JPH11181693A - 製紙用添加剤 - Google Patents
製紙用添加剤Info
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- JPH11181693A JPH11181693A JP9342896A JP34289697A JPH11181693A JP H11181693 A JPH11181693 A JP H11181693A JP 9342896 A JP9342896 A JP 9342896A JP 34289697 A JP34289697 A JP 34289697A JP H11181693 A JPH11181693 A JP H11181693A
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Abstract
セルロース含有物、及び、遊離のアクリルアミド系ポリ
マーを含有し、上記グラフト化されたセルロース含有物
中のアクリルアミド系ポリマーと上記遊離のアクリルア
ミド系ポリマーの合計に対する上記グラフト化されたセ
ルロース含有物中のアクリルアミド系ポリマーの混合比
率が、10〜75重量%とする。 【解決手段】 パルプへの定着性、得られる紙の濾水
性、歩留り、地合等を向上させた製紙用添加剤を提供す
ることである。
Description
に関し、詳しくは、紙の濾水性や歩留りを向上させる添
加剤に関する。
ものとして、水溶性高分子であるアクリルアミド系ポリ
マー等が知られている。それらの中でも、アニオン変性
やカチオン変性したアクリルアミド系ポリマーや、イオ
ン性ビニル系モノマーと共重合することによって電荷を
付与したアクリルアミド共重合体は、パルプへの定着が
よく、濾水性向上剤や歩留り向上剤として使用されてい
る。
しては、凝集剤を低分子量化させたものが多く使用され
ている。これは、単に濾水性や歩留りを向上させるため
には、高分子量の凝集剤をそのまま使用すればよいが、
反面、高分子量化するとフロックが大きくなり、地合が
悪化し、紙の強度の低下につながるからである。
して、水溶性高分子にアクリルアミド系ポリマーをグラ
フトしてなる重合体(特公平7−18117号公報参
照)や、水溶性多糖類や水分散性多糖類に、電荷を付与
したアクリルアミド系ポリマーをグラフトしてなる重合
体に、電荷を付与したアクリルアミド系ポリマー体を混
合した重合体混合物(特公昭50−12481号公報参
照)が知られている。
をグラフト化したものとしては、水不溶性セルロースに
アクリルアミド系ポリマーをグラフトさせてなる水分散
性や乳化性の重合体が、凝集性を有することが知られて
いる(特公昭49−46712号公報参照)。
低分子量化させた凝集剤は、その低分子量化の度合い
や、抄紙条件によって、パルプへの定着性、得られる紙
の濾水性、歩留り、地合等が大きく変化するため、抄紙
条件にあわせて適切な分子量を見いだす必要がある。
に記載の重合体のように、水溶性高分子をグラフト化の
ための幹ポリマーとして使用する場合は、重合体全体が
水溶性となるためパルプへの定着性が低く、抄紙時にこ
の重合体が白水中に流出しやすいため、歩留りが低下す
る。
報に記載の重合体混合物は、パルプへの定着性をあげる
ため、上記のアクリルアミド共重合体に電荷が付与され
ており、このためモノマーとして、不飽和カルボン酸、
アミン類、ビニルピリジン類を使用する必要がある。さ
らに、この重合体混合物は、グラフト化重合体と電荷を
付与したアクリルアミド共重合体とをそれぞれ重合した
後、混合するので、製造に手間がかかる。
2号公報に記載の重合体は凝集能を有することから、上
記の通り、紙に応用した場合、地合が悪化し、紙の強度
の低下につながる可能性がある。また、パルプへの定着
性が良好か否かは不明であるため、抄紙に使用したと
き、濾水性や歩留り向上性を向上させるとは限らない。
着性、得られる紙の濾水性、歩留り、地合等を向上させ
た製紙用添加剤を提供することである。
め、この発明は、アクリルアミド系ポリマーをグラフト
化したセルロース含有物、及び、遊離のアクリルアミド
系ポリマーを含有し、上記グラフト化されたセルロース
含有物中のアクリルアミド系ポリマーと上記遊離のアク
リルアミド系ポリマーの合計に対するグラフト化された
セルロース含有物中のアクリルアミド系ポリマーの混合
比率が、10〜75重量%としたのである。
系モノマーを混合して重合させることにより、上記アク
リルアミド系モノマーのうち10〜50モル%を上記セ
ルロース化合物にグラフト化させ、残りの90〜50モ
ル%のアクリルアミド系モノマーを遊離のアクリルアミ
ド系ポリマーとすることができる。
されたパルプとすることができる。
にアクリルアミド系ポリマーを含有させたので、パルプ
への定着性が向上する。特に、セルロース含有物として
パルプを用いた場合、そのパルプは紙の構成成分として
取り込まれる。また、セルロースにグラフト化されたア
クリルアミド系ポリマーと、遊離のアクリルアミド系ポ
リマーとの親和性が良好であるため、単独で存在するア
クリルアミド系ポリマーのみの場合よりも紙への定着性
が向上する。
て、電荷を有さないアクリルアミドホモポリマーや、ア
クリルアミド共重合体を用いても、良好な濾水性、歩留
り向上効果を示す。さらに、電荷を有するアクリルアミ
ド共重合体を用いた場合は、さらに良好な濾水性、歩留
り向上効果を示す。
ロースを添加した紙料のフロックは小さいために、抄紙
すると地合が良好な紙を製造することができる。
を参照して説明する。この発明にかかる製紙用添加剤、
特に濾水性・歩留り向上剤は、アクリルアミド系ポリマ
ー(以下、「枝ポリマー」と称する。)をセルロース含
有物(以下、「幹ポリマー」と称する。)にグラフト化
したグラフト化セルロース含有物(以下、「グラフト化
ポリマー」と称する。)、及び、グラフト化ポリマーか
ら遊離したアクリルアミド系ポリマー(以下、「遊離ポ
リマー」と称する。)を含有してなる。
しては、セルロースパウダー等のセルロース単体や、各
種パルプや古紙パルプのパルプ類等があげられる。これ
らのなかでも、パルプ類はコストが安いので好ましく、
特に、LBKP、NBKP等の不純物の少ない漂白パル
プは、リグニンの様なラジカルトラップ物質が少ないた
め後述するグラフト化反応を行いやすいのでより好まし
い。
リマーは、下記のアクリルアミド系モノマーからなるホ
モポリマー、又は、下記のアクリルアミド系モノマーを
主モノマーとする共重合体である。上記アクリルアミド
系モノマーとしては、アクリルアミド、メタアクリルア
ミド等のN−無置換アクリルアミド、N−メチルアクリ
ルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルア
クリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のN
−モノ置換アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ
−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジ−iso−
プロピルアクリルアミド等のN−ジ置換アクリルアミド
等があげられる。
得られるポリマーは無電荷である。そのままでも、この
発明の製紙用添加剤として使用できるが、抄紙時のパル
プへの定着性をより向上するために、アニオン変性やカ
チオン変性をさせたり、イオン性のビニル系モノマーを
アクリルアミド系ポリマーと共重合してもよい。上記の
アニオン変性法としては、加水分解等があげられ、カチ
オン変性法としては、マンニッヒ変性や、ホフマン分解
等があげられる。また、上記のイオン性のビニル系モノ
マーには、アニオン性のビニル系モノマーやカチオン性
のビニル系モノマーがあり、いずれも使用することがで
きる。アニオン性のビニル系モノマーの例としては、ア
クリル酸、メタクリル酸のようなモノカルボン酸、マレ
イン酸、フタル酸、イタコン酸等のジカルボン酸、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸のようなスルホン
酸、又はこれらの金属塩があげられる。また、カチオン
性のビニル系モノマーとしては、ジメチルアミノエチル
アクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノ
プロピルアクリルアミド、ビニルピリジン等の3級アミ
ンを有するビニル系モノマー、アリルアミン、ジアリル
アミン、トリアリルアミン等のアリルアミン等や、これ
らの無機酸又は有機酸との酸塩があげられる。
ポリマーは、上記枝ポリマーと同様のものが用いられ
る。
ラフト化ポリマーと上記遊離ポリマーとを別々に製造し
た後、混合させてもよく、また、グラフト化ポリマーを
製造する際、重合条件を調整することにより、遊離ポリ
マーをも同時に製造させてもよい。
ーとを別々に製造した後、混合させる場合、グラフト化
ポリマーと遊離ポリマーとの混合割合は、上記グラフト
化ポリマー中の枝ポリマーと上記遊離ポリマーとの混合
比率でみたとき、10〜75重量%がよく、15〜50
重量%が好ましく、20〜30重量%がより好ましい。
枝ポリマーが10〜75重量%の範囲を外れると、濾水
性、歩留り性が低下するからである。ここで、上記混合
比率とは次の式(1)で示されるものである。
構成する上記アクリルアミド系モノマーを混合する。次
いで、重合触媒を用いてラジカル重合させることにより
グラフト化させる。使用される重合触媒としては、過硫
酸塩であるAPSやKPS等と亜硫酸水素ナトリウム等
の還元剤とを組み合わせたレドックス系重合開始剤や、
硝酸セリウムアンモニウム,硫酸セリウムアンモニウム
等のセリウム系触媒を用いることができる。
構成するセルロース含有物と、枝ポリマー及び遊離ポリ
マーを構成する上記アクリルアミド系モノマーの混合比
は、重量比でセルロース含有物/アクリルアミド系モノ
マー=1/8〜1/2がよい。混合比が1/8より小さ
いと遊離ポリマーの量が増大し、グラフト化ポリマーが
相対的に少なくなるため、濾水度が低下する。また、1
/2より大きいと、後述するグラフト率が低下し、枝ポ
リマーの分子量が低下するため、濾水度が低下する。
ミド系モノマーが上記幹ポリマーにグラフト化される割
合、すなわちグラフト効率は、10〜50モル%とな
る。残りの90〜50モル%のアクリルアミド系モノマ
ーは、グラフト化されずにそのまま重合され、遊離した
アクリアルアミド系ポリマーとなる。
リマーの種類等で異なるが、触媒として硝酸セリウムア
ンモニウム、幹ポリマーとしてLBKPを用いる場合、
反応温度は5〜50℃が好ましい。さらに、反応時間
は、2時間以上が好ましく、2〜4時間がより好まし
い。また、触媒の使用量は、添加するアクリルアミド系
ポリマー1重量部に対して、1/50〜1/800重量
部が好ましい。反応温度が5℃より低いと、反応時間が
長くなる傾向が見られ、50℃を越えると、グラフト率
が低下する場合がある。さらに、反応時間は長いほうが
グラフト率が向上して好ましいが、あまり長時間にして
も、グラフト率はある程度で頭打ちとなる。また、触媒
の使用量が1/800重量部より少ないと、反応時間が
長くなる傾向があり、1/50より多いとグラフト率が
低下する傾向が見られる。
り、グラフト化ポリマーが得られる。また、遊離ポリマ
ーは、幹ポリマーになるセルロース含有物を添加しない
以外は、上記グラフト化ポリマーと同様の条件で重合さ
せることにより製造することができる。さらにまた、場
合によっては、別の条件で重合して製造しても良い。
ーを上記の混合比率の範囲内になるように混合すること
により、目的の製紙用添加剤を得ることができる。
リマーをも同時に製造させる場合、同時にグラフト化ポ
リマーと遊離ポリマーとを製造するので、各成分の単離
操作が不要となり、また、得られる重合反応液をそのま
ま使用することができる。
とを製造するには、上記のグラフト化ポリマーと同様の
方法を用いることができる。
他にグラフト化しないアクリルアミド系ポリマーを含有
しているので、これを遊離ポリマーとして使用すること
ができる。
リマーにグラフト化されるアクリルアミド系モノマーの
グラフト効率は、10〜50モル%のものとなる。
る際に遊離ポリマーをも同時に製造させたときでも、グ
ラフト化ポリマーと遊離ポリマーとの混合割合は、上記
グラフト化ポリマー中の枝ポリマーと上記遊離ポリマー
との混合比率でみたとき、10〜75重量%がよく、1
5〜50重量%が好ましく、20〜30重量%がより好
ましい。枝ポリマーが10〜75重量%の範囲を外れる
と、濾水性、歩留り性が低下するからである。
れるグラフト化ポリマー中に含まれる枝ポリマーと遊離
ポリマーの混合比率が10〜75重量%にない場合は、
遊離ポリマーを添加するか、または、取り除くことによ
って、混合比率を上記範囲内に収めることができる。さ
らに、混合比率が上記範囲内にあった場合であっても、
遊離ポリマーを添加するか、または、取り除くことによ
って、より好ましい混合比率とすることができる。
幹ポリマーに対する割合、すなわち、グラフト率は、3
0%以上が好ましい。グラフト率が小さいと、枝ポリマ
ーの分子量も小さいため充分な効果が発揮されない。
ポリマーともに重量平均分子量は10〜100万程度で
あり、市販の濾水・歩留り向上剤の場合の100〜50
0万程度に比べて小さい。その理由は、市販の濾水・歩
留まり向上剤の場合、微細繊維同士を結合させる事によ
り濾水性・歩留りを向上させているために高分子量化が
どうしても必要なためである。しかし、高分子量化する
と、どうしても長い繊維も結合しあうためにフロックが
大きくなり地合の低下につながる。それに対して本発明
の製紙用添加剤は、グラフト化ポリマーが微細繊維を吸
着した状態下で遊離ポリマーの凝集効果も発揮されるた
めに高分子量化しなくても、濾水性・歩留りがよく、ま
たフロックがあまり大きくならないため地合の悪化が少
ないものとなるのである。
にLBKP(固形分:7.05%、Alabama River Pulp
Company製:フリーネス427)14.2g(絶乾1.
0g)をはかり取り、アクリルアミド4.0g(56m
mol)を水に溶かして加えた。水分量は、パルプの水
分を含めて全体で75mlとなるようにした。その後、
重合触媒として硝酸セリウムアンモニウム20mgを加
えて100rpmにて、30℃、4時間重合反応をさせ
た。得られた反応混合物の一部を取り出し、よく水洗し
た試料を元素分析し、幹ポリマーに対する枝ポリマーの
重量比であるグラフト率(重量%)を測定した。また、
枝ポリマー及び遊離ポリマーの重量平均分子量を下記の
方法にしたがって測定した。それらの結果を表1に示
す。得られた上記の反応混合物、及び水25mlを10
0mlフラスコに入れ、50℃の水浴中、200rpm
で攪拌した。次いで、37%ホルマリン水溶液2.3m
l(28.0mmol)及び50%ジメチルアミン水溶
液3.3ml(36.4mmol)を順に入れ、4時間
攪拌を続けて懸濁粘性溶液である重合体混合物Aを得
た。その一部を取り出し、よく水洗した試料を元素分析
し、幹ポリマーに対する枝ポリマーの重量比であるグラ
フト率(重量%)、反応に供与したアクリルアミド系モ
ノマーに対する枝ポリマーを構成するアクリルアミド系
モノマーのモル比を示すグラフト効率(モル%)、及
び、枝ポリマーと遊離ポリマーの合計に対する枝ポリマ
ーの割合、すなわち混合比率(重量%)を測定した。ま
た、下記の方法にしたがって濾水度を測定した。それら
の結果を表1に示す。
子量の測定 まず、マンニッヒ変性前の重合体混合物を濾過し、グラ
フト化ポリマーと遊離ポリマーに分離した。次に、グラ
フト化ポリマー300mgに酢酸緩衝液(pH5.0)
30ml、セルロース分解酵素50mgを加え、40
℃、48時間振盪した。グルコースアナライザーでセル
ロースが糖に分解したのを確認したのち、下記の条件で
GPCに供与し、枝ポリマーの平均分子量を測定した。
GPCの条件は次のとおりである。 カラム TSK-GEL G4000PWXL, G3000PWXL, G2500PWXL 移動相 pH6.9 10%アセトニトリル−0.2Mリン酸緩衝液 流速 0.8ml/min 検出器 UV,RI 標準物質 ポリエチレンオキサイド また、遊離ポリマーは、そのまま上記条件でGPCに供
与した。
記の方法で濾水度を測定した。JIS P8121(パ
ルプの濾水度試験方法)に基づき、故紙パルプ含有水
(4.5%)(濾水度480)を水で希釈したもの
(0.5%)に対パルプ0.02%(セルロース分を除
いたアクリルアミド成分の濃度)の濾水剤を添加し、さ
らに水でパルプ濃度0.3%に希釈後濾水度を測定し
た。
ニル系ポリマーの種類及び添加量を表1に記載したこと
以外は実施例1と同様にして、懸濁粘性溶液である重合
体混合物を得た。表1におけるCF11は、セルロース
粉末(ワットマン社製)を示す。なお、マンニッヒ反応
において使用するホルマリン及びジメチルアミンの使用
量は、アクリルアミド系モノマー/ホルムアルデヒド/
ジメチルアミン=2/1/1.3となるようにした。得
られた重合体混合物のグラフト率、グラフト効率、グラ
フト化ポリマーの混合比率、及び、濾水度を測定した。
また、マンニッヒ変性前の反応混合物のグラフト率を測
定した。さらに、実施例2及び3において、マンニッヒ
変性前の反応混合物の枝ポリマー及び遊離ポリマーの重
量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
ーの混合比率が低下し、また、アクリルアミドの添加量
が減少するとグラフト率が低下する。この場合、いずれ
も濾水度に影響を与えることが明らかとなった。また、
グラフト化ポリマー中の枝ポリマーと遊離ポリマーとの
重量平均分子量は、ほぼ等しいことが明らかとなった。
物Aを濾過し、グラフト化ポリマーと遊離ポリマーを分
離した。上記の分離したグラフト化ポリマーと遊離ポリ
マーを表2に記載の混合比率となるように混合し、濾水
度を測定した。その結果を表2に示す。
とが明らかとなった。
て、下記の方法で濾水度を測定した。JIS P812
1(パルプの濾水度試験方法)に基づき、故紙パルプ含
有水(4.5%)(濾水度510)を水で希釈したもの
(0.5%)に対パルプ1%の硫酸バンド(無水換
算),対パルプ0.02%、0.04%(セルロース分
を除いたアクリルアミド成分の濃度)の濾水剤を添加
し、さらに水でパルプ濃度0.3%に希釈後濾水度を測
定した。その結果を表3に示す。
報の実施例4に記載の方法に準拠して合成を試みたが、
重合体を得ることができなかった。このため、本公報の
触媒の代わりに、硝酸セリウムアンモニウムを用いて重
合を行った。すなわち、水不溶性セルロース1部を水4
部に分散し、これにアクリルアミド:ジメチルアミノエ
チルメタアクリレート硫酸塩=80:20の混合物2部
を加え、硝酸セリウムアンモニウム0.08部を用いて
窒素雰囲気下30℃で3時間重合させ、水不溶性グラフ
ト共重合体Bを得た。得られた重合体Bのグラフト率は
18%、混合比は、9重量%であった。得られた重合体
Bを濾水剤として、実施例8に記載の方法にしたがっ
て、濾水度を測定した。その結果を表3に示す。
ックス540(荒川化学工業社製、カチオン性アクリル
アミド共重合体、以下、「市販品a」と称する。)、ハ
イモロックDR−7300(ハイモ社製、カチオン性ア
クリルアミド共重合体、以下、「市販品b」と称す
る。)を濾水剤として、実施例8に記載の方法にしたが
って、濾水度を測定した。その結果を表3に示す。
試験用手すき紙調製方法)にしたがって、パルプとして
4.5%の古紙パルプ含有水を水で所定濃度に希釈して
用い、これに重合体混合物Aを濾水剤として、対パルプ
0.02%、硫酸バンドを対パルプ1%添加して抄紙し
た。得られた紙の裂断長を測定する(坪量125g/m
2 )と共に地合を観察した(坪量60g/m2 )。その
結果を表4に示す。表4において、地合は地合測定器
(FMT−2000 野村商事)で測定した。地合指数
は値が小さいものほど地合がよい。また目視による地合
測定の結果も良好なもの○、不良なものを×として示し
た。
用いた以外は、実施例9と同様にして抄紙した(比較例
4)。また、濾水剤を使用しない点以外は、実施例9と
同様にして抄紙した(比較例5)。それらの裂断長を測
定すると共に地合を観察した。その結果を表4に示す。
均分子量は100万程度であるのに対し、市販品bの重
量平均分子量は400〜500万である。市販品bの地
合が悪くなったのは、重量平均分子量が大きいことから
フロックが大きくなったためと考えられる。したがっ
て、重合体混合物Aは、枝ポリマー及び遊離ポリマーの
重量平均分子量が小さいのにもかかわらず、市販品bの
重量平均分子量が大きいものと同様の濾水性を示すこと
が明らかとなった。
して、硫酸バンドを添加せずに、下記の方法で濾水度を
測定した。JIS P8121(パルプの濾水度試験方
法)に基づき、LBKPを40分叩解したもの(濾水度
510)に対パルプ0.03%、0.06%(セルロ
ース分を除いたアクリルアミド成分の濃度)の濾水剤を
添加し、濾水度を測定した。その結果を表5に示す。
に10%ポリアクリルアミド水溶液35.6g(50m
mol、石津製薬社製)を入れて40℃の水浴中で20
0rpmで攪拌した。これに水を加えて96gとし、3
7%ホルマリン水溶液2.04ml(25mmol)、
50%ジメチルアミン水溶液2.93ml(33mmo
l)をこの順に加え、その後4時間攪拌を続けて粘性の
水溶液である重合体Dを得た。この重合体D中のアクリ
ルアミドのうち51%がカチオン化されていることが、
コロイド滴定によって求められた。得られた重合体Dを
重合体混合物Aの代わりに用いて、実施例10に記載の
方法にしたがって、濾水度を測定した。その結果を表5
に示す。
水を水道水で希釈してパルプ濃度を0.50%とした。
また、重合体混合物Aを水で0.3%に希釈した。上記
0.5%パルプ含有水を微細成分の歩留りを測定するた
めのテスタに100g入れ、これに水400gを加えて
希釈し、800rpmで攪拌を開始した。攪拌直後に1
%硫酸バンド水溶液を所定量入れたのち、30秒後に
0.3%重合体混合物A水溶液を対パルプ0.02%と
なるように添加した。30秒間排水し、パルプを分離
し、排水中の固形分濃度と、使用した4.5%の古紙パ
ルプ含有水中のパルプに含まれる75μm以下の微細成
分とを比較し、微細成分の歩留りを求めた。その結果を
表6に示す。
に、重合体B(比較例7)、市販品a(比較例8)、又
は市販品b(比較例9)を用いた以外は、実施例11と
同様にして微細成分の歩留りを検討した。その結果を表
6に示す。
紙時に留まりにくく、白水中に流出しやすい。このた
め、歩留りが低下し、抄紙条件の悪化につながる。重合
体混合物Aを用いると、歩留りが向上するので、歩留り
向上剤として有効であることが明らかとなった。
に、実施例2において製造された重合体混合物(以後、
「重合体混合物C」と称する。)を、対パルプ1%添加
し(アクリルアミド成分の濃度として)、125g/m
2 になるようにJIS P8209(パルプ試験用手す
き紙調製法)に基づいて紙を作成した。これを元素分析
して窒素含有量から、紙中への重合体混合物Cの定着率
を求めた。その結果を表7に示す。
合物Cの代わりに用いて、実施例12に記載の方法にし
たがって、紙を作成した。これを元素分析して窒素含有
量から、紙中への重合体Dの定着率を求めた。その結果
を表7に示す。
に、10%ポリアクリルアミド水溶液(石津製薬社製)
を用いて、実施例12に記載の方法にしたがって、紙を
作成した。これを元素分析して窒素含有量から、紙中へ
のポリアクリルアミドの定着率を求めた。その結果を表
7に示す。
にLBKP(Alabama River Pulp Company製:フリーネ
ス 427)63.08g(絶乾7.62g)をはかり
取り、アクリルアミド15gを水に溶かして加えた。水
分量は、パルプの水分を含めて全体で360mlとなる
ようにした。その後、重合触媒として硝酸セリウムアン
モニウム0.3gを加えて200rpmにて、30℃、
6時間重合反応をさせた。得られた重合体を濾過して水
洗し、遊離のポリアクリルアミドを除去した。得られた
重合物のグラフト率は52%であった。これを水に懸濁
させて19.2%懸濁液とした。得られた懸濁液全量
(含有アクリルアミド量10mmol)、及び水50m
lを300mlフラスコに入れ、40℃の水浴中、10
0rpmで攪拌した。次いで、37%ホルマリン水溶液
0.41ml(5mmol)及び50%ジメチルアミン
水溶液0.59ml(13mmol)を順に入れ、2時
間攪拌を続けた。これを濾過し、水洗して、遊離のポリ
アクリルアミドを除去した。これを水に懸濁させること
により、固形分15.1%の重合体Eを得た。重合体混
合物Cのかわりに重合体Eを用いて、実施例12に記載
の方法にしたがって、紙を作成した。これを元素分析し
て窒素含有量から、紙中への重合体Eの定着率を求め
た。その結果を表7に示す。
は、紙への定着が良好なことが明らかとなった。また、
参考例1との対比より、グラフト化ポリマーは完全に紙
中に残存し、遊離ポリマーの定着率の向上にも効果があ
ることも明らかとなった。
れる製紙用添加剤は、抄紙時に内添することにより、得
られる紙の濾水性を向上させることができる。
ら、白水の悪化を抑止することができる。
かかわらず、地合を保持することから、強度のある紙を
得ることができる。
用添加剤のグラフト化ポリマーは、紙成分として紙の主
要成分となるので、製造コストの面からも好ましい。
剤は、紙への定着性が良好なので、必要量の製紙用添加
剤を内添すれば、有効にその効果を発揮することができ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 アクリルアミド系ポリマーをグラフト化
したセルロース含有物、及び、遊離のアクリルアミド系
ポリマーを含有し、上記グラフト化されたセルロース含
有物中のアクリルアミド系ポリマーと上記遊離のアクリ
ルアミド系ポリマーの合計に対する上記グラフト化され
たセルロース含有物中のアクリルアミド系ポリマーの混
合比率が、10〜75重量%である製紙用添加剤。 - 【請求項2】 セルロース含有物にアクリルアミド系モ
ノマーを混合して重合させることにより、上記アクリル
アミド系モノマーのうち10〜50モル%を上記セルロ
ース化合物にグラフト化させ、残りの90〜50モル%
のアクリルアミド系モノマーを遊離のアクリルアミド系
ポリマーとしてなる請求項1に記載の製紙用添加剤。 - 【請求項3】 上記セルロース含有物が漂白されたパル
プである請求項1又は2に記載の製紙用添加剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342896A JPH11181693A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 製紙用添加剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9342896A JPH11181693A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 製紙用添加剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181693A true JPH11181693A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18357361
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9342896A Pending JPH11181693A (ja) | 1997-12-12 | 1997-12-12 | 製紙用添加剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11181693A (ja) |
-
1997
- 1997-12-12 JP JP9342896A patent/JPH11181693A/ja active Pending
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