JPH11184998A - カード識別方式 - Google Patents

カード識別方式

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JPH11184998A
JPH11184998A JP9356631A JP35663197A JPH11184998A JP H11184998 A JPH11184998 A JP H11184998A JP 9356631 A JP9356631 A JP 9356631A JP 35663197 A JP35663197 A JP 35663197A JP H11184998 A JPH11184998 A JP H11184998A
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card
atr
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JP9356631A
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Kazuto Ono
一人 小野
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Citizen Watch Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ATR動作機能を有するカードを、この機能
を必要としない応用システムに適応させるためには、カ
ードに搭載されるICを新たに製作しなければならなか
った。 【解決手段】 カード2はATR返信手段15の機能を
停止させるために、ATR停止手段16を有しており、
ICの外部入力端子の入力設定状態、またはフラグ領域
17のフラグビット設定状態により、ATR停止信号S
16を選択的に出力させ、ATR動作機能の実行および
停止を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁誘導により電
力の供給および通信を行なうカードとリーダライタから
成るカード識別方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のカード識別方式では、リ
ーダライタから電力の供給が行われ、カードはこの電力
の受信開始を検出することにより、カード内部に設定さ
れている所定の内容をリーダライタに返信するものであ
った。これは例えば特公平6−52879号公報、ある
いは特開昭62−287389号公報に明示されてお
り、以下図6の機能ブロック線図を基に概要を説明す
る。
【0003】図6において、リーダライタ1とカード2
とは、各々のコイルL1、L2を介在して電磁誘導によ
り電力の供給および通信を行なう。このカード2は、リ
ーダライタ1から電力の供給を受けながら、リードコマ
ンドもしくはライトコマンドを受信するとともに、コマ
ンド実行後にリーダライタ1に対して各コマンドに応じ
たデータの返信を行なうように構成されており、コイル
L2を制御してリーダライタ1との通信を司るととも
に、制御手段4との間で送信信号および受信信号の入出
力を行なう通信手段3、この通信手段3からの受信信号
の中からコマンドコード、IDコードおよび書き込みデ
ータを識別すると同時にそれらを受信データとして出力
する一方、送信データから送信信号を生成するととも
に、初期化の際にはメモリー9から指定された領域の内
容を送信データとして自発的に読み出す制御手段4、コ
マンドコードとしてリードコマンドを検出するリードコ
マンド検出手段5、同様にライトコマンドを検出するラ
イトコマンド検出手段7、メモリー9のうち特定領域1
0からの読み出し動作を行なうリード実行手段6、同様
に書き込み動作を行なうライト実行手段8、受信したI
Dコードを一時的に記憶するIDコード一時記憶手段1
2と、メモリー9のうちID情報を記憶しているID領
域11の各内容を照合する照合手段13、リーダライタ
1から供給される電力の受信開始を検出し、パワーオン
リセット信号を出力してカード2内部の各回路を初期化
させる電力検出手段14、このパワーオンリセット信号
による初期化の際、メモリ9のID領域11を指定する
ATR返信手段15から構成されている。なお、リーダ
ライタ1からの電力を受信した際、これを平滑して各回
路へ電源供給するなどのカード2内部の電源制御に関す
る手段については、本発明に直接関係しないので説明は
省略する。
【0004】まず始めに、リーダライタ1から電力供給
が開始されるか、もしくは電力供給中にカード2が電力
受信可能な通信エリア内に入ってくると、電力検出手段
14は、リーダライタ1から供給された電力を、コイル
L2および通信手段3を通して電力信号S13として検
出する。この電力検出手段14は電力信号S13の入力
開始をトリガーとして、所定の期間のみパワーオンリセ
ット信号S14を出力するように構成されており、この
時カード2内部の各回路を初期化する。以降リーダーラ
イタ1からの電力供給が遮断され、再度電力供給を受け
始めることでパワーオンリセット信号S14が出力さ
れ、その都度各回路の初期化が行われることになる。A
TR返信手段15では、この初期化の際、ID読み出し
検出信号S15が出力されるようになっており、メモリ
ー9のID領域11を指定する。一方、制御部4では初
期化により、まずメモリー9からの読み出しが行われ、
この時指定されている内容、すなわちID領域の内容を
送信データS5により読み出すとともに、これをIDコ
ードとしてリーダライタ1に対して返信する。なお、こ
のメモリー9の内容の読み出しおよびリーダライタ1に
対する返信の各動作については、リードコマンドによる
読み出し動作と同じであり後に詳述されているため、こ
こでは概要説明にとどめるが以上の一連の動作、すなわ
ちリーダライタ1から供給される電力の受信開始の検出
から、IDコードを返信するまでの動作をアンサー・ト
ゥ・リセット動作と言い、以下ATR動作と略記する。
またこの時返信されるIDコードをATRコードとも言
う。ATR動作により、リーダライタ1はカード2のI
Dコードを取得した後、カード2に対してリードコマン
ドおよびライトコマンドを送信して、メモリー9の読み
出しないしは書き込みの動作に移ることになる。
【0005】まず、リーダライタ1からの送信が行われ
ると、カード2では通信手段4によりこれを受信し受信
信号S1として制御手段4に送られる。制御手段4では
受信信号S1の中からコマンドコードを識別し、コマン
ド識別信号S3を出力すると同時にコマンドコードを受
信データS4として出力する。リードコマンド検出手段
5およびライトコマンド検出手段7では、制御手段4か
らのコマンド識別信号S3を受けることにより受信デー
タS4をコマンドコードとして取り込み、それぞれ所定
のコードと合致している場合には、リード検出信号S6
またはライト検出信号S8としてどちらか一方の信号が
出力されることになる。この時、受信信号S1はコマン
ドコードにつづきATR動作で取得したIDコードが入
力されており、制御手段4では受信データS4としてI
Dコードを出力することになる。一般的に、受信データ
S4および後述する送信データS5はデータバスであ
り、個々に異なったデータが時分割で入出力されるもの
である。IDコード一時記憶手段12では、リード検出
信号S6またはライト検出信号S8のいずれかが入力さ
れると、受信データS4を取り込みIDコードとして記
憶する。同時に、照合手段13では、IDコード一時記
憶手段12からのIDコード信号S10を受けて、メモ
リー9の中のID領域11にあらかじめ記憶されている
内容をID情報信号S11として読み出し、このID情
報信号S11と前述のIDコード信号S10との比較照
合を行ない、両者が一致している場合には一致信号S1
2を出力する。
【0006】一致信号S12が出力状態にある場合、す
なわちリーダライタ1からの各コマンドに付随して送信
されてきたIDコードと、あらかじめ記憶されている自
身のID情報とが一致している場合、リード検出信号S
6またはライト検出信号S8の出力に応じて、リード実
行手段6またはライト実行手段8が動作を開始する。例
えば、ライト検出信号S8が出力された場合には、ライ
ト実行手段8は書き込み制御信号S9を出力して書き込
み動作を実行し、メモリー9の特定領域10に受信デー
タS4を入力して内容を記憶するように制御する。な
お、受信信号S1はIDコードにつづき書き込みデータ
が入力されており、受信データS4として書き込みデー
タが出力されているものとする。一方、リード検出信号
S6が出力された場合には、リード実行手段6は読み出
し制御信号S7を出力して読み出し動作を実行し、メモ
リー9の特定領域10の記憶内容を送信データS5とし
て出力させるように制御する。送信データS5は、制御
手段4により送信信号S2として出力され、通信手段3
を通してリーダライタ1に返信される。
【0007】ここで、前述の一致信号S12が出力され
なかった場合、すなわちリーダライタ1からの各コマン
ドに付随して送信されてきたIDコードと、あらかじめ
記憶されている自身のID情報とが不一致である場合、
リード実行手段6およびライト実行手段8はいずれも動
作することなく、メモリー9の特定領域10に対するデ
ータの読み出しおよび書き込みは実行されない。このよ
うに、リードコマンドあるいはライトコマンドが送信さ
れる毎にIDコードの照合が行なわれ、あらかじめ記憶
されている自身のID情報とが一致した場合にのみ、各
コマンドに応じた読み出しあるいは書き込みの動作が実
行されることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の項で説明
したように、カード2のメモリー9に対するデータの読
み出しまたは書き込みを実行する際には、その都度ID
コードを受信して照合が行なわれるように構成されてお
り、このIDコードは、各コマンドの実行に先立ち、リ
ーダライタ1からの電力供給を検出した際に行われるA
TR動作により、リーダライタ1がカード2から取得す
るものであるが、このことはリーダライタ1が、読み出
しまたは書き込みを実行すべきカードのIDコードが事
前に判明していないような応用システムに適応するもの
であり、その場合にはATR動作によるIDコードの取
得は有効な手段と言える。一方、別の応用システムとし
て、カードのIDコードが事前に分かっており、そのI
Dコードを有するカードに対してのみ読み出しまたは書
き込みを実行したいような場合には、目的とするカード
以外のIDコードは不要であり、ATR動作によるID
コードの取得は必要ない。このような応用システムに対
しては、ATR動作によるIDコードの返信時間が無駄
に浪費されるだけであるため、ATR動作機能を有して
いないカードを用いる必要があり、例えばATR動作機
能を持つICから、同機能を削除したICを新たに製作
するなどして対応することになる。
【0009】本発明の目的は、以上のような問題点を解
決し、どのような応用システムに対しても柔軟に対応で
きるカード識別方式を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、電磁誘導により電力の供給および通
信を行なうリーダライタとカードであって、該カードに
おいては、メモリーを内蔵するとともに、前記リーダラ
イタからのリードコマンドおよびライトコマンドにより
前記メモリーの特定領域に対してデータの読み出しおよ
び書き込みを行なうリード/ライト実行手段と、前記リ
ーダライタからのIDコードとあらかじめ記憶されてい
る自身のID情報との照合を行なう照合手段と、前記リ
ーダライタから供給される電力の受信開始を検出して前
記ID情報含む所定の内容をATRコードとして返信す
るATR返信手段とを有するカード識別方式において、
前記カードは前記ATR返信手段の機能を停止させ前記
ATRコードの返信を行なわないように制御するATR
停止手段を有することを特徴とする。
【0011】カードの前記ATR停止手段として、カー
ドに搭載されたICの外部入力端子の入力設定状態によ
るものであることを特徴とする。
【0012】カードの前記ATR停止手段として、カー
ドに内蔵されたメモリーのフラグビット設定状態による
ものであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明を表す機能ブロッ
ク線図である。図1の中の機能ブロックおよび信号線に
付けられた番号のうち、図6と同じ番号のものは従来の
技術で説明したものと同一の機能を有している。ここ
で、カード2としてATR停止手段16を設け、リーダ
ライタ1からの電力供給を検出した際、ATR動作の実
行または停止を選択的に指定するよう構成されている。
また、図2はATR停止手段16の具体的な構成を示す
回路図である。
【0014】まず、カード2は、リーダライタ1からの
供給電力の受信を開始すると、電力検出手段14はこれ
を検出し、電力信号S13の入力をトリガーとしてパワ
ーオンリセット信号S14を出力して、カード2内部の
各回路を初期化する。この時、ATR停止手段16から
ATR停止信号S16が出力されていない場合、ATR
返信手段15ではID読み出し検出信号S15が出力さ
れ、メモリー9のID領域11を指定し、制御部4では
指定されているメモリー9の内容、すなわちIDコード
を読み出してリーダライタ1への返信が行われ、一連の
ATR動作が実行されることになる。一方、ATR停止
手段16からのATR停止信号S16が出力されている
場合には、ATR返信手段15は、パワーオンリセット
信号S14を入力してもID読み出し検出信号S15の
出力を行わなず、また、制御部4ではATR停止信号S
16が入力されていることを検出すると、パワーオンリ
セット信号S14による初期化時にメモリー9の内容の
読み出すことなく、リーダライタ1への返信動作も行わ
ないまま、直ちにコマンド受信待機状態へと移行して、
リードコマンドおよびライトコマンドによるメモリー9
の読み出しないしは書き込みの各動作が実行可能な状態
に移ることになる。
【0015】ここで、ATR停止手段16の具体的な回
路構成および実現方法について図2を用いて説明する。
図2(a)はカード2に搭載されているICの外部入力
端子の入力レベル設定選択によりATR停止手段16を
実現するための具体的な回路図である。19はICの外
部入力端子であり、図には明示していないが他のいくつ
かの外部端子とともに回路基板上に接続されており、接
続選択スイッチ18を介して回路基板のグランドと接続
することができる。また、この外部入力端子19は、I
C内部で抵抗20によりVCCにプルアップ接続されて
おり、接続選択スイッチ18の接続状態に応じたレベル
の信号がATR停止信号S16としてIC内部の対応す
る回路に入力される。ここで接続選択スイッチ18がオ
ン、すなわち接続状態にある場合、外部入力端子19は
グランドに接続されるため“L”レベルとなり、ATR
停止信号S16は無効、すなわち出力されていない状態
とみなされる。また、接続選択スイッチ18がオフ、す
なわち開放状態にある場合、外部入力端子19は抵抗2
0によりVCCにプルアップ接続されて“H”レベルと
なり、ATR停止信号S16が有効となり出力状態にな
る。このように、接続選択スイッチ18の接続状態に応
じてATR停止信号S16の出力および非出力を選択す
ることができる。接続選択スイッチ18は、例えば回路
基板の配線パターンの半田によるショートの有無により
接続もしくは開放を選択できるため、ICを回路基板に
実装する工程で両者いずれかを指定することが可能とな
る。
【0016】図2(b)は他の構成によるATR停止手
段16の実現方法を表わした機能ブロック線図である。
まず、メモリー9の中にフラグ領域17を設けておき、
このフラグ領域17のフラグビットの“0”または
“1”の各状態に応じて、ATR動作の実行および停止
が指定できるように制御する。例えば、ATR動作を停
止させる場合にはこのフラグ領域17のフラグビットを
“1”にセットし、ATR動作を実行させる場合には同
様に“0”にセットしておく。フラグ検出手段21は、
このフラグ領域17のフラグ設定内容としてビットの
“1”または“0”をフラグ検出信号S17として読み
出し、その内容に応じてATR停止信号S16が出力さ
れることになる。この制御の流れについて図3のフロー
チャートを用いて説明する。まずカード2は、ステップ
100でリーダライタ1からの供給電力の受信を開始す
ると、ステップ101ではこれを検出してパワーオンリ
セット信号を出力して各回路の初期化が行われる。次に
ステップ102においてメモリー9のフラグ領域17の
内容が読み出され、ステップ103でそのビットの状
態、すなわちATR停止フラグの設定状態を判定し、
“0”であった場合には、ATR動作を実行させるため
にステップ104へと進みID領域の内容を読み出した
後、ステップ105でATRコードの返信が行われ、そ
の後ステップ106へと進む。一方、ATR停止フラグ
の設定状態が“1”であった場合には、ATR動作は停
止され、ステップ104およびステップ105によるA
TRコードの返信がないままステップ106へ進み、リ
ードコマンドの実行およびステップ107でのライトコ
マンドの実行後、ステップ108で電力の受信が完了す
る。このように、メモリー9のフラグ領域17のフラグ
ビット設定状態によりATR動作の実行および停止を選
択することができるため、このフラグ領域17に対し
て、ライトコマンド等によりリーダライタ1からの書き
込みを行うようにすれば、カード組み立て後でもATR
動作の実行、停止を指定でき、カードの機能としてのA
TR動作機能の有無選択が可能となる。
【0017】以上述べてきた図1の機能ブロック線図に
基づく本発明によるカード識別方式の動作を、ATR動
作機能の有無の各々に適応した応用システムとして具体
的な例をあげ、わかりやすく説明する。まず、図4にお
いて応用システムの一つである書籍の検索に適用した場
合を例にとる。このシステムは例えば図書館などにおい
て書棚に並んだ多数の蔵書の中から特定の書籍をすばや
く捜し出すときに用いられる。各書籍はその背表紙にカ
ード2が各々1つずつ取り付けられた状態で書棚に整然
と並べられており、同時にこのカードには各カード毎に
全て異なるIDコードが記憶されているものとする。合
わせてこのIDコードは各書籍と1対1で対応付けられ
パソコンないしは台帳で管理されているものとする。な
おカード2には、IDコードのほかに必要に応じて書籍
の購入日や金額のデータ、貸し出した日付けや回数等の
履歴データをメモリー9の特定領域10に記憶させてお
いてもよい。また、ここで用いられるカード2は、AT
R動作機能が働かないように設定されているものであ
り、リーダライタ1から供給される電力の受信開始を検
出しても、IDコードの返信は行われない。一方リーダ
ライタ1には、IDコード入力スイッチ1aが設けられ
ており、このスイッチの入力状態に応じて検索すべきI
Dコードが指定されるようになっている。図4(a)は
書籍の検索時の様子を表わしており、当該書籍のIDコ
ードをリーダライタ1に内蔵されたアンテナコイルL1
から連続的に送信しながら、各書籍に取り付けられたカ
ードの上を順次走査していくものとする。確認ランプ1
bは、IDコードの照合結果に基づくカード2からの返
信の有無をLED等で確認できるようにしたものであ
り、前記リーダライタ1が目的とする書籍にきたところ
で点灯するようになっている。図4(b)は、図4
(a)におけるリーダライタ1を位置X1、X2、X3
の順に動かしながら、各カードを順次走査している様子
を示すとともに、アンテナコイルL1の通信エリアと、
2a、2b、2cの各カードとの位置関係を表わしてい
る。
【0018】検索を始めようとする場合には、まず検索
すべき書籍に対して与えられたIDコードをパソコンな
いしは台帳等の管理資料から捜し出した後、リーダライ
タ1のIDコード入力スイッチ1aを操作してIDコー
ドの設定を行なう。リーダライタ1ではIDコード入力
スイッチ1aの設定状態により、対象となるIDコード
を取得する。リーダライタ1ではこの他にカード2に対
する処理内容の指示およびその処理内容によっては送信
データの指定等を行なうが、わかりやすく説明するため
に本システムでは単にIDコードの照合を行ない一致し
ていればその旨返信を行なうだけのコマンドを用いるも
のとし、リーダライタ1からはIDコードを含めてコマ
ンドブロックとしての送信が行われる。リーダライタ1
からのコマンドブロック送信に対し、カード2からの返
信データがない場合、即ちリーダライタ1との通信エリ
ア内にカード2が存在しない場合もしくは通信エリア内
にあってもカード2での照合結果が不一致であり返信が
行なわれない場合には、前記リーダライタ1からは、再
度、前回と同じコマンドブロックの送信が行なわれ以降
これを繰り返す。当該カードが通信エリアに入り、返信
データを受信すると、リーダライタ1はこれを検知し確
認ランプ1bを点灯させて当該カードの検索が行なわれ
たことを知らせる。
【0019】カード2のうち通信エリア内にあるもの
は、リーダライタ1からのコマンドブロックを受信し
て、IDコードをIDコード一時記憶手段12に保持
し、この内容とメモリー9にあらかじめ記憶されている
自身のIDコードの内容とを照合手段13において照合
を行なう。照合結果が一致している場合には、リーダラ
イタ1に対してその旨返信を行なうが、不一致の場合に
は一切の返信動作は行なわない。なお、リーダライタ1
からのコマンドブロックとして照合動作のみを行なうよ
うにコマンドコードが指定されていることから、制御手
段4では、照合結果に応じた返信または無返信の処理を
行なった後、コマンドブロックの受信待機状態に移行す
るとともに、通信エリアより外れリーダライタ1から供
給される電力の受信が途絶えるまで上記動作を繰り返
す。
【0020】今、ある人がリーダライタ1のIDコード
入力スイッチの操作を終え、検索すべきIDコードを含
むコマンドブロックを連続的に送信している状態で、こ
のリーダライタ1を書棚の端にある書籍に取り付けられ
たカード2aに近付けたとすると、リーダライタ1は図
4(b)のX1の位置にあり、このとき通信エリア内に
はカード2aのみが存在している。カード2aに記憶さ
れているIDコードは、検索すべきIDコードと異なっ
ているものとすると、このカード2aからの返信は無
く、確認ランプ1bも点灯しないため、リーダライタ1
を矢印の方向へと移動させていく。X2の位置におい
て、カード2aがまだ通信エリア内にある状態で、隣の
書籍に取り付けられているカード2bが同通信エリア内
に入ってくる。このカード2bもまた、検索すべきID
コードと異なるIDコードが記憶されているものとする
と同様に返信は行なわれず、リーダライタ1では何も受
信されない。さらに移動してX3の位置にくると、今度
はカード2cが通信エリア内に入ってくる。このカード
2cが取り付けられた書籍が検索すべきものであったと
すると、カード2cに記憶されたIDコードと送信され
たIDコードとの照合結果が一致し、このカード2cか
らの返信が行なわれることになる。この時、カード2a
は既に通信エリアから外れており、一方カード2bは同
エリア内にあるもののIDコードが異なっているため返
信は行なわず、結果としてリーダライタ1では当該カー
ド2cからの返信データのみ受信するため確認ランプ1
bが点灯する。以上のようにして検索が完了することに
なる。なお、図4(b)では、通信エリア内に同時に存
在するカードの数を説明の都合上2つとしてあるが、検
索すべきIDコードが記憶されたカードは1つであり同
時に複数のカードが返信動作を行なうことによる混信は
発生しないため、2つより多くてもなんら問題はない。
【0021】次の応用例として、別のシステムに適用し
たものについて説明する。まず図5においてこのシステ
ムは、特定の敷地、建物あるいは室内へのゲート入退場
管理で使用されるものとする。ゲートAにはリーダライ
タ1が組み込まれておりカード2との通信を行なうほか
に、ドアの開閉や必要に応じて入退場者への情報表示、
音声アナウンス等を行なう機能を有していてもよい。カ
ード2は入退場者が腕などに装着して携行しており、ゲ
ートA通過時にアンテナコイルL1にかざして通信を行
ない、メモリーの記憶内容を読み出して入退場の可否判
定を受けるものであり、そのコードの内容により通過で
きるゲートが限られるものとする。説明をわかりやすく
するために、本システムでは入場時において上記のよう
な通過制限を行ない、退場時は無条件に通過させるもの
とする。また、入場管理の対象を入場者の所属部門と
し、入場可能な所属部門の識別用のコードが、各ゲート
毎にあらかじめ設定されているものとする。カード2の
IDコードとしては各カード毎に全て異なるIDコード
が記憶されており個人識別用として用いられる。またメ
モリー9の特定領域10には所属部門の識別コードが記
憶されており、リードコマンドにより読み出されリーダ
ライタ1に返信されるものとする。また、ここで用いら
れるカードは、ATR動作機能が働くように設定されて
いるものであり、リーダライタ1から供給される電力の
受信開始を検出すると、IDコードの返信が行われるも
のである。
【0022】今、アンテナコイルL1から連続的に電力
が送信されているゲートAの通信エリア内に、カード2
fを携行している人とカード2gを携行している人がそ
ろって入ってきたとする。カード2fはアンテナコイル
L1の近傍に位置し、またこのゲートAでの入場を許可
する所属部門識別コードが記憶されているものとし、カ
ード2gはカード2fに比べアンテナコイルL1からは
若干遠方を通過し、かつこのゲートAには該当しない別
の所属部門識別コードが記憶されているものとすると、
まず始めにカード2fがアンテナコイルL1からの電力
の受信を開始し、その際ATR動作機能により自信の識
別コードであるIDコードの返信を行う。続いてカード
2gからも同様にIDコードが返信され、その結果、ゲ
ートAはカード2fおよびカード2g両者のIDコード
を取得することになり、以降のコマンドを実行する際に
はこのIDコードを付加することで、各カードを識別す
ることが可能となる。すなわち、カード2fに対して対
応するIDコードとともにリードコマンドを送信して所
属部門識別コードを読み出し、またカード2gに対して
も同様にして所属部門識別コードの読み出しを行うが、
個々のカードに対してコマンドを実行しているときに
は、IDコードの異なる他方のカードは返信動作が行わ
れないため、対象となるIDコードを有するカードとの
間でのみ通信が成り立つことで各カードの識別を行える
ことになる。ここではカード2fの所属部門識別コード
により入場が許可されるためドアを開放する。
【0023】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
請求項1によれば、ATR停止手段を有しており、対象
となるIDコードが既に判明しているような場合には、
ATR動作を停止してATRコードの返信を行わないよ
うにすることができるためにリーダライタとの通信時間
が短縮され、また本発明の請求項2によれば、ATR停
止手段としてICの外部入力端子の設定状態により選択
的にATR動作機能の有無を決定できることから、上記
2つの具体例で示したような応用システムのそれぞれに
適したカードを1つのICで実現可能となるためコスト
ダウンが期待でき、さらに本発明の請求項3によれば、
カード内部のメモリーのフラグ領域設定状態をATR停
止手段として機能させていることから、カード組み立て
完成後であっても、前記フラグ領域にリーダライタから
書き込みを行って設定状態を書き換えることができるた
め、途中で他の応用システムに適したカードに機能仕様
の変更が可能となるなど、柔軟性をも兼ね備えた安価で
高性能のカードを実現させるカード識別方式として大き
な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を表す機能ブロック
線図である。
【図2】図1で示された構成のうち、ATR停止手段の
具体的な構成図である。
【図3】図1で示された構成のうち、ATR停止手段の
動作を中心とした流れを表わすフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態で説明した応用システムに
基づく、実際の使用状態を説明した図である。
【図5】本発明の実施の形態で説明した他の応用システ
ムに基づく、実際の使用状態を説明した図である。
【図6】従来の技術の構成を表す機能ブロック線図であ
る。
【符号の説明】
1 リーダライタ 2 カード 9 メモリー 10 特定領域 11 ID領域 12 IDコード一時記憶手段 13 照合手段 14 電力検出手段 15 ATR返信手段 16 ATR停止手段 17 フラグ領域 21 フラグ検出手段 S13 電力信号 S14 パワーオンリセット信号 S15 ID読み出し検出信号 S16 ATR停止信号 S17 フラグ検出信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁誘導により電力の供給および通信を
    行なうリーダライタとカードであって、該カードにおい
    ては、メモリーを内蔵するとともに、前記リーダライタ
    からのリードコマンドおよびライトコマンドにより前記
    メモリーの特定領域に対してデータの読み出しおよび書
    き込みを行なうリード/ライト実行手段と、前記リーダ
    ライタからのIDコードとあらかじめ記憶されている自
    身のID情報との照合を行なう照合手段と、前記リーダ
    ライタから供給される電力の受信開始を検出して前記I
    D情報含む所定の内容をATRコードとして返信するA
    TR返信手段とを有するカード識別方式において、前記
    カードは前記ATR返信手段の機能を停止させ前記AT
    Rコードの返信を行なわないように制御するATR停止
    手段を有することを特徴としたカード識別方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカード識別方式におい
    て、前記ATR停止手段として、前記カードに搭載され
    たICの外部入力端子の入力設定状態によるものである
    ことを特徴としたカード識別方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のカード識別方式におい
    て、前記ATR停止手段として、前記カードに内蔵され
    たメモリーのフラグビット設定状態によるものであるこ
    とを特徴としたカード識別方式。
JP9356631A 1997-12-25 1997-12-25 カード識別方式 Pending JPH11184998A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007538296A (ja) * 2004-04-14 2007-12-27 松下電器産業株式会社 非接触カード

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JP2007538296A (ja) * 2004-04-14 2007-12-27 松下電器産業株式会社 非接触カード

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