JPH11180028A - カラー画像形成方法 - Google Patents

カラー画像形成方法

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JPH11180028A
JPH11180028A JP9365426A JP36542697A JPH11180028A JP H11180028 A JPH11180028 A JP H11180028A JP 9365426 A JP9365426 A JP 9365426A JP 36542697 A JP36542697 A JP 36542697A JP H11180028 A JPH11180028 A JP H11180028A
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ink
color
water
magenta
color image
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JP9365426A
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English (en)
Inventor
Masayuki Koyano
正行 小谷野
Akio Kojima
明夫 小島
Kiyofumi Nagai
希世文 永井
Masato Igarashi
正人 五十嵐
Akiko Konishi
昭子 小西
Hirotaka Mochizuki
博孝 望月
Takanori Tsuyuki
孝範 露木
Ikuko Tanaka
郁子 田中
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解性の高い染料を含む水性インクを用いて
高速カラー画像形成を行う場合にも、優れた画質と保存
性を達成する。 【解決手段】 水溶性高分子を含有するインク受容層に
対するマゼンタ色の水性インクの最大付着量を、他色の
水性インクの最大付着量の60〜90重量%とし、さら
に好ましくはマゼンタ色の水性インクを受容させるタイ
ミングを他色の水性インクよりも遅らせる。マゼンタ色
の水性インクの着色剤としてC.I.アシッド・レッド
52を用いた場合に、にじみ防止効果が大きい。インク
ジェット記録方式に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
たカラー画像形成方法に関するものであり、特にいわゆ
るインクジェット方式で高速印刷を行った場合の画像品
質と保存性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷の分野ではインクジェット記
録方式が普及している。この方式は、低粘度のインクを
細いノズルから均一な小粒子として連続的に噴射させ、
このインク粒子の流れを機械的および電気的に制御しな
がら文字や画像の印刷を行うものである。印圧を必要と
せず、また記録媒体として普通紙が使用できるために、
低騒音、凹凸表面や柔らかい材料にも印刷可能、低ラン
ニング・コストであるといった多くの利点を有してい
る。近年では、記録媒体として普通紙はもとより、OH
P(オーバーヘッドプロジェクタ)用透明シートへの記
録が可能なカラープリンターも市場に投入されている。
【0003】ところで、インクジェット記録用の水性イ
ンクには多量の溶媒が含まれているため、記録媒体につ
いては速やかにインクを吸収し、しかも優れた発色性を
示すことが要求される。このため、基材の表面に水性イ
ンクを受容させるための親水性のインク受容層を設けた
記録媒体も種々提案されている。このインク受容層は一
般に、水溶性高分子材料や無機多孔質材料を用いて形成
されている。水溶性高分子材料を用いたインク受容層と
しては、たとえば特公平6−427号公報に記載される
ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンを主成分
とする皮膜、特公平6−62001号公報に記載される
ビニルアルコール系のポリマーとビニルピロリドン系の
ポリマーの混合物を含むインク受容層、特開平7−40
646号公報に記載されるポリビニルピロリドン層とポ
リビニルアルコール層の2層構成を有する記録層が例示
される。また、特開平8−258403号公報には、イ
ンク吸収層(インク受容層)の上にカチオン基を有する
ポリマーを主成分とする染料定着層を設けた記録用透明
フィルムが提案されている。
【0004】一方、無機多孔質材料を用いたインク受容
層としては、たとえば特開平2−276670号公報に
擬ベーマイトを主体とするインク受容層が、また特開平
2−276671号公報には多孔性アルミナ水和物層と
多孔性微粉シリカ層の積層構造が提案されている。さら
に特開平8−290652号公報には、表面にエチルア
ルコールに対する溶解度が規定された有機化合物を付着
させたアルミナ水和物粒子を含有する多孔質層が提案さ
れている。上述の水溶性高分子材料や無機多孔質材料か
らなるインク受容層はいずれも透明であるため、PET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の透明基材
と組み合わせれば、OHP用シート等の透明な記録媒体
を提供し得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれらの
記録媒体に対し、十分な画像濃度、画像濃度の均一性、
画像にじみ、画像の色再現性、画像の浸透乾燥性、耐水
性、耐光性等に代表される画像品質、堅牢性等の特性す
べてを満足させることは困難である。たとえば、ポリビ
ニルアルコールとポリビニルピロリドンをインク受容層
に用いた場合には、インクの吸収性、速乾性、画像の鮮
明さにおいて優れているが、記録後の経時的な色のにじ
みや、高湿環境下あるいはポケット式ファイル等の気密
性の高い環境下で保存した場合の色分離や色相変化等の
保存不良を防ぐことがむずかしい。
【0006】上記保存不良は、減法混色による二次色が
原色に再分離するために生ずるものであり、特に溶解性
の良好な着色剤を含有するインクを用いた場合に顕著に
みられる。この種の着色剤は、分子構造中にアニオン性
官能基、特にスルホ基を持つものが多い。たとえば、ロ
ーダミン系化合物であるC.I.(カラー・イッデック
ス)アシッド・レッド52は、発色性の良好なマゼンタ
色染料として広く用いられているが、これを含むマゼン
タ色インクをシアン色インクと混合して青色を生成させ
た場合、色分離が発生すると青色のベタ印刷部の周囲に
マゼンタ色の縁取りが観察される。前述の特開平8−2
58403号公報では、かかる染料のアニオン性官能基
に対して電気的な吸引力を示すカチオン性官能基を染料
定着層に導入することにより染料のマイグレーションを
抑制し、印刷品位やインク吸収性にある程度の改善をみ
ている。しかしなお、インク付着量の多い部分では染料
を定着しきれず、にじみや濃度ムラを完全に防止するに
は至っていない。
【0007】擬ベーマイトやアルミナ水和物粒子をイン
ク受容層に用いた場合には、良好なインクの吸収性や発
色性が実現されるものの、コストが高くつき、またイン
ク付着量の多い部分では濃度ムラや染料のにじみを解消
できない。特開平8−290652号公報に記載される
アルミナ水和物粒子は、その表面に水とエタノールへの
溶解度を規定した有機化合物を付着させることでこの問
題に対処しようとしているが、水に対する溶解性の高い
染料を着色剤として含む水性インクに対しては、依然と
して保存時の経時的な染料のにじみを効果的に抑制する
ことができない。そこで本発明は、水に対する溶解性の
高い染料を含有する水性インクを用いた場合にも、濃度
ムラの少ない優れた画像品質と、保存時の堅牢性を達成
することが可能な画像形成方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像形成
方法は、水性インク、あるいは水溶性高分子を含有する
インク受容層としては概ね従来用いられているものを使
用しながら、インクの受容のさせ方を工夫することで上
述の目的を達成しようとするものである。すなわち、基
材上に形成されたインク受容層に対するマゼンタ色の水
性インクの最大付着量を、少なくともイエロー色やシア
ン色等、他色の水性インクの最大付着量の60〜90重
量%に設定するものである。またこのとき、マゼンタ色
の水性インクを受容させるタイミングを他色の水性イン
クよりも遅らせることが特に有効である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においてマゼンタ色の水性
インクを他色の水性インクと区別して取り扱うのは、マ
ゼンタ色の水性インクに通常使用される市販の染料の水
溶性が極めて高く、また、マゼンタ色の水性インクの記
録媒体上におけるにじみが他色の水性インクよりも目立
ちやすいからである。にじみや保存特性を改良したマゼ
ンタ色の水性インクも提案されているが、概して発色性
に劣るため、水溶性の極めて高い染料を使用せざるを得
ないのが実情である。したがって、換言すれば、本発明
は水溶性の極めて高いマゼンタ色染料を含有する水性イ
ンクを使用する場合に多大な効果が期待できるものであ
る。
【0010】本発明では、マゼンタ色の水性インクの最
大付着量を他色の水性インクの最大付着量の60〜90
重量%に設定するが、これは、90重量%を超えるとに
じみが目立ち、60重量%未満であると色調の補正が困
難となるからである。実際にマゼンタ色の水性インクの
最大付着量を決定する際には、各色の水性インクに含ま
れる着色剤について水性溶媒を展開溶媒とする薄層クロ
マトグラフィのRf値を予め測定しておくとよい。すな
わち、マゼンタ色の染料のRf値が他色の染料または顔
料のRf値に近い場合ほど、マゼンタ色の水性インクの
最大付着量を上記範囲内で相対的に増加させる必要があ
り、Rf値が離れている場合ほど、マゼンタ色の水性イ
ンクの最大付着量を相対的に減ずる必要がある。なお、
展開溶媒は特に限定されるものではなく、着色剤の主要
スポットを判定できるものであれば、通常用いられるも
ので構わない。
【0011】本発明のカラー画像に受容させる水性イン
クのセットは、少なくとも減法混色の3原色であるシア
ン色、マゼンタ色、イエロー色の各色のインクを含むも
のであれば特に限定されるものではなく、またこの3原
色に加えて墨(ブラック)のインクを含むものであって
もよい。上記水性インクは、水またはこれと相溶する溶
媒中に染料を溶解させたものである。この染料として
は、カラー・インデックス(C.I.)に記載される酸
性染料、直接染料、塩基性染料、反応染料、食品用色素
の中から、耐水性や耐光性に優れるものを適宜選択する
ことができる。
【0012】酸性染料としては、C.I.アシッド・イ
エロー17,同23,同42,同44,同79,同14
2; C.I.アシッド・レッド1,同8,同13,同
14,同18,同26,同27,同35,同37,同4
2,同52,同82,同87,同89,同92,同9
7,同106,同111,同114,同115,同13
4,同186,同249,同254,同289; C.
I.アシッド・ブルー9,同29,同45,同92,同
249; C.I.アシッド・ブラック1,同2,同
7,同24,同26,同94を例示することができる。
特に、C.I.アシッド・レッド52は発色性に優れる
反面、経時的なにじみや保存特性の不足が問題とされて
いたマゼンタ色染料であるが、本発明によればこのよう
な染料も良好に使いこなすことが可能となる。
【0013】直接染料としては、C.I.ダイレクト・
イエロー1,同12,同24,同26,同33,同4
4,同50,同86,同120,同132,同142,
同144; C.I.ダイレクト・レッド1,同4,同
9,同13,同17,同20,同28,同31,同3
9,同80,同81,同83,同89,同225,同2
27; C.I.ダイレクト・オレンジ26,同29,
同62,同102; C.I.ダイレクト・ブルー1,
同2,同6,同15,同22,同25,同71,同7
6,同79,同86,同87,同90,同98,同16
3,同165,同199,同202; C.I.ダイレ
クト・ブラック19,同22,同32,同38,同5
1,同56,同71,同74,同75,同77,同15
4,同168,同171を例示することができる。
【0014】塩基性染料としては、C.I.ベーシック
・イエロー1,同2,同11,同13,同14,同1
5,同19,同21,同23,同24,同25,同2
8,同29,同32,同36,同40,同41,同4
5,同49,同51,同53,同63,同64,同6
5,同67,同70,同73,同77,同87,同9
1; C.I.ベーシック・レッド2,同12,同1
3,同14,同15,同18,同22,同23,同2
4,同27,同29,同35,同36,同38,同3
9,同46,同49,同51,同52,同54,同5
9,同68,同69,同70,同73,同78,同8
2,同102,同104,同109,同112; C.
I.ベーシック・ブルー1,同3,同5,同7,同9,
同21,同22,同26,同35,同41,同45,同
47,同54,同62,同65,同66,同67,同6
9,同75,同77,同78,同89,同92,同9
3,同105,同117,同120,同122,同12
4,同129,同137,同141,同147,同15
5; C.I.ベーシック・ブラック2,同8を例示す
ることができる。
【0015】反応染料としては、C.I.リアクティブ
・イエロー1,同5,同11,同13,同14,同2
0,同21,同22,同25,同40,同47,同5
1,同55,同65,同67; C.I.リアクティブ
・レッド1,同14,同17,同25,同26,同3
2,同37,同44,同46,同55,同60,同6
6,同74,同79,同96,同97; C.I.リア
クティブ・ブルー1,同2,同7,同14,同15,同
23,同32,同35,同38,同41,同63,同8
0,同95; C.I.リアクティブ・ブラック3,同
4,同7,同11,同12,同17を例示することがで
きる。
【0016】さらに食品用色素としては、C.I.フー
ド・イエロー3,同4; C.I.フード・レッド7,
同9,同14; C.I.フード・ブラック1,同2を
例示することができる。この他、インクジェット・プリ
ンタ専用に開発された市販の染料を用いてもよい。かか
る染料として、たとえばゼネカ社製プロジェット・ファ
スト・ブラック2,プロジェット・ファスト・マゼンタ
2,プロジェット・ファスト・イエロー2,プロジェッ
ト・ファスト・シアン2(いずれも商品名)を挙げるこ
とができる。
【0017】なお、マゼンタ色以外の水性インクについ
ては、着色剤として有機顔料や無機顔料を用いることも
可能である。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニ
ン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソ
インドレノン系、アゾメチン系、アニリンブラック、カ
ーボンブラックを例示することができる。また、無機顔
料としては、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、
紺青、クロムイエロー、金属粉を挙げることができる。
【0018】上記水性インクには、上記の染料または顔
料を分散させるための水性溶媒が用いられるが、この溶
媒中には粘度調整剤、pH調整剤、蒸発防止剤、顔料分
散剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防腐剤、防黴剤等
の公知の添加剤を適宜含有させることができる。
【0019】本発明で用いられる記録媒体の基材は特に
限定されるものではなく、PET、ポリカーボネート、
ポリプロピレン、ポリイミド等の水に不溶性の樹脂、
紙、布、ガラス、金属、あるいはこれらを適宜複合化さ
せた材料を用いることができる。基材が良好な可視光透
過性を有する場合には、OHPシート等の透明な記録媒
体を提供することができる。
【0020】上記基材上に形成されるインク受容層を構
成する水溶性高分子としては、塗工性、成膜性、水性イ
ンクの吸収性、インク保持力に優れるものを適宜選択し
て使用することができる。中でもポリビニルアルコール
(PVA)やポリビニルピロリドン(PVP)は好適な
材料であり、特に25〜90重量%のPVAと、5〜7
0重量%のPVPとを任意の割合にて含む混合物が好適
である。PVPの含有量が70重量%を超えると、記録
直後のブロッキングや染料の経時的な凝集による画像濃
度の低下を招くおそれが大きく、5重量%未満ではイン
ク吸収性が不足するおそれが大きい。また、インク受容
層中に好適な水溶性高分子の総含有量は、80〜99重
量%程度とすることが望ましい。
【0021】本発明者らは、インク受容層に対してマゼ
ンタ色の水性インクを受容させるタイミングを他色の水
性インクよりも遅らせると、にじみが効果的に抑制され
ることを実験的に見出した。これは、既に他色の水性イ
ンクが付着している領域では、マゼンタ色染料の拡散が
抑制されるためであると考えられる。マゼンタ色の受容
タイミングを遅らせる場合、他色であるシアン色、イエ
ロー色、あるいは必要に応じて追加される墨色の受容タ
イミングは任意である。すなわち、残りのシアン色、イ
エロー色、墨色は同時に受容させても、各色ごとにタイ
ミングをずらせてもよい。ただし、残りの各色ごとにつ
いてもタイミングをずらす場合には、これらの色の順序
を最適化することで最大のにじみ抑制効果を得ることが
できる。残りの各色の順序を最適化するには、これらの
水性インクに含まれる着色剤について水性溶媒を展開溶
媒とする薄層クロマトグラフィのRf値を予め測定して
おき、Rf値の大きいものほど受容タイミングを遅らせ
るとよい。
【0022】本発明は、記録信号にもとづき、インク・
カートリッジのノズルからインク受容層へ向けて水性イ
ンクを噴射するインクジェット記録方式に特に適する。
インクジェット記録方式においてマゼンタ色の水性イン
クの最大付着量を他色に比べて減少させる実際的な手法
としては、まず、マゼンタ色インクを吐出するノズルの
吐出圧力を下げる方法が考えられる。液室加圧に圧電素
子を使用している装置では、マゼンタ色インクに対応す
るノズルへの印加電圧を下げればよく、気泡の圧力を利
用するいわゆるバブルジェット型の装置では、ヒータへ
の通電量を減じて発生する気泡の体積を小さくすればよ
い。この他、各色インクに対応する吐出ノズルがそれぞ
れ複数個ある場合にマゼンタ色インクに対応するノズル
の数を減じたり、あるいはマゼンタ色インクに対応する
ノズルの口径を縮小すれば、各色インクの液室に同じ圧
力を加えてもマゼンタ色インクの吐出量のみを他色に比
べて減少させることができる。さらに、これらの物理的
な手法ではなく、画像処理的にマゼンタ・インク滴の打
込み数を減じてもよい。
【0023】ところでインクジェット記録方式では、記
録周波数が高い場合ほど水性インクの粘度を下げる必要
があり、このために水に対する溶解度の高い着色剤が必
要とされ、結果的ににじみの問題が顕在化したという経
緯がある。逆に、記録周波数が低い場合にはそれほど溶
解性の優れた着色剤を用いる必要がなく、にじみの問題
が顕在化していなかったとも言える。したがって、本発
明がインクジェット記録方式にもとづくカラー画像形成
方法である場合、記録周波数は特に限定されないが、従
来方法に比べて特に効果が顕著となるのはおおよそ8k
Hzより高い領域である。
【0024】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。記録媒体の作製 厚さ100μmのPETフィルムを基材とし、この上に
PVA75重量部、PVP25重量部を含む水溶性高分
子組成物を塗布し、乾燥膜厚が約10μmのインク受容
層を形成して、透明シート状の記録媒体を作製した。
【0025】墨色インクBの調製 下記処方の組成物を60℃で撹拌溶解し、室温にて放冷
後、10%水酸化リチウム水溶液を用いてpHを9〜1
0に調整し、得られた溶液をポアサイズ0.22μmの
テフロンフィルターで濾過し、墨色インクBを調製し
た。 C.I.ダイレクトブラック168(染料) 4重量部 ジエチレングリコール(粘度調整剤) 15重量部 グリセリン(蒸発防止剤) 5重量部 ECTD−3NEX (日本サーファクタント工業化学社製)(界面活性剤) 1重量部 サンアイバックAP(三愛石油社製)(防腐防黴剤) 0.4重量部 イオン交換水 残部シアン色インクCの調製 上記C.I.ダイレクトブラック168の4重量部に代
えてプロジェット・ファスト・シアン2(ゼネカ社製)
を3重量部用いた以外は、墨色インクBと同様にして調
製した。マゼンタ色インクMの調製 上記C.I.ダイレクトブラック168の4重量部に代
えてC.I.アシッドレッド52を2重量部用いた以外
は、墨色インクBと同様にして調製した。イエロー色インクYの調製 上記C.I.ダイレクトブラック168の4重量部に代
えて、C.I.ダイレクト・イエロー142を0.5重
量部、およびプロジェット・ファスト・イエロー2(ゼ
ネカ社製)を1.5重量部用いた以外は、墨色インクB
と同様にして調製した。
【0026】画質および保存性の評価方法 次に、上記の記録媒体と各色のインクB,C,M,Yを
用いてインクジェット記録を行い、画質および保存性を
評価した。使用したインクジェット・プリンタは、液室
流路の加圧に積層PZT(ジルコン酸チタン酸鉛)圧電
素子を使用し、ノズル開口径は32μm、ドット数は6
00dpi、記録周波数は12kHzである。印刷は、
1回の主方向走査で1色のインクを噴射させ、これを各
色ごとに繰り返す(すなわち、主方向走査計4回)方法
で行った。ここで、他色インクに対するマゼンタ色イン
クMの最大付着量の割合と受容させる順序とを変えて4
通りの方法でインクジェット記録を行った。これらの方
法を表1にまとめる。
【0027】
【表1】
【0028】ここで、比較例1と比較例2は、他色イン
クに対するマゼンタ色インクMの最大付着量の割合が、
本発明で規定される範囲の上下にそれぞれ外れている場
合に相当する。
【0029】画質の評価は、サンプル画像のベタ印刷部
の濃度ムラとにじみを目視により総合的に評価し、濃度
ムラもにじみもがほとんど認められないレベルを◎、若
干の濃度ムラとにじみが認められるが実用上は許容でき
るレベルを○、濃度ムラとにじみのいずれもが多く実用
上許容できないレベルを×とした。保存性については、
記録終了後10分間経過したサンプル画像をポケット・
ファイルに収納し、通常のオフィス環境下(温度20〜
30℃,相対湿度40〜70%)で1カ月間保存した後
の画質をもって評価した。ここで、にじみ、色分離、色
相変化、退色がいずれもほとんど認められないレベルを
◎、若干のにじみ、色分離、色相変化、退色が認められ
るが実用上は許容できるレベルを○、にじみ、色分離、
色相変化、退色がいずれも認められ実用上許容できない
レベルを×とした。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例1および実施例2の結果より、マゼ
ンタ色インクMの最大付着量を他色の60〜90重量%
の範囲に規定すると記録直後の画質が良好となり、加え
てマゼンタ色インクMの受容タイミングを最後とした場
合には保存性も改善されることがわかった。なお実施例
2では、マゼンタ色インクMの受容の順番を最後に固定
した上で墨色インクB、シアン色インクC、イエロー色
インクYの受容の順序を任意に変えても、ほぼ同様に良
好な結果が得られた。これに対し、マゼンタ色インクM
の最大付着量を他色インクと同じとした比較例1では、
記録直後、長期保存後共ににじみや色分離が顕著に認め
られた。また、比較例1では保存性は優れていたもの
の、マゼンタ色インクMの最大付着量が少なすぎたため
に、色相変化が顕著であった。
【0032】以上、本発明の具体的な実施例について説
明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるも
のではなく、各色のインク組成、インクセット、記録媒
体の種類や構成、使用されるインクジェット・プリンタ
の形式等の条件については、適宜変更、選択、組合わせ
が可能である。さらに、記録方式もインクジェット記録
に限られず、たとえばプロッターを用いた記録方式であ
ってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によればマゼンタ色インクの最大付着量を他色インク
の60〜90重量%の範囲に規定することで、画質とそ
の保存性を著しく向上させることが可能となる。特に、
マゼンタ色インクが溶解性の高いC.I.アシッド・レ
ッド52を着色剤として含む場合の改善効果が顕著であ
り、この染料の実用価値を高めることができる。上述の
ような最大付着量の規定に加えてインク受容層に対する
マゼンタ色インクの受容タイミングを他色よりも遅らせ
ることは、画質や保存性の改善に一層効果的である。本
発明をインクジェット記録に適用すると、上述の画質や
保存性の改善に加えて高速性が達成され、産業上極めて
有益な画像形成方法を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 正人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小西 昭子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 望月 博孝 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 露木 孝範 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 田中 郁子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に水溶性高分子を含有するインク
    受容層が形成されてなる記録媒体の該インク受容層に、
    少なくともシアン、マゼンタ、イエローの各色の水性イ
    ンクを受容させることによりカラー画像を形成するカラ
    ー画像形成方法であって、 前記インク受容層に対するマゼンタ色の水性インクの最
    大付着量を、他色の水性インクの最大付着量の60〜9
    0重量%に設定することを特徴とするカラー画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 前記マゼンタ色の水性インクが着色剤と
    してC.I.アシッド・レッド52を含有することを特
    徴とする請求項1記載のカラー画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層に対してマゼンタ色の
    水性インクを受容させるタイミングを他色の水性インク
    よりも遅らせることを特徴とする請求項1記載のカラー
    画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記インク受容層に対して前記水性イン
    クを受容させるタイミンクを各色ごとにずらすことを特
    徴とする請求項3記載のカラー画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記各色の水性インクは記録信号にもと
    づき、該水性インクを収容するインク・カートリッジの
    ノズルから前記インク受容層へ向けて噴射されることを
    特徴とする請求項3または請求項4記載のカラー画像形
    成方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8075126B2 (en) 2004-07-02 2011-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink jet recording method, recording unit, ink cartridge, and ink jet recording apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8075126B2 (en) 2004-07-02 2011-12-13 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink jet recording method, recording unit, ink cartridge, and ink jet recording apparatus

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