JPH11183608A - 物体位置検出装置 - Google Patents

物体位置検出装置

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JPH11183608A
JPH11183608A JP9349093A JP34909397A JPH11183608A JP H11183608 A JPH11183608 A JP H11183608A JP 9349093 A JP9349093 A JP 9349093A JP 34909397 A JP34909397 A JP 34909397A JP H11183608 A JPH11183608 A JP H11183608A
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reception
receiver
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object position
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JP9349093A
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English (en)
Inventor
Yosuke Nishimoto
洋介 西本
Motoyasu Denno
基靖 殿納
Takahiro Inada
貴裕 稲田
Takuji Oka
卓爾 岡
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチターゲット状態における物体位置検出
精度を向上させる。 【解決手段】 物体識別装置をパワー分布が中心から幅
方向外方に向かって弱くなるような形状特性を有するビ
ームを送信する一対の送信器1a,1bと、送信器毎の
ビームの反射波を受信する一対の受信器2a,2bと、
一対の受信器の受信パワーの比を演算するパワー比演算
器5と、反射波に基づいて物体の位置する方位を演算す
る方位演算器6と、受信器に対してビームの幅に関する
態様を擬似的に変化させる制御を行う受信状態制御器3
とを備えたものとする。送信器を両ビームの一部が互い
に重なるように互いに所定角を空けた方向に向かってビ
ームを送信するように構成する。受信状態制御器により
ビームの幅を擬似的に細くしていくと、ビームの幅が物
体からはずれてしまい、反射波が受信されなくなるビー
ム幅になる状態が発生する。このとき物体はビームに隣
接した位置に存在していることがわかるようになるた
め、ビーム幅に基づいて物体の位置する方位を方位演算
器により演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ波を用いて
物体の位置を検出する物体位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の物体位置検出装置と
して、レーザレーダを用い、車両に取り付けられたもの
が知られている(例えば、特開昭61−259186号
公報参照)。このものでは、ビーム形状が正規化された
パルスレーザ光を発信するレーザ発信器と、物体からの
上記パルスレーザ光の反射波を受信する受信器とが車両
の前部に取り付けられており、上記レーザ発信器は、そ
のビームの光軸がそれぞれ中央及び左右方向に向くよう
に3つ配設されている。そして、このパルスレーザ光の
発信タイミングと、反射光の受信タイミングとの時間差
により、物体までの距離を算出するようにし、上記各レ
ーザ光についての反射光の受信強度に基づいて上記物体
の方位を演算するようにしている。
【0003】一方、レーザレーダを用いたレーダ装置
は、雨又は霧のときにはレーザ光が散乱してしまい物体
の検出が不可能になってしまうという問題があるため、
雨又は霧のときであっても物体の検出が可能であるミリ
波等の電波を用いた物体位置検出装置も知られている
(例えば、特開平5−223932号公報参照)。この
ものでは、1つの送信器を車両の前部に取り付け、この
送信器の送信電力又は受信器の利得を制御することによ
りビーム幅を変えて、このビーム幅が路幅に一致するよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、レーザ光は
ビームを細くすることが可能であるため、レーザレーダ
を用いた物体位置検出装置では物体の位置の検出を高精
度に行うことが可能である一方、ミリ波レーダは、例え
ば車両に取り付けるものである場合には、その装置の大
きさに制約があるため、ビームの幅を細くすることが困
難であるという問題がある。このため、ミリ波レーダを
用いた物体位置検出装置では物体の位置の検出精度、特
に物体の位置する方位の検出精度が悪くなってしまうと
いう不都合がある。
【0005】そこで、ミリ波レーダを用いたものにおい
て、図28に示すように、2つの送信器1a,1bを用
いて横断面の中心のピークから幅方向外方に向かって次
第に弱くなるようなパワー分布となる形状特性のビーム
を、検出対象中心軸X1に対して右方向と左方向とに向
けて、ビームの一部が互いに重なるように送信すること
が考えられる。この場合、例えば右方向に送信されたビ
ームR内に物体eのみが存在するときには、ビームRの
受信パワーとビームのパワー分布とに基づいて方位θe
を検出することができるようになる。左方向に送信され
たビームL内に物体fのみが存在する場合にはビームL
の受信パワーとビームのパワー分布とにより方位θfを
検出することができるようになる。また、上記一対のビ
ームR,Lの重なった部分に物体gのみが存在するとき
には、物体が右寄りにあればビームRの中心に近くなる
ためこのビームRの受信パワーPRが強くなり、左寄り
にあればビームLの中心に近くなるためこのビームLの
受信パワーPLが強くなることに基づいて、上記ビーム
R及びビームLの受信パワー比PR/PLを演算すれば、
図5に示すような受信パワー比と物体位置の方位とのマ
ップを用いて、物体の位置する方位θgを演算すること
ができるようになる。
【0006】ところが、上記複数のビームを送信するも
のにおいては、複数の物体が物体検出装置に対して同一
距離に位置する状態、例えば物体識別装置が車両に取り
付けられたものであれば、図29に示すように、自車両
81に対して同一距離だけ離れている走行車線前方の先
行車両82と隣車線の並走車両83とが並んで存在する
場合、または、図30に示すように、走行車線前方の先
行車両82と例えば路側リフレクタ等の路側構造物84
とが並んで存在する場合等の状態(マルチターゲット状
態)には不都合が生じることになる。
【0007】すなわち、上記マルチターゲット状態で
は、図8に示すように、ビームLの範囲内に位置する物
体fと、上記ビームRとビームLとの重なった部分に位
置する物体gとからそれぞれ反射波を受信することにな
り(図10参照)、ビームLの受信パワーPLには2つ
の物体f,gからの反射波が含まれることになる一方、
ビームRの受信パワーPRには物体gからの反射波のみ
が含まれることになる。上記各ビームの受信パワー
R,PLは、例えば図8にkで示す位置に1つの物体の
みが存在している場合にも同じ値となってしまう。この
ため、上記の如き、上記ビームR及びビームLの受信パ
ワー比PR/PLに基づき物体の位置する方位を演算して
も、図8にkで示す位置に1つの物体のみが存在してい
ると誤った認識をしてしまうことになる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、特にマルチタ
ーゲット状態における物体位置検出精度を向上させるこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、互いに異なる複数の方向に
ビームを送信するように配設された複数の送信器と、上
記ビームの物体からの反射波を受信する複数の受信器
と、上記隣り合う一対の受信器の受信パワーの比を演算
するパワー比演算手段と、上記反射波に基づいて上記物
体の位置する方位を演算する方位演算手段と、上記ビー
ムの幅に関し上記送信器の送信態様及び受信器の受信態
様の内の少なくとも一方を変更制御する送受信状態制御
手段とを備えたものとする。そして、上記各送信器を、
パワー分布が中心から幅方向外方に向かって次第に弱く
なるような形状特性を有するビームを送信するよう構成
し、かつ、隣り合う一対の送信器からのビームの一部が
互いに重なるように互いに所定角を開けた方向に向かっ
て送信するように構成し、上記各受信器を、上記送信器
毎のビームの反射波を受信するように構成し、上記方位
演算手段を、上記パワー比演算手段により演算された受
信パワー比に基づく物体位置の方位の演算結果と、上記
送受信状態制御手段により変更制御された状態での各受
信器の受信パワーの変化に基づく物体位置の方位の演算
結果との比較において各物体の位置する方位を決定する
ように構成するものである。
【0010】上記の構成の場合、隣接する一対のビーム
いずれか一方の反射波のみを受信しているときには、そ
のビームの範囲内に物体が1つ存在していることが判明
し、その受信パワーとビームのパワー分布とに基づいて
上記物体の位置する方位を演算することが可能になる。
【0011】一方、上記一対のビームの双方の反射波を
受信しているときには、各ビームの範囲内にそれぞれ物
体が1つずつ存在している、または、上記一対のビーム
の重なった範囲内に物体が1つ存在している、あるい
は、上記一対のビームの重なった範囲内に物体が1つ存
在し、かつ、いずれか一方のビームの範囲内に物体がも
う1つ存在していることの3通りの状態が想定される。
【0012】そこで、送受信状態制御手段によりビーム
の幅に関する態様、具体的にはビームの幅を徐々に細く
していくと、このビームが上記物体からはずれてしま
い、反射波が受信されなくなるビーム幅になる状態が発
生する。このとき、物体は上記ビームに隣接した位置に
存在していることがわかるようになるため、上記ビーム
幅に基づいて物体の位置する方位を演算することが可能
になる。従って、マルチターゲット状態であっても、各
ビームの幅を徐々に細くしていくことにより、個々の物
体の方位が得られる。
【0013】例えば、上記パワー比に基づく物体位置の
方位の演算結果と、上記受信状態の変化に基づく物体位
置の方位の演算結果とを比較し、両者が同一であれば、
上記ビームの重なった範囲内に1つの物体のみが存在し
ていることになり、異なっていれば、各ビームの範囲内
にそれぞれ物体が1つずつ存在している、または、上記
一対のビームの重なった範囲内に物体が1つ存在し、か
つ、どちらか一方のビームの範囲内に物体が1つ存在し
ているマルチターゲット状態であることが判明する。
【0014】そして、上記一対のビームの重なった範囲
内に物体が存在しているときには、上記1つの物体から
の反射波を隣り合う一対の受信器が受信することになる
ため、上記両受信パワーの和を演算すると、上記ビーム
の重なった範囲内の物体の反射波を重複して加算するこ
とになる。従って、上記受信パワーの和の値の大きさに
基づいて、上記ビームの重なった範囲内に物体が存在し
ているか否かを判定することが可能になる。
【0015】上記マルチターゲット状態において、上記
それぞれのビームの範囲内にそれぞれ1つの物体が存在
しているときには、上記各受信パワーは各物体からの反
射波であるため、上記各受信パワーとビームのパワー分
布とに基づいて、各物体の位置する方位をそれぞれ演算
することが可能になる。
【0016】一方、上記ビームの重なった範囲内に物体
が1つ存在し、かつ、いずれか一方のビームの範囲内に
物体が1つ存在しているときには、上記各ビームの受信
パワーの大きさを比較すると、2つの物体からの反射波
が含まれている受信パワーの方は値が大きくなる。この
ため、小さい値の受信パワーは上記ビームの重なった範
囲内の物体からの反射波であることになる。これによ
り、小さい値の受信パワーとそのビームのパワー分布と
に基づいて、上記ビームの重なった範囲内に存在する物
体位置の方位を演算することが可能になる。次いで、上
記小さい値の受信パワーを大きい値の受信パワーから減
ずると、上記そのビームの範囲内の物体からの反射波の
受信パワーを得ることになる。そして、この受信パワー
とビームのパワー分布とに基づいて、上記のビームの範
囲内の物体の位置する方位を演算することが可能にな
る。これにより、マルチターゲット状態であっても、正
確に各物体の位置を検出することが可能になる。
【0017】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、送受信状態制御手段を、受信器の受信感度
を変化させることでビームの幅に関する態様を擬似的に
変化させるように構成するものである。そして、上記受
信器の受信感度の変化のための上記送受信状態制御手段
による受信器の制御は具体的には以下の請求項3〜請求
項7の如く行えばよい。
【0018】すなわち、請求項3記載の発明は、各受信
器を、レンズアンテナにより構成し、送受信状態制御手
段を、上記各受信器に対して上記レンズアンテナの焦点
を変更制御するように構成する。
【0019】上記の構成の場合、例えば受信器の透電体
レンズと受信素子との距離を変化させることで、上記透
電体レンズの焦点が上記受信素子からずれるようにな
り、このため、ビームの外縁部分が受信されなくなる。
これにより、上記受信器の受信感度を低下させることが
可能になる。
【0020】請求項4記載の発明は、送受信状態制御手
段を、各受信器に対してこの受信器の指向領域を変更制
御するように構成する。
【0021】上記の構成の場合、例えば受信器がレンズ
アンテナであれば、透電体レンズに絞りを設けてこの絞
りを絞る、また、例えば受信器が平面アンテナであれ
ば、その平面上に並べられた多数の受信素子の内、受信
可能な受信素子の数を減少させることで、受信器の指向
領域を減少させることが可能になり、これにより、上記
受信器の受信感度を低下させることが可能になる。
【0022】請求項5記載の発明は、各受信器を、送信
されたビームの反射波に対する受信エリアの位置を変更
し得るように構成し、送受信状態制御手段を、上記反射
波のビーム領域に対する受信エリアの重複領域が変化す
るよう上記各受信器の受信エリアの位置を変更制御する
ように構成する。
【0023】上記の構成の場合、送信ビームと受信エリ
アとの重なった部分の面積を、例えば上記受信エリアを
上方に位置させることで減少させることが可能になる。
これにより、上記受信器の受信感度を低下させることが
可能になる。
【0024】また、請求項6記載の発明は、送受信状態
制御手段を、各受信器の基準電圧を変更制御するように
構成する。
【0025】上記の構成の場合、例えば基準電圧を上げ
ると、受信パワーの強い信号のみが方位演算手段または
パワー比演算手段に出力されるようになり、その結果、
受信感度を低下させることが可能になる。
【0026】さらに、請求項7記載の発明は、送受信状
態制御手段を、各受信器のアンプゲインを変更制御する
ように構成する。
【0027】上記の構成の場合、受信器の利得を低下さ
せると、受信パワーの弱いものはノイズレベルになるよ
うになり、その結果、受信器の受信感度を低下させるこ
とになる。
【0028】一方、請求項8記載の発明は、請求項1記
載の発明において、送受信状態制御手段を、送信器の送
信態様を変更することによりビームの幅に対する態様を
擬似的に変化させるように構成するものである。より具
体的には、請求項9記載の発明の如く、請求項8記載の
発明において、送受信状態制御手段を、受信器の受信有
効領域が変化するよう送信器の送信態様を変更するよう
に構成する。
【0029】上記の構成の場合、送信器によりビーム幅
を物理的に変化させることなく、送受信状態制御手段に
より送信器の送信態様を変更することで例えばビームの
外縁部分のパワーの弱い部分が受信されないことと等価
にして、受信有効領域を縮小させてビーム幅を擬似的に
変化させることが可能になる。
【0030】そして、上記送信器によるビームの幅の擬
似的変化は以下の請求項10〜請求項12の如く行えば
よい。
【0031】すなわち、請求項10記載の発明は、送受
信状態制御手段を、送信器に対してビームの送信方向を
上下方向に変更制御するように構成する。
【0032】上記の構成の場合、例えば上記ビームの送
信方向を上方向にずらすと、このビームの外縁部分のパ
ワーの弱い部分のみが物体に当たるようになる。これに
より、反射波のパワーが弱くなり、受信器の受信有効領
域を縮小させることが可能になる。
【0033】請求項11記載の発明は、各送信器を、送
信するビームの出射方向を上下方向に変更し得るように
構成し、送受信状態制御手段を、上記送信されたビーム
の反射波を受信する受信器の受信エリアに対する上記反
射波のビーム領域の重複領域が変化するように上記各送
信器の出射方向を変更制御するように構成する。
【0034】上記の構成の場合、送信ビームと受信エリ
アとの重なった部分の面積を、例えば上記ビームを上方
に位置させることで減少させることが可能になる。これ
により、上記受信器の受信有効領域を縮小させることが
可能になる。
【0035】また、請求項12記載の発明は、送受信状
態制御手段を、各送信器の送信パワーを変更制御するよ
うに構成する。
【0036】上記の送信器の送信パワーの制御を行う構
成の場合、例えば送信器の送信パワーを減少させると、
物体からの反射波の受信パワーが減少するようになり、
その結果、受信器の受信有効領域を縮小させることが可
能になる。
【0037】請求項13記載の発明は、請求項9記載の
発明において、送受信状態制御手段を、隣接する一対の
送信器の内、一方のみの送信態様を変化させるように構
成するものである。
【0038】上記の構成の場合、多数本のビームの送信
態様を変化させると時間がかかってしまうところを、隣
接する一対の送信器の内の一方のみ送信態様を変化させ
ることで物体位置の検出にかかる時間の短縮が図られ
る。
【0039】請求項14記載の発明は、ビームを送信す
る送信器と、上記ビームの物体からの反射波を受信する
受信器と、上記送信器のビームを左右に走査させる送信
方向制御手段と、上記受信器により受信された反射波に
基づいて物体の位置する方位を演算する方位演算手段と
を備えたものとする。そして、上記方位演算手段を、上
記送信方向制御器から入力されるビームの走査角度と、
上記受信器から入力される受信パワーの変化とに基づい
て物体の位置する方位を演算するように構成するもので
ある。
【0040】上記の構成の場合、ビームの走査角度方向
に物体が存在していれば、この物体からの反射波を受信
することになるため、その受信パワーとそのときのビー
ムの走査角度とに基づいて、物体の位置する方位を演算
することが可能になる。このため、マルチターゲット状
態であっても、各物体の位置をそれぞれ正確に検出する
ことが可能になる。
【0041】請求項15記載の発明は、請求項14記載
の発明において、受信器を、ビームの反射波を走査角度
に対して連続的に受信するように構成し、方位演算手段
を、上記ビームの走査角度と、上記受信パワーの連続的
な変化とに基づいて、物体の位置する方位を演算するよ
うに構成するものである。
【0042】上記の構成の場合、反射波を連続的に受信
することにより、物体が存在する方位では、その反射波
の受信パワーが強くなることで上記物体位置の方位を演
算することが可能になり、マルチターゲット状態であっ
ても、物体の位置をそれぞれ正確に検出することが可能
になる。また、連続的に反射波を受信することにより、
物体の検出漏れを防止することが可能になる。
【0043】請求項16記載の発明は、請求項1〜15
記載の発明のいずれかにおいて、送信器を、ミリ波を送
信するように構成するものである。
【0044】上記の構成の場合、特にミリ波の場合に問
題となる不都合を効果的に解消することが可能となり、
本発明は特にミリ波の場合に有用となる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0046】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実
施形態に係る物体位置検出装置を示し、この第1実施形
態では、放射するビームの幅に関する態様を擬似的に変
化させるようにして、そのときの受信状態の変化に基づ
いて物体位置を検出するように構成されている。
【0047】図1において、1a,1bはそれぞれ送信
器であり、この各送信器1a,1bはレーダ波としてミ
リ波を送信する送信アンテナ11と、この送信アンテナ
11を制御する送信モジュール12とを備えている。
【0048】また、2a,2bはそれぞれ受信器であ
り、この各受信器2a,2bは物体からの反射波を受信
するする受信アンテナ21と、この受信アンテナ21を
制御する受信モジュール22と、上記受信アンテナ21
により受信した反射波の受信信号を増幅するアンプ23
と、上記アンプ23に接続されるコンパレータ24とを
備えている。
【0049】さらに、3は上記受信アンテナ21,21
の受信状態を変化させる送受信状態制御手段としての受
信状態制御器、4は上記反射波の周波数分布により検出
物体の距離を演算する距離演算手段としての距離演算
器、5は上記各受信アンテナ21により受信された反射
波の受信パワーの比を演算するパワー比演算手段として
のパワー比演算器、6は上記反射波の受信パワー又は受
信パワー比に基づいて物体の方位を演算する方位演算手
段としての方位演算器である。
【0050】上記送信器1aは、図2に示すように、検
出対象方向の中心軸X1に対して−θ1だけ傾けた方向に
向かってビームLを送信し、もう一方の送信器1bは、
検出対象方向の中心軸X1に対してθ1だけ傾けた方向に
向かってビームRを送信するようになっており、上記両
ビームR,Lの一部は互いに重なるように各ビームR,
Lの幅が設定されている。また、上記各ビームR,L
は、その横断面の中心が最も強く、径方向外方に向かっ
て次第に弱くなるようなパワー分布(同図のBPで示す
破線参照)となる特性を有している。
【0051】上記受信器2a,2bは、上記ビームR,
Lの反射波を各送信器1a,1b毎に受信するようにな
っている。
【0052】上記受信アンテナ21は、図3に示すよう
に、レンズアンテナであり、同図の破線で示す基板21
b上に配設された受信素子21c対して透電体レンズ2
1aにより反射波の焦点を合わせるようにして、反射波
を効果的に受信するようになっている(同図の二点鎖線
参照)。
【0053】上記コンパレータ24は、上記アンプ23
により増幅された受信信号の電圧レベルを判別し、基準
電圧以上の受信信号が入力されたときにその受信信号を
上記距離演算器4及びパワー比演算器5に出力するよう
になっている。
【0054】なお、このような送信器1及び受信器2と
しては、例えばFMCW(Frequency Modulated Contin
uous Wave)方式のものを用いるようにすればよい。
【0055】上記受信状態制御器3は、図1に示すよう
に、上記受信アンテナ21,21に接続されており、こ
の各受信アンテナ21の基板21bを図3の破線位置か
ら実線位置まで上方に移動させることにより、反射波の
焦点を上記受信素子21cからずらすことができるよう
になっている。これにより、ビームの両外縁部分r1
2が受信されないようになる結果、ビーム幅を本来の
幅よりも擬似的に細くした状態にすることができるよう
になっている。
【0056】上記距離演算器4は、上記受信器2により
受信された反射波を周波数分析し、その周波数分布にお
けるピーク値の周波数が物体までの距離に比例すること
に基づいて、上記物体までの距離を演算するようになっ
ている。
【0057】上記パワー比演算手段5は、上記各受信機
2a,2bによりそれぞれ受信された反射波の周波数分
布におけるピーク値の受信パワーの比(受信パワー比)
を演算するようになっている。
【0058】上記方位演算器6は、上記一対の受信パワ
ー及び各送信器1a,1bから放射されたビームの本来
のパワー分布の両者の比較に基づく物体位置の方位の演
算と、上記パワー比演算器5により演算された受信パワ
ー比に基づく物体位置の方位の演算と、上記受信状態制
御器3により擬似的にビームを細くした状態に基づく物
体位置の方位の演算とを行うようになっている。
【0059】次に、上記物体位置検出装置による物体位
置検出について、図4に示すフローチャートに基いて説
明する。このフローチャートは、上記ビームR及びビー
ムLの双方から反射波が検出された場合の処理を示して
いる。
【0060】まず、ステップS1において、上記ビーム
R及びビームLの受信パワーの比PR/PLを演算し、物
体が右寄りにあればビームRの中心に近くなるためこの
ビームRの受信パワーPRが強くなり、左寄りにあれば
ビームLの中心に近くなるためこのビームLの受信パワ
ーPLが強くなることに基づき、図5に示すような受信
パワー比と物体位置の方位とのマップを用いて、上記受
信パワー比PR/PLの値から物体の位置する方位を演算
するようにする。そして、この演算結果をとするよう
にする。
【0061】次いで、ステップS2において、上記受信
状態制御器3により受信状態を変化させる、つまり上記
の如くビーム幅を所定の設定量だけ擬似的に細くするよ
うにする。
【0062】そして、ステップS3において、受信パワ
ーがノイズレベルになったか否かを判定するようにし、
ノイズレベルでなければステップS2に戻りビーム幅を
更に細くするようにする。
【0063】このように、例えばビームRの幅を擬似的
に次第に細くしていってビーム幅が図6にR′で示すビ
ームようになると、このビームR′のビーム幅が物体g
からはずれてしまい反射しなくなる状態が発生すること
になる。この結果、反射波の受信パワーがノイズレベル
になるようになる。
【0064】そして、上記ステップS3において受信パ
ワーがノイズレベルになればステップS4に進み、その
ときの受信状態、つまり、ビーム幅hを記憶するように
する。
【0065】ステップS5では、上記ステップS4で記
憶した受信状態に基づき、ビーム幅hと物体位置の方位
θとに基づき物体gの方位θgを演算するようにし、そ
の演算結果をとするようにする。
【0066】そして、ステップS6において、上記ステ
ップS1で演算された結果と、上記ステップS5で演
算した結果とが等しいか否かを判定するようにし、等
しいときには、物体は上記ビームR,Lの重なった部分
に1つ存在していると判定してステップS7に進み、異
なるときには、マルチターゲット状態であると判定して
ステップS8に進む。
【0067】上記ステップS7では上記演算結果を出
力する一方、上記ステップS8ではマルチターゲット処
理を行うようにする。
【0068】図7は上記ステップS8におけるマルチタ
ーゲット処理のフローチャートを示しており、まずステ
ップS11において、ビームR,Lの重なった部分に物
体が存在しているかを判定するようにする。この判定は
以下のようにすればよい。すなわち、上記ビームのR,
Lの重なった部分に物体が存在していれば、その物体か
らの反射波を受信パワーPR,PLが重複して受信してい
ることになる。このため、例えば上記ビームR,Lの受
信パワーPR,PLの合計値を算出し、この合計値が予め
設定した判定値より大きいか小さいかにより上記判定を
行うようにすればよい。そして、物体が上記ビームR,
Lの重なった部分に存在すると判定された場合、例えば
図8に示すように、上記ビームの重なった部分に物体g
があり、もう1つの物体fはビームL内に存在している
場合等には、ステップS12に進む一方、存在しないと
判定された場合、例えば図9に示すように、物体eがビ
ームR内に存在し、もう1つの物体fはビームL内に存
在している場合等には、ステップS13に進むようにす
る。
【0069】上記ステップS12では、まず受信パワー
R,PLの値の大きさを比較するようにする。そして、
図10に示すように、小さい値の受信パワーPRは1つ
の物体gからの反射波であることになるため、上記受信
パワーPRとビームRのパワー分布とに基づいて、上記
物体gの方位を演算するようにする。
【0070】次いで、ステップS14において、上記物
体gの位置する方位と、ビームLのパワー分布とに基づ
いて、上記物体gによる大きい値の受信パワーPLへの
影響分P′を演算するようにする。
【0071】そして、ステップS15において、大きい
値の受信パワーPLから上記物体gの影響分P′を減じ
た受信パワー(PL−P′)は、もう1つの物体fから
の反射波の受信パワーであることになるため、上記受信
パワー(PL−P′)とビームLのパワー分布とに基づ
き、物体fの方位を演算するようにする。
【0072】一方、上記ステップS13では、ビーム
R,Lの受信パワーPR,PLはそれぞれ各物体e,fか
らの反射波の受信パワーであることになるため、各受信
パワーPR,PLとビームR,Lの各パワー分布とに基づ
いてそれぞれ個別に上記物体e,fの位置する方位を演
算するようにする。
【0073】なお、ビームRまたはビームLのいずれか
一方のみから反射波が検出された場合には、そのビーム
の範囲内に物体が1つ位置していることになるため、そ
の受信パワーとビームのパワー分布とに基づいて、物体
の位置する方位を検出するようにすればよい。
【0074】つぎに、上記第1実施形態の作用・効果を
説明する。
【0075】ビームの幅を次第に細くしていけば、その
ビームが物体からはずれるビームの臨界幅がわかるよう
になる。そのとき物体は上記ビームに隣接した位置に存
在しているため、この物体の位置する方位を上記の如く
知ることができるようになる。
【0076】そして、受信パワー比に基づく物体位置の
方位の演算結果と、上記受信状態の変化に基づく物体位
置の方位の演算結果とを比較することにより、物体の個
数の判別を行うことができるようになる。
【0077】また、マルチターゲット状態であるとき
に、受信パワーに基づいて物体位置のパターンを場合分
けして、それぞれの物体位置を演算するようにすること
により、各物体位置の方位を正確に演算することが可能
になる。
【0078】なお、受信器の受信状態を制御することに
よりビームの幅に関する態様を擬似的に変化させる手段
としては、上記の如く受信状態制御器3によって受信ア
ンテナ21の焦点位置から受信素子21cをずらすこと
の他にも以下に記す「その1」〜「その4」の手段を採
用してもよい。
【0079】(その1)「その1」においては、受信状
態制御器3は上記第1実施形態と同様に両受信アンテナ
21,21及び両受信モジュール22,22と接続さ
れ、また、上記各受信アンテナ21はレンズアンテナに
より構成されている(図1及び図3参照)。そして、上
記各受信アンテナ21として図11に示すように透電体
レンズ21aに対し絞り21dを取り付けて構成し、こ
の絞り21dを上記受信状態制御器3により絞り制御す
るようにすればよい。この上記絞り21dの絞り制御に
より上記透電体レンズ21aの入射範囲が絞れて反射波
の横断面が小さくされる結果、受信アンテナの指向性が
変化されることになる(同図の2点鎖線参照)。これに
より、ビーム幅を擬似的に細くすることができるように
なる。
【0080】また、受信アンテナ21,21として、例
えば図12に示すように、平面アンテナ21′を用いる
場合には、上記受信状態制御器3により上記平面アンテ
ナ21′の受信可能な受信素子を例えばn1の領域内に
限定する、さらに、n2の領域内に限定するように制御
することによって、アンテナの指向性を変化させるよう
にすればよい。これにより、ビーム幅を擬似的に細くす
ることができるようになる。
【0081】(その2)「その2」においては、受信状
態制御器3は上記第1実施形態と同様に両受信アンテナ
21,21及び両受信モジュール22,22と接続され
ている(図1参照)。そして、送信器1a,1bの各送
信アンテナ11から偏波面を利用して横断面形状が図1
3にV1で示すように鉛直方向に長い楕円になるビーム
を送信する一方、上記の如き横断面形状のビームV1
反射波を受信する各受信アンテナ21の受信エリアを横
断面形状が図13にV2で示すような水平方向に長い楕
円になる受信エリアにする。この状態では重なり合った
領域の反射波が上記受信器2a,2bにより受信される
こととなる。そして上記受信状態制御器3により上記受
信エリアV2をビームV1の長軸方向に移動させることに
より、上記重なり合った領域の面積を変化させることが
できるようになる。例えば上記受信エリアV2を同図に
実線で示す位置から破線で示す位置まで上方に移動させ
ると、上記ビームV1と受信エリアV2との重なる部分の
面積が減少するようになる。この重なる部分の面積が小
さくなれば受信感度が下がるようになり、その結果同じ
ビームV1を送信しつつもそのビーム幅を擬似的に細く
することができるようになる。なお、上記受信エリアV
2を下方に移動させるようにして、上記ビームV1と受信
エリアV2との重なる部分の面積を小さくするようにし
てもよい。
【0082】(その3)図14は「その3」に係る物体
位置検出装置を示し、この場合、受信状態制御器3を、
コンパレータ24,24に接続し、この受信状態制御器
3によりコンパレータ24,24の基準電圧を変更制御
することにより受信状態を変化させるようにする。具体
的には、上記受信状態制御器3により上記各コンパレー
タ24の基準電圧を上げることで、受信パワーの強い信
号、つまりビームの中心付近の反射波のみを距離演算器
4及びパワー比演算器5に出力させるようにし、これに
より、ビームの外縁部分のパワーの弱い部分が受信され
なくなることと等価にするものである。その結果、ビー
ム幅を擬似的に細くすることができるようになる。
【0083】(その4)図15は「その4」に係る物体
位置検出装置を示し、この場合、受信状態制御器3を、
アンプ23,23に接続し、この受信状態制御器3によ
りアンプ23,23のアンプゲインを変更制御すること
により受信状態を変化させるようにする。具体的には、
上記受信状態制御器3により、上記各アンプ23のアン
プゲインを下げることでビームの外縁部分のパワーの弱
い部分をノイズレベルにして、上記ビームの外縁部分が
受信されなくなることと等価にするものである。その結
果、ビーム幅を擬似的に細くすることができるようにな
る。
【0084】さらに、以上の第1実施形態及び「その
1」〜「その4」の他の実施形態では受信器2a,2b
の受信態様を変更制御することによりビーム幅を擬似的
に細くするようにしているが、これに限らず送受信状態
制御器としての送信状態制御器31により送信器1a,
1bの送信態様を変更制御することによって、上記受信
器2a,2bの受信有効領域を変化させてビームの幅に
関する態様を擬似的に変化させることも可能である。こ
のようなものとしては、以下に記す「その5」〜「その
7」の態様がある。
【0085】(その5)図16は、送信器の送信状態を
制御する場合の物体位置検出装置を示し、送信状態制御
手段31は両送信アンテナ11,11に接続され、この
各送信アンテナ11は上下方向に傾動するようになって
いる。そして、上記送信状態制御器31により、例えば
各送信アンテナ11を、図17に示すように、本来のビ
ームの送信中心軸X2が更に下向きに角度になるように
させる。これにより、本来のビーム領域W1がW2に下
がり、物体Tに当たって反射する反射波の領域がパワー
の弱いビームの外縁部分になる。その結果反射波の受信
パワーが小さくなり受信有効領域が縮小することにな
る。これにより、ビーム幅を擬似的に細くすることがで
きるようになる。なお、各送信アンテナ11をそのビー
ムの送信中心軸X2が更に上向きの角度になるようにさ
せてもよい。
【0086】(その6)図18は「その6」に係る物体
位置検出装置を示し、この場合には、送信状態制御器3
1を両送信モジュール12,12に接続し、この各送信
モジュール12から各送信アンテナ11に出力される送
信パワーを上記送信状態制御器31により変更制御する
ようにする。具体的には、上記送信状態制御器31によ
り上記送信パワーを下げることにより、受信されるビー
ムは中心付近のパワーの強い部分のみにして、受信器2
の受信有効領域を縮小することができるようにしてい
る。これにより、ビーム幅を擬似的に細くすることがで
きるようになる。
【0087】(その7)「その7」においては、送信状
態制御器31は上記「その5」と同様に両送信アンテナ
11,11に接続されている。そして、送信器1a,1
bの各送信アンテナ11から偏波面を利用して、横断面
形状が図19にV1で示すように鉛直方向に長い楕円に
なるビームを送信する一方、上記の如き横断面形状のビ
ームV1の反射波を受信する各受信アンテナ21の受信
エリアを横断面形状が図19にV2で示すような水平方
向に長い楕円になる受信エリアにする。そして、「その
3」の場合とは逆に、上記ビームV1を同図に実線で示
す位置から破線で示す位置まで上方に移動させると、上
記ビームV1と受信エリアV2との重なる部分の面積が減
少するようになる。この重なる部分の面積が小さくなれ
ば受信感度が下がるようになり、その結果ビーム幅を擬
似的に細くすることができるようになる。なお、上記ビ
ームV1を下方に移動させるようにして、上記ビームV1
と受信エリアV2との重なる部分の面積を小さくするよ
うにしてもよい。
【0088】なお、上記「その5」〜「その7」の形態
では、一対の送信器1a,1bの一方のみビーム幅の態
様を変化させるようにしてもよい。
【0089】<第2実施形態>図20は本発明の第2実
施形態に係る物体位置検出装置を示し、この第2実施形
態は、ビームを左右に走査するようにしたものである。
そして、同図中7は送信アンテナ11を左右に首振りさ
せる送信方向制御手段である。
【0090】なお、上記物体位置検出装置のその他の構
成は第1実施形態のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0091】次に、上記第2実施形態における物体位置
検出について、図21に示すフローチャートに基いて説
明する。
【0092】まず、ステップS21において、図22に
示すように、上記送信方向制御器7により送信アンテナ
11を検出対象方向の中心軸X1に対し−θ2〜+θ2
範囲で首振りさせることによりビームを左右に走査し、
その反射波を受信器2により受信し、上記送信アンテナ
11の走査角度に対する受信パワーを方位演算器6に記
憶する。
【0093】次いで、ステップS22では、上記方位演
算器6において、例えば図23に示すように、ビーム走
査角度に対する上記受信パワーの分布から、そのピーク
値Pgを抽出するようにする。
【0094】そして、ステップS23では、上記方位演
算器6において、上記抽出されたピーク値Pgより物体
の位置する方位θgを出力するようにする。
【0095】そして、上記第2実施形態の場合、例えば
走査範囲−θ2〜+θ2に物体が1つ存在している場合、
例えば図22にgで示す物体のみが存在する場合には、
上記受信パワーの分布は図23に示すようになり、ピー
クPgを抽出し(ステップS22)、そのピークPgより
θgが出力されることになる(ステップS23)。一
方、物体が1つではなく図22にf,gで示す2つの物
体が存在しているマルチターゲット状態の場合には、受
信パワーの分布は図24に示すようになり、ピーク
f,Pgを抽出し(ステップS22)、そのピーク
f,Pgよりθf,θgがそれぞれ出力されることになる
(ステップS23)。このため、マルチターゲット状態
であっても、物体の位置する方位を正確に検出すること
ができるようになる。
【0096】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種
々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第
1及び第2実施形態では、車両に取付けられるようにし
ているが、これに限らなくてもよい。
【0097】上記第1及び第2実施形態では、レーダ波
としてミリ波を用いるようにしているが、これに限ら
ず、例えばレーザを用いるようにしてもよい。
【0098】上記第1実施形態では、受信アンテナ21
の受信素子21cを移動させるようにしているが、これ
に限らず、例えば図25に示すように、透電体レンズ2
1aを同図に破線で示す位置から実線で示す位置まで移
動させるようにしてもよい。
【0099】上記「その3」及び「その7」では、ビー
ムV1の横断面形状を鉛直方向に長い楕円とする一方、
受信エリアV2の横断面形状を水平方向に長い楕円とし
ているが、これに限らず、例えば、ビームV1の横断面
形状を水平方向に長い楕円とする一方、受信エリアV2
の横断面形状を鉛直方向に長い楕円とするようにしても
よい。さらに上記ビームV1及び受信エリアV2の横断面
形状を共に円とするようにしてもよい。
【0100】上記第2実施形態では、反射波をビームの
走査角度に対して連続的に受信するようにしているが、
これに限らず、例えばビームの所定走査角度毎に受信す
るようにしてもよい。
【0101】また、上記物体位置検出装置を、図26に
示すように、車両81の前部に取り付け、中央及び左右
の3方向に送信されるビームC,R,Lの内、左右方向
のビームR,Lを外方に走査するようにして、割り込み
車両を検出するようにしてもよい。
【0102】さらに、上記物体位置検出装置を、図27
に示すように、車両81に対し360°回転可能に取り
付けるようにしてもよい。この場合、レーダ波を側方に
送信するときには送信パワーを下げるようにして、物体
検出距離範囲を短くするようにすれば、車両81周りの
車両等を効果的に検出することができるようになる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における物体位置検出装置によれば、 ビームの幅を
次第に細くしていけば、そのビームが物体からはずれる
ビームの臨界幅がわかるようになる。そのとき物体は上
記ビームに隣接した位置に存在しているため、上記ビー
ム幅に基づいて物体の位置する方位を知ることができ
る。従って、マルチターゲット状態であっても、各ビー
ムの幅を徐々に細くしていくことにより、個々の物体の
方位を得ることができる。
【0104】請求項2〜請求項7記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明による効果に加えて、ビームの
幅を擬似的に変化させる受信器による具体的態様を特定
することができる。
【0105】請求項8及び請求項9記載の発明によれ
ば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、送信
器によりビーム幅を物理的に変化させることなく、例え
ばビーム外方のパワーの弱い部分が受信されないことと
等価にして、受信有効領域を縮小させてビーム幅を擬似
的に変化させることができる。
【0106】請求項10〜請求項12記載の発明によれ
ば、上記請求項9記載の発明による効果に加えて、ビー
ムの幅を擬似的に変化させる送信器による具体的態様を
特定することができる。
【0107】請求項13記載の発明によれば、上記請求
項9記載の発明による効果に加えて、多数本のビームの
送信態様を変化させると時間がかかってしまうところ
を、隣接する一対の送信器の内の一方のみ送信態様を変
化させることで物体位置の検出にかかる時間の短縮を図
ることができる。
【0108】請求項14記載の発明によれば、ビームの
走査角度方向に物体が存在していれば、この物体からの
反射波を受信することになるため、その受信パワーとそ
のときのビームの走査角度とに基づいて、物体の位置す
る方位を演算することができる。このため、マルチター
ゲット状態であっても、各物体の位置をそれぞれ正確に
検出することができる。
【0109】請求項15記載の発明によれば、上記請求
項14記載の発明による効果に加えて、反射波を連続的
に受信することにより、物体が存在する方位では、その
反射波の受信パワーが強くなることで上記物体位置の方
位を演算することができ、マルチターゲット状態であっ
ても、物体の位置を正確にそれぞれ検出することができ
る。また、連続的に反射波を受信することにより、物体
の検出漏れを防止することができる。
【0110】請求項16記載の発明によれば、上記請求
項1〜15記載の発明のいずれかによる効果に加えて、
送信器の具体的態様を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る物体位置検出装置
のブロック図である。
【図2】送信器によるビームの送信方向を示す説明図で
ある。
【図3】レンズアンテナの焦点をずらすことによりビー
ム幅を変化させる態様を示す説明図である。
【図4】第1実施形態に係る物体位置検出装置における
位置検出のフローチャートである。
【図5】受信パワー比と物体位置の方位とのマップであ
る。
【図6】ビーム幅を擬似的に細くした状態を示す説明図
である。
【図7】マルチターゲット処理を示すフローチャートで
ある。
【図8】ビームR,Lの重なった部分に1つの物体が存
在し、ビームLの範囲内にもう1つの物体が存在する状
態を示す説明図である。
【図9】図8とは異なり、ビームR,Lのそれぞれの範
囲内に1つずつ物体が存在する状態を示す説明図であ
る。
【図10】図8のマルチターゲット状態における各受信
パワーを示す説明図である。
【図11】レンズアンテナの絞りを絞ることによりビー
ム幅を変化させる態様を示す説明図である。
【図12】平面アンテナを示す斜視図である。
【図13】受信エリアを移動させることによりビームと
受信エリアとの重なった部分の面積を変化させる説明図
である。
【図14】第1実施形態の「その3」に係る物体位置検
出装置のブロック図である。
【図15】第1実施形態の「その4」に係る物体位置検
出装置のブロック図である。
【図16】第1実施形態の「その5」に係る物体位置検
出装置のブロック図である。
【図17】送信器の送信中心軸を下方に向けることによ
りビーム幅を変化させる態様を示す説明図である。
【図18】第1実施形態の「その6」に係る物体位置検
出装置のブロック図である。
【図19】ビームを移動させることによりビームと受信
エリアとの重なった部分の面積を変化させる説明図であ
る。
【図20】本発明の第2実施形態に係る物体位置検出装
置のブロック図である。
【図21】第2実施形態に係る物体位置検出装置の物体
位置検出のフローチャートである。
【図22】ビームの走査を示す説明図である。
【図23】物体が1つ存在している状態のビームの走査
角度に対する受信パワーの変化を示す図である。
【図24】マルチターゲット状態のビームの走査角度に
対する受信パワーの変化を示す図である。
【図25】レンズアンテナの焦点をずらすことによりビ
ーム幅を変化させる態様を示す説明図である。
【図26】他の実施形態に係る割り込み車両の検出を行
うためのビームの走査態様を示す説明図である。
【図27】他の実施形態に係るビームを360°回転さ
せる態様を示す説明図である。
【図28】ビームの範囲内に存在する物体の位置検出を
示す説明図である。
【図29】物体位置検出装置が車両に取り付けられた場
合のマルチターゲット状態の一例を示す説明図である。
【図30】物体位置検出装置が車両に取り付けられた場
合のマルチターゲット状態の図29とは異なる一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 送信器 2 受信器 3 受信状態制御器(送受信状態制御手段) 4 距離演算器 5 パワー比演算器(パワー比演算手段) 6 方位演算器(方位演算手段) 7 送信方向制御器(送信方向制御手段) 31 送信状態制御器(送受信状態制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 岡 卓爾 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる複数の方向にビームを送信
    するように配設された複数の送信器と、上記ビームの物
    体からの反射波を受信する複数の受信器と、上記隣り合
    う一対の受信器の受信パワーの比を演算するパワー比演
    算手段と、上記反射波に基づいて上記物体の位置する方
    位を演算する方位演算手段と、上記ビームの幅に関し上
    記送信器の送信態様及び受信器の受信態様の内の少なく
    とも一方を変更制御する送受信状態制御手段とを備え、 上記各送信器は、パワー分布が中心から幅方向外方に向
    かって次第に弱くなるような形状特性を有するビームを
    送信するよう構成され、かつ、隣り合う一対の送信器か
    らのビームの一部が互いに重なるように互いに所定角を
    開けた方向に向かって送信するように構成され、 上記各受信器は、上記送信器毎のビームの反射波を受信
    するように構成され、 上記方位演算手段は、 上記パワー比演算手段により演算された受信パワー比に
    基づく物体位置の方位の演算結果と、上記送受信状態制
    御手段により変更制御された状態での各受信器の受信パ
    ワーの変化に基づく物体位置の方位の演算結果との比較
    において各物体の位置する方位を決定するように構成さ
    れていることを特徴とする物体位置検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 送受信状態制御手段は、受信器の受信感度を変化させる
    ことでビームの幅に関する態様を擬似的に変化させるよ
    うに構成されていることを特徴とする物体位置検出装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 各受信器は、レンズアンテナにより構成されており、 送受信状態制御手段は、上記各受信器に対して上記レン
    ズアンテナの焦点を変更制御するように構成されている
    ことを特徴とする物体位置検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 送受信状態制御手段は、各受信器に対してこの受信器の
    指向領域を変更制御するように構成されていることを特
    徴とする物体位置検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 各受信器は、送信されたビームの反射波に対する受信エ
    リアの位置を変更し得るように構成され、 送受信状態制御手段は、上記反射波のビーム領域に対す
    る受信エリアの重複領域が変化するよう上記各受信器の
    受信エリアの位置を変更制御するように構成されている
    ことを特徴とする物体位置検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項2において、 送受信状態制御手段は、各受信器の基準電圧を変更制御
    するように構成されていることを特徴とする物体位置検
    出装置。
  7. 【請求項7】 請求項2において、 送受信状態制御手段は、各受信器のアンプゲインを変更
    制御するように構成されていることを特徴とする物体位
    置検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 送受信状態制御手段は、送信器の送信態様を変更するこ
    とによりビームの幅に対する態様を擬似的に変化させる
    ように構成されていることを特徴とする物体位置検出装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 送受信状態制御手段は、受信器の受信有効領域が変化す
    るよう送信器の送信態様を変更するように構成されてい
    ることを特徴とする物体位置検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 送受信状態制御手段は、各送信器に対してビームの送信
    方向を上下方向に変更制御するように構成されているこ
    とを特徴とする物体位置検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項9において、 各送信器は、送信するビームの出射方向を上下方向に変
    更し得るように構成され、 送受信状態制御手段は、上記送信されたビームの反射波
    を受信する受信器の受信エリアに対する上記反射波のビ
    ーム領域の重複領域が変化するよう上記各送信器の出射
    方向を変更制御するように構成されていることを特徴と
    する物体位置検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項9において、 送受信状態制御手段は、各送信器の送信パワーを変更制
    御するように構成されていることを特徴とする物体位置
    検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項9において、 送受信状態制御手段は、隣接する一対の送信器の内、一
    方のみの送信態様を変化させるように構成されているこ
    とを特徴とする物体位置検出装置。
  14. 【請求項14】 ビームを送信する送信器と、上記ビー
    ムの物体からの反射波を受信する受信器と、上記送信器
    のビームを左右に走査させる送信方向制御手段と、上記
    受信器により受信された反射波に基づいて物体の位置す
    る方位を演算する方位演算手段とを備え、 上記方位演算手段は、上記送信方向制御器から入力され
    るビームの走査角度と、上記受信器から入力される受信
    パワーの変化とに基づいて物体の位置する方位を演算す
    るように構成されていることを特徴とする物体位置検出
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 受信器は、ビームの反射波を走査角度に対して連続的に
    受信するように構成され、 方位演算手段は、上記ビームの走査角度と、上記受信パ
    ワーの連続的な変化とに基づいて、物体の位置する方位
    を演算するように構成されていることを特徴とする物体
    位置検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜請求項15のいずれかにお
    いて、 送信器は、ミリ波を送信するように構成されていること
    を特徴とする物体位置検出装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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