JPH11176071A - 光ディスクドライブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置に装着された光ディスクの種類の判別が
簡単にできるようにする。 【解決手段】 ディスク１に照射するレーザ光のフォー
カス位置を信号記録面に合わせた状態で、光ディスク１
で反射したレーザ光を検出して得た再生信号のエンベロ
ープをエンベロープ検出回路１１で検出し、その検出さ
れたエンベロープのトップ位置の状態を判別回路１２で
判別して、光ディスクの種類を判別するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディス
ク，光磁気ディスク，相変化ディスクなどの光学的に記
録や再生を行うディスク（以下これらのディスクを単に
光ディスクと称する）に、記録や再生などを行う光ディ
スクドライブ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクの記録や再生を行う装置とし
て、複数種類のフォーマットの光ディスクに対応したも
のが開発されている。例えば、ＣＤ（Compact Disc）と
称されるフォーマットの光ディスクと、ＤＶＤ（Digita
l Video Disc又はDigital Versatile Disc）と称される
フォーマットの光ディスクの双方を再生できるようにし
た光ディスク再生装置が開発されている。

【０００３】このような複数種類の光ディスクに対応し
た装置の場合には、まず装置に装着された光ディスクの
種類を判別して、対応した信号処理を行うように設定す
る必要がある。

【０００４】ここで、上述したようなＣＤのフォーマッ
トとＤＶＤのフォーマットの場合には、ディスクの厚さ
やトラックピッチなどの数値が大きく異なるため、比較
的容易にディスク種類を判別することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが近年、ディス
クの厚さなどの基本的な数値は同じであっても、再生方
法が異なる方式の光ディスクが開発されており、従来の
ディスク種類判別方法では対処できない場合がある。例
えば、ＤＶＤのグループで規定されるディスクとして、
再生専用のＤＶＤ或いはＤＶＤ−ＲＯＭと称されるディ
スクの他に、ＤＶＤ−Ｒ（ＤＶＤ−Recordable）と称さ
れる追記型のディスク（即ち記録したデータの消去がで
きないディスク）や、ＤＶＤ−ＲＷ（ＤＶＤ−Rewritab
le）と称される書き換え可能型のディスクが提案されて
いる。これらのＤＶＤ−Ｒ，ＤＶＤ−ＲＷのディスク
は、ディスクの厚さやトラックピッチなどの数値は、基
本的には再生専用のＤＶＤとほぼ同じ値に設定してあ
る。

【０００６】これらのディスクは、例えば再生専用のＤ
ＶＤと書き換え可能なＤＶＤ−ＲＷとで、再生時のレー
ザ強度を変化させる必要があり、これらのディスクの種
類を判別する必要がある。ところが、上述したようにデ
ィスクの厚さなどから種類を判別することは不可能であ
った。

【０００７】本発明はかかる点に鑑み、ディスクの種類
の判別が簡単にできるようにすることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、ディスクに照射するレーザ光のフォーカス
位置を信号記録面に合わせた状態で、光ディスクで反射
したレーザ光を検出して得た再生信号のエンベロープを
検出し、そのエンベロープのトップ位置の状態から光デ
ィスクの種類を判別するようにしたものである。

【０００９】かかる構成によると、例えばピットにより
トラックが形成された光ディスクの場合には、再生エン
ベロープのトップ位置がほぼ直線状になり、グルーブに
よりトラックが形成された光ディスクの場合には、再生
エンベロープのトップ位置が波状になり、ディスクの種
類判別ができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。

【００１１】図１は、本例の光ディスクドライブ装置の
構成を示すブロック図で、この装置に装着された光ディ
スク１はスピンドルモータ２により回転駆動する。この
回転駆動は、スピンドルサーボ回路３により所定の状態
に制御される。

【００１２】そして、このように回転駆動される光ディ
スク１の信号記録面には、光学ピックアップ４内のレー
ザ光源（図示せず）から出力されるレーザ光を照射す
る。この場合、光学ピックアップ４の位置は、コントロ
ーラ６の制御に基づいてスレッド送り機構５により設定
され、このスレッド送り機構５による駆動で光ディスク
１の任意の半径位置にレーザ光を照射できる構成として
ある。また、光ディスク１に照射するレーザ光のフォー
カス位置は、フォーカスサーボ回路７により制御され
る。さらに本例の光学ピックアップ４でディスクに照射
するレーザ光のパワーは、コントローラ６の制御によ
り、装着されたディスクの種類により変化させるように
してある。

【００１３】再生時の信号処理について説明すると、光
ディスク１の信号記録面に照射したレーザ光の戻り光を
光学ピックアップ４内で検出して、その検出信号を再生
ＲＦ（高周波）信号として出力する。この再生ＲＦ信号
は、ＲＦアンプ８に供給して増幅した後、再生処理回路
９で復調などの再生処理を施して、再生データを出力端
子１０に得る。

【００１４】また、ＲＦアンプ８が出力する再生ＲＦ信
号を、エンベロープ検出回路１１に供給し、エンベロー
プ検波処理を行い、その検波信号のトップ面（上限値）
の変化状態を、判別回路１２で判別する。この判別回路
１２で判別した結果は、コントローラ６に供給する。コ
ントローラ６では、この判別結果のデータに基づいて、
装置に装着された光ディスク１の種類の判別処理を行
う。この判別処理の詳細については後述する。

【００１５】記録時の信号処理としては、この装置に装
着した光ディスク１が記録できるディスクである場合に
は、入力端子１３に得られる記録データを、記録処理回
路１４に供給して、記録用の変調処理などを行って記録
信号を生成させ、その記録信号を光学ピックアップ４に
供給して、光ディスク１に照射する記録用のパワーのレ
ーザ光を記録信号で変調させる等の処理を行って、記録
処理を行う。なお、この記録処理については、光ディス
クに適用される記録方式により、光学ピックアップ以外
の手段（例えば磁界変調を行うための磁界発生手段）を
使用する場合もある。

【００１６】次に、コントローラ６の制御により実行さ
れる装着された光ディスクの種類の判別処理を説明す
る。ここでは装置に装着される光ディスク１として、ピ
ットの形成によりデータが記録されると共にトラックが
形成された再生専用の光ディスクと、グルーブ（溝）に
よりトラックが形成された位置に、相変化などでデータ
を記録することができると共に、その記録されたデータ
を再生することができる書き換え可能な光ディスクとの
少なくとも２種類のディスクが用意されている。

【００１７】即ち、再生専用の光ディスクの場合には、
例えば図３のＡに示すように、このディスク２０の信号
記録面２１に、所定の深さのピット（孔）が記録信号に
基づいた状態で配されたピット列２１ａ，２１ｂ，２１
ｃ‥‥が形成され、このピット列そのものがトラックと
なり、再生時にはこのピット列にレーザ光の照射させる
位置を一致させるトラッキングサーボ制御を行うこと
で、各ピット列の状態を再生信号として検出することが
できる。このような構成の光ディスクとしては、例えば
再生専用のＤＶＤと称されるディスクがある。

【００１８】また、書き換え可能な光ディスクの場合に
は、例えば図４のＡに示すように、このディスク３０の
信号記録面に、所定の間隔でグルーブ（溝）３２ａ，３
２ｂ，３２ｃ‥‥が形成され、このグルーブとグルーブ
の間の箇所がランド部３１となっている。そして、各グ
ルーブ３２ａ，３２ｂ，３２ｃ‥‥内の信号記録面を、
記録信号に基づいて相変化させることで、信号を記録す
ることができ、再生時には、その相変化を検出させる。
この場合、記録時や再生時のトラッキングサーボ制御
は、グルーブを検出することで行われる。このような構
成の光ディスクとしては、例えば書き換え可能なＤＶＤ
−ＲＷと称されるディスクがある。

【００１９】なお、書き換え可能な光ディスクは、場合
によってはランド部３１の相変化などで信号を記録した
り、或いはグルーブ内とランド部の双方に信号を記録す
ることもある。また、図３，図４ではそれぞれ説明を簡
単にするために、トラックを直線状に示してあるが、実
際には各トラックはディスクの円周方向に曲がって形成
されている。また、それぞれの光ディスクの信号記録面
上には、実際には何らかの保護膜が形成されているが、
図３，図４ではこの保護膜は省略してある。

【００２０】このような２種類のディスク２０，３０を
判別する場合に、コントローラ６は図２のフローチャー
トに示す処理を実行する。即ち、装置にディスクが装着
（挿入）されたことをコントローラ６が検出したとき
（ステップ１０１）、スレッド送り機構５により光学ピ
ックアップ４をディスク最内周位置に移動させる等の処
理を行って、光学ピックアップ４のスレッド送りの用意
を行う（ステップ１０２）。この状態で、スピンドルサ
ーボ回路３による駆動でスピンドルモータ２を回転さ
せ、装着された光ディスクを回転駆動させる（ステップ
１０３）。このときには、スピンドルサーボをロックさ
せる必要はない。

【００２１】そして、フォーカスサーボ回路７による制
御で、レーザ光のフォーカスサーボ制御を開始させた状
態で、光学ピックアップ４を所定の速度でスレッド送り
させ（ステップ１０４）、このときの判別回路１２での
判別結果からコントローラ６がディスク種類を判別する
（ステップ１０５）。

【００２２】ここで判別回路１２での判別状態について
説明すると、装着したディスクが図３のＡに示すような
再生専用の光ディスク２０である場合には、フォーカス
サーボをかけた状態でトラックを横切るようにスレッド
送りを行ったとき、エンベロープ検波される信号Ｅ₁₀と
して、図３のＢに示すように、そのトップ面の値ｅ
₁₁は、ほぼ一定のレベルとなり、信号面（ボトム面）の
値ｅ₁₂は、ピットの形成位置（即ちトラック位置）でデ
ィスクからの反射光の位相が変化してレベルが低下し、
次のトラックまでの間でレベルが上昇し、波状にレベル
が変化する。

【００２３】また、装着したディスクが図４のＡに示す
ような書き換え可能な光ディスク３０である場合には、
フォーカスサーボをかけた状態でトラックを横切るよう
にスレッド送りを行ったとき、エンベロープ検波される
信号Ｅ₂₀として、図４のＢに示すように、そのトップ面
の値ｅ₂₁は、グルーブ３２ａ，３２ｂ‥‥の形成位置で
レベルが上昇し、ランド部３１でレベルが低下し、波状
に変化する信号となり、信号面の値ｅ₂₂は、グルーブ３
２ａ，３２ｂ‥‥の形成位置でディスクからの反射光の
位相が変化してレベルが低下し、ランド部３１でレベル
が上昇し、波状に変化する。

【００２４】従って、判別回路１２で判別されるエンベ
ロープ検波値のトップ面として、ほぼ一定レベルが判別
されるとき、コントローラ６は再生専用のディスク２０
であると判断し、波状にレベルが変化することが判別さ
れるとき、コントローラ６は書き換え可能なディスク３
０であると判断できる。

【００２５】この判断に基づいて、例えば再生時のレー
ザ光のパワーを対応した値に設定することで、それぞれ
の種類のディスクを、適切に再生処理できるようにな
る。また、ディスク種類に応じて再生時にその他の処理
を切換える必要がある場合にも、そのディスク種類の判
断に基づいて、適切に処理できる。

【００２６】このように本例によると、光学ピックアッ
プからのレーザ光のフォーカスサーボをかけた状態で、
トラックを横切るように光学ピックアップをスレッド送
りさせたときの再生ＲＦ信号のエンベロープ検波信号の
トップ面の信号状態からディスクの種類を判別すること
ができる。従って、ディスクの厚さ，トラックピッチな
どの値がそれぞれの種類のディスクで同じであっても、
正確かつ迅速にディスク種類を判別でき、レーザパワー
の設定などの処理を的確に行える。

【００２７】なお、上述した実施の形態では、ディスク
種類を判別する際に、光学ピックアップからのレーザ光
がトラックを横切るように、スレッド送り機構でスレッ
ド送りさせた状態で、判別処理を行うようにしたが、ス
レッド送りをしない状態で、ディスク種類を判別するよ
うにしても良い。即ち、例えばスレッド送りが行われて
いない状態でも、トラッキングサーボ制御をしない場合
には、実際にはディスクの偏芯や、ディスクのチャッキ
ング時の精度などの要因で、レーザ光が複数のトラック
を横切る状態になるため、同様のエンベロープ信号を検
出して、ディスク種類を判別することが可能である。但
し、上述した実施の形態で説明したようにスレッド送り
を行えば、より確実にエンベロープ信号を検出できる。

【００２８】また、上述した実施の形態では、ピットに
よりトラックが形成された再生専用のディスクと、グル
ーブによりトラックが形成されたディスクに相変化で信
号を記録するディスクとの２種類のディスクの判別を行
う場合について説明したが、再生ＲＦ信号のエンベロー
プ検波信号のトップ面の信号状態から判別できるディス
クであれば、他の構成のディスクを判別するようにして
も良い。

【００２９】

【発明の効果】請求項１に記載した発明によると、トラ
ックの形成状態に応じて、再生信号のエンベロープのト
ップ位置の状態が変化し、そのトップ位置の状態の判別
から簡単にディスクの種類を判別することが可能にな
る。

【００３０】請求項２に記載した発明によると、請求項
１に記載した発明において、スレッド送りを行いながら
エンベロープを検出することで、より確実にディスク種
類の判別処理が行える。

【００３１】請求項３に記載した発明によると、請求項
１に記載した発明において、再生エンベロープのトップ
位置がほぼ直線状か波状かの判別により、ピットでトラ
ックが形成されたディスクと、グルーブでトラックが形
成されたディスクとの判別が簡単にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図
である。

【図２】本発明の一実施の形態によるディスク種別判別
処理を示すフローチャートである。

【図３】本発明の一実施の形態によるピットでトラック
が形成されたディスクの判別状態を示す説明図である。

【図４】本発明の一実施の形態によるグルーブでトラッ
クが形成されたディスクの判別状態を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１…光ディスク、４…光学ピックアップ、５…スレッド
送り機構、６…コントローラ、７…フォーカスサーボ回
路、１１…エンベロープ検出回路、１２…判別回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスクの信号記録面にレーザ光を照
   射する光学ピックアップと、 上記光学ピックアップが照射するレーザ光のフォーカス
   制御を行うフォーカス制御手段と、 上記フォーカス制御手段がフォーカス位置を上記信号記
   録面に合わせた状態で、光ディスクで反射したレーザ光
   を検出して得た再生信号のエンベロープを検出する検出
   手段と、 上記検出手段が検出したエンベロープのトップ位置の状
   態から上記光ディスクの種類を判別する判別手段とを備
   えた光ディスクドライブ装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の光ディスクドライブ装置
   において、 上記光学ピックアップが照射するレーザ光のスレッド位
   置を設定するスレッド送り手段を備え、 上記スレッド送り手段がスレッド送りを行った状態で、
   上記検出手段が検出したエンベロープのトップ位置の状
   態から上記光ディスクの種類を判別する光ディスクドラ
   イブ装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の光ディスクドライブ装置
   において、 上記判別手段での判別として、 トップ位置の状態がほぼ直線状であると判別したとき、
   ピットによりトラックが形成されたディスクであると判
   別し、 トップ位置の状態が波状であると判別したとき、グルー
   ブによりトラックが形成されたディスクであると判別す
   るようにした光ディスクドライブ装置。