JPH11177850A - 適応型画質補正回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 可変転送レートで圧縮・符号化される画像を
再生する過程で低ビットレートの画像に従来発生した画
質劣化を回避する画質補正回路を提供する。 【解決手段】 映像信号をバンドパスフィルタ４、増幅
回路５、整流回路６を通し得た直流を比較回路７で一定
値と比較した結果に従い周波数可変回路３の周波数特性
を制御しＢＰＦ４を通る周波数成分を一定値にしソフト
な画面ほど高域を強調し画質の改善を図る。画像圧縮さ
れたデジタル信号を高域成分の少ない映像では低転送レ
ートで送るＭＰＥＧによると、動きの早い画面になった
瞬間はブロック状ノイズが発生するので、これを回避す
るため、デジタル処理部からのデータの転送レートをビ
ットレート検出回路９で、画像の動き状態を動き検出回
路１０で検出し、両検出信号に基づき制御回路８により
周波数可変回路３の特性を制御し、ブロックノイズの発
生しやすい映像に対し高域の強調を停止させるか、減少
させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、映像信号の画質を
コントロールする適応型画質補正回路に関し、より詳細
には、デジタルビデオデスク（ＤＶＤ）と称されるデス
クプレーヤ等の、画像圧縮技術を用いて、映像信号をデ
ジタルにて処理している記録媒体から、フォーマットに
従ってアナログ映像信号に変換し、ＴＶ等で視聴する装
置において、画質を最適化させるための当該画質補正回
路技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】映像信号は周知の通り映像の内容によ
り、時々刻々と周波数スペクトルが変化している。映像
の内容によって高域成分の少ないソフトな映像とか、高
域成分の多いハードな映像とかが混在している。通常、
ソフトな映像を改善するには、アナログ信号の輝度信号
に高域を強調するようなピーキング回路を設けて対応す
るようにしているが、映像信号に関係なく一定のピーキ
ングの値となるため、ハードな映像が更にハードにな
り、かえって見にくくなる。この状態を解決するために
映像の持っている周波数成分を検出し、高域成分の少な
い映像に対しては高域を持ち上げ、高域成分の多い映像
に対しては持ち上げる量を少なくし、常に最良の画質を
提供するようなシステムが提案されるている。

【０００３】当該画質改善システムは、アナログのみの
記録再生システムには有効であるが、ＤＶＤのようなデ
ジタル信号をＭＰＥＧ（Motion Picture Experts Grou
p）による伝送方式、すなわち、可変転送レートで画像
圧縮・符号化されており、映像信号の高域成分が少ない
部分では、転送レートを低ビットレートで伝送され、高
域成分が多い部分は転送レートは高ビットレートで伝送
されるようになっているような状態では、高域の少ない
映像で比較的早い動きのある映像が発生した時、当該信
号をデコードした時には、動き信号の範囲外になりブロ
ック状のノイズが発生することになる。

【０００４】このような従来の画質補正回路を図３に示
す。図３にもとづき従来の画質補正回路の構成及び動作
を次に説明する。図３に示すように、入力された映像信
号は周波数可変回路３を通り、映像出力として出力され
る。そして、この映像出力信号からバンドパスフィルタ
４により、特定の周波数を取り出し、増幅回路５により
取り出されたこの特定の周波数領域の映像信号が増幅さ
れ、整流回路６により整流され直流に変換される。この
変換された直流は前記周波数成分の大きさに比例してい
る。

【０００５】従って、この直流を比較回路７により一定
の電圧と比較することにより得られる比較結果に従って
周波数可変回路３の周波数特性をコントロールすること
により、この回路の映像出力の周波数特性を一定の特性
にコントロールすることが可能となる。即ち、前記した
フィードバック制御を行う一連の閉ループ回路が、バン
ドパスフィルタ４で設定された周波数成分を一定の値に
するように働き、ソフトな画面ほど、高域を強調するよ
うに働き、画質の改善を図ることができるようになって
いる。

【０００６】上記した閉ループによる画質改善回路で
は、例えば、ＭＰＥＧ等の画像圧縮されたデジタル信号
を、可変転送レートで伝送するようなシステムでは、高
域成分の少ない映像では転送レートを下げて送る様にな
っており、こうして送られる画像信号において動きの早
い画面になった時、その瞬間はデータ量の不足が発生
し、データの訂正が不可能となり、ブロック状のノイズ
が発生し、見苦しい物になる。さらにかかる画質補正回
路で更に高域が強調されるため、ブロック状のノイズも
強調されてしまい、画質補正回路の弊害となって現れ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】可変転送レートによる
デジタル映像信号の伝送において、転送レートが低い映
像でかつ動きが急に発生したような場面では、原理的に
デジタル信号のデータが欠如するため、ブロック状のノ
イズを伴うことになって、元の信号が復元できなくな
る。かかる状態の信号に対して、周波数特性のみを判断
して画質を補正した場合には、前記ブロック状ノイズが
強調されてしまい、かえって画質を劣化させてしまうと
いった問題点を生じてしまう。本発明は、こうした従来
技術における問題点に鑑みてなされたもので、高域成分
の少い画像を低い転送レートで送る場合に発生するブロ
ック状ノイズの強調を回避するための手段を備える適応
型画質補正回路を提供することをその解決課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】デジタル信号からアナロ
グの映像信号に変換する、いわゆるＤＡコンバータ及び
所定の映像信号のフォーマット（例えばＮＴＳＣ，ＰＡ
Ｌ等）に変換するエンコーダを具備し、ＤＶＤ（デジタ
ル ビデオ ディスク）プレイヤーで例示されるデジタ
ルで映像信号を加工する装置に用いられる回路であっ
て、映像信号の高域レベルを検出し、該高域レベルの値
に応じた検出量に従って、前記映像信号の周波数特性を
コントロールする機能を有し、映像信号の画質をコント
ロールする適応型画質補正回路において、さらなる構成
要素として設けたデジタル信号の転送レートを検出する
手段と、映像のフィールドもしくはフレーム間の動き量
を検出する手段により得られる転送レートと動き検出の
値に応じて前記周波数特性コントロール回路の、設定値
を更に制御することを特徴とするものである。こうする
ことにより、デジタル信号の転送レートを検出する手段
と、フィールドもしくは、フレームでの画像変化の状態
を検出する手段により、両者の状態が所定の規定された
範囲内の時、例えば、転送レートが低く、動きの早い信
号期間に前記画質補正回路の動作を停止するか、動作レ
ベルを減少させることにより、ブロック状のノイズが目
立つといった画質劣化をなくすようにする。

【０００９】そして、各請求項は、以下の手段を構成す
る。請求項１の発明は、画像が圧縮・符号化され可変転
送レートの信号として伝送されるデータを復号し、所定
のフォーマットに従う映像信号に変換し出力する処理過
程に用いる画質補正回路であって、前記映像信号に含ま
れる周波数成分中の高域レベルを検出し、該高域レベル
の検出量に応じて該映像信号の周波数特性をコントロー
ルすることにより、映像信号の画質を補正する適応型画
質補正回路において、前記映像信号の周波数成分に低域
成分が含まれることを検出する低域成分検出手段と、前
記画像のフィールドあるいはフレーム間の動き量を検出
する動き検出手段を備え、前記低域成分検出手段と前記
動き検出手段とで検出された検出値に応じて前記高域レ
ベルの検出量に応じてコントロールされ設定された前記
周波数特性を更に制御するものである。

【００１０】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、前記低域成分検出手段が前記可変転送レートの信号
として伝送されるデータの転送レートを検出する転送レ
ート検出手段とするものである。

【００１１】請求項３の発明は、請求項１または２の発
明において、前記映像信号の周波数特性をコントロール
する手段をアナログ入力映像信号に対して機能するアナ
ログ対応の回路とするものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明は、デジタル信号の転送レ
ートを検出する手段と、映像のフィールドもしくはフレ
ーム単位での映像の変化の度合いを検出する手段を具備
し、当該映像出力信号が設定されたレベルになった時、
もしくは両者の比率に応じて、画質補正回路の補正状態
を更に制御し、ブロック状のノイズが目立たないように
することを基本的な特徴としている。

【００１３】図１に本発明による適応型画質補正回路の
一実施形態のブロックダイヤグラムを示す。図１にもと
づいて本実施形態の回路構成及び動作を以下に説明す
る。入力された映像信号は周波数可変回路３を通り、映
像出力として出力され、一方映像出力信号からバンドパ
スフィルタ４により取り出され増幅回路５により増幅さ
れた特定の周波数領域の信号は、整流回路６により整流
され直流に変換される。

【００１４】変換された直流を比較回路７により一定の
電圧と比較することにより得られる比較電圧に従って周
波数可変回路３の周波数特性をコントロールする。即
ち、前記したフィードバック制御を行う一連の閉ループ
回路が、バンドパスフィルタ４で設定された周波数成分
を一定の値にするように働き、ソフトな画面ほど、高域
を強調するように働き、画質の改善を図る。

【００１５】この閉ループによる画質改善回路を、例え
ば、ＭＰＥＧ等の画像圧縮されたデジタル信号を、可変
転送レートで伝送するようなシステムに用いると、高域
成分の少ない映像では転送レートを下げて送る様になっ
ており、こうして送られる画像信号において動きの早い
画面になった時その瞬間はデータ量の不足が発生し、デ
ータの訂正が不可能となり、ブロック状のノイズが発生
し、見苦しい物になり、かかる画質補正回路で更に高域
が強調されるため、ブロック状のノイズも強調されてし
まい、画質補正回路の弊害となって現れる。

【００１６】本発明による実施形態では、これらの問題
点を回避するために新たに、適応型画質補正回路の前段
にあるデジタル回路で処理されている部分から取り出し
たデジタルデータについて、その転送レートをビットレ
ート検出回路９にて検出するとともに、動き検出回路１
０にて画像の動き状態を検出することにより、ビットレ
ート検出回路９と動き検出回路１０からの両検出信号に
もとづいて制御回路８にて制御信号を作り、この制御信
号で周波数可変回路３の特性をコントロールし、ブロッ
クノイズの発生しやすい映像に対して、高域の強調を停
止させるかもしくは、減少させるようにしている。

【００１７】さらに上記した動作の詳細を、図２の波形
図に従って説明する。図２（Ａ）は、入力される映像信
号がソフトな画像かハードな画像かによって周波数特性
を変えるときの特性の一例を示す。ソフトな画像は周波
数特性のレスポンスが低く、ハードな画像はレスポンス
が高い特性となっている。図２（Ｂ）は、本実施形態の
回路におけるバンドパスフィルタ（ＢＰＦ）４の特性を
示すもので、この特性に従って入力映像信号のフィルタ
リングが行われる。バンドパスフィルタ（ＢＰＦ）４に
よりフィルタリングされた信号が図２（Ｃ）に示されて
いるが、この信号はハードな画像ではレベルが高くソフ
トな画像ではレベルが低い。

【００１８】図２（Ｄ）は、ＢＰＦからの信号を整流回
路６で整流して得られた電圧の変化を示すもので、時間
とともに画像信号が変化する様子を表わしている。この
整流電圧は比較回路７で規定された電圧と比較され、そ
の比較結果に応じて周波数可変回路３をコントロール
し、出力の周波数特性が規定レベル以上になるようにす
る。従って、こうした制御動作の結果として映像出力
は、図２（Ｅ）に示すように周波数特性を一定レベル以
上とした特性が確保されることになり、画質の向上が図
れることになる。

【００１９】また、制御回路８の動作について説明す
る。制御回路８は、図２（Ｆ）にビットレート検出回路
９で検出された転送レートの検出結果の時間変化が示さ
れる。その転送レート及び図２（Ｇ）に動き検出回路１
０で検出された動き量の検出結果の時間変化が示され
る。その動き量が所定の規定された範囲内にあるかどう
かを判別し、転送レート及び動き量が規定範囲内になっ
た場合（同図中、，として示す）画質補正動作を停
止あるいは動作レベルを減少させる。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、低域成分が多くソフト
な画像で、フレーム間で画像に動きがない場合に、かか
る周波数特性に適応した補正を行うことにより高域成分
が多い場合に近い画質の画像を得ることができるととも
に、高域成分の少い（低域成分の多い）画像に対して可
変レート方式により低ビットレートで送られ、かつフレ
ーム間で画像の動きの大きい画面の状況により発生する
ブロックノイズが画質補正回路で強調され、かえって見
にくい画面になることを防止することが可能となり、よ
り見易すく、現実に適合した画像を生成する回路が提供
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による画質補正回路の一実施形態のブロ
ックダイヤグラムを示す図である。

【図２】図１に示す本発明による画質補正回路の一実施
形態のブロックダイヤグラムにおける各ブロック図の波
形を示す図である。

【図３】従来の画質補正回路の１例を示す図である。

【符号の説明】

３…周波数可変回路、４…バンドパスフィルタ（ＢＰ
Ｆ）、５…増幅回路、６…整流回路、７…比較回路、８
…制御回路、９…転送レート検出回路、１０…動き検出
回路。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像が圧縮・符号化され可変転送レート
   の信号として伝送されるデータを復号し、所定のフォー
   マットに従う映像信号に変換し出力する処理過程に用い
   る画質補正回路であって、前記映像信号に含まれる周波
   数成分中の高域レベルを検出し、該高域レベルの検出量
   に応じて該映像信号の周波数特性をコントロールするこ
   とにより、映像信号の画質を補正する適応型画質補正回
   路において、前記映像信号の周波数成分に低域成分が含
   まれることを検出する低域成分検出手段と、前記画像の
   フィールドあるいはフレーム間の動き量を検出する動き
   検出手段を備え、前記低域成分検出手段と前記動き検出
   手段とで検出された検出値に応じて前記高域レベルの検
   出量に応じてコントロールされ設定された前記周波数特
   性を更に制御することを特徴とする適応型画質補正回
   路。
2. 【請求項２】 前記低域成分検出手段が前記可変転送レ
   ートの信号として伝送されるデータの転送レートを検出
   する転送レート検出手段であることを特徴とする請求項
   １記載の適応型画質補正回路。
3. 【請求項３】 前記映像信号の周波数特性をコントロー
   ルする手段をアナログ入力映像信号に対して機能するア
   ナログ対応の回路とすることを特徴とする請求項１また
   は２記載の適応型画質補正回路。