JPH11179661A - 光造形物の表面加工方法及び装置 - Google Patents

光造形物の表面加工方法及び装置

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JPH11179661A
JPH11179661A JP35181697A JP35181697A JPH11179661A JP H11179661 A JPH11179661 A JP H11179661A JP 35181697 A JP35181697 A JP 35181697A JP 35181697 A JP35181697 A JP 35181697A JP H11179661 A JPH11179661 A JP H11179661A
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abrasive
optically
sprayed
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surface processing
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JP35181697A
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English (en)
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Koji Kumagai
功二 熊谷
Masamitsu Takami
正光 高見
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NIPPON REKKUSU KK
Fuji Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
NIPPON REKKUSU KK
Fuji Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光造形物の表面に形成された段差を比較的簡
単かつ短時間で除去して平坦な表面とする光造形物の表
面仕上げ加工方法及び装置を得る。 【解決手段】 それぞれ種類の異なる研磨材が充填され
た複数の研磨材タンク72a〜72cを備え、前記各研
磨材タンク72a〜72cに連通する複数の噴射ノズル
70a〜70c、前記研磨材タンク72a〜72c内の
研磨材を各噴射ノズル70a〜70cより噴射する圧宿
空気供給源を備える。圧縮空気の供給により、光造形物
の表面に研磨材タンク72a〜72c内の研磨材を順次
噴射ノズル70a〜70cを介して噴射することで、光
造形物の加工段階にあわせて噴射される研磨材の種類を
変更することかでき、光造形物の表面を短時間で容易に
研磨する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光造形法により形成さ
れた、光造形物の表面加工方法及び装置に関するもので
あり、より詳細には、前記光造形法により製造された光
造形物の表面の段差を研磨材の噴射により平坦な面に加
工する光造形物の表面加工方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、電気機器、OA機器、精密機器
等の各種の分野において、各種成品の模型や試作品作り
に積層造形法が用いられている。
【0003】この積層造形法とは例えばCADデータ等
の3次元データに基づいて、製造される造形物の3次元
立体形状を多段に水平スライスした輪切りデータを得、
この各輪切りデータに基づいて形成された各層を積層し
てその集合体により造形物を製造する方法であり、レー
ザ光等の照射により硬化された光硬化型樹脂等により造
形物を製造する光造形法、溶融された熱可塑性樹脂等の
押出しにより造形物を製造する樹脂押出し法、レーザ光
等の照射により焼結された粉末により造形物を製造する
粉末焼結法、インクジェットヘッドより吐出されたイン
クを硬化して造形物を製造するインクジェット法、各輪
切りデータに従って切断されたシートを積層して造形物
を製造するシート切断法等の各種の造形法が用いられて
いる。
【0004】前記各積層造形法のうち、光造形法につい
て簡単に説明すれば、光造形法は前記輪切りデータの1
に従って、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂にレーザ
ービーム等を照射して硬化させ、これにより前記輪切り
データの1に対応する形状の層を形成し、この層の上に
更に次段の輪切りデータに従ってレーザービーム等を照
射して形成された次層を積層し、この作業を繰り返して
前記輪切りデータの集合としての3次元立体データに対
応した積層造形物を形成するもので、この方法を利用し
た光造形装置の原理図を一例として図5に示す。
【0005】この光造形装置は、液状の光硬化型樹脂が
充填された樹脂槽を備え、この樹脂槽内に前記樹脂槽内
を昇降する昇降テーブルが配置されている。
【0006】そして、前記昇降テーブルを僅かに液没さ
せた状態において配置し、前記輪切りデータの1に従っ
てレーザービームをX−Y軸方向に移動させながら昇降
テーブル上に照射して光硬化型樹脂を前記輪切りデータ
に従って硬化させる。このようにして、前記輪切りデー
タの1に対応して光硬化型樹脂を硬化させた後、前記昇
降テーブルをZ軸方向に所定のピッチで下降させ、すで
に形成されている前記樹脂層を僅かに液没させた状態で
すでに形成されている樹脂層上にさらに輪切りデータに
従ってレーザービームを照射して次段を成す樹脂層を形
成し、この作業を繰り返して光造形物が完成する。
【0007】前述の光造形法により製造された模型や試
作品等の光造形物は、意匠検討・外観形状・イメージ等
の確認のために使用されるデザインモデル、実際に装置
に組み込んで試験等を行うためのワーキングモデル、試
作品等を形成するためのシリコーンゴム型・樹脂型・鋳
造型を製造するためのマスターモデル、光造形物自体が
試作品形成のための型の形状に形成され、該光造形物自
体が射出成形、真空注形等により成形品を形成する型と
して使用されるダイレクト型等として利用される。
【0008】しかし、前述のようにして形成された光造
形物は、3次元立体データに基づいて得られた輪切りデ
ータに従って形成された各層の集合として得られるもの
であるために、その表面に段差が形成される。すなわ
ち、光造形法により形成された光造形物にあっては、φ
0.05〜0.2mmのレーザービームを光硬化型樹脂に
照射して硬化し、液面からの深さ0.05〜0.3mmの
断面弾丸形状に硬化された樹脂層が形成されるが、この
樹脂層を何層にも積層して光造形物を形成すると、レー
ザービームの照射ピッチにより図6に示すように、各層
の頭部平面12と、各層の側面ないしは底面を形成する
湾曲面14’とにより形成された略三角形状の突出部1
6’により、又は外方に向かって膨出する前記湾曲面1
4’により形成された弧状の突出部18’により段差が
その表面に形成される。
【0009】そのため、形状確認用のデザインモデル等
として使用する場合には、その表面に形成された段差に
より表面に光沢がなく、ざらついた触感があり外観上の
見栄えが悪いものとなると共に、他の部品等に組み付け
て実装テストを行うワーキングモデルとして使用した場
合には、この表面段差の存在により正確なテスト結果を
得ることができず、マスタモデル、ダイレクト型として
使用した場合には、その表面に形成された段差により型
や型内に形成された試作品等の表面に同様の段差が転写
されるだけでなく、例えば細かなリブ等が形成された光
造形物にあっては、該段差により型と成形品間が強固に
固着されて型から成形品を引き抜くことができない等の
問題が生ずる。
【0010】また、このような段差を有する光造形物の
表面に塗料等を塗布した際には、液垂れが生じ易く、鏡
面状にその表面を仕上げることはできない。
【0011】このような問題を解消するために、前述の
ようにして形成された光造形物の表面段差を取り除いて
表面を平滑な面とすると共に、必要に応じて表面を鏡面
状に仕上げる方法として、光造形物の表面にコーティン
グ処理を施す方法が行われている。
【0012】このコーティング処理は、図7(A)〜図
7(D)に示すように光造形物の表面に目止め材を塗布
して段差部分を埋めると共に〔図7(A)〕、塗布され
た目止め材の上から更に厚塗りの可能な塗料にて下塗り
を行う〔図7(B)〕。
【0013】そして、下塗りの乾燥後に、サンドペーパ
ーやヤスリ等の工具を用いた手作業により光造形物の段
差の突出部先端を目安に下塗りを研磨して下塗りの膜厚
を調整して平面に仕上げる〔図7(C)〕。
【0014】その後、研磨された下塗り上に、必要に応
じてエアブラシやエアスプレーガン等を用いて15μm
程度の上塗りを施し〔図7(D)〕、光造形物の表面を
鏡面状に仕上げている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述のコーティング処
理のような手作業による表面加工にあっては、表面加工
に長時間を要するだけでなく、このような手作業により
下塗りを研磨して平滑に仕上げる作業には熟練を要し、
そのため加工精度にばらつきが生ずる場合がある。
【0016】また、光造形物の外観面(キャビ面)に対
しては、手作業によって表面加工を行うこともできる
が、ボス、リブ、スリット等の複雑な裏面形状(コア
面)を手作業により平面に仕上げる作業は困難である。
【0017】一方、コア面の処理が未処理であると、こ
の光造形物を試作品成形用の射出成形型である溶射型や
ZAS型を作成するためのマスタモデルとして使用する
場合や、光造形物自体を型の形状に形成し、直接試作品
等を作成するための型と成すダイレクト型として使用し
た場合、該光造形物とこの光造形物に転写されて形成さ
れる型や成形品を引き剥がすことが困難となる。
【0018】このとき光造形物が転写されて形成される
型や成形品がシリコーンゴム等の可撓性の材料で形成さ
れている場合には若干無理に引き抜くことも可能である
が、樹脂により成形されている場合には、僅かな段差に
よっても引き抜きができず、無理に引き抜けば光造形物
やこれにより形成された樹脂型や樹脂成形品を破損する
おそれがある。
【0019】なお、前述のようにして形成された光造形
物は、製造された光造形物の光硬化型樹脂に部分的に硬
化ムラが生ずる場合があり、このような硬化ムラのある
光造形物に対してそのままの状態で表面の研磨等の加工
を行うことはできない。そのため前記研磨等の作業に先
立って該硬化ムラの生じた部分に紫外線等を照射して十
分に硬化させる所謂「アフターキュア」を行う必要があ
る。
【0020】また、光造形物の表面を研磨等した場合、
研磨後の光造形物の表面に研磨材や粉塵が付着するた
め、これらの付着物を除去するクリーニングを行う必要
がある。
【0021】しかし、前述のように手作業にて光造形物
の研磨等を行う場合には、前述のクリーニングやアフタ
ーキュアの各工程と研磨等の工程は全く別途の作業とし
て行われており、そのため作業が煩雑であるとともに長
時間を要するものとなっている。
【0022】そこで、本発明は、上記従来技術の欠点を
解消するためになされたものであり、光造形物の表面に
形成された段差を比較的簡単な方法で短時間で除去する
ことにより、熟練を要さずして光造形物の表面加工が行
えると共に、平坦な表面を備え外観上の見栄えが良く、
マスタモデルやダイレクト型として使用した場合であっ
ても型や成形品の引き抜きが容易であり、さらに表面に
塗装を施した際に液垂れの生じ難い光造形物を得ること
のできる光造形物の表面加工方法及び装置を提供するこ
とを目的とする。
【0023】また、本発明の別の目的は、前記研磨材の
噴射による光造形物の表面加工と、該表面加工後のクリ
ーニングの工程、及び、前記各工程に先立って行う前述
のアフターキュアの各工程を一連の工程として行うこと
のできる光造形物の表面加工装置を提供することを目的
とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の光造形物の表面加工方法は、光造形法によ
り形成された光造形物の傾斜状段差積層面に対して研磨
材を噴射することを特徴とする。
【0025】前記研磨材の噴射は、光造形物の段差積層
面の表面粗さが、最大高さ(RMAX)及び/又はピークカ
ウント(Pc)において10%以上減少する迄行うことと
すれば好適であり、また、研磨材の粒径及び/又は硬度
を変更して複数回行うこととすれば好適である。
【0026】前記複数回の研磨材の噴射を行う場合に
は、光造形物の段差積層面に対して研磨材を噴射する第
1の工程と、前記第1工程後の光造形物の表面に、前記
第1の工程で噴射された研磨材より粒径が小さく、硬度
の低い研磨材を噴射する第2の工程より成る2工程によ
り研磨材を噴射することができ、例えば前記第1の工程
において噴射される研磨材を♯100〜200のアルミ
ナ砥粒、前記第2の工程において噴射される研磨材を♯
250〜350のガラスビーズ等の研磨材とすることが
できる。
【0027】また、前記2工程から成る研磨材の噴射に
代えて、3工程から成る研磨材の噴射を行うこともで
き、この場合には光造形物の段差積層面に対して研磨材
を噴射する第1の工程と、前記第1の工程により研磨さ
れた光造形物の表面に、前記第1の工程で噴射された研
磨材より粒径が小さい研磨材を噴射する第2の工程と、
前記第2工程後の光造形物の表面に対して、前記各工程
で噴射された研磨材に比較して硬度が低く、且つ、前記
第1の工程で噴射された研磨材より粒径が小さく、かつ
前記第2工程で噴射された研磨材より粒径の大きい研磨
材を噴射する第3工程より成る3工程で研磨材の噴射を
行う。この場合には、例えば第1の工程で噴射される研
磨材を♯100〜200のアルミナ砥粒、第2工程で噴
射される研磨材を♯350〜400のアルミナ砥粒、第
3工程で噴射される研磨材を♯250〜350のガラス
ビーズ等の研磨材とすることができる。
【0028】なお、研磨材の噴射を複数回にわたって行
う場合、被加工物の表面に最終に噴射される研磨材をガ
ラスビーズ、球状のアルミナ砥粒等の球状の研磨材とす
れば好適である。
【0029】また、前述の各表面加工方法において、研
磨材の噴射角度は、光造形物の表面に形成された段差の
突出部16、18(又は16’,18’)の先端を結ん
で形成された線20(又は20,20’)(図6参照)
と略平行な角度とすれば好適であり、または、光造形物
の各層の頭部を成す面(頭部平面12)に対して45°
の角度で行うこととすれば好適である。
【0030】なお、前記各加工方法において処理対象で
ある光造形物の表面に紫外線を照射した後、前述の各研
磨材の噴射を行うこともできる。
【0031】さらに、研磨材の噴射を、研磨材の粒径及
び/又は硬度を変更して複数回行う場合には、前記研磨
材の噴射方法として研磨材タンク内に充填された研磨材
を圧縮流体により加速して噴射する研磨材の噴射方法を
用い、複数の研磨材タンクのそれぞれに、粒径及び/又
は硬度の異なる研磨材を充填すると共に、前記各研磨材
タンク内の研磨材を順次噴射して、被加工物の表面加工
を行うこともできる。
【0032】また、本発明の光造形物の表面加工装置6
0は、内部に作業空間を備えるキャビネット61と、前
記キャビネット61内に配置され、研磨材を被加工物に
噴射する複数の噴射ノズル70a,70b,70cと、
それぞれが別個の前記噴射ノズル70a,70b,70
cの1に連通されて該連通された噴射ノズル70a,7
0b,70cに研磨材を供給する、粒径及び/又は硬度
の異なる研磨材が充填された複数の研磨材タンク72
a,72b,72cを備えるとともに、適宜に選択され
たいずれかの研磨材タンク(例えば72a)内の研磨材
を加速して前記選択された研磨材タンク72aと連通す
る噴射ノズル70aより噴射する圧縮流体供給源を備え
たことを特徴とする。
【0033】前記光造形物の表面加工装置60は、その
キャビネット61内の作業空間を2室に分割し、分割さ
れた一方の室に研磨材を噴射する前記噴射ノズル70
a,70b,70cを配置してブラストチャンバ63と
成すと共に、他方の室にブラスト加工後の被加工物を掃
除する手段を設けてクリーニングチャンバ64とするこ
とができ、この場合、前記ブラストチャンバ63及びク
リーニングチャンバ64間を相互に気密に区画する仕切
板67を設ければ好適である。
【0034】さらに、ブラスト加工後の被加工物を掃除
する手段として前記クリーニングチャンバ64内には、
圧縮空気等の圧縮流体を噴射するノズル及び/又は超音
波洗浄装置90を設けることができ、さらに、前記クリ
ーニングチャンバ64内に紫外線発生装置100を設け
ることとすれば好適である。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につき
添付図面を参照して以下説明する。
【0036】本発明の光造形物の表面加工方法および装
置は、図6に示すような段差積層面の形成された光造形
物の表面段差を成す突出部16,18(又は16’,1
8’)を除去して平滑な面に形成するものであり、各層
の頭部平面12又は底部平面13と、各層の側面を形成
する側部垂直面14とにより形成される三角形状の突出
部16を研磨材の噴射により除去して表面段差の除去さ
れた平滑な面を備える光造形物を得るものである。
【0037】なお、処理対象となる光造形物は、レーザ
光等の光の照射により形成されたものであるために、該
光造形物を形成する各層は厳密には深度方向において徐
々に狭まる断面弾丸形状を成し、従って除去される段差
は、図6中に破線で示すように、各層の頭部平面12
と、各層の側面ないしは底面を形成する湾曲面14’と
により形成される略三角形状の突出部16’、及び前記
湾曲面14’の膨出形状により形成された弧状の突出部
18’であるが、本明細書においては、便宜上特に説明
のない場合、前記突出部16’,18’をいずれも図6
中実線で示すような三角形状を有するものと仮定して説
明する。
【0038】以上のような光造形物の表面段差を除去し
て平滑な面とするための本発明の光造形物の表面加工装
置60は、光造形物に対して複数種類の研磨材を噴射す
るための構成を備えるブラスト加工装置により構成する
こともできるが、本実施形態にあっては、各種の作業を
一連の工程として行う便を考慮して、前述の複数種類の
研磨材を噴射するための構成の他に研磨後の光造形物を
掃除するためのクリーニングや、研磨等の前処理として
行う前述のアフターキュアを行うための構成を付加した
光造形物の表面加工装置として構成している。
【0039】本実施形態にあってはこの表面加工装置6
0は、その中央に配置された仕切板67により内部を2
室に分割されたキャビネット61を備えている。
【0040】前記キャビネット61内に形成された室の
少なくとも一方は、被加工物を出し入れ可能な投入口6
2を備え、一方の室をキャビネット61内に投入された
被加工物である光造形物に研磨材を噴射して表面を研磨
するブラストチャンバ63とし、他方の室を該研磨材の
噴射後の被加工物の表面を掃除するためのクリーニング
チャンバ64としている。
【0041】本実施形態にあっては、図1中左側に形成
された室をクリーニングチャンバ64とし、右側に形成
された室をブラストチャンバ63とし、前記2室を分割
する仕切板67に被加工物である光造形物を受渡し可能
な受渡し口67aを形成し、各室における被加工物の処
理を連続して行うことができるように構成している。ま
た、前記クリーニングチャンバ64とブラストチャンバ
63間を分割する前記仕切板67の前記受渡し口67a
を被蓋する扉を設け、両室間を相互に気密に分割してお
り、従って、ブラストチャンバ63内において研磨材の
噴射が行われているときにおいてもクリーニングチャン
バ64内にブラストチャンバ63内で噴射された研磨材
が流入することがないように構成され、両室内において
それぞれの作業が同時に行い得る。
【0042】前記ブラストチャンバ63内には、噴射ノ
ズル70a,70b,70cが備えられており、この噴
射ノズル70a,70b,70cからは、圧縮流体によ
り加速された研磨材が被加工物に向かって噴射される。
なお、この噴射ノズル70a,70b,70cをそれぞ
れノズル径の異なるものとすることもでき、各噴射ノズ
ル70a,70b,70cに供給される圧縮流体の圧力
を一定とした状態において研磨材の噴射速度等をそれぞ
れ異ならしめることもでき、被加工物及び噴射される研
磨材の種類に応じて調整可能である。
【0043】前記研磨材を加速する圧縮流体としては、
蒸気や液体等を使用することもできるが、本実施形態に
あっては、メンテナンスが容易であり、噴射される研磨
材の噴射圧力、噴射速度、噴射範囲等の調整を比較的容
易に行える等の理由から、圧縮気体、特に圧縮空気を圧
縮流体として使用し、図示せざるコンプレッサ等の圧縮
空気供給源から導入された圧縮空気により、研磨材の噴
射を行っている。
【0044】この圧縮空気を使用した研磨材の噴射方式
としては、研磨材の充填された研磨材タンク内に圧縮空
気を導入して、研磨材タンクより圧縮空気と共に押し出
された研磨材を噴射ノズルから噴射する直圧式、研磨材
タンクから重力により落下した研磨材の流れに圧縮空気
の流れを合流させ、この圧縮空気により研磨材を加速し
て噴射ノズルから噴射する重力式、研磨材タンクからの
配管を圧縮空気が流れる配管に合流し、圧縮空気の噴射
により生ずる負圧により、研磨材を前記圧縮空気が流れ
る配管中に吸引・導入して圧縮空気と共に噴射ノズルか
ら噴射するサイホン式等の既知の各種方式のブラスト装
置を使用することができ、本実施形態にあっては、前述
のうち重力式のブラスト装置を使用している。
【0045】前記重力式のブラスト装置である本実施形
態の加工装置60にあっては、前記噴射ノズル70a,
70b,70c中には図示せざる圧縮流体の供給源から
の圧縮空気が導入される管路と、前記圧縮流体の供給源
と連通する管路と噴射方向において合流され、前記噴射
ノズル70a,70b,70cよりも高所に配置された
研磨材タンクからの研磨材が導入される管路が形成され
ており、前記噴射ノズル70a,70b,70cに供給
された圧縮流体により研磨材を加速して噴射するよう構
成されており、それぞれ異なる粒径及び/または硬度の
研磨材が充填された3つの研磨材タンク72a,72
b,72cと、前記研磨材タンク72a,72b,72
cのいずれか1に対して前記噴射ノズル70a,70
b,70cのいずれか1が連通されており、そして、前
記噴射ノズル70a,70b,70cのそれぞれに図示
せざる圧縮空気供給源からの圧縮空気が供給可能に構成
されている。
【0046】この噴射ノズル70a,70b,70cの
それぞれに対する圧縮空気の供給は、図示せざるフット
ペダル等による操作により、前記噴射ノズル70a,7
0b,70cのうち選択されたいずれか1の噴射ノズル
(例えば70a)に圧縮空気供給源からの圧縮空気が導
入されるとともに、前記選択された噴射ノズル70aに
対して圧縮空気が供給されている間は、他の噴射ノズル
70b,70cに対しては圧縮空気が導入されないよう
に構成されており、1の被加工物の加工処理において順
次前記噴射ノズル70a,70b,70cに圧縮空気を
供給することにより1の被加工物に対して順次異なる粒
径及び/又は硬度の研磨材を噴射し得るよう構成してい
る。
【0047】このように各噴射ノズル70a,70b,
70cより順次異なる種類の研磨材を噴射可能とするこ
とで、被加工物の表面段差の除去、段差の除去された後
の光造形物の表面凹凸の研磨及び除去、さらにその後に
行う仕上げ研磨等の加工段階にあわせて適宜噴射される
研磨材の粒径、硬度、形状等を変更することにより、被
加工物の表面を短時間で平滑な面とすることができ好適
である。
【0048】なお、前記研磨材タンク72a,72b,
72c内に充填される研磨材は、1の被加工物に対して
前記各工程で必要とされる分量の研磨材を充填し、各研
磨材タンク72a,72b,72c内に充填されている
研磨材が全て噴射されるまで噴射ノズル70a,70
b,70cに対して圧縮空気の供給を継続することで、
各工程で必要とされる分量の研磨材を正確に噴射するこ
とができる。
【0049】前記仕切板67により分割された他方の室
であるクリーニングチャンバ64内には、被加工物の表
面に付着した研磨材や該研磨材の吹付けの際に生じた粉
塵等を除去するためのクリーニング手段が配置されてお
り、このクリーニング手段として本発明の表面加工装置
は、例えば圧縮空気を噴射する図示せざるノズルや、前
記ノズルと共に又は前記ノズルに代えて液体槽内の液体
を超音波により振動させて液体槽中の液体に浸漬された
被加工物の表面に付着した研磨材や粉塵等を洗浄する既
知の超音波洗浄装置90が配置されている。
【0050】そして、前記研磨材の噴射と該クリーニン
グチャンバ64内での被加工物のクリーニングを連続し
た工程として行う場合には、前記仕切板67に形成され
た、扉を備えた受渡し口67aを介して研磨後の被加工
物をクリーニングチャンバ64内に投入し、前記ノズル
80及び/又は超音波洗浄装置90により被加工物をク
リーニングする。
【0051】なお、本発明の表面仕上げ加工装置60に
より処理される光造形物の光硬化型樹脂の硬化が不十分
な場合等に、前記研磨材の噴射による表面研磨に先立っ
て該部分に紫外線を照射して十分に硬化させるアフター
キュアを行い得る装置として既知の紫外線発生装置10
0を構成することもでき、本実施形態にあっては一例と
してこの紫外線発生装置としてウシオ電機株式会社製の
「ハンディキュア800」又は「ハンディキュア10
0」を使用している。
【0052】このように、ブラストチャンバ63に隣接
してクリーニングチャンバ64を設けることにより、被
加工物に対して研磨材を噴射して行う表面研磨と、該研
磨後のクリーニングを1の装置により連続した工程とし
て行うことができ、また、クリーニングチャンバ64内
に紫外線発生装置100を備える場合には、従来まった
く別の作業として行われていたアフターキュアの工程を
その後に行われる研磨材の噴射と連続して行うことがで
き、光造形物の表面加工に適した表面加工装置とするこ
とができる。
【0053】また、被加工物の表面研磨、クリーニング
と連続して研磨・クリーニング後の被加工物の表面を鏡
面状に仕上げる場合、被加工物の表面に塗料が塗布され
るが、前述のようにクリーニングチャンバ64内に紫外
線発生装置100を設けた場合、この塗料として常温硬
化型の塗料の他に紫外線硬化型の塗料を使用することが
でき、該塗料の硬化を被加工物の表面研磨、クリーニン
グと連続した一連の工程として行うことができる。
【0054】すなわち、前述のようにクリーニングチャ
ンバ64内に紫外線発生装置100を備える場合には、
紫外線硬化型塗料の塗布された被加工物に対して紫外線
を照射することができ、別途紫外線照射装置を設けるこ
となく紫外線硬化型塗料を使用することができる。従っ
て被加工物のアンダーコート、トップコートとして使用
する塗料の選択の幅を広げることができると共に、該塗
料の硬化の工程を本表面処理装置により一連の工程とし
て行うことができる。
【0055】前述のブラストチャンバ63及びクリーニ
ングチャンバ64の下部にはそれぞれホッパ68,68
が設けられ、ホッパ68,68の最下端は導管65を介
してダストコレクタ66に連結されている。
【0056】このダストコレクタ66は所謂サイクロン
であり、ダストコレクタ内の空気を排出する排風機69
を備えるとともに、逆円錐状に形成された下端部先端に
取り付けられたダスト回収用タンク74を備えており、
前記排風機69を回転しダストコレクタ66内の空気を
外気へ放出することで、この排風機69によりブラスト
装置60のブラストチャンバ63、クリーニングチャン
バ64、及び導管65内の空気が吸引され、各部がそれ
ぞれ負圧になり、また、図示せざる圧縮空気供給源から
供給された空気がブラストチャンバ63又はクリーニン
グチャンバ64内で噴射ノズル等を介して噴射されるの
で、ブラストチャンバ63又はクリーニングチャンバ6
4から順に導管65、ダストコレクタ66へ向かう気流
が生じる。
【0057】そして、前述のようにして生じた気流によ
り、ブラストチャンバ63及びクリーニングチャンバ6
4内で噴射ないしは除去された研磨材、粉塵等がダスト
コレクタ66内に搬送され、ダストコレクタ66の下方
に落下し、ダストコレクタ66の下端に設けられたダス
ト回収用タンク74内に回収され、廃棄される。
【0058】本実施形態にあっては、前記タスト回収用
タンク74をポリエチレン等により形成し、回収された
研磨材が充填された状態で該タンク74ごと廃棄し得る
よう構成している。
【0059】なお、本発明の表面仕上げ加工装置60に
あっては、ブラストチャンバ63内で噴射された研磨材
及びクリーニングチャンバ64内で被加工物の表面より
除去された研磨材は、ブラスト加工によって生じた粉塵
等と共に全てダストコレクタ66のダスト回収用タンク
74内に回収され、一度使用された研磨材を再度研磨材
タンク72内に循環させて使用することなく廃棄してい
る。
【0060】このように、研磨材を使い捨てとして使用
するのは、噴射された際に割れた研磨材や、研磨材の噴
射により生じた粉塵が混入し、また、複数種類の研磨材
が混入した研磨材を使用せず、未使用の研磨材を使用す
ることで研磨材の粒径、品質等を一定に保ち、このよう
に一定品質の研磨材により加工することにより被加工物
の表面研磨の正確を期すためである。
【0061】以上に説明した本発明の光造形物の表面加
工装置を使用して光造形物の表面加工を行った例を示す
と、以下の通りである。
【0062】(1)準備及び前処理 先ず、被加工物である光造形物の加工段階にあわせて噴
射される研磨材を研磨材タンク72(72a,72b,
72c)内に充填する。充填される研磨材としては、ア
ルミナ、ガラス、ガーネット、ザクロ石、その他種々の
材質の研磨材を使用することができるが、本実施形態に
あっては、一例としてアルミナ砥粒、ガラスビーズを研
磨材として使用している。
【0063】1の被加工物に対して、一種類の研磨材の
噴射のみにより表面加工を終了する場合には、いずれか
1の研磨材タンク(72a,72b,72c)内に噴射
される研磨材を充填するのみでよいが、被加工物の加工
段階、例えば、段差の除去、該段差の除去された被加工
物の表面凹凸の研磨及び除去、並びにその後の仕上げ研
磨等の各工程に応じて1の被加工物に対して粒径及び/
又は硬度の異なる研磨材を順次噴射する場合には、各工
程で噴射される研磨材をそれぞれ各研磨材タンク72
a,72b,72c内に充填する。
【0064】なお、研磨材タンク72a,72b,72
cには、1の被加工物に対して各加工の段階に応じてそ
れぞれ噴射される分量の研磨材を充填し、噴射ノズル7
0a,70b,70cに順次各研磨材タンク72a,7
2b,72c内の研磨材がなくなるまで圧縮空気を供給
して、1の被加工物に対する各工程の研磨材の噴射を終
了することもできる。
【0065】以上のように、研磨材タンク内に研磨材を
充填後、被加工物である光造形物を投入口62よりキャ
ビネット61内に投入し、該被加工物の表面加工を行う
が、被加工物である光造形物の光硬化型樹脂の硬化の不
十分な箇所がある場合であって、本発明の表面仕上げ加
工装置60がクリーニングチャンバ64内に紫外線発生
装置100を備える場合には、まず前記被加工物をクリ
ーニングチャンバ64内に投入し、ブラスト加工に先立
って被加工物の表面に紫外線を照射して被加工物を十分
に硬化させる(アフターキュア)。
【0066】(2)加工段階 このようにして十分に硬化された被加工物は、仕切板6
7に設けられた受渡し口67aを介してブラストチャン
バ63内に投入されて研磨材が噴射される。
【0067】該研磨材の噴射による被加工物の表面研磨
は、1種類の研磨材の噴射により行うこともできるが、
好適には1の被加工物に対してその加工段階に応じて順
次粒径及び/又は硬度等の異なる少なくとも2種類の研
磨材を噴射すれば好適であり、好ましくは最終に噴射さ
れる研磨材を球状のものとする。
【0068】一例として、該研磨材の噴射は、♯100
〜200のアルミナ砥粒を噴射して被加工物の表面段差
を除去した後、♯350〜450のアルミナ砥粒を噴射
して、前記表面段差の除去された被加工物の凹凸を研磨
して除去し、さらに♯250〜350のガラスビーズを
噴射して被加工物の仕上げ研磨を行う3工程により行う
ことができる。
【0069】このときの研磨材の噴射条件は、一例とし
てノズル径φ5mm前後の小径の噴射ノズル70(70
a,70b,70c)を使用し、噴射圧力0.3〜0.
5Mpa、噴射ノズルと被加工物間の距離100〜150m
mで、各研磨材の噴射時間は30〜90秒である。な
お、この加工条件は、被加工物のサイズ、材質、その他
の条件により種々変更可能である。
【0070】なお、研磨材の噴射条件を変更することに
より、前述の3工程より成る研磨材の噴射中、中間にお
ける♯350〜450のアルミナ砥粒の噴射を省略し
て、♯100〜200のアルミナ砥粒を噴射して表面段
差を除去した後、♯250〜350のガラスビーズを噴
射して、段差の除去された後の被加工物の表面凹凸の除
去と仕上げ研磨を同時に行うこともできる。
【0071】また、前記各工程における研磨材の噴射角
度は、被加工物の表面に形成された突起部分16の頂点
を結んだ線に対して略平行な角度、又は被加工物を形成
する各層の頭部を成す面(頭部平面12)に対して45
°の角度で噴射する(図6参照)。
【0072】(3)後処理段階 以上のようにして研磨材が噴射されて表面加工の終了し
た光造形物は、その後クリーニングチャンバ64内に投
入され、前述の研磨材の噴射により表面に付着した研磨
材や粉塵等が除去される。
【0073】この被加工物のクリーニングは、表面加工
の終了した光造形物の表面にノズル等を向けて表面がク
リーニングされるまで適宜圧縮空気等の圧縮流体を噴射
し、また、クリーニングチャンバ64内に超音波洗浄装
置90が備えられている場合には、前述の圧縮空気等の
噴射により表面の付着物をあらかた除去した後に、又は
前記圧縮空気等の噴射を行わずに直接被加工物を超音波
洗浄装置90の液体槽内に浸漬し、適宜の時間超音波洗
浄を行う。
【0074】このように、クリーニングチャンバ64内
に超音波洗浄装置90を備える場合には、圧縮空気等の
噴射のみでは除去し難いボス、リブ、スリットの隙間等
に詰まった汚れを容易に除去することができ、好適であ
る。
【0075】このようにしてクリーニングの終了した被
加工物は、本発明の表面仕上げ加工装置60のキャビネ
ット61内より取り出され、表面を鏡面状とする必要が
ある被加工物に対してはクリアラッカ等を表面に塗布し
て表面加工が終了する。
【0076】被加工物の表面に塗布される塗料として紫
外線硬化型塗料を使用する場合、クリーニングチャンバ
64内に紫外線発生装置100を備える本発明の表面加
工装置60にあっては、この紫外線硬化型塗料の硬化を
前記紫外線発生装置による紫外線の照射により行うこと
ができ、好適である。
【0077】そして、前述のようにして表面加工が施さ
れた被加工物は、デザインモデル、ワーキングモデル、
マスターモデル、ダイレクト型等として使用される。
【0078】〔試験例〕次に、本発明の方法により光造
形物に研磨材を噴射して表面仕上げ加工を行った結果を
試験例として以下に示す。
【0079】(1)テストピース NTTデータシーメット株式会社製の光造形システム
「SOUP」を使用して製造された積層角度の異なる4
種類のテストピース(テストピースA:90°,テスト
ピースB:60°,テストピースC:30°,テストピ
ースD:0°)に対して、表面仕上げ加工を行った。
【0080】なお、使用したテストピースの外形はそれ
ぞれ100×100×10mm、積層ピッチ(Z)を0.
1mmとした。
【0081】この4種類のテストピースの断面モデルを
図示すれば、図3に示す通りである。
【0082】図3において、光造形物の各層を形成する
断面弾丸形状の樹脂層は、頭部平面の幅約0.1mm、高
さ約0.3mmである。
【0083】(2)試験条件 以上の4種類のテストピースに対して、以下の加工条件
で表面処理を行った。
【0084】 加工例1:アルミナ砥粒(♯150)をノズル径φ5mm
の噴射ノズルより噴射圧力0.5Mpa 、ノズル間距離1
00mmで90秒間噴射。 加工例2:アルミナ砥粒(♯150)をノズル径φ5mm
の噴射ノズルより噴射圧力0.5Mpa、ノズル間距離1
00mmで60秒間噴射後、ガラスビース(♯300)を
ノズル径φ5mmの噴射ノズルより噴射圧力0.5Mpa、
ノズル間距離100mm、で60秒間噴射。 加工例3:アルミナ砥粒(♯150)をノズル径φ5mm
の噴射ノズルより噴射圧力0.5Mpa、ノズル間距離1
00mmで90秒間噴射後、表面にクリアラッカを35〜
45μm塗布。
【0085】なお、前記研磨材の噴射は、積層角度60
°のテストピース(テストピースB)、積層角度30°
のテストピース(テストピースC)に対しては光造形物
の表面段差の突起部先端を結んだ線と略平行とした角度
で行い、積層角度90°のテストピース(テストピース
A)、積層角度0°のテストピース(テストピースD)
に対しては、被加工物を形成する各層の頭部を成す平面
に対して45°の角度で噴射した。
【0086】以上の結果、テストピースA(90°)、
テストピースB(60°)、テストピースC(30°)
において、上記加工例1〜加工例3のいずれの加工条件
により加工されたテストピースについても、未処理のテ
ストピースに比較して表面を平坦とすることができた。
従って、本発明の表面加工方法によれば、光造形物の段
差積層面を良好に加工し得ることが確認できた。
【0087】なお、前記各加工条件において最も好適な
結果を得た加工例2の加工を行った各テストピースと、
未処理のテストピースにおける最大高さ(RMAX)(JISB
0601)、ピークカウント(Pc)数を指標とした比較結果
は、下記の通りである。
【0088】なお、ここにピークカウント(Pc)とは、
粗さ曲線からその中心線方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜取り部分の中心線と平行に正負両方向に一
定の基準レベルHの直線を設け、負の直線を越えた後、
正の直線を越えたときに1カウントし、この方法で測定
長さLに達するまでカウントを行ったときの総カウント
数をあらわす(図4参照)。
【0089】
【0090】表1に示すように、段差積層面を有するテ
ストピースA〜Cについては、いずれもRMAXの10
%以上の減少が見られ、特にテストピースA及びBにつ
いては、RMAX及びピークカウント(Pc)のいずれに
ついても減少が見られた。
【0091】なお、目視の結果、未処理のテストピース
及び加工例1により処理されたテストピースの表面は、
光が乱反射して白濁して見えたが、加工例2及び加工例
3により処理されたテストピースは、表面が透明感を帯
びていることから、加工例2により被加工物の表面に対
して最終に噴射される研磨材を球状の研磨材とした場合
には、加工例3により表面にクリアラッカの塗布された
被加工物と同様にその表面は乱反射の生じない程平坦に
研磨されているものと考えられる。
【0092】このような被加工物の表面状態は、被加工
物に対して球状の研磨材であるガラスビーズを噴射した
結果、該ガラスビーズが衝突した被加工物の表面が潰さ
れて平坦になるためであると考えられる。したがって、
被加工物の表面に最終に噴射される研磨材を球状のもの
とした場合には、被加工物の表面をより平坦に加工し得
ることが確認できた。
【0093】
【発明の効果】前述の構成により、光造形物の表面に形
成された段差を熟練を要さず比較的簡単かつ短時間で除
去し、被加工物である光造形物の表面を平坦で外観上の
見栄えがすると共に、マスタモデルやダイレクト型とし
て使用することができ、さらに塗装を施した際に液垂れ
の生じ難いものとすることのできる光造形物の表面仕上
げ加工方法及び装置を提供することができた。
【0094】また、ブラストチャンバー及びクリーニン
グチャンバーを備え、前記クリーニングチャンバー内に
超音波洗浄装置及び/又は紫外線発生装置を備えた本発
明の仕上げ加工装置によれば、光造形物の表面研磨の工
程と、該表面処理後のクリーニング工程、及び、前記各
工程に先立って行うアフターキュアの工程を一連の工程
として行うことができ、光造形物の表面仕上げ加工を短
時間で行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面仕上げ加工装置の正面概略図。
【図2】 表面仕上げ加工装置の左側面概略図。
【図3】 試験例におけるテストピースの断面拡大概略
図。
【図4】 ピークカウント(Pc)の説明図。
【図5】 光造形法の概念図。
【図6】 光造形物の段差積層面の拡大概略図。
【図7】 従来例の表面仕上げ加工における各工程の被
加工物の断面を示した概略図であり、(A)は目止め、
(B)は下塗り、(C)は研磨、(D)は上塗りの各工
程を示す。
【符号の説明】
60 表面仕上げ加工装置 61 キャビネット 62 投入口 63 ブラストチャンバ 64 クリーニングチャンバ 65 配管 66 ダストコレクタ 67 仕切板 67a 受渡し口 68 ホッパ 69 排風機 70 噴射ノズル(ブラスト用) 72(72a,72b,72c) 研磨材タンク 74 ダスト回収用タンク 80 ノズル(クリーニング用) 90 超音波洗浄装置 100 紫外線発生装置

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光造形法により形成された光造形物の段
    差積層面に対して研磨材を噴射することを特徴とする光
    造形物の表面加工方法。
  2. 【請求項2】 前記研磨材の噴射を、光造形物の段差積
    層面の表面粗さが最大高さ及び/又はピークカウントで
    10%以上減少する迄行う請求項1記載の光造形物の表
    面加工方法。
  3. 【請求項3】 前記研磨材の噴射を、研磨材の粒径及び
    /又は硬度を変更して複数回行う請求項1又は2記載の
    光造形物の表面加工方法。
  4. 【請求項4】 前記研磨材の噴射は、光造形物の段差積
    層面に対して研磨材を噴射する第1の工程と、 前記第1工程後の光造形物の表面に、前記第1の工程で
    噴射された研磨材よりも粒径が小さく、硬度の低い研磨
    材を噴射する第2の工程より成る請求項3記載の光造形
    物の表面加工方法。
  5. 【請求項5】 前記研磨材の噴射は、光造形物の段差積
    層面に対して研磨材を噴射する第1の工程と、 前記第1の工程により研磨された光造形物の表面に、前
    記第1の工程で噴射された研磨材より粒径が小さい研磨
    材を噴射する第2の工程と、 前記第2工程後の光造形物の表面に対して、前記各工程
    で噴射された研磨材より硬度が低く、前記第1の工程で
    噴射された研磨材より粒径が小さく、かつ第2の工程で
    噴射された研磨材より粒径の大きい研磨材を噴射する第
    3工程より成る請求項3記載の光造形物の表面加工方
    法。
  6. 【請求項6】 光造形物に対して最終に噴射される研磨
    材を球状の研磨材とした請求項3,4又は5いずれか1
    項記載の光造形物の表面加工方法。
  7. 【請求項7】 前記研磨材の噴射を、光造形物の段差積
    層面に形成された段差の突出部先端を結んだ線と略平行
    の噴射角度で行う請求項1〜6いずれか1項記載の光造
    形物の表面加工方法。
  8. 【請求項8】 前記研磨材の噴射を、光造形物の各層の
    頭部を成す面に対して45°の角度で行う請求項1〜6
    いずれか1項記載の光造形物の表面加工方法。
  9. 【請求項9】 処理対象である光造形物の表面に紫外線
    を照射した後に前記の研磨材の噴射を行うことを特徴と
    する請求項1〜8いずれか1項記載の光造形物の表面加
    工方法。
  10. 【請求項10】 研磨材タンク内に充填された研磨材を
    圧縮流体により加速して噴射する研磨材の噴射方法にお
    いて、複数の研磨材タンクのそれぞれに、粒径及び/又
    は硬度の異なる研磨材を充填すると共に、前記各研磨材
    タンク内の研磨材を順次噴射するの請求項3〜6いずれ
    か1項記載の光造形物の表面加工方法。
  11. 【請求項11】 内部に作業空間を備えるキャビネット
    と、前記キャビネット内に配置され、研磨材を被加工物
    に噴射する複数の噴射ノズルと、それぞれが別個の前記
    噴射ノズルの1に連通されて該連通された噴射ノズルに
    研磨材を供給する、粒径及び/又は硬度の異なる研磨材
    が充填された複数の研磨材タンクを備えるとともに、 適宜に選択されたいずれかの研磨材タンク内の研磨材を
    加速して前記選択された研磨材タンクと連通する噴射ノ
    ズルより噴射する圧縮空気供給源を備えたことを特徴と
    する光造形物の表面加工装置。
  12. 【請求項12】 前記キャビネット内の作業空間を2室
    に分割し、分割された一方の室に研磨材を噴射する前記
    噴射ノズルを配置してブラストチャンバと成すと共に、
    他方の室にブラスト加工後の被加工物を掃除する手段を
    設けてクリーニングチャンバとした請求項11記載の光
    造形物の表面加工装置。
  13. 【請求項13】 前記ブラストチャンバ及びクリーニン
    グチャンバ間を相互に気密に分割する仕切板を設けた請
    求項12記載の光造形物の表面加工装置。
  14. 【請求項14】 前記クリーニングチャンバ内に圧縮流
    体を噴射するノズル及び/又は超音波洗浄装置を設けた
    請求項12又は13記載の光造形物の表面加工装置。
  15. 【請求項15】 前記クリーニングチャンバ内に紫外線
    発生装置を設けた請求項12〜14のいずれか1項記載
    の光造形物の表面加工装置。
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Cited By (4)

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KR100572994B1 (ko) 2005-01-26 2006-04-24 (주)유창금속 금형 자동 다듬질 장치
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