JPH11183849A - 可変空間フィルタおよび撮像装置 - Google Patents

可変空間フィルタおよび撮像装置

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JPH11183849A
JPH11183849A JP9351401A JP35140197A JPH11183849A JP H11183849 A JPH11183849 A JP H11183849A JP 9351401 A JP9351401 A JP 9351401A JP 35140197 A JP35140197 A JP 35140197A JP H11183849 A JPH11183849 A JP H11183849A
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JP
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angular displacement
lever
spatial filter
variable spatial
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JP9351401A
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English (en)
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Masayuki Nishikawa
昌之 西川
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変空間フィルタを小型化する。 【解決手段】 可変空間フィルタ24は、複数の複屈折
板33〜35がレンズ群23の光軸22上に並べて配置
され、かつ1枚の複屈折板33を角変位させる空間フィ
ルタ駆動手段36を有する。空間周波数特性を切換える
場合、空間フィルタ駆動手段36内では、予め定める第
2角変位位置にあり1枚の複屈折板33が取付けられた
円環状の支持部材は、一端部に設けられた突起が支持部
材に形成された案内孔に嵌め込まれるレバーの光軸22
に平行な角変位軸線まわりの角変位に連動して、光軸2
2を中心に角変位する。支持部材が予め定める第1角変
位位置になると、板ばねと規制部材とによって支持部材
は位置決めされる。これによって、簡単な構造の空間フ
ィルタ駆動手段36によって、短時間で空間周波数特性
を切換えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、空間周波数特性が
切換え可能な可変空間フィルタ、および生成する画像の
解像度を切換えることができる撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、撮像装置の撮像素子として、
いわゆるCCDイメージセンサ等の固体撮像素子が用い
られている。固体撮像素子を用いる撮像装置は、複数の
撮像モードを有することがある。撮像装置が各撮像モー
ドで動作する場合に生成する出力画像の解像度は、撮像
モード毎に異なる。前記撮像装置では、出力画像の解像
度に応じて撮像素子に入射する光の空間周波数成分を制
限するために、レンズ系から撮像素子までの光路中にい
わゆる光学的ローパスフィルタが配置され、光学的ロー
パスフィルタの空間周波数の通過帯域、すなわち空間周
波数特性が、撮像モードの切換えとともに変更される。
【0003】図16は、第1の従来技術の撮像装置であ
る特開平3−226078号公報のビデオカメラに備え
られる切換え式ローパスフィルタ1の簡略的な構造を表
す図である。前記ビデオカメラは、白黒画像およびカラ
ー画像のどちらを出力画像として出力するか、またはい
わゆるイメージシフトを用いるか否かを選択可能であ
り、この選択結果に応じて出力画像の解像度が変更され
る。切換え式ローパスフィルタ1は、カットオフ周波数
が相互に異なる2枚の平板状の光学的ローパスフィルタ
2,3を支持枠体4によって並列に並べた状態で保持し
て構成される。切換え式ローパスフィルタ1は、各光学
的ローパスフィルタ2,3がレンズ6と撮像素子7との
間の光路8に垂直に並ぶように、前記ビデオカメラ内に
配置される。かつ、切換え式ローパスフィルタ1は、光
路8に2枚の光学的ローパスフィルタのいずれか一方を
挿入するために、支持枠体4が2枚の光学的ローパスフ
ィルタ2,3を支持したまま、光路8に垂直な方向9へ
の平行移動が可能である。
【0004】出力画像としてカラー画像が選ばれる場合
およびイメージシフトが用いられない場合、白黒画像が
選ばれる場合およびイメージシフトを用いる場合より
も、出力画像の解像度が低くなる。ゆえに、切換え式ロ
ーパスフィルタ1は、2枚の光学的ローパスフィルタ
2,3のうちでカットオフ周波数が低いほうのものを光
路8に挿入する。出力画像として白黒画像が選ばれる場
合およびイメージシフトが用いられる場合、切換え式ロ
ーパスフィルタ1は、2枚の光学的ローパスフィルタ
2,3のうちでカットオフ周波数が高いほうのものを光
路8に挿入する。
【0005】前記切換え式ローパスフィルタ1は、カッ
トオフ周波数、すなわち空間周波数特性を変更するため
に、複数の光学的ローパスフィルタを備えるので、空間
周波数特性を変更しない光学的ローパスフィルタよりも
部品点数が多く製造コストを低減しにくい。また、前記
ビデオカメラは、その内部に2枚の光学的ローパスフィ
ルタのうちで光路8から退避したほうの光学的ローパス
フィルタを配置する空間が必要であり、かつ切換え式ロ
ーパスフィルタ1の部品点数が多いので、空間周波数特
性を変更させない撮像装置よりも大きくなり易い。ま
た、単価の高い光学的ローパスフィルタが複数枚必要な
ので、製造コストが増加しやすい。さらに、出力画像が
白黒画像からカラー画像に変更される場合およびその逆
の場合、ならびにイメージシフトを用いるか否かを変更
した場合、まず2枚の光学的ローパスフィルタのうちで
変更した時点で光路8に挿入されているいずれか一方の
光学的ローパスフィルタを光路8から退避させ、次いで
2枚の光学的ローパスフィルタのうちのいずれか他方の
光学的ローパスフィルタを光路8に挿入する。ゆえに、
光学的ローパスフィルタ2,3の切換えに手間がかかる
ので、光学的ローパスフィルタ2,3の交換に要する時
間が長くなり易い。
【0006】生成する出力画像の解像度を予め定める2
種類の解像度のうちから選択可能な第2の従来技術の撮
像装置として、第1の従来技術のビデオカメラよりも光
学的ローパスフィルタの枚数を減少させかつ光学的ロー
パスフィルタの交換に要する時間を短縮するために、光
学的ローパスフィルタを1つだけ備えるものがある。第
2の従来技術の撮像装置では、2種類の解像度のうちで
低いほうの解像度が選択された場合、レンズと撮像素子
との間の光路に前記光学的ローパスフィルタを挿入し
て、レンズを通過した光を前記光学的ローパスフィルタ
を通過させてから撮像素子に受光させる。また2種類の
解像度のうちで高いほうの解像度が選択された場合、レ
ンズと撮像素子との間の光路から前記光学的ローパスフ
ィルタを退避させて、レンズを通過した光を直接撮像素
子に受光させる。
【0007】第2の従来技術の撮像装置では、前記光学
的ローパスフィルタを光路から退避させた場合、前記光
学的ローパスフィルタを光路に挿入する場合よりもバッ
クフォーカスが短くなる。このために、前記光学的ロー
パスフィルタを光路から退避させた場合、空間周波数成
分を制限しないダミーガラス等を光路に挿入して光学系
を補償する必要がある。これによって、前記光学的ロー
パスフィルタの挿入および退避に連動してダミーガラス
を光路に退避および挿入させる必要がある。したがっ
て、前記光学的ローパスフィルタとダミーガラスとの交
換に時間がかかる。またしたがって、第1の従来技術の
撮像装置と同様に、撮像装置の部品点数が増加して大型
化する。
【0008】また、第3の従来技術の撮像装置として、
特開平4−236585号公報の撮像光学系を備えた撮
像装置が挙げられる。撮像光学系は、ピント合わせ機能
を持たない撮像装置およびピント合わせ機能によって補
正可能なピント以上にピントがずれる可能性のある撮像
装置に備えられる。撮像光学系は、対物レンズと前記撮
像装置の撮像素子との間の光路に、空間周波数制限効
果、すなわち空間周波数特性が可変の光学的ローパスフ
ィルタを配置する。撮像光学系は、ピントのずれに起因
して生じる物体像のボケによって物体像の空間周波数の
高周波成分が減少することに起因して物体像の解像度が
低下し過ぎることを防止するために、物体像の解像度の
低下に伴って前記光学系ローパスフィルタの空間周波数
制限効果を変更する。前記撮像光学系の前記光学的ロー
パスフィルタは、2枚の複屈折板を光路に垂直にそれぞ
れ配置し、2枚の複屈折板間に2枚の透明電極に挟持さ
れた液晶層を介在させて構成される。前記撮像光学系の
前記光学的ローパスフィルタは、透明電極間の電圧の印
加の有無を制御して液晶層の旋光性の有無を切換えるこ
とによって、空間周波数制限効果を変更する。第3の従
来技術の撮像装置の光学的ローパスフィルタは構造が複
雑であるため、小型化が困難である。
【0009】さらにまた、第4の従来技術の撮像装置と
して、特開平7−245762号公報の撮像装置が挙げ
られる。第4の従来技術の撮像装置は、出力画像として
カラー画像を出力するか白黒画像を出力するかを選択可
能であり、選択結果に応じてレンズから撮像素子までの
光路に設置される光学的ローパスフィルタのカットオフ
周波数を切換える。前記光学的ローパスフィルタは、前
記光路の密閉度を損なわないために、複数の複屈折板の
うちのいずれか1枚が筒状のローパスフィルタ回動部材
に固定され、複数の複屈折板のうちの残余の複屈折板が
固定された筒状のローパスフィルタ固定部材にローパス
フィルタ回動部材が嵌込まれて構成される。前記ローパ
スフィルタのカットオフ周波数を変更する場合、ローパ
スフィルタ回動手段に取付けられた棒状の伝達部材を、
ローパスフィルタ回動手段の回転中心を中心に、予め定
める角度だけ角変位させる。これによって、ローパスフ
ィルタ回動部材と該ローパスフィルタ回動手段に固定さ
れた複屈折板とが、同時に前記予め定める角度だけ角変
位する。特開平7−245762号公報では、伝達部材
を角変位させるための構成が記載されていない。さらに
また、特開平4−236585号公報でも、空間周波数
特性が可変の光学的ローパスフィルタとして、複数の複
屈折板を光路上に並べて配置して構成され、かつ各複屈
折板を光路を中心に相互に角変位させて空間周波数特性
を変更するものが挙げられているが、複屈折板を相互に
角変位させる構造が記載されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の第4の従来技術
の撮像装置の光学的ローパスフィルタは、前記いずれか
1枚の複屈折板を角変位させる場合、伝達部材を前記い
ずれか1枚の複屈折板を角変位させる前記予め定める角
度と同じ角度だけ角変位させる必要がある。また、複数
の複屈折板を相対的に角変位させて空間周波数特性を変
更する場合、複屈折板を角変位させる角度は45度以上
360度未満であることが多い。これらのことから、伝
達部材を複屈折板を角変位させる角度と同じ角度だけ迅
速に角変位させることは困難であるので、空間周波数特
性を迅速に切換えることは難しい。
【0011】本発明の目的は、従来技術の撮像装置の光
学的ローパスフィルタよりも短時間で空間周波数特性を
切換えることができ、かつ小型化および薄型化が容易な
可変空間フィルタ、および解像度が相互に異なる出力画
像を生成するための複数の撮像モードを従来の撮像装置
よりも高速かつ簡便に切換えることができる撮像装置を
提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の複屈折
板が予め定める基準軸線上に並べられ、複数の複屈折板
のうちの少なくとも1枚の複屈折板を基準軸線を中心に
予め定める基準角度だけ角変位することによって、空間
周波数特性を切換える可変空間フィルタにおいて、前記
少なくとも1枚の複屈折板を支持し、基準角度だけ相互
にずれた予め定める第1および第2角変位位置の間で基
準軸線まわりに角変位可能に設けられる支持部材と、前
記基準軸線と平行な軸線まわりに角変位可能なレバー
と、第1および第2角変位位置を両端とする予め定める
角変位範囲を越えて支持部材が角変位することを規制す
るための規制手段と、支持部材を第1および第2角変位
位置で規制部材に付勢させる位置決め用ばねとを含み、
レバーの一端部および支持部材のいずれか一方には、突
起が設けられ、レバーの一端部および支持部材のいずれ
か他方には、突起が嵌まり込んで案内され、かつ突起が
移動可能な案内孔が設けられ、支持部材には、第1およ
び第2角変位位置の少なくとも一方の位置で位置決め用
バネと係合する係合凹部または係合突部が設けられるこ
とを特徴とする可変空間フィルタである。
【0013】本発明に従えば、可変空間フィルタは、支
持手段およびレバーのいずれか一方に設けられる突起が
支持手段およびレバーのいずれか他方に形成される案内
孔に嵌め込まれるので、前記少なくとも1枚の複屈折板
を支持する支持手段をレバーを角変位させることによっ
て角変位させることができる。これによって、複数の複
屈折板の前記少なくとも1枚を基準軸線を中心に角変位
させることができる。ゆえに、複数の複屈折板を全て光
路に挿入したまま、可変空間フィルタの空間周波数特性
を切換えることができる。したがって、従来技術の空間
周波数特性が可変の光学的ローパスフィルタと比較し
て、可変空間フィルタは、空間周波数特性の切換えに要
する空間を小さくしかつ部品点数を減少させて小型化す
ることができる。また可変空間フィルタ内では、規制部
材が支持部材の前記角変位範囲を超える角変位を防止
し、かつ第1および第2角変位位置にそれぞれある場合
に位置決め用ばねが支持部材を規制部材に付勢する。こ
れによって、支持部材が第1角変位位置および第2角変
位位置に正確に位置決めされるので、簡単な構成で支持
部材を位置決めすることができるため、空間周波数特性
を確実に切換えることができる。
【0014】また本発明は、前記複数の複屈折板、前記
支持部材、前記レバー、前記規制手段、および前記位置
決め用ばねを収納する収納ケースをさらに含むことを特
徴とする。
【0015】本発明に従えば、複数の複屈折板、支持手
段、レバー、規制部材、および位置決め用ばねが収納ケ
ースに収納されるので、可変空間フィルタはユニット化
される。これによって、従来技術の空間周波数特性が可
変の光学的ローパスフィルタと比較して、可変空間フィ
ルタを取付けるべき光学系への可変空間フィルタの取付
け作業および光学系に取付けられた可変空間フィルタの
調整作業を簡略化することができる。したがって、前記
取付け作業および調整作業のコストを低減することがで
きる。また、前記取付け作業および調整作業が簡略化さ
れるので、可変空間フィルタは前記光学系に取付け易
い。すなわち、可変空間フィルタの取付け性が向上する
ので、可変空間フィルタに汎用性を持たせることができ
る。
【0016】また本発明は、前記収納ケースと前記支持
部材との間に介在される不織布をさらに含むことを特徴
とする。
【0017】本発明に従えば、収納ケースと支持部材と
の間には、不織布が介在される。これによって、収納ケ
ースと支持部材とを直接接触させる場合と比較して、摺
動性が向上される。またこれによって、前記場合と比較
して、支持部材を角変位させるためレバーに加える推力
を小さくすることができる。したがって、前記場合と比
較して、可変空間フィルタの前記少なくとも1枚の複屈
折板を角変位させるための駆動手段、すなわち支持部
材、レバー、規制部材、および位置決め用ばねを有する
手段の耐久性を向上させることができる。さらにまた、
不織布を介在させることによって、前記場合と比較して
収納ケースと支持部材との接触面積が小さくなる。これ
によって、前記場合と比較して、支持部材を角変位させ
るときの塵の発生が少ないため、防塵性を向上すること
ができる。
【0018】また本発明は、前記収納ケースは、前記基
準軸線に垂直な方向の端が開口するハウジングと、ハウ
ジングの開口部に取付けられる蓋とを含み、蓋には、前
記支持部材をハウジングに前記基準軸線に平行な方向に
付勢する規制用ばねが設けられることを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、収納ケースはハウジング
と蓋とを含み、蓋には、規制用ばねが取付けられる。支
持部材は、規制用ばねによって、ハウジングに付勢され
る。これによって、支持部材と支持部材を角変位可能に
するためのハウジング内の部品との間に支持部材と前記
部品との機械的精度に起因する隙間がある場合、および
支持部材と前記部品との間に支持部材を角変位させるた
めの遊びがある場合、支持部材の角変位軸線が前記基準
軸線に平行な方向に対して傾くことがない。したがって
支持手段は、前記少なくとも1枚の複屈折板を収納ケー
ス内の予め定める位置に常に設置することができる。こ
れによって支持部材の角変位によって前記少なくとも1
つの複屈折板が角変位するために複数の複屈折板の光学
軸の位置関係が変化する場合以外は、複屈折板の光学軸
の位置関係が常に保たれる。したがって、複数の複屈折
板の光学軸の位置関係のずれに起因する空間周波数特性
のずれが生じることを防止することができる。
【0020】また本発明は、前記案内孔は、前記支持部
材が前記第1および前記第2角変位位置にある場合に前
記突起に対して前記突起の移動方向両側から望む係止面
を有することを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、案内孔は上述の係止面を
有するので、支持部材が第1および第2角変位位置にあ
る場合に突起は上述の係止面に当接する。突起の移動方
向とは、レバーの角変位に連動して突起が動く方向であ
り、突起およびレバーのうちの前記いずれか一方の支点
を中心とした円弧状の軌跡を描く。これによって、突起
が案内孔の前記部分に嵌まり込んだ場合、レバーに推力
が加えられない間は突起の変位が防止されるので、レバ
ーの角変位も防止される。これによって、可変空間フィ
ルタは、支持部材が第1および第2角変位位置にある場
合、レバーの角変位を防止するための部材および機構を
持つ必要がない。これによって、従来技術の空間周波数
特性が可変の光学的ローパスフィルタと比較して、可変
空間フィルタの構造が簡略化されて部品点数が減少する
ので、製造コストを低減させることができる。
【0022】また本発明は、前記案内孔の伸びる方向に
対して垂直な断面形状は、中心軸線が前記基準軸線と直
交する三角形の孔の底辺の一部分が該逆三角形の孔の内
側に突出した略V字型であり、前記突起は、前記第1角
変位位置に前記支持部材がある場合、前記案内孔の内周
面内での突出した前記一部分の両側の部分のうちのいず
れか一方の部分に当接し、前記第2角変位位置に前記支
持部材がある場合、前記両側の部分のうちのいずれか他
方の部分に当接することを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、案内孔の上述の断面形状
は上述の略V字状であり、支持部材が第1および第2角
変位位置にある場合、突起は前記突出した一部分の前記
両側の部分のいずれか一方および他方にそれぞれ嵌まり
込む。これによって、支持部材を第1角変位位置から第
2角変位位置まで角変位させるためにレバーが角変位す
る間に突起が案内孔内部に描く軌跡は折曲がる。これに
よって、案内孔を直線状に形成する場合と比較して、案
内孔の半径方向の長さを短くすることができる。半径方
向とは、支持部材の表面に基準軸線を中心に描く仮想円
の半径上で基準軸線に近付くまたは遠ざかる方向であ
る。したがって、支持部材およびレバーのうちで案内孔
が形成される前記いずれか他方の形状を、案内孔を直線
状に形成する場合と比較して、小さくすることができ
る。これによって、可変空間フィルタを小型化すること
ができる。
【0024】また本発明は、前記突起と前記レバーの回
転中心とは、前記レバーの支点と光軸を結ぶ直線に対し
て垂直でありかつ光軸を含む仮想平面を挟んで、配置さ
れることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、突起とレバーの回転中心
とは、前記仮想平面を挟んで配置される。これによっ
て、突起が前記仮想平面よりもレバーの回転中心に近い
位置に配置される場合と比較して、支持部材を第1角変
位位置から第2角変位位置まで角変位させる間にレバー
が角変位する角度が小さくなる。またこれによって、支
持部材を第1角変位位置から第2角変位位置まで角変位
させる間にレバーが角変位する前記角度は、前記少なく
とも1つの複屈折板を角変位させるべき前記基準角度よ
りも小さくなる。これによって、従来技術の空間周波数
特性が可変の光学的ローパスフィルタと比較して、空間
周波数特性を切換えるために要する時間が短縮される。
したがって、可変空間フィルタは、簡便にかつ高速で空
間周波数特性を切換えることができる。
【0026】また、突起とレバーの回転中心とが前記仮
想平面を挟んで配置されることによって、支持部材が第
1角変位位置から第2角変位位置まで角変位する場合、
レバーは光軸に平行な前記角変位軸線回りに角変位す
る。この場合にレバーは、複数の複屈折板を通過する光
線のうちで複屈折板以外の可変空間フィルタの構成部品
の影響を受けない光線の集合である可変空間フィルタの
有効光束を横切るので、レバーが角変位するために必要
な空間のうちで可変空間フィルタの有効光束が通過する
空間以外の残余の空間が少なくなる。これによって可変
空間フィルタを小型化することができる。
【0027】また本発明は、前記レバーは、前記レバー
の支点と前記突起との間の部分にくびれが形成されるこ
とを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、前記レバー内で前記レバ
ーの支点と前記突起との間の部分に、くびれが形成され
ている。このくびれは、支持部材が第1および第2角変
位位置にある状態でレバー内で可変空間フィルタの有効
光束が通過する空間を横切る部分に相当し、前記状態で
は有効光束はくびれを通過する。これによって、支持部
材を第1角変位位置から第2角変位位置まで角変位させ
るためにレバーが角変位する前記角度を、くびれのない
レバーを用いる場合よりも小さくしても、くびれがある
ためにレバーは可変空間フィルタの有効光束を妨げな
い。これによって、レバーの角変位する角度をくびれの
ないレバーを用いる場合よりも小さくすることができ
る。
【0029】また本発明は、被写体からの光を集光する
レンズと、レンズによって集光された光が結像される結
像面を有する撮像素子とを含む撮像装置において、レン
ズと撮像素子との間に、上記のいずれか1つの可変空間
フィルタが介在されることを特徴とする撮像装置であ
る。
【0030】本発明に従えば、前記撮像装置は、レンズ
と撮像素子との間に、上述したような可変空間フィルタ
を介在させる。これによって、撮像モードを切換えて生
成する出力画像の解像度を変更する場合、可変空間フィ
ルタをレンズと撮像素子との間の光路に介在させたま
ま、撮像素子の結像面に結像される光の空間周波数成分
のうちで可変空間フィルタによって制限される空間周波
数成分を変更することができる。また上述した可変空間
フィルタは、従来技術の空間周波数特性が可変の光学的
ローパスフィルタと比較して、空間周波数特性を切換え
るために要する時間が短縮されている。これらのことか
ら、撮像装置の撮像モードの切換えに要する時間を短縮
することができる。さらに、上述した可変空間フィルタ
は、従来技術の空間周波数特性が可変の光学的ローパス
フィルタと比較して、部品点数が減少しかつ小型化され
るので、撮像装置を容易に小型化することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
撮像装置20の全体の構成を示す図である。撮像装置2
0は、レンズ群23、可変空間フィルタ24、イメージ
シフト手段25、撮像素子26、処理回路27、メモリ
28、および目視表示部29を含む。レンズ群23、可
変空間フィルタ24、およびイメージシフト手段25
は、撮像装置20の光学系30を構成する。撮像装置2
0は、解像度が相互に異なる第1および第2出力画像を
生成するための第1および第2撮像モードを有し、いず
れか一方の撮像モードで動作する。撮像モードの選択
は、たとえば撮像装置20の操作者によって撮像装置に
備えられる操作部が操作された場合に、操作部の操作結
果に応じて処理回路27が行う。
【0032】レンズ群23は、1または複数のレンズか
ら構成されて、単一の光軸22を有する。可変空間フィ
ルタ24およびイメージシフト手段25は、レンズ群2
3の光軸22上に配置される。被写体21からの光は、
レンズ群23によって集光され、可変空間フィルタ24
およびイメージシフト手段25を通過し、撮像素子26
の撮像面上に結像される。撮像素子26は、撮像面に結
像された光を光電変換して画像信号を生成し、生成した
画像信号を処理回路27に与える。撮像素子26は、い
わゆる白黒単板の構造、いわゆるカラー3板の構造、お
よびいわゆる単板カラーの構造のいずれかの構造を有
し、本実施形態では、ベイヤ配列単板カラーの構造であ
ると仮定して説明する。
【0033】処理回路27には、画像信号を記憶するた
めのメモリ28が接続され、さらに目視表示手段29が
接続される。処理回路27は、画像信号をメモリ28に
記憶させ、さらに撮像素子26から与えられた画像信号
およびメモリ28に記憶された画像信号の少なくとも1
つに基づいて選択された撮像モードに応じた予め定める
出力画像生成処理を行い、選択された撮像モードに応じ
た解像度の出力画像を表す出力画像信号を生成する。生
成された出力画像信号は、メモリ28に与えられて記憶
される。目視表示手段29は出力画像信号が表す出力画
像を目視表示する。処理回路27は、たとえばマイクロ
コンピュータによって実現される。メモリ28はたとえ
ばランダムアクセスメモリによって実現される。目視表
示手段29は、たとえば液晶表示装置または陰極線管に
よって実現される。
【0034】可変空間フィルタ24は、第1および第2
フィルタ31,32と、空間フィルタ駆動手段36とを
含む。第1および第2フィルタ31,32は、レンズ群
23の光軸22に沿って、被写体21から撮像素子26
に向かう方向に順次的に配置される。第1フィルタ31
および第2フィルタ32は、1枚の複屈折板または光軸
22に沿って順次的に配置される複数の複屈折板によっ
て、それぞれ構成される。本実施形態では、第1フィル
タは第1複屈折板33を有し、第2フィルタ32は、第
2および第3複屈折板34,35を有する。第1〜第3
複屈折板33〜35はいずれも、平行な2つの表面を有
する透明な平板である。
【0035】空間フィルタ駆動手段36は、処理回路2
7から与えられる制御信号に基づき、第1〜第3複屈折
板33〜35の光学軸の相対的な位置関係を変更するこ
とによって、可変空間フィルタ24の空間周波数特性を
選択された撮像モードに応じた空間周波数特性に切換え
る。本実施形態では、空間フィルタ駆動手段36は、第
1フィルタ31を構成する第1複屈折板33を、光軸2
2のまわりに角変位させて、可変空間フィルタの空間周
波数特性を、第1および第2空間周波数特性のいずれか
一方に切換える。第1複屈折板33と空間フィルタ駆動
手段36とは、単一の駆動ユニット37を構成する。駆
動ユニット37は、レンズ群23を含む光学系30に、
高精度で取付けて組立てることが容易であるので、撮像
装置20の生産性が向上される。
【0036】イメージシフト手段25は、平行な2つの
表面を有する屈折板38とイメージシフト駆動手段39
とを含む。イメージシフト用駆動手段39は、処理回路
27から与えられる制御信号に基づき、光軸22に垂直
に交差するイメージシフト用角変位軸線まわりに屈折板
38を角変位させて、屈折板38の配置状態を垂直状態
および傾斜状態のいずれか一方に切換える。垂直状態
は、屈折板38の表面と光軸22とが垂直に交差する状
態であり、傾斜状態は、屈折板38の表面と光軸22と
が90度以外の予め定める角度で傾斜する状態である。
屈折板38が垂直状態である場合、屈折板38通過前お
よび屈折板38通過後の光の光路は、どちらもレンズ群
23の光軸22と一致する。屈折板38が傾斜状態であ
る場合、屈折板38通過前の光の光路はレンズ群23の
光軸22と一致し、屈折板38通過後の光路はレンズ群
23の光軸22から平行にずれる。
【0037】図2は、可変空間フィルタ24の空間周波
数特性が第2空間周波数特性である場合における駆動ユ
ニット37の正面図である。図3は、切断面線A−Aか
ら見た駆動ユニット37のA−A断面図である。図2お
よび図3を併せて用い、駆動ユニット37の構造を説明
する。
【0038】駆動ユニット37は、第1フィルタ31と
空間フィルタ駆動手段36との他に、第1フィルタ31
と空間フィルタ駆動手段36とを収納するための収納ケ
ース51をさらに含む。収納ケース51は、ハウジング
52と蓋53とを有する。空間フィルタ駆動手段36
は、概略的には、支持部材55、レバー56、板ばね5
7、規制部材58、円弧状のばね59、および不織布部
材60を含む。図2では、駆動ユニット37の内部構造
を見易くするために、上述の状態において蓋53を取外
した様子を示し、蓋53は仮想線で描いている。
【0039】ハウジング52には、内周面が直円柱状で
ある収納凹所61が形成される。収納凹所61の内周面
の中心軸線は、第1フィルタ31を光が通過する場合の
光路の中心となるべき基準軸線である。基準軸線は、駆
動ユニット37を撮像装置20に取付ける場合にレンズ
群23の光軸22と一致する。円環状の支持部材55
は、ハウジング52の収納凹所61に、その中心軸線を
収納凹所61の中心軸線と一致させて嵌め込まれる。支
持部材55は、収容凹所の中心軸線、すなわち光軸22
まわりに角変位可能である。支持部材55の中央孔63
に、第1フィルタ31が固定される。支持部材55に
は、後述する案内孔64、位置決め用切欠き65、およ
び段部66が形成されている。以後、支持部材55の外
周面と光軸22とを結ぶ最短の仮想直線、すなわち支持
部材55の外周面の半径に沿って光軸22に近付く方向
を半径方向内方と称し、光軸22から遠ざかる方向を半
径方向外方と称する。また、光軸22に平行な方向を、
光軸方向と呼ぶ。ハウジング52と蓋53とには、収納
凹所61と同心円でありかつ半径が相互に等しい円形の
開口部68,69がそれぞれ設けられる。ハウジング5
2および蓋53の開口部68,69の半径は、収納凹所
61の半径よりも小さくかつ支持部材55の中央孔63
の半径よりも大きい。
【0040】偏平な棒状のレバー56は、ハウジング5
2の側部に、光軸22に平行な軸線を有するピン71に
よって、レバー56の支点72を通り光軸方向に平行な
角変位軸線を中心に角変位可能に取付けられて支持され
る。ハウジング52の側部とは、ハウジング52内で、
収納凹所61の端とハウジング52の端との間の部分で
ある。これによって、レバー56の回転中心とレバー5
6の支点72とは一致する。レバー56の支点72近傍
の両側部は、ピン71の軸線、すなわち角変位軸線まわ
りに同心の円弧状の突部73をそれぞれ有する。さらに
ハウジング52には、内周面の半径がレバーの突部73
の円弧の半径とほぼ等しい略円柱状の支持凹所74が形
成されており、支持凹所74にはレバーの突部73が嵌
まり込む。これによってハウジング52内に駆動ユニッ
ト37外部から粉塵が混入することが防がれる。
【0041】レバー56の一方端部でありレバー56を
角変位させるための力が加えられる作用端部76は、収
納ケース51の外部に突出する。レバー56の作用端部
76は、ピン77によって、電磁プランジャ78の駆動
棒79にピン結合される。電磁プランジャ78は、支持
片80によってハウジング52に取付けられる。電磁プ
ランジャ78の励磁および消磁は、処理回路27によっ
て制御されている。また、レバー56の作用端部76
は、電子プランジャを取付ける代わりに操作者が手で操
作可能な構造にして、撮像モードの切換え時に操作者に
手で推力を加えさせるようにしてもよい。
【0042】支点72を挟んで作用端部76と反対側の
端部81には、円筒状の突起82が設けられる。突起8
2は、支持部材55が嵌め込まれたハウジング52にレ
バー56が取付けられた状態において、支持部材55の
案内孔64に嵌まり込む。レバー56の回転中心と突起
82とは、すなわちレバー56の支点72と突起82と
は、第1および第2撮影モードで撮像装置20が動作す
る間、および空間周波数特性を切換えるためにレバー5
6が角変位する間、光軸22を含みかつレバーの支点と
光軸22とを結ぶ最短の仮想直線h1に垂直な仮想平面
H1によって常に隔てられるように、配置される。
【0043】また、レバー56の支点72と突起82が
設けられた端部81との間の部分の両側部には、円弧状
のくびれ86がそれぞれ設けられている。各くびれ86
は、後述するように、可変空間フィルタ20が第1およ
び第2空間周波数特性のいずれか一方を保つ状態で、第
1フィルタ31の有効光束を妨げないために設けられ
る。
【0044】支持部材55の案内孔64を光軸22に垂
直な仮想平面によって切断した断面形状は、概略的には
略V字状である。すなわち、中心軸線が光軸22と直交
する三角形において、該三角形の底辺のうちで該中心軸
線と直交する点を含む部分が、三角形の内側に円弧状に
突出した形状である。この三角形は、底面に対向する頂
点が底面よりも光軸に近い。このために案内孔64に
は、前記底面の突出した部分である突出部分91、突出
部分の両側にあり前記三角形の底面の両端の頂点に相当
する第1および第2隅部分92,93、および前記三角
形の底面に対向する頂点に相当し突出部分91と対向す
る頂点部分94がある。案内孔64は、光軸方向に平行
に伸び、図3では、案内孔64は支持部材55を光軸方
向に貫通していないが、光軸方向に貫通していてもよ
い。
【0045】第1および第2隅部分92,93の内周面
は、支持部材55が第1および第2角変位位置α1,α
2にある場合に、突起82に対して突起82の移動方向
両側から望む係止面になっている。本実施形態では、突
起82の移動方向は、レバー56の支点72を中心とし
て支点72と突起82との距離を半径とする仮想円の円
周に平行でかつ相互に反対の2つの方向である。ゆえ
に、第1および第2隅部分92,93にそれぞれ突起8
2が一旦嵌まり込むと、突起82の移動が妨げられるの
で、レバー56および支持部材55に力が加わらない状
態で、突起82が第1および第2隅部分92,93から
不用意にはずれることが防止される。したがって、支持
部材55が第1および第2角変位位置α1,α2にある
場合にレバー56が角変位することが防止される。
【0046】支持部材55の第1角変位位置α1は、支
持部材55に固定された第1複屈折板33の光学軸と第
2および第3複屈折板34,35の光学軸との位置関係
が、第1撮像モードにおいて可変空間フィルタ24が持
つべき第1空間周波数特性を得るための後述の第1位置
関係である場合の支持部材55の角変位位置であり、後
述の図5に示す。支持部材55の第2角変位位置α2
は、第1〜第3複屈折板33〜35の光学軸の位置関係
が、第2撮像モードにおいて可変空間フィルタ24が持
つべき第2空間周波数特性を得るための後述の第2位置
関係である場合の支持部材55の角変位位置であり、図
2に示す。第2角変位位置α2は、第1角変位位置α1
から、光軸22を中心に、予め定める基準角度θcだけ
支持部材55が角変位した角変位位置に相当する。基準
角度θcは、第1位置関係における第2および第3複屈
折板34,35の光学軸に対する第1複屈折板33の光
学軸33の角度から、第2位置関係における第2および
第3複屈折板34,35の光学軸に対する第1複屈折板
33の光学軸33の角度を引いた角度差と等しく、本実
施形態では90度である。
【0047】突起82は支持部材55およびレバー56
のいずれか一方に形成され、かつ案内孔64は支持部材
55およびレバー56のいずれか他方に形成されればよ
い。支持部材55は厚みのある第1複屈折板33を支持
する必要があるので案内孔64の形成の有無に応じて厚
みを変更しにくいため、上述のように突起82をレバー
に形成して案内孔64を支持部材55に形成する方が良
い。これによって、レバー56の光軸方向の厚みをレバ
ー56に案内孔64を形成する場合よりも薄くして、可
変空間フィルタ24全体の薄型化を図ることができる。
【0048】板ばね57の両端部と規制部材58とは、
ハウジング52に形成され収納凹所と連通する凹所9
6,97内にそれぞれ固定される。板ばね57の長手方
向中央部は、半径方向内方にV字状に屈曲して、係止部
98を形成する。板ばね57の係止部98以外の残余の
部分は、前記仮想平面H1と平行に伸びている。係止部
98の一方斜面99は、光軸22を中心とした反時計ま
わりの方向CA1に略平行な方向CA1a、図2では紙
面上から紙面下に向かう方向に向かうにつれて、半径方
向内方に傾斜している。係止部98の他方斜面100
は、前記略平行な方向CA1aに向かうにつれて、半径
方向外方に傾斜している。係止部98は、光軸22に最
も接近する部分を通り板ばね57の前記残余の部分を含
む仮想平面H2と直交する仮想直線h2を対象中心とし
て見ると、左右非対象になっている。
【0049】位置決め用切欠き65は、支持部材55の
外周端に形成される。段部66は円弧状であり、支持部
材55の外周端のうちで位置決め用切欠き65から90
度離れた位置から位置決め用切欠き65から遠ざかる方
向に伸び、支持部材55を光軸方向に貫通している。段
部66は、光軸22を中心とする円周上に支持部材55
の第1および第2角変位位置α1,α2の位置決めに用
いるための一方および他方端101,102を有する。
【0050】本実施形態の図2では、段部66の一方端
101と位置決め用切欠き65とは、支持部材55の外
周端上で反時計まわりに90度離れている。支持部材5
5の蓋53に対向する面内で、位置決め用切欠き65が
形成された部分と段部66の一方端101が形成された
部分との間に、案内孔64が形成される。規制部材58
は、段部66の前記一方端101と当接するべき一方当
接面103と、段部66の他方端102と当接するべき
他方当接面104とを有する。
【0051】蓋53は、ハウジング52に着脱可能に取
付けられており、ハウジング52内から支持部材55と
レバー56とが抜出すことを防止し、かつ駆動ユニット
37の外部から粉塵が混入することを防止する。さら
に、1または複数の円弧状の規制用ばね59が、蓋53
の支持部材55に対向する一方面106に取付けられ
る。本実施形態では、規制用ばね59は2つ取付けられ
る。規制用ばね59は、レバー56の角変位を妨げない
ために、蓋53の一方面106の中で、角変位するレバ
ー56と対向しない位置に取付けられる。
【0052】規制用ばね59は、光軸22に平行でかつ
蓋53からハウジング52に向かう方向、すなわち図2
では紙面表から紙面裏に向かう方向に、支持部材55を
付勢する。これによって、支持部材55が角変位する場
合に、支持部材55のぶれの発生を防止して、支持部材
55を円滑に角変位させることができる。また規制用ば
ね59によって支持部材55が光軸22に平行に収納凹
所61の底面に押付けられるので、支持部材55は光軸
22に対して常に位置決めされる。これによって、支持
部材55が光軸に対して傾くことを防止することができ
る。これらのことによって、空間周波数特性を切換える
時点で、空間フィルタ駆動手段36の機械的精度および
遊びに起因して、光軸22に対する第1複屈折板33の
光学軸の方向がずれることを防止することができる。
【0053】不織布部材60は、支持部材55の底面1
08とハウジング52の収納凹所61の底109との間
に介在される。不織布部材60は、支持部材55よりも
外周端の半径が小さくかつ内周端の半径が大きい円環状
である。不織布部材60は、収納凹所61の底109と
支持部材55の端面108とを直接接触させて支持部材
55を角変位させる場合よりも、摩擦係数が小さくまた
発塵が少ない材料で構成される。ゆえに、不織布部材6
0は、たとえば、合成樹脂または羊毛等からなる不織
布、特にフェルトによって構成されることが好ましい。
支持部材55と収納凹所61の底109との間に不織布
部材60を介在させることによって、支持部材55の角
変位が円滑に行われる。不織布部材60を介在させるこ
とによって、支持部材55の底面108に加わる摩擦力
が小さくなるので、支持部材55を角変位させるための
推力を不織布部材60を介在させない場合よりも小さく
することができる。また不織布部材60は発塵性が少な
いので、支持部材55を角変位させたときに第1フィル
タ31が汚れる可能性を、不織布部材60を介在させな
い場合よりも小さくすることができる。以上で駆動ユニ
ット37の説明を終了する。
【0054】可変空間フィルタ37の第2フィルタ32
は、予め定める第2フィルタ用のハウジングに固定され
る。駆動ユニット37は、第2フィルタ用のハウジング
に、たとえば着脱可能に固定される。第1〜第3複屈折
板33〜35は、たとえば、第2フィルタ用のハウジン
グに駆動ユニット37が固定された状態において支持部
材55が第2角変位位置α2にある場合に、第1〜第3
複屈折板33〜35の光学軸の位置関係が予め定める第
2空間周波数特性が得られる位置関係になるように、支
持部材55および第2フィルタ用のハウジングにそれぞ
れ取付けられる。またたとえば、駆動ユニット37およ
び第2フィルタが取付けられたハウジングは、イメージ
シフト手段25が取付けられたハウジングに着脱可能に
固定されることが好ましく、またイメージシフト手段2
5が取付けられたハウジングは、撮像素子26が取付け
られたハウジングに着脱可能に固定されることが好まし
い。これによって、駆動ユニット37および上記3つの
ハウジングが相互に取付けられて固定された状態で、第
2および第3複屈折板34,35の光学軸に平行な方
向、イメージシフト手段25の屈折板38が傾斜する方
向、および撮像素子26の撮像面の受光素子が配列され
る方向との関係は固定され、第1複屈折板33の光学軸
だけが、前記各方向に対して角変位可能である。
【0055】図4は、第2空間周波数特性から第1空間
周波数特性に可変空間フィルタ24の空間周波数特性を
切換える場合の途中の状態を示す駆動ユニット37の正
面図である。図5は、可変空間フィルタ24の空間周波
数特性が第2空間周波数特性である場合における駆動ユ
ニット37の正面図である。以下に、図2,図4および
図5を用いて、第2空間周波数特性から第1空間周波数
特性に空間周波数特性を切換える場合の可変空間フィル
タ24の駆動ユニット37の挙動を説明する。
【0056】可変空間フィルタ24の空間周波数特性が
第2空間周波数特性である場合、電磁プランジャ78は
消磁されており、駆動ユニット37全体は図2の状態を
保ち、支持部材55は第2角変位位置α2に保たれる。
支持部材55が第1角変位位置α2にある場合、図2に
示すように、段部66の一方端101近傍に板ばね57
の係止部98が嵌まり込む。これによって、板ばね57
の係止部98の一方斜面99が段部66の一方端101
に接触する。係止部98の一方斜面99は、前述したよ
うに光軸22を中心とした反時計まわりの方向に略平行
な方向CA1aに向かうにつれて支持部材55の半径方
向内方に傾斜している。これらのことによって、支持部
材55に光軸22を中心として時計まわりCA2の角変
位力が発生する。これによって支持部材55の段部66
の他方端102と規制部材58の他方当接面104とが
接触するので、支持部材55が第2角変位位置α2に正
確に位置決めされる。
【0057】可変空間フィルタ24の空間周波数特性を
第2空間周波数特性から第1空間周波数特性に切変える
場合、処理回路27は、支持部材55が第2角変位位置
α2にある時点から支持部材55が第1角変位位置α1
に位置決めされる時点までの間、レバー56の作用端部
76に、レバー56の支点72を中心とした反時計まわ
りCB1の推力を与える。このためには、たとえば処理
回路27は、電磁プランジャ78を励磁させる。これに
よって駆動棒79は矢符AR1方向に移動し、レバー5
6の作用端部76が支点72を中心とした反時計まわり
CB1に角変位する。
【0058】作用端部76に推力が加えられ始めると、
レバー56の突起82は、まず第1隅部分92から外れ
て、支点72を中心とした反時計まわりCA1に移動す
る。同時に突起82は、案内孔64の内周面のうちで第
1隅部分92と突出部分91との間の部分133に当接
しつつ該部分133を押す。これによって、支持部材5
5に光軸22を中心とした反時計まわりの方向CA1の
角変位力が生じる。したがって支持部材55は、板ばね
57の係止部98と段部66の一方端101とによって
発生する光軸22を中心とした時計まわりCA2の角変
位力に逆らって、光軸22を中心とした反時計まわりC
A1に角変位する。支持部材55が角変位し始めた時点
で、板ばね57の係止部98は段部66から外れ、係止
部98の頂点が支持部材55の外周面に当接する。これ
によって、板ばね57の係止部98の頂点の角度が広が
り、かつ板ばね57の前記残余の部分が弯曲する。
【0059】上述の状態から、支点72を中心とした反
時計まわりCB1の推力を作用端部76に加え続ける
と、案内孔64の内周面の前記部分133内で突起82
と当接する箇所は、第1隅部分92から突出部分91に
向かって移動して突出部分91に至る。突起82は、突
出部分91に当接した後、案内孔64の内周面から一旦
離れて案内孔64内部を支点72を中心として反時計回
りCB1に単独で移動し、さらに案内孔64の内周面の
うちで第2隅部分93と頂点部分94との間の部分13
5に当接して該部分135を押す。これによって、支持
部材55には光軸22を中心とした反時計まわりCA1
の角変位力が再び生じる。したがって、支持部材55
は、光軸22を中心とした反時計まわりCA1に角変位
する。
【0060】上述の状態から、支点72を中心とした反
時計まわりCB1の推力を作用端部76に加え続ける
と、案内孔64の内周面の前記部分135内で突起82
と当接する箇所は、第2隅部分135から頂点部分94
に向かって順次ずれていく。支持部材55が図2に示す
第1角変位位置から略45度角変位した時点で、図4に
示すように、突起82が案内孔64の頂点部分94に最
も近付く。さらに、支点72を中心とした反時計まわり
CB1の推力を作用端部76に加え続けると、突起82
はさらに前記部分135に当接して該部分135を押す
ので、支持部材55に光軸22を中心とした反時計まわ
りCA1の角変位力が再び生じる。したがって、支持部
材55は、光軸22を中心とした反時計まわりCA1に
角変位し、同時に案内孔64の内周面のうちで突起82
と当接する箇所が頂点部分94から第2隅部分93に向
かって順次ずれていく。
【0061】この結果、図5に示すように、支持部材5
5の角変位位置が、第1角変位位置α1になる。支持部
材55が第1角変位位置α1にある場合、突起82が案
内孔64の第2隅部分93に嵌まり込む。同時に、位置
決め用切欠き65に板ばね57の係止部98が弾発的に
嵌まり込む。この場合、係止部98の他方斜面100は
位置決め用切欠き65の内周面のうちで光軸22を中心
とした反時計まわりCA1の方向の端部に接触し、係止
部98の一方斜面99は位置決め用切欠き65の内周面
のどの部分とも接触しない。係止部98の他方斜面10
0は、光軸22を中心とした時計まわりCA2に略平行
な方向CA2aに向かうにつれて支持部材55の半径方
向内方に傾斜している。これらのことによって、光軸2
2を中心とした反時計まわりCA1の角変位力が支持部
材55に発生するため、支持部材55の段部66の一方
端101と規制部材58の一方当接面103とが接触す
る。これによって、支持部材55が正確に位置決めされ
る。これによって、可変空間フィルタ24の第1〜第3
複屈折板33〜35の位置関係は、第1空間周波数特性
を得るための第1位置関係になる。以後、作用端部76
には推力が加えられず、第1空間周波数特性から第2空
間周波数特性に切換える時点まで、支持部材55は第1
角変位位置α1に保たれる。
【0062】また、可変空間フィルタ24の空間周波数
特性が第1空間周波数特性から第2空間周波数特性に切
換えられる場合、可変空間フィルタ24の空間周波数特
性の切換えのための処理回路27の動作は、上述した第
2空間処理特性から第1空間周波数特性の切換え時の動
作と比較して、電磁プランジャ78によってレバー56
の作用端部76に支点72を中心とした時計まわりの推
力を与える点が異なり、他は等しい。このため、支持部
材55およびレバー56の挙動は、上述の第2空間周波
数特性から第1空間周波数特性への切換え時の挙動と比
較して、光軸22および支点72を中心とした角変位の
方向が時計まわりになることが異なり、他は等しい。ま
たこの場合、突起82と案内孔64の内周面との接触箇
所の移動の様子は、上述の第2空間周波数特性から第1
空間周波数特性への切換え時の説明において、第1およ
び第2隅部分92,93を第2および第1隅部分93,
92にそれぞれ置換えたものと等しい。ゆえに、第1空
間周波数特性から第2空間周波数特性への切換え時の空
間フィルタ駆動手段36の詳細な動作の説明は省略す
る。
【0063】以上の手順で、支持部材55は、第1およ
び第2角変位位置α1,α2のいずれか一方からいずれ
か他方まで角変位する。図5,2,4において、仮想線
γ1〜γ3は、支持部材55が第1および第2角変位位
置α1,α2ならびに中間角変位位置α3にそれぞれあ
る時点において、支持部材55の案内孔64の頂点部分
94と光軸22とを結ぶ最短の仮想直線である。仮想直
線β1〜β3は、支持部材55が第1および第2角変位
位置α1、α2ならびに中間角変位位置α3にそれぞれ
ある時点におけるレバー56の中心軸線の位置を示す。
中間角変位位置α3とは、支持部材55が第1および第
2角変位位置α1,α2のいずれか一方からいずれか他
方に切換わる場合に前記いずれか一方の角変位位置から
基準角度θcの半分の角度θc/2だけ角変位した時点
の支持部材55の角変位位置であり、図4に示す。
【0064】レバー56の支点72と突起82とは、支
持部材55が第1および第2角変位位置α1,α2間で
角変位する間、常に前述の仮想平面H1を隔てて配置さ
れる。これによって、支持部材55を基準角度θcだけ
角変位させるためにレバー56が角変位するである操作
角度θrは、基準角度θcよりも小さくなる。本実施例
の場合、操作角度θrは、基準角度θcの半分の角度、
すなわち45゜である。これによって、従来技術の空間
周波数特性が可変の光学的ローパスフィルタと比較し
て、推力を加えるべき部材であるレバー56が移動する
距離が短くなるので、レバー56が操作角度θrだけ角
変位するために要する時間が前記従来技術の光学的ロー
パスフィルタよりもが短縮される。これによって、可変
空間フィルタ24の空間周波数特性の切換えに要する時
間が従来技術の前記光学的ローパスフィルタよりも短縮
される。
【0065】また、レバー56の支点72と突起82と
が上述のように配置されているので、可変空間フィルタ
24の空間周波数特性の切換え時に、レバー56は支持
部材55の中央孔63を通り光軸22に平行な円柱状の
空間、すなわち可変空間フィルタ24を通過する光の有
効光束が通る空間137を横切って移動する。ゆえに、
有効光束が通る空間137がレバー56の移動のための
空間を兼ねる。これによって、レバー56が有効光束が
通る空間137を通らない場合と比較して、レバー56
が移動するためだけに空けておくべき空間を有効光束が
通る空間137の分だけ小さくすることができる。ゆえ
に、可変空間フィルタを従来技術の前記光学的ローパス
フィルタよりも小さくすることができる。
【0066】さらにまた、レバー56の両側部には、く
ぼみ86が設けられている。このくぼみ86は、レバー
56に代わって、くぼみがない点以外はレバー56と同
じ形状のレバーを可変空間フィルタ24に取付けて支持
部材55を第1および第2角変位位置α1,α2に配置
した場合に、前記レバーが有効光束を遮る部分に相当す
る。ゆえに、支持部材55が第1および第2角変位位置
α1,α2にある場合、有効光束の一部分はレバー56
のくぼみを通過するので、レバー56によって有効光束
が遮られるを防止することができる。したがって、くぼ
みのない前記レバーを用いる場合と比較して、レバー5
6の操作角度θrをさらに小さくすることができる。
【0067】さらに図2に示す支持部材55が第2角変
位位置α2にある状態では、突起82は案内孔64の第
1隅部分92に嵌まり込む。この場合、案内孔64の第
1隅部分92の内周面は上述したように突起82の移動
方向両側から望む係止面になっているので、第1隅部分
92から突起82が変位することが防止されるため、レ
バー56の角変位が防止される。突起82の移動方向両
側から望む係止面とは、たとえば、レバー56が角変位
するために突起82が移動するべき全ての方向の面と当
接する形状の面である。同様に、図5に示す支持部材5
5が第1角変位位置α1にある状態では、突起82は案
内孔64の第1隅部分93に嵌まり込み、かつ第2隅部
分93の内周面は上述したように突起82の移動方向両
側から望む係止面になっている。ゆえに、第2隅部分9
2から突起82が変位することが防止されるので、レバ
ー56の角変位が防止される。
【0068】これらのことから、支持部材55が一旦第
1または第2角変位位置α1,α2にそれぞれ一旦位置
決めされた時点からレバー56の作用端部76にレバー
56を角変位させるための力が加えられる時点までの
間、すなわち第1および第2空間周波数特性がそれぞれ
保たれる間、作用端部76にレバー56を図5,2の状
態に保つための推力を付加する必要がない。また、駆動
ユニット37には、第1および第2空間周波数特性がそ
れぞれ保たれる間にレバー56を図5,2の状態に保つ
ために用いる構成を備える必要がないので、該構成が存
在しない。これによって、可変空間フィルタ24をレバ
ー56の状態を保つための構成の分だけ、小型化するこ
とができる。
【0069】また、上述の説明で述べたように、支持部
材55が第1および第2角変位位置α1,α2のいずれ
か一方からいずれか他方に角変位する間に、突起82が
案内孔64内部に描く軌跡は、折曲がっている。これに
よって、案内孔を半径方向に平行に伸びる直線状に形成
する場合と比較して、案内孔64の半径方向の長さが短
くなる。したがって、前記場合と比較して、支持部材5
5の外周面の半径を中央孔63の内周面の半径に近付け
て、支持部材55を小型化することができる。これによ
って、可変空間フィルタ24を小型化することができ
る。
【0070】次に、イメージシフトの原理について説明
する。図6は、撮像素子26の撮像面151の正面図で
ある。撮像素子26は、CCD(電荷結合素子)イメー
ジセンサによって実現される。撮像素子26の撮像面1
51には複数の画素152が、水平方向に予め定める第
1のピッチPxをあけて、垂直方向に予め定める第2の
ピッチPyをあけて、行列状に配置される。図6では、
画素を矩形で示す。水平方向は、図1では紙面に垂直な
方向であってかつ図6では紙面の左右方向であり、垂直
方向は、図1および図6のどちらでも紙面の上下方向で
あると仮定する。本実施形態では、撮像面151は、サ
イズ1/3インチのものであり、画素152の個数は3
10×103 個であり、いわゆるベイヤ配列の単板カラ
ーの構成を有するものと仮定する。本実施形態では、第
1および第2のピッチPx,Pyは等しいと仮定し、第
1および第2のピッチPx,PyをピッチPと総称す
る。また、行列状に画素152が配置された状態におい
て、水平方向に平行に並ぶ画素の一群を行と称し、垂直
方向に並ぶ画素の一群を列と称する。
【0071】単板カラーの構造の撮像素子の各画素は、
光の3原色のうちの予め定めるいずれか1つの色の輝度
を検出し、かつ各画素が検出するべき色の輝度は各画素
毎に異なる。ベイヤ配列は、カラー光の3原色の各色の
輝度をそれぞれ検出する3種類の画素の配列の1つであ
り、全ての画素を赤の輝度を検出する画素と青の輝度を
検出する画素と緑の画素を検出する画素との3種類に区
分し、各色の輝度を検出する画素を2行2列の4つの画
素単位で並べる配列である。図面では、赤、青、緑の輝
度を検出する画素を表す矩形内に、「R」,「G」,
「B」をそれぞれ記載して示す。
【0072】ベイヤ配列における各色の輝度を検出する
画素152R,152B,152Gの具体的な配置を、
単板カラーの撮像素子の撮像面151内に行列状に並べ
られた全ての画素のうちで任意の隣合う一対の行15
5,156を例に説明する。一対の行のうちの一方の行
155内では、緑の輝度を検出する画素152Gと青の
輝度を検出する画素152Bとが、交互に並ぶ。一対の
行のうちの他方の行156内では、赤の輝度を検出する
画素152Rと緑の輝度を検出する画素152Gとが交
互に並べられる。かつ、一方の行155内の緑の輝度を
検出する画素152Gと他方の行156内の緑の輝度を
検出する画素152Gとは、垂直方向yにピッチPだけ
ずれている。撮像面151全体では、上述の一対の行1
55,156と同じ構成の行が周期的に配置される。
【0073】以下に、撮像装置20が被写体21からの
光を入射させてから出力画像信号を出力するまでの挙動
を、概略的に説明する。
【0074】第1撮像モードでは、イメージシフト手段
25の屈折板38は、光軸22に垂直な状態、すなわち
垂直状態を常に保つ。これによって、レンズ群23およ
び可変空間フィルタ24を通過した光の光路は平行移動
されず、常に予め定める位置を保つ。また可変空間フィ
ルタ24は、第1空間周波数特性を保つ。処理回路27
は、撮像素子26から出力された単一の画像信号に基づ
いて出力画像信号を生成する。第1撮像モードにおいて
生成される画像信号が表す画像は、撮像素子26の撮像
面151内の画素の数と同数の画素によって構成され
る。
【0075】撮像モードを切換える場合、撮像素子26
が光電変換を行う前に、処理回路27はその旨を示す制
御信号を伝達し、可変空間フィルタ24の空間周波数特
性を第1空間周波数特性から第2空間周波数特性に、ま
たはその逆に切換えさせる。この場合処理回路27は、
電磁プランジャ78を動作させてレバー56の作用端部
76に推力を加え、空間フィルタ駆動手段36を図2,
4,5で説明した手順で動作させる。すなわち、撮像モ
ードの切換えに要する時間は、可変空間フィルタ24の
空間周波数の切換えに要する時間とほぼ等しい。
【0076】第2撮像モードでは、可変空間フィルタ2
4は、第2空間周波数特性を保つ。撮像素子26は、予
め定める周期で光電変換を2回行い、各回の光電変換終
了後に、それぞれ画像信号を出力する。イメージシフト
手段25の屈折板38は、撮像素子26が1回目の光電
変換を行う間垂直状態を保ち、1回目の光電変換が終了
した時点から2回目の光電変換が始まる前の時点までの
間に垂直状態から傾斜状態に変更され、2回目の撮像動
作の光電変換が行われる間傾斜状態を保つ。また、屈折
板38は、1回目の光電変換の間に傾斜状態を保ち、2
回目の光電変換の間に垂直状態を保っても良い。これに
よって、1回目および2回目の撮像動作の光電変換の間
にレンズ群23および可変空間フィルタ24を通過した
光の光路は、予め定める方向に予め定める距離だけ平行
に相互にずれる。また屈折板38は、1回目の光電変換
の間に傾斜状態を保ち、2回目の光電変換の間は1回目
の光電変換時の傾斜角度と異なる傾斜角度を保っても良
い。
【0077】前記予め定める距離および方向は、撮像装
置20の撮像素子の構造によって設定されるパラメータ
であり、傾斜状態での屈折板38の光軸22に対する傾
斜角度および屈折板38が傾斜する方向の設計によって
制御される。本実施形態では、ベイヤ配列単板カラーの
撮像素子26の構造に併せて、屈折板38の傾斜角度と
傾斜する方向とが、前記予め定める距離が前記ピッチP
でありかつ予め定める方向が水平方向になるように、設
計されている。処理回路27は、1回目および2回目の
光電変換によって生成された2つの画像信号に基づいて
出力画像信号を生成する。第1撮像モードにおいて生成
される画像信号が表す画像は、撮像素子26の撮像面1
51内の画素の数と同数の画素によって構成される。
【0078】図7(1)は、1回目の光電変換によって
生成された画像信号が表す画像のうちで2行2列の画素
の部分を仮想的に目視表示した図である。1回目の画像
信号が表す画像の各画素161は撮像面151の各画素
に1対1で対応するので、該画像の2行2列の4つの画
素161毎に、撮像面151の2行2列の4つの画素が
検出する色の組合わせと同じ組合わせで、光の3原色の
うちのいずれか1つの色の輝度に関する情報が得られ
る。図7では、赤、青、緑の輝度に関する情報が得られ
る画像の画素161を表す矩形内に、「R」,「G」,
「B」をそれぞれ記載して示す。2回目の光電変換によ
って生成された画像信号が表す画像においても、画像の
各画素毎に、光の3原色のうちのいずれか1つの色の輝
度に関する情報が得られる。第1撮像モードでは、1回
目の画像信号と同じ信号構成の画像信号だけを用いて、
出力画像信号を生成する。
【0079】図7(2)は、1回目および2回目の光電
変換によって生成された画像信号を合成した合成画像信
号が表す画像のうちで2行2列の画素の部分を仮想的に
目視表示した図である。合成画像信号が表す画像の各画
素163は撮像面151内の隣合う任意の2つの画素1
52とそれぞれ対応するので、画像の2行2列の4つの
画素163毎に、撮像面151の2行2列の4つの画素
自身が検出する色の輝度に関する情報と、該各画素と水
平方向に隣合う4つの画素が検出した色の輝度に関する
情報とが、それぞれ得られる。第2撮像モードでは、1
回目および2回目の画像信号を合成して前記合成画像信
号を生成し、前記合成画像信号を用いて出力画像信号を
生成する。第2撮像モードの出力画像信号の基礎となる
合成画像信号が表す画像の各画素163は、第1撮像モ
ードで出力画像信号の基礎とした画像信号が表す画像の
各画素161の情報が多いので、第2撮像モードの出力
画像信号が表す出力画像は、第1撮像モードの出力画像
信号が表す出力画像よりも、高解像度になる。
【0080】図8は、予め定める第1位置関係の可変空
間フィルタ24の第1〜第3複屈折板33〜35を示す
簡略化した斜視図である。第1位置関係は、可変空間フ
ィルタ24が第1空間周波数特性を持つ場合の第1〜第
3複屈折板33〜35の光学軸q1〜q3の位置関係で
ある。図8において、第1〜第3複屈折板33〜35内
部の矢印は、第1〜第3複屈折板33〜35の光学軸q
1〜q3の投影方向を示す。第1〜第3複屈折板33の
光学軸q1〜q3は、光軸22に対して約45度にそれ
ぞれ切出されており、かつ投影方向がそれぞれ異なる。
投影方向とは、光学軸q1〜q3をxy平面に投影した
投影像の方向であり、該投影像と水平方向xに平行な座
標軸と平行な場合を基準の0°と定義する。
【0081】単一枚の複屈折板に入射した光は、複屈折
板内部を通過する間に常光線と異常光線とに分離され、
常光線と異常光線とが光学軸の投影方向に複屈折板の厚
みに応じて定まる分離幅だけ相互に平行に離れて出射す
る。常光線の振動面は、複屈折板の光学軸に垂直であ
り、異常光線の振動面は複屈折板の光学軸に平行であ
る。表1は、第1〜第3複屈折板33〜35の分離幅d
1〜d3と厚みW1〜W3と光学軸q1〜q3の投影方
向とを示す。第1〜第3複屈折板33〜35の分離幅d
1〜d3とは、第1〜第3複屈折板33〜35から出射
される常光線と、第1〜第3複屈折板33〜35から出
射される異常光線とのそれぞれの間隔であり、第1〜第
3複屈折板33〜35の厚みW1〜W3に基づいて定め
られる。
【0082】
【表1】
【0083】図9は、第1位置関係の可変空間フィルタ
における第1〜第3複屈折板33〜35の光の分離状態
を説明するための図である。分離状態を説明する図で
は、光軸22に垂直な仮想平面において、常光線および
異常光線が通過する位置を白丸で示し、白丸で示す位置
を通過する光線の振動面を、該白丸から伸びる矢印で示
す。また、2つの光線の位置が重なる場合、その位置を
二重丸で示す。
【0084】レンズ群23を通過した光は、まず第1複
屈折板33に入射する。前記光は、第1複屈折板33を
通過する間に、図9(1)に示すように、常光線Loと
異常光線Leとに分離されて、出射する。第1複屈折板
33の常光線Loと第1複屈折板33の異常光線Leと
結ぶ方向は、第1位置関係における第1複屈折板33の
光学軸q1の投影方向と平行である。第1複屈折板33
の常光線Loと第1複屈折板33の異常光線Leとは分
離幅d1だけ離れており、分離幅d1は、撮像素子26
の撮像面151の画素152の配列のピッチPの√2分
の1倍(P/√2)と等しい。
【0085】次に、第2複屈折板34に、第1複屈折板
33の常光線Loおよび異常光線Leが入射する。図9
(2)に示すように、第1複屈折板33の常光線Lo
は、第2複屈折板34を通過する間に元の位置から分離
幅d2だけ光学軸q2の投影方向に平行移動して、第2
複屈折板の異常光線Loeとして出射される。また第1
複屈折板33の異常光線Leは、図9(2)に示すよう
に、第2複屈折板34を通過する間も位置を変えず、第
2複屈折板24の常光線Leoとして出射される。第1
複屈折板33の常光線Loの振動面は光学軸q2に平行
であるので、第1複屈折板33の常光線Loに対応する
第2複屈折板34の常光線は出射されない。第1複屈折
板33の異常光線Leの振動面は光学軸q2に垂直であ
るので、第1複屈折板34からの異常光線Leに対応す
る第2複屈折板24の異常光線は出射されない。
【0086】続いて、第3複屈折板35に第2複屈折板
34の常光線Leoおよび異常光線Loeが入射する。
第2複屈折板34の異常光線Loeは、第3複屈折板3
5を通過する間に、図9(3)に示すように、第3複屈
折板35の常光線Loeoと第3複屈折板の異常光線L
oeeとに分離されて、出射する。第2複屈折板34の
常光線Leoは、第3複屈折板35を通過する間に、図
9(3)に示すように、第3複屈折板35の常光線Le
ooと第3複屈折板の異常光線Leoeとに分離され
て、出射する。第3複屈折板35の常光線Loeoと第
3複屈折板の異常光線Loeeとを結ぶ方向、および第
3複屈折板35の常光線Leooと第3複屈折板の異常
光線Leoeとを結ぶ方向は、光学軸q3の投影方向と
それぞれ平行である。第2複屈折板34の異常光線Lo
eに対応する第3複屈折板35の常光線Loeoおよび
第3複屈折板の異常光線Loeeは分離幅d3だけ離
れ、かつ第2複屈折板34の常光線Leoに対応する第
3複屈折板35の常光線Leooおよび第3複屈折板の
異常光線Leoeは分離幅d3だけ離れており、分離幅
d3は、前記ピッチPと等しい。
【0087】したがって、第1〜第3複屈折板33〜3
5が第1位置関係にある状態の可変空間フィルタ24に
おいて最終的に得られる常光線と異常光線との分離状態
は、図9(3)の同一の分離状態であり図10で示す第
1分離状態になる。前記第1分離状態は、具体的には、
第3複屈折板35の常光線Leoo,Loeo同士の位
置、および第3複屈折板35の異常光線Leoe,Lo
ee同士の位置が撮像素子26の撮像面151の画素1
52の配列の水平方向のピッチPxと同じ幅だけそれぞ
れ離れ、かつ、第3複屈折板35の常光線Leoo,L
oeoの位置を結ぶ仮想線分と第3複屈折板35の異常
光線Leoe,Loeeの位置を結ぶ仮想線分とが前記
配列の垂直方向のピッチPyと同じ間隔を明けて平行に
並ぶ。これによって、可変空間フィルタを通過する光の
水平および垂直方向の空間周波数成分のうちでナイキス
ト周波数1/P以上の高周波成分をそれぞれ除去する第
1空間周波数特性が得られる。ナイキスト周波数f/2
は、撮像素子26のサンプリング周波数の半分の周波数
であり、サンプリング周波数は撮像面152の画素の配
列のピッチPx,Pyに基づいて定められる。
【0088】図11は、可変空間フィルタ24の第1撮
像モードにおける空間周波数平面内の特性を示す図であ
る。空間周波数平面内の特性を示す図において、横軸は
水平方向xの空間周波数を示し、その単位は水平方向の
ピッチPxの逆数(1/Px)であり、縦軸は垂直方向
yの空間周波数を示し、その単位は垂直方向のピッチP
yの逆数(1/Py)である。空間周波数平面内の特性
を示す図において、白丸は輝度モアレの空間周波数を示
し、斜線を施して示す黒丸は色モアレの空間周波数を示
す。輝度モアレの空間周波数および色モアレの空間周波
数は、出力画像信号の元になる画像信号が表す画像にお
ける光の三原色の各色の輝度に関する情報を有する画素
161R,161G,161Bの配列と、撮像素子26
の撮像面151の画素152の配列のピッチPx,Py
とによって、定められる。
【0089】空間周波数平面内で、撮像素子26の撮像
面151に結像される被写体の像の空間周波数が存在す
る画像帯域171は、空間周波数平面内で斜線を施して
示す部分である。画像帯域171は、縦軸および横軸に
平行な幅がそれぞれ1未満の矩形の領域である。ゆえ
に、第1撮像モードでは、第1空間周波数特性の可変空
間フィルタ24によって、被写体からの光のうちで輝度
モアレおよび色モアレの原因となる水平および垂直方向
の不必要な高周波成分が遮断される。不必要な高周波成
分とは、サンプリング定理に基づき撮像素子26で解像
可能な被写体の像の空間周波数以外の空間周波数の成分
であり、たとえばナイキスト周波数f/2以上の空間周
波数の成分である。このように、第1撮像モードでは、
撮像面に結像される光から水平および垂直方向の不必要
な高周波成分が除去されているので、水平および垂直方
向の色モアレの発生が抑制される。
【0090】図12は、予め定める第2位置関係の可変
空間フィルタ24の第1〜第3複屈折板33〜35を示
す簡略化した斜視図である。第2位置関係は、可変空間
フィルタ24が第2空間周波数特性を持つ場合の第1〜
第3複屈折板33〜35の光学軸q1〜q3の位置関係
であり、第1位置関係と比較して、第1複屈折板33の
光学軸q1の投影方向の角度だけが異なり、他は等し
い。図12において、第1〜第3複屈折板33〜35内
部の矢印は、第1〜第3複屈折板33〜35の光学軸q
1〜q3の投影方向を示す。第2撮像モードでは、第1
複屈折板33から成る第1フィルタ31は、前述の図8
の第1撮像モードの第1位置関係と比較して、レンズ群
23の光軸22を中心とした時計まわりに90度だけ、
空間フィルタ駆動手段36によって角変位されている。
これによって第1複屈折板33の光学軸q4の投影方向
は、水平方向xを基準に反時計まわりに135度になる
ので、第1複屈折板33の光学軸q1の投影方向と第2
複屈折板34の光学軸q2の投影方向とは、平行であり
かつ相反する。
【0091】図13は、第2位置関係の可変空間フィル
タ24における第1〜第3複屈折板33〜35の分離光
像を説明するための図である。
【0092】レンズ群23を通過した光は、まず第1複
屈折板33に入射する。前記光は、第1複屈折板33を
通過する間に、図13(1)に示すように、常光線Lo
と異常光線Leとに分離されて出射する。第1複屈折板
33の常光線Loと第1複屈折板33の異常光線Leと
結ぶ方向は、第2位置関係における第1複屈折板33の
光学軸q1の投影方向と平行である。第1複屈折板33
の常光線Loと第1複屈折板33の異常光線Leとは分
離幅d1だけ離れており、分離幅d1は、撮像素子26
の撮像面151の画素152の配列のピッチPの√2分
の1倍(P/√2)と等しい。
【0093】次に、第2複屈折板34に、第1複屈折板
33の常光線Loおよび異常光線Leが入射する。図1
3(2)に示すように、第1複屈折板33の常光線Lo
は、第2複屈折板34を通過する間も位置を変えず、第
2複屈折板24の常光線Looとして出射される。また
第1複屈折板33の異常光線Leは、図13(2)に示
すように、第2複屈折板34を通過する間に元の位置か
ら分離幅d2だけ光軸q2の投影方向にシフトして、第
2複屈折板34の異常光線Leeとして出射される。第
1および第2複屈折板33,34の光学軸q1,q2の
投影方向は、平行でかつ相反するので、第2複屈折板3
4の常光線Looと第2複屈折板34の異常光線Lee
とは、同じ位置から出射される。第1複屈折板33の常
光線Loの振動面は光学軸q2に垂直であるので、該常
光線Loに対応する異常光線は出射されない。また第1
複屈折板33の異常光線Leの振動面は光学軸q2に平
行であるので、該異常光線に対応する常光線は出射され
ない。
【0094】続いて、第3複屈折板35に第2複屈折板
34の常光線Looおよび異常光線Leeが入射する。
第2複屈折板34の異常光線Leeは、第3複屈折板3
5を通過する間に、図13(3)に示すように、第3複
屈折板35の常光線Leeoと第3複屈折板の異常光線
Leeeとに分離されて、出射する。第2複屈折板34
の常光線Looは、第3複屈折板35を通過する間に、
図13(3)に示すように、第3複屈折板35の常光線
Loooと第3複屈折板の異常光線Looeとに分離さ
れて、出射する。第3複屈折板35の常光線Leeoと
第3複屈折板の異常光線Leeeとを結ぶ方向、および
第3複屈折板35の常光線Loooと第3複屈折板の異
常光線Looeとを結ぶ方向は、光学軸q3の投影方向
とそれぞれ平行である。第2複屈折板34の異常光線L
eeに対応する第3複屈折板35の常光線Leeoおよ
び第3複屈折板の異常光線Leeeとは分離幅d3だけ
離れ、第2複屈折板34の常光線Looに対応する第3
複屈折板35の常光線Loooおよび第3複屈折板の異
常光線Looeとは分離幅d3だけ離れており、分離幅
d3は、前記ピッチPと等しい。
【0095】したがって、第1〜第3複屈折板33〜3
5が第2位置関係にある状態の可変空間フィルタ24に
おいて最終的に得られる常光線と異常光線との分離状態
は、図13(3)の同一の分離状態であり図14で示す
第2分離状態になる。前記第2分離状態は、具体的に
は、第3複屈折板35の常光線Looo,Leeo同士
の位置が等しく、第3複屈折板35の異常光線Lee
e,Looe同士の位置が等しく、かつ、第3複屈折板
35の常光線Looo,Leeoの位置と第3複屈折板
35の異常光線Leee,Looeの位置とが、垂直方
向に平行に、前記配列の垂直方向のピッチPyと同じ間
隔を明けて並ぶ。これによって、可変空間フィルタを通
過した光の垂直方向の空間周波数成分のうちでナイキス
ト周波数1/P以上の高周波成分だけを除去する第2空
間周波数特性が得られる。ゆえに、第空間周波数特性
は、第1空間周波数特性と比較して、水平方向の空間周
波数特性、すなわちカットオフ周波数が大きくなってい
る。
【0096】図15は、可変空間フィルタ24の第2撮
像モードにおける空間周波数平面内の特性を示す図であ
る。第2撮像モードにおける輝度モアレのおよび色モア
レの空間周波数は、出力画像信号の元になる合成画像信
号が表す画像における光の三原色の各色の輝度に関する
情報を有する画素163R,163G,163Bの配列
と、撮像素子26の撮像面151の画素152の配列の
ピッチPx,Pyとによって、定められる。第2撮像モ
ードにおける横軸上の輝度モアレおよび色モアレの空間
周波数の数は、第1撮像モードにおける横軸上の輝度モ
アレおよび色モアレの空間周波数成分よりも数が少な
い。このために、上述したように、第2空間周波数特性
は、水平方向の空間周波数特性を、第1空間周波数特性
よりも拡大したのである。
【0097】空間周波数平面内で、撮像素子26の撮像
面151に結像される被写体の像の空間周波数が存在す
る画像帯域172は、空間周波数平面内で斜線を施して
示す部分である。画像帯域172は、縦軸に平行な幅が
1未満であり横軸に平行な幅は1以下の矩形の領域であ
る。ゆえに、第2撮像モードでは、第2空間周波数特性
の可変空間フィルタ24によって、被写体からの光のう
ちで輝度モアレおよび色モアレの原因となる垂直方向の
不必要な高周波成分だけ遮断される。このように、第2
撮像モードでは、撮像面に結像される光から垂直方向の
不必要な高周波成分だけが除去されているので、垂直方
向の色モアレの発生が抑制される。これによって、第1
撮像モードよりも解像度が高く画質の良い画像を得るの
に適した空間周波数特性になる。
【0098】図8〜図15で説明したように、可変空間
フィルタ24の第1〜第3複屈折板に起因する光路の分
離状態を変更することによって、可変空間フィルタ24
によって遮断される光の周波数成分、すなわち空間周波
数特性を容易に変更することができる。可変空間フィル
タ24は、レンズ群23と撮像素子26との間の光路に
介在させたまま空間周波数特性を変更することができ、
かつ、光路の分離状態を変更するためには空間フィルタ
駆動手段36によって第1複屈折板33を角変位させる
だけなので、空間周波数成分の変更に要する時間が従来
技術の空間周波数特性が可変の光学的ローパスフィルタ
よりも短縮される。これによって、第1および第2撮像
モードの切換えに要する時間を従来技術の前記光学的ロ
ーパスフィルタを備えた撮像装置よりも短縮することが
できる。
【0099】本実施の形態の可変空間フィルタ24およ
び撮像装置20は、本発明の可変空間フィルタ24およ
び撮像装置20の例示であり、主要な構造および挙動が
等しければ、他の様々な形で実施することができる。ゆ
えに、本発明の可変空間フィルタは、上述の可変空間フ
ィルタ24に限らず、光路上に並べられた複数の複屈折
板のうちの少なくとも1枚の複屈折板を角変位させるこ
とによって空間周波数特性が切換え可能な可変空間フィ
ルタにおいて、前記少なくとも1枚の複屈折板が上述し
た空間フィルタ駆動手段36に取付けられた構造であれ
ばよい。たとえば、本発明の可変空間フィルタにおい
て、2枚以上の複屈折板を同じ角度だけ角変位させる場
合、前記2枚以上の複屈折板を支持部材55の中央孔6
3に光軸22上に並べて取付けても良い。またたとえ
ば、本発明の可変空間フィルタにおいて、2枚以上の複
屈折板を相互に異なる角度だけ角変位させる場合、およ
び異なる撮像モードにおいて角変位させる場合、空間フ
ィルタ駆動手段を複数準備して前記2枚以上の複屈折板
それぞれに空間フィルタ駆動手段36を個別に取付けて
もよい。さらに、空間フィルタ駆動手段36は、細部の
形状および挙動を変更して、支持部材55が角変位する
基準角度θcを、90度以外の他の角度にしてもよい。
細部とは、たとえば案内孔64の形状および支持部材5
5内での位置、ならびに支持部材55の位置決めに関す
る構造の形状および挙動である。さらにまた、本実施の
形態では、可変空間フィルタ24は撮像装置20におい
て用いられるものとして説明したが、入射した光の空間
周波数成分を制限する必要の或る装置であれば、他の装
置に用いられても良い。
【0100】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、可変空間
フィルタは、空間周波数特性を切換えるために、複数の
複屈折板の前記少なくとも1枚が支持手段に支持され、
支持手段およびレバーのいずれか一方に設けられる突起
が支持手段およびレバーのいずれか他方に形成される案
内孔に嵌め込まれ、レバーの角変位に伴って支持手段が
角変位する構造を有する。これによって、空間周波数特
性の切換えに要する空間を小さくしかつ可変空間フィル
タの部品点数を減少させて小型化することができる。ま
た可変空間フィルタ内では、規制部材が支持部材の過度
の角変位を防止し、かつ位置決め用ばねが支持部材を規
制部材に付勢する。これによって、簡単な構成で支持部
材を正確に位置決めすることができるので、空間周波数
特性を確実に切換えることができる。
【0101】また本発明によれば、可変空間フィルタを
構成する部品は全て収納ケースに収納され、可変空間フ
ィルタはユニット化される。これによって、可変空間フ
ィルタを取付けるべき光学系への可変空間フィルタの取
付け作業および光学系に取付けられた可変空間フィルタ
の調整作業を簡略化して、各作業のコストを低減するこ
とができる。また、可変空間フィルタの取付け性が向上
するので、可変空間フィルタに汎用性を持たせることが
できる。
【0102】さらにまた本発明によれば、収納ケースと
支持部材との間には、不織布が介在される。これによっ
て、可変空間フィルタの前記少なくとも1枚の複屈折板
を角変位させるための駆動手段の耐久性を向上させるこ
とができ、かつ、防塵性を向上させることができる。
【0103】また本発明によれば、収納ケースはハウジ
ングと蓋とで構成され、蓋に取付けられた規制用ばねに
よって支持部材がハウジングに付勢される。これによっ
て、複数の複屈折板の光学軸の位置関係のずれに起因す
る空間周波数特性のずれが生じることを防止することが
できる。
【0104】さらにまた本発明によれば、案内孔は、支
持部材が第1および第2角変位位置にある場合に突起の
移動方向両側から望む係止面を有する。ゆえに、これに
よって、可変空間フィルタは、支持部材が第1および第
2角変位位置にある場合にレバーの角変位を防止するた
めの部材および機構を持つ必要がない。したがって、可
変空間フィルタの構造が簡略化されて部品点数が減少す
るので、製造コストを低減させることができる。
【0105】また本発明によれば、案内孔の基準軸線に
垂直な断面形状は略V字状であり、支持部材が第1およ
び第2角変位位置にある場合、突起は前記突出した一部
分の前記両側の部分のいずれか一方および他方にそれぞ
れ嵌まり込む。これによって支持部材およびレバーのう
ちで案内孔が形成される前記いずれか他方の形状を、案
内孔を直線状に形成する場合よりも小さくして、可変空
間フィルタを小型化することができる。
【0106】さらにまた本発明によれば、突起とレバー
の回転中心とは、前記仮想平面を挟んで配置される。こ
れによって、可変空間フィルタは、簡便にかつ高速で空
間周波数特性を切換えることができると共に、可変空間
フィルタを小型化することができる。
【0107】また本発明によれば、前記レバー内で前記
レバーの支点と前記突起との間の部分に、支持部材が第
1および第2角変位位置にある場合に有効光束を遮らな
いために、くびれが形成されている。これによって、可
変空間フィルタの空間周波数特性の切換えに要する時間
がさらに短縮される。
【0108】また本発明によれば、レンズから入射され
た光を撮像素子の結像面に結像させる撮像装置におい
て、レンズと撮像素子との間に上述したような可変空間
フィルタが介在される。これによって、撮像装置を小型
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である可変空間フィルタ
24を備えた撮像装置20の構造を簡略化して表す図で
ある。
【図2】前記可変空間フィルタ24の駆動ユニット37
の具体的な構造を表す正面図である。
【図3】前記可変空間フィルタ24の駆動ユニット36
のA−A断面図である。
【図4】可変空間フィルタ24の空間周波数特性の切換
えの途中における前記可変空間フィルタ24の駆動ユニ
ット36の正面図である。
【図5】撮像装置20が第1撮像モードである場合の前
記可変空間フィルタ24の駆動ユニット36の正面図で
ある。
【図6】撮像装置20の撮像素子26の撮像面151の
構造を示す拡大正面図である。
【図7】第2撮像モードの1回目の光電変換後に前記撮
像素子26から出力された1回目の画像信号が表す画
像、および第2撮像モードにおいて1回目および2回目
の光電変換後にそれぞれ出力された画像信号を合成した
合成画像信号が表す画像を説明するための図である。
【図8】第1撮像モードにおける可変空間フィルタ24
の状態を示す簡略化した斜視図である。
【図9】第1撮像モードにおける可変空間フィルタ24
の第1〜第3複屈折板33〜35の光の分離状態を表す
図である。
【図10】第1撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の第1分離状態を表す図である。
【図11】第1撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の第1空間周波数特性を表す空間周波数平面図であ
る。
【図12】第2撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の状態を示す簡略化した斜視図である。
【図13】第2撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の第1〜第3複屈折板33〜35の光の分離状態を表
す図である。
【図14】第2撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の第2分離状態を表す図である。
【図15】第2撮像モードにおける可変空間フィルタ2
4の第2空間周波数特性を表す空間周波数平面図であ
る。
【図16】第1の従来技術の撮像装置の切換え式ローパ
スフィルタ1の構造を示す図である。
【符号の説明】
20 撮像装置 22 光軸 23 レンズ群 24 可変空間フィルタ 26 撮像素子 33〜35 複屈折板 36 空間フィルタ駆動手段 37 駆動ユニット 51 収納ケース 52 ハウジング 53 蓋 55 支持部材 56 レバー 57 板ばね 58 規制部材 59 規制用ばね 60 不織布部材 64 案内孔 65 位置決め用切欠き 66 段部 72 レバーの支点 82 突起 86 くぼみ α1 第1角変位位置 α2 第2角変位位置 θc 基準角度 θr 操作角度

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の複屈折板が予め定める基準軸線上
    に並べられ、複数の複屈折板のうちの少なくとも1枚の
    複屈折板を基準軸線を中心に予め定める基準角度だけ角
    変位することによって、空間周波数特性を切換える可変
    空間フィルタにおいて、前記少なくとも1枚の複屈折板
    を支持し、基準角度だけ相互にずれた予め定める第1お
    よび第2角変位位置の間で基準軸線まわりに角変位可能
    に設けられる支持部材と、 前記基準軸線と平行な軸線まわりに角変位可能なレバー
    と、 第1および第2角変位位置を両端とする予め定める角変
    位範囲を越えて支持部材が角変位することを規制するた
    めの規制手段と、 支持部材を第1および第2角変位位置で規制部材に付勢
    させる位置決め用ばねとを含み、 レバーの一端部および支持部材のいずれか一方には、突
    起が設けられ、 レバーの一端部および支持部材のいずれか他方には、突
    起が嵌まり込んで案内され、かつ突起が移動可能な案内
    孔が設けられ、 支持部材には、第1および第2角変位位置の少なくとも
    一方の位置で位置決め用バネと係合する係合凹部または
    係合突部が設けられることを特徴とする可変空間フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記複数の複屈折板、前記支持部材、前
    記レバー、前記規制手段、および前記位置決め用ばねを
    収納する収納ケースをさらに含むことを特徴とする請求
    項1記載の可変空間フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記収納ケースと前記支持部材との間に
    介在される不織布をさらに含むことを特徴とする請求項
    2記載の可変空間フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記収納ケースは、前記基準軸線に垂直
    な方向の端が開口するハウジングと、ハウジングの開口
    部に取付けられる蓋とを含み、 蓋には、前記支持部材をハウジングに前記基準軸線に平
    行な方向に付勢する規制用ばねが設けられることを特徴
    とする請求項2記載の可変空間フィルタ。
  5. 【請求項5】 前記案内孔は、前記支持部材が前記第1
    および前記第2角変位位置にある場合に前記突起に対し
    て前記突起の移動方向両側から望む係止面を有すること
    を特徴とする請求項1記載の可変空間フィルタ。
  6. 【請求項6】 前記案内孔の伸びる方向に対して垂直な
    断面形状は、中心軸線が前記基準軸線と直交する三角形
    の孔の底辺の一部分が該三角形の孔の内側に突出した略
    V字型であり、前記突起は、前記第1角変位位置に前記
    支持部材がある場合、前記案内孔の内周面内の突出した
    前記一部分の両側の部分のうちのいずれか一方の部分に
    当接し、前記第2角変位位置に前記支持部材がある場
    合、前記両側の部分のうちのいずれか他方の部分に当接
    することを特徴とする請求項1記載の可変空間フィル
    タ。
  7. 【請求項7】 前記突起と前記レバーの回転中心とは、
    前記レバーの支点と光軸を結ぶ直線に対して垂直であり
    かつ光軸を含む仮想平面を挟んで、配置されることを特
    徴とする請求項1記載の可変空間フィルタ。
  8. 【請求項8】 前記レバーは、前記レバーの支点と前記
    突起との間の部分にくびれが形成されることを特徴とす
    る請求項7記載の可変空間フィルタ。
  9. 【請求項9】 被写体からの光を集光するレンズと、レ
    ンズによって集光された光が結像される結像面を有する
    撮像素子とを含む撮像装置において、 レンズと撮像素子との間に、請求項1〜8のいずれか1
    つの可変空間フィルタが介在されることを特徴とする撮
    像装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001272632A (ja) * 2000-01-21 2001-10-05 Daishinku Corp 偏光解消部材及び光学ローパスフィルタ用偏光解消部材並びにその偏光解消部材を使用した光学ローパスフィルタ
WO2007083783A1 (ja) * 2006-01-20 2007-07-26 Acutelogic Corporation 光学的ローパスフィルタおよびこれを用いた撮像装置
JP2007235890A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Fujifilm Corp 撮像装置

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