JPH11179721A - 超音波回転工具 - Google Patents

超音波回転工具

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JPH11179721A
JPH11179721A JP35327597A JP35327597A JPH11179721A JP H11179721 A JPH11179721 A JP H11179721A JP 35327597 A JP35327597 A JP 35327597A JP 35327597 A JP35327597 A JP 35327597A JP H11179721 A JPH11179721 A JP H11179721A
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツールの内部応力による損失を極力抑えるこ
とで、小出力の小型振動子でも深穴加工等を可能な超音
波回転工具を提供する。 【解決手段】 ツール32先端のループL1に必要な振
幅を得るための振幅拡大構造38をこのツール32先端
直前のノードN1近傍までの領域に備えることで、ツー
ル32先端のノードN1部分にて必要とする最終振幅に
拡大する。これにより、ツール32部分では加工に関与
しない前段までの振動振幅が小さくなる。よって、加工
中にワーク27の外壁とツール32内のループL2,L
3とが接触しても摩擦発生による損失が少なくなり、か
つ、その内部応力も小さくなるので、内部応力による損
失も少なく抑えられる。この結果、全体の効率低下を防
止できるので、小出力の小型振動子であっても深穴加工
等が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動する超
音波振動子を専ら回転させながらワークの加工を行う超
音波回転工具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より穴あけ加工の工具には様々な形
態と加工方法があるが、被加工材が難加工性の材質であ
る程、当然、加工は困難になり、工具の材質や形状或は
加工条件を工夫することで様々な課題を克服するように
している。
【0003】例えば、セラミックス、石材、コンクリー
ト等のような硬脆性難削材に穴あけ加工を行う場合、円
柱又は円筒状のシャンクの先端に焼結ダイヤモンドを装
着し、その工具を回転させながら削孔を行う方法が多く
用いられている。このような硬脆性難削材への穴あけ加
工は、各種産業で簡便な加工方法が要望されていたにも
拘わらず、なかなか効果的な手段を見出すことが困難で
あった。
【0004】近年、超音波技術の発達に伴ない、工具に
超音波振動を印加することで加工抵抗の低減を図り、従
来では困難とされてきた被削材をも簡易的な手段で容易
に加工できる方法が試みられている。
【0005】図3(a)に、この様な超音波振動を応用
した硬脆性材用コア抜き式深穴穴あけ加工装置の従来例
を示す。この加工装置は、手持ち式加工工具として使用
できるように小型軽量にまとめられたハンドドリル形超
音波ドリルである。超音波ドリル1は回転自在に保持さ
れた超音波振動子2を主体とするもので、この超音波振
動子2の先端にはツールとしてホーン型コア抜き式ツー
ル3がネジ4等により強固に固定されている。コア抜き
式ツール3は深穴加工を行う必要がある場合、多波長の
共振体とする必要があるが、図示例は、例えばツール部
分を1.5λとした場合を例示している。
【0006】ホーン型コア抜き式ツール3は、コア逃が
し穴5が開けられたパイプ部6からなっており、先端に
は切削工具としてリング状のダイヤビット7がロウ付け
等の手法で固着されている。
【0007】一方、超音波振動子2の前端部には振動子
貫通穴8が開けられており、オイルシール等を用いて回
転自在で且つ密閉機構を持つ給液ジャケット9で覆われ
ている。給液ジャケット9には給液ジョイント11を介
して給液ホース12が接続され切削液13が供給される
仕組みとなっている。切削液13は振動子貫通穴8より
ホーン型コア抜き式ツール3の後端部に開けられた貫通
穴14を介して、切削穿孔を行うダイヤビット7の冷却
及び潤滑用に供給される。なお、切削液13に代えて冷
却用ガスや圧縮空気が用いられることもある。
【0008】15は、超音波振動子2を超音波振動させ
るための高周波電源であり、この場合は定電圧回路とし
て動作し、超音波振動子2に対して最適な周波数電源を
供給する。電源供給を受けるため、超音波振動子2から
引き出された高圧側電極16は、ロータリコネクタ17
の回転電極18に配線され、低圧側(グランド側)電極
19は回転電極20に配線されている。ここで、ロータ
リコネクタ17は超音波振動子2と同軸上に回転自在に
位置決め固定されている。このロータリコネクタ17に
は高周波電源15に接続された高圧側ブラシ21と低圧
側ブラシ22とが機械的に固定されており、超音波振動
子2が回転状態にあっても高周波電源15からの駆動電
力を安定して供給し得る機構となっており、超音波振動
子2とホーン型コア抜き式ツール3とで共振体を構成し
た共振周波数下で効率よく超音波振動を発生させ得るこ
とができる。
【0009】また、超音波振動子2を回転させるモータ
23が設けられている。このモータ23により回転駆動
させるモータギヤ24は超音波振動子2において振動振
幅が零のノード(節)N4部分に固定されたギヤ25に
噛合するよう配置されている。このモータ23はモータ
駆動用電源26に接続されている。
【0010】このような構造の超音波ドリル1は、図3
(b)のような振動振幅分布を示し、超音波振動子2の
ノードN4及びホーン型コア抜き式ツール3のノードN
3にて断面積を縮小させて順次振幅拡大を行なうこと
で、所望の振幅が先端のループ(腹)L1部分で得られ
る。また、図3(c)はこの時の各共振体の応力分布を
示す。
【0011】いま、図3(a)に示すような構成におい
て、高周波電源15より最適な周波数電圧を超音波振動
子2へ供給し、同時にモータ駆動用電源26よりモータ
23へ電圧を供給することで超音波振動子2は回転を始
め、それに接続されるホーン型コア抜き式ツール3は超
音波振動を行ないながら同期回転することになる。この
装置の先端に固着されているダイヤビット7が超音波振
動を行ないながらワーク27と接触すると、超音波振動
と回転による切削抵抗の低減効果で従来の汎用加工には
ないよい切れ味を示す。これにより、従来は困難とされ
ていたセラミックスや石材やコンクリート等の硬脆性難
削材にも比較的容易に深穴加工を行うことが可能とな
る。更に、ダイヤビット7とワーク27とが接触する界
面には切削液13が供給されるので切削時に生じた切り
粉はスラリー状になって外部へ放出される。また、この
時に発生した摩擦熱も同時に放出されるため、ダイヤビ
ット7の異常発熱による損耗も最少限に抑えられ、従来
の汎用加工と比較して格段に工具寿命が延びることにな
る。また、ワーク27はコア抜き状に加工され、コア状
残材28はパイプ部6のコア逃がし穴5に収納される形
となるので最少の切削抵抗で深穴加工を行うことが可能
である。従って、超音波ドリル1を従来ある手持ち式電
気ドリルと外形が似た形状に構成したとしても、従来困
難とされていた硬脆性難削材に容易に深穴加工が可能と
なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般に、超音波振動を
利用して何らかの作業を行う場合、その効果をより一層
上げるためには、実際にワークに作用するツール部分の
振動振幅を上げることが最も効果的と言える。しかし、
振動振幅を上げるとそれだけツール各部への負担が増大
してしまう。
【0013】図3(a)に示した従来の超音波ドリル1
の場合、振幅の拡大は超音波振動子2のノードN4とホ
ーン型コア抜き式ツール3のノードN3を境にして断面
積が徐々に減少させるように構成すれば、一般に、その
断面積に反比例した振幅増大を得ることが可能となる。
その状態が図3(b)に示す振動振幅分布である。ノー
ドN3で振幅拡大を行った後、ループL3,L2,L1
は振幅拡大を行わないため、略々同じ振幅となってい
る。また、この時の各部の内部応力分布を図3(c)に
示すが、応力はノード部分で最大を示し、振動振幅が増
大するとそれに比例して応力も増大する。
【0014】従って、共振体を構成する素材の許容応力
を越えない範囲の振動振幅を設定する必要がある。一般
には、より一層の効果を得るため、振動振幅を許容応力
の限界近くまで引き上げるが、それだけ応力最大部分で
の損失が大きくなり、その損失はツールの発熱となって
現われることになる。深穴加工を行う場合は、パイプ部
6を長くする必要があり、図3(a)に示す構成の場合
はノードN3,N2,N1なる3箇所で応力過大からく
る損失による発熱が現われ、全体の効率低下の一因とな
る問題がある。
【0015】また、超音波ドリル1が手持ち式の場合、
常に一定角度に保つのが困難なため、加工穴が深くなる
に従ってワーク27とパイプ部6のパイプ外壁29とが
接触しやすくなる。もしワーク27と接触する部分がル
ープL2,L3等の振動振幅の大きい部分であればその
部分での摩擦発生による損失が極端に大きくなり、ここ
でも大きな効率低下を招くことになる。同様に、パイプ
部6のパイプ内壁30とコア状残材28とが接触する場
合も大きな効率低下を招く要因となる。手持ち式超音波
ドリルの場合は小型軽量が望ましく、超音波振動子2も
少しでも小型化する必要があり、上述した損失が大きい
と実際にワーク27に穴あけ加工を行うパワーよりも損
失の比率の方が大きくなってしまう場合も多々あり、小
型な分だけ超音波出力も限られているため、実際には特
に手持ち式による小型な深穴加工装置の実現が困難な現
状にある。
【0016】その上、深穴になるに従って当然コア逃が
し穴5内のコア状残材28も長くなるが、硬脆性材のた
め折れやすく、一旦折れると、場合によってリング状の
ダイヤビット7の穴から取り出すのが困難となる。これ
は、超音波振動による切削抵抗低減効果によってリング
状のダイヤビット7の内径寸法とコア状残材28の外径
寸法の差がほとんどなくなるために生じる現象で、一旦
折れると内部に残留したコア状残材28を取り出すのに
非常に手間取り、作業能率の向上を妨げる一因となる。
【0017】そこで、本発明は、ツールの内部応力によ
る損失を極力抑えることができ、小出力の小型振動子で
も深穴加工等を可能にし得る超音波回転工具を提供する
ことを目的とする。
【0018】また、本発明は、上記目的を達成する上
で、蛇行せずに真っ直な深穴加工が行える超音波回転工
具を提供することを目的とする。
【0019】さらに、本発明は、上記目的を達成する上
で、無用な超音波損失を避けることもでき、一層、小出
力の小型振動子で効率よく加工し得る超音波回転工具を
提供することを目的とする。
【0020】また、本発明は、無用な超音波損失を発生
させることなく、ツール内に残留した残材を容易に取り
出すことができる超音波回転工具を提供することを目的
とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
長波長で駆動されるとともに回転駆動される超音波振動
子の先端にワークを加工するツールを固定した超音波回
転工具において、前記ツール先端のループに必要な振幅
を得るための振幅拡大構造をこのツール先端直前のノー
ド近傍までの領域に備えた。従って、ツール先端のノー
ド部分にて振幅拡大構造によって必要とする最終振幅に
拡大することでツール部分では前段までの振動振幅が小
さくなり、ワーク外壁とツール内のループ部が接触して
も摩擦発生による損失が少なくなる。また、内部応力も
小さくなるので内部応力による損失も少なく抑えられる
ので全体の効率低下を防止できる。
【0022】請求項2記載の発明は、請求項1記載の超
音波回転工具における振幅拡大構造は、ツール先端のル
ープからこのツール先端直前のノード近傍までの領域に
ツール軸方向に連続させて形成された1つ又は複数の溝
による薄肉部よりなる。従って、振幅拡大構造は例えば
ツール軸方向へ直線状或は螺旋状の浅い溝を彫り薄肉部
を形成して断面積比を変えることで簡単に実現でき、溝
が形成されていないツールの最外周径の寸法は他の部分
と同一となるので手持ち式ドリルでも残された一部の最
外周が穴に対してガイドとなって、蛇行せず真っ直な深
穴加工が可能となる。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1記載の超
音波回転工具におけるツール中、ワークの加工に関与し
ないループ近傍をノード近傍に比して外径寸法を小さめ
に形成し、又は、内径寸法を大きめに形成した。従っ
て、加工に関与しないループ近傍の外径寸法をノード近
傍の外径寸法より極わずかに小さくし、同様に加工に関
与しないループ近傍の内径寸法をノード近傍の内径寸法
より極わずかに大きくすることで、振幅の大なるツール
先端部以外のループ部分がワークやツール内のコア状残
材に直接接触することがなくなり、摩擦発生による損失
が極わずかとなることで、小型小出力の超音波振動子で
も効率よく深穴加工が行える。
【0024】請求項4記載の発明は、請求項1記載の超
音波回転工具におけるツールが、パイプ部を有するホー
ン型コア抜き式ツールであり、超音波振動子に対する固
定側で振動振幅の小さい箇所に着脱自在な裏蓋を有す
る。従って、ホーン型コア抜き式ツールの振動振幅の低
い部分で裏蓋により分割できる構造とすることで内部に
残留しツール先端部よりなかなか取り出せないコア状残
材であっても容易に取り出せるようになり、作業能率の
向上を図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図1及び
図2に基づいて説明する。なお、図3で示した部分と同
一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。本実
施の形態の超音波加工工具は超音波ドリル1と同様な手
持ち式の超音波ドリル31に適用されている。この超音
波ドリル31における超音波振動子2側は超音波ドリル
1の場合と全く同様に構成されている。このような超音
波振動子2に対してツールであるホーン型コア抜き式ツ
ール32は、裏蓋33を介して着脱自在かつ強固に固定
されている。即ち、裏蓋33はコア逃がし穴5に連通す
るように開口させたホーン型コア抜き式ツール32の後
端に対してネジ構造34により着脱自在に取付けられる
ものであり、超音波振動子2の先端に着脱自在に取り付
けられるネジ構造4も備えている。もっとも、超音波振
動子2の先端と裏蓋33とはネジ結合に限らず、一体に
形成されていてもよい。また、裏蓋33には貫通穴14
に相当する貫通穴35が形成されている。ここに、この
ような裏蓋33はホーン型コア抜き式ツール3において
超音波振動子2に対する固定側であって振動振幅の小さ
い箇所、具体的にはループL4付近に位置しており、こ
の裏蓋33を設けたことにより無用な超音波損失を生ず
ることはない。
【0026】また、ホーン型コア抜き式ツール32にお
いて、そのパイプ部6はその全長に渡って均一な外径及
び内径で形成されているわけではなく、加工に関与せず
に振動振幅が大きくなりやすいループL3,L2近傍に
ついては、隣合うノードN2,N1等に比して、その外
径が極わずかに小さめとなるように外壁段落とし36が
形成され、その内径が極わずかに大きめとなるように内
壁段落とし37が形成されている。さらに、先端直前の
ノードN1より先端側領域には振幅拡大構造38が形成
されている。この振幅拡大構造38は、例えば、図2
(a)に示すようにツール軸方向に沿って直線状に形成
した複数の浅い溝39により外径部40を残した状態で
薄肉部41を持つ構造とすることで断面積比を変化させ
てもよく、或は、図2(b)に示すようにツール軸方向
に沿って螺旋状に形成した1つ(ないし複数)の浅い溝
42により外径部40を残した状態で薄肉部41を持つ
構造とすることで断面積比を変化させてもよい。何れに
しても、ノードN1より先端側において外径部40が残
る形でツール軸方向に適宜溝を彫ることで薄肉部41を
形成して断面積比を変化させた構造を有していればよ
く、振動振幅拡大率は概ね断面積比に反比例するので、
設計段階でその仕様を決定すればよい。
【0027】この構成の超音波ドリル31によれば、そ
の振動振幅分布は図1(b)に示すようになる。即ち、
ホーン型コア抜き式ツール32の先端であるループL1
が最も振動振幅が大きくなり、加工に関与しない他のル
ープL2及びL3は振幅拡大率に反比例して小さくな
る。従って、応力分布も図1(c)に示すように、ルー
プL2及びL3の振動振幅が従来例の場合に比べて小さ
くなることで、当然、ノードN2,N3の応力は小さく
することができる。よって、応力過多による損失を最小
限に抑えることができる。その上、振幅拡大構造38に
おいて残された外径部40が加工穴に対してガイドとな
るので、加工に際して蛇行することなく真っ直な深穴加
工が可能となる。
【0028】また、加工の際、振動振幅を持つループL
2及びL3の近傍はパイプ部6に外壁段落とし36を形
成してその外径寸法を極わずかに小さくすることでワー
ク27との接触を断つことができ、無用な損失の発生を
避けることが可能となる。同様に、パイプ部6の内径側
には内壁段落とし37を形成することでコア状残材28
との接触も同様に断つことができ、無用な損失の発生を
避けることが可能となる。外壁段落とし36と内壁段落
とし37とは同時に形成してもよいのはもちろんである
が、状況に応じては何れか一方のみを形成しても同様の
効果が得られる。
【0029】実験によれば、パイプ部6の外径寸法が直
径25mm、内径寸法が直径20mmのホーン型コア抜
き式ツール32の場合、外壁段落とし36の部分の外径
が直径24.5mm、内壁段落とし37の部分の内径が
直径20.5mmとなるように、直径でわずか0.5m
mの段差を持たせれば充分な効果が得られることが分か
っており、手持ち式超音波ドリルによる穴加工であって
も蛇行することなく真っ直な深穴加工が無用な損失を発
生することなく効率よく行えたものである。
【0030】また、内部に残されたコア状残材28は、
ホーン型コア抜き式ツール32から裏蓋25を取り外す
ことで容易に取り出すことが可能となり、効率のよい深
穴加工が行える。
【0031】手持ち式超音波ドリルの場合、小型軽量に
する必要性から必然的に小型即ち小出力の超音波振動子
2にせざるを得ず、効率のよい深穴加工を行えるように
するには、非効率な損失を極力排除する必要がある。も
しそれを怠れば、加工に全く寄与しないで損失のみで振
動子の許容出力を越えてしまうこともあり得る。この
点、本実施の形態の手持ち式の超音波ドリル31によれ
ば、非効率な損失が極力排除されるので、小型で小出力
の超音波振動子2にて必要な加工を行うことができる。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ツール先
端のループに必要な振幅を得るための振幅拡大構造をこ
のツール先端直前のノード近傍までの領域に備えること
で、ツール先端のノード部分にて必要とする最終振幅に
拡大するようにしたので、ツール部分では前段までの振
動振幅を小さくして、ワーク外壁とツール内のループと
が接触しても摩擦発生による損失が少なくなり、かつ、
その内部応力も小さくすることができ、内部応力による
損失も少なく抑えることができ、全体の効率低下を防止
することができ、よって、小出力の小型振動子であって
も深穴加工等を可能にすることができる。
【0033】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の超音波回転工具における振幅拡大構造は、ツール先
端のループからこのツール先端直前のノード近傍までの
領域にツール軸方向に連続させて形成された1つ又は複
数の溝による薄肉部よりなるので、振幅拡大構造は例え
ばツール軸方向へ直線状或は螺旋状の浅い溝を彫り薄肉
部を形成して断面積比を変えることで簡単に実現するこ
とができると同時に、溝が形成されていないツールの最
外周径の寸法は他の部分と同一となるので手持ち式ドリ
ルでも残された一部の最外周が穴に対してガイドとなっ
て、蛇行せず真っ直な深穴加工を可能にすることができ
る。
【0034】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の超音波回転工具におけるツール中、ワークの加工に
関与しないループ近傍をノード近傍に比して外径寸法を
小さめに形成し、又は、内径寸法を大きめに形成したの
で、振幅の大なるツール先端部以外のループ部分がワー
クやツール内のコア状残材に直接接触することがなくな
り、摩擦発生による損失を極わずかにすることができ、
よって、小型小出力の超音波振動子でも効率よく深穴加
工を行うことができる。
【0035】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の超音波回転工具におけるツールが、パイプ部を有す
るホーン型コア抜き式ツールであり、そのホーン型コア
抜き式ツールの振動振幅の低い部分で裏蓋により分割で
きる構造とすることで内部に残留しツール先端部よりな
かなか取り出せないコア状残材であっても裏蓋を外すこ
とで容易に取り出すことができ、作業能率の向上を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示し、(a)は構造
図、(b)はその振動振幅分布図、(c)はその応力分
布図である。
【図2】振幅拡大構造を示す斜視図である。
【図3】従来例を示し、(a)は構造図、(b)はその
振動振幅分布図、(c)はその応力分布図である。
【符号の説明】
2 超音波振動子 27 ワーク 32 ホーン型コア抜き式ツール(ツール) 38 振幅拡大構造 L1 先端のループ N1 先端直前のノード

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長波長で駆動されるとともに回転駆動さ
    れる超音波振動子の先端にワークを加工するツールを固
    定した超音波回転工具において、 前記ツール先端のループに必要な振幅を得るための振幅
    拡大構造をこのツール先端直前のノード近傍までの領域
    に備えたことを特徴とする超音波回転工具。
  2. 【請求項2】 振幅拡大構造は、ツール先端のループか
    らこのツール先端直前のノード近傍までの領域にツール
    軸方向に連続させて形成された1つ又は複数の溝による
    薄肉部よりなることを特徴とする請求項1記載の超音波
    回転工具。
  3. 【請求項3】 ツール中、ワークの加工に関与しないル
    ープ近傍をノード近傍に比して外径寸法を小さめに形成
    し、又は、内径寸法を大きめに形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の超音波回転工具。
  4. 【請求項4】 ツールが、パイプ部を有するホーン型コ
    ア抜き式ツールであり、超音波振動子に対する固定側で
    振動振幅の小さい箇所に着脱自在な裏蓋を有することを
    特徴とする請求項1記載の超音波回転工具。
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