JPH11179408A - 圧延機の駆動装置及びその制御方法 - Google Patents

圧延機の駆動装置及びその制御方法

Info

Publication number
JPH11179408A
JPH11179408A JP9352709A JP35270997A JPH11179408A JP H11179408 A JPH11179408 A JP H11179408A JP 9352709 A JP9352709 A JP 9352709A JP 35270997 A JP35270997 A JP 35270997A JP H11179408 A JPH11179408 A JP H11179408A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
drive
oil
rolling mill
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9352709A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3285805B2 (ja
Inventor
Toshiyuki Kajiwara
利幸 梶原
Yoshio Takakura
芳生 高倉
Kenji Yamamoto
憲二 山本
Takayoshi Matsuyama
隆義 松山
Yoshihiro Maekawa
義博 前川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP35270997A priority Critical patent/JP3285805B2/ja
Publication of JPH11179408A publication Critical patent/JPH11179408A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3285805B2 publication Critical patent/JP3285805B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B35/00Drives for metal-rolling mills, e.g. hydraulic drives
    • B21B35/14Couplings, driving spindles, or spindle carriers specially adapted for, or specially arranged in, metal-rolling mills

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】過負荷トルクに対して、任意の設定トルク値で
トルク伝達を解除できる圧延機の駆動装置及びその制御
方法を提供することにある。 【解決手段】モータ40からの入力トルクは、駆動機の
出力ギアシャフトA,32Bにより減速してスピンドル
20A,Bに伝達され、ミルロール10A,Bに伝達さ
れる。該出力ギアシャフトと該スピンドルの間には、油
圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体を
有する過負荷防止装置100A,Bが備えられる。油圧
ポンプ50から油が、ロータリジョイント60A,Bを
介して、該過負荷防止装置に供給される。トルク検出器
80A,Bによって検出されたトルクが、予め設定され
ている値よりも大きいとき、制御手段200は、方向制
御弁54A,Bの流路を切り替えて油をリリーフする。
また、該制御手段は、圧延条件に応じて、トルク伝達遮
断設定トルク値を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機の駆動装置
及びその制御方法に係り、特に、油圧により発生する締
付けトルクを利用した継手組立体を用いる圧延機の駆動
装置及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な圧延機の駆動装置においては、
主モータの圧延トルクは、駆動減速機の各ギア,スピン
ドルカップリングを介して、圧延ロールへ伝達される構
成となっている。ここで、駆動系の強度は、一般には、
最大圧延トルクに対して安全率を考慮して設定される
が、圧延機の場合、板切れ等に起因するトルク変動,過
剰負荷が発生する場合が有り、駆動系強度を大きくする
必要がある。駆動系強度を増大する際に問題になってく
るのが、スピンドルの強度である。一般に、スピンド
ル,特に、ユニバーサルジョイントタイプのスピンドル
カップリングの場合、クロスピン部の各要素,例えば、
クロスピン,キャップボルト,キャップ等の各強度や、
ニードルベアリングの強度を増加させる必要が生じる。
これらの強度を増加させるには、ユニバーサルジョイン
ト部のスイング径を増大する必要がある。
【0003】しかし、近年、HCミル,UCミルを始め
とする小径の作業ロールを有する圧延機の発展に伴い、
ミル側の制約において、ユニバーサルジョイント部のス
イング径を制約される状況となっている。従って、小径
作業ロールを有する圧延機のユニバーサルジョイントス
ピンドルでは、スイング径を大きくすることにより、過
剰負荷に対する駆動系保護を行うことができないため、
過負荷防止装置を駆動系に設置するようにしている。
【0004】従来の圧延機の駆動装置において、加減速
過時,板切れ時,その他諸因子に起因する過負荷による
駆動系破損を防止する過負荷防止装置として、シャーボ
ルトを用いた機構が知られている。シャーボルトは、ミ
ル駆動減速機と主モータを連結するギアカップリング、
若しくは、駆動減速機とミルロールとを連結するユニバ
ーサルジョイントタイプ若しくはギアカップリングタイ
プのスピンドルカップリングに、用いられている。
【0005】シャーボルトは、ネック部が強度上最弱部
と成っており、このネック部のせん断強度を任意に設定
することにより、破断設定トルク値を設定する構造であ
る。シャーボルトの破断設定トルクを、駆動系の最弱部
に対して任意の安全率を有したトルク値に設定すること
により、駆動系を過負荷トルクから保護するようにして
いる。
【0006】しかしながら、シャーボルトのネック部の
疲労強度を、圧延時での常用伝達トルクによる公称応力
に対して安全率を有する値に設定する必要性が有り、シ
ャーボルトネック部では、単純に駆動系の最弱部強度よ
り決定される必要ネック強度より高い強度が必要とな
る。従って、破断設定トルクは、必然的に高くなる。破
断設定トルクに更に安全率を有する値で駆動系最弱部強
度を決定されることを考慮すれば、駆動系が、高強度,
即ち、大型化重量化を招くわけである。
【0007】また、シャーボルトの破断強度の個体差で
のばらつきにより、個体差範囲の最下点にたいして余裕
を有する設定値をとる必要がある。
【0008】また、シャーボルトのへたり等の径年変化
により、シャーボルトネック部の純せん断応力だけでは
なく曲げ応力も付与される様になり、当初設定破断トル
クに対して、低いトルクで破断する可能性がある。
【0009】これらにより、駆動系の強度上の限界トル
クと、破断設定トルクを、必要以上に広げる必要があ
り、これは、逆に駆動系の強度を主にして考慮すると、
より低い破断設定トルク値で使用することになり、圧延
での常用伝達トルクに、破断設定トルク値が接近するた
めに、シャーボルトネック部のせん断疲労限での強度上
の制約が大きくなる。
【0010】このようなシャーボルトの問題を解決する
方法として、例えば、特開昭52ー102965号公報
や、特開昭55ー10191号公報に記載されている油
圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体を
用いる圧延機の駆動装置が知られている。
【0011】継手組立体は、カップリングと外スリーブ
間には挟まれる様に内スリーブが存在しており、油圧チ
ャンバ内の油圧により、外スリーブは内面部に膨張する
ので、カップリングと内スリーブ間では外スリーブの締
め付け力により、面圧が生じ、摩擦力により、トルク伝
達が可能となる。過負荷が生じた時は、カップリングと
内スリーブ間の静止摩擦係数による表面摩擦力による保
持トルクより、過負荷トルクが大きくなると、カップリ
ングと内スリーブは滑りを生じ、シャープラグを破断す
ることにより油圧をリリーフするようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た油圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立
体においては、油圧チャンバの設定圧力の設定値によ
り、過負荷時の解放トルクを設定するようにしている
が、油は、オイルニップルから油圧チャンバに供給され
るため、油圧を頻繁に変えることは困難であり、圧延諸
条件に応じて、設定値を任意に変化させることができな
いという問題があった。
【0013】本発明の目的は、過負荷トルクに対して、
任意の設定トルク値でトルク伝達を解除できる圧延機の
駆動装置及びその制御方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、モータからの入力トルクを減速し
て伝達する駆動機と、この駆動機の出力トルクをミルロ
ールに伝達するスピンドルと、上記駆動機の出力軸と上
記スピンドルの間に配置され、油圧により発生する締付
けトルクを利用した継手組立体を有する過負荷防止装置
とを有する圧延機の駆動装置において、上記駆動機の出
力軸に設けられた回転継手と、この回転継手を介して上
記継手組立体に油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポ
ンプから上記継手組立体に接続される流路と上記継手組
立体からの油をリリーフする流路とを切替える方向制御
弁と、上記スピンドル若しくは上記駆動機の出力軸のト
ルクを検出するトルク検出器と、予め設定されているト
ルク伝達遮断設定トルク値よりも検出されたトルク値が
大きいとき、上記方向制御弁の流路を切り替えて上記継
手組立体からの油をリリーフするとともに、圧延条件に
応じた複数のトルク伝達遮断設定トルク値を有し、圧延
条件に応じて、これらのトルク伝達遮断設定トルク値を
選択する制御手段とを備えるようにしたものである。か
かる構成により、過負荷トルクに対して、任意の設定ト
ルク値でトルク伝達を解除し得るものとなる。
【0015】(2)上記(1)において、好ましくは、
さらに、上記ミルロールによって圧延される板の板切れ
を検出する板切れ検出手段を備え、上記制御手段は、こ
の板切れ検出手段によって板切れが検出されると、上記
方向制御弁の流路を切り替えて上記継手組立体からの油
をリリーフするようにしたものである。かかる構成によ
り、板切れ時にも、トルク伝達を解除し得るものとな
る。
【0016】(3)上記(1)において、好ましくは、
上記駆動機は、ローラ同士を押し付けることによりトル
クを伝達する構成であるとともに、上記検出手段によっ
て過負荷状態が検出されると、ローラの押付力を小さく
してトルク伝達を遮断する第2の制御手段を備え、上記
制御手段が上記継手組立体からの油をリリーフするとき
の設定値を、上記第2の制御手段がトルク伝達を遮断す
るときの設定値よりも小さくするようにしたものであ
る。かかる構成により、過負荷時の駆動系の保護の安全
性を向上し得るものとなる。
【0017】(4)上記目的を達成するために、本発明
は、モータからの入力トルクを減速して伝達する駆動機
の出力軸と、この駆動機の出力トルクをミルロールに伝
達するスピンドルスピンドルの間に配置され、油圧によ
り発生する締付けトルクを利用した継手組立体を有する
過負荷防止装置を有する圧延機の駆動装置の制御方法に
おいて、上記スピンドル若しくは上記駆動機の出力軸の
トルクを検出し、予め設定されているトルク伝達遮断設
定トルク値よりも検出されたトルク値が大きいとき、上
記継手組立体からの油をリリーフするとともに、圧延条
件に応じた複数のトルク伝達遮断設定トルク値を有し、
圧延条件に応じて、これらのトルク伝達遮断設定トルク
値を選択するようにしたものである。かかる方法によ
り、過負荷トルクに対して、任意の設定トルク値でトル
ク伝達を解除し得るものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を用いて、本
発明の一実施形態による圧延機の駆動装置について説明
する。図1は、本発明の一実施形態による圧延機の駆動
装置の全体構成を示す構造図であり、図2は、本発明の
一実施形態による圧延機の駆動装置に用いる過負荷防止
装置の拡大構造図である。
【0019】図1において、板を圧延するミルロール1
0Aは、ベアリング12A,14Aにより支持されてお
り、ミルロール10Bは、ベアリング12B,14Bに
より支持されている。ミルロール10Aの軸端部には、
カップリング16Aのクロスピンジョイント部18Aを
介して、スピンドル20Aが連結されている。また、ミ
ルロール10Bの軸端部には、カップリング16Bのク
ロスピンジョイント部18Bを介して、スピンドル20
Bが連結されている。
【0020】スピンドル20Aは、クロスピンジョイン
ト部22Aを介して、駆動減速機の出力ギアシャフト3
2Aに連結されている。また、スピンドル20Bは、ク
ロスピンジョイント部22Bを介して、駆動減速機の出
力ギアシャフト32Bに連結されている。出力ギアシャ
フト32Aは、出力ギアシャフト32Bに結合され、出
力ギアシャフト32Bは、入力ギアシャフト34に結合
されている。出力ギアシャフト32A,32B及び入力
ギアシャフト34は、それぞれ、ベアリング36,3
6’,37,37’,38,38’により、駆動軸ケー
シング30に支持されている。
【0021】入力ギアシャフト34は、ギアカップリン
グ42を介して、ミルモータ40と連結されている。ミ
ルモータ40の駆動力は、入力ギアシャフト34,出力
ギアシャフト32A,32B,スピンドル20A,20
Bを介して、ミルロール10A,10Bに伝達され、ミ
ルロール10A,10Bが駆動される。
【0022】ここで、ミルロール10A,10Bにおけ
る噛み込みや、ロール径差によるトルク循環等の過負荷
トルクが発生した場合に駆動系を保護する機構として、
過負荷防止装置100A,100Bが、スピンドル20
A,20Bと出力ギアシャフト32A,32Bの間にそ
れぞれ設けられている。過負荷防止装置100A,10
0Bの詳細構造については、図2を用いて後述するが、
油圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体
を含む構造となっている。
【0023】次に、過負荷防止装置100A,100B
に対する給油構造について説明する。油圧ポンプ50よ
り高圧に設定された油は、減圧弁52を経て、方向制御
弁54A,54Bにより、プレッシャセル56A,56
Bによって検出される給油油圧値が所望の油圧(設定開
放トルクにおける油圧)になる様に制御する。減圧弁5
2,方向制御弁54A,54B及びプレッシャセル56
A,56Bは、それぞれ、給油配管58により接続され
ている。なお、方向制御弁54A,54Bに代わり、高
応答特性を有する流量制御弁を設置することも可能であ
る。
【0024】方向制御弁54A,54Bより吐出された
油は、給油配管58を経由して、ロータリージョイント
60A,60Bに接続される。駆動系は回転体なので、
回転差を有する軸へ給油が可能なロータリジョイント6
0A,60Bをギア出力軸32A,32Bのミルモータ
側端部中心へ設けることにより、ギア出力軸32A,3
2Bの中心に設けて有る給油穴62A,62Bに油を供
給することが可能となる。給油穴62A,62Bは、給
油配管64A,64Bを介して、過負荷防止装置100
A,100Bに接続されており、過負荷防止装置100
A,100Bに所望の油圧を供給することができる。
【0025】本実施形態においては、伝達トルクを検出
する手段として、スピンドル20A,20Bには、トル
ク検出器80A,80Bが設けられている。また、出力
ギアシャフト32A,32Bには、トルク検出器82
A,82Bが設けられている。トルク検出器80A,8
0B,82A,82Bは、スピンドル20A,20B若
しくギアシャフト32A,32Bの軸部ネジリ応力よ
り、トルク値を検出するものである。トルク検出器80
A,80B,82A,82Bによって検出されたトルク
は、制御手段200に入力する。トルク検出器80A,
80B,82A,82Bから制御手段200への検出信
号の伝達方法としては、FMトランスミッタを用いる非
接触式のものや、スリップリングを用いる接触式もの用
いられる。
【0026】制御手段200は、トルク検出器80A,
80B,82A,82Bによって検出されたトルクが、
予め設定されているトルク伝達遮断設定トルクよりも大
きくなると、方向制御弁54A,54Bを制御して、過
負荷防止装置100A,100Bに供給されている油を
タンク59側にリリーフして、スピンドル20A,20
Bと出力ギアシャフト32A,32B間の動力伝達を遮
断して、駆動系を保護する。
【0027】ホストコンピュータ300は、圧延機の制
御を司るものであり、通常圧延や、加減速の制御を行う
とともに、通常圧延であることや加減速時であることを
示す圧延条件信号を制御手段200に出力している。制
御手段200は、ホストコンピュータ300から入力す
る圧延条件信号に基づいて、トルク伝達遮断設定トルク
を変えるようにしている。例えば、通常圧延時には、ト
ルク伝達遮断設定トルクは、必要圧延トルクに安全率を
乗じたトルク値に設定される。また、加減速時には、ト
ルク伝達遮断設定トルクは、通常圧延時の設定トルク値
よりも大きなトルク値を設定する。このようにして、圧
延の諸条件に応じて油圧を制御することにより、所望の
設定遮断トルクを任意に設定することが可能となる。
【0028】なお、トルク検出器80A,80B及び,
トルク検出器82A,82Bは、いずれか一方のみを用
いるようにしてもよいものである。また、トルク検出器
としては、軸部ネジリ応力を検出方法以外のものであっ
てもよいものである。
【0029】また、本実施形態においては、板切れを検
出する板切れ検出手段90を備えている。板切れ検出手
段90としては、例えば、張力計を用い、張力計によっ
て検出された張力が零になったことにより板切れを検出
したり、板厚計の信号により板切れを検出する。板切れ
検出手段90によって検出された板切れ信号は、制御手
段200に入力する。
【0030】制御手段200は、板切れ検出手段90に
よって板切れ状態が検出されると、方向制御弁54A,
54Bを制御して、過負荷防止装置100A,100B
に供給されている油をリリーフして、スピンドル20
A,20Bと出力ギアシャフト32A,32B間の動力
伝達を遮断して、駆動系を保護する。
【0031】トルク伝達開放後の復帰作業は、制御手段
200を用いて方向制御弁54A,54Bを切替え、過
負荷防止装置100A,100Bに供給する油圧を高く
することにより、容易に行うことができ、従って、復旧
のための人的作業が不要となり、設備生産性も向上す
る。
【0032】また、伝達トルクが過負荷トルクの設定値
を越えた段階で、伝達トルクが、トルク伝達遮断設定ト
ルク値より低くなるまで、油圧を開放するようにしてい
るので、油圧により発生する締付けトルクを利用した継
手組立体を用いる過負荷保護装置の摩擦係数の経年変化
については一切影響がなく、安定した過負荷時伝達開放
が可能である。
【0033】なお、上下スピンドル間での循環トルク
や、片側ミルロールへのコブル等による過負荷トルクに
対しては、上下スピンドルの回転速度を検出する手段を
設けて、上下回転差より油圧を開放する制御することも
できる。
【0034】次に、図2を用いて、本実施形態による油
圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体を
含む過負荷防止装置100の構造について説明する。な
お、図1と同一符号は、同一部分を示しており、過負荷
防止装置100は、図1に示した過負荷防止装置100
A,100Bと同じものである。
【0035】過負荷防止装置100は、クロスピンジョ
イント部22を介して接続されるスピンドル20と出力
ギアシャフト32の間に設けられており、ミルロール1
0に過負荷トルクが発生した場合に、スピンドル20と
出力ギアシャフト32の間の動力伝達を遮断するように
している。そのために、過負荷防止装置100は、油圧
により発生する締付けトルクを利用した継手組立体を含
む構造となっている。
【0036】継手組立体は、クロスピンジョイント部2
2に連結されたカップリング110と、出力ギアシャフ
ト32に連結された内スリーブ120と、内スリーブ1
20に対して、適度な締め代によりやきばめされている
外スリーブ130とによって構成されている。カップリ
ング110と内スリーブ120間は、適度な隙間を有し
ている。カップリング110は、ベアリング140によ
り外スリーブ130に支持され、ベアリング145によ
り内スリーブ120に支持されている。
【0037】外スリーブ130の内部には、油圧チャン
バー132が円周上に設けてある。油圧チャンバー13
2は、配管継手150により給油配管64に接続され、
給油配管64は、配管継手152により出力ギアシャフ
ト32内に設けられた給油穴62に接続されている。給
油穴62は、図1において説明したように、油圧ポンプ
50に接続されており、油圧チャンバー132内に給油
することができる。
【0038】油圧チャンバー132は、内側が外側に比
較して薄肉化する位置に設けられているので、油圧をか
けると、強度上弱い内側に外スリーブ130は膨脹す
る。この膨脹作用により、カップリング110と内スリ
ーブ120との間、内スリーブ120と外スリーブ13
0との間の各接触面に、油圧値に応じた面圧が発生して
摩擦力が発生する。この摩擦力により、出力ギアシャフ
ト32とスピンドル20の間にトルクを伝達する。
【0039】ここで、油圧チャンバー132に供給する
油圧の設定値を適宜設定することにより、所望の設定ト
ルクにおいて、カップリング110と内スリーブ120
間の接触面面圧は消滅して、初期隙間に戻り、カップリ
ング110と内スリーブ120との間がスリップするこ
とにより、完全にトルク伝達は遮断されて、設定トルク
値での駆動系保護が可能となる。
【0040】この時、カップリング110には油ミゾ1
12が形成されており、ここに封じ込められていた潤滑
油が、油圧開放と共に、カップリング110と、内スリ
ーブ120間接触面に付着して、回転差による焼き付き
を防止する。更に、カップリング110と内スリーブ1
20の間、外スリーブ130との間に設けられているベ
アリング140,145により、接触部には自重による
荷重面圧が発生しない構造としている。
【0041】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、油圧チャンバーに供給する油圧を変えることによ
り、圧延条件に応じて、トルク伝達遮断設定トルクを任
意に設定して、トルク伝達を解除することが可能とな
る。従って、極めて安定して高精度な過負荷トルクに対
する駆動系の保護が可能になるため、駆動系の強度安全
率を最小限にとどめることが可能となり、スピンドルの
スイング径の最小化、ひいてはミルロールの小径化や、
駆動系の軽量小型化をすることができる。
【0042】また、トルク伝達開放後の復帰作業も容易
に行うことが可能となる。
【0043】さらに、過負荷保護装置の摩擦係数の経年
変化については一切影響がなく、安定した過負荷時伝達
開放が可能となる。
【0044】次に、図3を用いて、本発明の他の実施形
態による圧延機の駆動装置について説明する。図3は、
本発明の他の実施形態による圧延機の駆動装置の全体構
成を示す構造図である。なお、図1と同一符号は同一部
分を示している。また、油圧により発生する締付けトル
クを利用した継手組立体を有する過負荷防止装置100
A,100Bの構成は、図2において説明したものと同
一である。
【0045】図1に示した実施形態においては、スピン
ドルを駆動するピニオンスタンド若しくはピニオンスタ
ンド減速機として、ギアによる動力伝達機構を用いてい
たのに対して、本実施形態においては、ローラ同士を互
いに押しつける手段を設けて、ローラ間に接線荷重を付
与し、接線荷重に基づく摩擦力によって主動ローラから
従動ローラへトルクを伝達する機構を用いるようにして
いる。
【0046】本実施形態による3本ローラ方式の駆動減
速機は、駆動機ケーシング70内にベアリング76,7
6’,77,77’,78,78’によってそれぞれ支
持された入力駆動ローラ軸74と、上出力駆動ローラ軸
72Aと、下出力駆動ローラ軸72Bとによって構成さ
れている。
【0047】入力駆動ローラ軸74と、上出力駆動ロー
ラ軸72Aと、下出力駆動ローラ軸72Bは、入力,出
力各ローラ間押付力Fによって、ベアリング76,7
6’,77,77’,78,78’を支持する軸受箱を
介して押しつけることにより、各ローラ接触部に接触面
圧を与える。接触面の円周方向の摩擦抵抗による接線力
によってトルク伝達する構造である。押付力Fを大きく
すれば、許容接線力は大きく、つまりは許容伝達トルク
は大きくなる。
【0048】制御手段210は、押付力Fを制御すると
ともに、トルク検出器80A,80B,82A,82B
によって検出されたトルクが、予め設定されているトル
ク伝達遮断設定トルクよりも大きくなると、押付力Fを
制御して、過負荷トルクに対して駆動系を保護する。
【0049】さらに、本実施形態においては、図1にお
いて説明したのと同様にして、油圧により発生する締付
けトルクを利用した継手組立体を含む過負荷防止装置1
ooA,100Bを備えている。ミルロール10A,1
0Bに遮断設定トルクを超過した過負荷トルクが発生し
た場合、制御手段200は、油圧により発生する締付ト
ルクを利用した継手組立体を含む過負荷防止装置100
への供給油圧を低下して、駆動系を過負荷トルクから保
護する。
【0050】ローラ方式駆動機は、被圧延材のチャタマ
ークの原因の内の一つとされるギアによる噛み合い振動
が無く、近年のファインスチール圧延等においては有効
な技術である。しかしながら、過負荷時に押付力Fを制
御してローラ式駆動機のトルク伝達を開放する制御は、
ローラ表面の偏磨耗等を伴うので、最小限にとどめる必
要がある。
【0051】そこで、本実施形態においては、過負荷防
止装置100A,100Bによるトルク伝達遮断設定値
T1を、ローラ方式駆動機でのトルク伝達遮断設定値T
2に対して、T1<T2となるように低く設定して、過
負荷トルクに対しては、油圧により発生する締付けトル
クを利用した継手組立体を含む過負荷防止装置100
A,100Bが、駆動系保護をすることにより、ローラ
式駆動機のトルク伝達開放動作でのローラ表面の偏磨耗
等を最小限にとどめることが可能となる。
【0052】更に、ローラ式駆動機は、油圧により発生
する締付けトルクを利用した継手組立体を含む過負荷防
止装置100A,100Bが不動作時等における安全装
置としても作用するので、駆動機保護機能を更に向上す
ることができる。
【0053】なお、以上の説明では、3本ローラ方式の
ローラ式駆動機について説明したが、同様にして、4本
ローラ式のローラ駆動機や2本ローラ式駆動機にも適用
できるものである。
【0054】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、油圧チャンバーに供給する油圧を変えることによ
り、圧延条件に応じて、トルク伝達遮断設定トルクを任
意に設定して、トルク伝達を解除することが可能とな
る。従って、極めて安定して高精度な過負荷トルクに対
する駆動系の保護が可能になるため、駆動系の強度安全
率を最小限にとどめることが可能となり、スピンドルの
スイング径の最小化、ひいてはミルロールの小径化や、
駆動系の軽量小型化をすることができる。
【0055】また、トルク伝達開放後の復帰作業も容易
に行うことが可能となる。
【0056】さらに、過負荷保護装置の摩擦係数の経年
変化については一切影響がなく、安定した過負荷時伝達
開放が可能となる。
【0057】また、さらに、2重の過負荷保護機構を備
えることにより、過負荷保護の安全性を向上することが
できる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、過負荷トルクに対し
て、任意の設定トルク値でトルク伝達を解除することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による圧延機の駆動装置の
全体構成を示す構造図である。
【図2】本発明の一実施形態による圧延機の駆動装置に
用いる過負荷防止装置の拡大構造図である。
【図3】本発明の他の実施形態による圧延機の駆動装置
の全体構成を示す構造図である。
【符号の説明】
10A,10B…ミルロール 12,14,36,37,38,76,77,78…ベ
アリング 16A,16B…カップリング 18A,18B,22A,22B…クロスピンジョイン
ト部 20A,20B…スピンドル 30,70…駆動機ケーシング 32A,32B…出力ギアシャフト 34…入力ギアシャフト 40…モータ 42…ギアカップリング 50…油圧ポンプ 52…減圧弁 54A,54B…方向制御弁 58…給油配管 59…タンク 60A,60B…ロータリージョイント 62…給油穴 72A…上出力駆動ローラ軸 72B…下出力駆動ローラ軸 74…入力駆動ローラ軸 80A,80B,82A,82B…トルク検出器 90…板切れ検出手段 100…過負荷防止装置 110…カップリング 112…油ミゾ 120…内スリーブ 130…外スリーブ 132…油圧チャンバー 150,152…配管継手 200,210…制御手段 300…ホストコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 隆義 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 前川 義博 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータからの入力トルクを減速して伝達す
    る駆動機と、 この駆動機の出力トルクをミルロールに伝達するスピン
    ドルと、 上記駆動機の出力軸と上記スピンドルの間に配置され、
    油圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体
    を有する過負荷防止装置とを有する圧延機の駆動装置に
    おいて、 上記駆動機の出力軸に設けられた回転継手と、 この回転継手を介して上記継手組立体に油を供給する油
    圧ポンプと、 この油圧ポンプから上記継手組立体に接続される流路
    と、上記継手組立体からの油をリリーフする流路とを切
    替える方向制御弁と、 上記スピンドル若しくは上記駆動機の出力軸のトルクを
    検出するトルク検出器と、 予め設定されているトルク伝達遮断設定トルク値よりも
    検出されたトルク値が大きいとき、上記方向制御弁の流
    路を切り替えて上記継手組立体からの油をリリーフする
    とともに、圧延条件に応じた複数のトルク伝達遮断設定
    トルク値を有し、圧延条件に応じて、これらのトルク伝
    達遮断設定トルク値を選択する制御手段とを特徴とする
    圧延機の駆動装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延機の駆動装置におい
    て、さらに、 上記ミルロールによって圧延される板の板切れを検出す
    る板切れ検出手段を備え、 上記制御手段は、この板切れ検出手段によって板切れが
    検出されると、上記方向制御弁の流路を切り替えて上記
    継手組立体からの油をリリーフすることを特徴とする圧
    延機の駆動装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の圧延機の駆動装置におい
    て、 上記駆動機は、ローラ同士を押し付けることによりトル
    クを伝達する構成であるとともに、 上記検出手段によって過負荷状態が検出されると、ロー
    ラの押付力を小さくしてトルク伝達を遮断する第2の制
    御手段を備え、 上記制御手段が上記継手組立体からの油をリリーフする
    ときの設定値を、上記第2の制御手段がトルク伝達を遮
    断するときの設定値よりも小さくしたことを特徴とする
    圧延機の駆動装置。
  4. 【請求項4】モータからの入力トルクを減速して伝達す
    る駆動機の出力軸と、この駆動機の出力トルクをミルロ
    ールに伝達するスピンドルスピンドルの間に配置され、
    油圧により発生する締付けトルクを利用した継手組立体
    を有する過負荷防止装置を有する圧延機の駆動装置の制
    御方法において、 上記スピンドル若しくは上記駆動機の出力軸のトルクを
    検出し、 予め設定されているトルク伝達遮断設定トルク値よりも
    検出されたトルク値が大きいとき、上記継手組立体から
    の油をリリーフするとともに、圧延条件に応じた複数の
    トルク伝達遮断設定トルク値を有し、圧延条件に応じ
    て、これらのトルク伝達遮断設定トルク値を選択するこ
    とを特徴とする圧延機の駆動装置の制御方法。
JP35270997A 1997-12-22 1997-12-22 圧延機の駆動装置及びその制御方法 Expired - Fee Related JP3285805B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35270997A JP3285805B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 圧延機の駆動装置及びその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35270997A JP3285805B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 圧延機の駆動装置及びその制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11179408A true JPH11179408A (ja) 1999-07-06
JP3285805B2 JP3285805B2 (ja) 2002-05-27

Family

ID=18425901

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35270997A Expired - Fee Related JP3285805B2 (ja) 1997-12-22 1997-12-22 圧延機の駆動装置及びその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3285805B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100424436B1 (ko) * 2001-09-11 2004-03-24 창원특수강주식회사 압연기의 과부하 차단용 세이프티 엘레먼트 부하 측정장치
JP2006022866A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Koyo Seiko Co Ltd 駆動軸監視装置
CN102019295A (zh) * 2010-10-16 2011-04-20 太原重工股份有限公司 连轧机主轴联轴器的液压控制系统
EP2572808A1 (en) * 2011-09-20 2013-03-27 Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery, Inc. Cold-rolling mill, tandem rolling system, reversing rolling system, modification method of rolling system, and operating method of cold-rolling mill
CN108114990A (zh) * 2016-11-28 2018-06-05 宝山钢铁股份有限公司 一种防止轧机堵转过载保护的控制方法
CN111712326A (zh) * 2019-01-17 2020-09-25 德国莱歇公司 滚杆模块

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100424436B1 (ko) * 2001-09-11 2004-03-24 창원특수강주식회사 압연기의 과부하 차단용 세이프티 엘레먼트 부하 측정장치
JP2006022866A (ja) * 2004-07-07 2006-01-26 Koyo Seiko Co Ltd 駆動軸監視装置
JP4517754B2 (ja) * 2004-07-07 2010-08-04 株式会社ジェイテクト 駆動軸監視装置
CN102019295A (zh) * 2010-10-16 2011-04-20 太原重工股份有限公司 连轧机主轴联轴器的液压控制系统
EP2572808A1 (en) * 2011-09-20 2013-03-27 Mitsubishi-Hitachi Metals Machinery, Inc. Cold-rolling mill, tandem rolling system, reversing rolling system, modification method of rolling system, and operating method of cold-rolling mill
CN108114990A (zh) * 2016-11-28 2018-06-05 宝山钢铁股份有限公司 一种防止轧机堵转过载保护的控制方法
CN108114990B (zh) * 2016-11-28 2019-08-27 宝山钢铁股份有限公司 一种防止轧机堵转过载保护的控制方法
CN111712326A (zh) * 2019-01-17 2020-09-25 德国莱歇公司 滚杆模块
CN111712326B (zh) * 2019-01-17 2023-02-03 德国莱歇公司 滚杆模块

Also Published As

Publication number Publication date
JP3285805B2 (ja) 2002-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3285805B2 (ja) 圧延機の駆動装置及びその制御方法
US5934130A (en) Rolling mill drive apparatus, rolling mill and rolling method
JP4611997B2 (ja) ロールスタンドの主駆動系用の安全カップリング
JP3283823B2 (ja) 板材圧延機
US4635769A (en) Gear protection system for grinding mills
US20030172791A1 (en) Cable saw
US5713693A (en) Shaft-hub joint for transmission of torque between two equiaxial machine parts
EP0627352B1 (en) Electric power steering device
CA2278990A1 (en) Overhung roll assembly
US7025185B2 (en) Torque releasing device
JP3483772B2 (ja) 圧延機用スピンドル
US2885046A (en) Emergency release coupling
JP3543894B2 (ja) ワークロールクロス圧延機とその制御方法
JP3425095B2 (ja) 圧延機の駆動トルク伝達装置及び圧延機の駆動装置
CN219805128U (zh) 一种铝合金板材edt轧制毛化辊结构
JPS61229413A (ja) 圧延機用駆動装置
JPH0929654A (ja) 定軸力ボルト締着装置
JPH0459047B2 (ja)
JPS639143B2 (ja)
JPS6147612B2 (ja)
RU2103085C1 (ru) Предохранительный шпиндель привода прокатной клети
CN116511251A (zh) 一种铝合金板材edt轧制毛化辊及驱动方法
JPS63140715A (ja) 圧延機
JP2010131623A (ja) 圧延装置
Patterson et al. The Attractions of Hooke Joints in Heavy Rolling Mills

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees