【0015】さらに、請求項9記載の光記録媒体におけ
るように、基板と第1保護層との間に断熱性に優れる抵
抗率0.01Ω・cm以上の基板保護層を加えれば、第
1保護層に伝導する熱による基板の劣化を抑制すること
ができ、繰返し記録の安定性向上に寄与する。
【0016】
【実施例】図1は請求項1記載の光記録媒体に対応する
本発明の一実施例の断面の一部を示す概念図である。図
示されない案内溝を有するポリカーボネート基板上1に
In−Oから成る第1保護層10がある。そして、Ag
−In−Sb−Te記録層20が第1保護層10上にあ
り、記録層20上にIn−Oからなる第2保護層30が
ある。この第2保護層30上にAgからなる反射放熱層
40がある。各層の膜厚であるが、第1保護層10:1
50nm、記録層20:20nm、第2保護層30:3
0nm、反射放熱層40:100nmである。成膜装置
は枚葉スパッタ装置で、In−Oから成る第1保護層1
0は金属Inをターゲットとして、Ar+O2を導入ガ
スとする反応性スパッタ法により形成可能である。酸素
流量は抵抗率が最小と成る流量で、10-4Ω・cm台の
低抵抗な透明導電膜が得られる。なお、図は概念図であ
り、各層の膜厚を正確には反映していない。また、反射
放熱層40の上にUV硬化樹脂から成る環境保護層60
が付加されている。
【0017】ここで、上記金属Inターゲットに2a
t.%のSnを添加すればIn−Sn−O膜が形成さ
れ、更に低抵抗な透明導電膜となる。ここで、第1保護
層形成用のターゲットをAlが添加されたZnOとすれ
ば、Zn−Al−O透明導電膜が得られる。このZn−
Al−O透明導電膜はIn−Sn−O膜と比較するとa
sdepoでの抵抗率は若干高いが、耐熱性に優れてお
り、繰返し記録に伴う熱履歴で、添加元素であるAlが
徐々に活性化され、膜の劣化に伴う高抵抗化を抑制する
作用を有し、繰返し記録特性の安定化に寄与する。
【0018】図2は請求項4記載の光記録媒体に対応す
る一実施例の断面の一部を示す概念図である。図示され
ない案内溝を有するポリカーボネート基板上1にIn−
Sn−Oから成る第1保護層10がある。そして、この
第1保護層上にZnS−SiO2から成る絶縁断熱層8
0がある。Ag−In−Sb−Te記録層20が絶縁断
熱層80上にあり、記録層20上にZnS−SiO2
ら成る第2保護層30がある。この第2保護層30上に
Agから成る反射放熱層40がある。各層の膜厚である
が、第1保護層10:160nm、絶縁断熱層80:1
5nm、記録層20:20nm、第2保護層30:20
nm、反射放熱層40:100nmである。成膜装置は
スパッタ装置で、In−Sn−Oから成る第1保護層1
0はSnがドープされた金属Inをターゲットとして、
Ar+O2を導入ガスとする反応性スパッタ法により形
成可能である。In−Sn−O膜の抵抗率は5×10-4
Ω・cmである。なお、図は概念図であり、各層の膜厚
を正確には反映していない。また、反射放熱層40の上
にUV硬化樹脂から成る環境保護層60が付加されてい
る。絶縁断熱層の作用により記録波長635nm、記録
線速3.5m/s、記録密度0.267μm/bitで
の記録感度は向上し、9mWとなる。
【0019】図3(a)(b)に本実施例のジッタの線
記録密度依存性、及び、線記録密度0.267μm/b
itでの繰返し記録に伴うジッタの変化をそれぞれ示
す。記録再生波長は635nm、記録再生線速は3.5
m/sである。図3(a)には比較例として、第2保護
層の導電率が0.1Ω・cmの場合のジッタの線記録密
度依存性を示す。第2保護層の抵抗率を低抵抗化するこ
とは、特に、高記録密度での記録特性に好ましい影響を
与え、0.267μm/bitという高記録密度で1万
回程度の安定した繰返し記録回数が確保される。図3
(c)は本実施例のジッタの記録線速依存性を示す。高
記録線速での記録特性が改善され、より広いパワーマー
ジンが得られる。
【0020】請求項5記載の光記録媒体に対応する一実
施例では、上記請求項4に記載の光記録媒体に対応する
一実施例において、絶縁断熱層の材料が化学量論組成又
は酸素過剰のIn−Oに変更される。この場合、絶縁断
熱層と第1保護層との密着性は良好で、繰返し記録に伴
う熱衝撃により剥離することは無い。そして、絶縁断熱
層と第1保護層との屈折率差はほとんど無いので、この
界面での光反射は生じず、光学的干渉効果を損なわずに
絶縁断熱層を付加することも可能と成る。また、この実
施例での絶縁断熱層と第1保護層をスパッタ法で生産す
る場合、両者とも金属Inをターゲットとする酸素雰囲
気中反応性スパッタ法で形成可能であり、同一の真空槽
で連続的に薄膜形成を行なうことが出来る。即ち、絶縁
断熱層を形成する場合に酸素を十分に供給する場合に
は、化学量論組成または酸素過剰のInO膜となり、抵
抗率0.01Ω・cm以上の絶縁断熱層が形成され、次
に成膜を中断すること無く酸素流量を適量に減少させる
だけで、抵抗率が10-4Ω・cm台の透明導電膜が形成
される。これは生産性の向上に寄与する。
【0021】請求項6記載の光記録媒体に対応する実施
例では、請求項5記載の光記録媒体に対応する実施例に
おいて、絶縁断熱層にZn、MgまたはSiを添加す
る。この添加元素は絶縁断熱層の高抵抗化の維持に寄与
し、記録感度が安定化する。
【0022】請求項7記載の光記録媒体の一実施例で
は、上記請求項4記載の光記録媒体に対応する一実施例
において、絶縁断熱層の材料が化学量論組成または酸素
過剰のZn−Oに、第1保護層の材料がZn−Oまたは
Zn−Al−Oに変更される。この場合、絶縁断熱層と
第1保護層との密着性も良好で、繰返し記録に伴う熱衝
撃により剥離することは無い。また、請求項5記載の光
記録媒体に対応する実施例の場合と同様の生産性の向上
の効果がある。
【0023】請求項8記載の光記録媒体に対応する実施
例では、請求項7記載の光記録媒体に対応する実施例に
おいて、絶縁断熱層にSiを添加する。この添加元素は
絶縁断熱層の高抵抗化の維持に寄与し、記録感度が安定
化する。
【0024】図4は請求項9記載の光記録媒体に対応す
る一実施例の断面の一部を示す概念図である。図示され
ない案内溝を有するポリカーボネート基板上1にSiO
2から成る基板保護層90があり、この基板保護層90
上にZn−Oから成る第1保護層10がある。そして、
この第1保護層上にZnS−SiO2から成る絶縁断熱
層80がある。Ag−In−Sb−Te記録層20が絶
縁断熱層80上にあり、記録層20上にZnS−SiO
2から成る第2保護層30がある。この第2保護層30
上にAuからなる反射放熱層40がある。各層の膜厚で
あるが、基板保護層90:40nm、第1保護層10:
80nm、絶縁断熱層80:15nm、記録層20:2
0nm、第2保護層30:20nm、反射放熱層40:
100nmである。成膜装置はスパッタ装置で、Zn−
Oから成る第1保護層10は金属Znをターゲットとし
て、Ar+O2を導入ガスとする反応性スパッタ法によ
り形成可能である。Zn−O膜の抵抗率は1×10-3Ω
・cmである。なお、図は概念図であり、各層の膜厚を
正確には反映していない。また、反射放熱層40の上に
UV硬化樹脂から成る環境保護層60が付加されてい
る。基板保護層は第1保護層の膜厚が薄い場合に特に有
効である。
【0025】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば、第1には、ジッタ等の信号
品質に優れ、かつ、繰返し記録特性に優れる光記録媒体
が提供され、第2に感度が向上し、第3に生産性が向上
し、第4に感度が安定化し、第5に、記録感度が安定化
され、第6に、記録線速マージンが拡大するという極め
て優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の1例を示す概念図であ
る。
【図2】本発明の光記録媒体の別の1例を示す概念図で
ある。
【図3】図3に示される光記録媒体の記録特性を示す図
であり、図3(a)はジッタの同光記録媒体の線記録密
度依存性を示す図であり、図3(b)は同光記録媒体の
線記録密度0.267μm/bitでの繰返し記録に伴
うジッタの変化を示す図であり、図3(c)は、同光記
録媒体の線記録密度0.267μm/bitでの初期記
録線速マージンを示す図である。
【図4】本発明の光記録媒体のさらに別の1例を示す概
念図である。
【符号の説明】
1 基板 10 第1保護層 20 記録層 30 第2保護層 40 反射放熱層 60 環境保護層 80 絶縁断熱層 90 基板保護層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の第1保護層、該第1保護層上の
    記録層、該記録層上の第2保護層、該第2保護層上の反
    射放熱層とを有する光記録媒体において、該第1保護層
    の抵抗率が3×10-3Ω・cm以下とすることを特徴と
    する光記録媒体。
  2. 【請求項2】 第1保護層をIn−Sn−Oとすること
    を特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 第1保護層をZn−Al−Oとすること
    を特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 第1保護層と記録層との間に抵抗率が
    0.01Ω・cm以上の絶縁断熱層を付加することを特
    徴とする請求項1、2又は3に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 第1保護層をIn−OまたはIn−Sn
    −Oとし、第1保護層と記録層との間に抵抗率が0.0
    1Ω・cm以上で、化学量論組成もしくは酸素過剰のI
    n−O膜からの絶縁断熱層が付加されたことを特徴とす
    る請求項1に記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 絶縁断熱層がZn、Mg又はSiを含有
    することを特徴とする請求項4又は5に記載の光記録媒
    体。
  7. 【請求項7】 第1保護層をZn−OまたはZn−Al
    −Oとし、第1保護層と記録層との間に抵抗率が0.0
    1Ω・cm以上で、該絶縁断熱層を化学量論組成もしく
    は酸素過剰のZn−O膜からの絶縁断熱層が付加された
    ことを特徴とする請求項1、3又は4のいずれか1に記
    載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 絶縁断熱層がSiを含有することを特徴
    とする請求項7に記載の光記録媒体。
  9. 【請求項9】 基板と第1保護層との間に抵抗率が0.
    01Ω・cm以上の基板保護層を付加することを特徴と
    する請求項1〜8のいずれか1に記載の光記録媒体。
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