JPH11182265A - ディーゼルエンジンの燃料制限装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料制限装置

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JPH11182265A
JPH11182265A JP35455797A JP35455797A JPH11182265A JP H11182265 A JPH11182265 A JP H11182265A JP 35455797 A JP35455797 A JP 35455797A JP 35455797 A JP35455797 A JP 35455797A JP H11182265 A JPH11182265 A JP H11182265A
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JP
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fuel
governor
cover
lever
damper
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JP35455797A
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English (en)
Inventor
Koichi Funaki
耕一 舩木
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンの急加速時などでの黒煙の排気の発
生を低減する。 【解決手段】 ガバナ収容ケース(10)内で揺動自在に枢
支したガバナレバー(4)の第1レバー(4a)を燃料噴射ポ
ンプ(2)の調量ラックピン(3)に連動連結する。ガバナ
収容ケース(10)に燃料制限ピン(12)を固定し、その燃料
制限ピン(12)の先端部にダンパー(13)を設ける。そのダ
ンパー(13)は、エンジンが急加速操作されたことで、ダ
ンパー(13)のカバー(14)がガバナレバー(4)の第2レバ
ー(4b)によって燃料増量側(R)へ急速に押し込まれよう
としても、そのカバー(14)が徐々にしか燃料増量側(R)
へ移動しないようになっており、これによって上記第2
レバー(4b)の燃料増量側(R)への急速な移動が緩和され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの燃料制限装置に関しており、詳しくは、エンジンの
始動時や急加速時での黒煙の排気の発生を低減する技術
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、ディーゼルエンジンに用いるガバ
ナ装置では、ガバナレバーによって燃料噴射ポンプの調
量ラックピンを移動させることで、燃焼室への燃料供給
量を制御している。そして、上記ガバナ装置では、上記
調量ラックピンが全負荷位置よりも燃料増量側へ過剰に
移動することを制限するため、上記ガバナレバーを燃料
制限ピンで受け止めるようにしている。
【0003】上記ガバナ装置は、例えば図5に示すよう
に、次のように構成される。即ち、上記ガバナレバー
(4)は、ガバナ収容ケース(10)内で前後揺動自在に枢支
されており、そのガバナレバー(4)の第1レバー(4a)に
は、ガバナウエイト(6)を連動連結するとともに、燃料
噴射ポンプ(2)の調量ラックピン(3)を連動連結してあ
る。また、ガバナレバー(4)の第2レバー(4b)には、ガ
バナスプリング(5)を介して調速レバー(8)を連結して
ある。
【0004】そして、上記ガバナレバー(4)は、上記ガ
バナウエイト(6)からのガバナ力(GF)と、上記ガバナス
プリング(6)のスプリング力(SF)との不釣合い力で揺動
するようになっている。一方、上記ガバナ収容ケース(1
0)の内壁には、上記燃料制限ピン(12)を螺着してあり、
その燃料制限ピン(12)の先端部で、燃料増量側(R)へ移
動してきた上記第2レバー(4b)を受け止めることによっ
て、上述の調量ラックピン(3)の燃料増量側(R)への移
動を制限している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば、エ
ンジンの急加速操作の際には、調速レバー(8)での操作
に応じて上記第2レバー(4b)及び上記第1レバー(4a)を
介して上記調量ラックピン(3)が燃料増量側(R)へ急速
に移動し、これに伴って燃焼室への燃料供給量も急速に
増加するが、その燃料供給量の増加に対してエンジン回
転数は徐々にしか上昇しない。このため、上記調量ラッ
クピン(3)の燃料増量側(R)への移動に対し、上記ガバ
ナ力(GF)の上昇が遅れてしまい、この結果、給気量に対
して過剰な燃料供給が行われ、黒煙の排気が発生してし
まう。
【0006】本発明は、エンジンの急加速時などでの黒
煙の排気の発生を低減することを目的とする。また、従
来のガバナ装置の構成にあまり大きな変更を加えずに上
記黒煙の発生を低減することを目的とする。さらに、上
記黒煙の発生をより十分に低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】[請求項1の発明]請求項
1の発明は、上記の目的を達成するために、例えば図
1、図3あるいは図4に示すように、次のように構成し
たものである。ガバナ収容ケース(10)内でガバナレバー
(4)を揺動自在に枢支し、ガバナレバー(4)の出力部を
燃料噴射ポンプ(2)の調量ラックピン(3)に連動連結
し、ガバナ収容ケース(10)に燃料制限具(12)を固定し、
燃料制限具(12)の先端部でガバナレバー(4)を受け止め
ることによって、ガバナレバー(4)の燃料増量側(R)へ
の移動を制限するディーゼルエンジンにおいて、燃料制
限具(12)にダンパー(13)(30)を設けることにより、ガバ
ナレバー(4)の燃料増量側(R)への急速な移動を緩和す
るように構成したものである。
【0008】[請求項2の発明]また、請求項2の発明
は、上記の目的を達成するために、例えば図1や図3に
示すように、上記請求項1の構成において、次のように
構成したものである。一端面(14a)を開口した筒状のカ
バー(14)と、カバー(14)を燃料減量側(L)へ付勢するス
プリング(15)とでダンパー(13)を構成し、カバー(14)を
燃料制限具(12)の先端部に摺動自在に外嵌することによ
って、カバー(14)内に空間(16)を形成可能に構成し、カ
バー(14)に小孔(17)を設けることにより、ガバナレバー
(4)がカバー(14)を燃料増量側(R)へ押圧しても、上記
空間(16)内の空気が上記カバー(14)外へ徐々に排出され
るように構成したものである。
【0009】[請求項3の発明]また、請求項3の発明
は、上記の目的を達成するために、例えば図4に示すよ
うに、上記請求項1の構成において、次のように構成し
たものである。制限ピン(32)で燃料制限具(12)を構成す
るとともに、ガバナ収容ケース(10)に固定した筒状のダ
ンパー本体(31)と、制限ピン(32)を燃料減量側(L)へ付
勢するスプリング(33)とでダンパー(30)を構成し、制限
ピン(32)は、その基端部をダンパー本体(10)内に摺動自
在に収容するとともに、先端部をガバナ収容ケース(10)
内に突出し、ダンパー本体(31)の内面と、制限ピン(32)
の基端面との間に形成される空間に、オイルを充填させ
てオイル充填部(36)を構成し、オイル充填部(36)を、小
さい通路断面積を有する小通路(35)でオイル溜部(34)へ
接続することにより、ガバナレバー(4)が制限ピン(32)
に当接して燃料増量側(R)へ押圧しても、オイル充填部
(36)とオイル溜部(34)との間のオイルの移動が徐々に行
われるように構成したものである。
【0010】
【作用】[請求項1]上記請求項1の発明は、例えば図
1と図2とに示すように、次のように作用する。ガバナ
レバー(4)は、ガバナウエイト(6)などからのガバナ力
(GF)と、ガバナスプリング(5)のスプリング力(SF)など
とがそれぞれ加わっており、エンジン負荷の変動などに
よってエンジン回転数が変化した際の上記ガバナ力(GF)
と上記スプリング力(SF)との不釣合い力によって、燃料
増量側(R)あるいは燃料減量側(L)へ揺動する。する
と、燃料噴射ポンプ(2)の調量ラックピン(3)が、ガバ
ナレバー(4)の揺動に対応して燃料増量側(R)あるいは
燃料減量側(L)へ移動し、これによって上記エンジン負
荷の変動に対応した、燃焼室への燃料供給量に制御され
る。
【0011】そして、エンジンの急加速操作の際には、
ガバナレバー(4)が燃料増量側(R)へ急速に移動しよう
とするが、燃料制限具(12)に設けたダンパー(13)によっ
て上記ガバナレバー(4)の燃料増量側(R)への急速な移
動が押し止められる。一方、エンジンが緩やかに加速操
作された際には、ガバナレバー(4)も燃料増量側(R)へ
緩やかに揺動する。このときには、上記ダンパー(13)は
ガバナレバー(4)の燃料増量側(R)への揺動をあまり妨
げず、ガバナレバー(4)は調量ラックピン(3)が全負荷
位置(4/4)となる位置まで移動可能になる[図2中の実線
図の位置]。
【0012】[請求項2]上記請求項2の発明は、基本
的には上述の請求項1の発明とほぼ同様の作用をなし、
特に次のように作用する。即ち、エンジンの急加速操作
によって、ガバナレバー(4)が、燃料増量側(R)へ急速
に移動し、燃料制限具(12)の先端部に取り付けたダンパ
ー(13)のカバー(14)に当接したときには、そのままカバ
ー(14)をダンパー(13)のスプリング(15)の付勢力に抗し
て燃料増量側(R)へ押し込もうとする。
【0013】このとき、上記カバー(14)内の空気は、カ
バー(14)の小孔(17)からカバー(14)外へ徐々にしか排出
されないので、カバー(14)内の空間(16)の容積の減少割
合に対し、上記小孔(17)を介して排出される空気量が小
さくなる。この結果、カバー(14)内の残留空気が、ガバ
ナレバー(4)の押圧によって圧縮されて膨張しようと
し、これによってカバー(14)の燃料増量側(R)への移動
を抑える。つまり、ガバナレバー(4)は、カバー(14)に
よって燃料増量側(R)への急速な移動が押し止められ
る。なお、カバー(14)内の残留空気が上記小孔(17)を介
して徐々に排出されることで、ガバナレバー(4)は徐々
に燃料増量側(R)へ移動できるようになるが、このとき
にはエンジン回転数が上昇し、燃焼室への給気量も十分
に上昇している。
【0014】一方、エンジンが緩やかに加速操作される
ことによって、ガバナレバー(4)が燃料増量側(R)へ緩
やかに揺動して上記カバー(14)に当接したときには、そ
のカバー(14)を上記スプリング(15)の付勢力に抗して燃
料増量側(R)へ緩やかに押し込もうとする。
【0015】この場合、カバー(14)内の空間(16)の容積
の減少割合に対し、上記小孔(17)を介して排出される空
気量がほぼ追従できることになり、カバー(14)内の空気
が、あまり圧縮されることなくカバー(14)外へ排出され
る。このため、ガバナレバー(4)には、ほぼダンパー(1
3)のスプリング(15)の付勢力のみが加わり、ガバナレバ
ー(4)は、カバー(14)を容易に燃料増量側(R)へ押し込
むことができる。つまり、ガバナレバー(4)は、ダンパ
ー(13)によって燃料増量側(R)への揺動があまり妨げら
れず、これによって調量ラックピン(3)が全負荷位置(4
/4)となる位置まで移動可能になる[図2中の実線図の位
置]。
【0016】[請求項3]上記請求項3の発明は、基本
的には上述の請求項1の発明とほぼ同様に作用するが、
特に次のように作用する。即ち、上述の請求項2の発明
では、ガバナレバー(4)の燃料増量側(R)への移動が急
速すぎる場合には、ダンパー(13)のカバー(14)内の空気
が圧縮してカバー(14)が押し込まれるため、ガバナレバ
ー(4)は、カバー(14)に当接した後も燃料増量側(R)へ
ある程度揺動してしまう。
【0017】これに対し、この請求項3の発明では、ガ
バナレバー(4)が、燃料増量側(R)へ急速に移動して制
限ピン(32)に当接しても、ダンパー本体(31)内のオイル
充填部(36)内のオイル自体は圧縮することがない。つま
り、制限ピン(32)は、ガバナレバー(4)で燃料増量側
(R)へ押されても、小通路(35)を通ってオイル充填部(3
6)からオイル溜部(34)へ徐々に移動したオイルの分し
か、燃料増量側(R)へ移動しない。これにより、ガバナ
レバー(4)の燃料増量側(R)への急速な移動を確実に抑
制することができる。
【0018】
【発明の効果】[請求項1]上記請求項1の発明は、上
記のように構成され作用することから次の効果を奏す
る。即ち、従来のガバナ装置にある燃料制限具にダンパ
ーを設けたことにより、そのダンパーによってガバナレ
バーが燃料増量側へ急速に移動することが緩和されるの
で、エンジンの急加速操作の際に給気量に対して燃焼室
への燃料供給が過剰になることが防止され、これによっ
て、黒煙の排気の発生を低減することができる。しか
も、燃料制限具にダンパーを設けたので、ガバナ装置に
上記ダンパーを取り付けるためのスペースを燃料制限具
とは別に確保する必要がない。従って、従来のガバナ装
置をあまり設計変更することなく、上述の黒煙発生の低
減効果を得ることができる。
【0019】[請求項2]上記請求項2の発明は、上記
のように構成され作用することから上述の請求項1の発
明の効果に加え、さらに次の効果を奏する。即ち、従来
からガバナ装置に設けてあった燃料制限具に、カバーと
スプリングとからなる簡単な構成のダンパーを取り付け
るだけで上述の黒煙発生の低減効果を得ることができる
ので、ガバナ装置のコスト上昇を抑えることができる。
【0020】しかも、従来からある燃料制限具をほぼそ
のまま利用することができるので、ガバナ装置の設計変
更をより低減できる。また、従来のエンジンの燃料制限
具に上記ダンパーを取り付けるといった簡単な作業でよ
いので、既に使用されている従来のエンジンであっても
容易に上記黒煙の発生低減の効果を持たせることができ
る。
【0021】[請求項3]上記請求項3の発明は、上記
のように構成され作用することから上述の請求項1の発
明の効果に加え、さらに次の効果を奏する。オイルを使
ってガバナレバーの燃料増量側への急速な移動を確実に
抑制できるので、黒煙の排気の発生をより十分に低減す
ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるディーゼル
エンジンの燃料制限装置の実施の第1の形態について図
1と図2とを用いて説明する。図1(A)は上記燃料制限
装置を適用したガバナ装置の要部縦断面図、図1(B)は
上記燃料制限装置の要部拡大断面図である。図2は上記
ガバナ装置の作用を示す模式図である。
【0023】上記ディーゼルエンジンに設けたガバナ装
置(1)は、燃料噴射ポンプ(2)の調量ラックピン(3)
を、ガバナレバー(4)を介してガバナスプリング(5)の
スプリング力(SF)で燃料増量側(R)へ弾圧する一方で、
ガバナウエイト(6)のガバナ力(GF)で燃料減量側(L)へ
押圧するようになっている。即ち、上記ガバナレバー
(4)は、第1レバー(4a)と第2レバー(4b)とで構成され
ており、ガバナ収容ケース(10)内で前後揺動自在に枢支
される。上記第1レバー(4a)の出力部[図1中では上側]
には上記調量ラックピン(3)を連結してあり、第1レバ
ー(4a)の入力部[図1中では下側]にはガバナウエイト
(6)を連結してある。
【0024】また、上記第2レバー(4b)にはガバナスプ
リング(5)を連結してあり、その第2レバー(4b)と上記
第1レバー(4a)とは、トルクアップ装置(7)を介して連
結してある。なお、上記ガバナスプリング(5)には調速
レバー(8)を連結してある。また、スタートスプリング
(9)によって第1レバー(4a)を燃料増量側(R)へ弾圧す
るようにしてある。そして、上記ガバナレバー(4)は、
上記ガバナ力(GF)[図1中では左向きの力]と、上記スプ
リング力(SF)[図1中では右向きの力]との不釣合い力に
よって、燃料増量側(R)あるいは燃料減量側(L)へ揺動
するようにしてある。
【0025】また、ガバナ収容ケース(10)には燃料制限
ピン(12)を螺着してあり、その燃料制限ピン(12)の先端
部にダンパー(13)を取り付けてある。なお、上記燃料制
限ピン(12)は、ロックナット(12a)によって固定され
る。そのダンパー(13)は、次のように構成してある。即
ち、上記ダンパー(13)は、カップ状のカバー(14)と、そ
のカバー(14)内に配置したスプリング(15)とで構成して
ある。上記カバー(14)は、その開口部(14a)を上記燃料
制限ピン(12)の先端部に外嵌させてある。
【0026】そして、上記スプリング(15)によって上記
カバー(14)を燃料減量側(L)へ付勢することにより、上
記カバー(14)内に空間(16)が形成されるようにしてあ
る。また、上記カバー(14)の先端面には小孔(17)を設け
てあり、その小孔(17)を通って上記カバー(14)内の空間
(16)とカバー(14)外とが連通してある。なお、上記カバ
ー(14)の内面と上記燃料制限ピン(12)との間には、ガバ
ナ装置(1)内で飛散する潤滑油が入り込んむことで満た
されており、これによってカバー(14)内の空気が外へ漏
れにくくなっている。
【0027】上記ダンパー(13)は、図1と図2とに示す
ように、上記調速レバー(8)での操作に応じて次のよう
に作用する。即ち、例えば、上記調速レバー(8)によっ
て急加速操作されたときには[図2中の矢印方向への操
作]、ガバナレバー(4)の第2レバー(4b)が、ガバナス
プリング(5)を介して燃料増量側(R)へ急速に引っ張ら
れる。そして、上記第2レバー(4b)が上記ダンパー(13)
のカバー(14)の先端部に当接したときには[図2中の二
点鎖線図の状態]、そのまま上記カバー(14)をダンパー
(13)のスプリング(15)の付勢力に抗して燃料増量側(R)
へ押し込もうとする。
【0028】ところが、上記カバー(14)内の空気は、上
記小孔(17)から上記カバー(14)外へ徐々にしか排出され
ないので、上記カバー(14)内の空間(16)の容積の減少割
合に対し、上記小孔(17)を介して排出される空気量が小
さくなる。この結果、カバー(14)内の残留空気が、上記
第2レバー(4b)の押圧によって圧縮されて膨張しようと
し、上記カバー(14)の燃料増量側(R)への移動を抑え
る。つまり、上記第2レバー(4b)は、上記カバー(14)に
よって燃料増量側(R)への急速な移動が押し止められて
緩和される。なお、上記カバー(14)内の残留空気が上記
小孔(17)を介して徐々に排出されることで、上記第2レ
バー(4b)は徐々に燃料増量側(R)へ移動できるようにな
るが、このときにはエンジン回転数が上昇して、燃焼室
への給気量も十分に上昇している。
【0029】一方、エンジンが緩やかに加速操作された
ときには、ガバナレバー(4)も燃料増量側(R)へ緩やか
に揺動する。このため、上記ガバナレバー(4)の第2レ
バー(4b)は、上記カバー(14)に当接したときには、その
カバー(14)を燃料増量側(R)へ緩やかに押し込もうとす
る。
【0030】この場合には、上記カバー(14)内の空間(1
6)の容積の減少割合に対し、上記小孔(17)を介して排出
される空気量がほぼ追従できることになって、上記カバ
ー(14)内の空気が、あまり圧縮されることなく上記カバ
ー(14)外へ排出される。このため、上記第2レバー(4b)
には、ほぼダンパー(13)のスプリング(15)の付勢力のみ
が加わり、上記第2レバー(4b)は、上記カバー(14)を容
易に燃料増量側(R)へ押し込むことができる。つまり、
上記第2レバー(4b)は、上記ダンパー(13)によって燃料
増量側(R)への揺動があまり妨げられず、これによって
上記調量ラックピン(3)が全負荷位置(4/4)となる位置
まで移動可能になる[図2中の実線図の位置]。
【0031】次に、本発明にかかるディーゼルエンジン
の燃料制限装置の実施の第2の形態について図3を用い
て説明する。図3は上記燃料制限装置の要部縦断面図で
ある。上述の第1の形態では、ダンパー(13)のスプリン
グ(15)をカバー(14)内に配置してあるが、この第2の形
態では、上記スプリング(15)は、上記カバー(14)の基端
部[図3中では右端]と、上記燃料制限ピン(12)に固定し
たリング状の係止部材(20)との間に配置される。
【0032】この第2の形態での構成であっても、上述
の第1の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
しかも、上記スプリング(15)が上記カバー(14)外に配置
される分だけ、そのスプリング(15)の寸法を自由に設定
できることになる。また、この第2の形態では、上記係
止部材(20)を取り付けたこと以外は、従来の燃料制限ピ
ン(12)をほぼそのまま利用することができる。なお、こ
の第2の形態では、上記スプリング(15)の一端を上記係
止部材(20)に係止してあるが、そのスプリング(15)の一
端をガバナ収容ケース(10)の内壁に係止させてもよい。
【0033】次に、本発明にかかるディーゼルエンジン
の燃料制限装置の実施の第3の形態について図4を用い
て説明する。図4は上記燃料制限装置の要部縦断面図で
ある。この第3の形態では、上記燃料制限ピン(12)を棒
状の制限ピン(32)で構成し、その制限ピン(32)の燃料増
量側(R)への急速な移動をダンパー(30)で緩和するよう
に構成してある。
【0034】即ち、上記ダンパー(30)は、筒状のダンパ
ー本体(31)と、スプリング(33)と、上記ダンパー本体(3
1)に付設したオイル溜部(34)とで構成される。上記ダン
パー本体(31)は上記ガバナ収容ケース(10)に螺着してあ
る。なお、ダンパー本体(31)は、ロックナット(31a)に
よって上記ガバナ収容ケース(10)に固定される。上記ダ
ンパー本体(31)内には、上記制限ピン(32)の基端部[図
4中では右側]が摺動自在に挿入される。その制限ピン
(32)の先端部[図4中では左側]は、上記ダンパー本体(3
1)の開口(31b)から上記ガバナ収容ケース(10)内に向け
て突出しており、その制限ピン(32)の先端部で上記第2
レバー(4b)を受け止め可能にしてある。
【0035】また、上記ダンパー本体(31)の内面と、上
記制限ピン(32)の基端面との間にはオイル充填部(36)を
形成しており、そのオイル充填部(36)内に潤滑油[オイ
ル]を充填してある。なお、上記制限ピン(32)にはシー
ル材を設けてあり、これによって上記ダンパー本体(31)
と上記制限ピン(32)との隙間からオイル充填部(36)内の
潤滑油が漏れ出すことを防いでいる。
【0036】上記スプリング(33)は、上記オイル充填部
(36)内に配置されており、上記制限ピン(32)を燃料減量
側(L)へ付勢するようになっている。上記オイル溜部(3
4)は、潤滑油を溜めれるようになっており、上記ダンパ
ー本体(31)に設けた、小さい通路断面積を有する小通路
(35)を介して、上記ダンパー本体(31)内のオイル充填部
(36)と接続している。
【0037】これにより、上記制限ピン(32)の摺動に伴
って、上記潤滑油がオイル溜部(34)とオイル充填部(36)
との間で行き来するようになっている。また、上記オイ
ル充填部(36)内での基端[図4中では右端]には、係止突
起(37)を設けてある。そして、上記第2レバー(4b)によ
って上記制限ピン(32)が押し込まれ、制限ピン(32)の基
端部が上記係止突起(37)に当接したときには、上記調量
ラックピン(3)が全負荷位置(4/4)となるようにダンパ
ー(30)の位置を調節してある。
【0038】この第3の形態では、上記第2レバー(4b)
がダンパー(30)の制限ピン(32)を押圧しても、オイル充
填部(36)内の潤滑油は圧縮されることなく、小通路(35)
を通ってオイル充填部(36)からオイル溜部(34)へ徐々に
しか移動しないので、制限ピン(32)は燃料増量側(R)へ
緩やかにしか移動できない。従って、上記第2レバー(4
b)の燃料増量側(R)への急速な移動をより確実に低減で
きる。なお、上記オイル充填部(36)内の潤滑油が上記小
通路(35)を介して徐々に排出されることで、上記第2レ
バー(4b)は徐々に燃料増量側(R)へ移動できる。
【0039】一方、緩やかに加速操作されたときには、
上記第2レバー(4b)によって上記制限ピン(32)が燃料増
量側(R)へ緩やかに押し込まれ、オイル充填部(36)内の
潤滑油が小通路(35)を通ってオイル充填部(36)からオイ
ル溜部(34)へ徐々に移動することで、上記第2レバー(4
b)は、上記調量ラックピン(3)が全負荷位置(4/4)とな
る位置まで移動可能になる。
【0040】なお、上記第3の形態では、ダンパー(30)
のオイル溜部(34)をダンパー本体(31)に付設したが、例
えば、オイル溜部をガバナ収容ケース(10)に取り付け、
そのオイル溜部とダンパー本体(31)内のオイル充填部(3
6)とを、小さい通路断面積を有する管で接続してもよ
い。
【0041】また、ダンパー(30)のスプリング(33)をダ
ンパー本体(31)外に取り付けて、上記制限ピン(32)を付
勢するようにしてもよい。さらに、上記第2レバー(4b)
で制限ピン(32)が押し込まれたときには、オイル溜部(3
4)からダンパー本体(31)内へ潤滑油が徐々に吸い込まる
ように構成し、この構成によって制限ピン(32)が燃料増
量側(R)へ緩やかに移動するように構成してもよい。
【0042】また、上記各実施の形態は、ガバナレバー
を2本のレバーで構成されたもので説明したが、本発明
は、ガバナレバーが1本で構成されたものであっても適
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるディーゼルエンジンの燃料制限
装置の実施の第1の形態を示すものであり、図1(A)は
上記燃料制限装置を適用したガバナ装置の要部縦断面
図、図1(B)は上記燃料制限装置の要部拡大断面図であ
る。
【図2】上記ガバナ装置の作用を示す模式図である。
【図3】本発明にかかるディーゼルエンジンの燃料制限
装置の実施の第2の形態を示すものであり、上記燃料制
限装置の要部縦断面図である。
【図4】本発明にかかるディーゼルエンジンの燃料制限
装置の実施の第3の形態を示すものであり、上記燃料制
限装置の要部縦断面図である。
【図5】従来のディーゼルエンジンのガバナ装置の要部
縦断面図である。
【符号の説明】
2…燃料噴射ポンプ、3…調量ラックピン、4…ガバナ
レバー、10…ガバナ収容ケース、12…燃料制限ピン[燃
料制限具]、13…ダンパー、14…カバー、14a…カバー
の開口、15…スプリング、16…空間、17…小孔、30…ダ
ンパー、31…ダンパー本体、32…制限ピン、33…スプリ
ング、34…オイル溜部、35…小通路、36…オイル充填
部、R…燃料増量側、L…燃料減量側。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガバナ収容ケース(10)内でガバナレバー
    (4)を揺動自在に枢支し、そのガバナレバー(4)の出力
    部を燃料噴射ポンプ(2)の調量ラックピン(3)に連動連
    結し、 上記ガバナ収容ケース(10)に燃料制限具(12)を固定し、
    その燃料制限具(12)の先端部で上記ガバナレバー(4)を
    受け止めることによって、ガバナレバー(4)の燃料増量
    側(R)への移動を制限するディーゼルエンジンにおい
    て、 上記燃料制限具(12)にダンパー(13)(30)を設けることに
    より、上記ガバナレバー(4)の燃料増量側(R)への急速
    な移動を緩和するように構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のディーゼルエンジンに
    おいて、 一端面(14a)を開口した筒状のカバー(14)と、そのカバ
    ー(14)を燃料減量側(L)へ付勢するスプリング(15)とで
    前記ダンパー(13)を構成し、 上記カバー(14)を前記燃料制限具(12)の先端部に摺動自
    在に外嵌することによって、そのカバー(14)内に空間(1
    6)を形成可能に構成し、 上記カバー(14)に小孔(17)を設けることにより、上記ガ
    バナレバー(4)が上記カバー(14)を燃料増量側(R)へ押
    圧しても、上記空間(16)内の空気が上記カバー(14)外へ
    徐々に排出されるように構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料制限装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のディーゼルエンジンに
    おいて、 制限ピン(32)で前記燃料制限具(12)を構成するととも
    に、前記ガバナ収容ケース(10)に固定した筒状のダンパ
    ー本体(31)と、上記制限ピン(32)を燃料減量側(L)へ付
    勢するスプリング(33)とで前記ダンパー(30)を構成し、 上記制限ピン(32)は、その基端部を上記ダンパー本体(1
    0)内に摺動自在に収容するとともに、先端部を上記ガバ
    ナ収容ケース(10)内に突出し、 上記ダンパー本体(31)の内面と、上記制限ピン(32)の基
    端面との間に形成される空間に、オイルを充填させてオ
    イル充填部(36)を構成し、 そのオイル充填部(36)を、小さい通路断面積を有する小
    通路(35)でオイル溜部(34)へ接続することにより、上記
    ガバナレバー(4)が上記制限ピン(32)に当接して燃料増
    量側(R)へ押圧しても、上記オイル充填部(36)と上記オ
    イル溜部(34)との間のオイルの移動が徐々に行われるよ
    うに構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの燃料制限装置。
JP35455797A 1997-12-24 1997-12-24 ディーゼルエンジンの燃料制限装置 Pending JPH11182265A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106968813A (zh) * 2017-02-28 2017-07-21 南京威孚金宁有限公司 一种ve分配泵调速系统及其调速方法

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