JPH111828A - 光学干渉機能を有する複合繊維 - Google Patents

光学干渉機能を有する複合繊維

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JPH111828A
JPH111828A JP9121196A JP12119697A JPH111828A JP H111828 A JPH111828 A JP H111828A JP 9121196 A JP9121196 A JP 9121196A JP 12119697 A JP12119697 A JP 12119697A JP H111828 A JPH111828 A JP H111828A
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fiber
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mol
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JP9121196A
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Shinji Owaki
新次 大脇
Toshimasa Kuroda
俊正 黒田
Susumu Shimizu
進 清水
Akio Sakihara
明男 先原
Kinya Kumazawa
金也 熊沢
Hiroshi Tabata
洋 田畑
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Nissan Motor Co Ltd
Teijin Ltd
Original Assignee
Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
Nissan Motor Co Ltd
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光の反射、干渉により発色する光学機能を有
する交互多層積層構造の繊維を提供する。 【構成】 少なくとも2種のポリマー成分で構成される
交互層状の断面構造を有する複合繊維において、(1)
側鎖にアルキル基を少なくとも1個有する二塩基酸成分
および/またはグリコール成分を共重合成分とし、該共
重合成分を全繰返し単位当り5〜30モル%共重合して
いる共重合芳香族ポリエステルを主成分とするA成分お
よびポリメチルメタアクリレートを主成分とするB成分
よりなり、(2)前記A成分よりなる層および前記B成
分よりなる層とが、5層以上の交互積層し、かつ(3)
それぞれの層の厚みが0.02〜0.3ミクロン(μm)
の範囲にある、ことを特徴とする光学干渉機能を有する
複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な光学機能を
有する繊維に関するものであり、光を反射、干渉あるい
は回折、散乱などにより発色する光学機能を有する交互
多層構造の繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、布地の高級な風合いに対する要求
から、単純な丸断面糸から異形断面とし、さらに、2種
以上の繊維を複合することによって膨らみなどの感性繊
維が開発され新合繊として開花した。最近はさらに高度
な感性、機能を有する繊維が求められている。その一つ
として、深色性、光沢がある。ところが、深色性と光沢
を同時に満足させようとすると、深色は得られるもの
の、色がくすんで鮮やかさを失ってしまい、また光沢を
得ようとすると徒光(あだひかり)となってしまい、従
来両立する技術は存在しなかった。
【0003】その原因は、従来技術では、染料、顔料に
より発色させるものであり、光の吸収によって発色させ
るため、深色を得ようとすればするほど、反射光は減少
するため光沢を失ってしまっていた。ところで、自然界
を見渡す時、例えば玉虫やモルフォ蝶は深色と光沢を同
時に満足しており、染料、顔料と全くことなる色彩を持
っている。この発色メカニズムとして、光の反射、干渉
を利用しており、合成繊維においても、このメカニズム
が利用出来ないか種々検討されている。
【0004】例えば特公昭43−14185号公報にお
いて、3層よりなる真珠光沢を有する被覆形複合繊維が
開示されている。しかるに、層の数が高々3層では、確
かに反射、干渉によって発色は見られるもののその程度
には限度があり、高度な感性に対する要求には不十分で
あった。また特開平7−166430号公報において、
屈折率を異にする2種のポリマーからなり、特定の化合
物を共重合したポリエチレンテレフタレートと他のポリ
マーを用いて交互多層構造の繊維とし、異色効果を有す
る繊維が提案されている。
【0005】ここで他のポリマーとして、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリオレフィンなどが挙げられている
が、共重合ポリエステルとの接着の面よりポリエステル
が好ましいことが記載されている。
【0006】ところで、ポリエステルの屈折率を低下さ
せる手段としては、共役二重結合を有するベンゼン環の
数を少なくする方法が有効であり、ポリエチレンテレフ
タレートの主鎖に脂肪族環状骨格を導入することによ
り、ガラス転移温度を下げずに(すなわち耐熱性を確保
しつつ)、ポリエステルの屈折率を下げることができる
とし、好ましい化合物として、脂肪族環状骨格を有する
ジカルボン酸またはジオールが提案されている。このよ
うなポリマーをA成分とし、また、B成分として特定の
屈折率を有するポリマーを選択し、多層化することによ
って従来得られなかった異色効果、玉虫効果を呈す繊維
が開示されている。
【0007】しかし、この発明においては、前記共重合
成分の量は、高々20モル%であるため共重合によって
屈折率を下げるには限界がある。ところで繊維において
は、ポリマー種によっては繊維軸方向とこれに垂直な方
向との間で大きな屈折率差(複屈折)を示すものがあ
り、A、B成分間の屈折率差を大きくするためには、こ
の複屈折率を利用することができる。すなわち、一方の
成分として複屈折率の小さいもの、他方成分に複屈折率
の大きいものを用いると共に、繊維配向を高めることに
より屈折率差を大きくすることができる。
【0008】ところで、高分子の複屈折率について繊維
便覧(繊維学会編、発行所:丸善株式会社、平成6年3
月25日発行)の196頁に代表的な高分子の固有複屈
折率が示されている。これによると、ポリプロピレンで
は0.015〜0.064、ナイロンでは0.067〜0.
096、ポリエチレンテレフタレートでは0.220〜
0.245などのデータが示されており、高複屈折率を
有するポリマーとして実質選択可能なポリマーは、ポリ
エステルがほぼ限界であり、前記発明においてもポリエ
チレンテレフタレートおよびその共重合ポリマーが最も
好ましいとしている。
【0009】しかるに、前記発明のポリエステルは、共
重合成分が高々20モル%であるため、高配向度下では
やはり高複屈折率を示し、複屈折率差を大きくすること
には限界があり、異色効果も小さなものしか取り出せな
かった。すなわち、配向度の高くなるポリマーにおいて
は、複屈折率がA、B両ポリマーともに上昇してしま
い、その屈折率差を大きく取り出すことは困難であり、
玉虫効果に限界があった。
【0010】さらに特開昭62−170510号公報に
おいて、繊維表面に微細な凹凸を設けて干渉色を得よう
とする方法が開示されている。この方法は、回折格子を
繊維上に形成しようとするものである。同様な方法が特
開平4−202805号公報によっても開示されてい
る。これらの繊維においては、干渉による発色は認めら
れるものの干渉は、見る角度によって干渉波長が容易に
異なる、すなわち、布帛の色彩が変化してしまい、安価
な感性しか得られていない。また摩耗などにより容易に
その機能が低下するという欠点がある。
【0011】一方、特開昭59−228042号公報、
特公昭60−24847号公報、特公昭63−6453
5号公報などでは、見る角度により色調を変え、鮮やか
な色調効果を有することで有名な南米産のモルフォ蝶に
ヒントを得た発色繊維、布帛が提案されている。しかる
に、これら発明において用いられている繊維は、異種ポ
リマーを張り合わせた偏平糸であり、それらを積層して
も到底、光の干渉する厚さを得ることは困難であり、単
に反射光を抑える役割しか果たしていない。
【0012】一方、分子配向異方性フィルムを偏光フィ
ルムでサンドイッチ構造にすることにより、発色する材
料も発表されている(例えば、繊維機会学会誌 VOL. 4
2,No.2, P.55(1989)、同 VOL.42, No.10,160 (198
9))。さらに、特開平7−97766号公報や特開平7
−97786号公報において、布帛の表面に表面側から
入射した光の反射光と裏面における反射光により発色可
能な実質的に透明な薄膜層を有する光干渉膜を設けた繊
維布帛が開示されている。これら薄膜による干渉は、見
る角度によって干渉波長が容易に異なる、すなわち、布
帛の色彩が変化してしまい、安価な感性しか得られてい
なし、布帛の摩耗によって、膜の破損が発生するなど限
界があった。
【0013】また、特開平6−17349号公報には、
複数個の凸型翼部と、それを接続する芯部とから形成さ
れ、かつ芯部の横方向の幅、凸型翼部の横方向の幅、凸
型翼部の間の空気層の縦方向の厚さ、凸型翼部を構成す
る材料の屈折率、凸型翼部の縦方向の厚さおよび凸型翼
部の縦方向の厚さのばらつきを特定の範囲とする構造体
が開示され、この構造体は、可視光領域で反射、干渉に
より発色し、美麗な色調を有していることが記載されて
いる。
【0014】しかしこの構造体は、その公報の図1およ
び図2に示されるように、極めて複雑であり、そのた
め、その製造が困難であり、繊維構造体とした場合、空
間層が形成されるために強度を保つことが難しく、また
鞘成分のポリマーを溶媒の使用により除去するために鞘
成分および溶媒の残存が問題となり、使用においても複
雑な形状を保持するのが極めて困難である。
【0015】さらに、特開平7−34324号公報に
は、特定の光屈折率の異なる2種の高分子物質を交互に
積層した、反射、干渉作用を有する構造体が開示されて
いる。この公報に示された具体的な態様は、ポリ弗化ビ
ニリデン/ポリフェニレンサルファイド(実施例1)お
よびポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート(実
施例2)の高分子物質の組合せによる交互積層型偏平繊
維である。
【0016】この態様において、実施例1の高分子物質
の組合せは、流動性が充分ではなく、均質で、薄い多層
の構造体(特に繊維)を工業的に製造することは困難で
あり、また、実施例2の高分子物質の組合せは、均質な
多層構造体を得るために適してはいないし、その上、そ
の公報の図2(b)に示したような複雑な形状の構造体
を工業的に製造するのは困難である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の光学
機能を有する繊維を改良し、光の反射、干渉あるいは回
折、散乱などにより発色する光学機能を有する新規な交
互多層構造の繊維を提供することを目的とするものであ
り、特に、繊維形態に成形された時、2つのポリマー間
で高い屈折率差を形成し、高い光学干渉効果を得て、玉
虫効果を有するとともに、その成形性に優れ、力学的特
性にも優れている繊維を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】まず交互多層構造を有す
る繊維を形成するポリマーの組み合わせについて説明す
る。屈折率の高い繊維形成性を有する結晶性ポリマーと
して、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポ
リエステルが好ましい。これらのポリマーの屈折率は、
例えばポリエチレンテレフタレートでは1.64(計算
値として1.58)ポリエチレンナフタレートでは1.6
3(計算値)、ポリブチレンテレフタレートでは1.5
5(計算値)と高い値を有している。さらにこれらのポ
リマーを用いて繊維とした時、配向結晶化が高度に発生
し、大きな複屈折率を有することとなる。結晶の固有複
屈折率として、ポリエチレンテレフタレートでは0.2
2、ポリエチレンナフタレートでは0.487、ポリブ
チレンテレフタレートでは0.153などの高い値を有
する。 従ってこれらのポリマーを繊維とした時、特に
繊維軸方向において屈折率の他に、複屈折率の効果を十
分に利用できることが判明した。
【0019】一般的に繊維を形成する時、分子の配向が
生じ易いため、他方の組み合わるポリマーとして、ポリ
マー固有の屈折率が小さいばかりでなく、紡糸延伸過程
において、配向度の上昇しないポリマーであるか、また
は配向時において複屈折率の上昇しないポリマーを採用
することが必要となる。そのためにはまず非晶性のポリ
マーであること、さらに脂肪族ポリマーが好ましいこと
(D.W.VAN KREVELEN編、PROPERTIES OF POLYMERS, P.30
2, LSEVIER 社出版、1990年)、また光学的に透明性が
高いこと、さらには上記ポリエステルとの親和性を有し
ており、層間の接着性に優れることの特性が要求され
る。
【0020】その例としてポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリクロロメチルメタクリレート(PC
MMA)が挙げられる。特にPMMAは、プラスチック
ス、光ファイバー等に利用されており、透明性のよいグ
レードを得やすく、構造的にもポリエステルと似てお
り、またコスト的にも安価であるため好ましい。このよ
うに、芳香族ポリエステルとポリメチルメタクリレート
の組み合わせは、その交互多層構造を作成することによ
って、高い光干渉効果を得やすい組み合わせである。し
かるに光干渉効果を効率よく得るためには多層でかつ実
質的に界面が全て平行になる繊維が好ましい。特に偏平
繊維の短軸方向に多層交互積層が形成されており、その
偏平比が大きな偏平繊維は光の干渉に有効な面積を大き
く取ることができるため好ましい繊維断面形態である。
偏平繊維の偏平比は2以上が好ましく、さらには3.5
以上が好ましい。偏平比としては15以下が好ましく、
特に10以下、さらに7以下が好ましい。偏平比が15
を越える偏平繊維は製糸性が大きく低下するため好まし
くない。
【0021】さらに積層数として5層以上の交互積層を
成していることが好ましい。5層以下では干渉効果が小
さいばかりでなく、干渉色が見る角度によって大きく変
化してしまい、安価な質感しか得られないので好ましく
ない。さらには10層以上の交互積層が好ましい。一
方、総数は120層以下、特に70層以下が好ましい。
120層を超える時、得られる光の反射量の増大がもは
や期待できないばかりか、口金構造が複雑になり製糸が
困難になるとともに、層流に乱れが発生し易く好ましく
ない。さらには50層以下が好ましい。
【0022】ところがこのような断面形態において、2
つのポリマー間の接触面積は膨大となってしまう。この
ことは特開平4−136210号公報でも述べられてい
るように、界面方向に大きな収縮力が働き、積層方向を
短軸とする偏平糸を得ることは困難となる。すなわちこ
の時、2つのポリマーの間での親和性に優れた組み合わ
せであることが必要である。単に2種のポリマーの屈折
率のみの組み合わせでの選択では、光干渉効果に優れた
繊維を作成することができない。
【0023】本発明者らは、このような複雑なポリマー
の選択に関して検討を行い、特にポリエステル系とポリ
メチルメタクリレート系のポリマーの組み合わせに於け
る親和性について深く考察し、本発明に到達したもので
ある。すなわち、本発明者等はポリメチルメタクリレー
トの構造に注目し、PMMAが螺旋構造を形成し、その
メチル基を螺旋の外側に向けていることに注目し、PM
MAのメチル基と親和性の高いアルキル基を側鎖に持つ
単位を共重合したポリエステルは、分子の外側を向いて
いる側鎖アルキル基同志の相互作用により、僅かの量の
共重合によりPMMAとの親和性を飛躍的に向上させ得
ることを見い出し本発明に到達した。
【0024】すなわち、本発明によれば、少なくとも2
種のポリマー成分で構成される交互層状の断面構造を有
する複合繊維において、(1)側鎖にアルキル基を少な
くとも1個有する二塩基酸成分および/またはグリコー
ル成分を共重合成分とし、該共重合成分を全繰返し単位
当り5〜30モル%共重合している共重合芳香族ポリエ
ステルを主成分とするA成分およびポリメチルメタアク
リレートを主成分とするB成分よりなり、(2)前記A
成分よりなる層および前記B成分よりなる層とが、5層
以上の交互積層し、かつ(3)それぞれの層の厚みが
0.02〜0.3ミクロン(μm)の範囲にある、ことを
特徴とする光学干渉機能を有する複合繊維が提供され
る。
【0025】本発明の複合繊維を構成するA成分は、側
鎖にアルキル基を少なくとも1個有する二塩基酸成分お
よび/またはグリコール成分を共重合成分とし、その共
重合成分を全繰返し単位当り5〜30モル%共重合して
いる共重合芳香族ポリエステルである。
【0026】A成分のポリマーの骨格を形成する芳香族
ポリエステルは、芳香族二塩基酸成分と脂肪族グリコー
ル成分とより形成され、具体的には、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレートなどが挙げられるが、ポリエチレンテレ
フタレートが特に好ましい。本発明のA成分は、前記共
重合成分を共重合した共重合芳香族ポリエステルが使用
される。共重合成分における側鎖のアルキル基として
は、メチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基やさらには炭素数の多い高級アルキル基が好ま
しい。また、シクロヘキシル基等の脂環式のアルキル基
も好ましい例である。しかし、側鎖の基として、余りに
も大きな基は、芳香族ポリエステルの配向結晶性を大き
く阻害するので好ましくない。これらアルキル基の中で
特にメチル基が好ましい。側鎖のアルキル基の数とし
て、1または複数であってもよいが、好ましくは1また
は2である。
【0027】B成分であるPMMAは螺旋構造を形成し
ており、メチル基を螺旋の外側の方向に配置することが
できこのため側鎖にアルキル基、特にメチル基を有する
二塩基酸成分および/またはグリコール成分を共重合し
た芳香族ポリエステルとの相互作用を大きくすることが
できる。A成分の共重合成分における側鎖にアルキル基
を有する二塩基酸成分として、4,4'−ジフェニルイソ
プロピリデンジカルボン酸、3−メチルグルタル酸、メ
チルマロン酸のように、脂肪族炭化水素からの側鎖アル
キル基を有する二塩基酸はアルキル基を分子の外側に向
け易いため、B成分(PMMA)との相互作用が容易で
あり好ましい。ここで側鎖にアルキル基、特に、メチル
基を有するグリコールとして、ネオペンチルグリコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物のように脂肪族炭化水素からの側鎖アル
キル基を有するグリコールはB成分(PMMA)との相
互作用が大きく特に好ましい。これらの化合物は、側鎖
に2ケのメチル基を有しておりその効果が十分に発揮で
きるためと推定される。
【0028】芳香族ポリエステルに対して、側鎖にアル
キル基を有する共重合成分の共重合量として、全繰返し
単位に対して5モル%以上30モル%以下が好ましい。
5%を下回る共重合量の時、A成分(共重合芳香族ポリ
エステル成分)とB成分(PMMA)との親和性が十分
でなく、また30%を越える共重合量の時、主成分の芳
香族ポリエステルの耐熱性、曳糸性等の特性が大きく低
下するので好ましくない。共重合成分は、6モル%以上
15モル%以下が好ましい。
【0029】さらに、これらの共重合芳香族ポリエステ
ルに対して他の成分を共重合したポリマーでもよい。共
重合成分として、芳香族ポリエステルを構成する二塩基
酸以外の酸であって、テレフタール酸、イソフタール
酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン
酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'
−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニル
スルホンジカルボン酸、1,2−ジフェノキシエタン−
4',4"−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、
2,5−ピリジンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカ
ルボン酸、スルホイソフタール酸ナトリウム等の芳香族
ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;さらに
はデカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;β−
ヒドキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、ヒド
ロキシプロピオン酸、ヒドロキシアクリル酸等のヒドロ
キシカルボン酸;またはこれらのエステル形成性誘導体
等を挙げることができる。これらの芳香族ジカルボン酸
単位は1種類のみまたは2種類以上共重合されてもよ
い。共重合量として、全二塩基酸成分に対して30モル
%以下、さらには15モル%以下が好ましい。30モル
%を越える共重合量の時、主成分の特性を十分保持でき
ないため好ましくない。
【0030】A成分としてさらに共重合し得る脂肪族ジ
オール成分としては、ポリエステルを構成するグリコー
ル成分以外のグリコールであって、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等の脂肪族ジオール;ヒド
ロキノン、カテコール、ナフタレンジオール、レゾルシ
ン、ビスフェノールS,ビスフェノールSのエチレンオ
キサイド付加物等の芳香族ジオール;シクロンヘキサン
ジメタノール等の脂環族ジオール等を挙げることがで
き、これらのジオールは1種類のみまたは2種類以上、
共重合量として全グリコール成分に対して30モル%以
下、さらには15モル%以下が好ましい。
【0031】さらに本発明において共重合芳香族ポリエ
ステルが実質的に線状である範囲内でトリメリット酸、
トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル酸等の
多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多
価アルコールが含まれてもよい。
【0032】一方、本発明の複合繊維を構成するB成分
は、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)であり、
このポリマーは一部にメタクリル酸、アクリル酸あるい
はマレイン酸を共重合していても差支えない。
【0033】前記A成分およびB成分の2種のポリマー
の組合せにより繊維形成時、すなわち配向時において屈
折率の差を十分に取り出すことができる。また、この組
合せによって、界面の面積を大きく反射に対して有効に
作用する交互積層体を得ることが可能となる。
【0034】交互層状の断面構造を有する複合繊維にお
いて、光干渉効果を効率よく得るためには多層でかつ実
質的に界面が全て平行になる繊維が好ましい。特に、偏
平繊維の短軸方向に多層交互積層が形成されており、そ
の偏平比が大きな偏平繊維は光の干渉に有効な面積を大
きく取ることができるため好ましい繊維断面形態であ
る。偏平繊維の偏平比は2以上が好ましく、さらには
3.5以上が好ましい。偏平比としては15以下が好ま
しく、特に10以下、さらに7以下が好ましい。15を
越える偏平繊維は製糸性が大きく低下するため好ましく
ない。
【0035】さらに積層数として、A成分およびB成分
よりなる層が、5層以上の交互積層を成していることが
好ましい。5層を下回る時干渉効果が小さいばかりでな
く、干渉色が見る角度によって大きく変化してしまい、
安価な質感しか得られないので好ましくない。さらには
10層以上の交互積層が好ましい。一方総数は120層
以下、特に70層以下が好ましい。120層を超える
時、得られる光の反射量の増大がもはや期待できないば
かりか、口金構造が複雑になり製糸が困難になるととも
に、層流に乱れが発生し易く好ましくない。さらには5
0層以下が好ましい。
【0036】本発明における複合繊維の断面複合形態と
して、共重合芳香族ポリエステル(A成分)とポリメチ
ルメタアクリレート(B成分)とが、交互多層に張り合
わされていることが必要である。交互層状の断面構造の
具体例を図1に示す。(ア)および(イ)は丸断面にお
いて、交互に、A成分とB成分が積層させた形態であ
り、(ウ)〜(キ)は偏平断面において交互にA成分と
B成分が積層された形態を示す。(ウ)においては長軸
方向に、(エ)においては短軸方向に交互積層された形
態を示す。(オ)は偏平断面において偏平断面状に沿っ
て交互に積層された形態を示す。(カ)は(エ)におい
て交互積層の中間部に非積層領域を設けた形態を示し、
(キ)においては、交互積層の外周部に非積層領域を有
する形態を示す。ここでA成分は共重合芳香族ポリエス
テルでもよく、またポリメチルメタアクリレートでもよ
い。また、B成分は、共重合芳香族ポリエステルでもよ
く、またポリメチルメタアクリレートでもよい。いずれ
にしても、A成分とB成分が交互に配置されていること
が必要である。
【0037】本発明において交互積層方向が全て平行で
あり、且つその積層面が大きいことが光の反射、干渉に
作用する面を大きく取ることができるので有利であり、
特に図(エ)、(オ)、(カ)および(キ)が好ましい
断面積層形態である。多層の厚みは非常に薄く、ポリマ
ーの供給量は極端に少ないため、例えば(カ)で示すよ
うに、繊維の一部に非積層領域を設置し、さらに好まし
くはその非積層領域のポリマーとして、ポリメチルメタ
アクリレートを選択する時、高い製糸性が得られて好ま
しい。
【0038】このような薄膜で多層の繊維を布帛として
使用する際、摩擦力が働くために薄膜間で剥離が生じ易
く、多層構造が破壊されることが発生することがある。
これを防止する方法として、多層の外周部に特に共重合
芳香族ポリエステルの非積層領域を設置した(キ)の形
態が特に好ましい。この非積層領域の厚みとして、2ミ
クロン以上であることが好ましい。2ミクロンより薄く
なると、実用時に起きる、繊維への摩擦により非積層領
域、さらには多層成形層が剥離を生じるため好ましくな
い。この非積層領域の厚みは、3ミクロン以上が好まし
い。一方、この厚みが10ミクロンを越えると、その領
域での光の吸収、乱反射が無視できなくなり好ましくな
い。この厚みとしては10ミクロン以下、さらには7ミ
クロン以下が好ましい。
【0039】交互多層において、それぞれの成分の層の
厚みは0.02ミクロン以上0.3ミクロン以下であるこ
とが好ましい。厚みが0.02ミクロンより薄いと、期
待する干渉効果を得ることができなくなり、一方、0.
3ミクロンを超えても期待する干渉効果を得ることはで
きない。さらに厚みは、0.05ミクロン以上0.15ミ
クロン以下であることが好ましい。また、2種の成分に
おける光学距離、すなわち、層の厚みと屈折率の積が等
しい時、さらに高い干渉効果を得ることができる。特に
一次の反射に等しい2種の光学距離の和の2倍が、欲す
る色の波長の距離と等しい時、最大の干渉色となる。
【0040】本発明の共重合芳香族ポリエステル(A成
分)とポリメチルメタアクリレート(B成分)との複合
繊維は、それ自体公知の複合繊維の製造方法によって、
製造することができる。例えば図1の(ア)、(オ)は
紡糸パック内において、2成分ポリマーを任意のエレメ
ント数を設置したスタチックミキサーを通過させた後、
口金導入孔の分流板で複合流を導き吐出することによっ
て得られる。スタチックミキサーとして、例えば特公昭
60−1048号公報に記載の如き混合器を多数連結し
て多層接合型複合ポリマー流を作成し、さらに(ア)は
円環状のスリットの吐出孔、(オ)は偏平形状のC型ス
リット孔からの吐出によって多層中空糸として得ること
ができる。(イ)〜(エ)、(カ)〜(キ)で示される
複合形態を得るには、例えばスタチックミキサーとし
て、例えば特公昭60−1048号公報に記載の如き混
合器を多数連結して多層接合型複合ポリマー流を作成
し、さらに(イ)は円孔のスリットの吐出孔、(ウ)は
接合方向を長軸とする偏平状のスリット孔、(エ)は接
合方向を短軸とする偏平状のスリット孔を設置すること
によって得られる。
【0041】(カ)および(キ)は、多層接合型複合ポ
リマー流とともに、非積層領域を形成するポリマー流を
作成し、これを合流させることによって、多層接合層の
中間部またはその外周部に非積層領域を設置することが
できる。しかるに光干渉効果を効率よく得るためには多
層で且つ実質的に界面が全て平行である多層接合方向を
長軸とする偏平繊維が好ましく、この点からも、図1に
おける(エ)、(オ)、(カ)および(キ)が特に好ま
しい。さらにその偏平比が大きな偏平繊維は光の干渉に
有効な面積を大きく取ることができるので好ましい繊維
断面形態である。偏平比として2以上が好ましく、さら
には3.5以上が好ましい。偏平比としては15を超え
る場合、吐出孔の偏平比は50を超えるような大きな偏
平比となり、多層接合流を多層と直角方向に、ポリマー
の流れを大幅に拡大しなければならず、流れの乱れが生
じ易く、また吐出孔付近でポリマーのベンディングが生
じ、口金への接触が生じて曳糸性を悪くするため好まし
くない。偏平比として15以下、さらには10以下、特
に7以下が好ましい。
【0042】
【実施例】以下に実施例で本発明を説明するが、これに
よって本発明が限定されるものではない。 実施例1〜5および比較例1〜4 ジメチルテレフタレート1.0モル、エチレングリコー
ル2.5モル、さらにネオペンチルグリコールの量を変
更して加え、さらにエステル交換触媒として酢酸カルシ
ウム0.0008モル、および酢酸マンガン0.0002
モルを用い、これらを反応槽に投入し撹拌しながら常法
に従って150℃から230℃に徐々に加熱してエステ
ル交換を行った。所定量のメタノールを系外に抜き出し
た後重合触媒として三酸化アンチモン0.0008モル
と燐酸トリエチルエステル0.0012モルを投入し
て、昇温と減圧を徐々に行い、発生するエチレングリコ
ールを抜きながら、加熱槽を285℃、真空度を1Torr
以下に到達させた。この条件を意地して粘度の上昇を待
ち、撹拌機にかかるトルクが所定の値に達した時点で反
応を終了し、水中に押し出してペレットを得た。この時
得られた共重合ポリエチレンテレフタレート(共重合P
ET)の極限粘度は0.68〜0.72の範囲であった。
【0043】さらにポリメチルメタクリレート(PMM
A)として、三菱レーヨン社製のアクリペットMF(2
30℃下でのメルトフローレート=14)を用いた。共
重合ポリエチレンテレフタレート/PMMA=1/1
(重量)で複合紡糸を行い、図1(エ)で示す偏平断面
であって、15層の複合形態となる様に2000m/分
で製糸を行った。この原糸を用いてローラー型延伸機
で、1.5倍に延伸し、80デニール/24フィラメン
トの延伸しを得た。ここで偏平糸の断面について電子顕
微鏡写真を撮り、その中央点および長軸方向において端
より長軸の長さの1/8の点におけるPET層、PMM
A層の厚みを測定しその平均値を求めた。その結果を下
記表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】実施例6〜10および比較例5〜8 ジメチルテレフタレート1.0モル、エチレングリコー
ル2.5モル、さらにビスフェノ−ルAのエチレンオキ
サイド付加物の量を変更して加え、さらにエステル交換
触媒として酢酸カルシウム0.0008モル、および酢
酸マンガン0.0002モルを用い、これらを反応槽に
投入し撹拌しながら常法に従って150 ℃から230
℃に徐々に加熱してエステル交換を行った。所定量のメ
タノールを系外に抜き出した後重合触媒として三酸化ア
ンチモン0.0008モルと燐酸トリエチルエステル0.
0012モルを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発
生するエチレングリコールを抜きながら、加熱槽を28
5℃、真空度を1Torr以下に到達させた。この条件を維
持して粘度の上昇を待ち、撹拌機にかかるトルクが所定
の値に達した時点で反応を終了し、水中に押し出してペ
レットを得た。この時得られた共重合ポリエチレンテレ
フタレート(共重合PET)の極限粘度は0.66〜0.
73の範囲であった。
【0046】さらにポリメチルメタクリレート(PMM
A)として、三菱レーヨン社製のアクリペットMF(2
30℃下でのメルトフローレート=14)を用いた。ポ
リエチレンテレフタレート共重合物/PMMA=1/1
(重量)で複合紡糸を行い、図1(エ)で示す偏平断面
であって、15層の複合形態となるように2000m/
分で製糸を行った。この原糸を用いてローラー型延伸機
で1.5倍に延伸し、80デニール/24フィラメント
の延伸糸を得た。ここで偏平糸の断面について電子顕微
鏡写真を撮り、その中央点および長軸方向において端よ
り長軸の長さの1/8の点におけるPET層、PMMA
層の厚みを測定しその平均値を求めた。その結果を下記
表2に示した。
【0047】
【表2】
【0048】実施例11 実施例7で使用したビスフェノ−ルAのエチレンオキサ
イド付加物を11モル%共重合したPETとさらにポリ
メチルメタクリレート(PMMA)として、三菱レーヨ
ン社製のアクリペットMF(230℃下でのメルトフロ
ーレート=14)を用いた。共重合ポリエチレンテレフ
タレート/PMMA=4/1(重量)で複合紡糸を行
い、図1(キ)で示す交互多層の層の周辺に非積層領域
層のある偏平断面であって、15層の複合形態となるよ
うに2000m/分で製糸を行った。この原糸を用いて
ローラー型延伸機で1.6倍に延伸し、90デニール/
12フィラメントの延伸糸を得た。ここで偏平糸の断面
について電子顕微鏡写真を撮り、その中央点および長軸
方向において端より長軸の長さの1/8の点における共
重合PET層、PMMA層の厚みを測定しその平均値を
求めた。
【0049】さらにこのように作成された糸に対して、
0.02g/dの荷重を掛け、繊維に一回転の撚りを与
えた後、3000回の繰り返し往復運動を付与し、繊維
の摩耗に対する変化を観察した。結果を表3に示すが、
非積層領域を有する実施例11において繊維のフィブリ
ルは認められなかった。
【0050】一方、実施例8の繊維は、同様の摩耗試験
によりフィブリル化が発生し、また顕微鏡観察によっ
て、交互多層部の一部が破壊されていることを確認し
た。
【0051】
【表3】
【0052】実施例12 ジメチルテレフタレート0.9モル、ジメチル(2−メ
チル)テレフタレート0.1モル、エチレングリコール
2.5モルを加え、さらにエステル交換触媒として酢酸
カルシウム0.0008モルおよび酢酸マンガン0.00
02モルを用い、これらを反応槽に投入し、攪拌しなが
ら常法に従って150℃から230℃に徐々に加熱して
エステル交換を行った。所定量のメタノールを系外に抜
き出した後、重合触媒として三酸化アンチモン0.00
08モルと燐酸トリエチルエステル0.0012モルを
投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発生するエチレン
グリコールを抜きながら、加熱槽を285℃、真空度1
Torr以下に到達させる。この条件を維持して粘度の
上昇を待ち、攪拌機にかかるトルクが所定の値に達した
時点で反応を終了し、水中に押し出してペレットを得
た。この時得られた共重合ポリエチレンテレフタレート
(共重合PET)の極限粘度は0.64であり、メチル
テレフタレートの共重合量は9.8%であった。
【0053】さらに、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)として、三菱レーヨン社製のアクリペットMF
(230℃でのメルトフローレート=14)を用いた。
共重合ポリエチレンテレフタレート/PMMA=1/1
(重量)になるように供給し複合紡糸を行い、図1
(エ)で示す偏平断面であって、15層の複合形態とな
るように製糸を行った。この原糸を用いて、ローラー延
伸機で1.3倍に延伸し、80デニール/24フィラメ
ントの延伸糸を得た。ここで、偏平糸の断面について電
子顕微鏡写真をとり、その中央点および長軸方向におい
て端より長軸の長さの1/8の点における共重合ポリエ
チレンテレフタレート層、PMMA層の厚みを測定しそ
の平均値を求めた。その結果を下記表4に示した。
【0054】
【表4】
【0055】比較例9 ジメチルテレフタレート0.88モル、セバシン酸ジメ
チル0.12モル、エチレングリコール2.5モルを加
え、さらにエステル交換触媒として酢酸カルシウム0.
0008モルおよび酢酸マンガン0.0002モルを用
い、これらを反応槽に投入し攪拌しながら常法に従って
150℃から230℃に徐々に加熱してエステル交換を
行った。所定量のメタノールを系外に抜き出した後、重
合触媒として三酸化アンチモン0.0008モルと燐酸
トリエチルエステル0.0012モルを投入して、昇温
と減圧を徐々に行い、発生するエチレングリコールを抜
きながら、加熱槽を285℃、真空度1Torr以下に
到達させる。この条件を維持して粘度の上昇を待ち、攪
拌機にかかるトルクが所定の値に達した時点で反応を終
了し、水中に押し出してペレットを得た。この時得られ
た共重合ポリエチレンテレフタレート(共重合PET)
の極限粘度は0.64であり、メチルテレフタレートの
共重合量は9.8%であった。
【0056】さらに、ポリメチルメタクリレート(PM
MA)として、三菱レーヨン社製のアクリペットMF
(230℃でのメルトフローレート=14)を用いた。
共重合ポリエチレンテレフタレート/PMMA=1/1
(重量)になるように供給し複合紡糸を行い、図1
(エ)で示す偏平断面であって、15層の複合形態とな
るように製糸を行った。この原糸を用いて、ローラー延
伸機で1.4倍に延伸し、78デニール/24フィラメ
ントの延伸糸を得た。ここで、偏平糸の断面について電
子顕微鏡写真をとり、その中央点および長軸方向におい
て端より長軸の長さの1/8の点における共重合ポリエ
チレンテレフタレート層、PMMAの層の厚みを測定し
その平均値を求めた。その結果を下記表5に示した。
【0057】
【表5】
【0058】
【発明の効果】光の反射、干渉により発色効果の優れた
機能が得られた。この繊維は、布帛とすることにより、
摩耗性に優れかつ種々の色に発色する高級感のある材料
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の少なくとも2種の成分が交互積層した
複合繊維の長さ方向に対する直角断面における積層形態
を模式的に示したものである。
フロントページの続き (72)発明者 黒田 俊正 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人株 式会社大阪研究センター内 (72)発明者 清水 進 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内 (72)発明者 先原 明男 神奈川県伊勢原市鈴川26番地 田中貴金属 工業株式会社伊勢原工場内 (72)発明者 熊沢 金也 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 田畑 洋 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種のポリマー成分で構成さ
    れる交互層状の断面構造を有する複合繊維において、
    (1)側鎖にアルキル基を少なくとも1個有する二塩基
    酸成分および/またはグリコール成分を共重合成分と
    し、該共重合成分を全繰返し単位当り5〜30モル%共
    重合している共重合芳香族ポリエステルを主成分とする
    A成分およびポリメチルメタアクリレートを主成分とす
    るB成分よりなり、(2)前記A成分よりなる層および
    前記B成分よりなる層とが、5層以上の交互積層し、か
    つ(3)それぞれの層の厚みが0.02〜0.3ミクロン
    (μm)の範囲にある、ことを特徴とする光学干渉機能
    を有する複合繊維。
  2. 【請求項2】 該アルキル基がメチル基である請求項1
    記載の複合繊維。
  3. 【請求項3】 該共重合成分がネオペンチレングリコー
    ルである請求項1記載の複合繊維。
  4. 【請求項4】 該共重合成分がビスフェノールAまたは
    ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物である請
    求項1記載の複合繊維。
  5. 【請求項5】 繊維の長さ方向に対する直角断面の形状
    が偏平であり、その偏平の短軸方向に交互層状が多層に
    積層された断面構造を有する請求項1記載の複合繊維。
  6. 【請求項6】 繊維断面において、さらにA成分、B成
    分あるいは他のポリマー成分よりなる非積層領域が、中
    間部あるいは外周部に存在する請求項1記載の複合繊
    維。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067239A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Ge Plastics Japan Ltd 塗装された物品
JP2006022463A (ja) * 2004-06-08 2006-01-26 Rikogaku Shinkokai 構造発色性材料及びその製造方法

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