JPH11177149A

JPH11177149A - 電球

Info

Publication number: JPH11177149A
Application number: JP9339950A
Authority: JP
Inventors: Yukio Yabukuro; 幸夫矢袋
Original assignee: HIYOSHI DENSHI KK; HIYOSHI ELECTRIC
Current assignee: HIYOSHI DENSHI KK; HIYOSHI ELECTRIC
Priority date: 1997-12-10
Filing date: 1997-12-10
Publication date: 1999-07-02

Abstract

(57)【要約】【課題】光源にＬＥＤ発光球を用い結露によっても光拡
散性を消失せず且つ正面方向の視認角度の広い電球を提
供する。【解決手段】原電球１０は棗（なつめ）型のガラス又は
樹脂等からなる中空の球体１１と球体１１内に配設され
たＬＥＤ発光球１２とを備え、球体１１の表面に非平滑
加工１３を施されている。ＬＥＤ発光球１２は通常のＬ
ＥＤ発光球でもよく、あるいは特別に工夫され、それ自
体で光拡散性を備えたＬＥＤ発光球１２を用いると一層
良い。この原電球１０の非平滑加工１３部分に被覆部材
１６をで被着して電球１８を形成する。被覆部材１６は
例えば成形樹脂等からなり平滑な表面を有し透光性を有
する。ＬＥＤ発光球１２の光は原電球１０表面の非平滑
加工１３によって乱反射し良く光が四方に拡散される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光源にＬＥＤ発光
体を用い結露によっても光拡散性を消失せず且つ正面方
向の視認角度の広い電球に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、タングステンフィラメントを
光源とする白熱電球に代って、これよりも使用電力が少
なくて経済的なＬＥＤ発光素子を光源とした電球が知ら
れている。但し、ＬＥＤ発光素子には、その発光が、タ
ングステンフィラメントの発光とは異なって、光の照射
範囲が極めて狭いという特性があるため用途が限定され
るという難点がある。

【０００３】図４(a) は、ＬＥＤ発光素子を用いたＬＥ
Ｄ発光球の一般的な構成を示す図であり、同図(b) 〜
(d) は、その発光の指向特性を示す図である。同図(a)
に示すように、ＬＥＤ発光球は、発光部１と、これを収
容して保護する透光部材２を有している。発光部１は微
小な基板であり、ＬＥＤ発光素子を備え、２本の電極リ
ード線３が外部に引き出されている。一般にＬＥＤ発光
素子は光度は強いが素子そのもが微小なものであるから
光量は少ない。また、発光駆動には小さな抵抗をＬＥＤ
発光素子と共に発光部１に配設するか又は電極リード線
３に接続する外部配線に付加するだけでよいから小型化
には便利である。

【０００４】しかしながら、上述したようにＬＥＤ素子
の発光は極めて強い指向性を有し、例えば同図(b) 〜
(d) に示すように、照射角度が広いものでも正面方向に
８０度程度の広がりしか有しておらず（同図(b) 参
照）、照射角度が狭いものにいたっては正面方向に１０
度以下の照射角度しか有していない（同図(d) 参照）。
このように、照射角度に広がりがないから、このままで
は、広い範囲を照らし出す又は広い角度から点灯が目視
できることが要求される用途には不向きである。

【０００５】この問題を解決すべくＬＥＤ素子を光源と
する電球の球体内面をフロスト加工したものが知られて
いる。電球の球体内面をフロスト加工することは、タン
グステンフィラメントを光源とする白熱電球においては
光源の光輝を和らげるためのものとして従来から良く知
られており、ＬＥＤ素子を光源とする電球ではＬＥＤ素
子の指向性の強い光を拡散させることを目的としてい
る。

【０００６】但しＬＥＤ素子を光源とする電球は、光源
がＬＥＤであるため高熱を発生することがなく、このた
め低温環境下では電球の球体内面のフロスト加工部に結
露を生じ易い。フロスト加工部に結露を生じると光を拡
散させる曇りガラスの効果が消失してしまう。上記のＬ
ＥＤ素子を光源とする電球で知られている技術は、その
結露を防止するために球体内部に乾燥剤を封入するとい
うものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、球体内
部に乾燥剤を封入する電球は、折角、使用寿命の長いＬ
ＥＤ発光素子を光源に採用しながら、その電球の使用寿
命がＬＥＤ発光素子の使用寿命ではなく乾燥剤の使用寿
命に左右されるという問題を有している。

【０００８】また、電球の球体内面をフロスト加工した
からといって、ＬＥＤ発光素子を光源とする場合では、
必ずしもタングステンフィラメントを光源とした場合の
ように、光を良く拡散できるというものでもない。

【０００９】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、
ＬＥＤ発光素子を光源に用い、そのＬＥＤ発光素子の寿
命に応じた寿命で使用でき且つ正面方向の照射角度の広
い電球を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】先ず、請求項１記載の発
明の電球は、表面を非平滑に加工された球体と、該球体
内に配設されたＬＥＤ発光体と、平滑な表面を有して上
記非平滑加工された球体表面を被覆する透光性被覆部材
とを備えて構成される。

【００１１】上記ＬＥＤ発光体は、例えば請求項２記載
のように、発光部に少なくとも１個のＬＥＤ発光素子を
備えて構成される。また、上記透光性被覆部材は、例え
ば請求項３記載のように、表面又は内面に蛍光塗料を塗
布されてなり、また、例えば請求項４記載のように、透
過光が有色の光彩となるよう所定範囲の波長の光のみに
対して透過性を有するように構成される。

【００１２】次に、請求項５記載の発明の電球は、表面
を非平滑加工された球体と、発光部に少なくとも１個の
ＬＥＤ発光素子を備えて上記球体内に配設されたＬＥＤ
発光体と、平滑な表面を有し所定範囲の波長の光に対し
て透過性を有し上記非平滑加工された球体表面を被覆す
る被覆部材と、を備えて構成される。上記被覆部材は、
例えば請求項６記載のように、表面又は内面に蛍光塗料
を塗布されて構成される。

【００１３】そして、請求項７記載の発明の電球は、表
面又は裏面を非平滑加工された球体と、発光部と庇護体
を有し上記発光部には少なくとも１個のＬＥＤ発光素子
を備え上記庇護体には表面に光拡散性を備えて上記球体
内に配設されたＬＥＤ発光体と、を備えて構成される。

【００１４】上記請求項１、５又は７記載の発明の電球
において、上記のＬＥＤ発光体は、例えば請求項８のよ
うに、上記球体の中央部よりも底部側に位置するように
配設されてなる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図１(a) は、一実施の形態に
おける原電球を一部切り欠いて示す側面図であり同図
(b) は、その原電球に被着させる透光性の被覆部材を示
す側断面図、同図(c) は、被覆部材の被着によって完成
した電球を示す側面図である。

【００１６】同図に示す原電球１０は、棗（なつめ）型
のガラス又は樹脂等からなる中空の球体１１と、この球
体１１内に配設されたＬＥＤ発光体１２とを備えてい
る。上記の球体１１は、少なくとも棗型下方の直円筒形
から末細り形に変形する境界Ａ−Ａ′よりも上の部分
に、サンドブラスト、フッ素食刻、セラミック塗装、或
は成形等による非平滑加工１３を施されている。またＬ
ＥＤ発光体１２は、図４(a) に示したＬＥＤ発光体と同
様のものが用いられている。このＬＥＤ発光体１２の発
光部（図４(a) の発光部１参照）には少なくとも１個の
ＬＥＤ発光素子が配設されており、２本の電極リード線
１４が外部に引き出されて電球１０の口金１５のねじ部
１５ａと突底部１５ｂに夫々接続されている。

【００１７】この原電球１０には、同図(b) に示す被覆
部材１６が被着される。被覆部材１６は、例えば成形樹
脂からなり平滑な表面を有し、原電球１０の変形する境
界Ａ−Ａ′上部（直円筒形の下部まで）を被覆するよう
に形成さている。このように、原電球１０の上部から、
丁度、直円筒形の下部までを被覆するようにしているの
で、被着作業は容易である。

【００１８】この被覆部材１６の被着によって完成した
同図(c) に示す電球１８は、不図示の電源ソケットに嵌
め込まれて通電されるとＬＥＤ発光体１２が発光する。
このＬＥＤ発光体１２の照射光の広がり角度は、図４
(b) 〜(d) に示したように広いものでも正面方向に８０
度程度の広がりしか有していない。このように指向性の
あるＬＥＤ発光体１２を光源に用いているにも拘らず、
原電球１０の球体１１には上述したように表面に非平滑
加工１３が施されているために、ＬＥＤ発光体１２から
の照射光は非平滑加工１３面で乱反射して、良く光が四
方に拡散される。

【００１９】尚、ＬＥＤ発光体１２を原電球１０の球体
１１の中央部よりも底部側（口金寄り）に配設するよう
にすると、一層良い光拡散性が得られる。このように正
面方向への照射光の広がりが大きいから周囲を広範囲に
照らし出すことができ、また、周囲からの視認性がよ
い。したがって、常夜灯又は非常灯として好適である。
特に図１(c) に示すような棗（なつめ）型で良く見られ
る常夜灯としては、白色発光の１個のＬＥＤ素子を備え
たＬＥＤ発光体を内蔵させたもので充分に使用に耐え得
るものが出来る。

【００２０】また、非常灯は一般に常夜灯よりも多くの
光量を必要とするが、原電球１０の光量は、ＬＥＤ発光
体１２の発光部に配設するＬＥＤ発光素子の数を増加さ
せることで容易に増量するにとができるから、任意の光
量の原電球１０を作成すること、つまり任意の光量の電
球１８を作成することができる。したがって、非常灯と
しても支障なく用いることができる。

【００２１】また、このような光拡散性と共に、ＬＥＤ
発光体１２の使用寿命に応じた使用寿命で使用すること
ができる。また、上記のように、原電球１０を被覆部材
１６で被覆することにより、非平滑加工１３の施された
原電球１０の表面が汚れで光拡散性を失う虞がない。ま
た、非平滑加工１３が原電球１０の表面であるので内面
に生じた結露によって非平滑加工面が影響を受けること
はない。また、被覆部材１６の被着によって非平滑加工
面に封止される気体量は極めて少ないので、たとえ結露
が生じても非平滑加工面の機能を損ねるような大きな結
露は発生しない。すなわち、寒冷な環境下においても結
露等の影響を受けることがない。

【００２２】尚、上記のＬＥＤ発光体１２としては、図
４(a) に示したような照射角度の比較的広いものを使用
することが好ましい。例えば図４(d) に示したように指
向性が余りに強いと、つまり照射角度が極めて狭いと、
特に球体１１が大きい場合に電球１８の光拡散性が前方
に限定されて光の良い拡散が得られない虞がでてくる。
しかし、本発明においては、特別に工夫されたＬＥＤ発
光体を用いる用意がしてある。これを用いると、ＬＥＤ
発光体の指向性の強さに制約されることなく常に光拡散
性の良い原電球１０が得られる。これを他の実施の形態
として以下に説明する。

【００２３】図２(a) 〜(d) は、他の実施の形態におけ
るＬＥＤ発光体の例を夫々示す図である。同図(a),(d)
は側断面図で示しており、同図(b),(c) は外観側面図で
示している。同図(a) 〜(d) に示すＬＥＤ発光体２０
（２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄ）は、いずれも例え
ばエポキシ樹脂等の樹脂製の球体２１（２１ａ、２１
ｂ、２１ｃ、２１ｄ、）と、この球体２１の外に一端が
引き出され、他端が球体内に埋設された２本のリード線
２２と、これら２本のリード線２２の他端に接続され球
体２１内に埋設されたＬＥＤチップ２４（同図(b),(c)
では、外観側面図であるため、ＬＥＤチップ２４は見え
ない）とで構成されている。

【００２４】上記ＬＥＤチップ２４には適宜の色の光を
発光する少なくとも１個のＬＥＤ素子が搭載されてい
る。尚、上記球体２１の直径φは３ｍｍ〜２０ｍｍに形
成される。勿論、直径φはこれより大きくてもよく、ま
た小さくてもよい。また、いずれの球体２１（２１ａ、
２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ）も、その表面は適宜の処理に
より夫々特別の非平滑加工が施されている。

【００２５】すなわち、図１(a) に示すＬＥＤ発光体２
０ａの場合は、球体２１ａの表面に、擦りガラス状の形
状加工２５が食刻により又は成型によって施されてい
る。これにより、ＬＥＤ素子２４の発光が、擦りガラス
状に形状加工された球体２１ａの表面のランダムな方向
を向く空気との界面で、一部はランダムな方向に屈折し
て外部に放射され、残る部分はランダムな方向で内部に
反射される。その反射方向の球体２１ａ表面のランダム
な方向を向く界面で再び一部はランダムな方向に屈折し
て外部に放射され、残る部分は内部にランダムに反射さ
れるということを繰り返して、ＬＥＤ発光体２０ａの発
光が、球体２１ａの底部方向を除く全球面方向に拡散し
て放射される。

【００２６】次に、同図(b) に示すＬＥＤ発光体２０ｂ
は、球体２１ｂの全面に不規則な形状のダイヤカット面
２６が刻設又は成型されている。この場合もＬＥＤ素子
２４から放射される照射角度の狭い発光は、球体２１ｂ
の表面のダイヤカット面２６のランダムな方向を向く界
面で乱反射されて、球体２１ｂの底部方向を除く全球面
方向に放射される。

【００２７】続いて、同図(c) に示すＬＥＤ発光体２０
ｃは、球体２１ｃの全面に球体２１ｃとほぼ同質の無数
の微細粒子２７を樹脂性接着剤等で被着して形成され
る。この場合もＬＥＤ素子２４から出射される照射角度
の狭い発光は、球体２１ｃの表面の微細粒子２７の不規
則な界面で乱反射されて、球体２１ｃの底部方向を除く
全球面方向に光が放射される。

【００２８】そして、同図(d) に示すＬＥＤ発光体２０
ｄは、通常のＬＥＤ発光体の球体２１ｄの全面に、光拡
散性を備えたキャップ部材２８を纏着して形成される。
キャップ部材２８の光拡散性はどのように形成してもよ
い。例えば同図(a),(b) 又は(c) のような表面構造に加
工したものでもよい。このキャップ部材２８は、通常の
ＬＥＤ発光体に纏着して用いることができるの、既存の
ＬＥＤ発光体をそのまま活用できて便利である。この場
合もＬＥＤ素子２４から出射される照射角度の狭い発光
は、球体２１ｄに纏着したキャップ部材２８の光拡散性
により拡散され、球体２１ｄの底部方向を除く全球面方
向に光が放射される。

【００２９】このように広い範囲の光拡散性を持たせた
ＬＥＤ発光体２０を原電球１０の光源に用いると、原電
球１０内でＬＥＤ発光体２０からの光が広く拡散して照
射されるから、原電球１０からの照射光が非平滑加工１
３によって、上述した場合よりもなお一層拡散し、した
がって電球１８の全面から光がほぼ均等に照射されるよ
うになる。

【００３０】図３は、そのようなＬＥＤ発光体２０を光
源に備えた原電球の他の形態を示す図である。同図に示
す原電球３０は、断面がほぼ真円をなす比較的大きな球
体３１と通常の口金１５を備え、光源に上述したＬＥＤ
発光体２０を備えている。そして、球体３１の表面は非
平滑加工３２が施されている。光量の大きなＬＥＤ発光
体２０を光源に用いると、このような原電球３０を交通
渋滞の表示灯などに使用いて視認角度が広く消費電力が
少ない最適な表示灯が得られる。一般に交通渋滞や工事
中の注意表示灯などは、従来の電球に保護キャップを被
せて用いているから、これに原電球３０のまま用いても
保護キャップで保護されていて原電球３０の表面が汚れ
ないから、非平滑加工３２の効力を充分維持できる。

【００３１】尚、上述した実施の形態において、いずれ
の場合もＬＥＤ発光素子の発光色は特に限定するもので
はないが、ＬＥＤ発光体の発光部に少なくとも３個以上
のＬＥＤ発光素子を配設する場合は、ＲＧＢ（赤、緑、
青）の三原色の組み合わせによって任意の色の照射光を
持たせることができる。また、ＬＥＤ発光体の形状は図
４(a) 又は図２(a) 〜(d) に示したものに限定するもの
ではない。また、電球の口金には、図１(a) 又は同図
(c) に示すねじ込み式の他に、特には図示しないが、フ
ラッシュ電球等に多く用いられている方式、蛍光燈の点
灯管に多く用いられている方式など種々あるが、口金の
形状に限定はなく、どのような形状のものでもよい。

【００３２】また、原電球の内面を非平滑化するとき
は、サンドブラスト、フッ素食刻、セラミック塗装、成
形等の他に、静電塗装、真空蒸着等の方法によって非平
滑化するようにしてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、球表面又は内面に光拡散性を持たせた電球内に光
源として、それ自体が広い範囲の光拡散性を有するＬＥ
Ｄ発光体を配設するので、消費電力が少なくて経済的で
あり照射角度が広くて広範囲からの視認性の良い電球
を、非常灯や常夜灯として提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】(a) は一実施の形態における原電球を一部切り
欠いて示す側面図、(b) は透光性の被覆部材を示す側断
面図、(c) は完成した電球を示す側面図である。

【図２】(a) 〜(d) は他の実施形態におけるＬＥＤ発光
体の例を４例示す図である。

【図３】他の実施形態におけるＬＥＤ発光体を光源とす
る原電球の他の形態を示す図である。

【図４】(a) は従来のＬＥＤ発光体の例を示す図、(b)
、(c) 、(d) はＬＥＤ発光素子の光照射角度が狭い
（指向性が強い）ことを示す図である。

【符号の説明】

１発光部２透光部材３電極リード線１０原電球１１球体１２ＬＥＤ発光体１３非平滑加工１４電極リード線１５口金１５ａねじ部１５ｂ突底部１６被覆部材１８電球２０（２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄ）ＬＥＤ発光
体２１（２１ａ、２１ｂ、２１ｃ、２１ｄ、）球体２２リード線２４ＬＥＤチップ２５擦りガラス状の形状加工２６不規則なダイヤカット面２７無数の微細粒子２８光拡散性キャップ部材３０原電球３１比較的大きな球体３２非平滑加工

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表面を非平滑加工された球体と、該球体
内に配設されたＬＥＤ発光体と、平滑な表面を有して前
記非平滑加工された球体表面を被覆する透光性被覆部材
と、を備えたことを特徴とする電球。
【請求項２】前記ＬＥＤ発光体は、発光部に少なくと
も１個のＬＥＤ発光素子を備えることを特徴とする請求
項１記載の電球。
【請求項３】前記透光性被覆部材は、表面又は内面に
蛍光塗料を塗布されてなることを特徴とする請求項１又
は２記載の電球。
【請求項４】前記透光性被覆部材は、透過光が有色の
光彩となるよう所定範囲の波長の光のみに対して透過性
を有することを特徴とする請求項１、２又は３記載の電
球。
【請求項５】表面を非平滑加工された球体と、発光部
に少なくとも１個のＬＥＤ発光素子を備えて前記球体内
に配設されたＬＥＤ発光体と、平滑な表面を有し所定範
囲の波長の光に対して透過性を有し前記非平滑加工され
た球体表面を被覆する被覆部材と、を備えたことを特徴
とする電球。
【請求項６】前記被覆部材は、表面又は内面に蛍光塗
料を塗布されてなることを特徴とする請求項５記載の電
球。
【請求項７】表面又は裏面を非平滑加工された球体
と、発光部と庇護体を有し前記発光部には少なくとも１
個のＬＥＤ発光素子を備え前記庇護体には表面に光拡散
性を備えて前記球体内に配設されたＬＥＤ発光体と、を
備えたことを特徴とする電球。
【請求項８】前記ＬＥＤ発光体は、前記球体の中央部
よりも底部側に位置するように配設されてなることを特
徴とする請求項１、５又は７記載の電球。