JPH11177472A - ダイバーシィティーアンテナ、および、同構成方法 - Google Patents

ダイバーシィティーアンテナ、および、同構成方法

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JPH11177472A
JPH11177472A JP9345136A JP34513697A JPH11177472A JP H11177472 A JPH11177472 A JP H11177472A JP 9345136 A JP9345136 A JP 9345136A JP 34513697 A JP34513697 A JP 34513697A JP H11177472 A JPH11177472 A JP H11177472A
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antenna
sub
ground plate
main
substrate
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JP9345136A
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English (en)
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Kazuhiko Nakase
一彦 仲瀬
Taira O
平 王
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Sansei Denki KK
Original Assignee
Sansei Denki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先願に係る公知発明(特開平9−14883
9号公報)の携帯無線電話機用アンテナを改良して、小
形・軽量・高性能かつ安価なダイバーシィティーアンテ
ナを提供する。 【解決手段】 前記公知発明に係る携帯無線電話機用ア
ンテナによって、図に符号Mで示したメインアンテナを
構成する。上記メインアンテナMのアンテナ基板1を図
の左方に延長し、該アンテナ基板1の上にアース板4′
およびλ/2で共振するパッチアンテナ5を形成してサ
ブアンテナSとして機能せしめる。上記と異なる実施形
態として、前記のパッチアンテナ5に代えて、金属板で
形成した逆Fアンテナをアンテナ基板に取り付けること
もできる。メインアンテナM用の同軸ケーブル7mは、
アース板4′に沿わせてほぼ平行に配置する。これによ
りメインアンテナMとサブアンテナSとの相互作用が軽
減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コードレス電話や
携帯電話に用いられるダイバーシィティ送,受信用のア
ンテナ、および、その構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】簡単な構成で製造コストが安く、かつ、
同調周波数帯域が広く、しかも、起伏回動可能な構造で
あって接触不良に因るトラブル発生の虞れが無い携帯無
線電話機用アンテナの最新技術として、特開平9−14
8839号公報に開示された技術が公知である。図6
は、特開平9−148839号公報に第1図として掲載
された携帯無線電話機用アンテナの1実施例に係る2面
図であって、(A)はアンテナケースおよびその支持機
構を取り除くとともに電気的長さ寸法を付記した正面
図、(B)は同じく電気的機能を付記した断面側面図で
ある。細長いアンテナ基板20の上端部に、長さ寸法約
λ/2の短冊形モノポールアンテナ素子21を形成し、
上記モノポールアンテナ素子21の給電端に対向せしめ
て電気的長さλ/4の励振器22の開放端を配設してあ
る。これにより、上記対向部に形成される静電容量Cを
介して両者が容量結合される。上記励振器22の給電端
aに同軸ケーブル24の心線を接続導通するとともに、
該同軸ケーブル24の外部導体をアース板23に接続導
通する。25はアース接続金具、26はスペーサーであ
る。上記アース板23は、前記励振器22の給電端に対
して静電容量C′を介して対向している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前掲の図6に示した公
知の携帯無線電話機用アンテナは、簡単な構成で大量生
産に適し、製造コストが低廉である上に作動信頼性が高
く、しかも利得が高くて同調周波数帯域が広いという優
れた実用的効果を奏し、携帯無線電話技術の向上に貢献
するところ多大であった。上記公知技術に係る携帯無線
電話機用アンテナが発明された後、今日に至るまでの2
年間に、コードレス電話機および携帯電話機に関する全
般的な技術が著しく向上し、特に、ディジタル技術分野
ではデータ伝送技術の実用化が進んだので、これに伴っ
て、ダイバーシィティー方式に好適なアンテナの開発が
要請されている。
【0004】前述の公知技術(特開平9−148839
号公報)に係る携帯無線機用アンテナは、ダイバーシィ
ティー用アンテナの基本技術としても優れた実用価値を
有しているが、これをダイバーシィティー方式に適用す
るについてはダイバーシィティー対応の工夫改良が必要
になる。例えば、単に前記公知技術に係るアンナテの2
組を並べただけでは良好なダイバーシィティーアンテナ
にはならず、2組のアンテナ相互間の影響を防止した
り、2組のアンテナに共通する構成部材の共用を図った
り、2組のアンテナ全体の小形軽量化を図ったりしなけ
ればならない。さらに、同じ仕様の2組のアンテナを並
べるのではなく、前記公知技術に係るアンテナをメイン
アンテナとして用いるとともに、適宜のサブアンテナと
組み合わせることによって実用的価値を一層向上させる
などの改良も追求して最善の実用的効果を追求すること
が望ましい。
【0005】以上に説明した事情に鑑みて為された請求
項1の発明の目的は、簡単で小型軽量に構成することが
でき、二組のアンテナ相互の影響を軽減し得るダイバー
シィティーアンテナを提供するにある。請求項2の発明
の目的は、上記請求項1の発明に係るダイバーシィティ
ーアンテナのメインアンテナ部分の利得を高めるととも
に静電耐圧を高め、広い同調周波数帯域を得るにある。
請求項3の発明の目的は、前記請求項1もしくは請求項
2の発明に係るダイバーシィティーアンテナのサブアン
テナ部分を、安価に製造することができ、しかも安定し
たアンテナ特性が得られるようにするにある。請求項4
の発明の目的は、前記請求項1もしくは請求項2の発明
に係るダイバーシィティーアンテナのサブアンテナ部分
のアンテナ特性を特に向上せしめるにある。
【0006】請求項5の発明の目的は、前記請求項2も
しくは請求項4の発明に係るダイバーシィティーアンテ
ナのメインアンテナを構成している励振器の外形寸法を
短縮し、しかもアンテナ特性を低下せしめず、併せて製
造コストの増加を防止するにある。請求項6の発明の目
的は、前記請求項1ないし請求項5の発明に係るダイバ
ーシィティーアンテナのメインアンテナ部分を構成して
いるアンテナ素子の性能を低下せしめることなくして全
長寸法を短縮して、取扱い操作を便ならしめるにある。
請求項7の発明の目的は、前記請求項3もしくは請求項
6の発明に係るダイバーシィティーアンテナのサブアン
テナ部分の性能を低下せしめることなく、アンテナに誘
起された高電圧をアースに落とすことにより静電対策を
完全ならしめるにある。請求項8の発明の目的は、前記
請求項3もしくは請求項6の発明に係るダイバーシィテ
ィーアンテナのサブアンテナ部分をパッチアンテナによ
って安価に、しかも安定した性能に構成するとともに、
アンテナに誘起された高電圧を直流的にアースに落とし
て静電耐圧を向上せしめて安全性をいっそう完全ならし
めるにある。
【0007】請求項9に係る発明方法の目的は、利得が
高く同調周波数帯域の広いダイバーシィティーアンテナ
を、小形,軽量,安価に構成し、かつ、メインアンテナ
とサブアンテナとが相互に影響を与える虞れの無い、ダ
イバーシィティーアンテナを構成する方法を提供するに
ある。請求項10に係る発明方法の目的は、高い利得と
広い同調周波数帯域とを有するダイバーシィティーアン
テナを小形,軽量,かつ安価に構成するとともに、該ダ
イバーシィティーアンテナのサブアンテナ部分の静電耐
圧を高くし、しかも該サブアンテナ部分のアンテナ特性
を格段に向上せしめ得る構成方法を提供するにある。請
求項11の発明方法の目的は、前記請求項9の発明方法
を実施するに際して、特にサブアンテナ部分の同調周波
数帯域をいっそう広からしめ得る方法を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的な原理について、その1実
施形態に対応する図1を参照して略述すると、ダイバー
シィティーアンテナには2個のアンテナエレメントを必
要とするが、本発明においては、共通の1個のプリント
基板から成る細長いアンテナ基板の上に、メインアンテ
ナMとサブアンテナSとを縦列に配置する。符号4はメ
インアンテナ用のアース板、4′はサブアンテナ用のア
ース板である。メインアンテナに給電している同軸ケー
ブル7mを、サブアンテナのアース板4′に沿わしめて
配設する。これにより、メインアンテナとサブアンテナ
との間における相互の影響が、実用上、零と見做し得る
程度に軽減される。前記のメインアンテナMの部分を抽
出して考察すると、前掲の図6を参照して先に述べた公
知技術に係る特開平9−148839号公報に開示され
た携帯無線電話機用アンテナの必須構成要件を備えてい
る。本発明においては、上記公知技術に係るアンテナを
メインアンテナとして用いるとともに、プリント基板よ
り成るアンテナ基板を共用せしめて、該アンテナ基板1
の上にサブアンテナSを構成し、本願発明独特の構成に
よってメインアンテナとサブアンテナとの相互作用を防
止したものである。メインアンテナに供給される高周波
電流がサブアンテナ側にリークしないことにより、メイ
ンアンテナ側の高周波電流が減衰せず、かつ、サブアン
テナ側にリークした高周波電流に因るトラブルが未然に
防止される。また、サブアンテナに供給される高周波電
流がメインアンテナ側にリークしないことにより、前記
と同様にして減衰の防止とトラブルの防止とが図られ
る。
【0009】以上に説明した原理に基づいて、請求項1
に係るダイバーシィティーアンテナの構成は、細長いプ
リント基板より成るアンテナ基板の上に、アース板を有
するメインアンテナと、アース板を有するサブアンテナ
とが、上記アンテナ基板の長手方向に縦列せしめて配列
されており、前記のメインアンテナに給電する同軸ケー
ブルが、サブアンテナのアース板に沿わしめてほぼ平行
に配設されて、該メインアンテナと前記サブアンテナと
の相互間の影響が軽減されるようになっていることを特
徴とする。以上に説明した請求項1の発明によると、メ
インアンテナとサブアンテナとがアンテナ基板を共有し
ているので、ダイバーシィティーアンテナとしての全体
的外形が小形となり、全体が1本の細長い形になるので
取扱い易く、例えば無線機の筐体に対して起伏傾動可能
に支持する場合、支持構造が簡単で足り、回動させて起
立使用・傾倒収納する操作を迅速・容易に行なうことが
できる。しかも、メインアンテナに給電する同軸ケーブ
ルがサブアンテナのアース板に沿って平行に配設されて
いるので、該メインアンテナとサブアンテナとの間に相
互の影響を生じない。このため、図6に示した先願の発
明に係る構成より成るメインアンテナは、サブアンテナ
の影響を受けることなく、高利得・広周波数帯域・高耐
電圧・高作動信頼性といった先願の発明に係る効果を損
なうことなく発揮せしめることができる。
【0010】請求項2の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は前記請求項1の発明の構成要件に加え
て、前記アンテナ基板上に、λ/4アース板付きのλ/
4アンテナ励振器が配設されており、前記のメインアン
テナがλ/2で共振するように構成されるとともに、該
メインアンテナの入力端と前記アンテナ励振器の出力端
とが静電容量結合され、該アンテナ励振器の入力端に、
前記同軸ケーブルの心線が接続されていることを特徴と
する。以上に説明した請求項2の発明によると、λ/4
アース板を備えたλ/4アンテナ励振器と、λ/2で共
振するメインアンテナ素子とが、プリント基板より成る
アンテナ基板上に配列された構造であるから、これらの
アース板およびアンテナ励振器並びにアンテナ素子をプ
リント基板の導通パターンとして形成することができ、
別体の部品として構成して取り付ける必要が無いので安
いコストで工業的に製造することができ、しかも形状,
寸法の品質管理が容易であって大量生産品の品質の均一
性を容易に確保することができる。その上、メインアン
テナのアンテナ素子とアンテナ励振器とが静電容量結合
されているので両者の間に接触導通を必要とせず、従っ
て接触不良に因るトラブルを生じる虞れが無くて作動信
頼性が高い。さらに、前記のようにプリント基板の導通
パターンとして形成された電気的部材は該プリント基板
に密着した薄い金属層であるからメインアンテナ部分の
外形寸法は上記のプリント基板とほぼ同一であって膨
出,突出している箇所が無く、これをアンテナカバーに
収納することも容易であって、ダイバーシィティーアン
テナ全体を小形,軽量に構成することができる。さら
に、前記のアース板,アンテナ励振器,アンテナ素子の
それぞれを抽出して考察すると金属の薄層であって極め
て脆弱であるが、これらの構成部分がアンテナ基板に密
着して自然に補強されているので、通常の取扱いに耐え
るに充分な機械的強度を有しており、使用者が誤って床
上や路上に取り落としても破損する虞れが無い。
【0011】請求項3の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は前記請求項1,2の発明の構成要件に
加えて、前記のプリント基板より成るアンテナ基板の片
方の面にアース板が形成されるとともに、該アンテナ基
板の他方の面に約λ/2で共振するパッチアンテナが形
成されており、前記片方の面に形成されたアース板と、
他方の面に形成されたパッチアンテナとが、アンテナ基
板の誘電体を介して対向して前記のサブアンテナを構成
していることを特徴とする。以上に説明した請求項3の
発明によると、サブアンテナがプリント基板を介して対
向するアース板とパッチアンテナとによって構成されて
いるので、請求項1,2に係るダイバーシィティーアン
テナのメインアンテナ部分を構成しているプリント基板
より成るアンテナ基板をサブアンテナと共用させること
が合理的に行なわれ、構成部品点数を減少せしめること
ができる。構成部品点数の減少によって部品コストを低
減せしめ得るとともに、ダイバーシィティーアンテナ全
体を小形,軽量ならしめることができる。前述のよう
に、サブアンテナのアース板とパッチアンテナとがアン
テナ基板を介して対向している構造であるから、該アン
テナ基板の厚さ寸法を所望の値とすることにより、該ア
ース板とパッチアンテナとの間隔寸法を容易かつ確実に
規制することができ、かつ、これらの構成部材の平面度
や平行度を容易に高精度で規制することができる。その
上、これらの構成部材をプリント基板の導通パターンに
よって構成することにより、形状,寸法を高精度に成形
することができるので、大量生産した場合に製品品質の
均一性を確保することが容易である。
【0012】請求項4の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は、前記請求項1もしくは同2の構成要
件に加えて、前記のプリント基板より成るアンテナ基板
の板面にアース板を形成するとともに、上記アース板に
対向離間せしめてλ/4で共振する板状逆Fアンテナを
配設することによって前記のサブアンテナが構成されて
いることを特徴とする。以上に説明した請求項4の発明
によると、プリント基板より成るアンテナ基板の板面に
形成されたアース板と別体に構成された板状逆Fアンテ
ナを、上記アース板に対向離間せしめて取り付けるの
で、前記請求項3におけるがごとく構成部材の平面度や
平行度が必然的に高精度で規制されることは期待できな
いので、製造コストは相対的に割高になるが、前記アー
ス板と板状逆Fアンテナとが対向している空間にプリン
ト基板などの固形絶縁材料が存在せず、空気によって満
たされているので、前記請求項3におけるよりも優れた
サブアンテナのアンテナ特性を得ることができる。上記
の板状逆Fアンテナは、アンテナ基板の表面から突出す
る形に取り付けられるが、アンテナ基板は細長い平板状
の部材であるから、これを円筒状のアンテナカバーの中
に収納すると、該アンテナカバーの内壁面とアンテナ基
板との間には縦割り円柱状の空隙が形成される。そこで
前記の板状逆Fアンテナを上記縦割り円柱状空隙の中に
位置せしめるように配設すると、該板状逆Fアンテナに
よってアンテナカバーの外形寸法を拡大することは無
い。
【0013】請求項5に係るダイバーシィティーアンテ
ナの構成は、前記請求項2,4の発明の構成要件に加え
て、前記のアンテナ励振器が、アンテナ基板面に形成さ
れてλ/4で共振するジグザグ形の導通パターンによっ
て構成され、その一端が逆Fアンテナ状にアース板に導
通されていることを特徴とする。以上に説明した請求項
5の発明によると、アンテナ励振器の高周波電流に対す
る特性に変化を与えることなく、直流的に該アンテナ励
振器をアース板に接続することができる。これにより、
何れかの事情でアンテナ励振器に高電圧が誘起されて
も、これをアースに落とすことができる。このようにし
て完全な静電対策が行なわれて安全である。さらに、ア
ンテナ励振器が、プリント基板から成るアンテナ基板の
板面にジグザグ形のアンテナ励振器が導通パターンによ
って構成されているので、プリント基板に関する公知技
術を適用して、低コストで大量生産することができ、し
かも高い寸法精度が得られる。そして、このアンテナ励
振器がジグザグ形であるから、λ/4で共振するように
構成したときの機械的な外形寸法はλ/4よりも遥かに
短くなり、ダイバーシィティーアンテナ全体の外形寸法
を小形化するとともに、その重量を軽減することができ
る。
【0014】請求項6の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は、前記請求項1ないし同5の構成要件
に加えて、前記のメインアンテナが、プリント基板より
成るアンテナ基板の板面に形成されてλ/2で共振する
ジグザグ形の導通パターンによって構成されていること
を特徴とする。以上に説明した請求項6の発明による
と、メインアンテナ素子がジグザグ形の導通パターンに
よって構成されているので、これを例えば短冊形のモノ
ポールアンテナによって構成する場合に比して外形寸法
を短縮することができ、その電気的長さをλ/2に構成
したときの機械的形状の長さ寸法はλ/2よりも著しく
短縮される。さらに、上記メインアンテナ素子がプリン
ト基板の導通パターンによって構成されているので、大
量生産に適し、量産効果によってコスト低減が可能であ
る。その上、公知のプリント基板技術を適用して該メイ
ンアンテナ素子の形状を高精度に品質管理することがで
き、多数の製品について、アンテナ特性の均一性を得る
ことができる。上記ジグザク形の導通パターンより成る
メインアンテナ素子のみを抽出して考察すると金属の薄
膜であって剛性に欠けるが、この薄膜がプリント基板の
表面に密着して固定されているので、該プリント基板で
補強された形態になっていて、実用上充分な機械的強度
を呈する。
【0015】請求項7の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は、前記請求項3,同6の発明の構成要
件に加えて、前記のサブアンテナを構成しているパッチ
アンテナの給電点が、λ/4で作動するショートスタブ
を介して、直流的にアースに接続されていることを特徴
とする。以上に説明した請求項7の発明によると、λ/
2で共振するパッチアンテナの給電点を、λ/4で共振
するショートスタブを介してアースに接続することによ
り、該パッチアンテナによって構成されているサブアン
テナの高周波電流に対する特性(アンテナ特性)に影響
を与えることなく、これを直流的にアースに導通させる
ことができる。これにより、何らかの原因でサブアンテ
ナに高電圧が誘起された場合、サブアンテナとしての機
能を妨げることなく誘起電圧をアースに落として、完全
な静電対策が行なわれ、高電圧の静電気が高周波回路内
に進入することを防止できるので安全性が高い。
【0016】請求項8の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成は、前記請求項4,同6の発明の構成要
件に加えて、前記のサブアンテナを構成している板状逆
Fアンテナが金属板で成形されて、前記のアンテナ基板
に取り付けられるとともに、直流的にアースに接続され
ていることを特徴とする。以上に説明した請求項8の発
明によると、金属板で構成されてλ/4で共振する板状
の逆Fアンテナが直流的にアースに接続導通されている
ので、上記板状の逆Fアンテナによって構成されている
サブアンテナの高周波電流に対する特性(アンテナ特
性)に影響を与えることなく、これを直流的にアースに
導通させることができる。これにより、何らかの原因で
サブアンテナに高電圧が誘起された場合、サブアンテナ
としての機能を妨げることなく誘起電圧をアースに落と
して、完全な静電対策が行なわれ、高電圧の静電気が高
周波回路内に進入することを防止できるので安全性が高
い。
【0017】請求項9の発明に係るダイバーシィティー
アンテナの構成方法は、細長いプリント基板の片方の面
に、λ/4で共振するアンテナ励振器を形成するととも
に、該プリント基板の他方の面にλ/2で共振するアン
テナ素子を形成し、前記アンテナ励振器とアンテナ素子
との間に静電容量を形成せしめてメインアンテナを構成
し、前記プリント基板に励振器を形成した片方の面にサ
ブアンテナ用のアース板を形成するとともに、他方の面
に約λ/2で共振するパッチアンテナを形成してサブア
ンテナを構成し、かつ、前記メインアンテナに給電する
同軸ケーブルを前記サブアンテナ用アース板に沿わしめ
て配設することによってメインアンテナとサブアンテナ
との相互の間の影響を防止ないし軽減することを特徴と
する。以上に説明した請求項9の発明方法によると、公
知の先願(特開平9−148839号)に係る携帯無線
電話機用アンテナをメインアンテナとして用いるととも
に、そのアンテナ基板を共用せしめたアース板とパッチ
アンテナとを設けて、これらの部材をサブアンテナとし
て作動せしめることにより、単一の細長い外形を有する
ダイバーシィティーアンテナを低コストで容易に構成す
ることができ、しかも高い利得が得られる。その上、メ
インアンテナの同軸ケーブルをサブアンテナのアース板
に沿わしめて配設することにより、ダイバーシィティー
アンテナ全体の外形寸法を小さくし、しかもメインアン
テナとサブアンテナとの相互の間における影響を軽減す
ることができる。
【0018】請求項10の発明に係るダイバーシィティ
ーアンテナの構成方法は、細長いプリント基板の片方の
面にλ/4で共振する励振器を形成するとともに、該プ
リント基板の他方の面にλ/2で共振するアンテナ素子
を構成し、前記プリント基板にアンテナ素子を形成した
側の面にサブアンテナ用のアース板を形成するととも
に、上記アース板に対して金属板製の逆Fアンテナを取
り付けてサブアンテナを構成し、かつ、前記メインアン
テナに給電する同軸ケーブルを前記サブアンテナ用アー
ス板に沿わしめて配設することによってメインアンテナ
とサブアンテナとの相互の間の影響を防止ないし軽減す
ることを特徴とする。以上に説明した請求項10の発明
方法によると、公知の先願(特開平9−148839
号)に係る携帯無線電話機用アンテナをメインアンテナ
として用いるとともに、そのアンテナ基板を共用せしめ
た金属板製の逆Fアンテナを設けて、これらの部材をサ
ブアンテナとして作動せしめることにより、単一の細長
い外形を有するダイバーシィティーアンテナを低コスト
で容易に構成することができ、しかも高い利得が得られ
る。その上、メインアンテナの同軸ケーブルをサブアン
テナのアース板に沿わしめて配設することにより、ダイ
バーシィティーアンテナ全体の外形寸法を小さくし、し
かもメインアンテナとサブアンテナとの相互の間におけ
る影響を軽減することができる。
【0019】請求項11の発明に係るダイバーシィティ
ーアンテナの構成方法は、前記請求項9の発明方法の構
成要件に加えて、前記のパッチアンテナを、電気的長さ
の異なる複数のアンテナ素子の組合せで構成することに
より、サブアンテナの同調周波数帯域を拡大せしめるこ
とを特徴とする。以上に説明した請求項11の発明方法
によると、簡単な方法で、ダイバーシィティーアンテナ
のサブアンテナ部の同調周波数帯域を容易に拡大せしめ
ることができる。本発明に係るダイバーシィティーアン
テナのメインアンテナは前記公知技術(特開平9−14
8839号)の適用によって本来的に広い同調周波数帯
域を有しているので、本請求項11を適用してサブアン
テナの同調周波数帯域を拡大することの実用的意義は多
大である。この請求項11の発明方法における複数のパ
ッチアンテナ素子の組み合わせ方は、パッチアンテナ素
子の組合せが「同調周波数帯域の広さ」以外のアンテナ
特性に与える影響を比較勘案しつつ、実験的に容易に行
なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るダイバーシィ
ティーアンテナの1実施形態を示す3面図であって、
(A)はアンテナ基板にアンテナ励振器を設けた側から
見た背面図、(B)は電気配線記号を付記した断面側面
図、(C)はメインアンテナを設けた側から見た正面図
である。符号1で示したものは細長い短冊形のプリント
基板によって構成されたアンテナ基板であって、機械的
強度に関しても背骨的な役割を担っており、後に図2を
参照して説明するように円筒状アンテナカバーに収納さ
れ、無線機筐体に対して回動可能に装着される。このア
ンテナ基板1は、その両面に導通パターンが形成され、
本質的に表裏の区別は無いが、説明の便宜上、アンテナ
励振器3が形成されている側を片方の面と呼び、メイン
アンテナ素子として機能するλ/2アンテナ2を設けた
側を他方の面と呼ぶ。
【0021】前記のプリント基板より成るアンテナ基板
1の片方の面に、λ/4で共振するアンテナ励振器3
が、導通パターンによってジグザグ形に構成されてい
る。このように、アンテナ励振器3をジグザグ形に構成
すると、λ/4で共振する(便宜的に、電気的長さがλ
/4であると通称される)ように構成した場合、その機
械的な長さ寸法がλ/4よりも著しく短くなり、ダイバ
ーシィティーアンテナ全体の小形,軽量,低コスト化に
有効である。前記アンテナ基板1の他方の面に、λ/2
で共振する短冊形のメインアンテナ素子(紛らわしくな
い場合は単にλ/2アンテナと略称する)が、プリント
基板の導通パターンによって形成されている。上記λ/
2アンテナ2の給電端と、前記アンテナ励振器3の開放
端とが、アンテナ基板1を挟んで対向し、微小静電容量
を形成して静電容量結合cされている。前記アンテナ基
板1の他方の面に、電気的長さλ/4の短冊形アース板
4が導通パターンによって形成されている。そして、前
記アンテナ励振器3の入力端に心線を接続されたメイン
アンテナ用同軸ケーブル7mの外部導体が上記λ/4ア
ース板4に接続導通されている。以上のようにしてアン
テナ基板1の中央付近を含む先端部(図において右半
部)に、λ/2アンテナ素子2とλ/4アンテナ励振器
3とλ/4アース板4とよりなるメインアンテナMが構
成され、同軸ケーブル7mに接続されている。図1につ
いて以上に説明した構成部材相互の間に、接触導通して
いる箇所が無いので、接触不良に因るトラブルは発生し
ない。
【0022】前記アンテナ基板1の基端部付近(図にお
いて左端部付近)に、次のようにしてサブアンテナSが
形成され、前記のメインアンテナMとの間でアンテナ基
板1を(先端部と基端部とに区域を分けて)共用し、サ
ブアンテナSとメインアンテナMとが縦列に配設される
とともに、機械的に一体的に結合され、1個の細長くて
剛性を有する細立品であるダイバーシィティーアンテナ
の1組が形成されている。アンテナ基板1の片方の面
(先に述べたアンテナ励振器3が設けられている側の
面)の基端部(図の左端部)に、前記λ/4アース板4
と別体にアース板4′を導通パターンによって形成す
る。前記のλ/4アース板4はメインアンテナM用にア
ース板であり、上記アース板4′はサブアンテナSの構
成部分である。上記アース板4′に対し、アンテナ基板
1を隔てて対向せしめて該アンテナ基板1の他方の面
に、約λ/2で共振するパッチアンテナ5を導通パター
ンで形成する。この場合、本実施形態においては本図1
に示したように「長さ寸法が約λ/2であって、長短の
差が有る2本のパッチアンテナ素子5a,5b」を平行
に配置するとともに、図において右半部は一体に連結し
てある。このように構成することによってサブアンテナ
の同調周波数帯域が拡大する。上述のように複数のパッ
チアンテナ素子を組み合わせることを設計計算で定める
ことは難しいが、同調周波数帯域の形態以外のアンテナ
性能に及ぼす影響をチェックしながら、実験的に最適値
を求めることは容易に行ない得る。
【0023】本図1(B)に表されているように、サブ
アンテナ用同軸ケーブル7sの心線を前記λ/2パッチ
アンテナ5の給電点に接続するとともに、該サブアンテ
ナ用同軸ケーブル7sの外部導体はアース板4′に接続
されている。図面が過度に煩雑にならないように、図1
(C)には上記サブアンテナ用同軸ケーブル7sの心線
は図示を省略してあるが、図1(B),(C)に示した
符号kはλ/2パッチアンテナ5の給電点を示してい
る。図1(C)に示したように、前記の給電点kを、λ
/4で共振するショートスタブ6によって直流的にアー
ス板4′に接続してある。符号Eは上記ショートスタブ
6のアース点を表している。このように構成することに
より、何らかの事情でサブアンテナSのパッチアンテナ
5に高電圧が誘起されたとき、該高圧の誘起電圧が接地
されるので安全であり、しかもサブアンテナの高周波特
性に悪影響を及ぼすことが無い。本実施形態は上述のよ
うにして完全な静電対策が施されている。
【0024】上述のように、サブアンテナSについては
λ/4ショートスタブによって、高周波電圧が零になる
点を直流的にアースすることによって静電対策が為され
ている。そして、メインアンテナMについても、上記の
同様の手段で静電対策されている。すなわち、図1
(A)に示したようにアンテナ励振器3の給電端k′
が、直流的にアースE′されている。前記メインアンテ
ナ用の同軸ケーブル7mは、サブアンテナSのアース板
4′に対してほぼ平行に沿わしめて配置されている。こ
れにより、メインアンテナMとサブアンテナSとの相互
作用が軽減ないし防止される。このようにして相互の間
の影響を防止することにより、高周波電流がリークして
利得の低下を招くことが無くなり、かつ、リークした高
周波電流が高周波回路に悪影響を及ぼす虞れも無くな
る。
【0025】この図1に示した実施形態においては、メ
インアンテナ素子2,パッチアンテナ5,アンテナ励振
器3、およびアース板4,4′を、プリント基板より成
るアンテナ基板1の導通パターンとして形成した。この
ような構成によって、ダイバーシィティーアンテナの主
要な部品を導通パターンで形成すると、寸法精度の高い
構成部材を、正確な関係位置に配列して大量生産するこ
とができ、量産効果によって製造コストを低減せしめる
ことができる。その上、これらの導電性部材が金属の薄
層によって形成されているので軽量であってダイバーシ
ィティーアンテナ全体を小形に構成することができる。
そして、上記薄層状の導電性部材がプリント基板に密着
しているので該プリント基板によって補強された状態に
なっていて、誤って路上や床上に取り落とす程度の衝撃
に耐え、作動信頼性・耐久性が優れている。
【0026】図2は、前掲の図1に示した実施形態と異
なる実施形態に係るダイバーシィティーアンテナの2面
図であって、(A)は機械的な支持構造部分を仮想線で
付記した模式的な断面側面図、(B)は同軸ケーブルの
一部を破断して描いた模式的な外観平面図である。アン
テナ基板1′は前述の実施形態(図1)におけるアンテ
ナ基板1と類似の部材であって、プリント基板によって
構成されている。そして、本実施形態におけるメインア
ンテナMのアンテナ素子8は導通パターンによって形成
されたジグザグ形のアンテナ素子であって、λ/2で共
振するように設定されている。このように、メインアン
テナ素子をジグザグ形に構成すると、その機械的な外形
寸法が短くなり、これに伴ってアンテナ基板1′も小形
化されるのでダイバーシィティーアンテナ全体の小形,
軽量化に有効である。
【0027】本実施形態(図2)においては、アンテナ
基板1′にλ/2ジグザグアンテナ8が形成されている
側の面に、導通パターンによりアース板4′が形成さ
れ、サブアンテナ用同軸ケーブル7sの外部導体に接続
導通されている。これらと別体に金属板で形成された板
状逆Fアンテナ9が、前記アース板4′に対して直流的
に導通せしめて固定され、その給電点k″にサブアンテ
ナ用同軸ケーブル7sの心線が接続されている。これに
より、前掲の図1の実施形態におけるサブアンテナSの
λ/2パッチアンテナと同様に静電圧対策が為される。
以上のように構成されたアンテナ基板1′、および、こ
れに取り付けられた構成部材をアンテナカバー10に挿
入し、このアンテナカバー10を無線機の筐体(図外)
に対して傾動可能に取り付けられている。上記アンテナ
カバー10は円筒状をなし、アンテナ基板1′は平板状
をなしているので、双方の間に縦割円柱状の間隙が形成
される。前記の板状逆Fアンテナ9は上記の間隙の中に
収納されているので、該板状逆Fアンテナ9の存在によ
ってアンテナカバー10が別段拡大されてはないない。
図1の実施形態においてはλ/2パッチアンテナが導通
パターンで構成されていたので製作が容易であったのに
比して、本図2の板状逆Fアンテナは金属板を成形加工
する手数が掛かる。その代り、該板状逆Fアンテナ9と
アース板4′との間は空気で満たされているのでアンテ
ナ特性が良い。
【0028】図3は、前掲の図1に示した実施形態に係
るダイバーシィティーアンテナのSWR図であって、
(A)はメインアンテナの1.9GHz近傍の特性を、
(B)はサブアンテナの1.9GHz近傍の特性を、そ
れぞれ示している。上記の図3から、本実施形態が1.
9GHzを用いるコードレス電話や携帯電話用のダイバ
ーシィティーアンテナとして好適な高周波特性を有して
いることが分かる。図4は、前掲の図1に示した実施形
態に係るダイバーシィティーアンテナの1.9GHz近
傍におけるアイソレーション特性図であって、(A)は
メインアンテナからサブアンテナへの影響を、(B)は
サブアンテナからメインアンテナへの影響を、それぞれ
表している。上記の図4から、本実施形態においてはメ
インアンテナとサブアンテナとの間における相互の影響
が、実用上は零と見做し得る程度に軽減されていること
が理解される。図5は、前掲の図1に示した実施形態に
係るダイバーシィティーアンテナを水平姿勢ならしめた
場合の周囲360度範囲におけるアンテナ指向特性を示
し、(A)はメインアンテナの指向特性/利得を(B)
はサブアンテナを指向特性/利得、それぞれ表してい
る。
【0029】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明に
よると、メインアンテナとサブアンテナとがアンテナ基
板を共用しているので、ダイバーシィティーアンテナと
しての全体的外形が小形となり、全体が1本の細長い形
になるので取扱い易く、例えば無線機の筐体に対して起
伏傾動可能に支持する場合、支持構造が簡単で足り、回
動させて起立使用・傾倒収納する操作を迅速,容易に行
なうことができる。しかも、メインアンテナに給電する
同軸ケーブルがサブアンテナのアース板に沿って平行に
配設されているので、該メインアンテナとサブアンテナ
との間に相互の影響を生じない。
【0030】請求項2の発明によると、λ/4アース板
を備えたλ/4アンテナ励振器と、λ/2で共振するメ
インアンテナ素子とが、プリント基板より成るアンテナ
基板上に配列された構造であるから、これらのアース板
およびアンテナ励振器並びにアンテナ素子をプリント基
板の導通パターンとして形成することができ、別体の部
品として構成して取り付ける必要が無いので安いコスト
で工業的に製造することができ、しかも形状,寸法の品
質管理が容易であって大量生産品の品質の均一性を容易
に確保することができる。
【0031】請求項3の発明によると、サブアンテナ
が、プリント基板を介して対向するアース板とパッチア
ンテナとによって構成されているので、請求項1,2に
係るダイバーシィティーアンテナのメインアンテナ部分
を構成しているプリント基板により成るアンテナ基板を
サブアンテナと共用させることが合理的に行なわれ、構
成部品点数を減少せしめることができる。構成部品点数
の減少によって部品コストを低減せしめ得るとともに、
ダイバーシィティーアンテナ全体を小形,軽量ならしめ
ることができる。請求項4の発明によると、プリント基
板より成るアンテナ基板の板面に形成されたアース板と
別体に構成された板状逆Fアンテナを、上記アース板に
対向離間せしめて取り付けるので、前記請求項3におけ
るがごとく構成部材の平面度や平行度が必然的に高精度
で規制されることは期待できないので、製造コストは相
対的に割高になるが、前記アース板と板状逆Fアンテナ
とが対向している空間にプリント基板などの固形絶縁材
料が存在せず、空気によって満たされているので、前記
請求項3におけるよりも優れたサブアンテナのアンテナ
特性を得ることができる。
【0032】請求項5の発明によると、アンテナ励振器
の高周波電流に対する特性に変化を与えることなく、直
流的に該アンテナ励振器をアース板に接続することがで
きる。これにより、何らかの事情でアンテナ励振器に高
電圧が誘起されても、これをアースに落とすことができ
る。このようにして完全な静電対策が行なわれて安全で
ある。請求項6の発明によると、メインアンテナ素子が
ジグザグ形の導通パターンによって構成されているの
で、これを例えば短冊形のモノポールアンテナによって
構成する場合に比して外形寸法を短縮することができ、
その電気的長さをλ/2に構成したときの機械的形状の
長さ寸法はλ/2よりも著しく短縮される。請求項7の
発明によると、λ/2で共振するパッチアンテナの給電
点を、λ/4で共振するショートスタブを介してアース
に接続することにより、該パッチアンテナによって構成
されているサブアンテナの高周波電流に対する特性(ア
ンテナ特性)に影響を与えることなく、これを直流的に
アースに導通させることができる。これにより、何らか
の原因でサブアンテナに高電圧が誘起された場合、サブ
アンテナとしての機能を妨げることなく誘起電圧をアー
スに落として、完全な静電電圧対策が行なわれ、高電圧
の静電気が高周波回路内に進入することを防止できるの
で安全性が高い。
【0033】請求項8の発明によると、金属板で構成さ
れてλ/4で共振する板状の逆Fアンテナが直流的にア
ースに接続導通されているので、上記板状の逆Fアンテ
ナによって構成されているサブアンテナの高周波電流に
対する特性(アンテナ特性)に影響を与えることなく、
これを直流的にアースに導通させることができる。これ
により、何らかの原因でサブアンテナに高電圧が誘起さ
れた場合、サブアンテナとしての機能を妨げることなく
誘起電圧をアースに落として、完全な静電対策が行なわ
れ、高電圧の静電気が高周波回路内に進入することを防
止できるので安全性が高い。
【0034】請求項9の発明方法によると、公知の先願
(特開平9−148839号)に係る携帯無線電話機用
アンテナをメインアンテナとして用いるとともに、その
アンテナ基板を共用せしめたアース板とパッチアンテナ
とを設けて、これらの部材をサブアンテナとして作動せ
しめることにより、単一の細長い外形を有するダイバー
シィティーアンテナを低コストで容易に構成することが
でき、しかも高い利得が得られる。その上、メインアン
テナの同軸ケーブルをサブアンテナのアース板に沿わし
めて配設することにより、ダイバーシィティーアンテナ
全体の外形寸法を小さくし、しかもメインアンテナとサ
ブアンテナとの相互の間における影響を軽減することが
できる。
【0035】請求項10の発明方法によると、公知の先
願(特開平9−148839号)に係る携帯無線電話機
用アンテナをメインアンテナとして用いるとともに、そ
のアンテナ基板を共有せしめた金属板製の逆Fアンテナ
を設けて、これらの部材をサブアンテナとして作動せし
めることにより、単一の細長い外形を有するダイバーシ
ィティーアンテナを低コストで容易に構成することがで
き、しかも高い利得が得られる。その上、メインアンテ
ナの同軸ケーブルをサブアンテナのアース板に沿わしめ
て配設することにより、ダイバーシィティーアンテナ全
体の外形寸法を小さくし、しかもメインアンテナとサブ
アンテナとの相互の間における影響を軽減することがで
きる。
【0036】請求項11の発明方法によると、簡単な方
法で、ダイバーシィティーアンテナのサブアンテナ部の
同調周波数帯域を容易に拡大せしめることができる。本
発明に係るダイバーシィティーアンテナのメインアンテ
ナは前記公知技術(特開平9−148839号)の適用
によって本来的に広い同調周波数帯域を有しているの
で、本請求項11を適用してサブアンテナの同調周波数
帯域を拡大することの実用的意義は多大である。この請
求項11の発明方法における複数のパッチアンテナ素子
の組み合わせ方は、パッチアンテナ組子の組合せが「同
調周波数帯域の広さ」以外のアンテナ特性に与える影響
を勘案しつつ実験的に容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダイバーシィティーアンテナの1
実施形態を示す3面図であって、(A)はアンテナ基板
にアンテナ励振器を設けた側から見た背面図、(B)は
電気配線記号を付記した断面側面図、(C)はメインア
ンテナを設けた側から見た正面図である。
【図2】前掲の図1に示した実施形態と異なる実施形態
に係るダイバーシィティーアンテナの2面図であって、
(A)は機械的な支持構造を仮想線で付記した模式的な
側面断面図、(B)は同軸ケーブルの一部を破断して描
いた模式的な外観平面図である。
【図3】前掲の図1に示した実施形態に係るダイバーシ
ィティーアンテナのSWR図であって、(A)はメイン
アンテナの1.9GHz近傍の特性を、(B)はサブア
ンテナの1.9GHz近傍の特性を、それぞれ示してい
る。
【図4】前掲の図1に示した実施形態に係るダイバーシ
ィティーアンテナの1.9GHz近傍におけるアイソレ
ーション特性図であって、(A)はメインアンテナから
サブアンテナへの影響を、(B)はサブアンテナからメ
インアンテナへの影響を、それぞれ表している。
【図5】前掲の図1に示した実施形態に係るダイバーシ
ィティーアンテナを水平姿勢ならしめた場合の周囲36
0度におけるアンテナ指向特性を示し、(A)はメイン
アンテナの指向特性/利得を、(B)はサブアンテナの
指向特性/利得を、それぞれ表している。
【図6】特開平9−148839号公報に第1図として
掲載された携帯無線電話機用アンテナの1実施例に係る
2面図であって、(A)はアンテナケースおよびその支
持機構を取り除くとともに電気的長さ寸法を付記した正
面図、(B)は同じく電気的機能を付記した断面側面図
である。
【符号の説明】
1…アンテナ基板、2…λ/2アンテナ、3…アンテナ
励振器、4…λ/4アンテナ板、5…パッチアンテナ、
5a,5b…相互に電気的長さを異にする2本のパッチ
アンテナ素子、6…λ/4ショートスタブ、7m…メイ
ンアンテナ用の同軸ケーブル、7s…サブアンテナ用の
同軸ケーブル、8…λ/2ジグザグアンテナ、9…板状
逆Fアンテナ、10…アンテナカバー、20…アンテナ
基板、21…モノポールアンテナ素子、22…励振器、
23…アース板、24…同軸ケーブル、25…アース接
続金具、26…スペーサー、a…接続点、c…静電容
量、E,E′…アース、k,k′,k″…給電点、M…
メインアンテナ、S…サブアンテナ、W…幅寸法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01Q 19/22 H01Q 19/22 21/08 21/08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長いプリント基板より成るアンテナ基
    板の上に、アース板を有するメインアンテナと、アース
    板を有するサブアンテナとが、上記アンテナ基板の長手
    方向に縦列せしめて配列されており、 前記のメインアンテナに給電する同軸ケーブルが、サブ
    アンテナのアース板に沿わしめてほぼ平行に配設され
    て、該メインアンテナと前記サブアンテナとの相互間の
    影響が軽減されるようになっていることを特徴とするダ
    イバーシィティーアンテナ。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ基板上に、λ/4アース板
    付きのλ/4アンテナ励振器が配設されており、 前記のメインアンテナがλ/2で共振するように構成さ
    れるとともに、該メインアンテナの入力端と前記アンテ
    ナ励振器の出力端とが静電容量結合され、 該アンテナ励振器の入力端に、前記同軸ケーブルの心線
    が接続されていることを特徴とする、請求項1に記載し
    たダイバーシィティーアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記のプリント基板より成るアンテナ基
    板の片方の面にアース板が形成されるとともに、該アン
    テナ基板の他方の面に約λ/2で共振するパッチアンテ
    ナが形成されており、 前記片方の面に形成されたアース板と、他方の面に形成
    されたパッチアンテナとが、アンテナ基板の誘電体を介
    して対向して前記のサブアンテナを構成していることを
    特徴とする、請求項1もしくは請求項2に記載したダイ
    バーシィティーアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記のプリント基板より成るアンテナ基
    板の板面にアース板を形成するとともに、上記アース板
    に対向離間せしめてλ/4で共振する板状逆Fアンテナ
    を配設することによって前記のサブアンテナが構成され
    ていることを特徴とする、請求項1もしくは請求項2に
    記載したダイバーシィティーアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記のアンテナ励振器が、アンテナ基板
    面に形成されてλ/4で共振するジグザグ形の導通パタ
    ーンによって構成され、その一端が逆Fアンテナ状にア
    ース板に導通されていることを特徴とする、請求項2も
    しくは請求項4に記載したダイバーシィティーアンテ
    ナ。
  6. 【請求項6】 前記のメインアンテナが、プリント基板
    より成るアンテナ基板の板面に形成されてλ/2で共振
    するジグザグ形の導通パターンによって構成されている
    ことを特徴とする、請求項1ないし請求項5に記載した
    ダイバーシィティーアンテナ。
  7. 【請求項7】 前記のサブアンテナを構成しているパッ
    チアンテナの給電点が、λ/4で作動するショートスタ
    ブを介して、直流的にアースに接続されていることを特
    徴とする、請求項3もしくは請求項6に記載したダイバ
    ーシィティーアンテナ。
  8. 【請求項8】 前記のサブアンテナを構成している板状
    逆Fアンテナが金属板で成形されて、前記のアンテナ基
    板に取り付けられるとともに、直流的にアースに接続さ
    れていることを特徴とする、請求項4もしくは請求項6
    に記載したダイバーシィティーアンテナ。
  9. 【請求項9】 細長いプリント基板の片方の面に、λ/
    4で共振するアンテナ励振器を形成するとともに、該プ
    リント基板の他方の面にλ/2で共振するアンテナ素子
    を形成前記アンテナ励振機とアンテナ素子との間に静電
    容量を形成せしめてメインアンテナを構成し、 前記プリント基板に励振機を形成した片方の面にサブア
    ンテナ用のアース板を形成するとともに、他方の面に約
    λ/2で共振するパッチアンテナを形成してサブアンテ
    ナを構成し、 かつ、前記メインアンテナに給電する同軸ケーブルを前
    記サブアンテナ用アース板に沿わしめて配設することに
    よってメインアンテナとサブアンテナとの相互の間の影
    響を防止ないし軽減することを特徴とする、ダイバーシ
    ィティーアンテナの構成方法。
  10. 【請求項10】 細長いプリント基板の他方の面に、λ
    /4で共振する励振器を形成するとともに、該プリント
    基板の他方の面にλ/2で共振するアンテナ素子を形成
    し、上記励振器とアンテナ素子との間に静電容量を形成
    せしめてメインアンテナを構成し、 前記プリント基板にアンテナ素子を形成した側の面にサ
    ブアンテナ用のアース板を形成するとともに、上記アー
    ス板に対して金属板製の逆Fアンテナを取り付けてサブ
    アンテナを構成し、 かつ、前記メインアンテナに給電する同軸ケーブルを前
    記サブアンテナ用アース板に沿わしめて配設することに
    よってメインアンテナとサブアンテナとの相互の間の影
    響を防止ないし軽減することを特徴とする、ダイバーシ
    ィティーアンテナの構成方法。
  11. 【請求項11】 前記のパッチアンテナを、電気的長さ
    の異なる複数のアンテナ素子の組合せで構成することに
    より、サブアンテナの同調周波数帯域を拡大せしめるこ
    とを特徴とする、請求項9に記載したダイバーシィティ
    ーアンテナの構成方法。
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JP2008167146A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Fujikura Ltd アンテナ
JP2009124589A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Dx Antenna Co Ltd アンテナ
JP2009207076A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Denso Corp 車載統合アンテナ
JP5404882B1 (ja) * 2012-09-26 2014-02-05 株式会社東芝 アンテナ装置とこのアンテナ装置を備えた電子機器

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