JPH11180312A - ステアリングホイール及びその製造方法 - Google Patents

ステアリングホイール及びその製造方法

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JPH11180312A
JPH11180312A JP27971898A JP27971898A JPH11180312A JP H11180312 A JPH11180312 A JP H11180312A JP 27971898 A JP27971898 A JP 27971898A JP 27971898 A JP27971898 A JP 27971898A JP H11180312 A JPH11180312 A JP H11180312A
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JP
Japan
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steering wheel
wood
core
ring portion
manufacturing
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Withdrawn
Application number
JP27971898A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Tanahashi
光彦 棚橋
Shogo Sugiyama
正吾 杉山
Kimio Shirogishi
喜美男 城岸
Sadao Uchida
貞夫 内田
Toru Koyama
亨 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リング部の芯体の少なくとも一部の周囲を覆う
木製の被覆体を有するステアリングホイールを得るに際
し、作業性の向上及びコストの低減を図り、外観品質の
向上を図る。 【解決手段】ステアリングホイールのリング部の操舵基
準状態において、運転者側及び車両前方側でスポーク部
の根元を避けた2か所に、芯金15の周囲を覆うように
して木製被覆体が設けられる。このステアリングホイー
ルの製造に際しては、木材32、33に対し所定の曲げ
加工等を施し、圧力容器の内部に搬入する。圧力容器を
密閉し、高温高圧の水蒸気雰囲気下に木材32、33を
置いて所定時間加熱し軟化させ、その後木材32、33
間に芯金15をセットし、金型25、26同士を接触さ
せ、プレスする。このプレス状態を所定時間保持し続け
ることにより、木材32、33は圧力によって物理的に
変化を起こすとともに、水蒸気によって化学変化を起こ
し、成形による変形が固定化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ール及びその製造方法に係り、詳しくは、リング部を構
成する芯体の少なくとも一部の周囲を覆うようにして木
製の被覆体を有してなるステアリングホイール及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ステアリングホイールは、円環
状のリング部、及び該リング部から中心方向へ向かって
延びるスポーク部を備えている。かかるステアリングホ
イールにおいて、リング部は、円環状の芯金及び該芯金
の周囲を覆う被覆体を備えている。被覆体を構成する材
料としては、発泡ポリウレタン等の樹脂が主として用い
られるが、外観品質の向上等を図るべく、木材により構
成される場合もある。つまり、外観上リング部の一部又
は全部が木材よりなるステアリングホイールが知られて
いる。
【0003】このような、リング部の少なくとも一部に
木製の被覆体を有してなるステアリングホイールは、従
来、次のようにして製造される。すなわち、まず木材を
スライスすることによりシート状かつ長尺状のもの(こ
れを便宜上ウッドテープと称する)を得るとともに、こ
れにフェノール樹脂を含浸させる。また、このウッドテ
ープを環状に巻付け、バームクーヘンの如き円筒状の前
駆体を製造する。このとき、隣接しあうウッドテープは
接着剤により相互に接合されている。
【0004】次いで、上記円筒状の前駆体をその軸線方
向に沿って2分割して分割片を得るとともに、両者の分
割面を環状にくり抜くことにより、分割片に溝をそれぞ
れ形成する。そして、別途製造しておいた円環状の芯金
をそれら溝に対応させる。つまり、芯金を挟み込むよう
にして分割片同士を前記分割面において再度接合する。
その後、断面が円形となるように(丸みを出すように)
切削加工を施す。これにより、芯金及び木製の被覆体よ
りなるリング部が得られる(特公昭58−44506号
公報、特公昭58−20823号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、リング部を製造するに際し、著しく時間及
び手間を要していた。そのため、作業性の低下及びコス
トの増大を招くこととなっていた。
【0006】また、被覆体は、事実上ウッドテープを巻
き付けることにより得られるため、木材本来の外観を呈
しにくく(例えば木目模様等がそのまま露呈されにく
い)、外観品質の面でもさらなる向上が望まれていた。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、リング部を構成する芯
体の少なくとも一部の周囲を覆うようにして木製の被覆
体を有してなるステアリングホイールを得るに際し、作
業性の向上及びコストの低減を図るとともに、外観品質
の向上を図ることのできるステアリングホイール及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、円環状のリング
部を備えてなるステアリングホイールであって、前記リ
ング部は、円環状の芯体と、前記芯体の少なくとも一部
の周囲を覆うようにして設けられた圧縮木製の被覆体と
を備えていることその要旨としている。
【0009】ここで、本願明細書にいう「圧縮木製の被
覆体」とは、樹脂を含浸させることなく、比重が0.5
以上で、原料となる木材を体積比で約1/2以上に圧縮
し、該圧縮状態を固定したものをいう。このような「圧
縮木製の被覆体」は、本発明者の一部が先に発明した技
術(特公昭7−2326号公報、特開平5−50409
号公報、特開平4−126202号公報、特開平4−1
4404号公報等)を利用して製造することができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載のステアリングホイールにおいて、前記圧縮木
製の被覆体は、前記リング部の操舵基準状態において、
運転者側及び車両前方側に分割して設けられていること
をその要旨としている。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項1又は2に記載のステアリングホイールにおいて、前
記圧縮木製の被覆体は、水熱処理により軟化させられた
後、機械的な圧縮加工が施され、その状態で硬化された
ものであることをその要旨としている。
【0012】併せて、請求項4に記載の発明では、円環
状のリング部を備えてなるステアリングホイールの製造
方法であって、円環状の芯体を製造する工程と、水熱処
理により木材を軟化させる工程と、前記軟化された木材
に対し、機械的な圧縮加工を施して硬化させることによ
り、前記芯体の少なくとも一部の周囲を覆う圧縮木製の
被覆体を設ける工程とを備えることをその要旨としてい
る。
【0013】加えて、請求項5に記載の発明では、請求
項4に記載のステアリングホイールの製造方法におい
て、前記木材を軟化させる工程の前段階にて、前記木材
を前記芯体の形状に沿うように加工を施す工程を設けた
ことをその要旨としている。
【0014】また、請求項6に記載の発明では、請求項
4又は5に記載のステアリングホイールの製造方法にお
いて、前記圧縮加工を施す前段階にて、前記木材の一部
に溝を形成しておき、該溝に前記芯体を設置する工程を
設けたことをそ要旨としている。
【0015】さらに、請求項7に記載の発明では、請求
項4から6のいずれかに記載のステアリングホイールの
製造方法において、前記木材を軟化させる工程の前段階
にて、前記木材がコア層及びスキン層を有するよう構成
する工程を設けたことをその要旨としている。
【0016】(作用)上記請求項1に記載の発明によれ
ば、ステアリングホイールは、円環状のリング部を備
え、該リング部は、円環状の芯体により剛性が確保され
る。また、芯体の少なくとも一部の周囲を覆うようにし
て設けられた圧縮木製の被覆体により、外観が呈され
る。
【0017】本発明では、前記被覆体は、芯体の少なく
とも一部の周囲を覆うようにして設けられた圧縮された
木材により構成される。このため、木材をスライス加工
したり、巻付けたりする必要があった従来技術とは異な
り、極めて容易に被覆体が得られる。
【0018】また、木材はスライス加工等に供されたり
せず、そのままの塊として用いられるため、外部から視
認されるリング部は、木材そのものの外観を呈すること
となる。
【0019】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明の作用に加えて、木製の被覆体は、
前記リング部の操舵基準状態において、運転者側及び車
両前方側に分割して芯体に設けられている。このため運
転者側からの応力が加わった場合でも、被覆体が変形し
てしまいにくいものとなる。また、芯体の全周に設けた
場合には、周方向のどこかで継ぎ目を設けなければなら
ないが、本発明では、周方向に継ぎ目を設ける必要がな
い。そのため、周方向の継ぎ目が視認されることがな
い。
【0020】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1及び2に記載の発明の作用に加えて、木材が水
熱処理により軟化させられた後、高温高圧水蒸気雰囲気
下又は常圧下で機械的な圧縮加工が施され、その状態で
硬化されることにより被覆体が得られる。このため、極
めて容易に被覆体が得られるという作用がより確実に奏
される。
【0021】併せて、請求項4に記載の発明によれば、
円環状のリング部を備えてなるステアリングホイールの
製造に際し、基本的には、請求項1に記載の発明と同等
の作用が奏される。
【0022】加えて、請求項5に記載の発明によれば、
請求項4に記載の製造方法の発明の作用に加えて、木材
を軟化させる前段階にて、木材が、芯体の形状に沿うよ
うに加工が施される。そのため、圧縮加工が施されるに
際し、周方向への曲げの応力を新たに加える必要がな
い。
【0023】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項4、5に記載の製造方法の発明の作用に加えて、前
記圧縮加工を施す前段階にて、木材の一部に溝が形成さ
れ、該溝に芯体が設置される。このため、木材及び芯金
間でのそれらの位置ずれを起こすことがなくなり、しか
も、芯金に余計な応力が加わるのを抑制することができ
る。加えて、一対の木材を組み合わせるのではなく、そ
の木材が単一材料の場合は、圧縮加工後の被覆体の接合
箇所は、溝の開口部の1か所だけとなる。従って、外部
から接合箇所が比較的視認されにくいものとなる。
【0024】さらに、請求項7に記載の発明では、請求
項4から6に記載の発明の作用に加えて、前記木材を軟
化させる工程の前段階にて、前記木材が少なくともコア
層及びスキン層からなるよう構成される。従って、スキ
ン層を構成する木材が適宜選定されることで、優れた外
観品質が確保されるとともに、コア層を構成する木材が
適宜選定されることで、圧縮加工等が容易に行われう
る。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
リング部を構成する芯体の少なくとも一部の周囲を覆う
ようにして木製の被覆体を有してなるステアリングホイ
ールを得るに際し、作業性の向上及びコストの低減を図
るとともに、外観品質の向上を図ることができるという
優れた効果を奏する。
【0026】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を具体化した第1の実施の形態を、図面に基づいて説
明する。
【0027】図2に示すように、ステアリングホイール
11は、円環状のリング部12、ステアリングホイール
11のほぼ中心に位置するパッド部13及び前記リング
部12からパッド部13の方向へ向かって延びるスポー
ク部14を備えている。リング部12は、鉄、アルミニ
ウム等の金属よりなり、パイプ状に形成された芯体とし
ての芯金15を有しており(図3、図6参照)、該芯金
15によってリング部12の剛性が確保されている。
【0028】本実施の形態においては、リング部12の
操舵基準状態において、運転者側及び車両前方側でスポ
ーク部14の根元を避けた2か所に、芯金15の周囲を
覆うようにして木製被覆体16が分割して設けられてい
る。かかる木製被覆体16を構成する素材としては、例
えばスギ、ヒノキ、カラマツ等の針葉樹や、ブナ、マホ
ガニー、ローズウッド等の落葉樹が挙げられる。また、
それ以外の芯金15の周囲には、発泡ポリウレタンより
なる樹脂被覆体17が設けられている。この樹脂被覆体
17は、スポーク部14の樹脂被覆体と一体的に設けら
れている。
【0029】本実施の形態において、前記木製被覆体1
6は、本発明に係る特殊な製造方法によって芯金15に
対し設けられている。図4は、芯金15に木製被覆体1
6を設けるための装置を概略的に示す図である。同図に
示すように、本装置は、圧力容器21を備えている。圧
力容器21は、高温高圧に耐えられるよう高強度の鋼又
はステンレスよりなっている。この圧力容器21には、
供給配管22を介して高温(100℃〜200℃)、か
つ、高圧(5kgf/cm2 〜25kgf/cm2 )の
水蒸気が供給されるようになっている。また、圧力容器
21にはドレイン配管23及び降圧配管24が設けられ
ている。そして、ドレイン配管23を介して内部のドレ
イン等が外部に排出されるようになっているとともに、
降圧配管24を介して、作業完了後において圧力容器2
1内の圧力を降圧しうるようになっている。
【0030】また、圧力容器21内には、プレス用の金
型25、26が設けられており、該金型25、26には
成形用の凹部25a、26aが形成されている。これら
の金型25、26は、シリンダ27、28のピストンロ
ッド29、30の進退動作により接離可能に設けられて
いる。また、シリンダ27、28は、図示しないコント
ローラによって制御されるアクチュエータ31により駆
動され、この駆動により、金型25、26が移動するよ
うになっている。
【0031】次に、本実施の形態におけるリング部12
を中心とするステアリングホイール11の製造方法につ
いて説明することとする。まず、リング部12に対応す
る円環状の芯金15を含むステアリングホイール11の
芯金(スポーク部14の芯金も一体化されている)を用
意しておく。
【0032】一方で、木製被覆体16を構成するための
木材32、33に対し所定の曲げ加工或いは切削加工を
施し、木材32、33を円弧状に形成しておく(図1参
照)。そして、該木材32、33を圧力容器21の内部
に搬入し、所定の位置決め状態で載置しておく。次に、
圧力容器21を密閉した後、供給配管22を介して高温
高圧の水蒸気を供給し、この高温高圧の水蒸気雰囲気下
に木材32、33を置いて所定時間(約1〜10分間)
加熱し、水熱処理を行う。すると、木材32、33は、
高温高圧の水蒸気を吸収するとともに、温度が上昇し、
軟化する。
【0033】このようにして木材32、33を軟化させ
た後、図1に示すように、木材32、33間に予め用意
してあった芯金15をセットする。さらに、セットした
木材32、33及び芯金15を下側の金型26上に載置
する。そして、図5に示すように、アクチュエータ31
を駆動させ、金型25、26同士を接触させ、木材3
2、33等に対し所定の圧力を加えプレスする。このプ
レスにより、木材32,33中の水分が絞り出され、金
型25、26の凹部25a,26aが成形面となって、
木材32、33は断面円形状に成形される。なお、この
とき、木材32、33は断面積比で約1/2〜1/3程
度に圧縮される。また、通常、木材32、33の接合面
間には、接着剤が介在される。そして、上記プレス状態
を所定時間(約1〜10分間)保持し続けることによ
り、木材32、33は圧力によって物理的に変化を起こ
した状態で、水蒸気によって化学変化を起こして硬化
し、成形による変形が固定化される。
【0034】その後、降圧配管24を介して圧力容器2
1内の圧力を降下させ、金型25、26を開くことによ
り、図6に示すように、上述した2か所に、芯金15の
周囲を覆うようにして木製被覆体16が設けられること
となる。なお、その後、必要により木製被覆体16の上
にポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系等の塗
料を用いたクリア塗装を行ってもよい。
【0035】さらに、公知の成形法によって残りの芯金
15の露出部分に樹脂被覆体17を設ける等の作業を行
うことにより、ステアリングホイール11が製造され
る。次に、本実施の形態の作用及び効果について説明す
る。
【0036】・本実施の形態では、木製被覆体16は、
木材32、33が高温高圧水蒸気雰囲気下において軟化
させられた後、さらに高温高圧水蒸気雰囲気下でプレス
加工が施されることにより得られる。このため、木材を
スライス加工したり、巻付けたりする必要があった従来
技術とは異なり、極めて容易に木製被覆体16を得るこ
とができる。その結果、木製被覆体16を有してなるス
テアリングホイール11を得るに際し、作業性の飛躍的
な向上及びコストの低減を図ることができる。
【0037】・また、従来技術とは異なり、木材32、
33はスライス加工等に供されたりせず、そのままの塊
として用いられる。そのため、外部から視認されるリン
グ部12は、木材32、33そのものの外観を呈するこ
ととなり、例えば、木材32、33そのものの木目模様
が外部から視認されることとなる。その結果、外観品質
の著しい向上を図ることができる。
【0038】・さらに、本実施の形態では、木製被覆体
16は、リング部12の操舵基準状態において、運転者
側及び車両前方側でスポーク部14の根元を避けた2か
所に設けられている。このため、運転者側からの応力が
加わった場合でも、木製被覆体16が変形してしまいに
くいものとなる(スポーク部の根元に木製被覆体がある
と比較的変形しやすい)。
【0039】また、芯金15の全周に木製被覆体を設け
た場合には、周方向のどこかで継ぎ目を設けなければな
らないが、本実施の形態によれば、木製被覆体が運転者
側及び車両前方側の2か所に分断されて設けられている
ため、あえて周方向に継ぎ目を設ける必要がない。その
ため、木製被覆体16において周方向の継ぎ目が視認さ
れることがなく、結果として、さらなる外観品質の向上
を図ることができる。
【0040】・併せて、本実施の形態では、木材32、
33を高温高圧水蒸気雰囲気下において軟化させる前段
階にて、木材32、33が、芯金15の形状に沿うよう
に加工が施される。そのため、プレス加工が施されるに
際し、周方向への曲げの応力を新たに加える必要がな
い。その結果、プレス時において必要以上の応力が木材
32、33に加えられることにより、木材32、33が
損傷を受けてしまうという不具合を回避することができ
る。
【0041】(第2の実施の形態)次に、本発明を具体
化した第2の実施の形態について図7、図8に従って説
明する。但し、本実施の形態の構成等において、上述し
た第1の実施の形態と同等である部材等については同一
の符号を付してその説明を省略する。そして、以下に
は、第1の実施の形態との相違点を中心として説明する
こととする。
【0042】図7に示すように、本実施の形態における
木製被覆体41は、芯金15に対し固定される前段階に
おいて予め圧縮加工が施される。すなわち、木製被覆体
41を構成するための木材に対し所定の曲げ加工或いは
切削加工を施し、円弧状に形成しておく。そして、その
木材を上記第1の実施の形態と同等の方法で、金型4
2、43等を用いてプレスする。このプレスにより、断
面積比で約1/2〜1/3程度に圧縮され、かつ、凹部
41aが形成されてなる木製被覆体41が得られる。
【0043】その後、図8に示すように、一対の木製被
覆体41を芯金15の上下方向から挟みつけるととも
に、両者41の接合面を接着材で接合することにより、
上記第1の実施の形態と同様のステアリングホイールが
得られる。
【0044】このような製造方法を用いても、上記第1
の実施の形態と同等の作用効果が奏される。尚、本発明
は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣
旨を逸脱しない範囲で構成の一部を適宜に変更して次の
ように実施することもできる。
【0045】(1)上記第1の実施の形態では、木材3
2、33として断面矩形状のものを用いたが、図9に示
すように、芯金15の形状に合わせて溝51、52を有
する木材53、54を用いるようにしてもよい。かかる
構成とすることにより、木材53、54及び芯金15間
でのそれらの位置ずれを起こすことがなくなり、しか
も、芯金15に余計な応力が加わるのを抑制することが
できる。
【0046】(2)上記第1の実施の形態では芯金15
を挟むようにして上下方向から2本の木材32、33を
プレスするようにしたが、図10に示すように、木材5
5を1本のみ使用するようにしてもよい。この場合、下
側に芯金15用の溝56を形成し、この溝56に芯金1
5を嵌め込むようにするのが望ましい。このような構成
とすることにより、図11に示すように、リング部57
の木製被覆層58の接合面が、当該溝56に相当する部
分のみとなり、外部から接合箇所(割れ目:図の矢印部
分)が視認されにくいものとなる。その結果、さらなる
外観品質の向上を図ることができる。また、木製被覆層
58が1本の木材により構成されるため、場合によって
は接合用の接着剤の省略を図ることも可能となる。
【0047】(3)上記第1又は第2の実施の形態で
は、芯体として、パイプ状の芯金15を採用したが、所
定の剛性を有するものであれば、いかなる断面形状(例
えば中実円形状、略H字状等)をなしていてもよい。ま
た、図12に示すように、木製被覆体59と芯金15と
の間に樹脂層(例えばエポキシ樹脂層)60を介在させ
るようにしてもよい。かかる場合、芯金15及び樹脂層
60により芯体が構成されることとなる。
【0048】(4)上記(2)において、溝56のみな
らず、図13に示すように、圧縮成形を行いやすいよう
に、外周面のコーナ部に湾曲面を有する木材61を用い
るようにしてもよい。
【0049】(5)また、上記第2の実施の形態では、
芯金15に対し固定される前段階において予め圧縮加工
が施されるた2つの木製被覆体41を用いることとした
が、図14(a)に示すように、溝62を有する1つの
木製被覆体63を予め前述した製法による圧縮加工を施
すことにより得た後、これを芯金15に取付け、その
後、図14(b)に示すように、木製被覆体63の両端
面同士を接合させるようにしてもよい。
【0050】(6)さらに、上記(4)において、図1
5に示すように、木材61を例えば落葉樹(ローズウッ
ド)製のスキン層61a及び針葉樹製のコア層61bか
ら構成し、これにより木製被覆体を構成するようにして
もよい。このようにすれば、外側となるスキン層61a
を構成する木材が適宜選定されることで、優れた外観品
質が確保されるとともに、コア層61aを構成する木材
が圧縮加工に適した材料に適宜選定されることで、圧縮
加工等が容易に行われうる。
【0051】(7)上記第1の実施の形態では、木材3
2、33を軟化させた後、プレス加工を施す際にも高温
高圧状態を維持することとしたが、高圧状態を解除して
大気圧下でプレスを行うようにしても、あるいは、高温
状態を解除して常温状態でプレスを行うようにしても、
さらには常温の大気圧下で行うようにしてもよい。要
は、木材32,33の軟化が維持されている状態でプレ
ス加工を行い、そのプレス加工状態で木材32,33を
硬化させればよい。
【0052】(8)木材を高温高圧の水蒸気雰囲気下で
軟化させる場合に、木材に対してマイクロ波を照射する
ようにしてもよい。このようにすれば、木材がその内部
から加熱され、軟化に要する時間を短縮できる。
【0053】(9)水熱処理による木材の軟化を、その
木材を煮沸することにより行うようにしてもよい。この
場合、煮沸を高圧下で行うことは必ずしも必要ではない
が、高圧下で行えば軟化に要する時間を短縮できる。
【0054】(10)前記実施形態では木製被覆体をス
テアリングホイールのリング部15に対しスポーク部1
4を境にして運転者側及び車両前方側に設けた。これに
対し、リング部15の全体に設けたり、運転者側または
車両前方側の一方に設けたりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1の実施の形態における
金型等を示す部分斜視図。
【図2】ステアリングホイールの平面図。
【図3】リング部を示す図であって、図2のA−A線断
面図。
【図4】木製被覆体を得るための装置を模式的に示す概
略構成図。
【図5】プレス加工状態を示す金型等の断面図。
【図6】芯金に木製被覆体を設けた段階のリング部を示
す部分斜視図。
【図7】第2の実施の形態におけるプレス加工状態を示
す金型及び木製被覆体の断面図。
【図8】芯金に対する木製被覆体を接合状態を示す断面
端面図。
【図9】他の実施の形態における木材等を示す断面図。
【図10】他の実施の形態における木材等を示す断面
図。
【図11】他の実施の形態におけるリング部を示す断面
端面図。
【図12】他の実施の形態におけるリング部を示す断面
端面図。
【図13】他の実施の形態における木材等を示す断面
図。
【図14】他の実施の形態における図であって、(a)
は木製被覆体及び芯金を示す断面端面図、(b)は取付
後の断面端面図。
【図15】他の実施の形態における木材等を示す断面
図。
【符号の説明】
11…ステアリングホイール、12、47…リング部、
15…芯金、16、41、58、59、63…木製被覆
体、21…圧力容器、25、26、42、43…金型、
32、33、53、54、55、61、66…木材、6
1a…スキン層、61b…コア層。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 貞夫 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 小山 亨 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状のリング部を備えてなるステアリ
    ングホイールであって、 前記リング部は、 円環状の芯体と、 前記芯体の少なくとも一部の周囲を覆うようにして設け
    られた圧縮木製の被覆体とを備えていることを特徴とす
    るステアリングホイール。
  2. 【請求項2】 前記圧縮木製の被覆体は、前記リング部
    の操舵基準状態において、運転者側及び車両前方側に分
    割して設けられていることを特徴とする請求項1に記載
    のステアリングホイール。
  3. 【請求項3】 前記圧縮木製の被覆体は、水熱処理によ
    り軟化させられた後、機械的な圧縮加工が施され、その
    状態で硬化されたものであることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のステアリングホイール。
  4. 【請求項4】 円環状のリング部を備えてなるステアリ
    ングホイールの製造方法であって、 水熱処理により木材を軟化させる工程と、 前記軟化された木材に対し、で機械的な圧縮加工を施
    し、その状態で硬化させることにより、前記リング部の
    芯体の少なくとも一部の周囲を覆う圧縮木製の被覆体を
    設ける工程とを備えることを特徴とするステアリングホ
    イールの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のステアリングホイール
    の製造方法において、前記木材を軟化させる工程の前段
    階にて、前記木材を前記芯体の形状に沿うように加工を
    施す工程を設けたことを特徴とするステアリングホイー
    ルの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載のステアリングホ
    イールの製造方法において、前記圧縮加工を施す前段階
    にて、前記木材の一部に溝を形成しておき、該溝に前記
    芯体を設置する工程を設けたことを特徴とするステアリ
    ングホイールの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4から6のいずれかに記載のステ
    アリングホイールの製造方法において、前記木材を軟化
    させる工程の前段階にて、前記木材がコア層及びスキン
    層を有するように構成する工程を設けたことを特徴とす
    るステアリングホイールの製造方法。
JP27971898A 1997-10-03 1998-10-01 ステアリングホイール及びその製造方法 Withdrawn JPH11180312A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7478477B2 (en) 2003-03-28 2009-01-20 Kabushiki Kaisha Tokai-Rika-Denki-Seisakusho Wooden member fabrication method

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