JPH1117440A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置

Info

Publication number
JPH1117440A
JPH1117440A JP17063497A JP17063497A JPH1117440A JP H1117440 A JPH1117440 A JP H1117440A JP 17063497 A JP17063497 A JP 17063497A JP 17063497 A JP17063497 A JP 17063497A JP H1117440 A JPH1117440 A JP H1117440A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
satellites
feed horn
radio waves
antenna device
receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP17063497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3781074B2 (ja
Inventor
Zenichi Yoshida
善一 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP17063497A priority Critical patent/JP3781074B2/ja
Publication of JPH1117440A publication Critical patent/JPH1117440A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3781074B2 publication Critical patent/JP3781074B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Aerials With Secondary Devices (AREA)
  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Waveguide Aerials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置構成がシンプルで設置時の作業性がよ
く、かつ、小型化を実現しつつ複数の衛星からの電波を
感度よく受信できるアンテナ装置を提供する。 【解決手段】 2つの近接した衛星からの電波を小型の
反射鏡で受信するには、フィードホーンの2つの導波路
140a,140bの間隔Lを小さくする必要がある。
一方、開口部141a,141bは、所定の受信感度を
得るのに必要な開口面積を確保する関係上、相互に干渉
する。そこで、開口部141a,141bのうちの相互
に干渉する部分を、隔壁146を残して切り欠くように
して形成する。接近した2つの衛星からの電波を小型の
パラボラ反射鏡11を用いて必要な感度で受信すること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星放送を受信す
るためのアンテナ装置に係わり、特に、複数の衛星から
の電波を受信するためのアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放送衛星(BS ;Broadcast Satelli
te) を用いた放送(以下、BS放送という。)や、通信
衛星(CS ;Communications Satellite) を用いた放送
(以下、CS放送という。)等の衛星放送が普及しつつ
ある。このような衛星放送を受信するには、例えば放物
面形状の反射鏡と、この反射鏡の焦点位置付近に配置さ
れた受信ユニットとからなるアンテナ装置が使用される
のが一般的である。ここで受信ユニットは、通常、反射
鏡で集波された電波を後述の受信回路部に導く導波管と
してのフィードホーンと、このフィードホーンによって
導かれた電波を電気信号(受信信号)に変換すると共
に、この受信信号に所定の処理(周波数変換や増幅等)
を施して出力してBSチューナ等に供給する受信回路部
とを含んで構成される。
【0003】図18は、このようなフィードホーンの構
造を簡略化して表すものである。この図で(a)はフィ
ードホーンの側断面を表し、(b)は正面からみた状態
を表す。これらの図に示したように、このフィードホー
ンは、図示しない反射鏡側に向かって拡がる漏斗状の開
口部101と、開口部101と一体に形成された円筒状
の導波管102とから構成されている。このフィードホ
ーンは、反射鏡の焦点Fが開口部101の中央部に一致
するように配置されるようになっており、反射鏡で反射
されて焦点Fに集波された電波が導波管102の内部を
伝搬し、図の上側に配置される受信回路部(図示せず)
の電波・電気信号変換部に向かうようになっている。
【0004】図18に示したフィードホーンは、受信対
象の衛星が1つであるシングルビームアンテナに用いら
れるものであるが、最近では、異なる位置に打ち上げら
れた複数の衛星からの放送電波を1台のアンテナ装置に
よって受信することを可能としたマルチビームアンテナ
も実用化されている。この種のマルチビームアンテナで
は、反射鏡による各衛星からの電波の各集波位置に対応
してそれぞれフィードホーンを配置すると共に、各フィ
ードホーンごとに個別に受信回路部を設け、各衛星から
の電波をそれぞれ独立に処理して屋内のチューナ部に送
出するようになっている。ここで、1組のフィードホー
ンおよび受信回路部は一体化された受信ユニットとして
構成されており、このような受信ユニットが受信ビーム
数(受信対象の衛星の数)と同じ数だけ配置されるよう
になっている。
【0005】図19は、2つの衛星からの放送電波を受
信可能なデュアルビームアンテナに用いられるフィード
ホーン部の構造を簡略化して表すものである。この図で
(a)はフィードホーン部の側断面を表し、(b)は正
面からみた状態を表す。このフィードホーン部は、図1
8に示したものとほぼ同一構造の開口部101aおよび
導波管102aからなるフィードホーン103aと、こ
れと同一構造のフィードホーン103bとから構成され
ている。フィードホーン103aとフィードホーン10
3bとの間隔d(各開口部の中心間距離)は、2つの衛
星の軌道位置と、反射鏡の開口径および焦点距離に依存
する。具体的には、2つの衛星が接近し、反射鏡の開口
径が小さく、焦点距離が小さいほど、間隔dは小さくな
る。
【0006】ところで、アンテナのF/D値(反射鏡の
焦点距離と反射鏡の開口径との比)は、良好な受信感度
を得るのに適したフィードホーンの開口径を定める要素
となるが、設計・製作上の共通化や容易化を図る等の理
由から、アンテナのサイズにかかわらず、ほぼ一定に設
定されることが多い。具体的には、F/D値は、例えば
0.5程度に設定されることが多いが、この場合には、
フィードホーンの適切な開口径は30mm程度となり、
これより小さくても大きくても受信感度は良くならな
い。すなわち、通常一定とされるF/D値によって定ま
る最適な所定サイズの開口部をもつフィードホーンが必
要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
マルチビームアンテナは、1つのフィードホーンと1つ
の受信回路部とを一組として一体に構成した受信ユニッ
トを受信ビーム数と同じ数だけ配置することで構成され
ていた。このため、各アンテナ装置ごとに、受信ビーム
数に応じた数の受信ユニットを作製しなければならず、
フィードホーンや受信回路基板等の部品点数が多くなっ
て装置構成が複雑化すると共に、コストの低減も困難で
あった。また、複数の受信ユニットを1つの反射鏡の各
集波位置に対応させてできるだけ正確に配置し確実に固
定する必要があることから、そのための位置決め機構や
固定機構が個別に必要となり、装置が複雑化すると共
に、設置作業も煩雑化せざるを得なかった。また、各フ
ィードホーンごとに受信回路部が設けられていたので、
受信回路部と屋内のBSチューナ部とを結ぶための同軸
ケーブルが複数必要となり、配線が煩雑になるという問
題もあった。
【0008】ところで、わが国における現状の住宅事情
を考慮すると、あまりに大きい反射鏡を用いたアンテナ
装置では設置スペースの確保が困難な場合も多いことか
ら、より一層のコストダウンおよび普及を図るために
も、アンテナ装置を小型化する必要がある。
【0009】しかしながら、反射鏡を小さくすると、上
記したようにフィードホーン間の距離dを小さくする必
要が生じ、特に、2つの衛星が非常に接近している場合
には、フィードホーン間の距離dをますます小さくしな
ければならなくなる。一方、必要な受信感度を確保する
には、フィードホーンが上記したような所定サイズ(例
えば開口径が30mm程度)の開口部をもつことが要求
される。このため、場合によっては、図20に示したよ
うに、フィードホーンの開口部同士が干渉し合う(ぶつ
かり合う)可能性もある。この場合、2つのフィードホ
ーンが相互に干渉し合わないようにするには、各フィー
ドホーンの開口径を小さくすればよいが、これでは上記
したように反射鏡により反射された電波を効率的に導波
管内に導くことができず、受信感度を一定以上に保つこ
とが困難となる。例えば、既に実用に供されているJC
SAT−3(日本通信衛星3号)と、近々打ち上げが予
定されているJCSAT−4(日本通信衛星4号)とを
例にとると、両衛星の静止軌道位置の経度差が僅か4度
という極めて接近したものであるため、これらの衛星か
らの電波を1台のアンテナ装置で受信するにはフィード
ホーンの開口径を相当小さくしなければならず、必要な
受信感度を得ることが極めて困難となる。
【0010】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、装置構成がシンプルでコスト
低減が容易であり、しかも、設置時の作業性がよいアン
テナ装置を提供することにある。また、本発明の第2の
目的は、小型化を実現しつつ、複数の衛星からの電波を
感度よく受信することができるアンテナ装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のアンテナ装置
は、複数の衛星からの電波を反射してそれぞれ異なる位
置に集波する反射鏡と、電波を電気信号に変換する変換
部と、各衛星からの電波の集波位置に対応してそれぞれ
配置され、それらの集波された電波を変換部に導く複数
の導波路と、複数の導波路と一体に構成され、変換部に
より変換された受信信号に対して所定の信号処理を行う
受信回路部とを備えている。ここで、各導波路は、それ
ぞれ所定の受信感度を得るに足る開口面積を有するよう
に形成すると共に、隣接する導波路と干渉する部分につ
いてはこれを切り欠くようにして形成するのが好適であ
る。また、受信回路部は、複数の導波路に対して共通に
設けるようにするのが好適である。
【0012】本発明のアンテナ装置では、反射鏡で反射
されてそれぞれ異なる位置に集波した各衛星からの電波
は、複数の導波路によってそれぞれ変換部に導かれ、こ
こで電気信号としての受信信号に変換される。この受信
信号は、複数の導波路と一体に構成された受信回路部に
おいて所定の信号処理が施される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実
施の形態に係るアンテナ装置の概略構成を表すものであ
る。このアンテナ装置1は、例えば図11に示したよう
に、互いに接近した距離を保って赤道上に静止軌道を描
く2つの衛星S1,S2からの電波を受信するためのデ
ュアルビームアンテナとして構成されたもので、例えば
図12に示したように、利用者の家屋の屋根上やベラン
ダ等に設置されて使用されるものである。本実施の形態
では、衛星S1,S2がCS放送の電波を送出する通信
衛星であるとして説明するが、これに限らず、BS放送
の電波を送出する放送衛星であってもよい。ここで、C
S放送では直線偏波が用いられ、BS放送では円偏波が
用いられる。
【0014】図1に示したように、このアンテナ装置1
は、受信ユニット16によって電波が妨げられることの
ないオフセット型のアンテナ装置として構成されたもの
で、回転放物面の一部からなるパラボラ反射鏡11と、
アーム12によってパラボラ反射鏡11の焦点近傍に固
定されたクランプ部13と、クランプ部13によって回
転可能に保持された受信ユニット16とを備えている。
受信ユニット16は、フィードホーン部14と、このフ
ィードホーン部14と一体に形成された通常コンバータ
と呼ばれる受信回路部15とを含んで構成されている。
受信回路部15の下部には、図示しないコネクタが配設
され、ここに同軸ケーブル17の一端側が接続されてい
る。同軸ケーブル17の他端側は屋内のチューナ(図示
せず)に接続されている。ここで、パラボラ反射鏡11
が本発明における「反射鏡」に対応する。
【0015】パラボラ反射鏡11の背面側には、パラボ
ラ反射鏡11の仰角を調整するための仰角調整機構21
が取り付けられている。この仰角調整機構21は、円弧
状の長孔21aに挿通された固定用ボルト21bによっ
て案内されながら固定用ボルト21cを中心として仰角
方向に回動可能であり、適当な仰角位置で固定用ボルト
21b,21cを締め付けることでパラボラ反射鏡11
をその位置に固定できるようになっている。仰角調整機
構21は、パラボラ反射鏡11の方位角を調整するため
の方位角調整機構22に取り付けられている。この方位
角調整機構22は、円弧状の長孔22aに挿通された固
定用ボルト22bによって案内されながら固定用ボルト
22cを中心として方位角方向に回動可能であり、適当
な方位角位置で固定用ボルト22b,22cを締め付け
ることでパラボラ反射鏡11をその位置に固定できるよ
うになっている。方位角調整機構22は、本体部23a
とこの本体部23aに対向して設けられた固定板23b
とを含んで構成された固定部23に連結されている。そ
して、本体部23aと固定板23bとの間にベランダの
支柱等を挟み込んでボルト23c等で締めつけることに
より、このアンテナ装置全体を上記のベランダの支柱等
に取り付けることができるようになっている。
【0016】図2は図1におけるクランプ部13および
受信ユニット16を拡大して表すものであり、図3は図
2における矢印Aの方向からみた状態を表すものであ
り、図4は図2における矢印Bの方向から見た状態を表
すものである。なお、図3および図4ではキャップ14
4を装着した状態を示している。上記したように、受信
ユニット16は、フィードホーン部14と受信回路部1
5とを含んで構成されているが、このうち、フィードホ
ーン部14は、互いに平行に並んで隣接する2つの導波
路140a,140bが形成されたフィードホーン本体
部142と、フィードホーン本体部142の前側(パラ
ボラ反射鏡11に面する側)部分の周囲に形成されたリ
ング部143と、フィードホーン本体部142およびリ
ング部143の前面部を覆うためのキャップ144とを
備えている。ここで、導波路140a,140bが本発
明における「複数の導波路」に対応する。
【0017】導波路140a,140bの各前端部(パ
ラボラ反射鏡11に面する側)には、それぞれ、所定の
開口面積を有する開口部141a,141bが形成され
ている。フィードホーン本体部142とリング部143
とは、例えばアルミニウム等の金属ダイカストのように
一体の導電体として形成される。但し、両者を別体で形
成し、これを連結するようにしてもよい。フィードホー
ン本体部142は、クランプ部13によって回転可能に
保持されると共に、図示しない固定ねじによって任意の
回転位置でクランプ部13に対して固定されるようにな
っている。フィードホーン本体部142の回転中心軸
は、開口部141a,141bの中点を通り、かつ導波
路140a,140bの軸に平行な軸(以下、中点軸と
いう。)である。
【0018】図3および図4に示したように、フィード
ホーン本体部142は、開口部141a,141bの中
点位置とパラボラ反射鏡11の焦点Fとが一致するよう
に配置される。この状態で、図13に示したように、衛
星S1,S2からの電波がそれぞれパラボラ反射鏡11
で反射され、フィードホーン部14の開口部141a,
141bの各中央部近傍にそれぞれ集波されるようにな
っている。なお、図13は、このアンテナ装置の仰角お
よび方位角を衛星S1,S2の方向に合わせた場合に、
パラボラ反射鏡11およびフィードホーン部14を図1
における矢印Dの方向から見た状態を簡略化して表すも
のである。
【0019】図5は図3においてキャップ144を取り
外した状態でフィードホーン部14を正面から見た状態
を表し、図6は図5におけるYY′断面を表し、図7は
図5におけるZZ′断面を表すものである。これらの図
に示したように、導波路140a,140bのうち、円
筒状部分は互いに干渉することなく相互間隔(中心間距
離)Lをもってそれぞれ円筒状に形成されている。一
方、開口部141a,141bは、それぞれ、所定の傾
斜度の傾斜面をもつ漏斗形状(円錐形状)の一部をなす
ように形成されているが、導波路140a,140bの
相互間隔Lは開口部141a,141bの最大径φ(以
下、単に開口径φという。)よりも小さく形成されてい
るため、開口部141a,141bは相互に干渉する。
このため、開口部141a,141bのうちの相互に干
渉する部分は、隔壁146を残して、切り欠かれた状態
に形成されている。
【0020】導波路140a,140bの相互間隔L
は、図11〜図13に示した衛星S1,S2の相対距離
(正確には各衛星の静止位置の経度差)とパラボラ反射
鏡11の開口径および焦点距離等に依存し、衛星S1,
S2の経度差が小さくなるほど、Lも小さくなる。例え
ば、衛星S2が東経128度に位置するJCSAT−3
であり、衛星S1が近々打ち上げられて東経124度に
位置する予定のJCSAT−4であるとすると、両者の
経度差は僅か4度となる。ここで、パラボラ反射鏡11
の開口径を例えば40cm程度と小型化し、その焦点距
離を例えば20cm程度にしたとすると、一般にF/D
と表記される焦点距離とアンテナ開口径との比は0.5
程度となり、このときの導波路140a,140bの相
互間隔Lは22mm程度となる。一方、このような小型
のパラボラ反射鏡11によって必要な受信感度を得よう
とすると、各開口部141a,141bの開口径φは2
5mmを越える必要があると考えられる。したがって、
この場合には開口部141a,141bが互いに干渉し
合うことになるが、両者の干渉部分をそれぞれ切り欠い
て図5〜図7に示したような形状とすることで、間隔L
および開口径φに対する要求を同時に満たすことがで
き、接近した2つの衛星からの電波を小型のパラボラ反
射鏡11を用いて必要な感度で受信することが可能とな
る。
【0021】ここで、開口部141a,141bの開口
径φの好適な選択例を挙げる。受信電波の周波数を例え
ば12.20GHz〜12.75GHzとし、間隔Lを
例えば21.7mmとし、パラボラ反射鏡11の開口径
を例えば40cmとした場合において、開口部141
a,141bの開口径φを21mm,25mm,28m
mの3通りに設定して実験を行った。この結果、開口径
φを21mmにした場合に比べて開口径φを25mmま
たは28mmにした場合には、0.2dB〜0.3dB
程度のゲイン(利得)の向上と、0.2dB〜0.4d
B程度のノイズ低減効果とを得ることができ、両者を併
せたC/N(キャリア/ノイズ)差は、0.4dB〜
0.6dB程度向上した。ここで、開口径φが25mm
の場合と28mmの場合とではC/N差はほぼ同じであ
ったので、2つの開口部141a,141bの干渉量
(切欠量)が少なく円形からの変形量が少なくて済む2
5mmの方を採用するのがより好適である。
【0022】リング部143は、衛星からの電波以外の
他の方向から飛び込んでくるノイズ成分をキャンセルし
て開口部141a,141bから導波路140a,14
0b内へノイズが侵入するのを防止するためのものであ
る。図6に示したように、リング部143の内側の溝の
深さMは電波の波長の4分の1となるように形成され
る。このため、リング部143の外側に入射した電波R
1によって生じた表面電流Iはリング部143の内側の
溝を越える際に波長の2分の1の位相差を生じ、この電
流が、溝の内側のフィードホーン本体部に入射する電波
R2によって生ずる電流とキャンセルし合うのである。
すなわち、このリング部143の存在によりノイズ成分
が低減されて受信感度が向上する。
【0023】図2および図3に示したキャップ144
は、非導電体(例えば、PE(ポリエチレン)やAES
(アクリル樹脂の一種)等の合成樹脂)で形成され、主
として防水のために設けられるが、このほかに、電波の
収束効果を上げるという目的のためにも使用される。例
えば、キャップ144の全体を誘電正接(誘電率の損失
正接;tan(ε′/ε″);但し、ε′,ε″はそれ
ぞれ複素誘電率εの実部と虚部)の低い材質で形成する
と共に、その内側部を開口部141a,141bの形状
に合わせて突出させた形状に加工し、キャップ144を
フィードホーン部14に装着したときに上記の突出部が
最適位置に配置されるように構成するのが好適である。
この場合には、上記の突出部がいわばレンズとして作用
し得るので、結果として開口部141a,141bの径
が大きくなったのと等価となり、集波効果の向上により
受信感度を上げることができる。
【0024】図8は図3の受信ユニット16およびクラ
ンプ部13におけるXX′断面を拡大して表すものであ
り、図9は図4における矢印Cの方向から受信回路部1
5を見た状態を表すものである。ここで、図8は図9に
おけるXX′断面にも対応する。なお、図8では図3で
示したキャップ144の図示を省略し、図9では図8に
示した蓋板154の一部および遮蔽部材153の図示を
省略し、図8および図9では図4に示した同軸ケーブル
17の図示を省略している。
【0025】図8および図9に示したように、受信回路
部15は、導電体からなる筐体151と、この筐体15
1内に収容された基板モジュール152と、この基板モ
ジュール152の主要部を覆うようにして配設された導
電体からなる遮蔽部材153と、筐体151を密封する
ための導電体からなる蓋板154とを有している。ここ
で、筐体151は、例えばアルミニウム等の金属ダイカ
ストのようにフィードホーン本体部142と一体に形成
されるが、これに限らず、両者を別体として形成し連結
するようにしてもよい。
【0026】基板モジュール152の裏面側(電波が到
来する側)には、接地用パターン152a(図9では図
示せず)が形成され、フィードホーン本体部142の導
波路140a,140bと一面に接している。基板モジ
ュール152の表面側(電波の到来する面と反対側)に
は、導波路140a,140bの形状に対応してパター
ニングされた接地用パターン152bと、水平方向の直
線偏波の受信電極としての水平電極パターン152c−
1,152c−2と、垂直方向の直線偏波の受信電極と
しての垂直電極パターン152d−1,152d−2と
が形成されている。これらのパターンはいずれも、例え
ば銅箔等の薄膜導体で形成されている。但し、図8で
は、各パターンの厚さを実際よりも厚く描いている。
【0027】ここで、水平電極パターン152c−1お
よび垂直電極パターン152d−1は、導波路140a
に対応して設けられた受信電極であり、このうち、水平
電極パターン152c−1は導波路140aを伝播して
きた水平方向の直線偏波を電気信号に変換し、垂直電極
パターン152d−1は導波路140aを伝播してきた
垂直方向の直線偏波を電気信号に変換するためのもので
ある。一方、水平電極パターン152c−2および垂直
電極パターン152d−2は導波路140bに対応して
設けられた受信電極であり、このうち、水平電極パター
ン152c−2は導波路140bを伝播してきた水平方
向の直線偏波を電気信号に変換し、垂直電極パターン1
52d−2は導波路140bを伝播してきた垂直方向の
直線偏波を電気信号に変換するようになっている。ここ
で、水平電極パターン152c−1,152c−2およ
び垂直電極パターン152d−1,152d−2が本発
明における「変換部」に対応する。
【0028】遮蔽部材153は、導波路140a,14
0bを伝播してきて基板モジュール152を透過した電
波を遮断するためのもので、筐体151と同様に、例え
ばアルミニウム等の金属ダイカストにより形成され、基
板モジュール152の表面側から接地用パターン152
bのみと面接触するようにして、図示しないねじによっ
て筐体151に固定されている。蓋板154は、筐体1
51内部を密閉して雨水の侵入を防止すると共に電磁遮
蔽するためのもので、導電体により形成されている。
【0029】図10は基板モジュール152の回路構成
の概略を表すものである。この基板モジュール152
は、主として受信信号の周波数変換と増幅とを行うコン
バータと呼ばれる回路を搭載している。具体的には、電
波を電気信号に変換するための4つの受信電極(水平電
極パターン152c−1,152c−2、および垂直電
極パターン152d−1,152d−2)と、水平電極
パターン152c−1または垂直電極パターン152d
−1の一方を選択するように切り替えを行うスイッチ部
156aと、水平電極パターン152c−2または垂直
電極パターン152d−2の一方を選択するように切り
替えを行うスイッチ部156bと、スイッチ部156
a,156bのいずれか一方の出力を選択するように切
り替えを行うスイッチ部157と、スイッチ部157の
出力端に接続された高周波増幅回路158と、高周波増
幅回路158の出力端に接続された混合回路159と、
混合回路159に所定の周波数の局部発振信号を供給す
る局部発振回路160と、混合回路159の出力端に接
続された中間周波増幅回路161とを備えている。
【0030】中間周波増幅回路161の出力端は、同軸
ケーブル17(図4等)が接続されるコネクタ155に
接続されている。また、この基板モジュール152は、
同軸ケーブル17からコネクタ155を介して供給され
る直流電圧(例えば15V程度)を基に、上記の各回路
に安定した電力を供給する安定化電源162が設けられ
ている。ここで、基板モジュール152のうち、水平電
極パターン152c−1,152c−2および垂直電極
パターン152d−1,152d−2を除く部分が、主
として、本発明における「受信回路部」に対応する。
【0031】スイッチ部156a,156b,157
は、それぞれ、図示しない制御部からの切替信号に応じ
て切替動作を行うことにより、上記した4つの受信電極
のいずれか1つを選択して高周波増幅回路158と接続
するようになっている。なお、上記の制御部は、例え
ば、屋内に配設されたチューナ(図示せず)から同軸ケ
ーブル17を介して送られてきた受信偏波選択命令に応
じて上記の切替信号を出力するようになっている。高周
波増幅回路158は、水平電極パターン152c−1等
において受信した例えば12GHz帯の高周波信号をそ
のまま増幅するための回路で、例えばGaAs−FET
(ガリウム砒素電界効果トランジスタ)等のような非常
に低雑音の増幅素子を用いて構成されている。混合回路
159は、高周波増幅回路158で増幅された例えば1
2GHz帯の高周波信号と局部発振回路160から供給
された例えば11GHz帯の局部発振信号とをヘテロダ
イン検波して、同軸ケーブル17によって伝送可能な周
波数帯である例えば1GHz帯の中間周波数信号(IF
信号)を出力するようになっている。受信した高周波信
号の周波数を例えば12.25GHz〜12.75GH
zとし、局部発振信号の周波数を例えば11.2GHz
とすると、IF信号の周波数は1.05GHz〜1.5
5GHzとなる。中間周波増幅回路161は、混合回路
159から出力されたIF信号に対し、同軸ケーブル1
7を伝送する際の信号減衰を補償し図示しないチューナ
のノイズ指数に起因する画質劣化を低減するために必要
なレベルまで、増幅を行う。
【0032】次に、以上のような構成のアンテナ装置の
作用および動作を説明する。
【0033】まず、図11〜図15を参照して、このア
ンテナ装置の調整方法を説明する。この調整には、フィ
ードホーン部14と受信回路部15とを一体化して構成
した受信ユニット16の回転角の調整と、パラボラ反射
鏡11および受信ユニット16を含むアンテナ装置全体
の仰角の調整と、このアンテナ装置全体の方位角の調整
とがある。ここではまず、受信ユニット16の回転角の
調整が必要な理由、およびその調整方法を説明する。
【0034】今、受信対象の衛星が図11および図12
に示した2つの衛星S1,S2であるとする。ここで、
上記したように、例えば衛星S2が赤道上空36000
kmの高さで東経128度に静止軌道をもつJCSAT
−3であり、衛星S1が赤道上空36000kmの高さ
で東経124度に静止軌道をもつJCSAT−4である
とすると、例えば東経約140度の東京においては、こ
れらの衛星S1,S2は、図12に示したように南西の
空に静止しているように見える。これらの衛星は共に赤
道上に位置するので、2つの衛星の中点(ここでは東経
126度)を通る経線上の地点から2つの衛星を見た場
合には、各衛星の仰角(水平線を基準とした見かけ上の
高度角)は等しくなるが、上記した中点を通る経線上に
ない地点から見ると、図12および図14に示したよう
に、2つの衛星S1,S2の仰角β1,β2は等しくは
なく、しかも観測地点の緯度や経度によって両者の仰角
差(β2−β1)は変化する。具体的にいうと、2つの
衛星S1,S2の中点を通る経線から離れれば離れるほ
ど仰角差は拡大する方向に変化する。より具体的には、
図12に示したように、アンテナ装置の設置地点の経度
(ここでは140度)により近い経度に位置する衛星S
2の仰角は、より遠い経度に位置する衛星S1の仰角よ
りも大きい。言い換えると、衛星S1よりも衛星S2の
ほうが高い位置に見えるのである。したがって、例えば
日本国内の各地でアンテナ装置を設置する場合には、設
置地点における2つの衛星S1,S2の仰角差に応じて
パラボラ反射鏡11による各衛星からの電波の集波位置
も変化することとなるので、最良の受信感度を得るに
は、実際の各集波位置に受信ユニット16の2つの開口
部141a,141bをそれぞれ合わせ込む必要がある
のである。
【0035】そこで、このような実際の各集波位置と開
口部141a,141bとの合わせ込みを行うべく、本
実施の形態に係るアンテナ装置では、クランプ部13に
よってフィードホーン部14を含む受信ユニット16全
体を中点軸を中心として回転可能に保持すると共に、フ
ィードホーン部14を回転させることによって各集波位
置に開口部141a,141bの各中央部をそれぞれ合
わせ込んだ状態で、図示しない固定ねじ等によりフィー
ドホーン部14をクランプ部13に固定できるようにし
ている。この場合のフィードホーン部14の回転角は、
アンテナ装置の設置地点の主として経度により定まるの
で、予めフィードホーン部14の周囲に設置地点ごとの
回転角を目盛っておき、利用者はこの目盛りに従って受
信ユニット16の回転調整を行うようにすればよい。
【0036】図15は、図12に示した衛星S1,S2
に対して受信ユニット16の回転調整を行った後の状態
を表すものである。なお、この図はパラボラ反射鏡11
の側から受信ユニット16を見た状態を示している。こ
の例では、パラボラ反射鏡11の焦点Fを通る中点軸を
中心として、受信ユニット16全体(すなわちフィード
ホーン部14)を水平方向から角度α(以下、回転調整
角αという。)だけ時計方向に回転させた位置に調整さ
れている。
【0037】例えば、アンテナ装置の設置地点が東経約
140度の東京の場合には、衛星S1,S2(ここでは
JCSAT−4,JCSAT−3)に対する仰角β1,
β2(図14)はそれぞれ約45.3度,46.7度と
なり、この場合の仰角差(β2−β1)は約1.4度と
なる。この仰角差の存在により、衛星S1,S2からの
電波のパラボラ反射鏡11による集波位置P1,P2が
上下にずれることとなるが、この場合、中点軸を中心と
して受信ユニット16を約18度だけ時計方向に回転す
ると、各集波位置P1,P2が各開口部141a,14
1bのそれぞれほぼ中央にくるようになる。すなわち、
東京においては受信ユニット16の回転調整角αは約1
8度となる。
【0038】このようにして受信ユニット16の回転角
の調整を行ったのち、今度はアンテナ装置の仰角および
方位角の調整を行う。このアンテナ装置の仰角の調整
は、図1における仰角調整機構21によって行う。すな
わち、仰角調整機構21の円弧状の長孔21aに挿通さ
れた固定用ボルト21bと回転中心となる固定用ポルト
21cとを緩めて、パラボラ反射鏡11を設置地点の緯
度や経度に応じて予め定められた仰角位置にまで動か
し、そこで固定用ボルト21b,21cを締めることで
パラボラ反射鏡11を固定する。また、このアンテナ装
置の方位角の調整は、図1における方位角調整機構22
によって行う。すなわち、方位角調整機構22の円弧状
の長孔22aに挿通された固定用ボルト22bと回転中
心となる固定用22cとを緩めて、パラボラ反射鏡11
を設置地点の経度に応じて予め定められた方位角位置に
まで動かし、そこで固定用ボルト22b,22cを締め
ることでパラボラ反射鏡11を固定する。そして、さら
に、この状態で実際に電波を受信し、その受信状態が最
良となるように仰角および方位角の微調整を行う。
【0039】次に、このアンテナ装置の動作を簡単に説
明する。
【0040】衛星S1,S2からそれぞれ送出された高
周波のCS放送波は、図13に示したようにパラボラ反
射鏡11で反射されてフィードホーン部14の開口部1
41a,141bの各中央部付近にそれぞれ集波され、
さらに、導波路140a,140bによって図8の基板
モジュール152へと導かれる。この場合、衛星S1,
S2から送出されるCS放送波は、水平方向および垂直
方向の2種類の偏波である。
【0041】さて、基板モジュール152に到達した高
周波の電波は、この基板モジュール152の表面側に設
けられた水平電極パターン152c−1,152c−
2,垂直電極パターン152d−1,152d−2によ
って高周波の電気信号に変換され、図10に示した高周
波増幅回路158に選択的に入力される。このとき、上
記の4つ電極パターンからの信号のうちのいずれを高周
波増幅回路158に入力するかについては、図示しない
制御部によってスイッチ部156a,156b,157
を切り替えることで選択する。
【0042】ところで、直線偏波の場合、その偏波方向
は必ずしも水平または垂直方向と一致するものではな
く、この偏波方向が水平または垂直方向となす角(以
下、偏波角γという。)は受信地点の緯度および経度に
よってかなり変化する。例えば、衛星S1が東経124
度に位置するJCSAT−4の場合、沖縄の那覇におけ
る偏波角γが約7.4度であるのに対し、東京における
偏波角γは約20.7度と大きい。また、衛星S2が東
経128度に位置するJCSAT−3の場合、沖縄の那
覇での偏波角γが約0.6度であるのに対し、東京での
偏波角γは約15.9度と大きい。一方、図9に示した
各受信電極パターン(水平電極パターン152c−1,
152c−2,垂直電極パターン152d−1,152
d−2)は、通常、アンテナの使用可能エリア(例えば
日本国内)の中心付近の基準地点(例えば大阪)におけ
る受信電波の偏波角γに正確に合わせて作成される。し
たがって、仮に、この基準地点以外の地点で、受信ユニ
ット16の回転方向の傾きを一定(ここでは、大阪での
方向と同じ)にして設置したとすると、図9に示したよ
うに、受信地点に応じて、受信電極パターンと偏波方向
との間(例えば、垂直電極パターン152d−1の方向
と受信電波の垂直偏波方向Hとの間)に、その受信地点
に固有の偏波角の差(以下、偏波角変化量Δγとい
う。)が生じることとなり、効率的な電波・電気信号変
換ができなくなってゲインが低下する。特に、使用可能
エリアの境界近くの領域(例えば、北海道や九州等)に
おいては偏波角変化量Δγが大きくなり、受信感度が極
端に悪化する。
【0043】ここで、注目すべきことは、上記の基準地
点(例えば大阪)での受信電波の偏波方向と、受信可能
エリア内における他の地点(例えば東京)での受信電波
の偏波方向との差(すなわち、上記した偏波角変化量Δ
γ)は、上記の基準地点におけるフィードホーン部14
の回転調整角α(図15)と、受信地点におけるフィー
ドホーン部14の回転調整角αとの差(以下、回転角変
化量Δαという。)にほぼ等しいことである。例えば、
2つの衛星S1,S2からの電波の偏波角γは、大阪で
はそれぞれ約16.1度,10.7度であり、東京では
それぞれ約20.7度,15.9度であるから、各衛星
についての偏波角変化量Δγは、それぞれ約4.6度,
5.2度となる。一方、フィードホーン部14の回転調
整角αは、大阪では約13.4度であり、東京では約1
8.3度であるから、回転角変化量Δαは約4.9度と
なる。すなわち、偏波角変化量Δγと回転角変化量Δα
とはほぼ等しくなる。したがって、図15に示したよう
に、フィードホーン部14を受信地点の緯度や経度によ
って定まる適正な回転調整角αだけ回転させる調整を行
った場合には、それと同時に、偏波角変化量Δγの補正
も自動的に行われるのである。このため、上記したよう
な偏波誤差に起因するゲインの劣化は殆ど発生せず、ま
た、目的の偏波方向と交差する方向の偏波の混入による
不要な受信信号レベルを低減でき、目的のチャネルに関
して良好な受信感度を確保することができる。なお、フ
ィードホーン部14の適正な回転角αと偏波角γとは厳
密には一致せず、両者の差は受信地点によって多少変化
するものの、その差の範囲は、日本国内の主要地域では
1度以下であるので、実際上、問題にはならない。
【0044】さて、このようにして高周波増幅回路15
8に入力された高周波受信信号は、ここでその周波数の
まま増幅されて混合回路159に入力される。混合回路
159は、高周波増幅回路158で増幅された高周波信
号と局部発振回路160から供給された局部発振信号と
をヘテロダイン検波して、その差分周波数をもつIF信
号を出力し、中間周波増幅回路161に入力する。中間
周波増幅回路161は、混合回路159から出力された
IF信号を必要なレベルまで増幅する。こうして増幅さ
れたIF信号は、同軸ケーブル17を経由して屋内のチ
ューナ(図示せず)に送られ、図示しないテレビジョン
受像機における画面表示に供される。
【0045】以上のように、本実施の形態に係るアンテ
ナ装置では、2つの導波路140a,140bを有する
フィードホーン部14と受信回路部15とを一体として
1つの受信ユニット16を構成したので、従来のように
アンテナ装置ごとに受信ビーム数に応じた数の受信ユニ
ットを用意する必要がなく、単一の受信ユニット16の
みを用意すればよい。このため、部品点数が少なくな
り、装置構成が簡略化する。また、複数の受信ユニット
の各々を1つの反射鏡の各集波位置に対応させて配置し
固定する従来装置に対し、本アンテナ装置では単一の受
信ユニット16のみを用いるので、その位置決め機構や
固定機構が簡単となり、設置作業も容易となる。さら
に、2つの導波路140a,140bに対応して共通の
受信回路部15を設け、これらの導波路140a,14
0bからの受信信号を適宜切り替えて受信回路部15で
処理するようにしたので、受信ユニット16と屋内のチ
ューナ部とを結ぶための同軸ケーブルが1本で足り、配
線も簡単となる。また、リング部143を設けたことに
より、ノイズの低減が可能となる。
【0046】また、本実施の形態に係るアンテナ装置で
は、導波路140a,140bの各開口部141a,1
41bが互いに干渉し合う場合には、両者の干渉部分を
切り欠くようにして開口部141a,141bを形成し
たので、両者の間隔Lを小さくすると同時にそれぞれの
開口径φを大きくするという相反する要求を同時に満た
すことができる。このため、小型のパラボラ反射鏡11
を用いた場合であっても、接近した2つの衛星からの各
電波を効率よく分離してそれぞれ十分な感度で受信する
ことが可能となる。
【0047】さらに、本実施の形態に係るアンテナ装置
では、クランプ部13により、フィードホーン部14を
含む受信ユニット16全体を中点軸を中心として回転で
きるように保持することとしたので、アンテナ装置の設
置地点に依存して変化する各衛星からの電波の集波位置
と開口部141a,141bとの合わせ込みを容易に行
うことができる。しかも、パラボラ反射鏡11全体を回
転するのでなく、受信ユニット16の部分のみを回転さ
せるようにしたので、最も重量のあるパラボラ反射鏡1
1を回転可能に保持する機構が必要なくなり、強風に対
する耐性が向上する。さらに、パラボラ反射鏡11自体
は常に基準位置にあるので、そこに描かれた文字記号等
のデザインが傾いた状態で設置されるという外観上の不
具合を解消することもできる。
【0048】以上、実施の形態を挙げて本発明を説明し
たが、本発明はこの実施の形態に限定されず、その均等
の範囲内で種々変更可能である。例えば、上記の実施の
形態では、衛星S1,S2をCS放送用の衛星として説
明したが、本発明はこれに限定されず、BS放送用の衛
星にも適用可能である。但し、このBS放送では円偏波
が用いられるので、この場合には図9に示した基板モジ
ュール152に代えて、図16に示したような受信電極
パターン152e−1,152e−2を有する基板モジ
ュール152′を用いる。この図で図9と同一部分には
同一の符号を付す。この例では、導波路140a,14
0bにそれぞれ対応する受信電極パターン152e−
1,152e−2を、垂直方向からそれぞれ+/−方向
に所定の角度(例えば45度)ずつ傾いた方向に延びる
ように形成し、また、接地用パターン152b′を、上
記の受信電極パターン152e−1,152e−2を避
けるようにしてパターニングしている。その他の構成は
図9の場合と同様である。
【0049】また、2つの衛星は同種の衛星(すなわ
ち、CSとCS、またはBSとBS)には限られず、異
種衛星(すなわちCSとBS)からの電波を受信可能な
アンテナ装置を構成することも可能である。この場合に
は、基板モジュールのうち、CSからの電波を受信する
導波路に対応した部分には、例えば図9に示したような
受信電極パターン(例えば水平電極パターン152c−
1および垂直電極パターン152d−1の組)を形成
し、BSからの電波を受信する導波路に対応した部分に
は、例えば図16に示したような受信電極パターン15
2e−2等を形成すればよい。
【0050】また、上記の実施の形態では、2つの衛星
からの電波を受信可能なデュアルビームアンテナ装置に
ついて説明したが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、3つ以上の衛星からの電波を受信可能なマルチビ
ームアンテナ装置に適用することも可能である。例え
ば、赤道上空に互いに接近して等間隔に並ぶ3つの衛星
からの電波を受信可能なトリプルビームアンテナ装置を
構成する場合には、例えば図17に示したように、それ
ぞれの衛星からの電波を受信するための導波路140
a′,140b′,140c′を直線上に並べて形成す
ると共に、それぞれの入り口に開口部141a′,14
1b′,141c′を形成し、それらの周囲にリング部
143′を形成してフィードホーン部14′を構成す
る。そして、3つの開口部141a′,141b′,1
41c′の配列方向の中点がパラボラ反射鏡11の焦点
Fに一致するようにしてフィードホーン部14′を配置
すると共に、上記した中点(焦点F)を通り導波路14
0a′,140b′,140c′に平行な軸を中心とし
てフィードホーン部14′を回転できるように構成すれ
ばよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載のアンテナ装置によれば、反射鏡
によって集波された複数の衛星からの各受信電波をそれ
ぞれ変換部に導く複数の導波路と、変換部によって受信
電波から変換された受信信号に対する所定の信号処理を
行う受信回路部とを一体に構成するようにしたので、従
来のように導波路と受信回路部とを1対1で組み合わせ
たユニットを受信対象の衛星の数に応じた数だけ用意す
るという必要がなく、複数の導波路と受信回路部とを一
体化したユニットを1つだけ用意すればよい。このた
め、部品点数が減少して装置構成を簡略化できると共
に、反射鏡に対する各導波路の位置決め機構や固定機構
が簡単となって設置作業が容易になるという効果があ
る。
【0052】特に、請求項2記載のアンテナ装置によれ
ば、各導波路が所定の受信感度を得るに足る開口面積を
もつように形成すると共に、隣接する導波路と干渉する
部分についてはこれを切り欠くようにして形成したの
で、導波路間隔の縮小と導波路の開口面積の確保という
相反する要求を同時に満たすことができる。すなわち、
小型の反射鏡を用いた場合であっても、接近した2つの
衛星からの各電波を効率よく分離してそれぞれ十分な感
度で受信することが可能になるという効果がある。
【0053】また、請求項3記載のアンテナ装置によれ
ば、複数の導波路に対して共通の受信回路部を設けるよ
うにしたので、受信回路部の構成に要する部品点数の減
少等によりコスト低減を図ることができる。また、実際
の設置の際に必要なアンテナ装置と屋内のチューナとを
結ぶためのケーブルが1本で足り、配線が簡単になると
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るアンテナ装置の全
体を表す斜視外観図である。
【図2】図1のクランプ部および受信ユニットを拡大し
て表す斜視外観図である。
【図3】クランプ部および受信ユニットの正面図であ
る。
【図4】クランプ部および受信ユニットの側面図であ
る。
【図5】受信ユニットにおけるフィードホーン部の正面
図である。
【図6】受信ユニットにおけるフィードホーン部の一部
断面図である。
【図7】受信ユニットにおけるフィードホーン部の他の
一部断面図である。
【図8】クランプ部および受信ユニット全体の断面図で
ある。
【図9】受信ユニットの背面図である。
【図10】受信ユニット内の基板モジュールの回路構成
を表すブロック図である。
【図11】衛星の静止軌道を表す説明図である。
【図12】地上からみた衛星の位置を表す説明図であ
る。
【図13】2つの衛星からの電波がパラボラ反射鏡によ
ってフィードホーン部に集波される様子を説明するため
の説明図である。
【図14】2つの衛星の仰角差を説明するための説明図
である。
【図15】受信ユニットを回転調整した状態を表す図で
ある。
【図16】受信ユニットにおける基板モジュールの他の
構成例を表す背面図である。
【図17】受信ユニットにおけるフィードホーン部の他
の構成例を表す正面図である。
【図18】シングルビームアンテナに用いられるフィー
ドホーンの構造を簡略化して表す構造図である。
【図19】デュアルビームアンテナに用いられるフィー
ドホーンの構造を簡略化して表す構造図である。
【図20】近接した2つの衛星からの電波を受信するた
めに小型のデュアルビームアンテナを構成する場合の問
題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
11…パラボラ反射鏡、12…アーム、13…クランプ
部、14…フィードホーン部、15…受信回路部、16
…受信ユニット、17…同軸ケーブル、21…仰角調整
機構、22…方位角調整機構、23…固定部、140
a,140b、140a′,140b′,140c′…
導波路、141a,141b,141a′,141
b′,141c′…開口部、142…フィードホーン本
体部、143…リング部、144…キャップ、151…
筐体、152…基板モジュール、152c−1,152
c−2…水平電極パターン、152d−1,152d−
2…垂直電極パターン、152e−1,152e−2…
受信電極パターン、153…遮蔽部材、154…蓋板、
S1,S2…衛星

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の衛星からの電波を反射してそれぞ
    れ異なる位置に集波する反射鏡と、 電波を電気信号に変換する変換部と、 前記各衛星からの電波の集波位置に対応してそれぞれ配
    置され、それらの集波された電波を前記変換部に導く複
    数の導波路と、 前記複数の導波路と一体に構成され、前記変換部により
    変換された受信信号に対して所定の信号処理を行う受信
    回路部とを備えたことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の導波路は、それぞれ、所定の
    受信感度を得るに足る開口面積を有すると共に、隣接す
    る導波路と干渉する部分が切り欠かれて形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 【請求項3】 前記受信回路部は、前記複数の導波路に
    対して共通に設けられていることを特徴とする請求項1
    記載のアンテナ装置。
JP17063497A 1997-06-26 1997-06-26 アンテナ装置 Expired - Fee Related JP3781074B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17063497A JP3781074B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17063497A JP3781074B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 アンテナ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1117440A true JPH1117440A (ja) 1999-01-22
JP3781074B2 JP3781074B2 (ja) 2006-05-31

Family

ID=15908522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17063497A Expired - Fee Related JP3781074B2 (ja) 1997-06-26 1997-06-26 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3781074B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000022438A (ja) * 1998-06-16 2000-01-21 Acer Inc 複数のフィードを有する受信装置及びマイクロ波修正レンズ
KR100356653B1 (ko) * 1998-01-22 2002-10-18 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 멀티 1차 방사기, 다운 컨버터 및 멀티 빔 안테나
US7064726B2 (en) 2002-09-20 2006-06-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna device and transmitting/receiving device
JP2006324964A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Dx Antenna Co Ltd マルチビームフィードホーン、給電装置及びマルチビームアンテナ
JP2008211606A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Maspro Denkoh Corp 2衛星受信用一次放射器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100356653B1 (ko) * 1998-01-22 2002-10-18 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 멀티 1차 방사기, 다운 컨버터 및 멀티 빔 안테나
US6483475B1 (en) 1998-01-22 2002-11-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Block-down-converter and multi-beam-antenna
JP2000022438A (ja) * 1998-06-16 2000-01-21 Acer Inc 複数のフィードを有する受信装置及びマイクロ波修正レンズ
US7064726B2 (en) 2002-09-20 2006-06-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antenna device and transmitting/receiving device
JP2006324964A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Dx Antenna Co Ltd マルチビームフィードホーン、給電装置及びマルチビームアンテナ
JP4519710B2 (ja) * 2005-05-19 2010-08-04 Dxアンテナ株式会社 マルチビームフィードホーン、給電装置及びマルチビームアンテナ
JP2008211606A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Maspro Denkoh Corp 2衛星受信用一次放射器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3781074B2 (ja) 2006-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6388633B1 (en) Multibeam antenna
US6611696B2 (en) Method and apparatus for aligning the antennas of a millimeter wave communication link using a narrow band oscillator and a power detector
US5812096A (en) Multiple-satellite receive antenna with siamese feedhorn
US6262689B1 (en) Antenna for communicating with low earth orbit satellite
KR20010096501A (ko) 다중 빔 위성 통신 안테나
EP0597318B1 (en) Multibeam antenna for receiving satellite
US5005023A (en) Dual band integrated LNB feedhorn system
US20020165001A1 (en) Wireless communication network with tracking flat-panel antenna
US6208312B1 (en) Multi-feed multi-band antenna
JP3781074B2 (ja) アンテナ装置
EP0997803B1 (en) Satellite terminal antenna installation
EP0921590A2 (en) Antenna for communicating with low earth orbit satellite
JP3607825B2 (ja) マルチビームアンテナ
JPH1197924A (ja) アンテナ装置
JPH1117445A (ja) アンテナ装置およびその調整方法
JP3190270B2 (ja) マルチビームアンテナ
JP2000040914A (ja) アンテナ装置
KR102284920B1 (ko) 다중 위성신호 수신용 안테나 시스템
JP4413173B2 (ja) 地上波/衛星放送共用受信アンテナ
KR200212460Y1 (ko) 위성방송 수신용 엘엔비 고정브라켓
JP3165364B2 (ja) 円偏波・直線偏波受信共用コンバータ及び該コンバータを用いた受信装置
JP4648866B2 (ja) Uhfアンテナ及び衛星受信アンテナ
JPH07212137A (ja) コンバータ
JPH09321544A (ja) 衛星信号受信アンテナ用コンバータ
JP2000059250A (ja) アンテナ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050520

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20051014

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20051209

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060215

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060228

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees