JPH11182826A - 竪型溶融炉 - Google Patents

竪型溶融炉

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JPH11182826A
JPH11182826A JP35037397A JP35037397A JPH11182826A JP H11182826 A JPH11182826 A JP H11182826A JP 35037397 A JP35037397 A JP 35037397A JP 35037397 A JP35037397 A JP 35037397A JP H11182826 A JPH11182826 A JP H11182826A
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furnace
waste
external force
zone
bridge
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JP35037397A
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English (en)
Inventor
Masatsugu Yamagata
昌継 山縣
Michihiko Kamata
充彦 鎌田
Nobuhiko Tanaka
暢彦 田中
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Kubota Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
Original Assignee
Kubota Corp
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入された廃棄物を熱分解する熱分解帯B
と、熱分解帯Bで熱分解された廃棄物を燃焼用ガスと共
に燃焼溶融する燃焼溶融帯Cが炉内13に上下方向に順
に形成され、炉内側壁14の下部に炉内横断面積を下方
に向けて縮小させる傾斜部1を設けると共に、傾斜部1
の上端部をそれより上方の炉内側壁14より外側に張り
出して張出部2を設けた竪型溶融炉に対して改良を加
え、炉下部でのブリッジ現象や、廃棄物上部まで達する
吹き抜け現象の発生を防止しつつ、高い熱効率で燃焼溶
融が行える竪型溶融炉を提供する。 【解決手段】 張出部2またはその近傍の廃棄物に対し
て外力を加えブリッジの形成を防止または破壊する外力
付与手段4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴミ等の廃棄物の
熱分解、燃焼溶融等が一つの炉内で一括して行える竪型
溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市ゴミを始め雑多な廃棄物を一
括処理する竪型溶融炉が提案されている。一般的に、か
かる竪型溶融炉は、竪型炉の上部から順に、乾燥帯、熱
分解帯、燃焼溶融帯という三つの処理領域が自然形成さ
れるように構成してあり、炉の上方から投入された廃棄
物は、約100℃から300℃に維持される余熱乾燥帯
で余熱乾燥され、約300℃から1200℃に維持され
る熱分解帯で廃棄物に含まれる有機物がメタン、水素、
一酸化炭素等の可燃性ガスに熱分解され、その残渣分が
約1300℃から1500℃に維持される燃焼溶融帯で
溶融処理されるものである。
【0003】このとき、前記燃焼溶融帯では、炉の上方
から投入された廃棄物の熱分解残渣に含まれる可燃成分
が羽口から供給される空気や酸素若しくは酸素富化ガス
等により急激に燃焼反応して高温高熱を発し、この熱に
より灰分や無機物が溶融処理され、同時にその熱が熱分
解帯における廃棄物の熱分解のために供され、更に乾燥
帯における乾燥に供される。つまり、かかる竪型溶融炉
では、特に燃料を外部から導入しなくとも、自燃により
溶融処理まで行うことができ、エネルギー的に有利であ
るというメリットがあった。
【0004】そして、かかる竪型溶融炉は、図3(イ)
に示すように、溶融部の熱効率を高めるため炉底部の面
積を小さくする下窄まり形状を採用しており、炉の横断
面積が炉底部の近くで次第に縮小する構造になってい
る。一方、このような竪型溶融炉では投入された廃棄物
が乾燥→熱分解→燃焼溶融されるに従って、順次炉内下
方に落下していき、廃棄物全体が特定箇所で滞留してブ
リッジを形成する、いわゆるブリッジ現象を引き起こす
ことなく燃焼溶融帯まで落下する必要がある。
【0005】しかしながら、かかる炉底部の近くに下窄
まり形状を採用した従来の竪型溶融炉(従来型X)で
は、上記した廃棄物の落下が専ら重力による落下のみに
依存しており、前記熱分解帯で熱分解処理された後の熱
分解残渣が当該下窄まり形状部分の内壁面に掛止し、そ
の掛止した部分が更に他の熱分解残渣を掛止してブリッ
ジを形成する可能性が高かった。このように、一旦ブリ
ッジが形成されると前記燃焼溶融帯に空洞部が形成され
炉内が冷却されたり、また、炉の下方で生じた高温燃焼
ガスが、廃棄物内に形成された特定の経路を経て上方へ
抜ける、いわゆる吹き抜け現象といった異常状態が生じ
易いという問題があり、安定した連続操炉が困難となる
虞があった。この問題を解消するために、図3(ロ)に
示すように、炉底部の近くに下窄まり形状を採用せず
に、廃棄物が落下途中で炉内壁面に掛止し難いように、
炉の横断面積が下方に向け次第に拡大するように炉内壁
を下広がりにした竪型溶融炉(従来型Y)が提案されて
いるが、この竪型溶融炉の場合、溶融部の容積が不必要
に大きくなり熱損失が増大し、熱効率を低下させる結果
となっていた。
【0006】そこで、上記2種類の従来の竪型溶融炉
(従来型X及びY)の問題点を解消すべく、その折衷型
として、図3(ハ)に示すように、炉内側壁の下部に炉
内横断面積を下方に向けて縮小させる傾斜部を設けると
共に、前記傾斜部の上端部をそれより上方の炉内側壁よ
り外側に張り出して張出部を設け、溶融部での熱損失を
防止しながら、ブリッジの形成し難い炉形状の改良型の
竪型溶融炉(従来型Z)が提案されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
改良型の竪型溶融炉(従来型Z)も、ブリッジ現象の解
消という点では不十分で、廃棄物の内容、状態等によっ
ては前記傾斜部内でブリッジが形成される虞があった。
【0008】従って、本発明の目的は、上記問題点に鑑
み、従来の改良型の竪型溶融炉(従来型Z)に対して改
良を加え、炉下部でのブリッジ現象や、廃棄物上部まで
達する吹き抜け現象の発生を防止しつつ、高い熱効率で
燃焼溶融が行える竪型溶融炉を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る竪型溶融炉の第一の特徴構成は、特許請
求の範囲の欄の請求項1に記載の如く、投入された廃棄
物を熱分解する熱分解帯と、前記熱分解帯で熱分解され
た廃棄物を燃焼用ガスと共に燃焼溶融する燃焼溶融帯が
炉内に上下方向に順に形成され、炉内側壁の下部に炉内
横断面積を下方に向けて縮小させる傾斜部を設けると共
に、前記傾斜部の上端部をそれより上方の炉内側壁より
外側に張り出して張出部を設けた竪型溶融炉であって、
前記張出部またはその近傍の廃棄物に対して外力を加え
ブリッジの形成を防止または破壊する外力付与手段を設
けてなる点にある。ここで、前記熱分解帯、前記燃焼溶
融帯は炉内上下方向に順に概略形成されるものも含む。
【0010】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載の如く、上記第一の特徴構成に加え
て、前記外力付与手段が、攪拌部材を所定の回転軸廻り
に回転させて廃棄物を攪拌する廃棄物攪拌手段である点
にある。
【0011】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載の如く、上記第一または第二の特徴構
成に加えて、前記外力付与手段の炉内での作用部分がそ
の作用領域外へ引退自在に構成されている点にある。
【0012】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項4に記載の如く、上記第三の特徴構成に加え
て、前記燃焼溶融帯と前記熱分解帯の境界部分に炉内温
度を測定可能な温度センサを備え、前記外力付与手段の
前記作用部分が、通常は前記作用領域外に引退してお
り、前記温度センサが所定温度以上を検知した場合の
み、前記作用領域内へ進出して所定の外力付与動作を実
行する点にある。
【0013】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項5に記載の如く、上記第三の特徴構成に加え
て、前記燃焼溶融帯と前記熱分解帯の炉内側壁に各別に
設けた圧力測定孔に圧力センサを備え、前記外力付与手
段の前記作用部分が、通常は前記作用領域外に引退して
おり、前記圧力測定孔の2点間の圧力差が所定値以下に
なった場合のみ、前記作用領域内へ進出して所定の外力
付与動作を実行する点にある。
【0014】以下に作用並びに効果につき説明する。上
記第一の特徴構成によれば、前記傾斜部の炉内壁面に沿
ったブリッジの形成し易い部分に滞留する廃棄物に対し
て、前記外力付与手段から外力を付与することで、燃焼
時にブリッジが形成されにくく、また仮にブリッジが形
成されても引き続く外力の付与によりブリッジが破壊さ
れる。その結果、上方に存在する廃棄物の自重により廃
棄物が特定箇所で留まることなく順次落下して、吹き抜
け現象の発生を防止しつつ、均一かつ永続的な燃焼溶融
が行える。
【0015】また、前記燃焼溶融帯における炉形状が、
前記傾斜部の採用によって炉の横断面積が炉底部の近く
で次第に縮小する構造になっており、炉底部の面積が小
さく、熱損失を抑え高い熱効率で燃焼溶融が行えるので
ある。
【0016】上記第二の特徴構成によれば、前記外力付
与手段が押動部材の往復動等に炉内壁付近の廃棄物を炉
中心方向に押し出すように外力を付与する形態に比べ、
前記廃棄物攪拌手段によって攪拌された廃棄物は炉中心
方向以外にも炉壁面に沿って周方向にも移動するため、
前記廃棄物攪拌手段によって直接外力を付与されない炉
内壁面付近の廃棄物に対しても間接的に外力が付与され
るため、少数の廃棄物攪拌手段によって炉内壁全周にわ
たって廃棄物に外力を付与することが可能となり、効率
よくブリッジの形成の阻止、並びに、ブリッジの除去が
可能となるのである。
【0017】上記第三の特徴構成によれば、前記外力付
与手段の炉内での作用部分が不使用時にはその作用領域
外へ引退できるため、前記燃焼溶融帯における高熱下に
常時曝されるのを回避でき、熱による部材の劣化を軽減
でき耐用期間の長期化が図れるのである。
【0018】更に、上記第四の特徴構成によれば、前記
温度センサが前記羽口近傍の炉内温度の上昇を検知する
ことによりブリッジ形成の初期状態を間接的に検出でき
るため、ブリッジ形成の初期状態において効率よく確実
にブリッジ形成を防止できるのである。また、前記外力
付与手段の作動期間を必要時にのみ限定できるため、前
記耐用期間の長期化がより効率よく図れるのである。
【0019】更に、上記第五の特徴構成によれば、前記
圧力センサによる前記燃焼溶融帯と前記熱分解帯との前
記2点間の圧力測定値から前記2点間の圧力差が検出で
きるため、前記2点間の圧力差がある一定値より小さく
なると前記2点間に廃棄物が少なくなっていると判断で
き、この結果、ブリッジが形成されていることが検出で
き、前記外力付与手段の使用により前記ブリッジを解消
することができるのである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る竪型溶融炉の
一実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】図1に示すように、本発明に係る竪型溶融
炉は、炉本体11を竪型円筒状に形成してあり、炉壁上
部に廃棄物を炉内13に投入する廃棄物投入口12と、
ガス排出口15が夫々設けられ、また、炉内側壁14の
下方部に炉内横断面積を下方に向けて縮小させる傾斜部
1が、前記傾斜部1の上端部にそれより上方の前記炉内
側壁14より径方向外側に張り出した張出部2が夫々設
けられ、更に、酸素または酸素富化空気等の燃焼用ガス
を炉内13の炉底面18に向けて吹き込むように供給す
る羽口16が、前記傾斜部1の下方端全周にわたって複
数箇所に前記炉内側壁14を炉内方向やや下方に向けて
貫通して設けられている。
【0022】前記張出部2は、前記傾斜部1の上端より
上方の前記炉内側壁14の下端から径方向外側に突出し
て設けられた水平若しくは勾配を有する平板状の内壁面
を備える環状の天井部3と、前記天井部3の外周縁部に
連続する前記傾斜部1の上端部に挟まれた領域に形成さ
れる。
【0023】また、前記廃棄物投入口12から投入され
た廃棄物を余熱乾燥する乾燥帯Aと、余熱乾燥された廃
棄物を熱分解により乾留処理する熱分解帯Bと、熱分解
処理後の熱分解残渣を前記羽口16から供給される燃焼
用ガスと共に燃焼しその燃焼残渣を溶融して溶融スラグ
化する燃焼溶融帯Cとが、前記炉内13の上方から下方
に向けて順次自然形成される構造となっている。前記燃
焼溶融帯Cで生成される溶融スラグを排出するための溶
融スラグ排出口17が、前記炉内側壁14の下端部の一
箇所に設けられており、炉底面18は前記溶融スラグ排
出口17に向かって先窄まりに傾斜する傾斜面で構成さ
れ、前記溶融スラグ排出口17の下方側には前記溶融ス
ラグを回収するスラグ回収装置19が設けられている。
【0024】更に、図1に示すように、本発明の竪型溶
融炉は、前記張出部2及びその近傍に滞留する廃棄物に
対して外力を付与する外力付与手段4たる廃棄物攪拌手
段5が前記天井部3から前記張出部2に突出するように
設けられている。前記廃棄物攪拌手段5は、クランク状
に屈曲した棒状のステンレス等の耐熱性の攪拌部材6を
所定の回転軸廻りに回転させて廃棄物を攪拌するよう
に、更に、前記攪拌部材6が進出引退可能に構成されて
いる。即ち、攪拌は炉外に設けたモータ駆動による歯車
で前記攪拌部材6を回転させて行い、前記攪拌部材6の
進出引退は炉外に設けたシリンダ装置で行わせる。尚、
前記攪拌部材6と炉壁との間のシール部8は、攪拌時に
十分な気密性が確保できるシール構造となっている。
【0025】前記傾斜部1の下方端全周にわたって前記
羽口16の中間位置でその上下近傍の複数箇所に炉外か
ら炉内に向けて温度センサ9を挿入可能な挿入孔が設け
られ、前記羽口16近傍の炉内温度を測定可能な温度セ
ンサ9がその挿入孔に設けられている。図2に、前記羽
口16及び前記温度センサ9が夫々3カ所に設けた場合
について図示する。更に、図1に示すように、前記燃焼
溶融帯Cと前記熱分解帯Bの炉内側壁14に各別に圧力
測定孔を設け、その各圧力測定孔に当該位置での炉内圧
を検出する圧力センサ29b、29cを各別に設けてあ
る。
【0026】前記温度センサ9が検出する検出温度は所
定の温度検出信号として、また、前記圧力センサ29
b、29cが検出する検出圧力は所定の圧力検出信号と
して、前記廃棄物攪拌手段5の前記攪拌部材6の回転駆
動及び進出引退動作を制御する制御部10に送信され
る。前記廃棄物攪拌手段5は、操炉状態において、前記
温度センサ9が所定温度以上の炉内温度を検出するか、
或いは、前記圧力センサ29b、29cが検出した検出
圧力の差が所定値以下となった場合は、ブリッジ形成の
初期状態にあると判断して、前記制御部10が前記攪拌
部材6の回転駆動及び進出引退動作の各駆動部に対し
て、引退していた前記攪拌部材6の前記炉内13での作
用部分7をブリッジが形成し易い部分に進出させ、攪拌
操作を開始させるように構成されている。これは、ブリ
ッジの形成が始まると、前記燃焼溶融帯C内に空洞部分
が形成され前記燃焼溶融帯C全域で均一な燃焼となり比
較的広範囲で前記燃焼溶融帯Cの温度差がなくなり、ま
た、前記燃焼溶融帯Cの燃焼物が少なくなるので炉内圧
の差が小さくなってくるからである。
【0027】以下、本発明の竪型溶融炉を使用したゴミ
等の廃棄物の具体的な処理プロセスについて説明する。
【0028】ゴミ収集車により収集された廃棄物は、例
えば竪型溶融炉の上方に設けたホッパに投入され、ホッ
パの下部に備えた上部ダンパ、下部ダンパからなる二重
ダンパ機構を交互に開閉操作することにより、前記炉内
13への外気の混入を防止しながら、前記廃棄物投入口
12から前記炉内13に投入される。
【0029】前記炉内13に投入された廃棄物は、約5
00℃までに維持される前記乾燥帯Aで乾燥され、さら
に下降して約500℃から1200℃に維持される前記
熱分解帯Bで廃棄物に含まれる揮発性有機物の大部分が
メタン、水素、一酸化炭素等の可燃性ガス及び二酸化炭
素に熱分解された発生ガスとして前記熱分解帯Bから前
記乾燥帯Aを経て上昇して前記ガス排出口15より炉外
へ排出され、ガス化後の熱分解残渣は約1300℃以上
に維持される前記燃焼溶融帯Cで熱分解残渣中の可燃分
が燃焼し、溶融処理される。
【0030】廃棄物に含まれる塩化ビニル等が前記熱分
解帯Bで分解される過程で発生する塩化水素等の腐食性
ガスは、例えばボイラを通った後、煙道を兼ねた反応部
でそこに供給された石灰粉末等アルカリ剤と中和反応し
て塩化カルシウム等の塩類として固定された後、反応部
に続くバグフィルタで捕捉除去される。
【0031】前記燃焼溶融帯Cでは、乾燥・熱分解を受
けた廃棄物の熱分解残渣の可燃分が、前記炉内側壁14
の下方部に形成された前記羽口16から前記炉底面18
の上面に向けて供給される燃焼用ガスに接して燃焼反応
し、高熱を発し、同時に前記炉底面18上に残存する可
燃分も燃焼する。この熱により灰分や無機物等の熱分解
残渣中の不燃分が溶融処理され、溶融したスラグが流下
して前記溶融スラグ排出口17から前記スラグ回収装置
19内に排出され、冷却水を蓄えた水冷槽20の中に滴
下され、急冷されて水砕スラグとなる。同時に前記燃焼
溶融帯Cで発生する熱が、燃焼排ガスの上昇に伴って、
前記熱分解帯Bでの熱分解処理、前記乾燥帯Aでの乾燥
処理に供される。
【0032】ここで、燃焼反応による発熱量が、熱分解
処理及び乾燥処理にとって不足である場合には、燃焼用
ガスに更にメタンガス等のガス燃料、或いは、炭素含有
物の粉末等の微粉燃料を補助燃料として供給添加しても
よい。
【0033】上記において、前記温度センサ9がブリッ
ジ形成を間接的に検出すると、炉壁中腹部に当たる前記
張出部2に外力付与手段4たる前記廃棄物攪拌手段5の
前記攪拌部材6が進出し、ブリッジを形成し易い部分で
ある前記張出部2及びその近傍にある廃棄物に対して攪
拌動作による外力を付与し、ブリッジを形成しつつある
廃棄物に対してそのブリッジの支持部分を破壊すること
でブリッジ形成を阻害し、また仮にブリッジが形成され
ても引き続く外力の付与によりブリッジが破壊される。
【0034】その結果、炉内上方に存在する廃棄物が自
重により特定箇所で留まることなく順次落下して、吹き
抜け現象の発生を防止しつつ、均一かつ永続的な燃焼溶
融が行える。即ち、高温燃焼部へ熱分解残渣に含まれる
カーボンがスムーズに供給され、そこに酸素もしくは酸
素富化空気等の燃焼用ガスが供給されるので、本発明の
竪型溶融炉は補助燃料なしか、必要としてもごく少量で
高温燃焼ができるようになる。即ち、本発明によれば、
炉本体11を下窄まりに形成することにより、溶融炉で
の高い熱効率を維持しながらも、ブリッジ現象や、それ
に伴う吹き抜け現象の発生を防止しつつ、かつ永続的な
安定操炉が可能となる。
【0035】以下に他の実施の形態について説明する。 〈1〉上記実施の形態において、前記攪拌部材6は前記
張出部2に常時進出状態で、必ずしも引退自在に構成さ
れている必要はない。この場合、更に、前記攪拌部材6
及びその支持部材等の内部に冷却水を循環させる通水管
部を設けるのも好ましい。また、引退自在に構成する場
合であっても、前記攪拌部材6を炉外に引退させても構
わない。更に、炉壁に炉外に向けた引退スペースを確保
するようにしても構わない。
【0036】〈2〉上記実施の形態において、前記温度
センサ9または前記圧力センサ29b、29cは必ず設
けられなくても構わない。前記廃棄物攪拌手段5を常時
または間欠的に作動するようにしてもよく、また、ブリ
ッジ形成を他の手段で検出するようにしても構わない。
例えば、前記攪拌部材6に懸かる負荷を検出して、負荷
の程度でブリッジ形成を間接的に判定し、攪拌の駆動力
を増大させるように制御しても構わない。
【0037】〈3〉上記実施の形態において、前記外力
付与手段は、種々の異なる形態に適宜変更可能である。
例えば、前記廃棄物攪拌手段5の前記攪拌部材6の形状
が、クランク状の棒状体以外に、回転軸にラセン状の翼
を取り付けたスクリュー形状のものであっても構わな
い。また、前記外力付与手段は、前記攪拌部材6を回転
駆動させる形態の前記廃棄物攪拌手段5ではなく、例え
ば先端が楔形状等の廃棄物を破砕するのに適当な形状の
押動部材を前記張出部2またはその近傍において油圧シ
リンダ等で往復動させる構成のものであっても構わな
い。また、これらの外力付与手段の外力付与時の動作
は、単純な回転動作や往復動以外にこれらの組み合わさ
れた複雑な動作であっても構わない。
【0038】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る竪型溶融炉の一実施の形態を示す
縦断面図
【図2】本発明に係る竪型溶融炉の温度センサの設置例
を示す横断面図
【図3】従来の竪型溶融炉の一例(従来型X、Y及び
Z)を示す縦断面図
【符号の説明】
1 傾斜部 2 張出部 3 天井部 4 外力付与手段 5 廃棄物攪拌手段 6 攪拌部材 7 作用部分 8 シール部 9 温度センサ 10 制御部 11 炉本体 12 廃棄物投入口 13 炉内 14 炉内側壁 15 ガス排出口 16 羽口 17 溶融スラグ排出口 18 炉底面 19 スラグ回収装置 20 水冷槽 29b、29c 圧力センサ A 乾燥処理帯 B 熱分解処理帯 C 燃焼溶融処理帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 暢彦 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 投入された廃棄物を熱分解する熱分解帯
    (B)と、前記熱分解帯(B)で熱分解された廃棄物を
    燃焼用ガスと共に燃焼溶融する燃焼溶融帯(C)が炉内
    (13)に上下方向に順に形成され、炉内側壁(14)
    の下部に炉内横断面積を下方に向けて縮小させる傾斜部
    (1)を設けると共に、前記傾斜部(1)の上端部をそ
    れより上方の炉内側壁(14)より外側に張り出して張
    出部(2)を設けた竪型溶融炉であって、 前記張出部(2)またはその近傍の廃棄物に対して外力
    を加えブリッジの形成を防止または破壊する外力付与手
    段(4)を設けてなる竪型溶融炉。
  2. 【請求項2】 前記外力付与手段(4)が、攪拌部材
    (6)を所定の回転軸廻りに回転させて廃棄物を攪拌す
    る廃棄物攪拌手段(5)である請求項1記載の竪型溶融
    炉。
  3. 【請求項3】 前記外力付与手段(4)の炉内(13)
    での作用部分(7)がその作用領域外へ引退自在に構成
    されている請求項1または2記載の竪型溶融炉。
  4. 【請求項4】 前記燃焼溶融帯(C)と前記熱分解帯
    (B)の境界部分に炉内温度を測定可能な温度センサ
    (9)を備え、 前記外力付与手段(4)の前記作用部分(7)が、通常
    は前記作用領域外に引退しており、前記温度センサ
    (9)が所定温度以上を検知した場合のみ、前記作用領
    域内へ進出して所定の外力付与動作を実行する請求項3
    記載の竪型溶融炉。
  5. 【請求項5】 前記燃焼溶融帯(C)と前記熱分解帯
    (B)の炉内側壁(14)に各別に設けた圧力測定孔に
    圧力センサ(29b、29c)を備え、前記外力付与手
    段(4)の前記作用部分(7)が、通常は前記作用領域
    外に引退しており、前記圧力測定孔の2点間の圧力差が
    所定値以下になった場合のみ、前記作用領域内へ進出し
    て所定の外力付与動作を実行する請求項3記載の竪型溶
    融炉。
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